衣類状吸収性物品
衣類状吸収性物品は、ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシを含む。シャーシの縦方向長さは、該シャーシのウエスト周方向寸法との直線関係で最適化され、該周方向寸法は500グラムの張力で測定される。直線関係に関しては、衣類の厚さは、長さ及び周方向寸法により定められる同じラインに沿ってほぼ一定であり、y切片が増加すると減少する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下着のように機能し、下着のような感触があり、さらに吸収特性を含むパンツ状物品に向けられる。
【背景技術】
【0002】
トレーニングパンツのようなパンツ状吸収性衣類は、着用者のトイレ・トレーニング過程において、おむつから下着への移行を助ける過渡的衣類として設計される。理想的には、トレーニングパンツは、適合性及び快適さの点で下着に類似する一方で、着用者がこの衣類の着用中に起こり得るどんな「事故」をも捕らえる吸収特性を与えるべきである。下着とは異なり、トレーニングパンツは、そこに含まれる吸収性材料の容積に起因して嵩高くなることがある。この嵩高さは、衣類を下着というよりおむつのように感じさせることになる。同様に、成人用失禁用衣類、水着、及びおむつのような他の種類のパンツ状吸収性衣類は吸収性材料を含み、その結果、嵩高く見えることになる。
【0003】
製造の観点からは、材料費に関して経費節約になるように、各衣類においては、できるだけ少ない材料を含むことが望ましい。消費者の観点からは、快適な適合性並びに十分な吸収性及び漏れ抵抗性をもたらすように、必要なだけできるだけ多くの材料を含むことが望ましい。従って、十分な快適さ及び機能性を与えるのに必要な最小量の材料を求めることにより、こうした衣類に用いられる材料の量を最適化することが望ましい。
【0004】
吸収性衣類は、典型的には、例えば、吸収層が外側カバーと身体側ライナとの間に位置決めされた多層で構築される。さらに、サージ層、スペーサ層、及び障壁層を含むが、これらに限られるものではない各々が特化した機能を有する付加的な層を、吸収性衣類の構造に含むことができる。これらの層の各々が衣類の全体の厚さに加わるが、典型的には、吸収層が全ての中で最も厚い層である。一般には、衣類が厚くなるほど、その中間層を全て包むために衣類を長くしなければならなくなり、従って、衣類の製造費を増加させることになる。
【0005】
従って、最適化された物理的パラメータを有し、結果として下着のような外観及び感触のある衣類を与える吸収性パンツ状衣類に対する必要性即ち要望がある。さらに、最適化された厚さをもつ衣類のウエスト周方向寸法に対して最適化された長さを有する一方で、相当量のレベルの可撓性及び吸収能力を維持する吸収性パンツ状衣類に対する必要性即ち要望がある。
【発明の開示】
【0006】
従来技術において遭遇する、論じられた困難及び問題に対応して、最適化されたパラメータを有する新たなパンツ状吸収性衣類が発見された。本発明の原理は、トレーニングパンツ、おむつ、おむつパンツ、水着、成人用失禁用製品などのような多数のパーソナルケア製品用途のいずれにも適用することができる。
【0007】
本発明のパンツ状吸収性衣類は、ウエスト開口部と第1及び第2の脚開口部を定める吸収性シャーシを含む。衣類の縦方向長さは、シャーシの前ウエスト縁から該シャーシの後ウエスト縁までを測定したものである。ウエスト開口部の周方向寸法は、本発明の目的のためには、張力500グラムで測定される。本発明においては、長さは、衣類のウエスト周方向寸法と厚さとの直線関係により最適化される。より具体的には、縦方向長さは、bがy切片でありmが線の勾配であるものとして、以下の直線関係
長さ(周方向寸法−b)/m
に従ってウエスト開口部の周方向寸法と比例する。さらに、より具体的には、本発明の衣類の直線関係においては、勾配(m)は1.6であり、y切片(b)は所望の最大長さ又は最大厚さに応じて、−99、又は−114、又は−128になることが見出された。
【0008】
厚さは、長さ及び周方向寸法によって定められる同じ線に沿ってほぼ一定であり、y切片が増加すると減少する。好適には、衣類の厚さは約4.5ミリメートルより小さいか、又は約4mmより小さいか、又は約3mmより小さいか、又は約2mmより小さい。長さは約350ミリメートルと約650ミリメートルとの間であり、周方向寸法は約450ミリメートルと約750ミリメートルとの間である。さらに、衣類は相当量のレベルの可撓性も有し、約100グラムと約800グラムとの間の吸収能力も有する。
【0009】
上記に留意して、衣類の縦方向長さ、ウエスト周方向寸法、及び厚さの間の直線関係に示される最適化されたパラメータを有するパンツ状吸収性衣類を提供することが本発明の特徴及び利点である。
【0010】
定義
本明細書の内容において、以下の各用語又は語句は、以下の1つ又はそれ以上の意味を含む。
【0011】
「吸収性物品」は、パーソナルケア衣類、医療用衣類などを含む。「使い捨て衣類」という用語は、典型的には、1ないし5回の使用後に廃棄される衣類を含む。「パーソナルケア衣類」という用語は、おむつ、おむつパンツ、トレーニングパンツ、水着、吸収性アンダーパンツ、成人用失禁用製品、女性用衛生製品などを含む。
【0012】
「取り付けられる」とは、少なくとも2つの要素を接合する、接着する、接続する、結合すること等を指す。各々が介在する要素に直接取り付けられる場合のように、互いに直接又は間接的に取り付けられる場合に、2つの要素が互いに取り付けられると考えられる。
【0013】
「コフォーム」は、不織ウェブを形成する際に、独立したポリマーの流れと添加剤の流れとを組み合わせて単一の堆積流にすることにより生成される材料を指す。こうした工程は、例えばAnderson他に付与された米国特許第4,100,324号に教示されており、これは引用によりここに組み入れられる。
【0014】
「層」は、単数形で用いられる場合には、単一の要素又は複数の要素の両方の意味を持ちうる。
【0015】
「縦方向」及び「横方向」は、図3及び図4に示す縦軸及び横軸に示されるように、慣習的な意味を有する。縦軸は物品の平面内に延び、かつ物品の着用時に起立している着用者を右半身及び左半身に二分する垂直面にほぼ平行である。横軸は、縦軸にほぼ垂直な物品の平面内に延びる。図示される物品は、横方向よりも縦方向に長い。
【0016】
「メルトブロー繊維」とは、熔融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速高温ガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、熱可塑性材料のフィラメントがガス流によって細められ、直径が、マイクロファイバーの直径にまで縮小されることにより形成される小直径の繊維のことをいう。その後、メルトブロー繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブロー繊維のウェブを形成する。このような工程は、当該技術分野において公知である。メルトブロー繊維は、連続的又は非連続的なマイクロファイバーであり、一般的には約0.6デニール以下であり、集積面に堆積されるときには、通常は自己結合する。
【0017】
「不織」又は「不織ウェブ」とは、個々の繊維又はフィラメントが、相互に組み合わされているが、編まれた布のように識別できる形態ではない構造を持つ材料及び材料のウェブのことをいう。ここでは、「繊維」及び「フィラメント」という用語は、互換的に用いられる。不織布又は不織ウェブは、例えばメルトブロー工程、スパンボンド工程、空気堆積工程、及びボンデッド・カーデッド・ウェブ工程といった多くの工程により形成されている。不織布の坪量は、通常は、材料の1平方ヤード当たりのオンス数(osy)又は1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表され、繊維直径は、通常はミクロンで表される。(osyをgsmに換算するには、osyに33.91を乗じる)。
【0018】
「ポリマー」とは、単独重合体と、例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、及び交互共重合体、三元共重合体等のような共重合体と、それらの配合物及び変成物を含むが、これらに限定されるものではない。さらに、特に限定されていないかぎり、「ポリマー」という用語は、材料の可能性のある全ての幾何学的形状を含む。これらの形状は、これらに限られるものではないが、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称を含む。
【0019】
「スパンボンド繊維」とは、溶融した熱可塑性材料を、円形又はその他の形状を有する紡糸口金の複数の微細な毛細管からフィラメントとして押し出し、次いで、押し出されたフィラメントの直径を、当該技術分野において公知のように、急速に縮小することにより形成される小直径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、集積面に堆積される際に急冷され、通常は粘着性がない。スパンボンド繊維は、ほぼ連続しており、通常は約0.3ミクロンより大きく、より具体的には、約0.6から10ミクロンの間の平均デニールを有する。
【0020】
「超吸収体」又は「超吸収性材料」とは、最適条件下において、0.9重量パーセントの塩化ナトリウムを含む水溶液中で、少なくともそれ自体の重量の約15倍を、より望ましくは、少なくともそれ自体の重量の約30倍を吸収することが可能な、水膨潤性、水不溶性の有機又は無機材料を指す。超吸収性材料は、天然、合成又は修飾天然ポリマー又は材料とすることができる。さらに、超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料、又は架橋結合されたポリマーのような有機材料とすることができる。
【0021】
これらの用語は、本明細書の残りの部分において付加的な言葉で定義されることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、最適化されたパラメータを有するパンツ状吸収性衣類に向けられる。より具体的には、衣類の縦方向長さは、直線関係に従って、該衣類のウエスト周方向寸法に比例する。さらに、長さと周方向寸法との直線関係に関しては、衣類の厚さパラメータは、長さと周方向寸法との関係によって定められるものと同じ線に沿ってほぼ一定であり、y切片が増加すると減少する。
【0023】
本発明の原理は、好適なパンツ状使い捨て吸収性物品のいずれにも組み入れることができる。こうした好適な物品の例は、おむつ、おむつパンツ、トレーニングパンツ、失禁用製品、及び医療用衣類などを含む他のパーソナルケア衣類又はヘルスケア衣類を含む。ここで用いる「失禁用製品」という用語は、小児用の吸収性下着、及び、自閉症児又は身体障害の結果として膀胱/腸の調節問題をもつ者のような特殊ニーズのある人のための吸収性衣類、並びに、失禁症の高齢者のための吸収性衣類を含む。説明の便宜を図り、以下の説明は小児用トレーニングパンツに関するものとする。
【0024】
ここで用いる「トレーニングパンツ」という用語は、恒久的に結合された側部シーム、又は再締結可能な側部シームを有し、予め締結されたすぐに着用可能な状態で包装されて販売されるパンツ型の吸収性衣類を指す。換言すると、製造業者により定められたいずれかの所定の締結部をもつ衣類が消費者に供給されるときには、トレーニングパンツには、連続的なウエスト周方向寸法が形成されている。従って、トレーニングパンツは、調整可能な適合性ではなく、自動的な適合性を有し、製造業者により求められた適切なウエスト周方向寸法をもち、着用者が、手によっていずれの締結装置も調整することなく、衣類を身に付けることができる使い勝手のよい様式で製造業者によって包装される。
【0025】
図1を参照すると、トレーニングパンツ20のようなパンツ状吸収性物品が示されている。トレーニングパンツ20は、前領域22と、後領域24と、該前領域及び該後領域を相互接続する股領域26とを定めるシャーシ32を含む。シャーシ32は、着用者に接触するように構成された身体側ライナ42と、着用者の衣服と接触するように構成された、該身体側ライナと相対する外側カバー40とを含む。吸収性組立体44(図4)は、外側カバー40と身体側ライナ42との間に位置決めされる即ち配置される。
【0026】
図2は図1に示されるトレーニングパンツ20と同様であるが再締結可能な側部を有するトレーニングパンツ20を図示する。図1に示される恒久的に結合された側部を有するトレーニングパンツ20、又は図2に部分的に示される締結された状態の再締結可能側部を有するトレーニングパンツ20は、ウエスト開口部50及び一対の脚開口部52を有する3次元のパンツ構成を定める。前領域22は、着用時に着用者の前に配置されるトレーニングパンツ20の部分を含み、一方、後領域24は、着用時に着用者の後ろに配置されるトレーニングパンツの部分を含む。トレーニングパンツ20の股領域26は、着用時に着用者の脚の間に配置され、着用者の胴の下部を覆うトレーニングパンツの部分を含む。
【0027】
図3及び図4においてさらに詳細に示すように、シャーシ32はまた、前ウエスト縁38及び後ウエスト縁39と指定される一対の縦方向に相対するウエスト縁を定める。前領域22は前ウエスト縁38に連続し、後領域24は後ウエスト縁39に連続する。ウエスト縁38及び39は、着用時にウエストを取り囲むように構成され、以下で説明するようにウエスト周方向寸法寸法を定めるウエスト開口部50を形成する。図3及び図4には、参照のために、トレーニングパンツ20の縦方向軸線の配向を表す矢印48と、横方向軸線の配向を表す矢印49が示されている。
【0028】
図示される吸収性シャーシ32は、横方向に相対する一対の前側パネル34と、横方向に相対する一対の後側パネル234とを含む。側部パネル34及び234は、外側カバー40及び/又は身体側ライナ42と一体に形成することができ、或いは2つ又はそれ以上の別々の要素を含むこともできる。
【0029】
改善されたフィット性及び外観の特定の実施形態においては、側部パネル34及び234は、望ましくは縦方向軸線48に平行に計測された吸収性物品の全体的な長さ寸法の約20パーセント又はそれ以上、特に約25パーセント又はそれ以上の、縦方向軸線48に平行に計測された平均長さ寸法を有する。例えば、約54センチメートルの全長寸法を有するトレーニングパンツにおいては、側部パネル34及び234は、望ましくは約15センチメートルといった約10センチメートル又はそれ以上の平均長さ寸法を有する。側部パネル34及び234の各々は、ウエスト開口部50から脚開口部52の一方まで延びるが、後側部パネル234は、図3及び図4に最も良く示されるように、外向き横方向に移行する継続的に減少する長さ寸法を有する。
【0030】
側部パネル34及び234は、トレーニングパンツ20の横方向軸線49に対してほぼ平行な方向に伸びることができる弾性材料を含むことが望ましい。好適な弾性材料、並びに側部パネルをトレーニングパンツに組み入れる工程は当業者に公知であり、例えば、引用によりここに組み入れられる、Van Gompel他に付与された1990年7月10日付米国特許第4,940,464号に記載されている。
【0031】
上述のように、本発明によるトレーニングパンツ20は再締結可能なものとし、従って該トレーニングパンツを着用者のウエスト周りに固定するための締結システム80を含むことができる(図2)。締結システム80は、締結部材82を含み、これは嵌合相手である締結部材84と再締結可能に接続するようになっている。1つの実施形態においては、締結部材82及び84の各々の表面の1つは、その表面から突出した複数の係合要素を備える。これらの締結部材82の係合要素は、嵌合相手である締結部材84の係合要素に繰り返し係合され及び外されるようになっている。
【0032】
1つの具体的な実施形態においては、締結部材82の各々はフック型のファスナを含み、嵌合相手である締結部材84の各々は相補的なループ型のファスナを含む。別の具体的な実施形態においては、締結部材82の各々はループ型のファスナを含み、嵌合相手である締結部材84の各々は相補的なフック型のファスナを含む。
【0033】
ループ型ファスナは通常、ベースすなわち下地構造体と該下地構造体の少なくとも1つの表面から上向きに延びる複数のループ部材とを有する布又は材料を含む。ループ材料は、アクリル、ナイロン、又はポリエステルなどの適切な材料のいずれからも形成することができ、また縦編み、ステッチ結合、又はニードル・パンチングなどの方法で形成することができる。好適なループ材料は、米国ノースカロライナ州グリーンズボロー所在のギルフォード・ミルズ・インクから入手可能である。1つの実施形態においては、外側カバー材料及び/又は身体側ライナ材料がループ型ファスナとして働くものとなる。
【0034】
フック型ファスナは通常、ベースすなわち下地構造体と該下地構造体の少なくとも1つの表面から上向きに延びる複数のフック部材とを有する布又は材料を含む。締結部材82又は嵌合する締結部材84に適した片面フック材料は、オランダのアムステルダム所在のVelcro Industries B.V.社又はその関連会社といった商業的な業者から入手可能である。1つの実施形態においては、外側カバー材料及び/又は身体側ライナ材料がフック型ファスナとして働くものとなる。
【0035】
吸収性組立体44は、全体として圧縮可能で、応従性があり、着用者の皮膚に刺激を与えないどんな構造体とすることもでき、液体及びある種の身体排出物をここで議論されたレベルで吸収し保持することができる。吸収性組立体44は、当該技術分野では一般的に用いられる多様な液体吸収性材料から多様な寸法及び形状に製造することができる。例えば、吸収性組立体44は、超吸収体材料として一般に知られる高吸収性材料の粒子と混合されたセルロースフラフのウェブのような親水性繊維マトリックスを適切に含むことができる。特定の実施形態では、吸収性組立体44は、木材パルプフラフのようなセルロースフラフのマトリックスと、超吸収性ヒドロゲル形成粒子とを含む。木材パルプフラフは、合成ポリマーのメルトブローン繊維か、又はメルトブローン繊維と天然繊維との混合物に置き換えることができる。超吸収性粒子は、親水性繊維と実質的に均一に混合することもできるし、又は不均一に混合することもできる。フラフと超吸収性粒子はまた、体外浸出物をより良好に収容し及び吸収するために、吸収性組立体44の所望の区域に選択的に配置することができる。吸収性組立体44は、股領域の中心部におけるような「目標」域をより厚くした、可変的な厚さを有することができる。また、超吸収性粒子の濃度は、吸収性組立体44の厚みにわたって変えることができる。或いは、吸収性組立体44は、繊維ウェブと超吸収性材料のラミネート、又は超吸収性材料を局所的な領域に保持する他の適切な手段を含むこともできる。
【0036】
好適な超吸収性材料は、天然、合成、及び修飾天然ポリマー及び材料から選択することができる。超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料であってもよいし、架橋ポリマーのような有機化合物であってもよい。適切な超吸収性材料は、米国ミシガン州ミッドランドにあるDow Chemical社や、ドイツ連邦共和国クレーフェルトD−47805のStockhausen社のような種々の販売供給業者から入手可能である。超吸収性材料は、典型的には自重の少なくとも約15倍の水を吸収することができ、自重の約25倍より多い水を吸収できることが望ましい。
【0037】
1つの実施形態においては、吸収性組立体44は、米国ジョージア州ジェサップ所在のRayonier Corporationから入手可能なNOVATHIN(登録商標)という商標名で市販されている極めて薄い吸収性複合材料、及び/又は、SAPとパルプ繊維との混合物を含む超薄型吸収性(UTA)材料を含むことができる。好適なUTAの例は、ドイツ連邦共和国クレーフェルト所在のStockhausen GmbH&Co.KGから入手可能な3.7グラム(g)のFAVOR(登録商標)SXM9543SAPと、フェデラルウェイ所在のWeyerhauser社から入手可能な3.7gのNB416パルプ繊維を含むことができる。
【0038】
別の実施形態においては、吸収性組立体44は、全体として長方形の形状にすることができ、木材パルプフラフと超吸収体材料のブレンドを含むことができる。1つの好ましいタイプのフラフは、米国アラバマ州チルダーズバーグ所在のU.S.アライアンス社から入手可能な、CR1654という商品名で特定される、主として軟材繊維を含む高吸収性の硫酸塩木材パルプが漂白されたものである。通例、超吸収性材料は、吸収性組立体44中に、吸収性組立体の総重量を基準として約0から約90重量パーセントまでの量で存在する。吸収性組立体44は、好適には、約0.10から約0.50グラム毎立方センチメートルの範囲内の密度を有する。吸収性組立体44は、該吸収性組立体44の一体性及び/又は形状の維持を助ける適切なティシュー・ラップにより包まれる又は包み込まれていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0039】
シャーシ32は、また、所望であれば、主として液体を受け入れ、一時的に貯蔵し、且つ/或いは、吸収性組立体44との相互対向面に沿って液体を運び、そのことにより吸収性組立体44の全体的な能力を最大化するように設計された他の材料を組み入れることもできる。1つの好適な材料はサージ層と呼ばれる。
【0040】
典型的には、トレーニングパンツ20の最も嵩高い部材である吸収性組立体44は、本発明では比較的薄い。その結果、以下の試験方法に従って測定される本発明による衣類の全体の厚さは、約4.5ミリメートル(mm)より少なく、又は約4mmより少なく、又は約3mmより少なく、又は約2mmより少ない。衣類の全体の厚さが比較的小さいことから、この衣類は下着の外観及び感触をもつことができる。さらに、最小の嵩高さに起因して、以下の試験方法においてより詳細に説明される通り、前ウエスト縁38から後ウエスト縁39までを測定される、この衣類の縦方向の全長は、より嵩高い衣類よりも短いが、該より嵩高い衣類と同じ位置及び適合性を維持することができる。例えば、ほとんどのパンツ状衣類は、前ウエスト縁38が着用者のへそ区域にあり、後ウエスト縁39が着用者の背中のくびれに沿ってある状態で着用される。嵩高い衣類及び本発明の衣類の両方は、着用者のへそから着用者の背中のくびれまで伸ばすという同じ方法により着用することができるが、該嵩高い衣類は、本発明の衣類の縦方向長さより大幅に大きい縦方向長さを有する。
【0041】
図5は、外側カバー40と身体側ライナ42との間の薄い吸収層44を示す、図1の衣類20の断面図である。図5に見られるように、吸収層44を包むために、極わずかな長さが外側カバー40及び身体側ライナ42に加えられる。対照的に、図6は、図5と同じ視点からの代表的な従来技術の吸収性衣類86を示し、ここでは、本発明の衣類20が覆う着用者の身体の同じ長さを覆いながら、厚い吸収層44を囲むためには、外側カバー40及び身体側ライナ42は、衣類20におけるより、従来技術の衣類86における方が長くなければならないことが明らかである。
【0042】
トレーニングパンツその他のパンツ状吸収性衣類は、典型的には、意図される着用者の体重に対応する寸法で販売される。本発明の衣類20を、意図される着用者とは独立して、大きさに関して説明する目的のために、衣類の大きさをウエスト開口部50の周方向寸法に関して説明する。(500グラムの張力における)ウエスト周方向寸法を求める方法が以下で説明される。本発明による衣類20においては、ウエスト開口部の周方向寸法は、約450mmと約750mmとの間であるか、又は約500mmと約750mmとの間の範囲内とすることができる。
【0043】
本発明の衣類20は、望ましい製品特徴を与える方法により構成されており、結果として得られる製品は、縦方向長さとウエスト周方向寸法との間にある種の関係を有することが見出された。より具体的には、本発明の衣類20は、現在入手可能な市販のトレーニングパンツには当て嵌まらない直線関係で吸収性シャーシ32のウエスト周方向寸法に比例する、該吸収性シャーシ32の縦方向長さを有する。トレーニングパンツ20の縦方向長さは、以下に詳細に説明する方法により測定することができる。本発明の衣類20においては、該衣類の縦方向長さは、約350mmと約650mmとの間であるか、又は約375mmと約600mmとの間であるか、又は約400mmと約575mmとの間の範囲内とすることができる。
【0044】
図7に示すように、直線関係は、mが直線の勾配であり、bが直線のy切片であるものとして、よく知られた線の式、
y=mx+b (1)
によって、縦方向長さ(x)とウエスト周方向寸法(y)との間に引くことができる。縦方向長さの変数を分離すると、この式は、
長さ=(周方向寸法−b)/m (2)
となる。
【0045】
式2は、本発明の衣類の最大長さを求めるのに用いられる。従って、この式は、
長さ(周方向寸法−b)/m (3)
として、より正確に書かれる。
【0046】
式3に表されるように、長さ及び周方向寸法の関係の範囲は線より上に存在する。
【0047】
本発明の各実施形態においては、勾配(m)はおおよそ1.6である。本発明の1つの実施形態においては、y切片は−128であり、その結果次の式が得られる。
長さ(周方向寸法+128)/1.6 (4)
より少ない最大長さを有する本発明の別の実施形態においては、y切片は−114であり、その結果次の式が得られる。
長さ(周方向寸法+114)/1.6 (5)
さらに少ない最大長さを有する本発明の別の実施形態においては、y切片は−99であり、その結果次の式が得られる。
長さ(周方向寸法+99)/1.6 (6)
【0048】
長さ、周方向寸法、及び厚さの間の関係は三次元的関係であるが、長さと周方向寸法との間の直線関係の上に、厚さの次元を重ねることにより、二次元形態に近似することができる。結果として、図7に示すように、厚さは、長さ及び周方向寸法のパラメータを定める線の各々に沿ってほぼ一定であり、y切片が増加すると減少する。しかしながら、厚さは、三次元の状態から二次元のグラフに重ねられていることから、線は、長さ/周方向寸法関係を表すことに加えて、実際の厚さパラメータを表すのではなく厚さパラメータの影を表している。従って、下記の実施例の図8ないし図10においては、おおよその厚さという表示近似に過ぎず、二次元形態では正確に表すことはできない。
【0049】
本発明の衣類20を作る工程において、式3ないし式6を用いることができる。より具体的には、所望のウエスト周方向寸法が求められると、該周方向寸法を、所望の勾配(m)及びy切片(b)と併せて式3の中に代入して、衣類の適切な縦方向長さを求めることができる。式4ないし式7は、提案された勾配値及びy切片値、即ち1.6の勾配及び−128、−114、又は−99のy切片を与える。所望の縦方向長さが求められると、衣類20を作ることができる。
【0050】
本発明の衣類20は、約100グラムと約800グラムとの間であるか、又は約150グラムと約600グラムとの間であるか、又は約200グラムと約500グラムとの間の飽和容量を有することが好適である。この衣類の飽和容量は、以下に詳細に説明する試験方法に従って測定することができる。
【0051】
本発明の衣類20は、約1500グラムより少ない、又は約1200グラムより少ない、又は約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有することが好適である。この衣類の縁圧縮ピーク負荷は、以下に詳細に説明する試験方法に従って測定することができる。
【0052】
外側カバー40は、ほぼ液体不透過性とすることができ、かつ弾性、伸縮性、又は非伸縮性とすることができる材料を含むことが望ましい。外側カバー40は液体不透過性の材料の単一層とすることができるが、少なくとも層の1つが液体不透過性である多層のラミネート構造からなることが望ましい。例えば、外側カバー40は、ラミネート接着剤(図示せず)により互いに適切に接合される、液体透過性の外側層と液体不透過性の内側層とを含むことができる。ビード、スプレー、平行スワールなどの形で連続的に又は断続的に付着させることができる好適なラミネート接着剤は、米国ウィスコンシン州ウォーワトサ所在のFindley Adhesives, Inc.又は米国ニュージャージー州ブリッジウォーター所在のナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニーから入手できる。液体透過性の外側層は、適切な材料であればいずれであってもよいが、一般的に布のような感触を与えるものが望ましい。そうした材料の一例は、20gsm(グラム毎平方メートル)のスパンボンド・ポリプロピレンの不織ウェブである。外側層は、液体透過性の身体側ライナ42を形成する材料から製造することもできる。外側層は、液体透過性である必要性はないが、着用者に比較的布に似た感触を与えることが望ましい。
【0053】
外側カバー40の内側層は、液体不透過性かつ蒸気不透過性であってもよいし、液体不透過性かつ蒸気透過性であってもよい。内側層は、薄いプラスチック・フィルムから製造されることが望ましいが、他の可撓性のある液体不透過性材料を用いてもよい。内側層、又は単層である場合の液体不透過性外側カバー40は、敷布及び衣服といった物品や、着用者及び介護者が汚物で濡れるのを防ぐ。液体不透過性の内側層、又は単層の液体不透過性外側カバー40としての使用に適した液体不透過性フィルムは、米国ヴァージニア州ニューポート・ニューズ所在のハンツマン・パッケージング社から市販されている0.2ミリメートルのポリエチレン・フィルムである。外側カバー40が単一材料層である場合には、より布に近い外観を与えるためにエンボス加工及び/又はマット仕上げすることができる。上記したように、液体不透過性の材料は、使い捨て吸収性物品の内部から蒸気が逃げられるようにする一方で、なおかつ液体が外側カバー40を透過するのを防ぐことができる。好適な「通気性」材料は、微孔性の高分子フィルムで構成されるか、或いは所望の液体不透過性レベルを与えるようにコーティングされるか又はその他の手法で処理された不織布から構成される。好適な微孔性フィルムは、日本国東京所在の三井東圧化学株式会社から市販されているPMP−1フィルム材料か、又は米国ミネソタ州ミネアポリス所在の3Mカンパニーから市販されているXKO−8044ポリオレフィン・フィルムである。
【0054】
特定の「非通気性」弾性フィルムもまた、外側カバー40を作るのに用いることができる。好適な非通気性フィルムの例は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体又はスチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、米国オハイオ州ベルプレのKraton Polymers USLLCからのKRATONポリマー、メタロセン触媒エラストマー又はプラストマーなどで作ることができる。外側カバー40を作るのに好適な他の材料は、例えば、PEBAXのようなポリエーテルアミドをベースとしたポリマーのようなモノリシック通気性フィルム、及びエーテル/エステル・ポリウレタン熱可塑性プラスチック・エラストマーを含む。
【0055】
液体透過性身体側ライナ42は、外側カバー40と吸収体組立体44の上に重なるように図示されており、必ずしもそうである必要はないが外側カバー40と同じ寸法をもつことができる。身体側ライナ42は、応従性があり、柔軟な感触で、着用者の皮膚に刺激を与えないことが望ましい。更に、身体側ライナ42は、着用者に比較的乾いた表面を提供し、かつ液体が該身体側ライナの厚みを通して容易に浸透できるように、吸収体コア44より親水性の低いものにしてもよい。
【0056】
身体側ライナ42は、合成繊維(例えばポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)、天然繊維(例えば木材繊維又は綿繊維)、天然繊維と合成繊維の組み合わせ、多孔性発泡体、網状発泡体、穿孔されたプラスチック・フィルム等といったウェブ材料の幅広い選択肢の中から製造することができる。身体側ライナ42には種々の織布及び不織布を用いることができる。例えば、身体側ライナは、ポリオレフィン繊維をメルトブローしたウェブ又はスパンボンドしたウェブで構成することができる。身体側ライナはまた、天然繊維及び/又は合成繊維で構成されたボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。身体側ライナは、ほぼ疎水性の材料で構成することができ、疎水性材料は、所望のレベルの湿潤性と親水性を付与するために、随意的に界面活性剤で処理するか又は他の手法で処理することができる。例えば、この材料は、米国デラウェア州ニューキャッスル所在のICIの一部門であるユニケマ社から入手可能なAHCOVEL(登録商標)N−62と、オハイオ州シンシナティで製造され、ペンシルヴァニア州アンブラー所在のコグニス社から入手可能なGLUCOPON(登録商標)220UPとを含む混合物を有効比3:1で含む約0.45重量パーセントの界面活性剤混合物で表面処理することができる。界面活性剤は、スプレーすること、プリントすること、ブラシ・コーティングすること等といった従来の手法のいずれかを用いて塗布することができる。界面活性剤は、身体側ライナ42の全体に塗布してもよいし、身体側ライナ42の縦中心線沿いの中間部のような特定の部分に選択的に塗布してもよい。
【0057】
好適な液体透過性の身体側ライナ42は、約27gsmの秤量を有する二成分の不織ウェブとすることができる。不織二成分ウェブは、二成分のスパンボンド・ウェブか、又は二成分のボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。好適な二成分ステープル繊維は、日本国大阪所在のチッソ株式会社から入手可能なポリエチレン/ポリプロピレン二成分繊維を含む。この特定の二成分繊維においては、ポリプロピレンが繊維の芯を形成し、ポリエチレンが繊維の鞘を形成する。マルチローブ、並列構成、エンドツーエンド等といった他の繊維配向も可能である。外側カバー40及び身体側ライナ42はエラストマー材料を含むことができるが、幾つかの実施形態においては、複合構造体は一般的に非弾性とすることが望ましい場合もあり、このとき外側カバー、身体側ライナ、及び吸収体コアは、一般的にエラストマー性でない材料を含む。
【0058】
トレーニングパンツ20は、身体排出物の閉じ込め及び/又は吸収を更に増強するために、当業者には公知のように前ウエスト弾性部材54と、後ウエスト弾性部材56と、脚弾性部材58とを含むことが望ましい(図4)。ウエスト弾性部材54及び56は、両側のウエスト縁38及び39に沿って外側カバー40及び/又は身体側ライナ42に作動的に取り付けることができ、ウエスト縁の一部又は全体にわたって延びていてもよい。脚弾性部材58は、両側の側縁36に沿って外側カバー40及び/又は身体側ライナ42に作動的に取り付けられ、トレーニングパンツ20の股領域26に配置されることが望ましい。
【0059】
ウエスト弾性部材54及び56、並びに脚弾性部材58は、好適な弾性材料のいずれからも形成することができる。当業者には周知のように、好適な弾性材料は、天然ゴム、合成ゴム、又は熱可塑性エラストマー・ポリマーのシート、ストランド又はリボンを含む。弾性材料は、伸ばして基体に接着するか、又はギャザー寄せされた基体に接着するか、或いは基体に接着してから例えば熱を加えることによって弾性を付与するか又は収縮させることができ、それにより基体に弾性収縮力が付与される。特定の実施形態の1つにおいて、脚弾性部材58は、例えば米国デラウェア州ウィルミントン所在のE.I.デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能な、LYCRA(登録商標)の商標名で販売されている複数のマルチフィラメント・スパンデックス・エラストマー糸が乾式紡糸集合されたものを含む。
【0060】
シャーシ32は、着用者から放出されたどんな身体排出物の閉じ込め及び/又は吸収をも増強するために、身体排出物の横方向の流出に対する障壁を与えるように構成された一対の閉じ込めフラップ46を含むことができる。フラップ弾性部材53(図4)は、当該技術分野では公知の適切な方法のいずれかによって各閉じ込めフラップ46に作動的に接合される。弾性を付与された閉じ込めフラップ46は、トレーニングパンツ20の少なくとも股部26において直立したほぼ垂直な形状となる、取り付けられていない縁部を定め、着用者の身体に対するシールを形成する。閉じ込めフラップ46は、シャーシ32の横方向両側の側縁に沿って配置可能であり、シャーシの全長に沿って縦方向に延びても良いし、吸収性シャーシの長さの一部にのみ沿って延びても良い。閉じ込めフラップ46に適した構成及び配置は、一般に当業者には公知である。
【0061】
ここで説明されるように、吸収性衣類20の種々の構成材は、接着剤、超音波、及び熱結合又はこれらの組み合わせといった種々のタイプの好適な取り付け手段を用いて互いに一体に組み立てることができる。結果として得られる製品は、まるで下着のように適合する、薄くて可撓性がある使い捨ての吸収性衣類である。より具体的には、この吸収性衣類は、衣類のウエスト周方向寸法に対して、最大厚さに比例する最大長さを有する一方で、相当量の吸収能力を維持する。
【実施例】
【0062】
以下の実施例は、本発明に従って最適化されたパラメータを有するトレーニングパンツと、現在入手可能な市販品との間の比較を与える。より具体的には、本実施例は、本発明のトレーニングパンツを定める直線関係に関して、本発明のトレーニングパンツ及び現在入手可能な市販品のグラフ図を与える。
【0063】
表1は本実施例において試験されたトレーニングパンツの説明を与え、コード17ないし22は、実験品コードである。コード17及び20ないし22は、本発明によるトレーニングパンツを表す。
表1:試験されたトレーニングパンツ
【0064】
実験品コードA、B、及びC(コード17−19)の各々は、同じ組成及び設計を含むが、大きさだけが異なっていた。より具体的には、これらのコードは、PULL−UPS(登録商標)トレーニングパンツと同じ部材で形成されているが、元の吸収層の代わりに超薄型吸収層をもつ。これらの超薄型吸収層は、引用によりここに組み入れられる、2001年8月24日付で出願された米国特許出願第09/939,061号に教示されている。より具体的には、実験品コードA(コード17)はStockhausen GmbH&Co.KGから入手可能なFAVOR9543超吸収性材料12.0gと、米国ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhauserから入手可能なND416パルプ9.8gからなる超薄型吸収体を含み、実験品コードB(コード18)はFAVOR9543超吸収性材料12.9gと、ND416パルプ10.5gからなる超薄型吸収体を含み、実験品コードC(コード19)はFAVOR9543超吸収性材料13.5gと、ND416パルプ11.1gからなる超薄型吸収体むものであった。
【0065】
実験品コードD(コード20)は、全体的にわたる伸長性をもつ再締結可能なトレーニングパンツであった。このパンツは、ネックされしぼ寄せされた2つの0.3osyのポリプロピレン・スパンボンド面の間に積層されたモノリシック通気性フィルムからなる外側カバーと、ネックされしぼ寄せされたポリプロピレン・スパンボンドからなる身体側ライナとを有していた。外側カバーと身体側ライナとの間には、Kraton Polymers社から入手可能なKRATON2760メルトブロー・フィラメント10%と、米国ジョージア州ジェサップ所在のRayonier Corporationから入手可能なSulfitate HJパルプ15%と、Stockhausen GmbH&Co.KGから入手可能なFAVOR 880超吸収性材料75%とのコフォーム材料からなる450gsmの吸収層が存在した。このパンツはまた、閉じ込めフラップ、ウエスト弾性体、脚弾性体、及びファスナを含み、これらすべては説明された本発明によるものであった。
【0066】
実験品コードE(コード21)は、PULL−UPS(登録商標)トレーニングパンツと同じ部材からなる外側カバーを有する再締結不可能なトレーニングパンツであるが、元の吸収層の代わりに、3.9gのFAVOR 9543超吸収性材料と3.9gのND416パルプとを含み、225gsmの坪量を有するコード17ないし19の超薄型吸収層と同様な超薄型吸収層をもつ。
【0067】
実験品コードF(コード22)は、コードE(コード21)と同様な再締結不可能なトレーニングパンツであるが、最大化された面積において、Rayonier社から入手可能な400gsmのNOVATHIN複合材4000160吸収層を29.5g有していた。
【0068】
表1に挙げた各トレーニングパンツは、以下に与えられる各試験方法に従って、縦方向長さ、前面厚さ、ウエスト周方向寸法、及び飽和容量について試験された。各試験は、各製品の試料5つに対して行われ、表2にはその結果の平均が与えられる。
表2:表1に挙げられたトレーニングパンツのパラメータ
【0069】
表2のデータは図8に与えられ、グラフを横切る線及びその線の上にある領域は、
長さ(周方向寸法+128)/1.6
の関係に従って、縦方向長さがウエスト開口部の周方向寸法に比例する本発明の実施形態を表す。図8に示されるように、この線に沿った衣類の厚さは、おおよそ4mmであり、この線の上にある領域の衣類は、より小さい厚さを有する。
【0070】
同様にして、表2のデータはさらに図9に与えられ、グラフを横切る線及びその線の上にある領域は、
長さ(周方向寸法+114)/1.6
の関係に従って、縦方向長さがウエスト開口部の周方向寸法に比例する本発明の実施形態を表す。図9に示されるように、線に沿った衣類の厚さはおおよそ3mmである。
【0071】
表2のデータはさらに図10に与えられ、グラフを横切る線及びその線の上にある領域は、
長さ(周方向寸法+99)/1.6
の関係に従って、縦方向長さがウエスト開口部の周方向寸法に比例する本発明の実施形態を表す。図10に示されるように、線に沿った衣類の厚さはおおよそ2mmである。
【0072】
試験方法
厚さ測定試験方法
吸収性製品の全体は、製品の最も厚い部分の厚さ、通常は、液体の放出を受け取ることが意図される目標域が測定されることになる。以下に説明する方法で測定された時には、こうした製品は、好適には約4.5mmより少なく、より好適には約4.0mmより少なく、さらにより好適には約3.0mmより少なく、最も好適には約2.0mmより少ない乾燥厚さ(ti)を有することができる。例えば、本発明の1つの実施形態においては、吸収性衣類は約0.5mmから約3.0mmまでの乾燥厚さを有することができる。
【0073】
試料が製品の目標域において最大厚さを示した場合には、その試料は以下の方法により、その位置において試験することができる。目標域以外に最大厚さをもつ試料は、その最大厚さの位置で試験されなければならない。
【0074】
試験されるべき試料は、前ウエスト縁と後ウエスト縁とが位置合わせされた状態で、着用のために半分に折畳まれる。製品のライナは折畳み線のところで印をつけられる。製品は開かれて平らに置かれ、吸収体の前領域は、製品の縦方向の中心線に沿って、印をつけられた折り目と該吸収体の前縁との中間で印をつけられる。製品が(例えば側部シームによって)閉じられている場合には、製品を平らに置くことができるようにシームが開かれる。(脚部境界に沿った、或いは閉じ込めフラップにおけるような)弾性体は、可能であれば取り外され、或いは数箇所で切断されて、吸収体が収縮していない状態で平らに置かれるようにする。
【0075】
試料は、印がつけられた折畳み線の前方の、吸収体の前面における印がつけられた点で、乾燥厚さについて試験される。完全な状態の製品は、この位置におけるどんな皺も取り除くように丁寧に平らに広げられるが、伸ばされることはない。製品は0.2ポンド平方インチ(psi)の重しの下に配置され、該製品のこの領域における厚さが記録される。吸収体の厚さのために好適な試験機は、日本のミツトヨMTI株式会社から入手可能で、0.2psiの重さを付加する直径3インチの真ちゅう製足部を備えたMITUTOYO543シリーズの厚さゲージである。試料ごとに5つの見本が試験され、結果が平均されて、その試料の厚さ値が与えられる。
【0076】
縦方向長さ測定試験方法
製品(20)は、縦方向軸線(48)に沿って、前端縁と後端縁(38及び39)との間で測定された長さ寸法を有する。製品(20)の長さ寸法が求められる。
【0077】
製品(20)の長さ寸法を求めるのに好適な方法は、該製品を平らで垂直面に、垂直に隣接させて吊るすことである。吊るす前に、この製品は、いずれかの側部シームを切断するか又は開くことによって開かれる。シャーシの長さに延びる弾性部材(脚部弾性体又は閉じ込めフラップ内の弾性体のような)はいずれも、その全長に沿って、1インチごとに少なくとも1回分断される。この製品は、後領域(24)が前領域(22)の上になり、使用中に着用者の外側衣類に面することが意図される表面が、平らな垂直面の方向に位置するように吊るされる。製品の上端縁部は、2つのクランプによって水平に保持され、該クランプの内側縁は3.5インチ(8.9cm)の間隔が空けられている。可能であれば、クランプは製品内のいかなる吸収体も避けるように位置決めされ、該製品の縦方向中心線/軸線に対して対称に配設される。製品に存在するいかなるウエスト弾性体も、クランプの固定に先立って伸ばされることはない。
【0078】
吊るされた製品の下方端部(前ウエストバンド領域)は、250gの重さのジグを用いて固定される。ジグは、タイロッド(1/4インチ−20×12インチ、並目、亜鉛プレート)に取り付けられた2つのクランプユニット(中型の強力な紙ばさみ、2−1/8インチ)をもち、クランプは製品の縦中心線に対して対称に置かれ、該クランプの内側縁の間の間隔は3.5インチ(8.9cm)であり、各クランプの内側縁及び外側縁には1/4インチのナットが置かれて、クランプを所定の場所に保持する。各クランプには1つの(キャップ付き)ボトル(NALGENEブランドのような1オンスのプラスチックのねじ蓋ボトル)が、一本のひもを使って取り付けられる。組立体は実験室のはかりに置かれ、ジグの合計重量が限りなく250グラムに近づくまで、散弾(LAWRENCEブランドのような冷却されたNo.5散弾)が各ボトルに(同量ずつ)加えられる。ジグは、上述のように吊られている製品の下方端部に取り付けられる。
【0079】
典型的な製品においては、250gの負荷が適当である。次に、縦中心線/軸線(48)に沿って、クランプ間の前端縁及び後端縁(38及び39)の間の距離を測定することによって、伸びの長さが求められる。各コードにつき5つの見本が分析され、コードごとの結果が平均化される。
【0080】
ウエスト周方向寸法測定試験方法
この手順は、試験用パンツのウエストバンド周方向寸法を測定する単サイクルの張力台上試験である。パンツは、直ちに着用することが意図された、消費者に提供される状態で試験される。この手順は、ウエストバンドがより高い張力を受けた後に、中程度の張力下でのウエスト周方向寸法を測定する。試験用パンツは、固定の伸び/伸長ではなく特定の負荷に対して繰り返される。
【0081】
この試験によって生成されるデータは、
・最初の負荷70gにおけるウエストバンド周方向寸法(mm)
・中間負荷2000gにおけるウエストバンド周方向寸法(mm)
・最終負荷500gにおけるウエストバンド周方向寸法(mm)
を含む。
【0082】
1.概説
図11に示すように、ウエストバンドのゲージ長さを測定するために、パンツは上方ピン及び下方ピン上の所定の位置に置かれる。各ピンはパンツのウエスト部の中に1インチ(2.5cm)だけ挿入される。パンツがピン上で滑る場合には、クリップを適用して該パンツを該ピン上にしっかりと保持することができるが、クリップがピンの上を通らないウエストバンド部分の上に置かれるのを避けるように注意しなければならない。試験の開始に先立って、パンツが試験のための位置に置かれている時に0から65グラム(g)の間の張力を与えるように、ゲージ長さが試験されているパンツのウエスト開口部について選択される。「張力」という用語は、張力試験機におけるロードセルによって測定されるグラム値を指す。
【0083】
把持部は、張力70グラムの負荷が得られるまで離間され、この張力でゲージ長さが記録される。その後、把持部は、引き続き、張力200グラムに達するまで離れるように移動し、この張力でゲージ長さが再び記録される。その後、把持部は、張力500グラムに達するまで直ちに互いに戻るように移動し、この張力でゲージ長さが再び記録される。標準試験はパンツ1つにつき1サイクルである。所定の張力における周方向寸法は、上方ピン及び下方ピンに対するゲージ長さ及び周方向寸法の値を用いて算出することができる。少なくとも5つの見本が試験されることが望ましい。試験された各見本からの張力500グラムにおけるウエストバンド周方向寸法の値は、所定の試料に対する平均ウエストバンド周方向寸法を得るために平均化される。
【0084】
図12は、本発明によるパンツのウエストバンド周方向寸法を測定するのに用いられる張力試験機の側面図を示す。図11は、ウエストバンド周方向寸法を測定するように張力試験機上に配設された、図1に示す種類のパンツを示す。
【0085】
2.装置及び材料
2.1 定速伸長(CRE)張力試験機:米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のMTS(登録商標)システムズ・コーポレーションから入手可能な、MTS張力試験機モデルSynergie200試験台。
2.2 ロードセル:ピーク負荷値の大部分が、製造業者の推奨するロードセルのフルスケール値の範囲の間に収まるように、好適なセルが選択される。米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のMTS(登録商標)システムズ・コーポレーションから入手可能な、モデル100N。
2.3 オペレーティング・ソフトウェア及びデータ取得システム:米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のMTS(登録商標)システムズ・コーポレーションから入手可能な、MTS TestWorks(登録商標)Windows用ソフトウェア版4.06A、ビルド617。
2.4 グリップ:米国マサチューセッツ州キャントンのインストロン・コーポレーションから入手可能な部品番号2712−003として識別される上下の空気圧作動グリップ。
2.5 グリップ面:ピンを保持するのに好適な25mm×75mm(1インチ×3インチ)のもの。
2.6 ピン:6.3センチメートル(2.5インチ)の長さを有し、一端に見本を保持する刻み目部分があり、この刻み目部分が外径6.4ミリメートル(0.25インチ)、長さ3.2センチメートル(1.25インチ)である剛性ピン。
2.7 クリップ(随意):幅1.9cm×0.95cm容量(幅3/4インチ×3/8インチ容量)のバインダ・クリップ。米国ウィスコンシン州ミルウォーキー所在のBTオフィス・プロダクツ社から入手可能な部品番号BTM00251。
【0086】
3.条件づけ
標準ASTM実験室条件で試験を行う:雰囲気23±2℃(73.4±3.6°F)、相対湿度50±5%。製品は実験室条件にまで平衡した後で測定されるべきである。
【0087】
4.試験見本
準備は必要ない。パンツ全体が試験される。
【0088】
5.手順
張力試験機試験条件
データ取得率…100.0Hz
予荷重(前提条件)を実行するか? …実行しない
前提条件を実行するか? …実行しない
予荷重を実行するか? …実行しない
クロスヘッド速度…500mm/分
ゲージ長さ…腰部及びウエストバンドの両方のために適当な開始ゲージ長さの設定は、以前に試験されたことがない製品において0gと65gとの間の初期荷重を生成するものである。
荷重をかける(サイクルをトリガする)…2000g(又は、試料が引き裂かれるか或いは他の方法により離れることなく経験することになる最大荷重値)
サイクル数…1回
破断感度:90%
A.図11に示すようにピン組立体を取り付ける。
B.クロスヘッド位置のための張力フレーム・プッシュボタン制御を用いてピンを動かして、パンツを伸ばすことなくピンの上に取り付けられるようにする。第1のピンの中心線から第2のピンの中心線までを測定することにより、ゲージ長さを求める。この最初のゲージ長さに対してソフトウェアを較正する。
C.ウエストバンドを上部ピンの刻み目区域上に置く。パンツの一方の側をピンの上部の中心に置く。単一のバインダ・クリップを用いて、パンツをピン上の所定の位置のウエスト開口部において保持するが、クリップを適用する際にパンツを伸ばさないようにする。
D.ZEROをクリックして、パンツの負荷の風袋を計る。各見本についてではなく、各試料集団について、最初のパンツの重量のみの風袋を計る。
E.パンツの反対側のウエストバンドを底部ピン上に置き、第1のピンにおけるのと同様に所定の場所にクリップする。上部ピン及び底部ピンの両方がパンツの中に2.5センチメートル(1インチ)だけ挿入されるようにパンツを調整する。
F.クロスヘッド位置のための張力フレーム・プッシュボタン制御を用いて、ウエストバンドに適用される負荷が0gと65gとの間になるまでピンを離れるように移動させる。
G.RUNボタンをクリックする。試験は自動的に開始する。
H.試験の終了時には、FILEをクリックしてデータ及びグラフを保存するか、又はNEXTをクリックしてデータのみを保存する。
I.試料をピンから取り外す。
J.試験が完了するまで、各見本について、段階B、C及びEからIまでを繰り返す。
【0089】
いずれかの張力において測定されたウエストバンドの周方向寸法は、その張力におけるゲージ長さに2を乗じて、上方ピンの周方向寸法の半分と下方ピンの周方向寸法の半分とを加算することで、算出することができる。
【0090】
修正された飽和容量試験方法
飽和容量は、Magnahelic真空ゲージとラテックスダムとを備えた飽和容量(SAT CAP)試験機を用いて求める。図13−図15を参照すると、飽和容量試験機真空装置110は、4つの脚部材114上に支持された真空チャンバ112を備える。真空チャンバ112は、前壁部材116と、後壁部材118と、2つの側壁120及び121を含む。壁部材は、厚さ約0.5インチであり、長さ23.5インチ、幅14インチ、及び深さ8インチに計測される外寸を有するチャンバを与えるように構成され配置される。
【0091】
真空ポンプ(図示せず)は、適切な真空ライン導管と真空弁124を通して真空チャンバ112に作動的に接続される。更に、適切な抽気ラインが、抽気弁126を介して真空チャンバ112に接続される。ハンガー組立体128は、後壁118に適切に取り付けられ、真空装置110の上部から遠い方の利便性な位置にラテックスダムシート130を支持する利便性な止め場所を与えるためにS字形に湾曲された端部をもつように構成される。適切なハンガー組立体は、直径0.25インチのステンレス鋼ロッドから構成することができる。ラテックスシート130は、つかむのを容易にし、ラテックスシート130の通常の動き及び位置決めを可能にするために、ダウエル部材132の周りにループ状にされる。図示された位置においては、ダウエル部材132は、ラテックスシート130を真空チャンバ112の上部から遠い方の開位置に位置させるためにハンガー組立体128に支持された状態で示されている。
【0092】
ラテックスシート130の底部縁は、トグルクランプ140のような適切な固定手段によって後縁支持部材134に対してクランプされる。トグルクランプは、所望の作動に適したトグルクランプ140の向き及び位置合わせを与える適切なスペーサ141によって後壁部材118上に取り付けられる。3つの支持シャフト142は、直径0.75インチであり、支持ブランケット144によって真空チャンバ112内に取り外し可能に取り付けられる。支持ブランケット144は、前壁部材116と後壁部材118に沿ってほぼ等間隔に配置され、協働する対として配置される。更に、支持ブランケット144は、支持シャフト142の最上部が真空チャンバ112の前壁、後壁及び側壁部材の上部と同一平面上に適切に配置されるように構成され配置される。したがって、支持シャフト142は、互いにほぼ平行に配置され、側壁部材120及び121とほぼ位置合わせされる。後縁支持部材134に加えて、装置110は、前部支持部材136と2つの側部支持部材138及び139を含む。各側部支持部材の寸法は、幅約1インチ、高さ約1.25インチである。支持部材の長さは、真空チャンバ112の上部開放縁の周辺部を適切に取り囲むように構成され、チャンバ壁部材の上縁を約0.5インチの距離だけ越えて突出するように配置される。
【0093】
卵箱型材料の層146が、支持シャフト142の上部と、真空チャンバ112の壁部材の上縁に配置される。例えば、卵箱型材料は、パネル内に13mm×13mmの開口部を有するMcMaster Supply Catalog No.162 4K 14から入手可能な半透明の光ディフューザパネルとすることができる。卵箱型材料は、23.5インチ×14インチの寸法のほぼ長方形の領域にわたって延び、約0.38インチの深さ寸法を有する。卵箱構造体の個々のセルの寸法は約0.5インチ平方であり、卵箱を構成する薄いシート材料は、ポリスチレンといった適切な材料からなる。23.5インチ×14インチの寸法の0.19メッシュのナイロンスクリーンの層148が、卵箱材料146の上部に配置される。メッシュのナイロンスクリーンは、Eagle Supplu&Plastic社から入手可能なTEFLONで被覆された部品番号7308の6mmのメッシュのナイロンスクリーンであることが望ましい。
【0094】
適切なドレンラインとドレン弁150が、真空チャンバ112の底部プレート部材119に接続されて、真空チャンバ112から液体を排出する便利な機構を与える。試験機110の種々の壁部材と支持部材は、ポリカーボネート・プラスチックのような適切な非腐食性の耐水性材料から構成することができる。溶剤溶接によって種々の組立体ジョイントを取り付けることができ、試験機の完成した組立体は、防水性となるように構成される。真空ゲージ152は、導管を通して真空チャンバ112に作動的に接続される。適切な圧力ゲージは、Dwyer Instrument Incorporatedから入手可能なNo.2100ゲージのような、0−100インチの水の真空を計測することができるMagnahelic差動ゲージである。
【0095】
乾燥製品又は他の吸収構造体を計量し、次いで過剰量の0.9%食塩水溶液中に入れ、20分間浸す。20分間浸した後に、吸収構造体を卵箱材料と飽和容量試験機のメッシュナイロンスクリーンにおく。ラテックスシートを吸収構造体と卵箱グリッド全体の上におき、それにより試験機に真空が引かれたときにラテックスシートがシールを形成する。0.5ポンド毎平方インチ(psi)の真空が飽和容量試験機において5分間保たれる。真空は、吸収構造体に対して圧力を生じ、或る量の液体の排液をもたらす。0.5psiの真空下で5分後に、ラテックスシートが巻き戻され、吸収構造体が計量されて、湿潤重量が与えられる。
【0096】
各吸収構造体の全体的な容量は、手順のこの時点で求められた吸収体の湿潤重量から各吸収体の乾燥重量を引くことによって求められる。0.5psiのSAT CAP又は吸収構造体のSAT CAPは、次式によって求められる。
SAT CAP=(湿潤重量−乾燥重量)/乾燥重量
ここで、SAT CAP値は、グラム流体/グラム吸収体の単位を有する。全体的な容量とSAT CAPとの両方においては、各サンプルの最小3つの試験片を検査し、その結果を平均すべきである。吸収構造体が浸漬又は移送手順の間に低い一体性又は崩壊性を有する場合には、吸収構造体は、米国ウィスコンシン州ニーナ所在のキンバリー・クラーク社によって製造されたペーパータオル、例えばHi−Dri(登録商標)ペーパータオルのような閉じ込め材料にラップすることができる。吸収構造体は、オーバーラップが定位置にある状態で試験することができ、該オーバーラップの容量は、別個に求め、吸収体の湿潤重量を得るために、ラップされた吸収構造体の総湿潤重量から引くことができる。
【0097】
縁圧縮試験方法
縁方向圧縮(EC)値を求める方法を以下に示す。製品の最も厚い部分を含む2インチ×12インチ(5.1cm×30.5cm)の吸収性物品の部品は、より長い寸法が製品又は原材料ウェブの縦方向と一致された状態で切断される。試料の重量が求められる。材料の厚さは、0.2psi(1.38KPa)の負荷の下で求められる。材料は、2インチ(5.1cm)の高さを有する円柱に形成され、2つの端部が0インチないし0.125インチ(0cm−3.18cm)の重なりを有し、材料は3つのステープルにより互いににホッチキス留めされる。1つのステープルは製品の幅の中間近くにあり、他の2つは材料の幅の各縁により近いところにある。試験におけるステープルの影響を最小にするため、該ステープルの最も長い寸法は、形成された円柱の周方向寸法にある。
【0098】
INSTRON試験機又は同様の機器は、底部プラットフォームと、試験される試料の周方向寸法より大きく、該底部プラットフォームに対して平行で、逆の状態で置かれた圧縮ロードセルに取り付けられたプラテンとを伴って構成される。見本はプラットフォーム上に、プラテンの下に置かれる。プラテンは見本と接触させられ、25mm/分の速度で試料を圧縮する。試料を幅の50%(1インチ)(2.54cm)まで圧縮する際に得られた最大力が記録される。
【0099】
材料が座屈する場合には、試料が50%まで圧縮される前に最大力に達するのが普通である。吸収体の長さが12インチ(30.5cm)より少ない製品においては、材料のEC値は以下の方法により求めることができる。縁方向の圧縮強さについての詳細な説明は、1983年Dekker刊、Richard E. Mark編「紙及び板紙の物理的試験及び機械的試験の手引き」(第1巻)に与えられている。座屈応力を管理する理論モデルに基づき、述べられた縁方向圧縮構成においては、座屈応力は、Eは弾性係数であり、Hは円柱の高さであり、Rは円柱の半径であり、tは材料の厚さであるものとして、比例定数がH2/(R*t)の関数である場合に、E*t2(H2)に比例する。応力を坪量当たりの力として表すと、一定に維持される必要のあるパラメータはH2/Rであることが示されることになる。従って、12インチ(30.5cm)より小さい試料に関しては、可能性のある最大の円が構築されるべきであり、その高さ(試料の幅は切り取られる)は、H2/Rが2.1インチ(5.3cm)になるように調整される。
【0100】
説明のために与えられた上記の実施形態の詳細な説明は、本発明の適用範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは認識されるであろう。上記では本発明のほんの幾つかの例示的な実施形態について詳細に説明したが、当業者には、本発明の新規な教示及び利点から本質的に逸脱することなく、例示的な実施形態に多くの修正が可能であることが容易に分かるであろう。したがって、そのような修正のすべては、特許請求の範囲の請求項とそれらの全ての均等物において定義される本発明の適用範囲内に含まれることを意図している。更に、多くの実施形態は、幾つかの実施形態、特に好ましい実施形態の利点のすべてを達成しないことが考えられることが認識され、また、特定の利点がないことは、そのような実施形態が本発明の適用範囲外にあることを必ずしも意味するとはみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の最適化されたパラメータを有する、トレーニングパンツのようなパンツ状吸収性衣類の斜視図である。
【図2】本発明の最適化されたパラメータを有する、再締結可能な側部シームをもったパンツ状吸収性衣類の斜視図である。
【図3】部分的に分解され、平らに伸ばされた状態にあり、衣類の着用時に着用者と反対側に面する衣類面を示す、本発明の1つの実施形態による図1の吸収性衣類の平面図である。
【図4】部分的に分解され、平らに伸ばされた状態にあり、衣類の着用時に着用者に面する衣類面を示し、下にある特徴を示すように一部が切り取られた、本発明の1つの実施形態による図2の吸収性衣類の平面図である。
【図5】図1の線5−5に沿って取った吸収性衣類の断面図である。
【図6】図5の衣類と同様の視点から見た代表的な従来技術の吸収性衣類の断面図である。
【図7】本発明の幾つかの実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図8】試験コード番号を付記した、本発明の1つの実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図9】試験コード番号を付記した、本発明の別の実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図10】試験コード番号を付記した、本発明のさらに別の実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図11】ウエスト周方向寸法を測定するために張力試験機に配設された図1に示される種類のパンツを示す。
【図12】図11に示されるようなウエスト周方向寸法の測定に用いられる張力試験機の側面図を示す。
【図13】飽和容量試験機の部分的に切り取られた平面図を代表的に示すものである。
【図14】飽和容量試験機の側面図を代表的に示すものである。
【図15】飽和容量試験機の背面図を代表的に示すものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は下着のように機能し、下着のような感触があり、さらに吸収特性を含むパンツ状物品に向けられる。
【背景技術】
【0002】
トレーニングパンツのようなパンツ状吸収性衣類は、着用者のトイレ・トレーニング過程において、おむつから下着への移行を助ける過渡的衣類として設計される。理想的には、トレーニングパンツは、適合性及び快適さの点で下着に類似する一方で、着用者がこの衣類の着用中に起こり得るどんな「事故」をも捕らえる吸収特性を与えるべきである。下着とは異なり、トレーニングパンツは、そこに含まれる吸収性材料の容積に起因して嵩高くなることがある。この嵩高さは、衣類を下着というよりおむつのように感じさせることになる。同様に、成人用失禁用衣類、水着、及びおむつのような他の種類のパンツ状吸収性衣類は吸収性材料を含み、その結果、嵩高く見えることになる。
【0003】
製造の観点からは、材料費に関して経費節約になるように、各衣類においては、できるだけ少ない材料を含むことが望ましい。消費者の観点からは、快適な適合性並びに十分な吸収性及び漏れ抵抗性をもたらすように、必要なだけできるだけ多くの材料を含むことが望ましい。従って、十分な快適さ及び機能性を与えるのに必要な最小量の材料を求めることにより、こうした衣類に用いられる材料の量を最適化することが望ましい。
【0004】
吸収性衣類は、典型的には、例えば、吸収層が外側カバーと身体側ライナとの間に位置決めされた多層で構築される。さらに、サージ層、スペーサ層、及び障壁層を含むが、これらに限られるものではない各々が特化した機能を有する付加的な層を、吸収性衣類の構造に含むことができる。これらの層の各々が衣類の全体の厚さに加わるが、典型的には、吸収層が全ての中で最も厚い層である。一般には、衣類が厚くなるほど、その中間層を全て包むために衣類を長くしなければならなくなり、従って、衣類の製造費を増加させることになる。
【0005】
従って、最適化された物理的パラメータを有し、結果として下着のような外観及び感触のある衣類を与える吸収性パンツ状衣類に対する必要性即ち要望がある。さらに、最適化された厚さをもつ衣類のウエスト周方向寸法に対して最適化された長さを有する一方で、相当量のレベルの可撓性及び吸収能力を維持する吸収性パンツ状衣類に対する必要性即ち要望がある。
【発明の開示】
【0006】
従来技術において遭遇する、論じられた困難及び問題に対応して、最適化されたパラメータを有する新たなパンツ状吸収性衣類が発見された。本発明の原理は、トレーニングパンツ、おむつ、おむつパンツ、水着、成人用失禁用製品などのような多数のパーソナルケア製品用途のいずれにも適用することができる。
【0007】
本発明のパンツ状吸収性衣類は、ウエスト開口部と第1及び第2の脚開口部を定める吸収性シャーシを含む。衣類の縦方向長さは、シャーシの前ウエスト縁から該シャーシの後ウエスト縁までを測定したものである。ウエスト開口部の周方向寸法は、本発明の目的のためには、張力500グラムで測定される。本発明においては、長さは、衣類のウエスト周方向寸法と厚さとの直線関係により最適化される。より具体的には、縦方向長さは、bがy切片でありmが線の勾配であるものとして、以下の直線関係
長さ(周方向寸法−b)/m
に従ってウエスト開口部の周方向寸法と比例する。さらに、より具体的には、本発明の衣類の直線関係においては、勾配(m)は1.6であり、y切片(b)は所望の最大長さ又は最大厚さに応じて、−99、又は−114、又は−128になることが見出された。
【0008】
厚さは、長さ及び周方向寸法によって定められる同じ線に沿ってほぼ一定であり、y切片が増加すると減少する。好適には、衣類の厚さは約4.5ミリメートルより小さいか、又は約4mmより小さいか、又は約3mmより小さいか、又は約2mmより小さい。長さは約350ミリメートルと約650ミリメートルとの間であり、周方向寸法は約450ミリメートルと約750ミリメートルとの間である。さらに、衣類は相当量のレベルの可撓性も有し、約100グラムと約800グラムとの間の吸収能力も有する。
【0009】
上記に留意して、衣類の縦方向長さ、ウエスト周方向寸法、及び厚さの間の直線関係に示される最適化されたパラメータを有するパンツ状吸収性衣類を提供することが本発明の特徴及び利点である。
【0010】
定義
本明細書の内容において、以下の各用語又は語句は、以下の1つ又はそれ以上の意味を含む。
【0011】
「吸収性物品」は、パーソナルケア衣類、医療用衣類などを含む。「使い捨て衣類」という用語は、典型的には、1ないし5回の使用後に廃棄される衣類を含む。「パーソナルケア衣類」という用語は、おむつ、おむつパンツ、トレーニングパンツ、水着、吸収性アンダーパンツ、成人用失禁用製品、女性用衛生製品などを含む。
【0012】
「取り付けられる」とは、少なくとも2つの要素を接合する、接着する、接続する、結合すること等を指す。各々が介在する要素に直接取り付けられる場合のように、互いに直接又は間接的に取り付けられる場合に、2つの要素が互いに取り付けられると考えられる。
【0013】
「コフォーム」は、不織ウェブを形成する際に、独立したポリマーの流れと添加剤の流れとを組み合わせて単一の堆積流にすることにより生成される材料を指す。こうした工程は、例えばAnderson他に付与された米国特許第4,100,324号に教示されており、これは引用によりここに組み入れられる。
【0014】
「層」は、単数形で用いられる場合には、単一の要素又は複数の要素の両方の意味を持ちうる。
【0015】
「縦方向」及び「横方向」は、図3及び図4に示す縦軸及び横軸に示されるように、慣習的な意味を有する。縦軸は物品の平面内に延び、かつ物品の着用時に起立している着用者を右半身及び左半身に二分する垂直面にほぼ平行である。横軸は、縦軸にほぼ垂直な物品の平面内に延びる。図示される物品は、横方向よりも縦方向に長い。
【0016】
「メルトブロー繊維」とは、熔融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速高温ガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、熱可塑性材料のフィラメントがガス流によって細められ、直径が、マイクロファイバーの直径にまで縮小されることにより形成される小直径の繊維のことをいう。その後、メルトブロー繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブロー繊維のウェブを形成する。このような工程は、当該技術分野において公知である。メルトブロー繊維は、連続的又は非連続的なマイクロファイバーであり、一般的には約0.6デニール以下であり、集積面に堆積されるときには、通常は自己結合する。
【0017】
「不織」又は「不織ウェブ」とは、個々の繊維又はフィラメントが、相互に組み合わされているが、編まれた布のように識別できる形態ではない構造を持つ材料及び材料のウェブのことをいう。ここでは、「繊維」及び「フィラメント」という用語は、互換的に用いられる。不織布又は不織ウェブは、例えばメルトブロー工程、スパンボンド工程、空気堆積工程、及びボンデッド・カーデッド・ウェブ工程といった多くの工程により形成されている。不織布の坪量は、通常は、材料の1平方ヤード当たりのオンス数(osy)又は1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表され、繊維直径は、通常はミクロンで表される。(osyをgsmに換算するには、osyに33.91を乗じる)。
【0018】
「ポリマー」とは、単独重合体と、例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、及び交互共重合体、三元共重合体等のような共重合体と、それらの配合物及び変成物を含むが、これらに限定されるものではない。さらに、特に限定されていないかぎり、「ポリマー」という用語は、材料の可能性のある全ての幾何学的形状を含む。これらの形状は、これらに限られるものではないが、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称を含む。
【0019】
「スパンボンド繊維」とは、溶融した熱可塑性材料を、円形又はその他の形状を有する紡糸口金の複数の微細な毛細管からフィラメントとして押し出し、次いで、押し出されたフィラメントの直径を、当該技術分野において公知のように、急速に縮小することにより形成される小直径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、集積面に堆積される際に急冷され、通常は粘着性がない。スパンボンド繊維は、ほぼ連続しており、通常は約0.3ミクロンより大きく、より具体的には、約0.6から10ミクロンの間の平均デニールを有する。
【0020】
「超吸収体」又は「超吸収性材料」とは、最適条件下において、0.9重量パーセントの塩化ナトリウムを含む水溶液中で、少なくともそれ自体の重量の約15倍を、より望ましくは、少なくともそれ自体の重量の約30倍を吸収することが可能な、水膨潤性、水不溶性の有機又は無機材料を指す。超吸収性材料は、天然、合成又は修飾天然ポリマー又は材料とすることができる。さらに、超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料、又は架橋結合されたポリマーのような有機材料とすることができる。
【0021】
これらの用語は、本明細書の残りの部分において付加的な言葉で定義されることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、最適化されたパラメータを有するパンツ状吸収性衣類に向けられる。より具体的には、衣類の縦方向長さは、直線関係に従って、該衣類のウエスト周方向寸法に比例する。さらに、長さと周方向寸法との直線関係に関しては、衣類の厚さパラメータは、長さと周方向寸法との関係によって定められるものと同じ線に沿ってほぼ一定であり、y切片が増加すると減少する。
【0023】
本発明の原理は、好適なパンツ状使い捨て吸収性物品のいずれにも組み入れることができる。こうした好適な物品の例は、おむつ、おむつパンツ、トレーニングパンツ、失禁用製品、及び医療用衣類などを含む他のパーソナルケア衣類又はヘルスケア衣類を含む。ここで用いる「失禁用製品」という用語は、小児用の吸収性下着、及び、自閉症児又は身体障害の結果として膀胱/腸の調節問題をもつ者のような特殊ニーズのある人のための吸収性衣類、並びに、失禁症の高齢者のための吸収性衣類を含む。説明の便宜を図り、以下の説明は小児用トレーニングパンツに関するものとする。
【0024】
ここで用いる「トレーニングパンツ」という用語は、恒久的に結合された側部シーム、又は再締結可能な側部シームを有し、予め締結されたすぐに着用可能な状態で包装されて販売されるパンツ型の吸収性衣類を指す。換言すると、製造業者により定められたいずれかの所定の締結部をもつ衣類が消費者に供給されるときには、トレーニングパンツには、連続的なウエスト周方向寸法が形成されている。従って、トレーニングパンツは、調整可能な適合性ではなく、自動的な適合性を有し、製造業者により求められた適切なウエスト周方向寸法をもち、着用者が、手によっていずれの締結装置も調整することなく、衣類を身に付けることができる使い勝手のよい様式で製造業者によって包装される。
【0025】
図1を参照すると、トレーニングパンツ20のようなパンツ状吸収性物品が示されている。トレーニングパンツ20は、前領域22と、後領域24と、該前領域及び該後領域を相互接続する股領域26とを定めるシャーシ32を含む。シャーシ32は、着用者に接触するように構成された身体側ライナ42と、着用者の衣服と接触するように構成された、該身体側ライナと相対する外側カバー40とを含む。吸収性組立体44(図4)は、外側カバー40と身体側ライナ42との間に位置決めされる即ち配置される。
【0026】
図2は図1に示されるトレーニングパンツ20と同様であるが再締結可能な側部を有するトレーニングパンツ20を図示する。図1に示される恒久的に結合された側部を有するトレーニングパンツ20、又は図2に部分的に示される締結された状態の再締結可能側部を有するトレーニングパンツ20は、ウエスト開口部50及び一対の脚開口部52を有する3次元のパンツ構成を定める。前領域22は、着用時に着用者の前に配置されるトレーニングパンツ20の部分を含み、一方、後領域24は、着用時に着用者の後ろに配置されるトレーニングパンツの部分を含む。トレーニングパンツ20の股領域26は、着用時に着用者の脚の間に配置され、着用者の胴の下部を覆うトレーニングパンツの部分を含む。
【0027】
図3及び図4においてさらに詳細に示すように、シャーシ32はまた、前ウエスト縁38及び後ウエスト縁39と指定される一対の縦方向に相対するウエスト縁を定める。前領域22は前ウエスト縁38に連続し、後領域24は後ウエスト縁39に連続する。ウエスト縁38及び39は、着用時にウエストを取り囲むように構成され、以下で説明するようにウエスト周方向寸法寸法を定めるウエスト開口部50を形成する。図3及び図4には、参照のために、トレーニングパンツ20の縦方向軸線の配向を表す矢印48と、横方向軸線の配向を表す矢印49が示されている。
【0028】
図示される吸収性シャーシ32は、横方向に相対する一対の前側パネル34と、横方向に相対する一対の後側パネル234とを含む。側部パネル34及び234は、外側カバー40及び/又は身体側ライナ42と一体に形成することができ、或いは2つ又はそれ以上の別々の要素を含むこともできる。
【0029】
改善されたフィット性及び外観の特定の実施形態においては、側部パネル34及び234は、望ましくは縦方向軸線48に平行に計測された吸収性物品の全体的な長さ寸法の約20パーセント又はそれ以上、特に約25パーセント又はそれ以上の、縦方向軸線48に平行に計測された平均長さ寸法を有する。例えば、約54センチメートルの全長寸法を有するトレーニングパンツにおいては、側部パネル34及び234は、望ましくは約15センチメートルといった約10センチメートル又はそれ以上の平均長さ寸法を有する。側部パネル34及び234の各々は、ウエスト開口部50から脚開口部52の一方まで延びるが、後側部パネル234は、図3及び図4に最も良く示されるように、外向き横方向に移行する継続的に減少する長さ寸法を有する。
【0030】
側部パネル34及び234は、トレーニングパンツ20の横方向軸線49に対してほぼ平行な方向に伸びることができる弾性材料を含むことが望ましい。好適な弾性材料、並びに側部パネルをトレーニングパンツに組み入れる工程は当業者に公知であり、例えば、引用によりここに組み入れられる、Van Gompel他に付与された1990年7月10日付米国特許第4,940,464号に記載されている。
【0031】
上述のように、本発明によるトレーニングパンツ20は再締結可能なものとし、従って該トレーニングパンツを着用者のウエスト周りに固定するための締結システム80を含むことができる(図2)。締結システム80は、締結部材82を含み、これは嵌合相手である締結部材84と再締結可能に接続するようになっている。1つの実施形態においては、締結部材82及び84の各々の表面の1つは、その表面から突出した複数の係合要素を備える。これらの締結部材82の係合要素は、嵌合相手である締結部材84の係合要素に繰り返し係合され及び外されるようになっている。
【0032】
1つの具体的な実施形態においては、締結部材82の各々はフック型のファスナを含み、嵌合相手である締結部材84の各々は相補的なループ型のファスナを含む。別の具体的な実施形態においては、締結部材82の各々はループ型のファスナを含み、嵌合相手である締結部材84の各々は相補的なフック型のファスナを含む。
【0033】
ループ型ファスナは通常、ベースすなわち下地構造体と該下地構造体の少なくとも1つの表面から上向きに延びる複数のループ部材とを有する布又は材料を含む。ループ材料は、アクリル、ナイロン、又はポリエステルなどの適切な材料のいずれからも形成することができ、また縦編み、ステッチ結合、又はニードル・パンチングなどの方法で形成することができる。好適なループ材料は、米国ノースカロライナ州グリーンズボロー所在のギルフォード・ミルズ・インクから入手可能である。1つの実施形態においては、外側カバー材料及び/又は身体側ライナ材料がループ型ファスナとして働くものとなる。
【0034】
フック型ファスナは通常、ベースすなわち下地構造体と該下地構造体の少なくとも1つの表面から上向きに延びる複数のフック部材とを有する布又は材料を含む。締結部材82又は嵌合する締結部材84に適した片面フック材料は、オランダのアムステルダム所在のVelcro Industries B.V.社又はその関連会社といった商業的な業者から入手可能である。1つの実施形態においては、外側カバー材料及び/又は身体側ライナ材料がフック型ファスナとして働くものとなる。
【0035】
吸収性組立体44は、全体として圧縮可能で、応従性があり、着用者の皮膚に刺激を与えないどんな構造体とすることもでき、液体及びある種の身体排出物をここで議論されたレベルで吸収し保持することができる。吸収性組立体44は、当該技術分野では一般的に用いられる多様な液体吸収性材料から多様な寸法及び形状に製造することができる。例えば、吸収性組立体44は、超吸収体材料として一般に知られる高吸収性材料の粒子と混合されたセルロースフラフのウェブのような親水性繊維マトリックスを適切に含むことができる。特定の実施形態では、吸収性組立体44は、木材パルプフラフのようなセルロースフラフのマトリックスと、超吸収性ヒドロゲル形成粒子とを含む。木材パルプフラフは、合成ポリマーのメルトブローン繊維か、又はメルトブローン繊維と天然繊維との混合物に置き換えることができる。超吸収性粒子は、親水性繊維と実質的に均一に混合することもできるし、又は不均一に混合することもできる。フラフと超吸収性粒子はまた、体外浸出物をより良好に収容し及び吸収するために、吸収性組立体44の所望の区域に選択的に配置することができる。吸収性組立体44は、股領域の中心部におけるような「目標」域をより厚くした、可変的な厚さを有することができる。また、超吸収性粒子の濃度は、吸収性組立体44の厚みにわたって変えることができる。或いは、吸収性組立体44は、繊維ウェブと超吸収性材料のラミネート、又は超吸収性材料を局所的な領域に保持する他の適切な手段を含むこともできる。
【0036】
好適な超吸収性材料は、天然、合成、及び修飾天然ポリマー及び材料から選択することができる。超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料であってもよいし、架橋ポリマーのような有機化合物であってもよい。適切な超吸収性材料は、米国ミシガン州ミッドランドにあるDow Chemical社や、ドイツ連邦共和国クレーフェルトD−47805のStockhausen社のような種々の販売供給業者から入手可能である。超吸収性材料は、典型的には自重の少なくとも約15倍の水を吸収することができ、自重の約25倍より多い水を吸収できることが望ましい。
【0037】
1つの実施形態においては、吸収性組立体44は、米国ジョージア州ジェサップ所在のRayonier Corporationから入手可能なNOVATHIN(登録商標)という商標名で市販されている極めて薄い吸収性複合材料、及び/又は、SAPとパルプ繊維との混合物を含む超薄型吸収性(UTA)材料を含むことができる。好適なUTAの例は、ドイツ連邦共和国クレーフェルト所在のStockhausen GmbH&Co.KGから入手可能な3.7グラム(g)のFAVOR(登録商標)SXM9543SAPと、フェデラルウェイ所在のWeyerhauser社から入手可能な3.7gのNB416パルプ繊維を含むことができる。
【0038】
別の実施形態においては、吸収性組立体44は、全体として長方形の形状にすることができ、木材パルプフラフと超吸収体材料のブレンドを含むことができる。1つの好ましいタイプのフラフは、米国アラバマ州チルダーズバーグ所在のU.S.アライアンス社から入手可能な、CR1654という商品名で特定される、主として軟材繊維を含む高吸収性の硫酸塩木材パルプが漂白されたものである。通例、超吸収性材料は、吸収性組立体44中に、吸収性組立体の総重量を基準として約0から約90重量パーセントまでの量で存在する。吸収性組立体44は、好適には、約0.10から約0.50グラム毎立方センチメートルの範囲内の密度を有する。吸収性組立体44は、該吸収性組立体44の一体性及び/又は形状の維持を助ける適切なティシュー・ラップにより包まれる又は包み込まれていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0039】
シャーシ32は、また、所望であれば、主として液体を受け入れ、一時的に貯蔵し、且つ/或いは、吸収性組立体44との相互対向面に沿って液体を運び、そのことにより吸収性組立体44の全体的な能力を最大化するように設計された他の材料を組み入れることもできる。1つの好適な材料はサージ層と呼ばれる。
【0040】
典型的には、トレーニングパンツ20の最も嵩高い部材である吸収性組立体44は、本発明では比較的薄い。その結果、以下の試験方法に従って測定される本発明による衣類の全体の厚さは、約4.5ミリメートル(mm)より少なく、又は約4mmより少なく、又は約3mmより少なく、又は約2mmより少ない。衣類の全体の厚さが比較的小さいことから、この衣類は下着の外観及び感触をもつことができる。さらに、最小の嵩高さに起因して、以下の試験方法においてより詳細に説明される通り、前ウエスト縁38から後ウエスト縁39までを測定される、この衣類の縦方向の全長は、より嵩高い衣類よりも短いが、該より嵩高い衣類と同じ位置及び適合性を維持することができる。例えば、ほとんどのパンツ状衣類は、前ウエスト縁38が着用者のへそ区域にあり、後ウエスト縁39が着用者の背中のくびれに沿ってある状態で着用される。嵩高い衣類及び本発明の衣類の両方は、着用者のへそから着用者の背中のくびれまで伸ばすという同じ方法により着用することができるが、該嵩高い衣類は、本発明の衣類の縦方向長さより大幅に大きい縦方向長さを有する。
【0041】
図5は、外側カバー40と身体側ライナ42との間の薄い吸収層44を示す、図1の衣類20の断面図である。図5に見られるように、吸収層44を包むために、極わずかな長さが外側カバー40及び身体側ライナ42に加えられる。対照的に、図6は、図5と同じ視点からの代表的な従来技術の吸収性衣類86を示し、ここでは、本発明の衣類20が覆う着用者の身体の同じ長さを覆いながら、厚い吸収層44を囲むためには、外側カバー40及び身体側ライナ42は、衣類20におけるより、従来技術の衣類86における方が長くなければならないことが明らかである。
【0042】
トレーニングパンツその他のパンツ状吸収性衣類は、典型的には、意図される着用者の体重に対応する寸法で販売される。本発明の衣類20を、意図される着用者とは独立して、大きさに関して説明する目的のために、衣類の大きさをウエスト開口部50の周方向寸法に関して説明する。(500グラムの張力における)ウエスト周方向寸法を求める方法が以下で説明される。本発明による衣類20においては、ウエスト開口部の周方向寸法は、約450mmと約750mmとの間であるか、又は約500mmと約750mmとの間の範囲内とすることができる。
【0043】
本発明の衣類20は、望ましい製品特徴を与える方法により構成されており、結果として得られる製品は、縦方向長さとウエスト周方向寸法との間にある種の関係を有することが見出された。より具体的には、本発明の衣類20は、現在入手可能な市販のトレーニングパンツには当て嵌まらない直線関係で吸収性シャーシ32のウエスト周方向寸法に比例する、該吸収性シャーシ32の縦方向長さを有する。トレーニングパンツ20の縦方向長さは、以下に詳細に説明する方法により測定することができる。本発明の衣類20においては、該衣類の縦方向長さは、約350mmと約650mmとの間であるか、又は約375mmと約600mmとの間であるか、又は約400mmと約575mmとの間の範囲内とすることができる。
【0044】
図7に示すように、直線関係は、mが直線の勾配であり、bが直線のy切片であるものとして、よく知られた線の式、
y=mx+b (1)
によって、縦方向長さ(x)とウエスト周方向寸法(y)との間に引くことができる。縦方向長さの変数を分離すると、この式は、
長さ=(周方向寸法−b)/m (2)
となる。
【0045】
式2は、本発明の衣類の最大長さを求めるのに用いられる。従って、この式は、
長さ(周方向寸法−b)/m (3)
として、より正確に書かれる。
【0046】
式3に表されるように、長さ及び周方向寸法の関係の範囲は線より上に存在する。
【0047】
本発明の各実施形態においては、勾配(m)はおおよそ1.6である。本発明の1つの実施形態においては、y切片は−128であり、その結果次の式が得られる。
長さ(周方向寸法+128)/1.6 (4)
より少ない最大長さを有する本発明の別の実施形態においては、y切片は−114であり、その結果次の式が得られる。
長さ(周方向寸法+114)/1.6 (5)
さらに少ない最大長さを有する本発明の別の実施形態においては、y切片は−99であり、その結果次の式が得られる。
長さ(周方向寸法+99)/1.6 (6)
【0048】
長さ、周方向寸法、及び厚さの間の関係は三次元的関係であるが、長さと周方向寸法との間の直線関係の上に、厚さの次元を重ねることにより、二次元形態に近似することができる。結果として、図7に示すように、厚さは、長さ及び周方向寸法のパラメータを定める線の各々に沿ってほぼ一定であり、y切片が増加すると減少する。しかしながら、厚さは、三次元の状態から二次元のグラフに重ねられていることから、線は、長さ/周方向寸法関係を表すことに加えて、実際の厚さパラメータを表すのではなく厚さパラメータの影を表している。従って、下記の実施例の図8ないし図10においては、おおよその厚さという表示近似に過ぎず、二次元形態では正確に表すことはできない。
【0049】
本発明の衣類20を作る工程において、式3ないし式6を用いることができる。より具体的には、所望のウエスト周方向寸法が求められると、該周方向寸法を、所望の勾配(m)及びy切片(b)と併せて式3の中に代入して、衣類の適切な縦方向長さを求めることができる。式4ないし式7は、提案された勾配値及びy切片値、即ち1.6の勾配及び−128、−114、又は−99のy切片を与える。所望の縦方向長さが求められると、衣類20を作ることができる。
【0050】
本発明の衣類20は、約100グラムと約800グラムとの間であるか、又は約150グラムと約600グラムとの間であるか、又は約200グラムと約500グラムとの間の飽和容量を有することが好適である。この衣類の飽和容量は、以下に詳細に説明する試験方法に従って測定することができる。
【0051】
本発明の衣類20は、約1500グラムより少ない、又は約1200グラムより少ない、又は約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有することが好適である。この衣類の縁圧縮ピーク負荷は、以下に詳細に説明する試験方法に従って測定することができる。
【0052】
外側カバー40は、ほぼ液体不透過性とすることができ、かつ弾性、伸縮性、又は非伸縮性とすることができる材料を含むことが望ましい。外側カバー40は液体不透過性の材料の単一層とすることができるが、少なくとも層の1つが液体不透過性である多層のラミネート構造からなることが望ましい。例えば、外側カバー40は、ラミネート接着剤(図示せず)により互いに適切に接合される、液体透過性の外側層と液体不透過性の内側層とを含むことができる。ビード、スプレー、平行スワールなどの形で連続的に又は断続的に付着させることができる好適なラミネート接着剤は、米国ウィスコンシン州ウォーワトサ所在のFindley Adhesives, Inc.又は米国ニュージャージー州ブリッジウォーター所在のナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニーから入手できる。液体透過性の外側層は、適切な材料であればいずれであってもよいが、一般的に布のような感触を与えるものが望ましい。そうした材料の一例は、20gsm(グラム毎平方メートル)のスパンボンド・ポリプロピレンの不織ウェブである。外側層は、液体透過性の身体側ライナ42を形成する材料から製造することもできる。外側層は、液体透過性である必要性はないが、着用者に比較的布に似た感触を与えることが望ましい。
【0053】
外側カバー40の内側層は、液体不透過性かつ蒸気不透過性であってもよいし、液体不透過性かつ蒸気透過性であってもよい。内側層は、薄いプラスチック・フィルムから製造されることが望ましいが、他の可撓性のある液体不透過性材料を用いてもよい。内側層、又は単層である場合の液体不透過性外側カバー40は、敷布及び衣服といった物品や、着用者及び介護者が汚物で濡れるのを防ぐ。液体不透過性の内側層、又は単層の液体不透過性外側カバー40としての使用に適した液体不透過性フィルムは、米国ヴァージニア州ニューポート・ニューズ所在のハンツマン・パッケージング社から市販されている0.2ミリメートルのポリエチレン・フィルムである。外側カバー40が単一材料層である場合には、より布に近い外観を与えるためにエンボス加工及び/又はマット仕上げすることができる。上記したように、液体不透過性の材料は、使い捨て吸収性物品の内部から蒸気が逃げられるようにする一方で、なおかつ液体が外側カバー40を透過するのを防ぐことができる。好適な「通気性」材料は、微孔性の高分子フィルムで構成されるか、或いは所望の液体不透過性レベルを与えるようにコーティングされるか又はその他の手法で処理された不織布から構成される。好適な微孔性フィルムは、日本国東京所在の三井東圧化学株式会社から市販されているPMP−1フィルム材料か、又は米国ミネソタ州ミネアポリス所在の3Mカンパニーから市販されているXKO−8044ポリオレフィン・フィルムである。
【0054】
特定の「非通気性」弾性フィルムもまた、外側カバー40を作るのに用いることができる。好適な非通気性フィルムの例は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体又はスチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、米国オハイオ州ベルプレのKraton Polymers USLLCからのKRATONポリマー、メタロセン触媒エラストマー又はプラストマーなどで作ることができる。外側カバー40を作るのに好適な他の材料は、例えば、PEBAXのようなポリエーテルアミドをベースとしたポリマーのようなモノリシック通気性フィルム、及びエーテル/エステル・ポリウレタン熱可塑性プラスチック・エラストマーを含む。
【0055】
液体透過性身体側ライナ42は、外側カバー40と吸収体組立体44の上に重なるように図示されており、必ずしもそうである必要はないが外側カバー40と同じ寸法をもつことができる。身体側ライナ42は、応従性があり、柔軟な感触で、着用者の皮膚に刺激を与えないことが望ましい。更に、身体側ライナ42は、着用者に比較的乾いた表面を提供し、かつ液体が該身体側ライナの厚みを通して容易に浸透できるように、吸収体コア44より親水性の低いものにしてもよい。
【0056】
身体側ライナ42は、合成繊維(例えばポリエステル繊維又はポリプロピレン繊維)、天然繊維(例えば木材繊維又は綿繊維)、天然繊維と合成繊維の組み合わせ、多孔性発泡体、網状発泡体、穿孔されたプラスチック・フィルム等といったウェブ材料の幅広い選択肢の中から製造することができる。身体側ライナ42には種々の織布及び不織布を用いることができる。例えば、身体側ライナは、ポリオレフィン繊維をメルトブローしたウェブ又はスパンボンドしたウェブで構成することができる。身体側ライナはまた、天然繊維及び/又は合成繊維で構成されたボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。身体側ライナは、ほぼ疎水性の材料で構成することができ、疎水性材料は、所望のレベルの湿潤性と親水性を付与するために、随意的に界面活性剤で処理するか又は他の手法で処理することができる。例えば、この材料は、米国デラウェア州ニューキャッスル所在のICIの一部門であるユニケマ社から入手可能なAHCOVEL(登録商標)N−62と、オハイオ州シンシナティで製造され、ペンシルヴァニア州アンブラー所在のコグニス社から入手可能なGLUCOPON(登録商標)220UPとを含む混合物を有効比3:1で含む約0.45重量パーセントの界面活性剤混合物で表面処理することができる。界面活性剤は、スプレーすること、プリントすること、ブラシ・コーティングすること等といった従来の手法のいずれかを用いて塗布することができる。界面活性剤は、身体側ライナ42の全体に塗布してもよいし、身体側ライナ42の縦中心線沿いの中間部のような特定の部分に選択的に塗布してもよい。
【0057】
好適な液体透過性の身体側ライナ42は、約27gsmの秤量を有する二成分の不織ウェブとすることができる。不織二成分ウェブは、二成分のスパンボンド・ウェブか、又は二成分のボンデッド・カーデッド・ウェブであってもよい。好適な二成分ステープル繊維は、日本国大阪所在のチッソ株式会社から入手可能なポリエチレン/ポリプロピレン二成分繊維を含む。この特定の二成分繊維においては、ポリプロピレンが繊維の芯を形成し、ポリエチレンが繊維の鞘を形成する。マルチローブ、並列構成、エンドツーエンド等といった他の繊維配向も可能である。外側カバー40及び身体側ライナ42はエラストマー材料を含むことができるが、幾つかの実施形態においては、複合構造体は一般的に非弾性とすることが望ましい場合もあり、このとき外側カバー、身体側ライナ、及び吸収体コアは、一般的にエラストマー性でない材料を含む。
【0058】
トレーニングパンツ20は、身体排出物の閉じ込め及び/又は吸収を更に増強するために、当業者には公知のように前ウエスト弾性部材54と、後ウエスト弾性部材56と、脚弾性部材58とを含むことが望ましい(図4)。ウエスト弾性部材54及び56は、両側のウエスト縁38及び39に沿って外側カバー40及び/又は身体側ライナ42に作動的に取り付けることができ、ウエスト縁の一部又は全体にわたって延びていてもよい。脚弾性部材58は、両側の側縁36に沿って外側カバー40及び/又は身体側ライナ42に作動的に取り付けられ、トレーニングパンツ20の股領域26に配置されることが望ましい。
【0059】
ウエスト弾性部材54及び56、並びに脚弾性部材58は、好適な弾性材料のいずれからも形成することができる。当業者には周知のように、好適な弾性材料は、天然ゴム、合成ゴム、又は熱可塑性エラストマー・ポリマーのシート、ストランド又はリボンを含む。弾性材料は、伸ばして基体に接着するか、又はギャザー寄せされた基体に接着するか、或いは基体に接着してから例えば熱を加えることによって弾性を付与するか又は収縮させることができ、それにより基体に弾性収縮力が付与される。特定の実施形態の1つにおいて、脚弾性部材58は、例えば米国デラウェア州ウィルミントン所在のE.I.デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニーから入手可能な、LYCRA(登録商標)の商標名で販売されている複数のマルチフィラメント・スパンデックス・エラストマー糸が乾式紡糸集合されたものを含む。
【0060】
シャーシ32は、着用者から放出されたどんな身体排出物の閉じ込め及び/又は吸収をも増強するために、身体排出物の横方向の流出に対する障壁を与えるように構成された一対の閉じ込めフラップ46を含むことができる。フラップ弾性部材53(図4)は、当該技術分野では公知の適切な方法のいずれかによって各閉じ込めフラップ46に作動的に接合される。弾性を付与された閉じ込めフラップ46は、トレーニングパンツ20の少なくとも股部26において直立したほぼ垂直な形状となる、取り付けられていない縁部を定め、着用者の身体に対するシールを形成する。閉じ込めフラップ46は、シャーシ32の横方向両側の側縁に沿って配置可能であり、シャーシの全長に沿って縦方向に延びても良いし、吸収性シャーシの長さの一部にのみ沿って延びても良い。閉じ込めフラップ46に適した構成及び配置は、一般に当業者には公知である。
【0061】
ここで説明されるように、吸収性衣類20の種々の構成材は、接着剤、超音波、及び熱結合又はこれらの組み合わせといった種々のタイプの好適な取り付け手段を用いて互いに一体に組み立てることができる。結果として得られる製品は、まるで下着のように適合する、薄くて可撓性がある使い捨ての吸収性衣類である。より具体的には、この吸収性衣類は、衣類のウエスト周方向寸法に対して、最大厚さに比例する最大長さを有する一方で、相当量の吸収能力を維持する。
【実施例】
【0062】
以下の実施例は、本発明に従って最適化されたパラメータを有するトレーニングパンツと、現在入手可能な市販品との間の比較を与える。より具体的には、本実施例は、本発明のトレーニングパンツを定める直線関係に関して、本発明のトレーニングパンツ及び現在入手可能な市販品のグラフ図を与える。
【0063】
表1は本実施例において試験されたトレーニングパンツの説明を与え、コード17ないし22は、実験品コードである。コード17及び20ないし22は、本発明によるトレーニングパンツを表す。
表1:試験されたトレーニングパンツ
【0064】
実験品コードA、B、及びC(コード17−19)の各々は、同じ組成及び設計を含むが、大きさだけが異なっていた。より具体的には、これらのコードは、PULL−UPS(登録商標)トレーニングパンツと同じ部材で形成されているが、元の吸収層の代わりに超薄型吸収層をもつ。これらの超薄型吸収層は、引用によりここに組み入れられる、2001年8月24日付で出願された米国特許出願第09/939,061号に教示されている。より具体的には、実験品コードA(コード17)はStockhausen GmbH&Co.KGから入手可能なFAVOR9543超吸収性材料12.0gと、米国ワシントン州フェデラルウェイ所在のWeyerhauserから入手可能なND416パルプ9.8gからなる超薄型吸収体を含み、実験品コードB(コード18)はFAVOR9543超吸収性材料12.9gと、ND416パルプ10.5gからなる超薄型吸収体を含み、実験品コードC(コード19)はFAVOR9543超吸収性材料13.5gと、ND416パルプ11.1gからなる超薄型吸収体むものであった。
【0065】
実験品コードD(コード20)は、全体的にわたる伸長性をもつ再締結可能なトレーニングパンツであった。このパンツは、ネックされしぼ寄せされた2つの0.3osyのポリプロピレン・スパンボンド面の間に積層されたモノリシック通気性フィルムからなる外側カバーと、ネックされしぼ寄せされたポリプロピレン・スパンボンドからなる身体側ライナとを有していた。外側カバーと身体側ライナとの間には、Kraton Polymers社から入手可能なKRATON2760メルトブロー・フィラメント10%と、米国ジョージア州ジェサップ所在のRayonier Corporationから入手可能なSulfitate HJパルプ15%と、Stockhausen GmbH&Co.KGから入手可能なFAVOR 880超吸収性材料75%とのコフォーム材料からなる450gsmの吸収層が存在した。このパンツはまた、閉じ込めフラップ、ウエスト弾性体、脚弾性体、及びファスナを含み、これらすべては説明された本発明によるものであった。
【0066】
実験品コードE(コード21)は、PULL−UPS(登録商標)トレーニングパンツと同じ部材からなる外側カバーを有する再締結不可能なトレーニングパンツであるが、元の吸収層の代わりに、3.9gのFAVOR 9543超吸収性材料と3.9gのND416パルプとを含み、225gsmの坪量を有するコード17ないし19の超薄型吸収層と同様な超薄型吸収層をもつ。
【0067】
実験品コードF(コード22)は、コードE(コード21)と同様な再締結不可能なトレーニングパンツであるが、最大化された面積において、Rayonier社から入手可能な400gsmのNOVATHIN複合材4000160吸収層を29.5g有していた。
【0068】
表1に挙げた各トレーニングパンツは、以下に与えられる各試験方法に従って、縦方向長さ、前面厚さ、ウエスト周方向寸法、及び飽和容量について試験された。各試験は、各製品の試料5つに対して行われ、表2にはその結果の平均が与えられる。
表2:表1に挙げられたトレーニングパンツのパラメータ
【0069】
表2のデータは図8に与えられ、グラフを横切る線及びその線の上にある領域は、
長さ(周方向寸法+128)/1.6
の関係に従って、縦方向長さがウエスト開口部の周方向寸法に比例する本発明の実施形態を表す。図8に示されるように、この線に沿った衣類の厚さは、おおよそ4mmであり、この線の上にある領域の衣類は、より小さい厚さを有する。
【0070】
同様にして、表2のデータはさらに図9に与えられ、グラフを横切る線及びその線の上にある領域は、
長さ(周方向寸法+114)/1.6
の関係に従って、縦方向長さがウエスト開口部の周方向寸法に比例する本発明の実施形態を表す。図9に示されるように、線に沿った衣類の厚さはおおよそ3mmである。
【0071】
表2のデータはさらに図10に与えられ、グラフを横切る線及びその線の上にある領域は、
長さ(周方向寸法+99)/1.6
の関係に従って、縦方向長さがウエスト開口部の周方向寸法に比例する本発明の実施形態を表す。図10に示されるように、線に沿った衣類の厚さはおおよそ2mmである。
【0072】
試験方法
厚さ測定試験方法
吸収性製品の全体は、製品の最も厚い部分の厚さ、通常は、液体の放出を受け取ることが意図される目標域が測定されることになる。以下に説明する方法で測定された時には、こうした製品は、好適には約4.5mmより少なく、より好適には約4.0mmより少なく、さらにより好適には約3.0mmより少なく、最も好適には約2.0mmより少ない乾燥厚さ(ti)を有することができる。例えば、本発明の1つの実施形態においては、吸収性衣類は約0.5mmから約3.0mmまでの乾燥厚さを有することができる。
【0073】
試料が製品の目標域において最大厚さを示した場合には、その試料は以下の方法により、その位置において試験することができる。目標域以外に最大厚さをもつ試料は、その最大厚さの位置で試験されなければならない。
【0074】
試験されるべき試料は、前ウエスト縁と後ウエスト縁とが位置合わせされた状態で、着用のために半分に折畳まれる。製品のライナは折畳み線のところで印をつけられる。製品は開かれて平らに置かれ、吸収体の前領域は、製品の縦方向の中心線に沿って、印をつけられた折り目と該吸収体の前縁との中間で印をつけられる。製品が(例えば側部シームによって)閉じられている場合には、製品を平らに置くことができるようにシームが開かれる。(脚部境界に沿った、或いは閉じ込めフラップにおけるような)弾性体は、可能であれば取り外され、或いは数箇所で切断されて、吸収体が収縮していない状態で平らに置かれるようにする。
【0075】
試料は、印がつけられた折畳み線の前方の、吸収体の前面における印がつけられた点で、乾燥厚さについて試験される。完全な状態の製品は、この位置におけるどんな皺も取り除くように丁寧に平らに広げられるが、伸ばされることはない。製品は0.2ポンド平方インチ(psi)の重しの下に配置され、該製品のこの領域における厚さが記録される。吸収体の厚さのために好適な試験機は、日本のミツトヨMTI株式会社から入手可能で、0.2psiの重さを付加する直径3インチの真ちゅう製足部を備えたMITUTOYO543シリーズの厚さゲージである。試料ごとに5つの見本が試験され、結果が平均されて、その試料の厚さ値が与えられる。
【0076】
縦方向長さ測定試験方法
製品(20)は、縦方向軸線(48)に沿って、前端縁と後端縁(38及び39)との間で測定された長さ寸法を有する。製品(20)の長さ寸法が求められる。
【0077】
製品(20)の長さ寸法を求めるのに好適な方法は、該製品を平らで垂直面に、垂直に隣接させて吊るすことである。吊るす前に、この製品は、いずれかの側部シームを切断するか又は開くことによって開かれる。シャーシの長さに延びる弾性部材(脚部弾性体又は閉じ込めフラップ内の弾性体のような)はいずれも、その全長に沿って、1インチごとに少なくとも1回分断される。この製品は、後領域(24)が前領域(22)の上になり、使用中に着用者の外側衣類に面することが意図される表面が、平らな垂直面の方向に位置するように吊るされる。製品の上端縁部は、2つのクランプによって水平に保持され、該クランプの内側縁は3.5インチ(8.9cm)の間隔が空けられている。可能であれば、クランプは製品内のいかなる吸収体も避けるように位置決めされ、該製品の縦方向中心線/軸線に対して対称に配設される。製品に存在するいかなるウエスト弾性体も、クランプの固定に先立って伸ばされることはない。
【0078】
吊るされた製品の下方端部(前ウエストバンド領域)は、250gの重さのジグを用いて固定される。ジグは、タイロッド(1/4インチ−20×12インチ、並目、亜鉛プレート)に取り付けられた2つのクランプユニット(中型の強力な紙ばさみ、2−1/8インチ)をもち、クランプは製品の縦中心線に対して対称に置かれ、該クランプの内側縁の間の間隔は3.5インチ(8.9cm)であり、各クランプの内側縁及び外側縁には1/4インチのナットが置かれて、クランプを所定の場所に保持する。各クランプには1つの(キャップ付き)ボトル(NALGENEブランドのような1オンスのプラスチックのねじ蓋ボトル)が、一本のひもを使って取り付けられる。組立体は実験室のはかりに置かれ、ジグの合計重量が限りなく250グラムに近づくまで、散弾(LAWRENCEブランドのような冷却されたNo.5散弾)が各ボトルに(同量ずつ)加えられる。ジグは、上述のように吊られている製品の下方端部に取り付けられる。
【0079】
典型的な製品においては、250gの負荷が適当である。次に、縦中心線/軸線(48)に沿って、クランプ間の前端縁及び後端縁(38及び39)の間の距離を測定することによって、伸びの長さが求められる。各コードにつき5つの見本が分析され、コードごとの結果が平均化される。
【0080】
ウエスト周方向寸法測定試験方法
この手順は、試験用パンツのウエストバンド周方向寸法を測定する単サイクルの張力台上試験である。パンツは、直ちに着用することが意図された、消費者に提供される状態で試験される。この手順は、ウエストバンドがより高い張力を受けた後に、中程度の張力下でのウエスト周方向寸法を測定する。試験用パンツは、固定の伸び/伸長ではなく特定の負荷に対して繰り返される。
【0081】
この試験によって生成されるデータは、
・最初の負荷70gにおけるウエストバンド周方向寸法(mm)
・中間負荷2000gにおけるウエストバンド周方向寸法(mm)
・最終負荷500gにおけるウエストバンド周方向寸法(mm)
を含む。
【0082】
1.概説
図11に示すように、ウエストバンドのゲージ長さを測定するために、パンツは上方ピン及び下方ピン上の所定の位置に置かれる。各ピンはパンツのウエスト部の中に1インチ(2.5cm)だけ挿入される。パンツがピン上で滑る場合には、クリップを適用して該パンツを該ピン上にしっかりと保持することができるが、クリップがピンの上を通らないウエストバンド部分の上に置かれるのを避けるように注意しなければならない。試験の開始に先立って、パンツが試験のための位置に置かれている時に0から65グラム(g)の間の張力を与えるように、ゲージ長さが試験されているパンツのウエスト開口部について選択される。「張力」という用語は、張力試験機におけるロードセルによって測定されるグラム値を指す。
【0083】
把持部は、張力70グラムの負荷が得られるまで離間され、この張力でゲージ長さが記録される。その後、把持部は、引き続き、張力200グラムに達するまで離れるように移動し、この張力でゲージ長さが再び記録される。その後、把持部は、張力500グラムに達するまで直ちに互いに戻るように移動し、この張力でゲージ長さが再び記録される。標準試験はパンツ1つにつき1サイクルである。所定の張力における周方向寸法は、上方ピン及び下方ピンに対するゲージ長さ及び周方向寸法の値を用いて算出することができる。少なくとも5つの見本が試験されることが望ましい。試験された各見本からの張力500グラムにおけるウエストバンド周方向寸法の値は、所定の試料に対する平均ウエストバンド周方向寸法を得るために平均化される。
【0084】
図12は、本発明によるパンツのウエストバンド周方向寸法を測定するのに用いられる張力試験機の側面図を示す。図11は、ウエストバンド周方向寸法を測定するように張力試験機上に配設された、図1に示す種類のパンツを示す。
【0085】
2.装置及び材料
2.1 定速伸長(CRE)張力試験機:米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のMTS(登録商標)システムズ・コーポレーションから入手可能な、MTS張力試験機モデルSynergie200試験台。
2.2 ロードセル:ピーク負荷値の大部分が、製造業者の推奨するロードセルのフルスケール値の範囲の間に収まるように、好適なセルが選択される。米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のMTS(登録商標)システムズ・コーポレーションから入手可能な、モデル100N。
2.3 オペレーティング・ソフトウェア及びデータ取得システム:米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク所在のMTS(登録商標)システムズ・コーポレーションから入手可能な、MTS TestWorks(登録商標)Windows用ソフトウェア版4.06A、ビルド617。
2.4 グリップ:米国マサチューセッツ州キャントンのインストロン・コーポレーションから入手可能な部品番号2712−003として識別される上下の空気圧作動グリップ。
2.5 グリップ面:ピンを保持するのに好適な25mm×75mm(1インチ×3インチ)のもの。
2.6 ピン:6.3センチメートル(2.5インチ)の長さを有し、一端に見本を保持する刻み目部分があり、この刻み目部分が外径6.4ミリメートル(0.25インチ)、長さ3.2センチメートル(1.25インチ)である剛性ピン。
2.7 クリップ(随意):幅1.9cm×0.95cm容量(幅3/4インチ×3/8インチ容量)のバインダ・クリップ。米国ウィスコンシン州ミルウォーキー所在のBTオフィス・プロダクツ社から入手可能な部品番号BTM00251。
【0086】
3.条件づけ
標準ASTM実験室条件で試験を行う:雰囲気23±2℃(73.4±3.6°F)、相対湿度50±5%。製品は実験室条件にまで平衡した後で測定されるべきである。
【0087】
4.試験見本
準備は必要ない。パンツ全体が試験される。
【0088】
5.手順
張力試験機試験条件
データ取得率…100.0Hz
予荷重(前提条件)を実行するか? …実行しない
前提条件を実行するか? …実行しない
予荷重を実行するか? …実行しない
クロスヘッド速度…500mm/分
ゲージ長さ…腰部及びウエストバンドの両方のために適当な開始ゲージ長さの設定は、以前に試験されたことがない製品において0gと65gとの間の初期荷重を生成するものである。
荷重をかける(サイクルをトリガする)…2000g(又は、試料が引き裂かれるか或いは他の方法により離れることなく経験することになる最大荷重値)
サイクル数…1回
破断感度:90%
A.図11に示すようにピン組立体を取り付ける。
B.クロスヘッド位置のための張力フレーム・プッシュボタン制御を用いてピンを動かして、パンツを伸ばすことなくピンの上に取り付けられるようにする。第1のピンの中心線から第2のピンの中心線までを測定することにより、ゲージ長さを求める。この最初のゲージ長さに対してソフトウェアを較正する。
C.ウエストバンドを上部ピンの刻み目区域上に置く。パンツの一方の側をピンの上部の中心に置く。単一のバインダ・クリップを用いて、パンツをピン上の所定の位置のウエスト開口部において保持するが、クリップを適用する際にパンツを伸ばさないようにする。
D.ZEROをクリックして、パンツの負荷の風袋を計る。各見本についてではなく、各試料集団について、最初のパンツの重量のみの風袋を計る。
E.パンツの反対側のウエストバンドを底部ピン上に置き、第1のピンにおけるのと同様に所定の場所にクリップする。上部ピン及び底部ピンの両方がパンツの中に2.5センチメートル(1インチ)だけ挿入されるようにパンツを調整する。
F.クロスヘッド位置のための張力フレーム・プッシュボタン制御を用いて、ウエストバンドに適用される負荷が0gと65gとの間になるまでピンを離れるように移動させる。
G.RUNボタンをクリックする。試験は自動的に開始する。
H.試験の終了時には、FILEをクリックしてデータ及びグラフを保存するか、又はNEXTをクリックしてデータのみを保存する。
I.試料をピンから取り外す。
J.試験が完了するまで、各見本について、段階B、C及びEからIまでを繰り返す。
【0089】
いずれかの張力において測定されたウエストバンドの周方向寸法は、その張力におけるゲージ長さに2を乗じて、上方ピンの周方向寸法の半分と下方ピンの周方向寸法の半分とを加算することで、算出することができる。
【0090】
修正された飽和容量試験方法
飽和容量は、Magnahelic真空ゲージとラテックスダムとを備えた飽和容量(SAT CAP)試験機を用いて求める。図13−図15を参照すると、飽和容量試験機真空装置110は、4つの脚部材114上に支持された真空チャンバ112を備える。真空チャンバ112は、前壁部材116と、後壁部材118と、2つの側壁120及び121を含む。壁部材は、厚さ約0.5インチであり、長さ23.5インチ、幅14インチ、及び深さ8インチに計測される外寸を有するチャンバを与えるように構成され配置される。
【0091】
真空ポンプ(図示せず)は、適切な真空ライン導管と真空弁124を通して真空チャンバ112に作動的に接続される。更に、適切な抽気ラインが、抽気弁126を介して真空チャンバ112に接続される。ハンガー組立体128は、後壁118に適切に取り付けられ、真空装置110の上部から遠い方の利便性な位置にラテックスダムシート130を支持する利便性な止め場所を与えるためにS字形に湾曲された端部をもつように構成される。適切なハンガー組立体は、直径0.25インチのステンレス鋼ロッドから構成することができる。ラテックスシート130は、つかむのを容易にし、ラテックスシート130の通常の動き及び位置決めを可能にするために、ダウエル部材132の周りにループ状にされる。図示された位置においては、ダウエル部材132は、ラテックスシート130を真空チャンバ112の上部から遠い方の開位置に位置させるためにハンガー組立体128に支持された状態で示されている。
【0092】
ラテックスシート130の底部縁は、トグルクランプ140のような適切な固定手段によって後縁支持部材134に対してクランプされる。トグルクランプは、所望の作動に適したトグルクランプ140の向き及び位置合わせを与える適切なスペーサ141によって後壁部材118上に取り付けられる。3つの支持シャフト142は、直径0.75インチであり、支持ブランケット144によって真空チャンバ112内に取り外し可能に取り付けられる。支持ブランケット144は、前壁部材116と後壁部材118に沿ってほぼ等間隔に配置され、協働する対として配置される。更に、支持ブランケット144は、支持シャフト142の最上部が真空チャンバ112の前壁、後壁及び側壁部材の上部と同一平面上に適切に配置されるように構成され配置される。したがって、支持シャフト142は、互いにほぼ平行に配置され、側壁部材120及び121とほぼ位置合わせされる。後縁支持部材134に加えて、装置110は、前部支持部材136と2つの側部支持部材138及び139を含む。各側部支持部材の寸法は、幅約1インチ、高さ約1.25インチである。支持部材の長さは、真空チャンバ112の上部開放縁の周辺部を適切に取り囲むように構成され、チャンバ壁部材の上縁を約0.5インチの距離だけ越えて突出するように配置される。
【0093】
卵箱型材料の層146が、支持シャフト142の上部と、真空チャンバ112の壁部材の上縁に配置される。例えば、卵箱型材料は、パネル内に13mm×13mmの開口部を有するMcMaster Supply Catalog No.162 4K 14から入手可能な半透明の光ディフューザパネルとすることができる。卵箱型材料は、23.5インチ×14インチの寸法のほぼ長方形の領域にわたって延び、約0.38インチの深さ寸法を有する。卵箱構造体の個々のセルの寸法は約0.5インチ平方であり、卵箱を構成する薄いシート材料は、ポリスチレンといった適切な材料からなる。23.5インチ×14インチの寸法の0.19メッシュのナイロンスクリーンの層148が、卵箱材料146の上部に配置される。メッシュのナイロンスクリーンは、Eagle Supplu&Plastic社から入手可能なTEFLONで被覆された部品番号7308の6mmのメッシュのナイロンスクリーンであることが望ましい。
【0094】
適切なドレンラインとドレン弁150が、真空チャンバ112の底部プレート部材119に接続されて、真空チャンバ112から液体を排出する便利な機構を与える。試験機110の種々の壁部材と支持部材は、ポリカーボネート・プラスチックのような適切な非腐食性の耐水性材料から構成することができる。溶剤溶接によって種々の組立体ジョイントを取り付けることができ、試験機の完成した組立体は、防水性となるように構成される。真空ゲージ152は、導管を通して真空チャンバ112に作動的に接続される。適切な圧力ゲージは、Dwyer Instrument Incorporatedから入手可能なNo.2100ゲージのような、0−100インチの水の真空を計測することができるMagnahelic差動ゲージである。
【0095】
乾燥製品又は他の吸収構造体を計量し、次いで過剰量の0.9%食塩水溶液中に入れ、20分間浸す。20分間浸した後に、吸収構造体を卵箱材料と飽和容量試験機のメッシュナイロンスクリーンにおく。ラテックスシートを吸収構造体と卵箱グリッド全体の上におき、それにより試験機に真空が引かれたときにラテックスシートがシールを形成する。0.5ポンド毎平方インチ(psi)の真空が飽和容量試験機において5分間保たれる。真空は、吸収構造体に対して圧力を生じ、或る量の液体の排液をもたらす。0.5psiの真空下で5分後に、ラテックスシートが巻き戻され、吸収構造体が計量されて、湿潤重量が与えられる。
【0096】
各吸収構造体の全体的な容量は、手順のこの時点で求められた吸収体の湿潤重量から各吸収体の乾燥重量を引くことによって求められる。0.5psiのSAT CAP又は吸収構造体のSAT CAPは、次式によって求められる。
SAT CAP=(湿潤重量−乾燥重量)/乾燥重量
ここで、SAT CAP値は、グラム流体/グラム吸収体の単位を有する。全体的な容量とSAT CAPとの両方においては、各サンプルの最小3つの試験片を検査し、その結果を平均すべきである。吸収構造体が浸漬又は移送手順の間に低い一体性又は崩壊性を有する場合には、吸収構造体は、米国ウィスコンシン州ニーナ所在のキンバリー・クラーク社によって製造されたペーパータオル、例えばHi−Dri(登録商標)ペーパータオルのような閉じ込め材料にラップすることができる。吸収構造体は、オーバーラップが定位置にある状態で試験することができ、該オーバーラップの容量は、別個に求め、吸収体の湿潤重量を得るために、ラップされた吸収構造体の総湿潤重量から引くことができる。
【0097】
縁圧縮試験方法
縁方向圧縮(EC)値を求める方法を以下に示す。製品の最も厚い部分を含む2インチ×12インチ(5.1cm×30.5cm)の吸収性物品の部品は、より長い寸法が製品又は原材料ウェブの縦方向と一致された状態で切断される。試料の重量が求められる。材料の厚さは、0.2psi(1.38KPa)の負荷の下で求められる。材料は、2インチ(5.1cm)の高さを有する円柱に形成され、2つの端部が0インチないし0.125インチ(0cm−3.18cm)の重なりを有し、材料は3つのステープルにより互いににホッチキス留めされる。1つのステープルは製品の幅の中間近くにあり、他の2つは材料の幅の各縁により近いところにある。試験におけるステープルの影響を最小にするため、該ステープルの最も長い寸法は、形成された円柱の周方向寸法にある。
【0098】
INSTRON試験機又は同様の機器は、底部プラットフォームと、試験される試料の周方向寸法より大きく、該底部プラットフォームに対して平行で、逆の状態で置かれた圧縮ロードセルに取り付けられたプラテンとを伴って構成される。見本はプラットフォーム上に、プラテンの下に置かれる。プラテンは見本と接触させられ、25mm/分の速度で試料を圧縮する。試料を幅の50%(1インチ)(2.54cm)まで圧縮する際に得られた最大力が記録される。
【0099】
材料が座屈する場合には、試料が50%まで圧縮される前に最大力に達するのが普通である。吸収体の長さが12インチ(30.5cm)より少ない製品においては、材料のEC値は以下の方法により求めることができる。縁方向の圧縮強さについての詳細な説明は、1983年Dekker刊、Richard E. Mark編「紙及び板紙の物理的試験及び機械的試験の手引き」(第1巻)に与えられている。座屈応力を管理する理論モデルに基づき、述べられた縁方向圧縮構成においては、座屈応力は、Eは弾性係数であり、Hは円柱の高さであり、Rは円柱の半径であり、tは材料の厚さであるものとして、比例定数がH2/(R*t)の関数である場合に、E*t2(H2)に比例する。応力を坪量当たりの力として表すと、一定に維持される必要のあるパラメータはH2/Rであることが示されることになる。従って、12インチ(30.5cm)より小さい試料に関しては、可能性のある最大の円が構築されるべきであり、その高さ(試料の幅は切り取られる)は、H2/Rが2.1インチ(5.3cm)になるように調整される。
【0100】
説明のために与えられた上記の実施形態の詳細な説明は、本発明の適用範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは認識されるであろう。上記では本発明のほんの幾つかの例示的な実施形態について詳細に説明したが、当業者には、本発明の新規な教示及び利点から本質的に逸脱することなく、例示的な実施形態に多くの修正が可能であることが容易に分かるであろう。したがって、そのような修正のすべては、特許請求の範囲の請求項とそれらの全ての均等物において定義される本発明の適用範囲内に含まれることを意図している。更に、多くの実施形態は、幾つかの実施形態、特に好ましい実施形態の利点のすべてを達成しないことが考えられることが認識され、また、特定の利点がないことは、そのような実施形態が本発明の適用範囲外にあることを必ずしも意味するとはみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の最適化されたパラメータを有する、トレーニングパンツのようなパンツ状吸収性衣類の斜視図である。
【図2】本発明の最適化されたパラメータを有する、再締結可能な側部シームをもったパンツ状吸収性衣類の斜視図である。
【図3】部分的に分解され、平らに伸ばされた状態にあり、衣類の着用時に着用者と反対側に面する衣類面を示す、本発明の1つの実施形態による図1の吸収性衣類の平面図である。
【図4】部分的に分解され、平らに伸ばされた状態にあり、衣類の着用時に着用者に面する衣類面を示し、下にある特徴を示すように一部が切り取られた、本発明の1つの実施形態による図2の吸収性衣類の平面図である。
【図5】図1の線5−5に沿って取った吸収性衣類の断面図である。
【図6】図5の衣類と同様の視点から見た代表的な従来技術の吸収性衣類の断面図である。
【図7】本発明の幾つかの実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図8】試験コード番号を付記した、本発明の1つの実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図9】試験コード番号を付記した、本発明の別の実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図10】試験コード番号を付記した、本発明のさらに別の実施形態の最適化されたパラメータのグラフ図である。
【図11】ウエスト周方向寸法を測定するために張力試験機に配設された図1に示される種類のパンツを示す。
【図12】図11に示されるようなウエスト周方向寸法の測定に用いられる張力試験機の側面図を示す。
【図13】飽和容量試験機の部分的に切り取られた平面図を代表的に示すものである。
【図14】飽和容量試験機の側面図を代表的に示すものである。
【図15】飽和容量試験機の背面図を代表的に示すものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシが縦方向長さを有し、前記ウエスト開口部が周方向寸法を有し、前記縦方向長さが、
長さ(周方向寸法+128)/1.6
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例し、
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法は500グラムの張力で測定されたものであることを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項2】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項3】
前記衣類が約4ミリメートルの厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項4】
前記衣類が約3ミリメートルより少ない厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項5】
前記衣類が約2ミリメートルの厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項6】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項1に記載の衣類。
【請求項7】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約500と約700ミリメートルとの間である請求項1に記載の衣類。
【請求項8】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項9】
前記衣類が約150と約600グラムとの間の飽和容量を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項10】
前記衣類が約200と約500グラムとの間の飽和容量を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項11】
前記衣類が約1500グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項12】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項13】
前記衣類が約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項14】
請求項1の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項15】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシが縦方向長さを有し、前記ウエスト開口部が周方向寸法を有し、前記縦方向長さが、
長さ(周方向寸法+114)/1.6
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例し、
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法は500グラムの張力で測定されたことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項16】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項17】
前記衣類が約4ミリメートルの厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項18】
前記衣類が約3ミリメートルより少ない厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項19】
前記衣類が約2ミリメートルの厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項20】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項15に記載の衣類。
【請求項21】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約500と約700ミリメートルとの間である請求項15に記載の衣類。
【請求項22】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項23】
前記衣類が約150と約600グラムとの間の飽和容量を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項24】
前記衣類が約200と約500グラムとの間の飽和容量を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項25】
前記衣類が約1500グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項26】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項27】
前記衣類が約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項28】
請求項15の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項29】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシが縦方向長さを有し、前記ウエスト開口部が周方向寸法を有して、前記縦方向長さが、
長さ(周方向寸法+99)/1.6
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例し、
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法は500グラムの張力で測定されたことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項30】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項31】
前記衣類が約4ミリメートルの厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項32】
前記衣類が約3ミリメートルより少ない厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項33】
前記衣類が約2ミリメートルの厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項34】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項29に記載の衣類。
【請求項35】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約500と約700ミリメートルとの間である請求項29に記載の衣類。
【請求項36】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項37】
前記衣類が約150と約600グラムとの間の飽和容量を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項38】
前記衣類が約200と約500グラムとの間の飽和容量を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項39】
前記衣類が約1500グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項40】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項41】
前記衣類が約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項42】
請求項29の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項43】
パンツ状衣類を作る工程であって、
500グラムの張力で測定された吸収性衣類の所望のウエスト周方向寸法を求め、
以下の式
長さ(周方向寸法−b)/m
から前記吸収性衣類の所望の縦方向長さを求めて、
前記式から求められた縦方向長さを有する吸収性衣類を作る、
ことからなる工程。
【請求項44】
m=1.6である請求項43に記載の工程。
【請求項45】
b=−128である請求項43に記載の工程。
【請求項46】
b=−114である請求項43に記載の工程。
【請求項47】
b=−99である請求項43に記載の工程。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシの縦方向長さが、500グラムの張力のもとで測定された前記ウエスト開口部の周方向寸法に対し、
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例する、
ことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項2】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシの縦方向長さが、500グラムの張力のもとで測定された前記ウエスト開口部の周方向寸法に対し、
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例する、
ことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項3】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシの縦方向長さが、500グラムの張力のもとで測定された前記ウエスト開口部の周方向寸法に対し、
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例する、
ことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項4】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項5】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項6】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項7】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項9】
パンツ状衣類を作る方法であって、
500グラムの張力のもとで測定された吸収性衣類の所望のウエスト周方向寸法を定め、
以下の式
から前記吸収性衣類の所望の縦方向長さを定めて、
前記式から定められた縦方向長さを有する吸収性衣類を作る、
ことからなる方法。
【請求項10】
m=1.6である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
b=−128である請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項12】
b=−114である請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項13】
b=−99である請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項1】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシが縦方向長さを有し、前記ウエスト開口部が周方向寸法を有し、前記縦方向長さが、
長さ(周方向寸法+128)/1.6
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例し、
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法は500グラムの張力で測定されたものであることを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項2】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項3】
前記衣類が約4ミリメートルの厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項4】
前記衣類が約3ミリメートルより少ない厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項5】
前記衣類が約2ミリメートルの厚さを有する請求項1に記載の衣類。
【請求項6】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項1に記載の衣類。
【請求項7】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約500と約700ミリメートルとの間である請求項1に記載の衣類。
【請求項8】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項9】
前記衣類が約150と約600グラムとの間の飽和容量を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項10】
前記衣類が約200と約500グラムとの間の飽和容量を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項11】
前記衣類が約1500グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項12】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項13】
前記衣類が約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1に記載の衣類。
【請求項14】
請求項1の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項15】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシが縦方向長さを有し、前記ウエスト開口部が周方向寸法を有し、前記縦方向長さが、
長さ(周方向寸法+114)/1.6
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例し、
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法は500グラムの張力で測定されたことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項16】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項17】
前記衣類が約4ミリメートルの厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項18】
前記衣類が約3ミリメートルより少ない厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項19】
前記衣類が約2ミリメートルの厚さを有する請求項15に記載の衣類。
【請求項20】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項15に記載の衣類。
【請求項21】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約500と約700ミリメートルとの間である請求項15に記載の衣類。
【請求項22】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項23】
前記衣類が約150と約600グラムとの間の飽和容量を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項24】
前記衣類が約200と約500グラムとの間の飽和容量を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項25】
前記衣類が約1500グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項26】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項27】
前記衣類が約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項15に記載の衣類。
【請求項28】
請求項15の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項29】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシが縦方向長さを有し、前記ウエスト開口部が周方向寸法を有して、前記縦方向長さが、
長さ(周方向寸法+99)/1.6
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例し、
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法は500グラムの張力で測定されたことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項30】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項31】
前記衣類が約4ミリメートルの厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項32】
前記衣類が約3ミリメートルより少ない厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項33】
前記衣類が約2ミリメートルの厚さを有する請求項29に記載の衣類。
【請求項34】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項29に記載の衣類。
【請求項35】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約500と約700ミリメートルとの間である請求項29に記載の衣類。
【請求項36】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項37】
前記衣類が約150と約600グラムとの間の飽和容量を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項38】
前記衣類が約200と約500グラムとの間の飽和容量を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項39】
前記衣類が約1500グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項40】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項41】
前記衣類が約800グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項29に記載の衣類。
【請求項42】
請求項29の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項43】
パンツ状衣類を作る工程であって、
500グラムの張力で測定された吸収性衣類の所望のウエスト周方向寸法を求め、
以下の式
長さ(周方向寸法−b)/m
から前記吸収性衣類の所望の縦方向長さを求めて、
前記式から求められた縦方向長さを有する吸収性衣類を作る、
ことからなる工程。
【請求項44】
m=1.6である請求項43に記載の工程。
【請求項45】
b=−128である請求項43に記載の工程。
【請求項46】
b=−114である請求項43に記載の工程。
【請求項47】
b=−99である請求項43に記載の工程。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシの縦方向長さが、500グラムの張力のもとで測定された前記ウエスト開口部の周方向寸法に対し、
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例する、
ことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項2】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシの縦方向長さが、500グラムの張力のもとで測定された前記ウエスト開口部の周方向寸法に対し、
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例する、
ことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項3】
ウエスト開口部と第1及び第2の脚部開口部とを定める吸収性シャーシ、
を備え、
前記吸収性シャーシの縦方向長さが、500グラムの張力のもとで測定された前記ウエスト開口部の周方向寸法に対し、
の関係に従って、前記ウエスト開口部の前記周方向寸法に比例する、
ことを特徴とするパンツ状吸収性衣類。
【請求項4】
前記衣類が約4.5ミリメートルより少ない厚さを有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項5】
前記ウエスト開口部の前記周方向寸法が約450と約750ミリメートルとの間である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項6】
前記衣類が約100と約800グラムとの間の飽和容量を有する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項7】
前記衣類が約1200グラムより少ない縁圧縮ピーク負荷を有する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の衣類。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の衣類を備えたトレーニングパンツ。
【請求項9】
パンツ状衣類を作る方法であって、
500グラムの張力のもとで測定された吸収性衣類の所望のウエスト周方向寸法を定め、
以下の式
から前記吸収性衣類の所望の縦方向長さを定めて、
前記式から定められた縦方向長さを有する吸収性衣類を作る、
ことからなる方法。
【請求項10】
m=1.6である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
b=−128である請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項12】
b=−114である請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項13】
b=−99である請求項9又は請求項10に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2006−512933(P2006−512933A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−579714(P2003−579714)
【出願日】平成15年2月14日(2003.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/004733
【国際公開番号】WO2003/082169
【国際公開日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【出願人】(597085132)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年2月14日(2003.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/004733
【国際公開番号】WO2003/082169
【国際公開日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【出願人】(597085132)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
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