表皮の端末巻き込み装置
【課題】 表皮の端末を芯材の端部において背面側へ巻き込む際に、表皮の、芯材の一側面に沿う部分に弛みが生じるのを防止する。
【解決手段】 芯材2の表面21aと協働して表皮3を挟持する挟持板47を芯材の下方に上下方向へ移動可能に配置する。しかも、挟持板47は、表面21aから水平方向前方へ所定距離だけ離間させて配置する。表面21aと挟持板47との間の距離は、それらの間に表皮3を介在させたとき、表皮3のフォーム層(図示せず)が弾性変形した状態で表皮3が表面21aと挟持板47とによって挟持されるような距離に設定する。表皮3の端末31を芯材2の上端部において背面21b側へ巻き込む場合には、挟持板47を所定の挟持位置まで上方へ移動させる。
【解決手段】 芯材2の表面21aと協働して表皮3を挟持する挟持板47を芯材の下方に上下方向へ移動可能に配置する。しかも、挟持板47は、表面21aから水平方向前方へ所定距離だけ離間させて配置する。表面21aと挟持板47との間の距離は、それらの間に表皮3を介在させたとき、表皮3のフォーム層(図示せず)が弾性変形した状態で表皮3が表面21aと挟持板47とによって挟持されるような距離に設定する。表皮3の端末31を芯材2の上端部において背面21b側へ巻き込む場合には、挟持板47を所定の挟持位置まで上方へ移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用内装品の表皮の端末を芯材の背面に押し付けるための表皮の端末巻き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の巻き込み装置としては、下記特許文献1に記載のものがある。この巻き込み装置は、表皮を芯材と挟持する挟持部材と、芯材の一端部に隣接して配置された巻き込み部材とを備えており、巻き込み部材は、回動変位するにことにより、芯材の一端部から突出した表皮の端末を折り返して芯材の背面に押し付けるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平2−204123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記巻き込み装置においては、表皮を芯材と挟持部材とによって挟持したときに表皮に弛みが生じていると、弛みが生じたまま端末が折り返されて芯材に固着されるため、完成した内装品の表皮にも弛みが生じてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記の問題を解決するために、表皮を芯材の一側面と所定の挟持位置において挟持する挟持部材と、上記芯材の一側面の一端部から突出した上記表皮の端末を上記一端部において折り返して上記芯材の背面に押し付ける巻き込み部材とを備えた表皮の端末巻き込み装置において、上記挟持部材が上記芯材の一側面と所定の間隔を維持した状態で上記芯材の一側面の他端側から上記一端側へ向かって移動可能に配置され、上記挟持部材を上記芯材の一側面の他端側から上記挟持位置まで移動させる移動手段をさらに備えたことを特徴としている。
この場合、上記芯材が上記一側面とその他端部において山折状態で交差する他側面を有しており、上記表皮を上記芯材の他側面と挟持する基台と、上記芯材が着脱可能に取り付けられ、上記芯材の他側面を上記基台に載置された上記表皮に押し付ける支持部材とをさらに備えていることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
上記特徴構成を有するこの発明に係る表皮の端末巻き込み装置によって表皮の端末を芯材に巻き込む場合には、端末を有する表皮の一端部を芯材の一側面から突出させた状態で配置する。その後、芯材の一側面に対してその前方に所定距離だけ離間して配置された挟持部材を芯材の一側面の他端側から一端側へ移動させる。すると、挟持部材は表皮の一端部を芯材の一側面と挟み込んだ状態で移動するので、表皮は他端側から一端側へ向かって引っ張られる。したがって、表皮の芯材の一側面と対向する部位に弛みが発生することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、この発明に係る表皮の端末巻き込み装置の使用対象である車両用床部材(車両用内装品)1を示す。この床部材1は、芯材2と表皮3とによって構成されている。
【0008】
芯材2は、ポリエチレンやピロプロピレン等の樹脂を成形してなるものであり、一定の形状を維持することができるよう、所定の大きさの剛性をもって形成されている。芯材2は、互いに一体に形成された第1板部21及び第2板部22を有している。第1及び第2板部21,22は、それらの短手方向において互いに隣接する端部どうしがほぼ直角に交差させられている。したがって、第1板部21の表面(一側面)21aと第2板部22の表面(他側面)22aとは、山折状態で互いにほぼ直交しており、第1板部21の背面(芯材2の背面)21bと第2板部22の背面(芯材2の背面)22bとは、谷折状態でほぼ直交している。第1、第2板部21,22の長手方向の一端部及び他端部には、端板23が一体に形成されている。第1、第2板部21,22の背面21b,22bには、複数の補強リブ24が一体に形成されている。各補強リブ24は、第1、第2板部21,22の長手方向へ互いに離間して配置されている。
【0009】
第1板部21は、その短手方向を上下方向に向けた状態で水平に配置されており、第2板部22は、その短手方向を水平方向に向けた状態で水平に配置されている。したがって、第1板部21の表面21aは水平方向に向けられ、第2板部22の表面22aは下方に向けられている。第1板部21と第2板部22とは、前者の短手方向における下端部と後者の短手方向における一端部とが互いに交差させられている。以下、第1板部21の第2板部22と交差する端部を下端部(他端部)と称し、第1板部21の第2板部22から離間した端部を上端部(一端部)と称する。また、第2板部22に関しては、第1板部22と交差する端部を前端部と称し、第1板部22から離間した端部を後端部と称する。勿論、第1、第2板部21,22は、この実施の形態と異なる形態で配置されていてもよく、芯材2の形状も他の形状であってもよい。
【0010】
表皮3は、図2及び図3に示すように、樹脂を発泡成形してなるフォーム層3Aと、このフォーム層3Aの表面に固着された表皮材3Bとによって構成されている。表皮3は、フォーム層3Aが芯材2に接触するようにして配置されており、第1、第2板部21,22の表面21a,22aを覆っている。表皮3の一方の端末(端末;以下、上端末という。)31は、第1板部21の上端部において折り返されて第1板部21の背面21bに固着されている。表皮3の他方の端末(以下、下端末という。)32は、第2板部22の後端部において折り返されて第2板部22の背面22bに固着されている。
【0011】
次に、この発明に係る表皮の端末巻き込み装置について説明する。
端末巻き込み装置は、図4に示すように、載置板(基台)41、第1挟持片42,43、第2挟持片44,45、支持部材46、挟持板(挟持部材)47、第1巻き込み部材48及び第2巻き込み部材(巻き込み部材)49を備えている。
【0012】
載置板41は、平面視長方形の平板状をなしており、水平に配置されている。載置板41の長手方向の両端部には、軸線を水平方向に向けた軸41a,41aが設けられている。そして、載置板41は、軸41a,41aを介してフレームに回動可能に支持されている。載置板41の回動範囲は、その上面41bが上方を向いた載置位置と、上面41bが斜め上方を向いた溶着位置との間に規制されており、載置板41はその間をモータ等の回転駆動源(図示せず)によって回転させられる。上面41bには、表皮3が載置される。この場合、表皮3は、そのフォーム層3Aを上側に向けて上面41bに載置される。しかも、表皮3は、位置決め部材(図示せず)を用いて所定の載置位置に載置される。表皮3が載置位置に載置されると、表皮3の全周囲が載置板41からそれぞれ所定の長さだけ水平方向に突出する。
【0013】
載置板41の長手方向の一端側には、一対の第1挟持片42,43が配置されている。第1挟持片42,43は、載置板41の長手方向の一端部から突出した表皮3の一端部を挟持するためのものである。各第1挟持片42,43は、図5に示す待機位置と図6に示す挟持位置との間を移動可能である。一方の第1挟持片42は、待機位置に位置しているときには、載置板41に載置された表皮3に対して下方及び水平方向に離間している。第1挟持片42は、待機位置から載置板41に向かって水平方向へ所定距離だけ移動した後、上方へ所定距離だけ移動することによって挟持位置に達する。第1挟持片42が挟持位置に移動すると、その上面が載置板41の上面41bと同一平面上に位置するとともに、表皮3の載置板41から突出した端部と対向する。他方の挟持片43は、待機位置に位置しているときには、載置板41に載置された表皮3に対して上方及び水平方向に離間している。第1挟持片43は、待機位置から載置板41に向かって水平方向へ所定距離だけ移動した後、下方へ所定距離だけ移動することによって挟持位置に達する。第1挟持片43は、挟持位置に移動すると、第1挟持片42と協働して表皮3を挟持固定する。第1挟持片43,44は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段(図示せず)によってそれぞれ移動させられる。
【0014】
載置板41の長手方向の他端側には、第2挟持片44,45が配置されている。第2挟持片44,45は、載置板41の長手方向の他端部から突出した表皮3の他端部を挟持するためのものであり、第1挟持片42,43と同様に(左右対称に)配置されている。第2挟持片44,45もフレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段によってそれぞれ第1挟持片42,43と同様に移動させられる。
【0015】
表皮3の一端部と他端部とを挟持した第1挟持片42,43及び第2挟持片44,45は、移動手段により互いに離間するように水平方向へ所定の微小距離だけ移動させられる。この結果、表皮3が所定の大きさの引っ張り力で引っ張られ、載置板41の長手方向における表皮3の弛みが取り除かれる。
【0016】
図4及び図5に示すように、載置板41の上方には、支持部材46が配置されている。支持部材46の下端面には、スリット46aが形成されている。このスリット46aに芯材2の補強リブ24が挿脱可能に圧入されることにより、芯材2が支持部材46の下端部に着脱可能に支持されている。
【0017】
支持部材46は、図5に示す待機位置と図6に示す押し付け位置との間を上下方向へ移動可能に設けられている。支持部材46が待機位置に位置しているときには、支持部材46に支持された芯材2の第2板部22の表面22a全体が載置板41の上面41bと上下に対向するとともに、第1板部21の表面21aが載置板41の図4及び図7〜図10における右側の側面41cと同一平面上に位置している。支持部材46は、待機位置から下方へ向かって所定距離だけ移動することによって押し付け位置に達する。支持部材46が押し付け位置移動すると、支持部材46に支持された芯材2の第2板部22が載置板41に載置された表皮3に押し付けられる。しかも、第2板部22は、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3に押し付けられる。したがって、支持部材46が押し付け位置に移動すると、表皮3が載置板41と芯材2とによって挟持され、水平方向へ移動不能に位置固定される。支持部材46は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段(図示せず)によって待機位置と押し付け位置との間を移動させられる。
【0018】
図4及び図7に示すように、載置板41の下側には、挟持板(挟持部材)47が配置されている。挟持板47は、その幅方向を上下方向に向けるとともに、その厚さ方向を側面41bと対向する方向、つまり水平方向に向けた状態で配置されている。挟持板47は、図7に示す待機位置と図9及び図10に示す挟持位置との間を上下方向へ移動可能に設けられている。挟持板47は、待機位置に位置しているときには、載置板41に対して下方に離間するととともに、載置板41の側面41cに対して所定距離だけ水平方向前方へ離間している。挟持板47は、側面41cとの間の水平方向の距離を一定にした状態で待機位置から所定距離だけ上方へ移動することによって挟持位置に達する。挟持板47は、挟持位置に移動すると、載置板41の側面41c及び芯材2の第1板部21の前面21aと所定の距離をもって対向する。しかも、挟持板47の上端面が芯材2の第1板部21の上端面と同一平面上に位置する。ここで、挟持板47と側面41c及び前面21aとの間の水平方向の距離は、互いに対向する挟持板47と載置板41及び芯材2との間に表皮3を介在させたとき、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3が側面47a,41cによって挟持されるような距離に設定されている。挟持板48は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段(図示せず)によって待機位置と挟持位置との間を移動させられる。
【0019】
図4及び図9に示すように、載置板41の図9における左側の側面41dの前方には、1又は複数の平板状をなす第1巻き込み部材48が水平に配置されている。第1巻き込み部材48は、図9に示す待機位置と図10に示す巻き込み位置との間を水平方向へ移動可能に設けられている。第1巻き込み部材48が待機位置に位置しているときには、第1巻き込み部材48が側面4cから所定距離だけ水平方向前方へ離間し、かつ載置板41の上面41bから所定距離だけ上方へ離間している。第1巻き込み部材48は、上面41bとの間の上下方向の距離を一定にした状態で待機位置から載置板41に向かって水平方向へ所定距離だけ移動することによって巻き込み位置に達する。巻き込み位置に達した巻き込み部材48は、芯材2の第2板部22の背面22bと所定の距離をもって上下に対向する。巻き込み部材48と背面22bとの間の距離は、それらの間に表皮3を介在させたとき、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3が第2板部22と第1巻き込み部材48とによって挟持されるような距離に設定されている。第1巻き込み部材49は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段によって移動させられる。
【0020】
図4及び図7に示すように、載置板41の図9における右側の側面41cの前方には、1又は複数の第2巻き込み部材49が配置されている。巻き込み部材49は、載置板41側の先端部に下方に突出する挟持部49aを有している。第2巻き込み部材49は、図9に示す待機位置と図10に示す巻き込み位置との間を移動可能に設けられている。第2巻き込み部材49は、待機位置に位置しているときには、挟持位置に位置している挟持板48に対して所定距離だけ上方に離間するとともに、挟持板48から載置板41と逆側へ向かって水平方向へ所定距離だけ離間している。ここで、第2巻き込み部材49が待機位置に位置しているときにおける挟持板48の上端面と第2巻き込み部材49の挟持部49aの下端面との間の距離は、外力が作用していないときの表皮3の自然状態での厚さとほぼ同一に設定されている。第2巻き込み部材49は、待機位置から載置板41側へ向かって水平に所定距離だけ移動した後、下方へ所定距離だけ移動することによって巻き込み位置に達する。第2巻き込み部材49が巻き込み位置に移動すると、挟持部49aが芯材2の第1板部21の背面21bと所定の距離をもって水平方向に対向する。挟持部49aと背面21bとの間の距離は、それらの間に表皮を介在させたとき、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3が第1板部21と第2巻き込み部材49とによって挟持されるような距離に設定されている。
【0021】
次に、上記構成の巻き込み装置によって表皮3の上端末31及び下端末32を芯材2の第1、第2板部21,22に巻き込む場合について説明する。なお、巻き込み作業を行うに際しては、予め載置板41を載置位置に回動させておくとともに、第1挟持片42,43、第2挟持片43,44、支持部材46、挟持板47及び第1、第2巻き込み部材48,49を待機位置に移動させておく。
【0022】
まず、図5に示すように、載置板41上に表皮3を載置するとともに、支持部材46に芯材2を取り付ける。次に、図6に示すように、載置板41の長手方向の一端部と他端部とから突出した表皮3の一端部と他端部とを第1挟持片42,43及び第2挟持片44,45によってそれぞれ挟持させる。その後、第1挟持片42,43及び第2挟持片44,45を互いに離間するように水平方向(図5の左右方向)へ移動させる。これによって、表皮3の長手方向における弛みを取り除く。その後、支持部材46を押し付け位置まで移動させて、芯材2を表皮3に押し付ける。この結果、表皮3が載置板41と芯材2とによって上下に挟持されて位置固定される。
【0023】
次に、図7に示すように、挟持板47を挟持位置まで移動させる。挟持板47が挟持位置まで移動する途中に、その上端面が載置板41から突出した端部に突き当たる。その状態で挟持板47をさらに上方へ移動させると、挟持板47が表皮3の端部を上方へ押し上げる。このとき、挟持板47と芯材2の第1板部21との間の距離がフォーム層3Aを弾性変形させるような距離に設定されているので、挟持板47は、表皮3の端部を第1板部21の表面21aに押し付けながら上方へ移動することになり、表皮3の端部を上方へ引っ張る。これにより、表皮3の第1板部21に沿う部位に弛みが生じることが確実に防止される。
【0024】
その後、図9及び図10に示すように、第1巻き込み部材48を待機位置から巻き込み位置まで移動させる。ここで、第1巻き込み部材48が芯材2の第2板部22の背面22bより上方に配置されているが、載置板41上に載置された表皮3に芯材2を押し付けることにより、表皮3の下端末32が反り返って第1巻き込み部材48より上方に位置しているので、第1巻き込み部材48を巻き込み位置側へ移動させると、その途中に巻き込み部材48の先端面が下端末32に突き当たる。その状態で第1巻き込み部材48をさらに巻き込み位置側へ移動させると、下端末32が第2板部22の端部において折り返される。そして、第1巻き込み部材48が巻き込み位置まで移動すると、第1巻き込み部材48によって下端末32が第2板部22の背面22bに押し付けられる。
【0025】
第2巻き込み部材49は、第1巻き込み部材48の移動開始と同時に巻き込み位置側へ向かって移動させられる。図9及び図10に示すように、第2巻き込み部材49の水平方向へ移動途中に挟持部49aの下端部が上端末31に突き当たり、上端末31を第1板部21の上端部において折り返す。その後、第2巻き込み部材49が下方へ向かって巻き込み位置まで移動すると、挟持部49aが上端末31を第1板部21の背面21bに押し付ける。
【0026】
その後、図11に示すように、載置板41を溶着位置まで回動させる。そして、第1、第2巻き込み部材48,49によって押さえつけられた表皮3の上端末31及び下端末32を芯材2に溶着機Yによって溶着する。その後、上記と逆の手順により、巻き込み装置を元の状態に戻し、次の巻き込み作業に備える。
【0027】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、第1、第2巻き込み部材48,49を直線移動させているが、上記公報に記載された巻き込み装置のように回動させてもよい。
また、巻き込み対象たる表皮としては、カットパイルのカーペットやニードルのカーペットからなるものであってもよい。いずれにしても、表皮は、その厚さ方向に弾性変形可能であることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明に係る表皮の巻き込み装置が用いられる車両用内装品の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図2のX円部の拡大図である。
【図4】この発明に係る表皮の巻き込み装置の一実施の形態の主要構成を示す斜視図である。
【図5】同実施の形態の第1、第2挟持片及び支持部材を待機位置に位置させた状態で示す正面図である。
【図6】同実施の形態の第1、第2挟持片を挟持位置に移動させ、支持部材を押し付け位置に移動させた状態で示す正面図である。
【図7】同実施の形態の挟持部材を待機位置に位置させた状態で示す側断面図である。
【図8】同実施の形態の挟持部材を待機位置から挟持位置へ移動させる途中の状態で示す側断面図である。
【図9】同実施の形態の第1、第2巻き込み部材を待機位置に位置させた状態で示す側断面図である。
【図10】同実施の形態の第1、第2巻き込み部材を巻き込み位置に移動させた状態で示す側断面図である。
【図11】同実施の形態の載置板を溶着位置に回動させた状態で示す側断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 床部材(車両用内装品)
2 芯材
21a 表面(一側面)
22a 表面(他側面)
3 表皮
31 上端末(端末)
41 載置板(基台)
46 支持部材
47 挟持板(挟持部材)
49 第2巻き込み部材(巻き込み部材)
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用内装品の表皮の端末を芯材の背面に押し付けるための表皮の端末巻き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の巻き込み装置としては、下記特許文献1に記載のものがある。この巻き込み装置は、表皮を芯材と挟持する挟持部材と、芯材の一端部に隣接して配置された巻き込み部材とを備えており、巻き込み部材は、回動変位するにことにより、芯材の一端部から突出した表皮の端末を折り返して芯材の背面に押し付けるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開平2−204123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記巻き込み装置においては、表皮を芯材と挟持部材とによって挟持したときに表皮に弛みが生じていると、弛みが生じたまま端末が折り返されて芯材に固着されるため、完成した内装品の表皮にも弛みが生じてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記の問題を解決するために、表皮を芯材の一側面と所定の挟持位置において挟持する挟持部材と、上記芯材の一側面の一端部から突出した上記表皮の端末を上記一端部において折り返して上記芯材の背面に押し付ける巻き込み部材とを備えた表皮の端末巻き込み装置において、上記挟持部材が上記芯材の一側面と所定の間隔を維持した状態で上記芯材の一側面の他端側から上記一端側へ向かって移動可能に配置され、上記挟持部材を上記芯材の一側面の他端側から上記挟持位置まで移動させる移動手段をさらに備えたことを特徴としている。
この場合、上記芯材が上記一側面とその他端部において山折状態で交差する他側面を有しており、上記表皮を上記芯材の他側面と挟持する基台と、上記芯材が着脱可能に取り付けられ、上記芯材の他側面を上記基台に載置された上記表皮に押し付ける支持部材とをさらに備えていることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
上記特徴構成を有するこの発明に係る表皮の端末巻き込み装置によって表皮の端末を芯材に巻き込む場合には、端末を有する表皮の一端部を芯材の一側面から突出させた状態で配置する。その後、芯材の一側面に対してその前方に所定距離だけ離間して配置された挟持部材を芯材の一側面の他端側から一端側へ移動させる。すると、挟持部材は表皮の一端部を芯材の一側面と挟み込んだ状態で移動するので、表皮は他端側から一端側へ向かって引っ張られる。したがって、表皮の芯材の一側面と対向する部位に弛みが発生することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、この発明に係る表皮の端末巻き込み装置の使用対象である車両用床部材(車両用内装品)1を示す。この床部材1は、芯材2と表皮3とによって構成されている。
【0008】
芯材2は、ポリエチレンやピロプロピレン等の樹脂を成形してなるものであり、一定の形状を維持することができるよう、所定の大きさの剛性をもって形成されている。芯材2は、互いに一体に形成された第1板部21及び第2板部22を有している。第1及び第2板部21,22は、それらの短手方向において互いに隣接する端部どうしがほぼ直角に交差させられている。したがって、第1板部21の表面(一側面)21aと第2板部22の表面(他側面)22aとは、山折状態で互いにほぼ直交しており、第1板部21の背面(芯材2の背面)21bと第2板部22の背面(芯材2の背面)22bとは、谷折状態でほぼ直交している。第1、第2板部21,22の長手方向の一端部及び他端部には、端板23が一体に形成されている。第1、第2板部21,22の背面21b,22bには、複数の補強リブ24が一体に形成されている。各補強リブ24は、第1、第2板部21,22の長手方向へ互いに離間して配置されている。
【0009】
第1板部21は、その短手方向を上下方向に向けた状態で水平に配置されており、第2板部22は、その短手方向を水平方向に向けた状態で水平に配置されている。したがって、第1板部21の表面21aは水平方向に向けられ、第2板部22の表面22aは下方に向けられている。第1板部21と第2板部22とは、前者の短手方向における下端部と後者の短手方向における一端部とが互いに交差させられている。以下、第1板部21の第2板部22と交差する端部を下端部(他端部)と称し、第1板部21の第2板部22から離間した端部を上端部(一端部)と称する。また、第2板部22に関しては、第1板部22と交差する端部を前端部と称し、第1板部22から離間した端部を後端部と称する。勿論、第1、第2板部21,22は、この実施の形態と異なる形態で配置されていてもよく、芯材2の形状も他の形状であってもよい。
【0010】
表皮3は、図2及び図3に示すように、樹脂を発泡成形してなるフォーム層3Aと、このフォーム層3Aの表面に固着された表皮材3Bとによって構成されている。表皮3は、フォーム層3Aが芯材2に接触するようにして配置されており、第1、第2板部21,22の表面21a,22aを覆っている。表皮3の一方の端末(端末;以下、上端末という。)31は、第1板部21の上端部において折り返されて第1板部21の背面21bに固着されている。表皮3の他方の端末(以下、下端末という。)32は、第2板部22の後端部において折り返されて第2板部22の背面22bに固着されている。
【0011】
次に、この発明に係る表皮の端末巻き込み装置について説明する。
端末巻き込み装置は、図4に示すように、載置板(基台)41、第1挟持片42,43、第2挟持片44,45、支持部材46、挟持板(挟持部材)47、第1巻き込み部材48及び第2巻き込み部材(巻き込み部材)49を備えている。
【0012】
載置板41は、平面視長方形の平板状をなしており、水平に配置されている。載置板41の長手方向の両端部には、軸線を水平方向に向けた軸41a,41aが設けられている。そして、載置板41は、軸41a,41aを介してフレームに回動可能に支持されている。載置板41の回動範囲は、その上面41bが上方を向いた載置位置と、上面41bが斜め上方を向いた溶着位置との間に規制されており、載置板41はその間をモータ等の回転駆動源(図示せず)によって回転させられる。上面41bには、表皮3が載置される。この場合、表皮3は、そのフォーム層3Aを上側に向けて上面41bに載置される。しかも、表皮3は、位置決め部材(図示せず)を用いて所定の載置位置に載置される。表皮3が載置位置に載置されると、表皮3の全周囲が載置板41からそれぞれ所定の長さだけ水平方向に突出する。
【0013】
載置板41の長手方向の一端側には、一対の第1挟持片42,43が配置されている。第1挟持片42,43は、載置板41の長手方向の一端部から突出した表皮3の一端部を挟持するためのものである。各第1挟持片42,43は、図5に示す待機位置と図6に示す挟持位置との間を移動可能である。一方の第1挟持片42は、待機位置に位置しているときには、載置板41に載置された表皮3に対して下方及び水平方向に離間している。第1挟持片42は、待機位置から載置板41に向かって水平方向へ所定距離だけ移動した後、上方へ所定距離だけ移動することによって挟持位置に達する。第1挟持片42が挟持位置に移動すると、その上面が載置板41の上面41bと同一平面上に位置するとともに、表皮3の載置板41から突出した端部と対向する。他方の挟持片43は、待機位置に位置しているときには、載置板41に載置された表皮3に対して上方及び水平方向に離間している。第1挟持片43は、待機位置から載置板41に向かって水平方向へ所定距離だけ移動した後、下方へ所定距離だけ移動することによって挟持位置に達する。第1挟持片43は、挟持位置に移動すると、第1挟持片42と協働して表皮3を挟持固定する。第1挟持片43,44は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段(図示せず)によってそれぞれ移動させられる。
【0014】
載置板41の長手方向の他端側には、第2挟持片44,45が配置されている。第2挟持片44,45は、載置板41の長手方向の他端部から突出した表皮3の他端部を挟持するためのものであり、第1挟持片42,43と同様に(左右対称に)配置されている。第2挟持片44,45もフレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段によってそれぞれ第1挟持片42,43と同様に移動させられる。
【0015】
表皮3の一端部と他端部とを挟持した第1挟持片42,43及び第2挟持片44,45は、移動手段により互いに離間するように水平方向へ所定の微小距離だけ移動させられる。この結果、表皮3が所定の大きさの引っ張り力で引っ張られ、載置板41の長手方向における表皮3の弛みが取り除かれる。
【0016】
図4及び図5に示すように、載置板41の上方には、支持部材46が配置されている。支持部材46の下端面には、スリット46aが形成されている。このスリット46aに芯材2の補強リブ24が挿脱可能に圧入されることにより、芯材2が支持部材46の下端部に着脱可能に支持されている。
【0017】
支持部材46は、図5に示す待機位置と図6に示す押し付け位置との間を上下方向へ移動可能に設けられている。支持部材46が待機位置に位置しているときには、支持部材46に支持された芯材2の第2板部22の表面22a全体が載置板41の上面41bと上下に対向するとともに、第1板部21の表面21aが載置板41の図4及び図7〜図10における右側の側面41cと同一平面上に位置している。支持部材46は、待機位置から下方へ向かって所定距離だけ移動することによって押し付け位置に達する。支持部材46が押し付け位置移動すると、支持部材46に支持された芯材2の第2板部22が載置板41に載置された表皮3に押し付けられる。しかも、第2板部22は、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3に押し付けられる。したがって、支持部材46が押し付け位置に移動すると、表皮3が載置板41と芯材2とによって挟持され、水平方向へ移動不能に位置固定される。支持部材46は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段(図示せず)によって待機位置と押し付け位置との間を移動させられる。
【0018】
図4及び図7に示すように、載置板41の下側には、挟持板(挟持部材)47が配置されている。挟持板47は、その幅方向を上下方向に向けるとともに、その厚さ方向を側面41bと対向する方向、つまり水平方向に向けた状態で配置されている。挟持板47は、図7に示す待機位置と図9及び図10に示す挟持位置との間を上下方向へ移動可能に設けられている。挟持板47は、待機位置に位置しているときには、載置板41に対して下方に離間するととともに、載置板41の側面41cに対して所定距離だけ水平方向前方へ離間している。挟持板47は、側面41cとの間の水平方向の距離を一定にした状態で待機位置から所定距離だけ上方へ移動することによって挟持位置に達する。挟持板47は、挟持位置に移動すると、載置板41の側面41c及び芯材2の第1板部21の前面21aと所定の距離をもって対向する。しかも、挟持板47の上端面が芯材2の第1板部21の上端面と同一平面上に位置する。ここで、挟持板47と側面41c及び前面21aとの間の水平方向の距離は、互いに対向する挟持板47と載置板41及び芯材2との間に表皮3を介在させたとき、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3が側面47a,41cによって挟持されるような距離に設定されている。挟持板48は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段(図示せず)によって待機位置と挟持位置との間を移動させられる。
【0019】
図4及び図9に示すように、載置板41の図9における左側の側面41dの前方には、1又は複数の平板状をなす第1巻き込み部材48が水平に配置されている。第1巻き込み部材48は、図9に示す待機位置と図10に示す巻き込み位置との間を水平方向へ移動可能に設けられている。第1巻き込み部材48が待機位置に位置しているときには、第1巻き込み部材48が側面4cから所定距離だけ水平方向前方へ離間し、かつ載置板41の上面41bから所定距離だけ上方へ離間している。第1巻き込み部材48は、上面41bとの間の上下方向の距離を一定にした状態で待機位置から載置板41に向かって水平方向へ所定距離だけ移動することによって巻き込み位置に達する。巻き込み位置に達した巻き込み部材48は、芯材2の第2板部22の背面22bと所定の距離をもって上下に対向する。巻き込み部材48と背面22bとの間の距離は、それらの間に表皮3を介在させたとき、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3が第2板部22と第1巻き込み部材48とによって挟持されるような距離に設定されている。第1巻き込み部材49は、フレームに設けられたシリンダ機構等の移動手段によって移動させられる。
【0020】
図4及び図7に示すように、載置板41の図9における右側の側面41cの前方には、1又は複数の第2巻き込み部材49が配置されている。巻き込み部材49は、載置板41側の先端部に下方に突出する挟持部49aを有している。第2巻き込み部材49は、図9に示す待機位置と図10に示す巻き込み位置との間を移動可能に設けられている。第2巻き込み部材49は、待機位置に位置しているときには、挟持位置に位置している挟持板48に対して所定距離だけ上方に離間するとともに、挟持板48から載置板41と逆側へ向かって水平方向へ所定距離だけ離間している。ここで、第2巻き込み部材49が待機位置に位置しているときにおける挟持板48の上端面と第2巻き込み部材49の挟持部49aの下端面との間の距離は、外力が作用していないときの表皮3の自然状態での厚さとほぼ同一に設定されている。第2巻き込み部材49は、待機位置から載置板41側へ向かって水平に所定距離だけ移動した後、下方へ所定距離だけ移動することによって巻き込み位置に達する。第2巻き込み部材49が巻き込み位置に移動すると、挟持部49aが芯材2の第1板部21の背面21bと所定の距離をもって水平方向に対向する。挟持部49aと背面21bとの間の距離は、それらの間に表皮を介在させたとき、フォーム層3Aが弾性変形した状態で表皮3が第1板部21と第2巻き込み部材49とによって挟持されるような距離に設定されている。
【0021】
次に、上記構成の巻き込み装置によって表皮3の上端末31及び下端末32を芯材2の第1、第2板部21,22に巻き込む場合について説明する。なお、巻き込み作業を行うに際しては、予め載置板41を載置位置に回動させておくとともに、第1挟持片42,43、第2挟持片43,44、支持部材46、挟持板47及び第1、第2巻き込み部材48,49を待機位置に移動させておく。
【0022】
まず、図5に示すように、載置板41上に表皮3を載置するとともに、支持部材46に芯材2を取り付ける。次に、図6に示すように、載置板41の長手方向の一端部と他端部とから突出した表皮3の一端部と他端部とを第1挟持片42,43及び第2挟持片44,45によってそれぞれ挟持させる。その後、第1挟持片42,43及び第2挟持片44,45を互いに離間するように水平方向(図5の左右方向)へ移動させる。これによって、表皮3の長手方向における弛みを取り除く。その後、支持部材46を押し付け位置まで移動させて、芯材2を表皮3に押し付ける。この結果、表皮3が載置板41と芯材2とによって上下に挟持されて位置固定される。
【0023】
次に、図7に示すように、挟持板47を挟持位置まで移動させる。挟持板47が挟持位置まで移動する途中に、その上端面が載置板41から突出した端部に突き当たる。その状態で挟持板47をさらに上方へ移動させると、挟持板47が表皮3の端部を上方へ押し上げる。このとき、挟持板47と芯材2の第1板部21との間の距離がフォーム層3Aを弾性変形させるような距離に設定されているので、挟持板47は、表皮3の端部を第1板部21の表面21aに押し付けながら上方へ移動することになり、表皮3の端部を上方へ引っ張る。これにより、表皮3の第1板部21に沿う部位に弛みが生じることが確実に防止される。
【0024】
その後、図9及び図10に示すように、第1巻き込み部材48を待機位置から巻き込み位置まで移動させる。ここで、第1巻き込み部材48が芯材2の第2板部22の背面22bより上方に配置されているが、載置板41上に載置された表皮3に芯材2を押し付けることにより、表皮3の下端末32が反り返って第1巻き込み部材48より上方に位置しているので、第1巻き込み部材48を巻き込み位置側へ移動させると、その途中に巻き込み部材48の先端面が下端末32に突き当たる。その状態で第1巻き込み部材48をさらに巻き込み位置側へ移動させると、下端末32が第2板部22の端部において折り返される。そして、第1巻き込み部材48が巻き込み位置まで移動すると、第1巻き込み部材48によって下端末32が第2板部22の背面22bに押し付けられる。
【0025】
第2巻き込み部材49は、第1巻き込み部材48の移動開始と同時に巻き込み位置側へ向かって移動させられる。図9及び図10に示すように、第2巻き込み部材49の水平方向へ移動途中に挟持部49aの下端部が上端末31に突き当たり、上端末31を第1板部21の上端部において折り返す。その後、第2巻き込み部材49が下方へ向かって巻き込み位置まで移動すると、挟持部49aが上端末31を第1板部21の背面21bに押し付ける。
【0026】
その後、図11に示すように、載置板41を溶着位置まで回動させる。そして、第1、第2巻き込み部材48,49によって押さえつけられた表皮3の上端末31及び下端末32を芯材2に溶着機Yによって溶着する。その後、上記と逆の手順により、巻き込み装置を元の状態に戻し、次の巻き込み作業に備える。
【0027】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、第1、第2巻き込み部材48,49を直線移動させているが、上記公報に記載された巻き込み装置のように回動させてもよい。
また、巻き込み対象たる表皮としては、カットパイルのカーペットやニードルのカーペットからなるものであってもよい。いずれにしても、表皮は、その厚さ方向に弾性変形可能であることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明に係る表皮の巻き込み装置が用いられる車両用内装品の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図2のX円部の拡大図である。
【図4】この発明に係る表皮の巻き込み装置の一実施の形態の主要構成を示す斜視図である。
【図5】同実施の形態の第1、第2挟持片及び支持部材を待機位置に位置させた状態で示す正面図である。
【図6】同実施の形態の第1、第2挟持片を挟持位置に移動させ、支持部材を押し付け位置に移動させた状態で示す正面図である。
【図7】同実施の形態の挟持部材を待機位置に位置させた状態で示す側断面図である。
【図8】同実施の形態の挟持部材を待機位置から挟持位置へ移動させる途中の状態で示す側断面図である。
【図9】同実施の形態の第1、第2巻き込み部材を待機位置に位置させた状態で示す側断面図である。
【図10】同実施の形態の第1、第2巻き込み部材を巻き込み位置に移動させた状態で示す側断面図である。
【図11】同実施の形態の載置板を溶着位置に回動させた状態で示す側断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 床部材(車両用内装品)
2 芯材
21a 表面(一側面)
22a 表面(他側面)
3 表皮
31 上端末(端末)
41 載置板(基台)
46 支持部材
47 挟持板(挟持部材)
49 第2巻き込み部材(巻き込み部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮を芯材の一側面と所定の挟持位置において挟持する挟持部材と、上記芯材の一側面の一端部から突出した上記表皮の端末を上記一端部において折り返して上記芯材の背面に押し付ける巻き込み部材とを備えた表皮の端末巻き込み装置において、
上記挟持部材が上記芯材の一側面と所定の間隔を維持した状態で上記芯材の一側面の他端側から上記一端側へ向かって移動可能に配置され、
上記挟持部材を上記芯材の一側面の他端側から上記挟持位置まで移動させる移動手段をさらに備えたことを特徴とする表皮の端末巻き込み装置。
【請求項2】
上記芯材が上記一側面とその他端部において山折状態で交差する他側面を有しており、
上記表皮を上記芯材の他側面と挟持する基台と、
上記芯材が着脱可能に取り付けられ、上記芯材の他側面を上記基台に載置された上記表皮に押し付ける支持部材とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の表皮の端末巻き込み装置。
【請求項1】
表皮を芯材の一側面と所定の挟持位置において挟持する挟持部材と、上記芯材の一側面の一端部から突出した上記表皮の端末を上記一端部において折り返して上記芯材の背面に押し付ける巻き込み部材とを備えた表皮の端末巻き込み装置において、
上記挟持部材が上記芯材の一側面と所定の間隔を維持した状態で上記芯材の一側面の他端側から上記一端側へ向かって移動可能に配置され、
上記挟持部材を上記芯材の一側面の他端側から上記挟持位置まで移動させる移動手段をさらに備えたことを特徴とする表皮の端末巻き込み装置。
【請求項2】
上記芯材が上記一側面とその他端部において山折状態で交差する他側面を有しており、
上記表皮を上記芯材の他側面と挟持する基台と、
上記芯材が着脱可能に取り付けられ、上記芯材の他側面を上記基台に載置された上記表皮に押し付ける支持部材とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の表皮の端末巻き込み装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−30801(P2007−30801A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−220275(P2005−220275)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000100366)しげる工業株式会社 (95)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000100366)しげる工業株式会社 (95)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]