説明

表示システム、表示方法およびプログラム

【課題】コンピュータ等を直接操作することなく、実空間内の物体の外観をコピーして、実空間内の任意の位置に表示する。
【解決手段】実空間を撮像する撮像装置と、実空間に画像を表示する表示装置と、実空間を撮像した画像に基づきユーザの動作を検出する動作検出部と、実空間内における機器のうち、ユーザの動作により指定されたコピー対象機器を特定する特定部と、表示装置を制御して、コピー対象機器を表す機器画像を表示する表示制御部と、コピー対象機器が有する少なくとも一部の機能を実行する機能実行部と、を備える表示システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コピー対象を正確に選択するための方法が記載されている。特許文献2には、マルチタッチパネルにおいて、指のジェスチャーにより情報を入力する方法が記載されている。特許文献3には、対象物を含む領域に注釈画像を表示する方法が記載されている。
特許文献1 特許第4056477号明細書
特許文献2 特表2010−532055号公報(WO2009/002758)
特許文献3 特開2009−290488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来、例えば時計およびテレビジョン装置等の機器の外観をコピーして、実空間内のユーザの任意の位置に表示させることはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、実空間を撮像した画像に基づきユーザの動作を検出する動作検出部と、実空間内における機器のうち、前記ユーザの動作により指定されたコピー対象機器を特定する特定部と、表示装置を制御して、前記コピー対象機器を表す機器画像を表示する表示制御部と、前記コピー対象機器が有する少なくとも一部の機能を実行する機能実行部と、を備える表示システム、および、このような表示システムに関連する表示方法およびプログラムを提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態に係る表示システム10の構成を示す。
【図2】本実施形態に係る制御装置30の機能構成、および、時計14をコピー対象とした場合において表示される機器画像20の一例を示す。
【図3】本実施形態に係る制御装置30における、コピーアンドペースト時の処理フローを示す。
【図4】本実施形態に係る制御装置30における、機器画像20に対する操作時の処理フローを示す。
【図5】テレビジョン装置66のリモートコントローラ68をコピー対象とした場合における、表示システム10により表示される機器画像20の一例を示す。
【図6】カメラ70をコピー対象とした場合における、表示システム10により表示される機器画像20の一例を示す。
【図7】本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態に係る表示システム10の構成を示す。表示システム10は、ユーザが予め定められた動作(コピー操作)により実空間内における機器をコピー対象機器として特定する。その後、表示システム10は、ユーザが予め定められた動作(ペースト操作)により実空間内における任意の位置を指定したことに応じて、コピー対象機器を表す画像を指定した位置に表示する。
【0009】
例えば、図1に示されるように、表示システム10は、部屋12内において、ユーザが時計14に触ることにより当該時計14をコピー対象機器として特定する。その後、表示システム10は、ユーザが机16の上を指定することにより、時計14を撮像した機器画像20を机16の上に表示する。これにより、表示システム10は、指定した機器の機能を指定した位置にコピーアンドペースとしているように、ユーザに感じさせることができる。
【0010】
表示システム10は、1または複数の撮像装置22と、1または複数の表示装置24と、制御装置30とを備える。本実施形態において、表示システム10は、部屋12内に設けられる。なお、表示システム10は、一つの部屋内のみならず、複数の部屋にまたがって設けられてもよい。
【0011】
1または複数の撮像装置22のそれぞれは、実空間を撮像する。本実施形態においては、1または複数の撮像装置22は、部屋12内に存在する1または複数の機器(例えば、時計、テレビジョン装置、リモートコントローラ、カメラ等)のそれぞれを撮像する。
【0012】
1または複数の表示装置24のそれぞれは、実空間に画像を表示する。1または複数の表示装置24のそれぞれは、例えばプロジェクターである。すなわち、1または複数の表示装置24のそれぞれは、部屋12の物体に画像を投影して、物体上に画像を表示する。本実施形態においては、1または複数の表示装置24は、部屋12内におけるユーザが指定した箇所(例えば、机の上、デスクの上、壁、ベッドの頭の部分、床、天井等)に画像を表示する。
【0013】
制御装置30は、コンピュータであって、1または複数の撮像装置22のそれぞれ、および、1または複数の表示装置24のそれぞれの動作を制御する。より具体的には、制御装置30は、1または複数の撮像装置22のそれぞれを制御して、各撮像装置22により撮像された撮像画像を取得する。また、制御装置30は、1または複数の表示装置24を制御して、ユーザにより指定された位置に画像を表示する。
【0014】
また、制御装置30は、実空間内に存在する機器の少なくとも一部の機能を実行する。制御装置30は、一例として、部屋12内に存在する機器(例えば、時計、テレビジョン装置、リモート、カメラ等)と通信をして、これらの機器を制御または調整等する。
【0015】
また、表示システム10は、実空間における物体の3次元位置を検出する位置検出装置を更に備えてもよい。位置検出装置は、一例として、右側カメラと左側カメラとを有するステレオカメラである。このような位置検出装置は、右側カメラにより撮像された画像と左側カメラにより撮像された画像との間の視差により、画面内の各物体までの被写体距離を表すことができる。
【0016】
図2は、本実施形態に係る制御装置30の機能構成、および、時計14をコピー対象とした場合において表示される機器画像20の一例を示す。制御装置30は、画像取得部42と、動作検出部44と、特定部46と、表示制御部50と、機能実行部52とを有する。画像取得部42は、1または複数の撮像装置22のそれぞれにより撮像された画像を取得する。
【0017】
動作検出部44は、画像取得部42により取得された実空間を撮像した画像に基づき、ユーザの動作を検出する。動作検出部44は、当該表示システム10が位置検出装置を備える場合には、位置検出装置により検出されたユーザの身体の位置を更に利用して、ユーザの動作を検出してもよい。
【0018】
動作検出部44は、一例として、ユーザが機器を指定する動作をしたか否かを検出する。動作検出部44は、一例として、ユーザが機器に触れる動作をしたことを検出する。さらに、動作検出部44は、一例として、ユーザが機器を触れるとともに、コピー動作を表す予め定められたジェスチャー等の動作をしたことを検出してもよい。
【0019】
動作検出部44は、一例として、ユーザが画像の表示位置を指定する動作をしたか否かを検出する。動作検出部44は、一例として、ユーザが何れかの物体の表面に触れる動作をしたことを検出する。さらに、動作検出部44は、一例として、ユーザが表示位置を触れるとともに、ペースト動作を表す予め定められたジェスチャー等の動作をしたことを検出してもよい。
【0020】
また、動作検出部44は、一例として、機器を表す機器画像20に対してユーザが何らかの操作をする動作したか否かを検出する。動作検出部44は、一例として、機器を表す機器画像20上のボタンおよびスイッチ等に触れて、触れたスイッチを操作する動作をしたか否かを検出する。
【0021】
特定部46は、実空間内における機器のうち、ユーザが動作により指定した機器をコピー対象機器として特定する。特定部46は、ユーザが機器を指定する動作をした場合において、部屋12内に存在する複数の機器(時計、テレビジョン装置、リモートコントローラ、カメラ等)のうち、ユーザが触れた機器をコピー対象機器として特定する。
【0022】
この場合において、特定部46は、一例として、コピー対象機器を撮像した画像に対して認識処理をして、コピー対象機器の種別を判別する。また、特定部46は、一例として、コピー対象機器に描かれた識別コードを認識して、コピー対象機器の種別を判別してもよい。これにより、特定部46は、確実に機器を特定することができる。
【0023】
表示制御部50は、1または複数の表示装置24を制御して、コピー対象機器を表す機器画像20を、ユーザが動作により指定した位置に表示する。表示制御部50は、一例として、1または複数の撮像装置22が撮像した画像からコピー対象機器の範囲を切り出して、機器画像20を生成して表示する。これに代えて、表示制御部50は、一例として、コピー対象機器を表す画像をコンピュータグラフィックスにより生成して表示してもよい。
【0024】
機能実行部52は、特定部46により特定されたコピー対象機器が有する少なくとも一部の機能を実行する。機能実行部52は、一例として、特定部46によりコピー対象機器が特定されたことに応じて、コピー対象機器に含まれる機能の実行を開始する。
【0025】
機能実行部52は、一例として、ユーザが機器画像20のボタンまたはスイッチ等に対して操作をする動作をしたことに応じて、その操作内容に応じた処理または制御を実行する。さらに、機能実行部52は、時計14と通信して遠隔操作によりコピー対象機器を制御する。また、機能実行部52は、コンピュータグラフィックスにより表されたコピー対象機器を表示する場合、指定された機器の主機能を実行して、機器画像20に反映してもよい。
【0026】
図2においては、表示システム10は、実空間(部屋12の壁)に設けられた時計14の機能をコピーして、机16上にペーストする例を示している。この場合、特定部46は、実空間内に設けられた時計14をコピー対象機器として特定する。また、表示制御部50は、時計14を表す画像を撮像装置22が撮像した画像から切り出して機器画像20を生成し、机16の上に表示する。そして、機能実行部52は、機器画像20に対するユーザの操作に応じて、時計14に対してアラーム設定および時刻設定をする機能を実行する。
【0027】
これにより、表示システム10は、例えばユーザが壁に設けられた時計14を見ることができない位置にいたしても、時計14により表される時刻を確認することができる。さらに、表示システム10は、時計14を遠隔操作して、時刻およびアラーム等の設定をすることができる。
【0028】
図3は、本実施形態に係る制御装置30における、コピーアンドペースト時の処理フローを示す。制御装置30は、コピーアンドペースト時において、図3のステップS11からステップS16の処理を実行する。
【0029】
まず、ステップS11において、制御装置30は、ユーザが機器を指定する動作をしたか否かを判断する。制御装置30は、一例として、ユーザが部屋12内の何れかの機器に手で触れるとともに、予め定められたジェスチャーをしたか否かを、撮像装置22により撮像された画像に基づき判断する。制御装置30は、ユーザが機器の指定をしていないと判断する場合には(ステップS11のNo)、処理をステップS11で待機する。制御装置30は、ユーザが機器の指定をしたと判断する場合には(ステップS11のYes)、処理をステップS12に進める。
【0030】
続いて、ステップS12において、制御装置30は、ユーザが指定した機器を判別して、判別した機器をコピー対象機器として特定する。制御装置30は、一例として、部屋12内に存在する複数の機器のうち、ユーザが指定した機器が何れの種別の機器であるのかを判別する。より具体的には、制御装置30は、ユーザが指定した機器が、壁に設けられた時計であるのか、テレビジョン装置であるのか、または、テレビジョン装置のリモートコントローラであるのか、カメラであるのか等を判別する。
【0031】
続いて、ステップS13において、制御装置30は、ユーザが表示位置を指定したか否かを判断する。制御装置30は、一例として、ユーザが、部屋12内の何れかの表示位置に手で触れるとともに、予め定められたジェスチャーをしたか否かを、撮像装置22により撮像された画像に基づき判断する。制御装置30は、ユーザが表示位置の指定をしていないと判断する場合には(ステップS13のNo)、処理をステップS13で待機する。制御装置30は、ユーザが表示位置の指定をしたと判断する場合には(ステップS13のYes)、処理をステップS14に進める。
【0032】
続いて、ステップS14において、制御装置30は、コピー対象機器を表す機器画像20を生成する。制御装置30は、一例として、撮像装置22からの画像を切り出して、機器画像20を生成する。また、制御装置30は、一例として、撮像装置22を制御して、ユーザが指定した機器にズームアップした画像を取得して、機器画像20を生成してもよい。また、制御装置30は、コピー対象機器と同様の機能を有する機器の画像をコンピュータグラフィックスにより生成してもよい。
【0033】
続いて、ステップS15において、制御装置30は、1または複数の表示装置24の何れかを制御して、ステップS14で生成した機器画像20をユーザが指定した位置に表示する。以上により、制御装置30によれば、部屋12内の何れかの機器を表す機器画像20を、部屋12内における任意の位置に表示することができる。
【0034】
図4は、本実施形態に係る制御装置30における、機器画像20に対する操作時の処理フローを示す。制御装置30は、図3のコピーアンドペーストが終了後、図4のステップS21からステップS23の処理を実行する。
【0035】
まず、ステップS21において、制御装置30は、ユーザが機器画像20に対して操作をする動作をしたか否かを判断する。制御装置30は、一例として、機器画像20における、ボタンまたはスイッチ等の表示位置に触れて、ボタンまたはスイッチ等を操作する動きをしたか否かを判断する。制御装置30は、ユーザが機器画像20に対して操作をする動作をしていないと判断する場合には(ステップS21のNo)、処理をステップS21で待機する。制御装置30は、ユーザが機器画像20に対して操作をする動作をしたと判断する場合には(ステップS21のYes)、処理をステップS22に進める。
【0036】
続いて、ステップS22において、制御装置30は、ユーザによる機器画像20に対する操作内容を判別する。制御装置30は、一例として、ユーザの手または指先と機器画像20との位置関係から、ユーザが機器画像20における何れのボタンまたはスイッチ等を触れているのかを判別するとともに、触れているボタンまたはスイッチ等をどのように操作しているのかを判別する。
【0037】
続いて、ステップS23において、制御装置30は、ステップS22で判別された操作内容に応じた機能を実行する。制御装置30は、一例として、ユーザが操作したボタンまたはスイッチ等に対応した処理を実行させるべく、コピー対象機器を通信により制御する。制御装置30は、一例として、コピー対象機器が時計14である場合において、アラーム設定ボタンが操作された場合には、時計14を遠隔操作してアラーム設定を行う。また、制御装置30は、一例として、コピー対象機器が時計14である場合において、アラームの停止ボタンが操作された場合には、時計14のアラームを停止させる。
【0038】
そして、制御装置30は、ステップS23の処理を終えると、処理をステップS21に戻し、次の操作があるまで処理を待機する。以上により、制御装置30によれば、機器画像20に対するユーザの操作に応じて、コピー対象機器を制御することができる。
【0039】
図5は、テレビジョン装置66のリモートコントローラ68をコピー対象とした場合における、表示システム10により表示される機器画像20の一例を示す。表示システム10は、一例として、テレビジョン装置66等の機器を遠隔制御するためのリモートコントローラ68の機能をコピーアンドペーストしてもよい。
【0040】
この場合、制御装置30の特定部46は、ユーザの動作によりリモートコントローラ68が指定されたことに応じて、当該リモートコントローラ68をコピー対象機器として特定する。続いて、制御装置30の表示制御部50は、機器画像20として、リモートコントローラ68を表す画像を、例えば机16上に表示する。
【0041】
そして、制御装置30の機能実行部52は、機器画像20に対するユーザの操作に応じて、リモートコントローラ68の制御対象となる機器(例えばテレビジョン装置66)を遠隔制御する機能を実行する。すなわち、この場合、制御装置30の機能実行部52は、リモートコントローラ68を制御することに代えて、リモートコントローラ68の制御対象となる機器を制御する。また、この場合において、制御装置30の機能実行部52は、リモートコントローラ68の制御対象となる機器を制御できない場合には、一例として、機器画像20に対して電源のスイッチング操作が行われたことに応じて、コピー対象機器が制御する制御対象の機器に電源を供給する電源ラインのスイッチを制御してもよい。
【0042】
以上のように、制御装置30によれば、リモートコントローラ68を表す画像を、ユーザの希望する位置に表示させることができる。さらに、制御装置30によれば、表示したリモートコントローラ68の画像に対する操作に応じて、リモートコントローラ68の制御対象の機器を遠隔操作することができる。
【0043】
図6は、カメラ70をコピー対象とした場合における、表示システム10により表示される機器画像20の一例を示す。表示システム10は、一例として、カメラ70の機能をコピーアンドペーストしてもよい。カメラ70は屋外等に設けられてもよい。
【0044】
また、この場合において、1または複数の撮像装置22は、一例として、カメラ70の操作面およびカメラ70の表示面の画像を撮像する。制御装置30の特定部46は、実空間内に設けられたカメラ70をコピー対象機器として特定する。
【0045】
制御装置30の表示制御部50は、撮像装置22により撮像された画像に基づき、機器画像20として、カメラ70の操作面を表す画像を表示する。表示制御部50は、一例として、カメラ70のシャッタボタンが設けられた操作面(例えば上面)を表す機器画像20−1を表示する。
【0046】
さらに、制御装置30の表示制御部50は、撮像装置22により撮像された画像に基づき、機器画像20として、カメラ70の表示面を表す画像を表示する。表示制御部50は、一例として、カメラ70の表示パネルが設けられた表示面(例えば裏面)を表す機器画像20−2を表示する。
【0047】
そして、制御装置30の機能実行部52は、機器画像20に対するユーザの操作に応じて、カメラ70を遠隔制御する機能を実行する。例えば、機能実行部52は、機器画像20−1に対してシャッタボタンを押す操作がされた場合には、カメラ70を遠隔制御してカメラ70に被写体を撮像させる。以上により、制御装置30によれば、カメラ70の表示画面を見ながら、カメラ70を遠隔操作することができる。
【0048】
図7は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びCD−ROMドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
【0049】
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0050】
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ2060は、CD−ROM2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
【0051】
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
【0052】
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
【0053】
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を制御装置30として機能させるプログラムは、画像取得モジュールと、動作検出モジュールと、特定モジュールと、表示制御モジュールと、機能実行モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、画像取得部42、動作検出部44、特定部46、表示制御部50および機能実行部52としてそれぞれ機能させる。
【0054】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である画像取得部42、動作検出部44、特定部46、表示制御部50および機能実行部52として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御装置30が構築される。
【0055】
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、又はCD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
【0056】
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060(CD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
【0057】
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
【0058】
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
【0059】
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0062】
10 表示システム、12 部屋、14 時計、16 机、20 機器画像、22 撮像装置、24 表示装置、30 制御装置、42 画像取得部、44 動作検出部、46 特定部、50 表示制御部、52 機能実行部、66 テレビジョン装置、68 リモートコントローラ、70 カメラ、1900 コンピュータ、2000 CPU、2010 ROM、2020 RAM、2030 通信インターフェイス、2040 ハードディスクドライブ、2050 フレキシブルディスク・ドライブ、2060 CD−ROMドライブ、2070 入出力チップ、2075 グラフィック・コントローラ、2080 表示装置、2082 ホスト・コントローラ、2084 入出力コントローラ、2090 フレキシブルディスク、2095 CD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間を撮像した画像に基づきユーザの動作を検出する動作検出部と、
実空間内における機器のうち、前記ユーザの動作により指定されたコピー対象機器を特定する特定部と、
表示装置を制御して、前記コピー対象機器を表す機器画像を表示する表示制御部と、
前記コピー対象機器が有する少なくとも一部の機能を実行する機能実行部と、
を備える表示システム。
【請求項2】
実空間を撮像する撮像装置と、
前記実空間に画像を表示する表示装置と、
を更に備える請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記撮像装置が撮像した画像から前記コピー対象機器の部分を切り出して、前記機器画像として表示する
請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、ユーザの動作によって指定された位置に前記機器画像を表示する
請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記特定部は、前記コピー対象機器を撮像した画像に対して認識処理をして、前記コピー対象機器の種別を判別し、
前記機能実行部は、判別された種別の機器の機能を実行する
請求項1から4の何れか1項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記特定部は、前記コピー対象機器に描かれた識別コードを認識して、前記コピー対象機器の種別を判別する
請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記機能実行部は、前記機器画像に対して電源のスイッチング操作が行われたことに応じて、前記コピー対象機器が制御する制御対象の機器に電源を供給する電源ラインのスイッチを制御する
請求項1から6の何れか1項に記載の表示システム。
【請求項8】
前記特定部は、前記実空間内に設けられた時計を前記コピー対象機器として特定し、
前記表示制御部は、前記機器画像として、前記時計を表す画像を表示し、
前記機能実行部は、前記機器画像に対するユーザの操作に応じて、前記時計に対して設定をする機能を実行する
請求項1から6の何れか1項に記載の表示システム。
【請求項9】
前記特定部は、機器を遠隔制御するためのリモートコントローラを前記コピー対象機器として特定し、
前記表示制御部は、前記機器画像として、前記リモートコントローラを表す画像を表示し、
前記機能実行部は、前記機器画像に対するユーザの操作に応じて、前記リモートコントローラの制御対象となる機器を遠隔制御する機能を実行する
請求項1から6の何れか1項に記載の表示システム。
【請求項10】
前記特定部は、前記実空間内に設けられたカメラを前記コピー対象機器として特定し、
前記表示制御部は、前記機器画像として、前記カメラの操作面を表す画像を表示し、
前記機能実行部は、前記機器画像に対するユーザの操作に応じて、前記カメラを遠隔制御する機能を実行する
請求項1から6の何れか1項に記載の表示システム。
【請求項11】
前記実空間における物体の3次元位置を検出する位置検出装置を更に備え、
前記動作検出部は、前記位置検出装置により検出されたユーザの身体の位置に基づき、前記ユーザの動作を検出する
請求項1から10の何れか1項に記載の表示システム。
【請求項12】
実空間を撮像した画像に基づきユーザの動作を検出する動作検出ステップと、
実空間内における機器のうち、前記ユーザの動作により指定されたコピー対象機器を特定する特定ステップと、
表示装置を制御して、前記コピー対象機器を表す機器画像を表示する表示制御ステップと、
前記コピー対象機器が有する少なくとも一部の機能を実行する機能実行ステップと、
を備える表示方法。
【請求項13】
コンピュータを、
実空間を撮像した画像に基づきユーザの動作を検出する動作検出部と、
実空間内における機器のうち、前記ユーザの動作により指定されたコピー対象機器を特定する特定部と、
表示装置を制御して、前記コピー対象機器を表す機器画像を表示する表示制御部と、
前記コピー対象機器が有する少なくとも一部の機能を実行する機能実行部と、
を備える制御装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114466(P2013−114466A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260235(P2011−260235)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】