説明

表示システム、表示システムの制御プログラム、および画像形成装置

【課題】ユーザビリティを向上することのできる表示システム、表示システムの制御プログラム、および画像形成装置を提供する。
【解決手段】表示システムは、操作パネルを含むMFP(Multifunction Peripheral)と、MFPと通信可能な端末装置とを備えた表示システムである。MFPは、操作パネルに表示している画面の情報と、操作パネルと端末装置との位置関係に関する情報である位置関係情報とに基づいて、端末装置に表示するメニュー画面を決定する(S7)。MFPは、決定したメニュー画面に関する情報を端末装置へ送信する(S9)。端末装置は、受信した情報に基づくメニュー画面を表示する(S10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示システム、表示システムの制御プログラム、および画像形成装置に関し、より特定的には、ユーザビリティを向上することのできる表示システム、表示システムの制御プログラム、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末が高機能化しており、個人がPC(パーソナルコンピューター)の代わりに携帯情報端末を所有している。携帯情報端末では、電子化された文書を任意の場所で自由に閲覧および編集することができる。携帯情報端末は、業務や生活の様々な場面で用いられるようになっている。
【0003】
携帯情報端末の高機能化に伴い、操作パネルを搭載した画像形成装置と、携帯情報端末とを備えた表示システムにおいて、画像形成装置と携帯情報端末との連携が求められている。
【0004】
画像形成装置と携帯情報端末とが連携するシステムにおいて、画像形成装置の情報を携帯情報端末に表示する技術は、たとえば下記特許文献1または2などに開示されている。下記特許文献1には、画像形成装置と携帯情報端末とからなり、携帯通信端末に画像形成装置の情報を表示させる画像形成装置情報伝達システムが開示されている。画像形成装置は、記録材上に画像を形成するための画像処理部と、画像処理部に接続されて画像形成装置の状態を表示し、操作者の操作を受け付けるための表示部と、外部機器との通信を行うための通信部とからなっている。携帯情報端末は、外部機器との通信を行うための通信部と、通信部を使用して授受される情報を表示し、操作者の操作を受け付けるための表示部とを有する携帯情報端末とからなっている。
【0005】
下記特許文献2には、複合機に接続された携帯端末機を用いて、複合機に実行させる機能を選択可能な技術が開示されている。下記特許文献2の技術では、携帯端末機と複合機とが接続されると、携帯端末機の機能一覧要求送信手段は機能一覧要求を送信し、複合機の機能一覧送信手段は機能一覧要求を受信するのに応答して、複合機で実行可能な機能一覧を携帯端末機に送信する。ユーザインターフェース画面作成手段は、受信した機能一覧から、表示条件記憶手段に記憶されている表示条件を満たす表示にて各機能を表示する第1ユーザインターフェース画面を作成する。選択機能特定データ送信手段は、携帯端末機の操作部の操作によって選択された機能と属性情報を特定する選択機能特定データを複合機に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−193949号公報
【特許文献2】特開2008−92077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常、画像形成装置の操作パネルの画面には複数のメニューが表示可能である。これらのメニューは、画像形成装置の動作を設定する際などに押下されるものである。操作パネルにおいて、メニューに関する画面の表示方法には階層の概念が取り入れられている。
【0008】
たとえば、操作パネルが用紙設定や画質設定などのメニュー(ボタンやアイコンなど)を含む最上位階層(第1の階層)の画面を表示している状態で、用紙設定に関するメニューの押下(クリックやタッチなど)を受け付けた場合、操作パネルは、用紙設定のメニューに関する画面を、第1の階層の1つ下の階層(第2の階層)の画面として表示する。さらに、操作パネルが用紙設定のメニューに関する第2の階層の画面であって、用紙サイズの設定や用紙の向きの設定などのメニューを含む画面を表示している状態で、用紙サイズ設定のメニューの押下を受け付けた場合、操作パネルは、用紙サイズの設定のメニューに関する画面を、第2の階層の1つ下の階層(第3の階層)の画面として表示する。この画面の変化は、操作パネルの表示画面の上下の移動に相当する。
【0009】
また、操作パネルが各種設定のタブを含む画面を表示している状態で、特定のタブの押下を受け付けた場合、操作パネルは特定のタブに関する画面であって、現在表示している画面の階層と同じ階層の別の画面を表示する。この画面の変化は、操作パネルの表示画面の横の移動に相当する。
【0010】
上述のように、従来の技術では、操作パネルの現在の表示画面を上下または横の階層に移動する場合には、操作パネルの画面に表示されたボタンやタブなどを実際に押下する必要があった。このため、操作パネルのユーザビリティが劣っていた。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、ユーザビリティを向上することのできる表示システム、表示システムの制御プログラム、および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の局面に従う表示システムは、操作パネルを含む画像形成装置と、画像形成装置と通信可能な表示装置とを備えた表示システムであって、画像形成装置は、操作パネルに表示している画面の情報と、操作パネルと表示装置との位置関係に関する情報である位置関係情報とに基づいて、表示装置に表示する画面を決定する決定手段と、決定手段にて決定した画面に関する情報を表示装置へ送信する画面情報送信手段とを含み、表示装置は、画面情報送信手段から受信した情報に基づく画面を表示する表示手段を含む。
【0013】
上記表示システムにおいて好ましくは、表示装置は、表示手段にて表示した画面の操作を受け付ける操作受付手段と、操作受付手段にて受け付けた操作の情報を画像形成装置に送信する操作情報送信手段とをさらに含み、画像形成装置は、操作情報送信手段にて送信した操作の情報に基づく処理を実行する処理実行手段をさらに含み、画面情報送信手段は、処理実行手段にて実行した処理に伴う更新画面に関する情報を表示装置へさらに送信する。
【0014】
上記表示システムにおいて好ましくは、操作受付手段は、ハードウェアキー、タッチパネル、マウス、および音声入力装置のうち少なくとも1つを用いた操作を受け付ける。
【0015】
上記表示システムにおいて好ましくは、決定手段は、操作パネルに表示している画面の情報および位置関係情報のうち少なくともいずれか一方が変更された場合に、表示装置に表示する更新画面を決定し、決定手段が決定した更新画面が、決定手段が前回決定した画面とは異なる場合に、表示手段は、画面情報送信手段から受信した情報に基づく更新画面を表示する。
【0016】
上記表示システムにおいて好ましくは、表示装置は、表示手段にて表示した画面の操作を受け付けた場合に、表示手段が更新画面を表示することを保留させる保留手段をさらに含む。
【0017】
上記表示システムにおいて好ましくは、保留手段が更新画面の表示を保留させた場合において、表示手段にて表示した画面の表示を解除する操作が行なわれたときは、表示手段は更新画面を表示する。
【0018】
上記表示システムにおいて好ましくは、画面情報送信手段は、決定手段にて決定した画面のデータを表示装置に送信する。
【0019】
上記表示システムにおいて好ましくは、表示手段は、画面情報送信手段から受信した情報に基づく画面を作成する画面作成手段をさらに含む。
【0020】
上記表示システムにおいて好ましくは、表示装置は、モーションセンサー、近接センサー、人感センサー、グローバルポジショニングシステム受信機、およびモーショントラッキング装置のうち少なくともいずれか1つを用いて、位置関係情報を取得する位置関係情報取得手段と、位置関係情報取得手段にて取得した位置関係情報を画像形成装置へ送信する位置関係情報送信手段とをさらに含む。
【0021】
上記表示システムにおいて好ましくは、決定手段は、操作パネルに表示している画面の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける構成要素と、表示装置との距離に基づいて、表示装置に表示する画面を決定する。
【0022】
上記表示システムにおいて好ましくは、決定手段は、操作パネルに表示している画面の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける構成要素と画面の外縁との距離と、外縁と表示装置との距離とに基づいて、表示装置に表示する画面を決定する。
【0023】
上記表示システムにおいて好ましくは、決定手段は、操作パネルに表示している画面の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける構成要素と表示装置とを結ぶ直線が、仮想直線に対してなす角度にさらに基づいて、表示装置に表示する画面を決定する。
【0024】
上記表示システムにおいて好ましくは、決定手段は、操作パネルに表示している画面の複数の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける複数の構成要素の各々の優先度にさらに基づいて、表示装置に表示する画面を決定する。
【0025】
上記表示システムにおいて好ましくは、決定手段は、操作パネルと表示装置との2次元での位置関係に関する位置関係情報に基づいて、表示装置に表示する画面を決定する。
【0026】
本発明の他の局面に従う表示システムの制御プログラムは、操作パネルを含む画像形成装置と、画像形成装置と通信可能な表示装置とを備えた表示システムの制御プログラムであって、操作パネルに表示している画面の情報と、操作パネルと表示装置との位置関係に関する情報である位置関係情報とに基づいて、表示装置に表示する画面を画像形成装置で決定する決定ステップと、決定ステップにて決定した画面に関する情報を画像形成装置から表示装置へ送信する画面情報送信ステップと、画面情報送信ステップにおいて受信した情報に基づく画面を表示装置に表示する表示ステップとをコンピューターに実行させる。
【0027】
本発明のさらの他の局面に従う画像形成装置は、操作パネルを備えた画像形成装置であって、操作パネルに表示している画面の情報と、画像形成装置と通信可能な表示装置と操作パネルとの位置関係に関する情報である位置関係情報とに基づいて、表示装置に表示する画面を決定する決定手段と、決定手段にて決定した画面に関する情報を表示装置へ送信する画面情報送信手段とをさらに備える。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザビリティを向上することのできる表示システム、表示システムの制御プログラム、および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態における表示システムの概略的な構成を示す図である。
【図2】MFP100の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態における操作パネル150の構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態における端末装置200の内部構成を示すブロック図である。
【図5】MFP100と端末装置200との無線通信を概念的に示す図である。
【図6】操作パネル150に対する端末装置200の位置と、端末装置200が表示する画面との関係を模式的に示す図である。
【図7】端末装置200に表示する画面の第1の決定方法を説明する図である。
【図8】端末装置200に表示する画面の第1の決定方法を採用した場合における、端末装置200の位置と端末装置200に表示される画面との関係を示す図である。
【図9】端末装置200に表示する画面の第2の決定方法を説明する図である。
【図10】端末装置200に表示する画面の第2の決定方法を採用した場合における、端末装置200の位置と端末装置200に表示される画面との関係を示す図である。
【図11】端末装置200に表示する画面の第3の決定方法を説明する図である。
【図12】端末装置200に表示する画面の第4の決定方法を説明する図である。
【図13】モーションセンサーを用いた場合の位置関係情報の取得方法の一例を説明する図である。
【図14】GPS受信機を用いた場合の位置関係情報の取得方法の一例を説明する図である。
【図15】3次元の位置関係情報に基づく場合の表示システムの動作を説明する図である。
【図16】端末装置200に画面を表示した後の表示システムの動作を説明する図である。
【図17】表示システムの動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の変形例における、操作パネル150に対する端末装置200の位置と、端末装置200が表示する画面との関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0031】
本実施の形態の表示システムは、操作パネルを含む画像形成装置と、画像形成装置と通信可能な表示装置とを備えた表示システムであり、画像形成装置と表示装置とが互いに連携する表示システムである。操作パネルとは、各種設定項目やメッセージなどを表示し、かつユーザーから各種操作を受け付ける操作表示部を含むものである。表示装置とは、各種情報を表示可能なものである。本実施の形態では、画像形成装置がMFP(Multifunction Peripheral)であり、表示装置が端末装置(携帯情報端末)である場合について説明する。
【0032】
[表示システムの構成]
始めに、本実施の形態における表示システムの構成について説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施の形態における表示システムの概略的な構成を示す図である。
【0034】
図1を参照して、表示システムは、MFP100と、n(nは2以上の整数)個の端末装置200a、200b、・・・・(以降、端末装置のうち任意のものを端末装置200と呼ぶ)と、サーバーPC(Personal computer)300とを備えている。MFP100は、たとえばスキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンターとしての機能、データ通信機能、およびサーバー機能を有している。端末装置200は、たとえば携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの通信端末である。MFP100、端末装置200、およびサーバーPC300の各々は、ネットワーク400を通じて相互に接続されている。
【0035】
ネットワーク400は、たとえば有線または無線のLAN(Local Area Network)などの専用回線を用いたものである。ネットワーク400は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のプロトコルを用いて各種機器を接続する。ネットワーク400に接続された機器は、お互いに各種データのやり取りが可能となっている。特に端末装置200は、その携帯性に鑑みて、無線によりネットワーク400に接続されていることが好ましいが、有線によりネットワーク400に接続されていてもよい。なお、ネットワーク400は一般回線を用いたものであってもよい。
【0036】
MFP100は、たとえば、走査した原稿画像や、端末装置200やサーバーPC300から受信したプリントデータに基づいて生成した画像の複写画像を、用紙上に形成する。プリントデータとは、たとえば、端末装置200やサーバーPC300のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムが発行する描画命令を、プリンタドライバによってMFP100が処理可能なページ記述言語に変換したものである。プリントデータは、PDF、TIFF、JPEG、またはXPSなどのファイルフォーマットで記述された文書データなどであってもよい。
【0037】
MFP100は、ネットワーク400を介して、端末装置200やサーバーPC300に原稿画像を送信することも可能である。さらにMFP100は、端末装置200やサーバーPC300から受信した文書データを、MFP100内の記憶部111(図2)に蓄積することも可能である。
【0038】
端末装置200およびサーバーPC300の各々は、MFP100との間で無線通信または有線通信(好ましくは無線通信)によりデータの送受信を行うことが可能である。端末装置200およびサーバーPC300の各々は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、固定記憶装置、モニター、およびタッチ操作可能なLCD(Liquid Crystal Display)パネルなどを有している。
【0039】
なお、表示システムは、図1とは異なる構成を有していてもよい。画像形成装置は、たとえば電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものであり、MFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンターなどであってもよい。表示装置は、端末装置である場合の他、たとえば画像形成装置に対して着脱可能な操作パネルなどであってもよい。表示システムは、サーバーPCを備えていなくてもよい。
【0040】
図2は、MFP100の内部構成を示すブロック図である。
【0041】
図2を参照して、MFP100は、制御部101(制限処理部)と、画像処理部103と、転送部105と、スキャナ部107と、印刷部109と、記憶部111と、操作パネル150とを主に含んでいる。制御部101は、MFP100の制御プログラム101aを実行するCPUと、制御プログラム101aなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、CPUの作業用のメモリであるRAMなどを含んでいる。
【0042】
画像処理部103は、画像データに対して処理を行なう。転送部105は、ネットワークインターフェースであり、端末装置200などに対して画像データや画像サイズなどの情報の通信を行なう。スキャナ部107は、原稿の画像を読み取り、画像データを生成する。印刷部109は、画像処理部103にて処理された画像データに基づいて用紙などに画像を形成する。記憶部111は、たとえばハードディスク装置であり、操作パネル150および端末装置200に表示する画面、画像、または文書などのデータを記憶している。
【0043】
制御部101は、画像処理部103、転送部105、スキャナ部107、印刷部109、記憶部111、および操作パネル150の各々と、通信または信号の送受信を実施することで、MFP100全体を制御する。
【0044】
図3は、本発明の一実施の形態における操作パネル150の構成を模式的に示す図である。
【0045】
図3を参照して、操作パネル150は、タッチパネル方式の操作表示部(タッチパネル)151と、各種数値の入力を受け付けるテンキー153と、MFP100の各種機能を選択する際やMFP100にジョブを実行させる際に押下されるスタートキーや、ジョブの中止の際に押下されるストップキーなどのハードウェアキー155などを主に備えている。操作表示部151には、MFP100の状態などに応じて様々な画面が表示される。MFP100のコピージョブの基本画面(MFP100がコピージョブの各種設定を受け付ける画面)には、MFP100に登録されているジョブの一覧を表示する際に押下されるジョブ表示アイコン161aと、コピージョブに関する設定を確認する際に押下される設定確認アイコン161bと、コピージョブにおける応用機能を設定する際に押下される応用設定アイコン161cなどが表示される。これらのボタンは、操作表示部151に表示されたアイコン(ボタン、操作表示部151のソフトウェアキー)である。操作表示部151はxy平面内に延在している。
【0046】
図4は、本発明の一実施の形態における端末装置200の内部構成を示すブロック図である。
【0047】
図4を参照して、端末装置200は、制御部201(制限処理部)と、転送部203と、端末通信部205と、記憶部207と、タッチパネル方式の操作表示部250とを主に含んでいる。制御部201は、端末装置200の制御プログラム201aを実行するCPUと、制御プログラム201aなどを記憶するROMと、CPUの作業用のメモリであるRAMなどを含んでいる。
【0048】
転送部203は、ネットワークインターフェースであり、MFP100などに対して画像データや画像サイズなどの情報の通信を行なう。記憶部207は、たとえばハードディスク装置であり、画像または文書などを記憶している。
【0049】
端末通信部205は、操作表示部250で受け付けた操作の情報をMFP100に送信する。また端末通信部205は、制御部201の制御によって位置関係情報を取得し、MFP100に送信する。位置関係情報とは、操作パネル150と端末装置200との位置関係に関する情報である。
【0050】
端末通信部205は、モーションセンサー、近接センサー、人感センサー、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、およびモーショントラッキング装置のうち少なくともいずれか1つを用いて、位置関係情報を取得する。モーションセンサーとは、加速度を検出するセンサーである。近接センサーとは、検出コイルのインピーダンス変化、静電容量変化、または高周波発振の周波数の変化などに基づいて、非接触で検出物体が近づいたことを検出するセンサーである。人感センサーとは、赤外線、超音波、または可視光などを用いて、物体の所在を関知するセンサーである。GPS受信機とは、GPS衛星から受信した電波の到達時間差から位置を求めるものである。モーショントラッキング装置とは、対象物の動きの軌跡を記録する装置である。端末通信部205は、上述以外の方法で位置関係情報を取得してもよい。
【0051】
操作表示部250は、各種情報を表示し、表示した画面の操作をユーザーから受け付ける。操作表示部250は、ユーザーによるマルチタッチ操作を受け付け可能である。なお、操作表示部250は、タッチパネル以外の操作入力を受け付けるものであってもよく、ハードウェアキー、タッチパネル、マウス、および音声入力装置のうち少なくとも1つを用いた操作を受け付けるものであってもよい。操作表示部250は、操作入力を受け付けず、表示機能のみを有していてもよい。
【0052】
[表示システムの概略的な動作]
続いて、本実施の形態における表示システムの概略的な動作について説明する。
【0053】
図5は、MFP100と端末装置200との無線通信を概念的に示す図である。
【0054】
図5を参照して、端末装置200は、位置関係情報を生成し、生成した位置関係情報を無線通信によりMFP100へ送信する。MFP100は、操作パネル150に表示している画面の情報と、位置関係情報とに基づいて、端末装置200に表示する画面を決定する。MFP100は、決定した画面に関する情報を端末装置200へ送信する。端末装置200は、MFP100から受信した情報に基づく画面を操作表示部250に表示する。
【0055】
端末装置200は、操作表示部250に表示した画面の操作を受け付けた場合に、その操作の情報をMFP100に送信する。MFP100は、端末装置200から受信した操作の情報に基づく処理を実行し、実行した処理に伴う更新画面に関する情報を端末装置200へさらに送信する。
【0056】
図6は、操作パネル150に対する端末装置200の位置と、端末装置200が表示する画面との関係を模式的に示す図である。
【0057】
図6を参照して、たとえば、操作パネル150が表示している画面に、ジョブ表示アイコン161a、設定確認アイコン161b、および応用設定アイコン161cなどのアイコン(ソフトウェアキー、構成要素)が含まれている場合を想定する。これらのアイコンは、操作パネル150の画面変更の指示を受け付けるものである。具体的には、ジョブ表示アイコン161aが押下された場合には、操作パネル150は、MFP100に登録されているジョブの一覧の画面(以降、ジョブ表示アイコン161aのメニュー画面と呼ぶことがある)を表示する。設定確認アイコン161bが押下された場合には、操作パネル150は、コピージョブに関して有効にされている設定を示す画面(以降、設定確認アイコン161bのメニュー画面と呼ぶことがある)を表示する。応用設定アイコン161cが押下された場合には、操作パネル150は、応用機能として設定可能な項目を示す画面(以降、応用設定アイコン161cのメニュー画面と呼ぶことがある)を表示する。
【0058】
MFP100は、ジョブ表示アイコン161a、設定確認アイコン161b、および応用設定アイコン161cと、端末装置200との位置関係に関する位置関係情報に基づいて、端末装置200に表示する画面を決定する。MFP100は、たとえば、上記の3つのアイコンのうち端末装置200が最も近いアイコンを特定し、そのアイコンを押下した場合に操作パネル150に表示される画面と同一の画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。位置関係情報は、2次元での(図3中z軸を無視したxy平面内の)操作パネル150と端末装置200との位置関係に関する情報であってもよいし、3次元の操作パネル150と端末装置200との位置関係に関する情報であってもよい。
【0059】
具体的には、操作パネル150の操作表示部151(表示パネル)と平行な平面(図3中xy平面)において、端末装置200が上記の3つのアイコンのうちジョブ表示アイコン161aに最も近い場合には、MFP100は、(a)に示すように、ジョブ表示アイコン161aのメニュー画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。端末装置200が上記の3つのアイコンのうち設定確認アイコン161bに最も近い場合には、MFP100は、(b)に示すように、設定確認アイコン161bのメニュー画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。端末装置200が上記の3つのアイコンのうち応用設定アイコン161cに最も近い場合には、(c)に示すように、応用設定アイコン161cのメニュー画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。
【0060】
[端末装置に表示する画面の決定方法]
次に、端末装置200に表示する画面の第1〜第4の決定方法について詳細に説明する。
【0061】
図7は、端末装置200に表示する画面の第1の決定方法を説明する図である。
【0062】
図7を参照して、第1の決定方法では、MFP100は、操作パネル150に表示している画面のアイコンと、端末装置200(ここでは端末装置200の中心点)との距離に基づいて、端末装置200に表示する画面を決定する。たとえば、操作パネル150がボタンAおよびBという2つのアイコンを表示している場合、MFP100は、端末装置200とボタンAとの距離d1と、端末装置200とボタンBとの距離d2とを比較する。MFP100は、距離d1およびd2のうち短い方の距離に対応するアイコンを特定し、特定したアイコンのメニュー画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。MFP100は決定した画面のデータを端末装置200へ送信し、端末装置200はMFP100から受信したデータに基づく画面を操作表示部250に表示する。
【0063】
図8は、端末装置200に表示する画面の第1の決定方法を採用した場合における、端末装置200の位置と端末装置200に表示される画面との関係を示す図である。
【0064】
図8を参照して、端末装置200が位置P1または位置P2に存在する場合、端末装置200とボタンAとの距離は端末装置200とボタンBとの距離よりも短い。したがって、MFP100は、ボタンAのメニュー画面であるサブメニューAを端末装置200に表示する。一方、端末装置200が位置P3に存在する場合、端末装置200とボタンBとの距離は端末装置200とボタンAとの距離よりも短い。したがって、MFP100は、ボタンBのメニュー画面であるサブメニューBを端末装置200に表示する。
【0065】
図9は、端末装置200に表示する画面の第2の決定方法を説明する図である。
【0066】
図9を参照して、第2の決定方法では、MFP100は、操作パネル150に表示している画面のアイコンと画面の外縁(端末装置200が最も近い外縁の辺)との距離と、画面の外縁と端末装置200との距離とに基づいて、端末装置200に表示する画面を決定する。たとえば、操作パネル150がボタンAおよびBという2つのアイコンを表示している場合、MFP100は、ボタンAと、端末装置200が最も近い外縁である外縁L1との距離d3と、画面の外縁L1と端末装置200との距離d5との和(d3+d5)と、ボタンBと画面の外縁L1との距離d4と、画面の外縁L1と端末装置200との距離d5との和(d4+d5)とを比較する。MFP100は、和(d3+d5)および和(d4+d5)のうち短い方の距離に対応するアイコンを特定し、特定したアイコンのメニュー画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。MFP100は決定した画面のデータを端末装置200へ送信し、端末装置200はMFP100から受信したデータに基づく画面を操作表示部250に表示する。
【0067】
図10は、端末装置200に表示する画面の第2の決定方法を採用した場合における、端末装置200の位置と端末装置200に表示される画面との関係を示す図である。
【0068】
図10を参照して、端末装置200が位置P1に存在する場合、ボタンAと画面の外縁L2との距離と、画面の外縁L2と端末装置200との距離との和は、ボタンBと画面の外縁L2との距離と、画面の外縁L2と端末装置200との距離との和よりも短い。したがって、MFP100は、ボタンAのメニュー画面であるサブメニューAを端末装置200に表示する。一方、端末装置200が位置P2またはP3に存在する場合、ボタンBと画面の外縁L3との距離と、画面の外縁L3と端末装置200との距離との和は、ボタンAと画面の外縁L3との距離と、画面の外縁L3と端末装置200との距離との和よりも短い。したがって、MFP100は、ボタンBのメニュー画面であるサブメニューBを端末装置200に表示する。
【0069】
なお、MFP100は、操作パネル150と端末装置200との距離が一定値以下である場合に、操作パネル150の表示画面に関する画面を端末装置200に表示し(端末装置200に表示する画面を決定し)、操作パネル150と端末装置200との距離が一定値より大きい場合に、操作パネル150の表示画面に関する画面を端末装置200に表示しなくてもよい(端末装置200に表示する画面を決定しなくてもよい)。
【0070】
図11は、端末装置200に表示する画面の第3の決定方法を説明する図である。
【0071】
図11を参照して、第3の決定方法では、上述の第1または第2の決定方法において、アイコンと端末装置200とを結ぶ直線が、仮想直線に対してなす角度にさらに基づいて、端末装置200に表示する画面を決定する。たとえば、以下の状況を想定する。操作パネル150は、ボタンAおよびBという2つのアイコンを表示している。MFP100は、ボタンAのメニュー画面を端末装置200に表示する角度範囲θ1(たとえば−30度〜30度)と、ボタンBのメニュー画面を端末装置200に表示する角度範囲θ2(たとえば35度〜110度)とを、操作パネル150および端末装置200に表示する画面のデータとともにあらかじめ制御部101のROMなどに記憶している。角度範囲θ1およびθ2の各々は、たとえば、操作パネル150の操作表示部151と平行な平面(図3中xy平面)内の任意の仮想直線SLに対する角度範囲として設定されている。
【0072】
上述の場合、MFP100は、ボタンAと端末装置200(端末装置200の中心点)とを結ぶ直線が仮想直線SLに対してなす角度が、角度範囲θ1内にある場合にのみ、ボタンAのメニュー画面を端末装置200に表示する。MFP100は、ボタンBと端末装置200とを結ぶ直線が仮想直線SLに対してなす角度が、角度範囲θ2内にある場合にのみ、ボタンBのメニュー画面を端末装置200に表示する。たとえば、端末装置200が位置P4に存在する場合、ボタンAと端末装置200とを結ぶ直線L4が仮想直線SLとなす角度(約80度)は、角度範囲θ1の範囲外となるので、端末装置200がボタンBよりもボタンAに近い位置にたとえ存在していたとしても、MFP100は、ボタンAのメニュー画面を端末装置200に表示しない。
【0073】
図12は、端末装置200に表示する画面の第4の決定方法を説明する図である。
【0074】
図12を参照して、第4の決定方法では、上述の第1または第2の決定方法において、複数のアイコンの各々の優先度にさらに基づいて、端末装置200に表示する画面を決定する。たとえば、以下の状況を想定する。操作パネル150がボタンAおよびBという2つのアイコンを表示している。MFP100は、ボタンAおよびBの各々の優先度を、操作パネル150および端末装置200に表示する画面のデータとともにあらかじめ制御部101のROMなどに記憶している。ボタンBの優先度はボタンAの優先度よりも高い。
【0075】
上述の場合において、たとえば位置P4に端末装置200が存在するときは、ボタンAと端末装置200との距離d1の方がボタンBと端末装置200との距離d2よりも短いにもかかわらず、距離d1と距離d2の差が所定値Xよりも小さい(または和(d3+d5)の方が和(d4+d5)よりも短いにもかかわらず、和(d3+d5)と和(d4+d5)との差が所定値Xよりも小さい)。このような場合、MFP100は、優先度の高い方のアイコンであるボタンBのメニュー画面を端末装置200に表示する。所定値Xの値は、2つのアイコンの優先度の差に応じて設定されてもよいし、一定値でもよい。また、特定の領域に端末装置200が存在する場合には、常に特定のアイコンに関する画面を優先的に端末装置200に表示してもよい。
【0076】
MFP100は、第1〜第4の決定方法のいずれかを用いて、端末装置200に表示する画面を決定する。MFP100は、第1〜第4の決定方法以外の方法で、端末装置200に表示する画面を決定してもよい。
【0077】
[位置関係情報の取得方法]
続いて、位置関係情報の取得方法の具体例について説明する。
【0078】
図13は、モーションセンサーを用いた場合の位置関係情報の取得方法の一例を説明する図である。
【0079】
図13を参照して、MFP100と端末装置200との連携が開始すると、端末装置200の操作表示部250には、(a)に示すように、端末装置200を操作パネル150の真上に移動してOKボタンを押下することを求めるメッセージ163aと、OKボタン163bとが表示される。ユーザーによって端末装置200が操作パネル150の真上に移動されてOKボタン163bが押下されると、その時の端末装置200の位置が基準点(操作パネル150の基準位置)に設定される。その後(b)に示すように、端末装置200が位置P13に移動すると、端末装置200が搭載するモーションセンサーは、基準点に基づく端末装置200の相対位置を検知し、端末装置200は、モーションセンサーによって検知した相対位置を位置関係情報として生成する。MFP100は、操作パネル150に表示している画面の情報と、位置関係情報とに基づいて、端末装置200に表示する画面(ここでは応用設定アイコン161cのメニュー画面)を決定する。その結果、MFP100は、応用設定アイコン161cのメニュー画面を端末装置200の操作表示部250に表示する。
【0080】
図14は、GPS受信機を用いた場合の位置関係情報の取得方法の一例を説明する図である。
【0081】
図14を参照して、MFP100と端末装置200との連携が開始すると、GPS受信機を搭載した端末装置200は、図示しないGPS衛星から自機の位置情報(ここでは位置P13の情報)を取得し、(a)に示すように、サーバーPC300へ送信する。サーバーPC300は、MFP100(操作パネル150)の位置情報を固定記憶装置などにあらかじめ記憶している。サーバーPC300は、端末装置200の位置情報を受信すると、MFP100の位置情報を端末装置200へ通知する。端末装置200は、サーバーPC300から受信したMFP100の位置情報と、自機の位置情報とに基づいて位置関係情報を生成し、生成した位置関係情報をMFP100へ送信する。MFP100は、操作パネル150に表示している画面の情報と、位置関係情報とに基づいて、端末装置200に表示する画面(ここでは応用設定アイコン161cのメニュー画面)を決定する。その結果、(b)に示すように、MFP100は、応用設定アイコン161cのメニュー画面を端末装置200に表示する。
【0082】
上述の方法の他、端末装置200が、GPS衛星から取得した自機の位置情報をMFP100へ送信し、MFP100が、制御部101のROMなどが記憶しているMFP100の位置情報と、端末装置200の位置情報とに基づいて、位置関係情報を生成してもよい。
【0083】
[3次元の位置関係情報に基づく場合の表示システムの動作]
次に、3次元の位置関係情報に基づく場合の表示システムの動作について説明する。
【0084】
図15は、3次元の位置関係情報に基づく場合の表示システムの動作を説明する図である。
【0085】
図15を参照して、2次元での(z軸を無視したxy平面内の)位置関係情報に基づいて表示システムが動作する場合、端末装置200の表示画面は(a)に示すように変化する。すなわち、3つのアイコンのうちジョブ表示アイコン161aに最も近い位置である位置P11に端末装置200が存在する場合には、端末装置200にはジョブ表示アイコン161aのメニュー画面が表示される。設定確認アイコン161bに最も近い位置である位置P12に端末装置200が存在する場合には、端末装置200には設定確認アイコン161bのメニュー画面が表示される。応用設定アイコン161cに最も近い位置である位置P13に端末装置200が存在する場合には、端末装置200には応用設定アイコン161cのメニュー画面が表示される。
【0086】
一方、3次元の(x軸、y軸、およびz軸を考慮した)位置関係情報に基づいて表示システムが動作する場合、端末装置200の表示画面は以下のように変化する。ジョブ表示アイコン161aの真上の位置である位置P14に端末装置200が移動した場合、位置P14は、3つのアイコンのうちジョブ表示アイコン161aに最も近い位置であるため、端末装置200には、(b)に示すようにジョブ表示アイコン161aのメニュー画面が表示される。設定確認アイコン161bの真上の位置である位置P15に端末装置200が移動した場合、位置P15は、3つのアイコンのうち設定確認アイコン161bに最も近い位置であるため、端末装置200には、(c)に示すように設定確認アイコン161bのメニュー画面が表示される。応用設定アイコン161cの真上の位置である位置P16に端末装置200が移動した場合、位置P16は、3つのアイコンのうち応用設定アイコン161cに最も近い位置であるため、端末装置200には、(d)に示すように応用設定アイコン161cのメニュー画面が表示される。
【0087】
[端末装置に画面を表示した後の表示システムの動作]
続いて、端末装置200に画面を表示した後の表示システムの動作について説明する。
【0088】
図16は、端末装置200に画面を表示した後の表示システムの動作を説明する図である。
【0089】
図16(a)を参照して、端末装置200が位置P11に存在する場合、応用設定アイコン161cのメニュー画面(応用設定メニュー)が表示される。端末装置200がこの状態で表示画面の操作を受け付けた場合、端末装置200は、メニュー画面を更新することを保留する。さらに、端末装置200が位置関係情報の変更に伴うメニュー画面の更新を保留している場合において、端末装置200が表示しているメニュー画面を解除する操作が行なわれたときは、端末装置200は更新後のメニュー画面を表示する。
【0090】
たとえば、端末装置200に表示された応用設定アイコン161cのメニュー画面において、応用設定メニューを右方向にスクロールさせるアイコン167(右アイコン)の操作を端末装置200が受け付けた場合、MFP100は、応用設定メニューを右方向にスクロールした画面のデータを記憶部111から取得し、取得した画面のデータを端末装置200へ送信する。その結果、端末装置200は、応用設定メニューを右方向にスクロールした画面を表示する。さらに端末装置200は、応用設定アイコン161cのメニュー画面からのメニュー画面の更新を保留する。
【0091】
たとえば(a)において、端末装置200がアイコン167の操作を受け付けた後で、(b)に示すように、端末装置200が位置P12へ移動された場合、端末装置200は、位置P12への移動に伴うメニュー画面の更新(設定確認アイコン161bのメニュー画面への更新)を保留し、応用設定メニューを右方向にスクロールした画面(応用設定アイコン161cのメニュー画面)を表示し続ける。
【0092】
さらに(b)において、応用設定アイコン161cのメニュー画面の表示を解除するアイコンである「閉じる」アイコン169が押下された場合、端末装置200は、(c)に示すように、位置P12への移動に伴う更新画面である、設定確認アイコン161bのメニュー画面を表示する。メニュー画面の表示を解除するアイコンは、「閉じる」アイコン169の他、設定などを確定させる確定キーや、データ送信キーなどであってもよい。
【0093】
[表示システムの動作のフローチャート]
図17は、表示システムの動作を示すフローチャート(シーケンス図)である。なお、このフローチャートは、MFP100の制御部101のROMや端末装置200の制御部201のROMなどに記憶されたプログラムに基づいて、制御部101のCPUおよび制御部201のCPUが実行するものである。
【0094】
図17を参照して、たとえば、端末装置200がMFP100と通信可能な状態(たとえば、MFP100と無線通信可能な範囲内に端末装置200が存在する状態や、端末装置200がMFP100と有線接続されている状態)において、端末装置200にインストールされた連携用のアプリケーションが起動された場合などに、MFP100と端末装置200との連携が開始する(S1)。MFP100と端末装置200との連携が開始すると、制御部201は、位置関係情報を取得し、MFP100へ送信する(S3)。次に制御部101は、端末装置200から位置関係情報を受信したか否かを判別する(S5)。
【0095】
ステップS5において、位置関係情報を受信したと判別した場合(S5でYes)、制御部101は、操作パネル150が現在表示している画面の情報と、位置関係情報とに基づいて、端末装置200に表示するメニュー画面を決定し(S7)、決定したメニュー画面のデータを端末装置200へ送信する(S9)。一方、ステップS5において、位置関係情報を受信しないと判別した場合(S5でNo)、制御部201は、位置関係情報を取得し、MFP100へ再度送信する(S3)。
【0096】
ステップS9においてメニュー画面のデータを受信すると、制御部201は、受信したデータに基づいてメニュー画面を操作表示部250に表示する(S10)。続いて、制御部101および201は、操作パネル150が現在表示している画面の情報および位置関係情報のうち少なくともいずれか一方が変化したか否かを判別する(S11)。
【0097】
ステップS11において、変化したと判別した場合(S11でYes)、制御部101は、変化後の操作パネル150が現在表示している画面の情報および位置関係情報に基づいて、端末装置200に表示するメニュー画面(更新画面)を決定する(S13)。次に制御部101は、前回決定したメニュー画面と今回決定したメニュー画面とが異なるか否かを判別する(S15)。
【0098】
ステップS15において、異なると判別した場合(S15でYes)、制御部101は、今回決定したメニュー画面のデータを端末装置200へ送信し、制御部201は、メニュー画面の更新を保留していない場合には、受信したデータに基づいて操作表示部250に表示するメニュー画面を更新する(S17)。その後、制御部201はステップS19の処理へ進む。
【0099】
ステップS11において、変化しないと判別した場合(S11でNo)、またはステップS15において、同じであると判別した場合(S15でNo)、制御部201はステップS19の処理へ進む。
【0100】
ステップS19において、制御部201は、端末装置200の表示画面において、操作を受け付けたか否かを判別する(S19)。ステップS19において、操作を受け付けたと判別した場合(S19でYes)、制御部201は、端末装置200が現在表示しているメニュー画面の更新を保留する(S21)。続いて制御部201は、端末装置200の表示画面において、メニュー画面の表示を解除する操作を受け付けたか否かを判別する(S23)。
【0101】
ステップS23において、解除する操作を受け付けたと判別した場合(S23でYes)、制御部201は、メニュー画面の更新の保留を解除し、更新を保留しているメニュー画面がある場合には、そのメニュー画面を表示する(S25)。その後、制御部101および201は、ステップS11の処理へ進む。
【0102】
ステップS19において、操作を受け付けないと判別した場合(S19でNo)、またはステップS23において、解除する操作を受け付けないと判別した場合(S23でNo)、制御部101および201は、ステップS11の処理へ進む。
【0103】
[変形例]
操作パネル150に表示している画面の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける構成要素は、操作パネル150が現在表示している画面の上または下の階層の画面を表示する際に押下される上述のアイコンの他、操作パネル150が現在表示している画面と同じ階層の画面を表示する際に押下されるタブであってもよい。
【0104】
図18は、本発明の変形例における、操作パネル150に対する端末装置200の位置と、端末装置200が表示する画面との関係を模式的に示す図である。
【0105】
図18(a)を参照して、操作パネル150が表示している画面に、実行中タブ165a、履歴タブ165b、および通信リストタブ165cなどのタブ(ソフトウェアキー、構成要素)が含まれている場合を想定する。これらのタブは、操作パネル150の画面変更の指示を受け付けるものである。具体的には、実行中タブ165aが押下された場合には、操作パネル150は、MFP100で現在実行しているジョブの一覧の画面を表示する。履歴タブ165bが押下された場合には、操作パネル150は、MFP100で実行完了したジョブの履歴を示す画面を表示する。通信リストタブ165cが押下された場合には、操作パネル150は、外部機器との通信を伴うジョブ(ファイル送受信やファクシミリ送受信に関するジョブ)の一覧の画面を表示する。
【0106】
MFP100は、実行中タブ165a、履歴タブ165b、および通信リストタブ165cの各々の位置と、端末装置200との位置関係に関する位置関係情報に基づいて、端末装置200に表示する画面を決定する。MFP100は、上記の3つのタブのうち端末装置200が最も近いタブを特定し、そのタブを押下した場合に操作パネル150に表示される画面と同一の画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。
【0107】
具体的には、端末装置200が上記の3つのタブのうち実行中タブ165aに最も近い場合には、MFP100は、MFP100で現在実行しているジョブの一覧の画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。端末装置200が上記の3つのタブのうち履歴タブ165bに最も近い場合には、MFP100は、(b)に示すように、MFP100で実行完了したジョブの履歴を示す画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。端末装置200が上記の3つのタブのうち通信リストタブ165cに最も近い場合には、(c)に示すように、MFP100は、外部機器との通信を伴うジョブの一覧の画面を、端末装置200に表示する画面として決定する。
【0108】
[実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、MFP100と端末装置200の位置関係に基づいて、端末装置200にサブメニューを表示することができる。MFP100の操作パネル150にアイコンが表示されている場合には、1階層低いメニュー画面(サブメニュー画面)を端末装置200に表示することができ、操作パネル150にタブなどが表示されている場合には、同一の階層(横階層)のメニュー画面を端末装置200に表示することができる。これによりユーザーは、操作パネル150上でのアイコン操作を行なうこと無くサブメニューを表示することができ、操作パネルのユーザビリティを向上することができる。
【0109】
また、端末装置200で画面の操作を受け付けた場合に、端末装置200がその操作の情報をMFP100に送信し、MFP100がその操作の情報に基づく処理を実行し、実行した処理に伴う更新画面に関する情報を端末装置200へ送信するので、端末装置200から行った操作によってMFP100の動作を制御することができる。
【0110】
さらに、端末装置200で画面の操作を受け付けた場合に、端末装置200の画面の更新を保留することにより、端末装置200の操作中に端末装置200が表示しているメニュー画面が変わることを防ぐことができる。
【0111】
[その他]
位置関係情報は、端末装置200が生成する場合の他、MFP100が生成してもよい。
【0112】
端末装置200に表示する画面は、任意のものであればよく、操作パネル150の表示画面に含まれるアイコンまたはタブのメニュー画面の他、アイコンまたはタブの機能を説明する画面(ヘルプ画面)などであってもよい。
【0113】
MFP100が画面のデータを端末装置200に送信し、端末装置200がMFP100から受信したデータに基づく画面を操作表示部250に表示する場合の他、MFP100が画面に関する情報(画面のIDなど)を端末装置200に送信し、端末装置200がMFP100から受信した情報に基づいて画面を作成し(記憶部207などに記憶されている画面のデータから画面を選択し)、作成した画面を操作表示部250に表示してもよい。
【0114】
上述の実施の形態は適宜組み合わせることができる。たとえば、図18に示すようなタブを含む画面を端末装置200が表示している場合に、図15(b)〜(d)に示すように示すような3次元の位置関係情報に基づいて表示システムが動作してもよいし、図16(b)に示すように、位置関係情報の変更に伴うメニュー画面の更新を保留してもよい。
【0115】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0116】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0117】
100 MFP
101,201 制御部
101a,201a 制御プログラム
103 画像処理部
105,203 転送部
107 スキャナ部
109 印刷部
111,207 記憶部
150 操作パネル
151,250 操作表示部
153 テンキー
155 ハードウェアキー
161a ジョブ表示アイコン
161b 設定確認アイコン
161c 応用設定アイコン
163a メッセージ
163b OKボタン
165a 実行中タブ
165b 履歴タブ
165c 通信リストタブ
167,169 アイコン
200,200a,200b 端末装置
205 端末通信部
300 サーバーPC
400 ネットワーク
P1〜P4,P11〜P16 位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルを含む画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能な表示装置とを備えた表示システムであって、
前記画像形成装置は、
前記操作パネルに表示している画面の情報と、前記操作パネルと前記表示装置との位置関係に関する情報である位置関係情報とに基づいて、前記表示装置に表示する画面を決定する決定手段と、
前記決定手段にて決定した画面に関する情報を前記表示装置へ送信する画面情報送信手段とを含み、
前記表示装置は、
前記画面情報送信手段から受信した情報に基づく画面を表示する表示手段を含む、表示システム。
【請求項2】
前記表示装置は、
前記表示手段にて表示した画面の操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段にて受け付けた操作の情報を前記画像形成装置に送信する操作情報送信手段とをさらに含み、
前記画像形成装置は、
前記操作情報送信手段にて送信した操作の情報に基づく処理を実行する処理実行手段をさらに含み、
前記画面情報送信手段は、前記処理実行手段にて実行した処理に伴う更新画面に関する情報を前記表示装置へさらに送信する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記操作受付手段は、ハードウェアキー、タッチパネル、マウス、および音声入力装置のうち少なくとも1つを用いた操作を受け付ける、請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記操作パネルに表示している画面の情報および前記位置関係情報のうち少なくともいずれか一方が変更された場合に、前記表示装置に表示する更新画面を決定し、
前記決定手段が決定した更新画面が、前記決定手段が前回決定した画面とは異なる場合に、前記表示手段は、前記画面情報送信手段から受信した情報に基づく更新画面を表示する、請求項1〜3のいずれかに記載の表示システム。
【請求項5】
前記表示装置は、
前記表示手段にて表示した画面の操作を受け付けた場合に、前記表示手段が更新画面を表示することを保留させる保留手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の表示システム。
【請求項6】
前記保留手段が更新画面の表示を保留させた場合において、前記表示手段にて表示した画面の表示を解除する操作が行なわれたときは、前記表示手段は更新画面を表示する、請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記画面情報送信手段は、前記決定手段にて決定した画面のデータを前記表示装置に送信する、請求項1〜6のいずれかに記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示手段は、
前記画面情報送信手段から受信した情報に基づく画面を作成する画面作成手段をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示装置は、
モーションセンサー、近接センサー、人感センサー、グローバルポジショニングシステム受信機、およびモーショントラッキング装置のうち少なくともいずれか1つを用いて、前記位置関係情報を取得する位置関係情報取得手段と、
前記位置関係情報取得手段にて取得した位置関係情報を前記画像形成装置へ送信する位置関係情報送信手段とをさらに含む、請求項1〜8のいずれかに記載の表示システム。
【請求項10】
前記決定手段は、前記操作パネルに表示している画面の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける構成要素と、前記表示装置との距離に基づいて、前記表示装置に表示する画面を決定する、請求項1〜9のいずれかに記載の表示システム。
【請求項11】
前記決定手段は、前記操作パネルに表示している画面の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける構成要素と画面の外縁との距離と、前記外縁と前記表示装置との距離とに基づいて、前記表示装置に表示する画面を決定する、請求項1〜9のいずれかに記載の表示システム。
【請求項12】
前記決定手段は、前記操作パネルに表示している画面の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける構成要素と前記表示装置とを結ぶ直線が、仮想直線に対してなす角度にさらに基づいて、前記表示装置に表示する画面を決定する、請求項10または11に記載の表示システム。
【請求項13】
前記決定手段は、前記操作パネルに表示している画面の複数の構成要素であって、画面変更の指示を受け付ける複数の構成要素の各々の優先度にさらに基づいて、前記表示装置に表示する画面を決定する、請求項10〜12のいずれかに記載の表示システム。
【請求項14】
前記決定手段は、前記操作パネルと前記表示装置との2次元での位置関係に関する位置関係情報に基づいて、前記表示装置に表示する画面を決定する、請求項1〜13のいずれかに記載の表示システム。
【請求項15】
操作パネルを含む画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能な表示装置とを備えた表示システムの制御プログラムであって、
前記操作パネルに表示している画面の情報と、前記操作パネルと前記表示装置との位置関係に関する情報である位置関係情報とに基づいて、前記表示装置に表示する画面を前記画像形成装置で決定する決定ステップと、
前記決定ステップにて決定した画面に関する情報を前記画像形成装置から前記表示装置へ送信する画面情報送信ステップと、
前記画面情報送信ステップにおいて受信した情報に基づく画面を前記表示装置に表示する表示ステップとをコンピューターに実行させる、表示システムの制御プログラム。
【請求項16】
操作パネルを備えた画像形成装置であって、
前記操作パネルに表示している画面の情報と、前記画像形成装置と通信可能な表示装置と前記操作パネルとの位置関係に関する情報である位置関係情報とに基づいて、前記表示装置に表示する画面を決定する決定手段と、
前記決定手段にて決定した画面に関する情報を前記表示装置へ送信する画面情報送信手段とをさらに備えた、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−109614(P2013−109614A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254720(P2011−254720)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】