説明

表示システム、画像出力装置及び表示装置

【課題】表示装置による領域検出の結果及びこの結果に基づく画像処理に誤差が生じた場合であっても、表示装置のユーザが領域を微調整することができる表示システム、画像出力装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】PC3が、モニタ1のメモリ12に記憶された領域検出結果の位置情報を取得し、マウス6などの入力装置によって領域検出結果の位置変更操作をユーザから受け付け、受け付けた操作内容に基づいて作成した変更情報をモニタ1へ送信する。モニタ1は、PC3からの変更情報に基づいてメモリ12に記憶された位置情報を更新し、更新した位置情報に基づいてLUT16のテーブルを切り替えるなど領域毎の画像処理を行う。またモニタ1は、PC3から変更情報を受信してメモリ12の位置情報を更新した後は、領域検出処理を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像中に含まれる特定の画像領域を検出して画像処理を施すことができる表示システム、画像出力装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネル又はPDP(Plasma Display Panel)等を用いたカラーの表示装置が広く普及している。例えば医療向けの表示装置は、X線撮影による画像の表示及び内視鏡などで撮影した画像の表示等に利用されている。表示装置は、PC(Personal Computer)などからの入力画像の画素値を、表示装置の表示特性に適した画素値に変換する補正処理(いわゆるガンマ補正処理)を行っている。医療向けの表示装置では、X線撮影によるモノクローム(以下、単にモノクロという)画像と、内視鏡などの撮影によるカラー画像とでは適した表示特性が異なるため、表示画像に最適な補正処理を行うことが望まれる。
【0003】
しかし近年では、PCに搭載されるOS(Operating System)がマルチウインドウシステムを備え、表示装置に複数のウインドウを表示することができる。このため、医療向けの表示装置においては、X線撮影のモノクロ画像と、内視鏡などのカラー画像とが一画面中に同時的に表示される場合があり、このような場合には上記の補正処理を適切に行うことが難しいという問題があった。
【0004】
特許文献1においては、表示画面上の特定領域の表示属性を変更することができる画像表示装置に対して、情報処理装置が表示属性を変更するための領域属性情報を画像表示装置へ送信し、受信した領域属性情報に応じて画像表示装置が表示属性の変更を行うシステムが提案されている。このシステムにおいて、情報処理装置から画像表示装置へ送信される領域属性情報は、表示データが表示される特定領域の位置を指定する領域情報と、表示データが表示される際の表示属性を指定する属性情報とを含んでいる。属性情報は、コントラスト、ブライトネス、色度、γ特性等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−275074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異なる種類の画像を一画面中に表示する場合に、表示装置がガンマ補正を適切に行うことが難しいという問題に対して、本願発明者は、表示する画像中に含まれるモノクロ領域及び/又はカラー領域等の検出を行い、各領域に適したガンマ補正を行う表示装置を提案している。この表示装置は、表示する画像に含まれる画素値、エッジ等の情報を抽出し、抽出した情報が判定基準を満たすか否かに応じて領域判定を行っている。
【0007】
上記の表示装置においては、領域判定のための判定基準にある程度の裕度が設定されている。これらの判定基準及び裕度は、表示装置の設計段階において多種多様な画像の特徴を調査し、設計者などによって予め決定される。しかしながら、想定外の画像(即ち、判定基準の裕度を超える領域を有する画像)が表示装置に入力された場合、表示装置による領域検出の結果に誤差が生じるなどの虞がある。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、表示装置による領域検出の結果及びこの結果に基づく画像処理に誤差が生じた場合であっても、表示装置のユーザが領域を微調整することができる表示システム、画像出力装置及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示システムは、画像を表示する表示部、該表示部に表示する画像中の所定条件を満たす領域を検出する領域検出手段、該領域検出手段が検出した領域の位置情報を記憶する記憶部、該記憶部に記憶された位置情報に係る領域に対して所定の画像処理を行う画像処理手段を有する表示装置と、表示する画像を前記表示装置へ出力する画像出力手段を有する画像出力装置とを備える表示システムであって、前記画像出力装置は、前記記憶部に記憶された位置情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得した位置情報に係る領域の変更操作を受け付ける受付手段と、該受付手段が受け付けた変更操作に応じて、前記領域の位置に係る変更情報を生成する生成手段と、該生成手段が生成した変更情報を前記表示装置へ出力する情報出力手段とを有し、前記表示装置は、前記画像出力装置の前記情報出力手段が出力した変更情報に応じて、前記記憶部に記憶した位置情報を更新する更新手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示システムは、前記表示装置の前記領域検出手段が、領域検出の処理を繰り返し行い、前記更新手段が位置情報の更新を行った後は、前記領域検出の処理を停止するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る表示システムは、前記表示装置が、前記画像出力装置が出力した画像の水平幅及び/又は垂直幅を所定倍率で拡大又は縮小するサイズ変更手段を有し、前記更新手段は、前記画像出力装置の前記情報出力手段が出力した変更情報と、前記所定倍率とに応じて、前記記憶部に記憶した位置情報を更新するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る表示システムは、前記記憶部に記憶した位置情報に係る領域を強調表示する手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る表示システムは、前記画像出力装置が、プログラムの実行により前記画像出力手段が出力する画像を生成する処理を行う処理手段と、該処理手段が実行するプログラムが切り替えられた場合に、前記表示装置へ切替を通知する切替通知手段とを有し、前記表示装置の前記領域検出手段は、前記画像出力装置からの前記通知に応じて、前記所定条件を更新するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る表示システムは、前記表示装置の前記領域検出手段が、前記画像出力装置の前記情報出力手段が出力した変更情報に応じて、前記所定条件を更新するようにしてあることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る表示システムは、複数の前記表示装置及び前記画像出力装置と、サーバ装置とを備え、各画像出力装置は、前記表示装置から前記所定条件を取得する所定条件取得手段を有し、該所定条件取得手段が取得した所定条件を前記サーバ装置へ送信するようにしてあり、前記サーバ装置は、前記画像出力装置が送信した所定条件を受信する所定条件受信手段と、該所定条件受信手段が受信した一又は複数の所定条件を基に、複数の前記画像出力装置に共通の所定条件を生成する共通所定条件生成手段と、該所定条件生成手段が生成した共通所定条件を、複数の前記画像出力装置へ送信する所定条件送信手段とを有し、各画像出力装置は、前記サーバ装置の前記所定条件送信手段が送信した共通所定条件を受信する共通所定条件受信手段と、該共通所定条件受信手段が受信した共通所定条件を、前記表示装置へ出力する共通所定条件出力手段とを更に有し、前記表示装置は、前記画像出力装置の前記共通所定条件出力手段が出力した共通所定条件に応じて、前記領域検出手段が領域検出に用いる所定条件を更新する所定条件更新手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る画像出力装置は、画像を表示する表示部、該表示部に表示する画像中の所定条件を満たす領域を検出する領域検出手段、該領域検出手段が検出した領域の位置情報を記憶する記憶部、該記憶部に記憶された位置情報に係る領域に対して所定の画像処理を行う画像処理手段を有する表示装置に対して、前記表示部に表示する画像を前記表示装置へ出力する画像出力手段を備える画像出力装置であって、前記記憶部に記憶された位置情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得した位置情報に係る領域の変更操作を受け付ける受付手段と、該受付手段が受け付けた変更操作に応じて、前記領域の位置に係る変更情報を生成する生成手段と、該生成手段が生成した変更情報を前記表示装置へ出力する情報出力手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る表示装置は、画像を表示する表示部と、該表示部に表示する画像中の所定条件を満たす領域を検出する領域検出手段と、該領域検出手段が検出した領域の位置情報を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された位置情報に係る領域に対して所定の画像処理を行う画像処理手段とを備える表示装置であって、他の装置との間で情報の入出力を行う手段と、前記他の装置へ前記記憶部に記憶した位置情報を出力する手段と、前記他の装置から入力された変更情報に応じて、前記記憶部に記憶した位置情報を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、表示装置が画像中の所定条件を満たす領域を検出し、検出した領域の位置情報(表示画面における領域の座標及びサイズ等の情報)を記憶部に記憶し、記憶した位置情報に応じて各領域に所定の画像処理(各領域の種別に応じたガンマ補正処理など)を行う。また表示装置へ画像を出力するPC(Personal Computer)などの画像出力装置は、ポインティングデバイスなどのユーザ操作を受け付ける手段を有する。画像出力装置は、表示装置の記憶部に記憶された位置情報を取得すると共に、表示装置が検出した領域の位置変更操作を受け付ける。位置変更操作を受け付けた画像出力装置は、この操作に応じた変更情報を生成して表示装置へ出力し、この変更情報に応じて表示装置が記憶部に記憶した位置情報を更新して、更新された位置情報に基づいて各領域に所定の画像処理を行う。
このとき画像出力装置は、表示装置から取得した位置情報に対して、受け付けた位置変更操作の内容を反映した位置情報を生成し、これを変更情報として表示装置へ出力してもよい。この場合、表示装置は画像出力装置からの変更情報を新たな位置情報として記憶部に記憶する。又は、画像出力装置は、位置変更操作の内容(例えば、領域の変位量など)を変更情報として表示装置へ出力してもよい。この場合、表示装置は画像出力装置からの変更情報と記憶部に記憶した位置情報とを基に、位置変更操作の内容を反映した位置情報となるように、記憶部に記憶した位置情報の更新を行う。
これにより、表示装置が行った領域検出の結果を、画像出力装置のポインティングデバイスなどを利用してユーザが変更することが可能となる。
【0019】
また、本発明においては、表示装置は領域検出の処理を例えば一定周期で繰り返し行う。ただしユーザの位置変更操作によって領域検出の結果が変更され、表示装置の記憶部に記憶された位置情報が画像出力装置からの変更情報に基づいて更新された場合には、表示装置は領域検出の処理を停止する。
これにより、ユーザの位置変更操作に基づいて表示装置の記憶部に記憶された位置情報が更新された後に、表示装置による自動的な領域検出が行われて記憶部の位置情報が更に更新されることを防止できる。
【0020】
また画像出力装置が出力する画像のサイズ(水平方向の幅及び/又は垂直方向の幅)と、表示装置の表示部に表示される画像のサイズとが異なる場合がある。そこで本発明においては、画像出力装置が出力した画像のサイズを、表示装置が所定倍率で拡大又は縮小して表示画面上に表示する。この場合、画像出力装置が出力する変更情報は、画像出力装置が出力する画像のサイズに対応したものとなるため、変更情報を与えられた表示装置は、画像出力装置からの画像を拡大又は縮小する所定サイズを考慮して、記憶部の位置情報の更新を行う。
【0021】
また、本発明においては、表示装置の記憶部に記憶した位置情報に係る領域(即ち、領域検出の結果)を強調表示する。これにより、ユーザは検出された領域の変更を容易に行うことができる。なお強調表示は、表示装置が行う構成であってもよく、画像出力装置が行う構成であってもよい。
【0022】
画像出力装置が種々のプログラムを実行するコンピュータである場合、表示装置へ出力する画像(即ち、表示装置が表示する画像)は、画像出力装置が実行するプログラムの種別などに応じた特徴(例えば、ウインドウの配置又は境界線の太さ等)を有したものとなる。そこで本発明においては、画像出力装置が実行するプログラムに応じて、表示装置の領域検出に用いる所定条件を更新する。これにより表示装置は、画像出力装置が実行するプログラムに適した条件(即ち、表示する画像に適した条件)で領域検出の処理を行うことができる。
【0023】
また、ユーザによって領域の位置変更操作がなされた場合、表示装置の領域検出の結果に誤差が生じている虞がある。そこで本発明においては、画像出力装置から変更情報が与えられた場合、表示装置は領域検出に用いる所定条件を更新する。所定条件の更新は、ユーザの操作によって位置変更がなされた領域を検出できるように、閾値などを調整すればよい。
これにより、ユーザが位置変更操作を行った以後、表示装置による自動的な領域検出においても、ユーザが所望する領域検出を行うことが可能となる。
【0024】
また、本発明においては、複数の表示装置及び画像出力装置とサーバ装置とを、LAN(Local Area Network)などを介して接続してネットワークシステムを構成する。各画像主力装置は、各表示装置から領域検出の処理に用いる所定条件を取得してサーバ装置へ送信する。サーバ装置は、画像出力装置が送信した所定条件を一括して収集し、例えば所定条件を規定する閾値の平均値、最小値又は最大値等を算出して、算出結果に基づく所定条件を共通所定条件として作成し、作成した共通所定条件を複数の画像出力装置へ送信する。各画像出力装置は、サーバ装置から受信した共通所定条件を表示装置へ与え、表示装置は与えられた共通所定条件に応じて領域検出に用いる所定条件を更新する。
これにより、いずれかの画像出力装置にてなされた位置変更操作に係る表示装置の領域検出に用いる所定条件の更新を、他の表示装置の所定条件に反映することができる。例えば病院内又は会社内等に設けられたネットワークシステム内では、各端末(表示装置及び画像出力装置)にて同じ又は類似の画像を表示する機会が多いため、領域検出のための所定条件をサーバ装置が一括管理することで、各端末での領域検出結果を略同じに統一することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による場合は、表示装置の領域検出の結果として記憶部に記憶された位置情報を画像出力装置が取得し、画像出力装置が領域の位置変更操作を受け付けて変更情報を表示装置へ出力する構成とすることによって、表示装置による領域検出の結果及びこの結果に基づく画像処理に誤差が生じた場合であっても、表示装置のユーザが領域を微調整することができる。よって、領域毎の画像処理を確実に行うことができ、表示装置が表示する画像の視認性などを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態1に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】領域検出部が行う領域検出処理の一例を説明するための模式図である。
【図3】領域検出部が作成する位置情報の一例を示す模式図である。
【図4】領域検出結果の調整処理を説明するための模式図である。
【図5】PCによる領域検出結果の位置変更操作の受付処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】モニタによる位置情報の更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係るモニタが行う閾値更新処理を説明するための模式図である。
【図8】実施の形態2に係るモニタが行う閾値更新処理を説明するための模式図である。
【図9】実施の形態3のPCが行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態3のモニタが行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態4に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態4のPCが行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態4のモニタが行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態4のサーバ装置が行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、実施の形態1に係る表示システムの構成を示すブロック図である。図において1は、液晶パネル又はPDP(Plasma Display Panel)等の表示部18を有するモニタ(表示装置)である。モニタ1は、画像データ(画像信号)を送受信するためのケーブルを介してPC(画像出力装置)3に接続されており、PC3が出力する画像データに係る画像表示を行う。またモニタ1及びPC3は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して接続され、種々のデータを相互に送受信することができる。
【0028】
モニタ1は、MPU(Micro Processing Unit)11、メモリ12、USB通信部13、画像入力部14、領域検出部15、LUT16、駆動部17及び表示部18等を備えて構成されている。MPU11は、メモリ12に予め記憶されたプログラムを実行することによって、モニタ1内の各部の動作を制御する処理及び各種の演算処理等を行うものである。メモリ12は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子で構成され、MPU11が実行するプログラム及びこの処理に必要なデータ等が予め記憶されている。またメモリ12は、MPU11の処理に伴って生成される種々のデータを記憶することができる。特に本実施の形態においては、領域検出部15が行う領域検出の結果をメモリ12に記憶する。
【0029】
USB通信部13は、USBケーブルを介して接続された他の装置との間で種々のデータの送受信を行う。USB通信部13は、MPU11から与えられたデータを送信すると共に、USBケーブルを介して他の装置から受信したデータをMPU11へ与える。画像入力部14は、PC3などの画像出力装置からの画像データが入力され、入力された画像データを領域検出部15へ与える。例えばMPU11はメモリ12に記憶された領域検出結果の位置情報を読み出してUSB通信部13へ与え、USB通信部13は与えられた位置情報をPC3へ送信する。
【0030】
領域検出部15は、画像入力部14から与えられた画像データに基づき、表示部18に表示する画像に含まれる所定の領域を検出する処理を行うものである。領域検出部15は、例えば表示画像中のウインドウ領域を検出する、また例えば表示画像中のカラー領域又はモノクロ領域を検出する等の処理を行う。領域検出部15は、検出した領域の位置情報を生成してMPU11へ与え、MPU11は、この位置情報をメモリ12に記憶する。また領域検出部15は、画像入力部14からの画像データをLUT16へ与える。
【0031】
LUT16は、領域検出部15から与えられた画像データの各画素値を表示部18の表示特性に応じた値に変換する処理、いわゆるガンマ補正を行うためのテーブルである。本実施の形態に係るモニタ1は、LUT16にガンマ補正のためのテーブルを複数備えており、領域検出部15の検出結果に応じてMPU11がテーブルを切り替えることによって、検出された領域毎に適したガンマ補正を行うことができる。LUT16にて画素値が変換された画像データは駆動部17へ与えられる。駆動部17は、LUT16から与えられた画像データに応じて表示部18へ出力する駆動信号を生成する。表示部18は、与えられた駆動信号に応じて画像を表示する。
【0032】
また、PC3は、CPU(Central Processing Unit)31、画像出力部32、USB通信部33、入力I/F部34、RAM(Random Access Memory)35及びHDD(ハードディスク)36等を備える汎用的なコンピュータである。CPU31は、HDD36に予め記憶された種々のプログラムを実行することによって、PC3内の各部の制御処理及び各種の演算処理を実行する。例えばCPU31は、HDD36に記憶された医療用画像の表示プログラムを実行することによって、HDD36に記憶された画像データをPC3のユーザの操作に応じた表示方法でモニタ1に表示する処理を行うことができる。CPU31による表示に係る処理結果は画像出力部32へ与えられる。また例えばCPU31は、HDD36に記憶されたモニタ1のデバイスドライバ又はユーティリティ等のプログラムを実行することによって、モニタ1の領域検出部15の領域検出結果に対するユーザの変更操作を受け付ける処理を行うことができる。
【0033】
画像出力部32は、CPU31の処理結果に応じて、モニタ1に表示するための画像データを生成して出力する。USB通信部33は、USBケーブルを介して接続されたモニタ1との間で種々のデータ送受信を行う。例えばMPU11は領域検出結果に対する変更操作を受け付け、受け付けた操作内容から領域の変更情報を生成してUSB通信部33へ与えることにより、USB通信部33は与えられた変更情報をモニタ1へ送信する。
【0034】
入力I/F部34は、キーボード5及びマウス6等の入力装置が接続され、これら入力装置に対してユーザが行った操作に応じた信号などが入力される。入力I/F部34は、入力装置からの入力信号又は入力データをCPU31へ与える。RAM35は、例えばSRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic Random AccessMemory)等のメモリ素子で構成され、CPU31の処理に伴う種々のデータを一時的に記憶する。HDD36は、大容量の磁気記憶装置であり、OS(Operating System)及びアプリケーションプログラム等の種々のプログラム、並びに、画像データ及び音声データ等の種々のデータが記憶されている。またHDD36には、モニタ1のデバイスドライバ又はユーティリティ等のプログラムが記録されている。
【0035】
本実施の形態に係るモニタ1は、PC3から入力された画像データに基づく画像表示を表示部18にて行う。このときにモニタ1は、表示する画像中に含まれる所定領域の検出を領域検出部15にて行い、検出した領域の画像種別をMPU11にて判別し、MPU11が領域毎にLUT16にてガンマ補正に用いるテーブルを切り替える。これによりモニタ1は、画像中の各領域を画像種別に適した表示特性で表示部18に表示することができる。なお、領域検出部15による領域検出処理は、どのようなアルゴリズムに基づくものであってもよいが、以下に領域検出処理の一例を説明する。
【0036】
図2は、領域検出部15が行う領域検出処理の一例を説明するための模式図である。PC3に搭載されたOSがマルチウインドウシステムを搭載し、複数のウインドウをモニタ1の表示部18に表示する構成の場合に、モニタ1の領域検出部15は、表示画面中のウインドウ領域を検出する処理(ウインドウ検出処理)を行う。ウインドウ検出処理において領域検出部15は、まず、PC3から入力された画像データに係る画像(以下、単に入力画像という)から、エッジ画素を抽出する画像処理を行う。
【0037】
次いで領域検出部15は、入力画像の水平方向に連続する複数のエッジ画素(エッジ画素群)を検出し、検出したエッジ画素群の水平方向の長さ閾値以上であるか否かを判定する。なお判定に用いる閾値は、例えば水平方向サイズが1000画素などのように予め設定される。領域検出部15は、水平方向に閾値以上の長さを有するエッジ画素群を水平方向線分とする。次いで領域検出部15は、入力画像から検出された複数の水平方向線分から2つの水平方向線分を選択し、選択した2つの水平方向線分間の距離が閾値以上であるか否かを判定する。領域検出部15は、距離が閾値以上の2つの水平方向線分を、水平方向線分ペアとする。
【0038】
次いで領域検出部15は、入力画像の垂直方向についても同様の処理を行い、垂直方向線分及び垂直方向線分ペアを検出する。図2の例は、入力画像から領域検出部15が検出した水平方向線分及び垂直方向線分を示したものである。本図においては、例えば領域検出部15は、3つの水平方向線分Y1〜Y3を検出しており、水平方向線分ペアとして(Y1、Y2)、(Y2、Y3)の2つのペアを検出する。また領域検出部15は、4つの垂直方向線分X1〜X4を検出しており、垂直方向線分ペアとして(X1、X2)、(X2、X3)、(X3、X4)の3つのペアを検出する。
【0039】
領域検出部15は、検出した水平方向線分ペア及び垂直方向線分ペアで囲まれた領域をウインドウ領域として検出する。図2に示す例では、領域検出部15は、2つの水平方向線分ペアと3つの垂直方向線分ペアとによって、5つのウインドウ1〜5を検出する。なお、ウインドウ1は(Y1、Y2)及び(X1、X2)で囲まれた領域であり、ウインドウ2は(Y2、Y3)及び(X1、X2)で囲まれた領域であり、ウインドウ3は(Y1、Y2)及び(X2、X3)で囲まれた領域であり、ウインドウ4は(Y2、Y3)及び(X2、X3)で囲まれた領域であり、ウインドウ5は(Y1、Y3)及び(X3、X4)で囲まれた領域である。
【0040】
領域検出部15は、検出した領域の位置を示す情報(位置情報)を作成してMPU11へ与える。MPU11は、与えられた位置情報をメモリ12に記憶する。図3は、領域検出部15が作成する位置情報の一例を示す模式図であり、図2に示した領域検出結果に対応するものである。領域検出部15が作成する位置情報は、例えば水平方向線分YnのY座標をynとし、垂直方向線分XnのX座標をxnとして、ウインドウの位置を4つの座標で表したものである。
【0041】
またウインドウの位置情報には、各ウインドウのカラー/モノクロの種別の情報を含んでもよい。各ウインドウの種別の判定は、MPU11又は領域検出部15のいずれかが行い、判定結果をウインドウの位置情報に付加する。種別の判定は、例えば各ウインドウ内のカラー画素数とモノクロ画素数とを算出し、いずれの画素が多いかにより判断することができる。
【0042】
上述のウインドウ検出処理は、PC3にて実行されるアプリケーションプログラムなどにおいて表示されるメインのウインドウ(比較的にサイズが大きいウインドウ)を検出するためのものである。これに対して、アプリケーションプログラムの実行に伴って、比較的にサイズが小さいウインドウ、いわゆるポップアップウインドウが表示される場合がある。モニタ1の領域検出部15は、このようなポップアップウインドウを検出する処理を行う構成とすることもできる。以下に、ポップアップウインドウの検出処理について説明する。
【0043】
領域検出部15のポップアップウインドウ検出処理においては、上述のウインドウ検出処理にて水平方向線分ペアとして検出されなかった水平方向のエッジ画素群と、垂直方向線分ペアとして検出されなかった垂直方向のエッジ画素群とを対象として行われる。領域検出部15は、垂直方向線分ペアとして検出されなかった各垂直方向のエッジ画素群について、その長さが所定範囲内であるか否かを判定し、長さが所定範囲内のエッジ画素群をショート垂直方向線分として検出する。なお、ショート垂直方向線分の判定に用いる所定範囲は、例えば上述のウインドウ検出処理にて検出されたウインドウの垂直方向の距離に所定係数(例えば0.8倍〜0.9倍)を乗算して得られる範囲を用いることができる。
【0044】
同様にして、領域検出部15は、水平方向線分ペアとして検出されなかった各水平方向のエッジ画素群について、その長さが所定範囲内であるか否かを判定し、長さが所定範囲内のエッジ画素群をショート水平方向線分として検出する。なお、ショート水平方向線分の判定に用いる所定範囲は、例えば上述のウインドウ検出処理にて検出されたウインドウの水平方向の距離に所定係数(例えば0.8倍〜0.9倍)を乗算して得られる範囲を用いることができる。
【0045】
次いで領域検出部15は、検出した複数のショート垂直方向線分から、ポップアップウインドウを構成する可能性のあるショート垂直方向線分のペアを検出する。領域検出部15は、各ショート垂直方向線分ペアに対して、ポップアップウインドウを構成するのに最も適した2つのショート水平方向線分を探索することによって、ショート垂直方向線分ペアに対するショート水平方向線分ペアを検出する。領域検出部15は、検出したショート垂直方向線分ペア及びショート水平線分ペアの組み合わせをポップアップウインドウとし、ポップアップウインドウの位置情報を作成する。なおポップアップウインドウの位置情報は、図3に示したウインドウの位置情報と同様に、4つの座標で表すことができる。
【0046】
モニタ1は、領域検出部15にて上述のようなウインドウ検出を行い、検出したウインドウ内の画素値などに基づいて、各ウインドウにて表示される画像の種別(カラー/モノクロ)を判別し、図3に示す位置情報をメモリ12に記憶する。MPU11は、メモリ12に記憶した位置情報を基に、LUT16にてガンマ補正用のテーブルを切り替えることによって、ウインドウ毎にカラー/モノクロの種別に適したガンマ補正を行う。
【0047】
領域検出部15が行うウインドウ検出処理においては、水平方向線分及び垂直方向線分を検出する際に、エッジ画素群の長さが閾値以上であるかを判定する。また領域検出部15が行うポップアップウインドウ検出処理では、ショート垂直方向線分及びショート水平方向線分を検出する際に、水平方向線分及び垂直方向線分の長さが所定範囲内であるか否かを判定する。これら閾値及び所定範囲等の判定基準は、モニタ1の設計段階などにおいて適切な値が設定されるが、想定外の画像がPC3から入力された場合に誤判定が発生する虞がある。モニタ1は、領域検出の結果に応じてガンマ補正用のテーブルを切り替えるため、領域検出に誤判定が発生した場合には適切なガンマ補正を行うことができない虞がある。
【0048】
そこで本実施の形態に係る表示システムでは、モニタ1による領域検出の結果を、PC3に接続されたマウス6などの入力装置を利用してユーザが調整することができる。図4は、領域検出結果の調整処理を説明するための模式図である。図4の上段には、モニタ1の表示部18に表示された画像の一例を示してある。本例では、5つのウインドウ(ウインドウ1〜5)が表示部18に並べて配置され、ウインドウ1〜4内にはカラー画像が表示され、ウインドウ5にはモノクロ画像が表示されている。
【0049】
ユーザは、PC3にてHDD36に記録されたモニタ1のユーティリティプログラムを実行することで、モニタ1に関する各種の設定を行うことができ、この中で領域検出結果の調整を行うことができる。PC3のCPU31は、例えばユーティリティプログラムのメニューなどから領域検出結果の調整がユーザによって選択された場合、USB通信部33からモニタ1へ領域検出結果の位置情報の送信を要求する。モニタ1のMPU11は、PC3から位置情報の送信要求をUSB通信部13にて受信した場合、メモリ12に記憶した位置情報を読み出してUSB通信部13へ与えることによってPC3へ送信する。
【0050】
USB通信部33にてモニタ1から位置情報を受信したPC3は、この位置情報に基づいて、領域検出結果の強調表示を行う。例えば図4中段に示す例では、ハッチングを付した矩形枠を重ねて表示することによって、領域検出結果を強調表示している。PC3のCPU31は、モニタ1から受信した位置情報を参照することによって、検出された領域の4つの頂点座標を得ることができるため、これら頂点座標で囲まれた矩形枠を元の表示画像上に重畳した画像を生成し、生成した画像データを画像出力部32からモニタ1へ出力することによって、強調表示を実現できる。ただし、強調表示はモニタ1にて行ってもよい。
【0051】
図4中段に示した例では、強調表示によってウインドウ4に対する領域検出の結果に誤りがあることをユーザは確認できる。この場合、ユーザは、PC3に接続されたマウス6を利用し、例えば画面中に表示されるマウスカーソル61を領域検出結果の矩形枠に重ねてドラッグ&ドロップなどの操作を行うことによって、領域検出結果の位置を変更する操作を行うことができる(図4下段参照)。位置変更操作を受け付けたPC3のCPU31は、受け付けた操作内容に応じて位置情報を更新し(位置情報の座標を修正し)、更新後の位置情報を変更情報としてUSB通信部33からモニタ1へ送信する。ただし、位置情報の更新をPC3にて行うのではなく、PC3のCPU31は受け付けた位置変更操作の内容を変更情報としてモニタ1へ送信してもよい。
【0052】
PC3からの変更情報をUSB通信部13にて受信したモニタ1のMPU11は、受信した変更情報を基に、メモリ12に記憶された位置情報を更新する。(PC3が位置変更操作に応じて更新した位置情報を変更情報としてPC1へ送信した場合には、モニタ1は受信した変更情報をメモリ12に記憶された位置情報に上書きすればよい。PC3が位置変更操作の内容を変更情報としてPC1へ送信した場合には、モニタ1は受信した変更情報に応じてメモリ12に記憶された位置情報の座標を修正する。)その後、モニタ1は、更新された位置情報に基づいてMPU11がLUT16のテーブル切り替えなどの処理を行う。またモニタ1は、領域検出処部15による領域検出処理を繰り返し行っているが、PC3からの変更情報に応じてメモリ12の位置情報を更新した場合、以後は領域検出処理を行わず、更新した位置情報を利用する。なおモニタ1は、PC3から領域検出処理の再開の指示が与えられた場合に、領域検出部15による領域検出処理を再開する。
【0053】
図5は、PC3による領域検出結果の位置変更操作の受付処理の手順を示すフローチャートである。まず、PC3のCPU31は、モニタ1のユーティリティプログラムなどにおいて領域検出結果の調整を行うメニューがユーザの操作によって選択されたか否かを判定し(ステップS1)、領域検出結果の調整が選択されていない場合には(S1:NO)、領域検出結果の調整が選択されるまで待機する。領域検出結果の調整が選択された場合(S1:YES)、CPU31は、USB通信部33にて領域検出結果の位置情報の送信要求をモニタ1へ送信する(ステップS2)。
【0054】
次いでCPU31は、モニタ1からの位置情報を受信したか否かを判定し(ステップS3)、位置情報を受信していない場合には(S3:NO)、位置情報を受信するまで待機する。位置情報を受信した場合(S3:YES)、CPU31は、受信した位置情報を参照して検出された領域の座標を取得し、この座標に応じた矩形枠を重畳表示するなどの強調表示を行う(ステップS4)。
【0055】
その後、CPU31は、マウス6などの入力装置により、領域検出結果に対する位置変更操作がなされたか否かを判定し(ステップS5)、位置変更操作がなされていない場合には(S5:NO)、ステップS4へ処理を戻し、強調表示を継続して行う。位置変更操作がなされた場合(S5:YES)、CPU31は、受け付けた位置変更操作の操作内容に基づいて、位置情報を変更するための変更情報を生成し(ステップS6)、生成した変更情報をUSB通信部33にてモニタ1へ送信し(ステップS7)、位置変更操作の受付処理を終了する。なお、変更情報の生成又はモニタ1への送信は、位置変更操作が行われる都度、実行する構成としてもよく、ユーザから調整作業の終了指示が与えられた場合に実行する構成としてもよい。
【0056】
図6は、モニタ1による位置情報の更新処理の手順を示すフローチャートである。まず、モニタ1のMPU11は、USB通信部13にてモニタ1からの位置情報の送信要求を受信したか否かを判定し(ステップS11)、位置情報の送信要求を受信していない場合(S11:NO)、位置情報の送信要求を受信するまで待機する。位置情報の送信要求を受信した場合(S11:YES)、MPU11は、領域検出部15による領域検出処理を停止する(ステップS12)。次いでMPU11は、メモリ12に記憶された位置情報を読み出し(ステップS13)、読み出した位置情報をUSB13へ与えてPC3へ送信する(ステップS14)。
【0057】
その後、MPU11は、PC3からの変更情報をUSB通信部13にて受信したか否かを判定し(ステップS15)、変更情報を受信していない場合には(S15:NO)、変更情報を受信するまで待機する。変更情報を受信した場合(S15:YES)、MPU11は、受信した変更情報に基づいて、メモリ12に記憶された位置情報を更新し(ステップS16)、位置情報の更新処理を終了する。
【0058】
以上の構成の表示システムにおいては、モニタ1へ表示のための画像を出力するPC3が、モニタ1のメモリ12に記憶された領域検出結果の位置情報を取得し、マウス6などの入力装置によって領域検出結果の位置変更操作をユーザから受け付け、受け付けた操作内容に基づいて作成した変更情報をモニタ1へ送信する。モニタ1は、PC3からの変更情報に基づいてメモリ12に記憶された位置情報を更新し、更新した位置情報に基づいてLUT16のテーブルを切り替えるなど領域毎の画像処理を行う。これにより、モニタ1の領域検出部15が行った領域検出処理の結果に誤差が生じた場合であっても、PC3のマウス6などを利用してユーザが領域検出の結果を調整でき、モニタ1の表示画質を向上できる。
【0059】
また、モニタ1は、領域検出部15による領域検出処理を繰り返し行っているが、PC3から変更情報を受信してメモリ12の位置情報を更新した後は、領域検出処理を停止する。これにより、ユーザの位置変更操作に基づいてモニタ1のメモリ12に記憶された位置情報が更新された後に、モニタ1の領域検出部15による自動的な領域検出処理が行われてメモリ12の位置情報が更に更新されることを防止できる。また、ユーザの位置変更操作を受け付ける際に、位置情報に基づいて領域検出の結果を強調表示する構成とすることにより、ユーザは検出された領域の位置変更を容易に行うことができる。
【0060】
なお、本実施の形態においては、モニタ1へ画像データを出力する装置をPC3としたが、これに限るものではなく、他の装置であってもよい。また、モニタ1及びPC3がUSBケーブルを介して位置情報及び変更情報等の情報を送受信する構成としたが、これに限るものではなく、他の通信方式により情報の送受信を行う構成であってよく、通信方式は有線又は無線のいずれであってもよい。また、図3に示した位置情報の形式は一例であって、これに限るものではない。また図4には矩形枠を重畳表示することで強調表示を行う例を示したが、強調表示の方法はこれに限るものではなく、例えば各領域の明るさ又は色合い等を変更して表示してもよく、領域毎に点滅表示などを行ってもよく、マウスポインタ61のアイコン形状を領域毎に変化させるなどの方法で行ってもよく、他の方法で行ってもよい。
【0061】
また、モニタ1の領域検出部15は、水平方向線分及び垂直方向線分に基づいてウインドウ又はポップアップウインドウの領域を検出する構成としたが、領域検出のアルゴリズムはこれに限るものではなく、領域検出の対象もウインドウに限るものではない。例えば領域検出部15は、カラー画像に含まれるモノクロ領域を検出するものであってよく、この場合には例えば水平方向及び垂直方向にモノクロ画素が連続する長さが閾値を超えるか否かを判断するなどの方法でモノクロ領域の検出を行うことができる。
【0062】
(変形例)
また、表示システムにおいては、PC3が出力する画像のサイズ(解像度)と、モニタ1の表示部18に表示できる画像のサイズとが異なる場合がある。このような場合、モニタ1は、PC3から与えられた画像を拡大又は縮小して表示部18に表示する必要があり、例えば画像入力部14にて拡大又は縮小の画像処理を行った画像を領域検出部15へ与える。領域検出部15は、拡大又は縮小された画像に対して領域検出を行うため、検出結果として生成される位置情報は、拡大又は縮小された画像における位置(座標)を示す情報である。
【0063】
位置変更操作のためにPC3から位置情報の送信要求が与えられた場合、モニタ1のMPU11は、メモリ12から位置情報を読み出し、画像入力部14による拡大又は縮小の倍率に応じて、位置情報の座標をPC3の画像サイズに適した値に修正し、修正後の位置情報をPC3へ送信する。またPC3にて生成される変更情報は、PC3の画像サイズに応じたものであるため、PC3から変更情報を受信した場合、モニタ1のMPU11は、画像入力部14による拡大又は縮小の倍率に応じて受信した変更情報をモニタ1の画像サイズに適した値に修正し、修正後の変更情報に基づいてメモリ12に記憶された位置情報の更新を行う。
【0064】
このようにPC3の画像サイズとモニタ1の画像サイズとが異なり、モニタ1の画像入力部14が画像のサイズ変更を行う構成であっても、モニタ1のMPU11が、サイズ変更の倍率に応じて位置情報を修正してPC3へ送信すると共に、受信した変更情報を修正して位置情報の更新を行うことによって、上述のようなPC3による領域検出結果の位置変更操作の受け付けを行うことができる。
【0065】
(実施の形態2)
上述のように、モニタ1の領域検出部15が行うウインドウ検出処理では、入力画像中の水平方向又は垂直方向に連続する複数のエッジ画素をエッジ画素群として検出し、このエッジ画素群の長さが閾値以上であるか否かを判定して水平方向線分又は垂直方向線分の検出を行う。また領域検出部15は、2つの水平方向線分又は垂直方向線分の間の距離が閾値以上であるか否かを判定して水平方向線分ペア又は垂直方向線分ペアの検出を行う。領域検出部15は、これらの検出結果に基づいてウインドウを検出するが、この領域検出結果に対する位置変更操作がPC3にてなされた場合、上記の検出に用いた閾値が適切でない可能性がある。
【0066】
そこで、実施の形態2に係る表示システムでは、PC3にて位置変更操作がなされてモニタ1の位置情報が更新された場合、モニタ1のMPU11は、領域検出部15が検出に用いる種々の条件(閾値など)を更新する処理を行う。図7及び図8は、実施の形態2に係るモニタ1が行う閾値更新処理を説明するための模式図である。図7Aには、領域検出部15が検出した水平方向線分及び垂直方向線分の一例が示してある。図示の例では、水平方向線分を検出するための閾値THに対して、領域検出部2は、閾値TH以上の長さのエッジ画素群を水平方向線分Y1、Y2として検出するが、閾値TH未満の長さのエッジ画素群Y1a、Y2aは水平方向線分として検出しない。
【0067】
図7Bには、図7Aにて検出された水平方向線分及び垂直方向線分に基づくウインドウの検出結果の一例が示してある。図示の例では、領域検出部15は、2つのウインドウ1、2を検出している。ここで、図7Cにて矢印で示すように、ウインドウ2として検出された領域に対する位置変更操作がPC3にてなされたとする。図示の例では、ウインドウ2の検出領域を水平方向に減縮する位置変更操作が行われている。この場合、図中には線で示したエッジ画素群Y1a、Y2aを水平方向線分として検出する方が適切である可能性がある。
【0068】
そこで、モニタ1のMPU11は、領域検出結果が変更されて位置情報を更新した場合、領域検出のための閾値を更新する。図8Eに示すように、例えば領域検出結果が水平方向に縮小された場合、MPU11は、水平方向線分を検出するための閾値THを減少させる。これにより、領域検出部15は、図7Aにて検出されなかったエッジ画素群Y1a、Y2aを水平方向線分として検出することができる。なお閾値THの減少量は、位置変更操作に伴う領域の縮小量に応じて決定され、例えば閾値THの減少量=領域の縮小量であってもよい。図8Fには、図8Eにて検出された水平方向線分及び垂直方向線分に基づくウインドウの検出結果の一例が示してある。図示のように、閾値THを減少させて水平方向線分Y1a、Y2aを検出させることによって、領域検出部15は、ユーザが位置変更操作によって変更したウインドウ(図7C参照)と略同じウインドウを検出することができる。
【0069】
なお、上記の説明では水平方向線分を検出するための閾値THについてのみ例を示したが、垂直方向線分を検出するための閾値についても同様に、位置変更操作によって検出結果が垂直方向へ拡大/縮小された場合に、閾値を増加/減少させればよい。また水平方向線分及び垂直方向線分を検出するための閾値のみでなく、水平方向線分ペア及び垂直方向線分ペアを検出するための閾値についても同様に、検出結果が拡大/縮小された場合に、閾値を増加/減少させてもよい。
【0070】
また、ポップアップウインドウの検出処理においても同様に、領域検出部15は、ショート垂直方向線分及びショート水平方向線分を検出するために、エッジ画素群の長さが所定範囲内であるか否かを判定する。ユーザがPC3にてポップアップウインドウの検出結果に対する位置変更操作を行った場合、モニタ1のMPU11は、領域検出部15がショート垂直方向線分及びショート水平方向線分を検出するための所定範囲(上限値及び下限値)を更新する。例えばMPU11は、ポップアップウインドウの領域が拡大/縮小された場合に、所定範囲の上限値及び下限値を増加/減少させる。
【0071】
また上記のウインドウ検出処理及びポップアップウインドウ検出処理において、領域検出部15は、入力画像からエッジ画素を抽出し、水平方向又は垂直方向に連続するエッジ画素をエッジ画素群とする。このときに、例えば水平方向又は垂直方向に連続する複数のエッジ画素の途中に小数の非エッジ画素が含まれた場合、エッジ画素群が分断されて短くなるため、水平方向線分又は垂直方向線分として検出されない虞がある。そこで、領域検出部15は、連続するエッジ画素群の途中に非エッジ画素が含まれている場合であっても、この非エッジ画素の連続数が閾値未満であれば、このエッジ画素群を分断せずに1つのエッジ画素群として扱う構成としてもよい。
【0072】
この構成の場合、非エッジ画素の連続数と比較する閾値が大きいほど、エッジ画素群が分断されにくいため、長いエッジ画素群が検出される。逆に、閾値が小さいほど、エッジ画素群が分断されやすいため、短いエッジ画素群が検出される。そこで、モニタ1のMPU11は、PC3にて領域検出結果に対する位置変更操作がなされ、領域が拡大/縮小された場合に、この閾値を増加/減少させる構成とすることができる。
【0073】
以上のように、実施の形態2に係る表示システムは、PC3にてユーザが位置変更操作を行い、PC3からモニタ1へ変更情報が送信された場合に、モニタ1のMPU11がメモリ13の位置情報を更新すると共に、領域検出部15が領域検出処理に用いる所定条件(閾値など)を更新する構成である。所定条件の更新は、ユーザの位置変更操作によって位置変更がなされた領域を検出できるよう、領域の拡大/縮小に応じて閾値などを調整すればよい。これにより、ユーザがPC3にて位置変更操作を行った以後、モニタ1の領域検出部15による領域検出処理においても、ユーザが所望する領域検出を行うことが可能となる。
【0074】
(実施の形態3)
PC3は汎用的なコンピュータであり、HDD36に記録された種々のアプリケーションプログラムをユーザが選択して利用することが可能である。またモニタ1の表示部18に表示される画像は、PC3にて実行されるアプリケーションプログラムによって、ウインドウ数及びウインドウのデザイン等が様々である。そこで、実施の形態3に係る表示システムでは、PC3にてユーザが使用するアプリケーションプログラムが切り替えられた場合(例えばアプリケーションプログラムが起動された場合又はアクティブウインドウのアプリケーションプログラムが切り替えられた場合等)に、モニタ1の領域検出部15が領域検出処理に用いる閾値等の条件を切り替える。
【0075】
実施の形態3のPC3は、領域検出の条件をアプリケーションプログラム毎に予めHDD36に記憶しており、ユーザによるキーボード5又はマウス6等の操作によってアプリケーションプログラムが切り替えられた場合に、切り替え後のアプリケーションプログラムに対応した領域検出の条件を読み出し、USB通信部33にてモニタ1へアプリケーションプログラムの切り替えを通知すると共に読み出した条件を送信する。アプリケーションプログラム切り替えの通知をUSB通信部13にて受信したモニタ1は、通知と共に受信した条件をMPU11が領域検出部15へ与える。以後、領域検出部15は、MPU11から与えられた条件を用いて領域検出処理を行う。
【0076】
なお、アプリケーションプログラム毎の領域検出の条件は、モニタ1のメモリ12に予め記憶しておく構成であってもよい。この構成の場合、PC3は、アプリケーションプログラム名などをモニタ1へ通知し、モニタ1はこの通知に応じてメモリ12から条件を読み出して領域検出処理を行う。
【0077】
図9は、実施の形態3のPC3が行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。PC3のCPU31は、キーボード5又はマウス6等の入力に応じて、実行するアプリケーションプログラムの切り替えが行われたか否かを判定し(ステップS21)、切り替えが行われていない場合には(S21:NO)、切り替えが行われるまで待機する。アプリケーションプログラムの切り替えが行われた場合(S21:YES)、CPU31は、PC3にて実行するアプリケーションプログラムに適した領域検出の条件をHDD36から読み出し(ステップS22)、USB通信部33にてモニタ1へアプリケーションプログラムの切り替えを通知すると共に、読み出した領域検出条件をモニタ1へ送信し(ステップS23)、処理を終了する。
【0078】
図10は、実施の形態3のモニタ1が行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。モニタ1のMPU11は、USB通信部13にてPC3からアプリケーションプログラムの切替通知を受信したか否かを判定し(ステップS31)、切替通知を受信していない場合(S31:NO)、切替通知を受信するまで待機する。アプリケーションプログラムの切替通知を受信した場合(S31:YES)、MPU11は、切替通知と共にPC3から送信される領域検出条件をUSB通信部11にて受信して取得し(ステップS32)、この領域検出条件を領域検出部15へ与えることによって、領域検出条件の更新を行って(ステップS33)、処理を終了する。
【0079】
以上の構成の実施の形態3に係る表示システムは、PC3にて実行されるアプリケーションプログラムに応じて、モニタ1の領域検出部15の領域検出処理にて用いる領域検出の条件を更新することができるため、領域検出の精度を向上することができ、モニタ1の表示品質を高めることができる。ウインドウの境界線(エッジ)が極端に細いアプリケーションプログラムとウインドウの境界線が極端に太いアプリケーションとを混在して利用する環境においては特に有用である。なお、モニタ1がアプリケーションプログラム毎の領域検出条件を更新した場合、この更新内容をPC3のHDD36に記憶された領域検出条件に反映させてよい。
【0080】
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4に係る表示システムの構成を示すブロック図である。実施の形態4に係る表示システムは、複数のモニタ1及びPC3を備え、各PC3が有線又は無線のネットワークを介して通信を行う機能を有し、複数のPC3が共通のネットワーク8に接続された構成である。また実施の形態4に係る表示システムはサーバ装置9を備え、このサーバ装置9は、ネットワーク8を介して複数のPC3と通信を行うことができる。
【0081】
サーバ装置9は、CPU91、通信部92、HDD93、入力部94及び表示部95等を備えて構成されている。CPU91は、HDD93に予め記憶された種々のプログラムを実行することによって、PC3内の各部の制御処理及び各種の演算処理を実行する。特に本実施の形態に係るサーバ装置9のCPU91は、ネットワーク8を介して接続された複数のモニタ1及びPC3の管理処理を行う。通信部92は、ネットワーク8に接続されており、CPU91の制御に応じてPC3との間でデータの送受信を行う(なお、図1において図示は省略したが、PC3も同様の通信部を備えている)。
【0082】
HDD93は、大容量の磁気記憶装置であり、種々のプログラム及びデータが記憶される。例えばサーバ装置9は、PC3との通信により受信したデータをHDD93に記憶する。入力部94は、マウス又はキーボード等の入力装置を有するものであり、表示システムの管理者などがサーバ装置9を操作する際に用いられる。表示部95は、液晶パネル又はPDP等であり、サーバ装置9の本体と一体的に設けられるものであってもよく、別体として設けられるもの(モニタ1と同様のもの)であってもよい。
【0083】
実施の形態4の各PC3は、接続されたモニタ1の領域検出部15が領域検出処理に用いる条件を取得することができる。例えばPC3のCPU31は、周期的に又はサーバ装置9の要求に応じて、USB通信部33からモニタ1へ領域検出条件の送信要求を与える。この送信要求をUSB通信部13にて受信したモニタ1のMPU11は、領域検出部15から領域検出条件を取得してUSB通信部13へ与えることによりPC3へ送信する。モニタ1からの領域検出条件をUSB通信部33にて受信したPC3のCPU31は、ネットワーク8を介してこの領域検出条件をサーバ装置9へ送信する。
【0084】
サーバ装置9は、各PC3からの領域検出条件を受信して収集し、ハードディスクなどに記憶する。サーバ装置9は、例えばデフォルトの領域検出条件に対して、その内容が著しく変更された条件(例えば閾値の変更量が所定量を超えた条件など)の有無を判定し、著しく変更された領域検出条件の平均値、最小値又は最大値等を算出する。サーバ装置9は、算出した平均値、最小値又は最大値等を新たな領域検出条件として各PC3へ送信する。
【0085】
サーバ装置9からの領域検出条件を受信したPC3のCPU31は、USB通信部33にてモニタ1へ領域検出条件の更新指示を与えると共に、サーバ装置9からの領域検出条件を送信する。PC3からの領域検出条件の更新指示をUSB通信部13にて受信したモニタ1のMPU11は、更新指示と共に受信した領域検出条件を領域検出部15へ与える。以後、領域検出部15は、MPU11から与えられた条件を用いて領域検出処理を行う。
【0086】
図12は、実施の形態4のPC3が行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。PC3のCPU31は、周期的なタイミング又はサーバ装置9からの要求を受信した場合など、領域検出条件の取得を行うタイミングに至ったか否かを判定する(ステップS41)。領域検出条件の取得タイミングに至ったと判定した場合(S41:YES)、CPU31は、USB通信部33にてモニタ1へ領域検出条件の送信要求を与える(ステップS42)。
【0087】
次いでCPU31は、USB通信部33にてモニタ1から領域検出条件を受信したか否かを判定し(ステップS43)、領域検出条件を受信していない場合には(S43:NO)、領域検出条件を受信するまで待機する。領域検出条件を受信した場合(S43:YES)、CPU31は、この領域検出条件をサーバ装置9へ送信し(ステップS44)、ステップS41へ処理を戻す。
【0088】
またCPU31は、領域検出条件の取得を行うタイミングに至っていないと判定した場合(S41:NO)、サーバ装置9からの領域検出条件を受信したか否かを更に判定する(ステップS45)。領域検出条件を受信した場合(S45:YES)、CPU31は、USB通信部33にてモニタ1へ領域検出条件の更新指示を与えると共に、サーバ装置からの領域検出条件をモニタ1へ送信し(ステップS46)、ステップS41へ処理を戻す。領域検出条件を受信していない場合(S45:NO)、CPU31は、ステップS41へ処理を戻す。CPU31は、上述の処理を繰り返し行っている。
【0089】
図13は、実施の形態4のモニタ1が行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。モニタ1のMPU11は、USB通信部13にてPC3から領域検出条件の送信要求を受信したか否かを判定する(ステップS51)。送信要求を受信した場合(S51:YES)、MPU11は、領域検出部15から領域検出条件を取得し(ステップS52)、取得した領域検出条件をUSB通信部13にてモニタ1へ送信し(ステップS53)、ステップS51へ処理を戻す。
【0090】
PC3から領域検出条件の送信要求を受信していない場合(S51:NO)、MPU11は、USB通信部13にてPC3から領域検出条件の更新指示を受信したか否かを更に判定する(ステップS54)。更新指示を受信した場合(S54:YES)、MPU11は、更新指示と共にPC3から送信される領域検出条件を取得し(ステップS55)、取得した領域検出条件を領域検出部15へ与えることによって、領域検出条件の更新を行い(ステップS56)、ステップS51へ処理を戻す。更新指示を受信していない場合(S54:NO)、MPU11は、ステップS51へ処理を戻す。MPU11は、上述の処理を繰り返し行っている。
【0091】
図14は、実施の形態4のサーバ装置9が行う領域検出条件更新処理の手順を示すフローチャートである。サーバ装置9は、PC3から送信される領域検出条件を受信したか否かを判定し(ステップS61)、領域検出条件を受信していない場合には(S61:NO)、領域検出条件を受信するまで待機する。領域検出条件を受信した場合(S61:YES)、サーバ装置9は、受信した領域検出条件をハードディスクなどに記憶する(ステップS62)。
【0092】
またサーバ装置9は、記憶した領域検出条件が、デフォルトの領域検出条件に対して著しく変化しているか否かを判定する(ステップS63)。領域検出条件が著しく変化していないと判定した場合(S63:NO)、サーバ装置9は、ステップS61へ処理を戻す。領域検出条件が著しく変化したと判定した場合(S63:YES)、サーバ装置9は、複数のPC3から受信した領域検出条件の平均値又は最大値を算出し(ステップS64)、算出結果を新たな領域検出条件として各PC3へ送信し(ステップS65)、ステップS61へ処理を戻す。
【0093】
以上の構成の実施の形態4に係る表示システムは、各モニタ1の領域検出部15の領域検出処理に用いる閾値などの領域検出条件をサーバ装置9が収集し、複数の領域検出条件の平均値、最小値又は最大値等を算出して各PC3へ送信することで各モニタ1の領域検出処理を更新する構成である。この構成により、一のモニタ1及びPC3にて領域検出条件が更新された場合に、この更新を表示システム中の他のモニタ1の領域検出処理に反映することができる。なお本実施の形態においては、サーバ装置9は、領域検出条件が著しく変化した場合に平均値、最小値又は最大値等を算出して各PC3に送信する構成としたが、これに限るものではなく、領域検出条件に著しい変化がない場合であっても、例えば周期的に領域検出条件の平均値、最小値又は最大値等を算出して各PC3へ送信する構成であってよい。
【符号の説明】
【0094】
1 モニタ(表示装置)
3 PC(画像出力装置)
5 キーボード
6 マウス(受付手段)
8 ネットワーク
9 サーバ装置
11 MPU(画像処理手段、更新手段、所定条件更新手段)
12 メモリ(記憶部)
13 USB通信部
14 画像入力部(サイズ変更手段)
15 領域検出部(領域検出手段)
16 LUT(画像処理手段)
17 駆動部
18 表示部
31 CPU(取得手段、生成手段、情報出力手段、処理手段、切替通知手段、所定条件取得手段、共通所定条件受信手段、共通所定条件出力手段)
32 画像出力部(画像出力手段)
33 USB通信部(取得手段、情報出力手段、切替通知手段)
34 入力I/F部(受付手段)
35 RAM
36 HDD
91 CPU(所定条件受信手段、共通所定条件生成手段、所定条件送信手段)
92 通信部(所定条件受信手段、所定条件送信手段)
93 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部、該表示部に表示する画像中の所定条件を満たす領域を検出する領域検出手段、該領域検出手段が検出した領域の位置情報を記憶する記憶部、該記憶部に記憶された位置情報に係る領域に対して所定の画像処理を行う画像処理手段を有する表示装置と、表示する画像を前記表示装置へ出力する画像出力手段を有する画像出力装置とを備える表示システムであって、
前記画像出力装置は、
前記記憶部に記憶された位置情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した位置情報に係る領域の変更操作を受け付ける受付手段と、
該受付手段が受け付けた変更操作に応じて、前記領域の位置に係る変更情報を生成する生成手段と、
該生成手段が生成した変更情報を前記表示装置へ出力する情報出力手段と
を有し、
前記表示装置は、前記画像出力装置の前記情報出力手段が出力した変更情報に応じて、前記記憶部に記憶した位置情報を更新する更新手段を有すること
を特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記表示装置の前記領域検出手段は、
領域検出の処理を繰り返し行い、
前記更新手段が位置情報の更新を行った後は、前記領域検出の処理を停止するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示装置は、前記画像出力装置が出力した画像の水平幅及び/又は垂直幅を所定倍率で拡大又は縮小するサイズ変更手段を有し、
前記更新手段は、前記画像出力装置の前記情報出力手段が出力した変更情報と、前記所定倍率とに応じて、前記記憶部に記憶した位置情報を更新するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記記憶部に記憶した位置情報に係る領域を強調表示する手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記画像出力装置は、
プログラムの実行により前記画像出力手段が出力する画像を生成する処理を行う処理手段と、
該処理手段が実行するプログラムが切り替えられた場合に、前記表示装置へ切替を通知する切替通知手段と
を有し、
前記表示装置の前記領域検出手段は、前記画像出力装置からの前記通知に応じて、前記所定条件を更新するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項6】
前記表示装置の前記領域検出手段は、前記画像出力装置の前記情報出力手段が出力した変更情報に応じて、前記所定条件を更新するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示システム。
【請求項7】
複数の前記表示装置及び前記画像出力装置と、サーバ装置とを備え、
各画像出力装置は、前記表示装置から前記所定条件を取得する所定条件取得手段を有し、該所定条件取得手段が取得した所定条件を前記サーバ装置へ送信するようにしてあり、
前記サーバ装置は、
前記画像出力装置が送信した所定条件を受信する所定条件受信手段と、
該所定条件受信手段が受信した一又は複数の所定条件を基に、複数の前記画像出力装置に共通の所定条件を生成する共通所定条件生成手段と、
該所定条件生成手段が生成した共通所定条件を、複数の前記画像出力装置へ送信する所定条件送信手段と
を有し、
各画像出力装置は、
前記サーバ装置の前記所定条件送信手段が送信した共通所定条件を受信する共通所定条件受信手段と、
該共通所定条件受信手段が受信した共通所定条件を、前記表示装置へ出力する共通所定条件出力手段と
を更に有し、
前記表示装置は、前記画像出力装置の前記共通所定条件出力手段が出力した共通所定条件に応じて、前記領域検出手段が領域検出に用いる所定条件を更新する所定条件更新手段を有すること
を特徴とする請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
画像を表示する表示部、該表示部に表示する画像中の所定条件を満たす領域を検出する領域検出手段、該領域検出手段が検出した領域の位置情報を記憶する記憶部、該記憶部に記憶された位置情報に係る領域に対して所定の画像処理を行う画像処理手段を有する表示装置に対して、前記表示部に表示する画像を前記表示装置へ出力する画像出力手段を備える画像出力装置であって、
前記記憶部に記憶された位置情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した位置情報に係る領域の変更操作を受け付ける受付手段と、
該受付手段が受け付けた変更操作に応じて、前記領域の位置に係る変更情報を生成する生成手段と、
該生成手段が生成した変更情報を前記表示装置へ出力する情報出力手段と
を備えること
を特徴とする画像出力装置。
【請求項9】
画像を表示する表示部と、該表示部に表示する画像中の所定条件を満たす領域を検出する領域検出手段と、該領域検出手段が検出した領域の位置情報を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された位置情報に係る領域に対して所定の画像処理を行う画像処理手段とを備える表示装置であって、
他の装置との間で情報の入出力を行う手段と、
前記他の装置へ前記記憶部に記憶した位置情報を出力する手段と、
前記他の装置から入力された変更情報に応じて、前記記憶部に記憶した位置情報を更新する更新手段と
を備えること
を特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−68666(P2013−68666A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205167(P2011−205167)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】