説明

表示システム、表示装置及び編集装置

【課題】空間に表示させる画像に対応する表示パターンの追加や編集を行う。
【解決手段】表示システムは、複数のLEDと、画像の表示パターンを記憶する記憶部と、表示パターンに基づき複数のLEDの点滅を制御する制御部と、所定のプロトコルに従い通信を行う通信I/F部とを備える、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置1と、画像の表示パターンを編集及び/又は新規作成する制御部と、表示パターンを記憶する記憶部と、所定のプロトコルに従い通信を行う通信I/F部とを備える編集装置30とからなり、通信インターフェース部により表示装置1及び編集装置30が接続された場合に、表示装置1は、編集装置30に対して記憶部に記憶された表示パターンを送信すると共に、編集装置30から送信された表示パターンを受信し、受信した表示パターンを記憶部に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示装置及び編集装置に関し、特に、残像現象を利用して、空間に文字や図形等の画像を表示する表示装置に記憶された表示パターンの追加及び/又は編集が可能な表示パターンの表示システム、表示装置及び編集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一列に並べられた複数のLED(Light Emitting Diode)が棒状部材等に設けられ、ユーザがスイング動作を行うことによって空間に文字や図形等の画像を表示させるスイング式の表示装置が知られている。このような表示装置には、通常、LEDを点灯又は消灯(以下、「点滅」とする)させるタイミングが予め設定され、ユーザがスイングした際に、予め設定された所定のタイミングでLEDを点滅させることにより、図8に示すような画像を、残像現象を利用して空間に表示させることができる(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0003】
空間に表示される画像は、表示装置内に予め記憶された表示パターンに基づく画像であり、表示装置には、例えば複数の表示パターンが予め記憶される。ユーザは、この表示装置を操作して複数の表示パターンの中から所定の表示パターンを選択することにより、選択した表示パターンに基づく画像を空間に表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2524676号公報
【特許文献2】特許第4250667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の表示装置では、装置内に予め記憶された表示パターンに基づく画像しか表示させることができず、ユーザが新たな表示パターンを追加したり、記憶された表示パターンを編集することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、空間に表示させる画像に対応する表示パターンの追加や編集を行うことが可能な表示システム、表示装置及び編集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、表示システムであって、複数の発光素子と、画像の表示パターンを記憶する第1の記憶部と、前記表示パターンに基づき前記複数の発光素子の点滅を制御する制御部と、所定のプロトコルに従い、他の機器と通信を行う第1の通信インターフェースとを備える、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置と、画像の表示パターンを編集及び/又は新規作成する編集/作成処理部と、前記表示パターンを記憶する第2の記憶部と、所定のプロトコルに従い、他の機器と通信を行う第2の通信インターフェースとを備える編集装置とからなり、前記第1及び第2の通信インターフェースにより前記表示装置及び前記編集装置が接続された場合に、前記表示装置は、前記編集装置に対して前記第1の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信すると共に、前記編集装置から送信された表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第1の記憶部に記憶し、前記編集装置は、前記表示装置から送信された前記表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第2の記憶部に記憶すると共に、前記表示装置に対して前記第2の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信することを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、第1及び第2の通信インターフェースにより表示装置及び編集装置を接続し、表示装置と編集装置との間で表示パターンの送受信を行うため、表示装置に記憶された表示パターンの追加や編集を行うことが可能になる。
【0009】
また、本発明は、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置であって、複数の発光素子と、画像の表示パターンを記憶する第1の記憶部と、前記表示パターンに基づき前記複数の発光素子の点滅を制御する制御部と、所定のプロトコルに従い、他の機器と通信を行う第1の通信インターフェースとを備え、前記第1の通信インターフェースを介してなされる通信により、前記他の機器に対して前記第1の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信すると共に、前記他の機器から送信された表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第1の記憶部に記憶することを特徴とする。
【0010】
そして、本発明によれば、第1の通信インターフェースを介して他の機器と通信を行い、他の機器との間で表示パターンの送受信を行うため、記憶された表示パターンの追加や編集を行うことが可能になる。
【0011】
上記表示装置において、前記第1の通信インターフェースは、USBを用いて前記他の機器と通信を行うことができる。
【0012】
上記表示装置において、前記第1の通信インターフェースは、赤外線を用いて前記他の機器と無線通信を行うことができる。これにより、表示装置及び他の機器を接続する際の接続ケーブルが不要となるため、表示装置及び他の機器を容易に接続することが可能になる。
【0013】
また、本発明は、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置の編集装置であって、画像の表示パターンを編集及び/又は新規作成する編集/作成処理部と、前記表示パターンを記憶する第2の記憶部と、所定のプロトコルに従い、前記表示装置と通信を行う第2の通信インターフェースとを備え、前記第2の通信インターフェースを介してなされる通信により、前記表示装置から送信された表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第2の記憶部に記憶すると共に、前記表示装置に対して前記第2の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信することを特徴とする。
【0014】
そして、本発明によれば、第2の通信インターフェースを介して他の機器と通信を行い、表示装置との間で表示パターンの送受信を行うため、他の機器に記憶された表示パターンの追加や編集を行うことが可能になる。
【0015】
また、予め記憶された表示パターンや、表示装置に記憶された表示パターンの編集及び/又は新規作成を行い、表示装置に対して表示パターンを送信するため、表示装置に対して様々な表示パターンを設定することが可能になる。
【0016】
上記編集装置において、前記編集装置をPCとすることができる。
【0017】
上記編集装置において、前記編集装置を携帯電話とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、空間に表示させる画像に対応する表示パターンの追加や編集を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】使用形態の一例を示す略線図である。
【図2】本発明にかかる表示装置の一実施の形態を示す外観図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すA−A間を矢印方向に見た断面図、(c)は側面図である。
【図3】表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】表示パターンについて説明するための略線図である。
【図5】編集装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】エキスポート処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図7】インポート処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図8】従来のスイング式の表示装置によって表示される画像について説明するための略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明にかかる表示装置及び編集装置を用いた場合の使用形態を示す。この図1の例は、残像現象を利用して空間に画像を表示する表示装置1と、PC(Personal Computer)等の編集装置30とを伝送路20で接続し、表示装置1と編集装置30との間で、空間に表示させる画像の表示パターンを示す表示パターンデータを伝送する場合の例である。編集装置30は、伝送路20を介して表示装置1から伝送された表示パターンを編集して記憶すると共に、編集装置30上で新規作成された表示パターンデータを伝送路20を介して表示装置1に伝送することができる。
【0021】
図2は、本発明にかかる表示装置1の一実施の形態を示し、表示装置1は、同図(a)に示すように、棒状等の筐体10に、発光素子である複数のLED2、2、・・・と、各種操作を行うスイッチ3(3a〜3d)と、接続端子7とが設けられる。
【0022】
筐体10は、上部側の発光部10aと、下部側の把持部10bとで構成される。発光部10aは、LED2、2、・・・が配置される部分であり、例えば、LED2、2、・・・の周囲が透明の部材で形成されると共に、発光部10a全体が半透明の部材で形成される。また、把持部10bは、ユーザがこの表示装置1を把持するための部分であり、例えば白色の部材で形成される。把持部10bには、スイッチ3(3a〜3d)及び接続端子7が配置される。
【0023】
LED2、2、・・・は、例えば24個又は32個のLEDが筐体10の長手方向に沿うように1列に並べられ、図2(b)及び(c)に示すように、筐体10から露出するようにして発光部10aに配置される。発光部10aにおけるLED2、2、・・・の周囲が透明の部材で形成されると共に、LED2、2、・・・が露出するようにして配置されることにより、LED2、2、・・・を点灯させた際の光を外部に効率的に照射できるようにされている。
【0024】
スイッチ3は、ユーザが操作するための操作子であり、ユーザが表示装置1を把持した状態で操作できるように配置されている。スイッチ3としては、例えば、電源スイッチ3a、発光パターン選択スイッチ3b、バックライト選択スイッチ3c及び表示パターン選択スイッチ3dが設けられる。
【0025】
電源スイッチ3aは、電源のON/OFFを行うためのスイッチであり、例えば、筐体10の長手方向を軸とした回転式のスイッチである。この電源スイッチ3aを所定の角度だけ回転させることにより、電源のON及びOFFが繰り返される。
【0026】
発光パターン選択スイッチ3bは、LED2、2、・・・及び後述するバックライト6の発光を選択するためのスイッチである。例えば、電源スイッチ3aを操作して表示装置1の電源がONとされた場合には、LED2、2、・・・が発光状態となっており、この発光パターン選択スイッチ3bを1回操作すると、LED2、2、・・・が消灯すると共にバックライト6が点灯する。また、発光パターン選択スイッチ3bをさらにもう1回操作すると、LED2、2、・・・が点灯し、LED2、2、・・・及びバックライト6の両方が同時に点灯する。バックライト選択スイッチ3cは、バックライト6の発光や点滅、発光する色等、バックライト6の種類を選択することができる。
【0027】
表示パターン選択スイッチ3dは、表示パターンを選択するためのスイッチであり、表示装置1に予め登録された複数の表示パターンの中から所定の表示パターンを選択することができる。例えば、表示パターン選択スイッチ3dを連続的に操作した回数に応じて、登録された複数の表示パターンから表示パターン#1、表示パターン#2、・・・というように、所定の表示パターンが順次選択される。ここで、「表示パターン選択スイッチ3dに対する連続的な操作の回数」とは、例えば、所定時間間隔の範囲内で表示パターン選択スイッチ3dが操作される回数を示す。
【0028】
尚、選択された表示パターンは、例えば、LED2、2、・・・を用いて表示するようにしてもよい。具体的には、例えば、表示パターン#1が選択された場合には、LED2、2、・・・のうち一番上のLEDを点灯させ、表示パターン#2が選択された場合には、2番目のLEDを点灯させる。
【0029】
接続端子7は、PC等の編集装置30と接続して、表示パターンを送受信するための端子である。接続端子7としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子を用いることができる。編集装置30に表示パターンを送信(エクスポート)したり、編集装置30から表示パターンを受信(インポート)する場合には、伝送路20としての通信ケーブルの一方のコネクタを接続端子7に接続し、他方のコネクタを編集装置30側の接続端子に接続する。
【0030】
また、表示装置1の筐体10内には、図2(c)に示すように、回路基板4、センサ5及びバックライト6が設けられる。回路基板4は、LED2、2、・・・や回路を構成する各種素子が搭載されると共に、センサ5やバックライト6、各種スイッチ3、接続端子7等が接続される。センサ5は、例えば発光部10a内の上部側に設けられ、表示装置1のスイング動作を検出するための素子である。バックライト6は、バックライト選択スイッチ3cに対する操作に基づき発光する。発光部10aが半透明の部材で形成されているため、このバックライト6を発光させた際には、発光部10a全体が発光する。
【0031】
図3は、表示装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、表示装置1は、大別して、動作検出部11、操作部12、記憶部13、制御部14、表示部15及び通信インターフェース(I/F)部16で構成される。
【0032】
動作検出部11は、スイング動作による表示装置1の位置や、表示装置1の振り始め動作、スイング動作が反転する振り戻し動作等を検出し、検出結果を示す動作情報を制御部14に供給する。動作検出部11としては、例えば加速度センサ(図2のセンサ5)を用いることができる。
【0033】
操作部12は、表示装置1の筐体に設けられた各種キーやボタン等の操作子からなり、ユーザの操作に応じた操作子情報を出力し、制御部14に供給する。操作部12としては、例えば、図2に示す電源スイッチ3a、発光パターン選択スイッチ3b、バックライト選択スイッチ3c及び表示パターン選択スイッチ3dを用いることができる。
【0034】
記憶部13は、例えばメモリからなり、表示部15によって表示される画像の表示パターンを示す1つ又は複数の表示パターンデータが予め記憶される。記憶部13は、制御部14からの要求に応じて、記憶された表示パターンデータから所定の表示パターンデータを読み出し、制御部14に供給する。
【0035】
記憶部13に記憶される表示パターンデータは、例えば、表示パターン選択スイッチ3dを連続的に操作した回数に関連付けられて記憶される。例えば、上述の例においては、表示パターン選択スイッチ3dの操作回数「1」と表示パターン#1とが関連付けられ、表示パターン選択スイッチ3dの連続的な操作回数「2」と表示パターン#2とが関連付けられて記憶される。
【0036】
記憶部13に記憶される表示パターンデータは、図4に示すように、行及び列方向に並べられたドットで表現される。表示パターンは、空間に表示させる画像が設定された表示領域21と、この表示領域21の前後に設けられ、空間に画像を適切に表示させるためのマージンである非表示領域22a及び22bとで構成される。
【0037】
非表示領域22a及び22bを設けるのは、表示装置1をスイングさせた際に、スイングの速度によっては、スイング動作における振り始め直後や、スイング動作が反転する振り戻しの直前で画像が潰れてしまう等、画像を適切に表示できなくなるのを防ぐためである。
【0038】
表示パターンにおける行方向のドットは、図2に示す一列に並べられた複数のLED2、2、・・・の各LEDに対応し、各々のLEDの点滅状態を示す。行方向のドット数は、LED2、2、・・・と同数であり、例えば、24ドット又は32ドットである。
【0039】
表示パターンにおける列方向のドットは、所定の時間における各LEDの点滅状態を示す。列方向のドット数は、例えば、表示領域21が128ドットであり、非表示領域22a及び22bが各々15ドットである。
【0040】
このように設定された表示パターンに基づき、各列毎に所定の時間でLEDを順次点滅させることにより、表示パターンの表示領域21に設定された画像を空間に表示することができる。
【0041】
説明は図3に戻り、制御部14は、図示しないROM(Read Only Memory)に予め格納されたプログラムに従い、RAM(Random Access Memory)をワークメモリとして各部を制御する。制御部14は、操作部12から供給された操作子情報に基づき、選択された表示パターンに対応する表示パターンデータを記憶部13から読み出す。そして、読み出した表示パターンデータに従い、予め設定された点滅時間で、表示部15におけるLED2、2、・・・の点滅を制御する。
【0042】
また、制御部14は、記憶部13に記憶された表示パターンデータを読み出し、通信I/F部16に供給すると共に、通信I/F部16から供給された表示パターンデータを記憶部13に記憶させる。
【0043】
表示部15は、例えば、一列に並べられた複数のLED2、2、・・・からなり、制御部14の制御に基づきLED2、2、・・・の点滅を行う。表示部15は、表示装置1をスイングさせた状態でLED2、2、・・・を点滅させるため、残像現象を利用することにより、表示パターンに基づく画像を空間に表示する。
【0044】
通信I/F部16は、図1に示す伝送路20を介して接続された編集装置30との通信を、所定のプロトコルに従い制御する。例えば、伝送路20としてUSBを用いた場合、通信I/F部16は、USBのプロトコルに従って編集装置30との通信を制御する。通信I/F部16における通信制御は、制御部14の命令に基づきなされる。通信I/F部16は、制御部14から供給された表示パターンデータを編集装置30に送信する際の通信制御を行う。また、伝送路20を介して編集装置30から受信した表示パターンデータを制御部14に供給する。
【0045】
次に、本発明にかかる編集装置30の一実施の形態について説明する。以下では、編集装置30がPCである場合を例にとって説明する。編集装置30は、伝送路20を介して表示装置1と接続された際に、表示パターンデータの授受を行うと共に、予め搭載された編集アプリケーションを用いて、表示装置1から供給された表示パターンデータや予め記憶された表示パターンデータの編集又は新規作成を行い、編集又は新規作成された表示パターンデータを記憶する。
【0046】
図5は、編集装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、編集装置30は、大別して、操作部31、記憶部32、通信インターフェース(I/F)部33、制御部34及び表示部35で構成される。
【0047】
操作部31は、編集装置30に設けられた各種キーやボタン等の操作子からなり、ユーザの操作に応じた操作子情報を出力し、制御部34に供給する。操作部31としては、例えば、編集装置30がPCである場合、キーボードや、マウス、タッチパッド等のポインティングデバイスを用いることができる。
【0048】
記憶部32は、例えばメモリからなり、1つ又は複数の表示パターンデータが予め記憶される。記憶部32は、制御部34からの要求に応じて、記憶された表示パターンデータから所定の表示パターンデータを読み出し、制御部34に供給すると共に、制御部34から供給された表示パターンデータを記憶する。また、記憶部32には、表示パターンデータの編集や、新規作成を行うための編集アプリケーションのプログラムが記憶され、制御部34からの要求に応じてプログラムを制御部34に供給する。
【0049】
通信I/F部33は、図1に示す伝送路20を介して接続された表示装置1との通信を、表示装置1に設けられた通信I/F部16で用いられるプロトコルと同様のプロトコルに従い制御する。通信I/F部33における通信制御は、制御部34の命令に基づきなされる。通信I/F部33は、制御部34から供給された表示パターンデータを表示装置1に送信する際の通信制御を行う。また、伝送路20を介して表示装置1から受信した表示パターンデータを制御部34に供給する。
【0050】
制御部34は、図示しないROMに予め格納されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして各部を制御する。制御部34は、操作部12から供給された操作子情報に基づき、記憶部32に記憶された編集アプリケーションのプログラムを読み出し、編集アプリケーションを起動させる。そして、制御部34は、起動した編集アプリケーションを用いて表示パターンの編集や新規作成を行う機能を有し、表示装置1から送信された表示パターン及び/又は記憶部32に記憶された表示パターンの編集や、表示パターンの新規作成を行う。
【0051】
また、制御部34は、編集アプリケーションが起動している最中に、表示パターンデータの授受に対応する操作が行われた場合に、表示装置1からの表示パターンデータの送信要求や、表示装置1に対する表示パターンデータの受信要求等の各種要求を行う。制御部34は、表示装置1に対する送信要求を行った場合に、表示パターンデータを記憶部32から読み出して通信I/F部33に供給すると共に、表示装置1に対する受信要求を行った場合に、通信I/F部33から供給された表示パターンデータを記憶部32に記憶させる。
【0052】
表示部35は、編集アプリケーションが起動された際に操作画面を表示する。表示部35としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0053】
次に、上記構成を有する表示装置1の動作について、図3を参照して説明する。本実施の形態による表示装置1は、振り始めからスイング動作が反転する振り戻し動作までの間に、設定された表示パターンに基づいてLED2、2、・・・を点滅させることにより、残像現象を利用して、表示パターンに基づく画像を空間に表示させる。
【0054】
ユーザにより図2に示す電源スイッチ3aが操作されることにより、表示装置1の電源がONとされる。また、ユーザにより表示パターン選択スイッチ3dが操作されることにより、予め登録された複数の表示パターンの中から所定の表示パターンが選択されると、操作部12は、操作子情報を出力し、制御部14に供給する。制御部14は、操作部12から供給された操作子情報に基づき、記憶部13から選択された表示パターンに対応する表示パターンデータを読み出す。
【0055】
次に、ユーザによる表示装置1のスイング動作が開始されると、動作検出部11は、このスイング動作の開始を検出し、制御部14に動作情報を供給する。制御部14は、動作検出部11から供給された動作情報に基づき、読み出した表示パターンデータに従って、表示部15におけるLED2、2、・・・の点滅を制御する。表示部15は、制御部14の制御に基づいてLED2、2、・・・の点滅を行う。これにより、残像現象を利用して空間に画像が表示される。
【0056】
また、表示装置1が伝送路20により編集装置30と接続されると、編集装置30からの要求に基づき、編集装置30との間で表示パターンデータの授受が行われる。例えば、編集装置30から表示パターンデータの送信要求を受信した場合、制御部14は、送信要求のあった表示パターンデータを記憶部13から読み出し、通信I/F部16に供給する。通信I/F部16は、制御部14から供給された表示パターンデータを、所定のプロトコルに従い、伝送路20を介して編集装置30に対して送信する。
【0057】
また、例えば、編集装置30から表示パターンデータの受信要求を受信した場合、通信I/F部16は、伝送路20を介して編集装置30から表示パターンデータを受信する。通信I/F部16は、受信した表示パターンデータを制御部14に供給する。制御部14は、通信I/F部16から供給された表示パターンデータを記憶部13に記憶させる。
【0058】
次に、上記構成を有する編集装置30の動作について説明する。尚、ここでは、編集装置30がPCであるため、一般的な動作の説明を省略し、この編集装置30に表示装置1を接続した場合の動作について説明する。
【0059】
編集装置30が伝送路20により表示装置1と接続されると、表示装置1に対して表示パターンデータの送受信を行うための各種要求を行い、表示装置1との間で表示パターンデータの授受が行われる。例えば、表示装置1に対して表示パターンデータの送信要求を行った場合、通信I/F部33は、表示装置1から伝送路20を介して表示パターンデータを受信する。通信I/F部33は、受信した表示パターンデータを制御部34に供給する。制御部34は、通信I/F部33から供給された表示パターンデータを記憶部32に記憶させる。
【0060】
また、例えば、表示装置1に対して表示パターンデータの受信要求を行った場合、制御部34は、表示パターンデータを記憶部32から読み出し、通信I/F部33に供給する。通信I/F部33は、制御部34から供給された表示パターンデータを、所定のプロトコルに従い、伝送路20を介して表示装置1に対して送信する。
【0061】
また、編集装置30は、記憶部32に記憶された編集アプリケーションを用いて、表示パターンデータの編集や新規作成を行う。制御部34は、このようにして編集又は作成された表示パターンデータを記憶部32に記憶させる。尚、表示パターンデータの編集又は新規作成方法の詳細については、後述する。
【0062】
次に、表示装置1及び編集装置30を接続した際に行われる処理について説明する。表示装置1及び編集装置30の間では、表示装置1に記憶された表示パターンデータを編集装置30で受信するエクスポート処理と、編集装置30に記憶された表示パターンデータを編集して得られる編集後の表示パターンデータや、新規作成された表示パターンデータを表示装置1に送信するインポート処理とが行われる。
【0063】
まず、エクスポート処理の流れについて、図6に示すフローチャートを参照して説明する。ユーザが操作部31であるマウスやキーボード等を操作して編集アプリケーションを起動する操作を行うと、編集装置30は、この編集アプリケーションに対応するプログラムを記憶部32から読み出して、編集アプリケーションを起動する(ステップS1)。
【0064】
表示装置1及び編集装置30を伝送路20により接続すると(ステップS2)、編集装置30の表示部35に表示された編集アプリケーションの表示画面に、表示装置1に記憶された表示パターンデータ及び編集装置30に記憶された表示パターンデータに基づく表示パターンの一覧が表示される(ステップS3)。
【0065】
表示画面に表示された、表示装置1に記憶された表示パターンの一覧からエクスポートする表示パターンが選択されると(ステップS4)、編集装置30は、表示装置1に対して送信要求を行い、選択された表示パターンに対応する表示パターンデータを伝送路20を介して表示装置1から受信する(ステップS5)。そして、編集装置30は、受信した表示パターンデータを記憶部32に保存する(ステップS6)。
【0066】
次に、インポート処理の流れについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。図6のステップS1の処理と同様に、ユーザが操作部31を操作して編集アプリケーションを起動する操作を行うと、編集装置30は、編集アプリケーションを起動する(ステップS11)。
【0067】
表示装置1及び編集装置30が伝送路20により接続すると(ステップS12)、図6のステップS3と同様に、編集アプリケーションの表示画面に、表示装置1に記憶された表示パターンデータ及び編集装置30に記憶された表示パターンデータに基づく表示パターンの一覧が表示される(ステップS13)。
【0068】
次に、ユーザにより表示パターンを編集又は新規作成する操作が行われる(ステップS14)。表示パターンを編集する場合には、一覧表示された表示パターンの中から、所望の表示パターンが選択され(ステップS15)、選択された表示パターンを編集するための編集画面が表示部35に表示される。また、表示パターンを新規作成する場合には、新規作成画面が表示部35に表示される。
【0069】
このとき、表示部35に表示される編集画面及び新規画面には、例えば、表示パターンデータにおける表示領域21(図4を参照)と同様の行及び列方向に並べられたドットで構成された編集/作成領域が表示される。
【0070】
文字による表示パターンを作成する場合には、キーボード等を用いて表示させる文字を直接的に入力すると共に、文字のサイズやフォントを指定する。このようにして設定された文字は、ドットで表現されたビットマップ画像に変換され、編集/作成領域に表示される(ステップS16−1)。
【0071】
ここで、編集/作成領域に表示された文字の画像に対して、マウス等を用いてドットを直接的に操作して文字を編集することもできる。こうすることにより、表示パターンに対して、例えば文字の拡大や縮小、文字の変形等の編集を行うことができる。
【0072】
また、図形による表示パターンを作成する場合には、マウス等を用いて編集/作成領域内のドットを直接的に操作して図形を描画する(ステップS16−2)。尚、図形の作成は、この方法に限られず、例えば、表示する図形のビットマップ画像データを予め用意し、この画像を読み込んで編集/作成領域に表示させてもよい。
【0073】
ステップS16−1又はS16−2における表示パターンの作成が終了すると、作成された表示パターンに基づく表示パターンデータが記憶部32に保存され、表示部35には、表示パターンの一覧が表示される(ステップS17)。
【0074】
そして、ユーザの操作により、表示部35に表示された表示パターンの一覧からインポートする表示パターンが選択されると(ステップS18)、編集装置30は、表示装置1に対して受信要求を行い、選択された表示パターンに対応する表示パターンデータを伝送路20を介して表示装置1に送信する(ステップS19)。表示装置1は、編集装置30から送信された表示パターンデータを受信し、記憶部13に保存する。
【0075】
尚、インポート処理において、編集装置30の記憶部32に記憶された表示パターンデータを編集することなく表示装置1にインポートする場合には、例えば、ステップS13で表示部35に表示された表示パターンの一覧から所望の表示パターンを選択し、選択された表示パターンデータを表示装置1に対してそのまま送信してもよい。
【0076】
以上のように、本実施の形態によれば、表示装置1と編集装置30とを伝送路20で接続し、エクスポート処理及びインポート処理を行うため、表示装置1に記憶された表示パターンの追加や編集を行うことができる。
【0077】
また、編集装置30において、表示装置1に記憶された表示パターン及び、編集装置30に予め記憶された表示パターンの編集や、表示パターンの新規作成を行い、表示装置1にインポートできるため、表示装置1に様々な表示パターンを設定することができる。
【0078】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の例では、編集装置30としてPCを用いた場合について説明したが、これに限られず、例えば、編集装置30として携帯電話等の携帯端末を用いることもできる。
【0079】
ただし、携帯端末を用いた場合には、編集/作成領域のドットを直接的に指定した編集を行うことが困難であり、文字や図形の編集が制限されるため、表示パターンを編集又は新規作成する場合には、単に文字入力や図形の画像データの読み込み等を行うことにより、表示パターンを作成する。
【0080】
また、上述の例では、伝送路20としてUSBを用いて表示装置1及び編集装置30の間で通信を行う場合について説明したが、通信方式としては、これに限られず、例えば、赤外線を用いた無線通信を用いてもよい。この場合、表示装置1及び編集装置30に設けられる通信I/F部16及び33は、例えば、赤外線通信に対応するプロトコルに従って通信を行うようにすればよい。この場合には、図2に示す接続端子7として、赤外線通信が可能な端子を設ける。こうすることにより、表示装置1及び編集装置30を接続する際の接続ケーブルが不要となり、表示装置1及び編集装置30を容易に接続することができる。
【0081】
さらに、無線通信としては、赤外線による通信に限られず、例えば、Bluetooth(登録商標)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 表示装置
2、2、・・・ LED
3 スイッチ
3a 電源スイッチ
3b 発光パターン選択スイッチ
3c バックライト選択スイッチ
3d 表示パターン選択スイッチ
4 回路基板
5 センサ
6 バックライト
7 接続端子
10 筐体
10a 発光部
10b 把持部
11 動作検出部
12 操作部
13 記憶部
14 制御部
15 表示部
16 通信インターフェース部
20 伝送路
21 表示領域
22(22a、22b) 非表示領域
30 編集装置
31 操作部
32 記憶部
33 通信インターフェース部
34 制御部
35 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
画像の表示パターンを記憶する第1の記憶部と、
前記表示パターンに基づき前記複数の発光素子の点滅を制御する制御部と、
所定のプロトコルに従い、他の機器と通信を行う第1の通信インターフェースとを備える、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置と、
画像の表示パターンを編集及び/又は新規作成する編集/作成処理部と、
前記表示パターンを記憶する第2の記憶部と、
所定のプロトコルに従い、他の機器と通信を行う第2の通信インターフェースとを備える編集装置とからなり、
前記第1及び第2の通信インターフェースにより前記表示装置及び前記編集装置が接続された場合に、
前記表示装置は、前記編集装置に対して前記第1の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信すると共に、前記編集装置から送信された表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第1の記憶部に記憶し、
前記編集装置は、前記表示装置から送信された前記表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第2の記憶部に記憶すると共に、前記表示装置に対して前記第2の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信することを特徴とする表示システム。
【請求項2】
残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置であって、
複数の発光素子と、
画像の表示パターンを記憶する第1の記憶部と、
前記表示パターンに基づき前記複数の発光素子の点滅を制御する制御部と、
所定のプロトコルに従い、他の機器と通信を行う第1の通信インターフェースとを備え、
前記第1の通信インターフェースを介してなされる通信により、前記他の機器に対して前記第1の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信すると共に、前記他の機器から送信された表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第1の記憶部に記憶することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第1の通信インターフェースは、USBを用いて前記他の機器と通信を行うことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の通信インターフェースは、赤外線を用いて前記他の機器と無線通信を行うことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置の編集装置であって、
画像の表示パターンを編集及び/又は新規作成する編集/作成処理部と、
前記表示パターンを記憶する第2の記憶部と、
所定のプロトコルに従い、前記表示装置と通信を行う第2の通信インターフェースとを備え、
前記第2の通信インターフェースを介してなされる通信により、前記表示装置から送信された表示パターンを受信し、該受信した表示パターンを前記第2の記憶部に記憶すると共に、前記表示装置に対して前記第2の記憶部に記憶された前記表示パターンを送信することを特徴とする編集装置。
【請求項6】
前記編集装置は、PCであることを特徴とする請求項5に記載の編集装置。
【請求項7】
前記編集装置は、携帯電話であることを特徴とする請求項5に記載の編集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−194213(P2012−194213A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56085(P2011−56085)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(511034550)株式会社アイ・シー・ティー (2)
【Fターム(参考)】