説明

表層板の取り付け構造、及び表層板の取り外し方法

【課題】外的な負荷や地震の揺れなどの瞬間的な力が働いても表層板を下地部に強固に保持して脱落を防止できる表層板の取り付け構造を提供することを目的とする。
【解決手段】建物躯体1の下地材3に取り付けられる表層板9の取り付け構造17において、下地材3は、金属メッシュ7を備え、表層板9は、金属メッシュ7に取り付けられる磁性シート13と、下地材3に固定され、且つ弾性変形可能な硬化弾性体15と、を備える。この構成により、磁力と弾性力とを組み合わせて利用することが可能になり、表層板9を下地材3に強固に保持して脱落を防止することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧板などの表層板を建物の下地部に取り付けるための取り付け構造、及び下地部に取り付けられた表層板の取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼材などからなる下地材に磁力を利用して内装仕上げ材(内装パネルや内装用タイル)を留め付ける構造が知られている(特許文献1または2参照)。この種の構造では、例えば、内装仕上げ材の裏面の要所に板状の磁石を部分的に配置したり、内装仕上げ材の裏面全面にわたってシート状の磁石を配置したりしており、内装仕上げ材を下地材に磁力を利用して貼り付けている。
【特許文献1】特開2006−52556号公報
【特許文献2】特開平11−117497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の構造では、内装仕上げ材などの表層板に人がもたれかかったり、壁フックが打ちつけられて衝撃力が加わったりするなどの局所的な負荷がかかると、負荷がかかっていない箇所が浮き上がるなどして破損する虞があり、さらに、地震の揺れなどの瞬間的な力に耐えきれずに、内装仕上げ材が下地材から外れて脱落してしまう虞がある。
【0004】
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、外的な負荷や地震の揺れなどの瞬間的な力が働いても表層板を下地部に強固に保持して脱落を防止できる表層板の取り付け構造、及び表層板の取り外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、建物の下地部に取り付けられる表層板の取り付け構造において、下地部は、強磁性体製で、且つ面状の取付部を備え、表層板は、取付部に対向して配置される面状の磁性部と、弾性変形可能であり、且つ下地部に固定される硬化弾性体と、を備え、表層板は、磁性部の磁力によって直接的または間接的に取付部に取り付けられ、且つ、硬化弾性体を介して下地部に取り付けられていることを特徴とする。
【0006】
本発明では、下地部の取付部と表層板の磁性部とは、面状で互いに対向して配置される関係にあるため、両者は面的に磁力で結びつけられ、安定した取り付けが可能になる。さらに、表層板は、下地部に固定される硬化弾性体を介して下地部に取り付けられている。したがって、地震などの揺れによって瞬間的な力が働き、硬化弾性体が僅かに伸びて磁性部が取付部から一旦は離れてしまっても、硬化弾性体の弾性力が作用して磁性部は再び元の位置に戻る。このように本発明では、磁力と弾性力とを組み合わせることで相乗効果を期待できる関係を構築している。具体的には、磁力のみを利用した従来からの取り付け構造では、長期的(経年的)な外的負荷には強いが短期的(瞬間的)な外的負荷には弱い構造となり、逆に、弾性力のみを利用した場合には、エネルギーを吸収できるという観点から短期的(瞬間的)な外的負荷には強いが、長期的な外的負荷には弱い構造になると考えられる。しかしながら、本発明のように磁力と弾性力とを組み合わせて利用することにより、相乗効果を期待でき、その結果として表層板を下地部に強固に保持して脱落を防止することが可能になる。
【0007】
さらに、下地部は、非磁性の下地基部を備え、取付部は、下地基部よりも表層板側に配置され、且つ網状であり、硬化弾性体は、取付部を介して下地基部に固定されていると好適である。取付部は網状であるため、硬化弾性体は、取付部の網目を通り、取付部に結びついた状態で下地基部に固定されるようになる。その結果として、硬化弾性体を強固に下地部に固定することが可能になる。
【0008】
さらに、表層板を下地部に取り付けた際に、硬化弾性体は、表層板の重心よりも鉛直方向で高い位置に配置されていると好適である。表層板を縦にして下地部に取り付けた場合、表層板には、取り付ける面である表層板の裏面と表層板の重心位置の関係から表層板の下部が取付部を押すような回転モーメントが継続的に働く。上記構成では、硬化弾性体を表層板の重心よりも鉛直方向で高い位置に配置するので、表層板に地震などによる面外方向力が働くことにより硬化弾性体によって固定されていない表層板の下部が浮き上がった場合であっても、表層板の自重による回転モーメントにより表層板の位置を復元しようとする力が働くため、表層板を下地部に強固に保持して脱落を防止することが可能になる。
【0009】
さらに、硬化弾性体は複数設けられ、複数の硬化弾性体は、磁性部に対して点在すると好適である。表層板を下地部から取り外す必要が生じた際に、全面にわたって硬化弾性体が磁性部に固定されている場合に比べて外し易くなる。さらに、新たに別の表層板を下地部に取り付ける際には、硬化弾性体が固定されていた元の位置を避けて硬化弾性体を磁性部に強固に固定できる。
【0010】
さらに、硬化弾性体は、低モジュラスであると好適である。点在している硬化弾性体が低モジュラスであれば、硬化弾性体は少ない力で高い変形性能を発揮する。従って、表層板をめくった際に、少ない力で下地部と表層板との間に隙間を形成でき、その隙間に硬化弾性体を切断するための切断用治具を差し込み易くなって表層板を下地部から取り外す際の作業性が向上する。
【0011】
また、本発明に係る表層板の取り外し方法は、磁性部に対して点在する複数の硬化弾性体が設けられた表層板の取り付け構造、または複数の硬化弾性体が低モジュラスの素材からなる表層板の取り付け構造において、表層板を下地部から離間させて、表層板と下地部剥との間に隙間を形成し、その隙間に切断用治具を差し込んで硬化弾性体を切断して表層板を下地部から取り外すことを特徴とする。
【0012】
磁性部に対して複数の硬化弾性体が点在していると、表層板の全面にわたって硬化弾性体が取り付けられている場合に比べて、表層板を下地材から引き剥がし易くなる。さらに、複数の硬化弾性体が低モジュラスの場合には、硬化弾性体は少ない力で高い変形性能を発揮する。従って、切断用治具を差し込むための隙間を表層板と下地部剥との間に形成し易くなり、さらに、その隙間を広くとることができ、その隙間に切断用治具を差し入れても、切断用治具が表層板及び下地部に接触し難くなり、表層板及び下地部の損傷を防ぐことができる。そして、隙間に差し込んだ切断用治具で硬化弾性体を切断することで、表層板を下地材から簡単に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外的な負荷や地震の揺れなどの瞬間的な力が働いても表層板を下地部に強固に保持して脱落を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、建物の下地材から表層板を取り外した状態を示す斜視図であり、図2は、下地材に取り付けられる表層板の取り付け構造を示す平面図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図であり、図4は、図3に示す硬化弾性体を拡大して示す図である。
【0015】
図1及び図2に示されるように、木造、RC造または鉄骨造などの建物躯体1には、パネル状の下地材(下地部)3が固定されている。下地材3は、例えば、縦胴縁や横胴縁などに固定された石膏ボード5と、石膏ボード5に取り付けられた金属メッシュ7とを備えている。金属メッシュ7は、石膏ボード5に重ね合わせられ、タッカーの歯やビスなどで石膏ボード5に固定されている。金属メッシュ7は、鋼や軟鉄などの強磁性体製で、且つ面状の取付部に相当し、石膏ボード5は非磁性であって下地基部に相当する。
【0016】
下地材3の金属メッシュ7には、複数の矩形の表層板9が磁力を利用して貼り付けられる。表層板9は全て同一形状で、且つ同一の構成からなるため、以下の説明では、一つの表層板9を代表して説明する。
【0017】
表層板9は、表面側の化粧板部11と裏面側の磁性シート13とを備えている。磁性シート13は化粧板部11よりも僅かに寸法が小さな矩形であり、化粧板部11の外縁よりも内側となるように、化粧板部11に貼り付けられて固定されている。磁性シート13は面状の磁性部に相当する。
【0018】
磁性シート13には、中央及び四隅の計五カ所にシリコーン系の合成ゴムからなる硬化弾性体15が配置されている。硬化弾性体15は、力に対する伸び量が大きな低モジュラスのシリコーン系の合成ゴム(樹脂材)を利用しており、弾性変形可能である。低モジュラスとは、ゴム弾性体に、一定の歪みを与えたときの引張応力が、0.2N/mm未満である(建築用シーリング材ハンドブック第2版、P.16)。
【0019】
磁性シート13は、永久磁石を面状に配置して形成されている。表層板9は、磁性シート13を金属メッシュ7側に向けて下地材3に近づけられ、磁性シート13が金属メッシュ7に磁着されることで下地材3に取り付けられる。ここで、表層板9は、硬化弾性体15が硬化する前の状態において下地材3に貼り付けられる。
【0020】
図3に示されるように、硬化弾性体15は、金属メッシュ7の網目7aを浸透するように通り、下地材3の石膏ボード5にまで達する。所定の時間が経過して硬化弾性体15が硬化すると、硬化弾性体15は、金属メッシュ7に結合された状態のまま表層板9と石膏ボード5とに固定される。なお、図3では、硬化弾性体15と金属メッシュ7との結合関係を解りやすく示すために、表層板9、金属メッシュ7及び石膏ボード5それぞれの間に僅かな隙間を示しているが、実質的には、表層板9、金属メッシュ7及び石膏ボード5はそれぞれ当接した状態になっている。また、本実施形態では、磁性シート13と金属メッシュ7とは直接的に接した状態で磁力によって取り付けられているが、金属メッシュ7に樹脂製の被覆が形成されている場合などには、磁性シート13と金属メッシュ7とは間接的に接した状態で磁力によって取り付けられた態様になる。
【0021】
金属メッシュ7を備えた下地材3と表層板9とよって表層板9の取り付け構造17は構成される。この取り付け構造17では、下地材3は面状の金属メッシュ7を備える。一方で、表層板9は金属メッシュ7に対向して配置される面状の磁性シート13を備えており、磁性シート13の磁力によって表層板9は下地材3に取り付けられる。金属メッシュ7と磁性シート13とは、面状で互いに対向して配置される関係にあるため、両者は面的に磁力によって結びつけられ、安定した取り付けが可能になる。
【0022】
さらに、図5に示されるように、磁性シート13と金属メッシュ7との間には硬化弾性体15が配置され、硬化弾性体15は、磁性シート13と金属メッシュ7とに固定されている。したがって、図5(b)に示されるように、地震などの揺れによって瞬間的な力が働き、硬化弾性体15が僅かに伸びて磁性シート13が金属メッシュ7から一旦は離れてしまっても、硬化弾性体15の弾性力Fが作用して磁性シート13は再び元の位置に戻り(図5(a)参照)、金属メッシュ7に当接する状態になる。
【0023】
本実施形態に係る表層板9の取り付け構造17では、磁力と弾性力とを組み合わせることで相乗効果を期待できる関係を構築している。具体的には、磁力のみを利用した従来からの取り付け構造(特許文献1または2参照)では、長期的(経年的)な外的負荷には強いが短期的(瞬間的)な外的負荷には弱い構造となり、逆に、弾性力のみを利用した場合には、エネルギーを吸収できるという観点から短期的な外的負荷には強いが、長期的な外的負荷には弱い構造になると考えられる。しかしながら、本実施形態に係る取り付け構造17のように磁力と弾性力とを組み合わせて利用することにより、相乗効果を期待でき、その結果として表層板9を下地材3に強固に保持して脱落を防止することが可能になる。
【0024】
また、硬化弾性体15は、金属メッシュ7を介して石膏ボード5に固定されており、硬化弾性体15は、金属メッシュ7の網目7aを通り、金属メッシュ7に結びついた状態で石膏ボード5に固定される態様を形成している。その結果として、硬化弾性体15を強固に下地材3に固定することが可能になり、表層板9と下地材3とは強固に結び付く。
【0025】
さらに、本実施形態に係る取り付け構造17では、表層板9を下地材3に取り付けた際に、硬化弾性体15は、表層板9の重心Cに対応する中央に配置され(図6参照)、さらに、四隅にも配置されている。ここで特に、上側二カ所(上側の隅)の硬化弾性体15は、表層板9の重心Cよりも鉛直方向で高い位置に配置されていることになる。表層板9を縦にして下地材3に取り付けた場合、取り付ける面である表層板9の裏面と表層板9の重心位置の関係から表層板9の下部が金属メッシュ7を押すような回転モーメントが継続的に働く。本実施形態では、複数の硬化弾性体15の少なくとも一部を表層板9の重心Cよりも鉛直方向で高い位置に配置しているので、表層板9に地震などによる面外方向力が働くことにより硬化弾性体15によって固定されていない表層板9の下部が浮き上がった場合であっても、表層板9の自重による回転モーメントにより表層板9の位置を復元しようとする力が働くため、表層板9を下地材3に強固に保持して脱落を防止することが可能になる。
【0026】
さらに、本実施形態に係る硬化弾性体15は複数(五カ所)に設けられ、複数の硬化弾性体15は、磁性シート13に対して点在している。この構成の優位性について、磁性シート13の全面にわたって硬化弾性体15が固定されている場合に比較して説明する。磁性シート13の全面にわたって硬化弾性体15が固定されている場合には、表層板9を下地材3から取り外す必要が生じた際に、表層板9の全面にわたって硬化弾性体15を引き剥がす必要があり、表層板9を下地材3から取り外す際の作業負担は非常に大きい。また、磁性シート13の全面にわたって硬化弾性体15が固定されているので、引き剥がした後にも硬化弾性体15の剥がれ残りが広いエリアで残ってしまい、そのままの状態で新たな表層板9を取り付けるのは非常に難しい。一方で、本実施形態では、硬化弾性体15は点在して磁性シート13の要所に設けられているに過ぎないため、硬化弾性体15を引き剥がす際の作業負担は非常に小さい。さらに、新たな表層板9を取り付ける際には、先に接着されていた硬化弾性体15を避けて新たな硬化弾性体15を配置すれば足りるため、表層板9の取り替えも非常に簡単である。
【0027】
ここで、表層板9を下地材3から取り外す方法について説明する。表層板9を下地材3から取り外す際には、まず、下地材3から離間させるように表層板9をめくって(引っ張って)表層板9と下地材3との間に隙間を形成する。次に、その隙間に刃物(切断用治具)を差し込み、硬化弾性体15を切断して表層板9を下地材3から取り外す。本実施形態では、点在している硬化弾性体15は低モジュラスであることから、硬化弾性体15は少ない力で高い変形性能を発揮する。従って、表層板9をめくった状態で形成される隙間を広くとることができ、その隙間に刃物を差し入れても、刃物が表層板9及び下地材3に接触し難くなり、表層板9及び下地材3の損傷を防ぐことができる。
【0028】
次に、図7を参照して本発明の他の実施形態について説明する。図7(a)は、第2実施形態に係る表層板を背面側から示す斜視図であり、図7(b)は、第3実施形態に係る表層板を背面側から示す斜視図であり、図7(c)は、第4実施形態に係る表層板を背面側から示す斜視図である。なお、第2〜第3実施形態に係る表層板21,25,29は、第1実施形態に係る表層板9に比較して硬化弾性体23,27,31の配置は異なるが、その他の要素や構造または形状などは同一である。
【0029】
図7(a)に示されるように、第2実施形態に係る表層板21では、硬化弾性体23は、表層板21の重心Cに対応する中央のみに配置されている。また、図7(b)に示されるように、第3実施形態に係る表層板25では、硬化弾性体27は、表層板25の左右の両側縁に沿って縦長に延在するような帯状に配置されている。また、図7(c)に示されるように、第4実施形態に係る表層板29では、硬化弾性体31は、重心に対応する中央には設けられず、四隅に配置されている。
【0030】
上記の各実施形態に係る表層板21,25,29の取り付け構造においても、第1実施形態に係る表層板9と同様に下地材3の金属メッシュ7に面状で互いに対向して配置される関係にあるため、表層板21,25,29と下地材3とは面的に着磁されるので安定した取り付けが可能になる。さらに、磁力と弾性力とを組み合わせて利用するので、一方の欠点を他方の利点で補う相乗効果を期待でき、その結果として表層板を下地材3に強固に保持して脱落を防止することが可能になる。
【0031】
本発明は、以上の実施形態のみに限定されず、例えば、取付部は、鋼や軟鉄などの強磁性体製であればよい。また、取付部は、金属メッシュなどのメッシュ状の部材に限定されず、線状または板状の形状のものを複数配置するようにしてもよい。また、表層板は矩形のパネル状に限定されず、複数の表層板がパズルのように組み合った状態で下地部に取り付けられる態様であってもよい。また、表層板は、壁紙シートや大型パネルなどのような大型面状のものであってもよい。また、非磁性の下地基部は強磁性体ではない物質からなる部材を広く含み、石膏ボードの他、木製のボードであってもよい。また、上記の実施形態では、硬化弾性体は磁性部(磁性シート)に固定された態様であったが、例えば、磁性部に部分的に孔を形成し、その孔内に硬化弾性体を配置して硬化弾性体を化粧板部に固定するような態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係り、建物の下地材から表層板を取り外した状態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る表層板の取り付け構造を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図3に示す硬化弾性体を拡大して示す断面図である。
【図5】表層板の取り付け構造にいて地震による揺れが発生した状態を模式的に示す断面図であり、(a)は揺れが収まった後の状態を示す図であり、(b)は揺れによって表層板の本体が下地材から瞬間的に離れた状態を示す図である。
【図6】表層板を背面側から見た状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る表層板を示し、(a)は第2実施形態に係る表層板の斜視図、(b)は第3実施形態に係る表層板の斜視図、(c)は第4実施形態に係る表層板の斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1…建物躯体(建物)、3…下地材(下地部)、5…石膏ボード(下地基部)、7…金属メッシュ(取付部)、9,21,25,29…表層板、13…磁性シート(磁性部)、17…取り付け構造、15,23,27,31…硬化弾性体、C…表層板の重心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の下地部に取り付けられる表層板の取り付け構造において、
前記下地部は、強磁性体製で、且つ面状の取付部を備え、
前記表層板は、前記取付部に対向して配置される面状の磁性部と、弾性変形可能であり、且つ前記下地部に固定される硬化弾性体と、を備え、
前記表層板は、前記磁性部の磁力によって直接的または間接的に前記取付部に取り付けられ、且つ、前記硬化弾性体を介して前記下地部に取り付けられていることを特徴とする取り付け構造。
【請求項2】
前記下地部は、非磁性の下地基部を備え、
前記取付部は、前記下地基部よりも前記表層板側に配置され、且つ網状であり、
前記硬化弾性体は、前記取付部を介して前記下地基部に固定されていることを特徴とする請求項1記載の取り付け構造。
【請求項3】
前記表層板を前記下地部に取り付けた際に、前記硬化弾性体は、前記表層板の重心よりも鉛直方向で高い位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の取り付け構造。
【請求項4】
前記硬化弾性体は複数設けられ、
前記複数の硬化弾性体は、磁性部に対して点在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の取り付け構造。
【請求項5】
前記硬化弾性体は、低モジュラスであることを特徴する請求項4記載の取り付け構造。
【請求項6】
請求項4または5記載の表層板の取り付け構造において、
前記表層板を前記下地部から離間させて、前記表層板と前記下地部剥との間に隙間を形成し、当該隙間に切断用治具を差し込んで前記硬化弾性体を切断して前記表層板を前記下地部から取り外すことを特徴とする表層板の取り外し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−95944(P2010−95944A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268975(P2008−268975)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(390018717)旭化成建材株式会社 (249)
【Fターム(参考)】