表示システム及び表示方法
【課題】操作に不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示する。
【解決手段】表示システム100においては、指示受付部11が、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付けるようになっている。そして、ガイド判定部13が表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定し、操作ガイドの表示が必要と判定した場合にはガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。このように表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定することから、ユーザが操作に不慣れか否かを的確に判断することができる。
【解決手段】表示システム100においては、指示受付部11が、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付けるようになっている。そして、ガイド判定部13が表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定し、操作ガイドの表示が必要と判定した場合にはガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。このように表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定することから、ユーザが操作に不慣れか否かを的確に判断することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに情報を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに情報を表示する表示システムにおいては、搭載機能の多様化などに起因して、表示システムに対してユーザが所望の指示を行うために、複雑な操作が必要とされることが多い。このため、従来より、操作に不慣れなユーザのために、操作に関する情報を案内する操作ガイドを表示する技術が知られている。
【0003】
このような操作ガイドの表示は、操作に不慣れなユーザにとっては利便性が高いと感じる一方で、操作に慣れたユーザにとっては逆に煩雑に感じることが多い。このため、通常は操作ガイドを表示しない一方で、ユーザが操作に不慣れであると判断した場合に操作ガイドを表示する技術が提案されている。例えば、誤った操作(無効な指示となる操作)がなされた回数が閾値を超えた場合に、操作ガイドを表示することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−300407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、表示システムのユーザインタフェイスとして、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける方式のGUI(Graphical User Interface)が採用される場合がある。このような表示システムにおいては、ユーザからコマンドの選択を受け付ける場合には、各階層ごとにその時点で有効な指示に対応する選択肢のみが表示される。そして、ユーザは、表示された選択肢から所望の一つを選択する操作を行うことから、操作に不慣れなユーザであっても無効な指示となる操作を行うことは少ない。
【0006】
このため、無効な指示となる操作がなされた回数に基づいて、ユーザが操作に不慣れか否かを判断することは難しい。したがって、無効な指示となる操作がなされた回数に基づいて操作ガイドを表示するようにすると、操作に不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できなくなる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、操作に不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できる技術を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ユーザに情報を表示する表示システムであって、表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける受付手段と、前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示する表示手段と、前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する判定手段と、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層のときに、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層以外のときに、前記特定階層の前記選択肢を前記表示手段に表示させる。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の表示システムにおいて、前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記特定階層に直接的に切り替える指示を前記ユーザから受け付け可能である。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の表示システムにおいて、前記特定手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間に基づいて、前記特定階層を特定する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層よりも上位の階層の前記選択肢を、前記表示手段にさらに表示させる。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記階層構造における所定の階層に直接的に切り替える指示を、前記ユーザから受け付け可能である。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間が所定の閾値より小さくなったときに、前記操作ガイドの前記表示手段への表示を解除する。
【0016】
また、請求項9の発明は、ユーザに情報を表示する表示方法であって、表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける工程と、前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示手段に表示する工程と、前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する工程と、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示する工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし9の発明によれば、表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するため、操作が不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できる。
【0018】
また、特に請求項2の発明によれば、ユーザが操作に迷った特定階層において操作ガイドを表示させるため、ユーザが操作ガイドの閲覧を必要とするタイミングで操作ガイドを表示させることができる。
【0019】
また、特に請求項3の発明によれば、ユーザが操作に迷った特定階層の選択肢を表示させるため、ユーザが操作に迷った場合に特定階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できる。
【0020】
また、特に請求項4の発明によれば、表示対象とする階層をユーザが操作に迷った特定階層に直接的に切り替える指示を行うことが可能であるため、ユーザが操作に迷った場合に特定階層から選択肢の選択をやり直すことができる。
【0021】
また、特に請求項5の発明によれば、滞留時間に基づいて特定階層を特定するため、ユーザが操作に迷った特定階層を適切に特定することができる。
【0022】
また、特に請求項6の発明によれば、表示対象とする階層よりも上位の階層の選択肢を表示させるため、ユーザが操作に迷った場合に上位の階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できる。
【0023】
また、特に請求項7の発明によれば、表示対象とする階層を階層構造における所定の階層に直接的に切り替える指示を行うことが可能であるため、ユーザが操作に迷った場合であっても所定の階層に切り替えて操作をやり直すことができる。
【0024】
また、特に請求項8の発明によれば、滞留時間が所定の閾値より小さくなったときに操作ガイドの表示を解除するため、ユーザが操作ガイドの閲覧が不要となったタイミングで操作ガイドの表示を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、表示システムの構成の概要を示すブロック図である。
【図2】図2は、表示システムの構成の車室内における配置の一例を示す図である。
【図3】図3は、メインコントローラの外観を示す斜視図である。
【図4】図4は、コマンド受付状態に移行する場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図5】図5は、コマンドが分類される階層構造の概要を示す図である。
【図6】図6は、回転操作がなされた場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図7】図7は、表示対象とする階層を切り替える場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定する処理の流れを示す図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【図10】図10は、操作ガイドが表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図11】図11は、操作ガイドが表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定する処理の流れを示す図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【図14】図14は、第3の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【図15】図15は、特定階層に切り替える場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図16】図16は、第4の実施の形態における、ディスプレイの画面の表示例を示す図である。
【図17】図17は、メニュー階層に切り替える場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図18】図18は、第6の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の表示システム100の構成の概要を示すブロック図である。この表示システム100は、自動車などの車両に搭載される車載装置であり、ドライバなどのユーザに対して各種の情報を表示する。表示システム100は、主な機能としてオーディオ機能とナビゲーション機能とを有しており、オーディオ機能で再生するコンテンツの情報や、ナビゲーション用の地図画像などを表示可能となっている。
【0028】
図1に示すように、表示システム100は、システム全体を統括する本体部10と、各種情報を表示するディスプレイ3と、各種音声を出力するスピーカ4と、ユーザが操作を行う操作部5とを備えている。
【0029】
操作部5は、メインコントローラ50とモード切替ボタン59とを含んでいる。メインコントローラ50は、表示システム100に各種の指示を行う際に、ユーザが主に操作するものである。一方、モード切替ボタン59は、表示システム100の動作モードを切り替えるためのボタンである。表示システム100の動作モードには、オーディオ機能を有効化するオーディオモードと、ナビゲーション機能を有効化するナビゲーションモードとがある。
【0030】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とケーブルを介して電気的に接続される。このため、ディスプレイ3及びスピーカ4は本体部10の制御下で動作するとともに、操作部5へのユーザの操作内容は信号として本体部10に入力される。
【0031】
本体部10は、表示システム100の全体を統括する装置であり、車両の所定の位置に配置される。本体部10は、システム全体を制御する制御部1と、放送信号を受信する放送受信部21と、ディスクを再生するディスク再生部22と、デジタル形式の音声データ(音楽データ)を再生するデータ再生部23と、ナビゲーション機能を提供するナビゲーション部24とを備えている。
【0032】
放送受信部21は、AM、FM等のラジオ放送や地上デジタルテレビ放送などの放送信号を受信するアンテナを備えており、受信した放送信号に基づく音声信号や映像信号を取得する。放送受信部21で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0033】
ディスク再生部22は、CD、DVD及びBD(Blu-ray Disc)などのディスクメディアの記録内容を読み取って、音声信号や映像信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0034】
データ再生部23は、ハードディスクを備えており、ハードディスクに予め記憶されたMP3などのデジタル形式の音声データを読み取ってデコードし、再生可能な音声信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
【0035】
ナビゲーション部24は、車両の現在位置に応じた地図画像をディスプレイ3に表示させるとともに、目的地が設定された場合は目的地までのルート案内を行う。ナビゲーション部24はGPSを備えており、GPSで車両の現在位置を取得する。ルートを含む地図画像はディスプレイ3に表示され、ルート案内用の音声はスピーカ4から出力される。
【0036】
また、制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータとして構成され、予めROMなどに記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す、指示受付部11、指示実行部12、ガイド判定部13、及び、ガイド表示部14は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部を示している。
【0037】
指示受付部11は、操作部5への操作内容に基づいてユーザの指示を受け付ける。また、指示実行部12は、指示受付部11が受け付けたユーザの指示を実行する。
【0038】
表示システム100では、ユーザインタフェースとしてGUI(Graphical User Interface)が採用されている。表示システム100がユーザから指示を受け付ける場合には、複数の選択肢が指示受付部11の制御によりディスプレイ3の画面に表示される。これら複数の選択肢にはそれぞれ、表示システム100に対する指示が割り当てられる。ユーザは、この画面を確認しながら、操作部5を操作して、カーソル(フォーカス)を所望の選択肢に移動させ、カーソルのある選択肢の選択を確定する。これにより、複数の選択肢のうちから一の選択肢がユーザに選択される。指示受付部11は、ユーザに選択された選択肢に割り当てられた指示を受け付け、受け付けた指示を指示実行部12が実行することになる。
【0039】
表示システム100では、ユーザが選択することにより表示システム100に実行させることが可能な多数のコマンドが存在している。これらのコマンドは階層構造に分類され、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれている。指示受付部11は、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付けるようになっている(詳細は後述)。
【0040】
ガイド判定部13は、コマンドの選択をユーザから受け付ける場合に、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する。操作ガイドは、操作に不慣れなユーザにとっては利便性が高いと感じる一方で、操作に慣れたユーザにとっては逆に煩雑に感じることが多い。このため、表示システム100では、通常は操作ガイドを表示しないが、所定の条件下で操作ガイドを表示する。ガイド判定部13は、この操作ガイドを表示する条件を満足するか否かを判定する。また、ガイド表示部14は、ガイド判定部13により操作ガイドの表示が必要と判定された場合に、操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。
【0041】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とは独立して、車室内におけるそれぞれに適した位置に配置される。図2は、ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5の車室内における配置の一例を示す図である。
【0042】
図に示すように、ディスプレイ3は、視認するドライバの視線の移動量が少なくなるように、車両のインストルメントパネル91の左右中央に配置される。スピーカ4は、このディスプレイ3に近接して配置される。
【0043】
また、操作部5は、ユーザが操作しやすいようにディスプレイ3やスピーカ4から離間して配置される。具体的には、操作部5は、車両のセンターコンソール93においてシフトレバー94に近接して配置される。メインコントローラ50はシフトレバー94よりも後方に配置され、このメインコントローラ50の周辺にモード切替ボタン59が設けられる。本実施の形態の車両は右ハンドル車であるため、ドライバは運転中に、ステアリングホイール92を操作しながら、必要に応じてシフトレバー94を左手で操作することになる。操作部5は、このシフトレバー94に近接して配置されるため、ドライバはドライビングポジションのまま左手(片手)で操作部5を操作することが可能である。
【0044】
操作部5のメインコントローラ50は、回転操作、押圧操作(プッシュ操作)及び方向操作(スライド操作)のすべてをユーザから受け付け可能な一つの操作部材を備えている。ユーザは、回転操作、押圧操作及び方向操作のすべてをメインコントローラ50に対して片手のみで行うことが可能である。
【0045】
図3は、メインコントローラ50の外観を示す斜視図である。図に示すように、メインコントローラ50は、略円柱形状をしており、ユーザがその全体を片手で覆って把持できる程度の大きさとされている。
【0046】
メインコントローラ50は、図中の矢印AR1で示す方向に回転する回転操作を受け付け可能である。この回転操作がなされると、回転操作がなされたこと、及び、その回転方向(左方向、及び、右方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力するデバイスとしてロータリーエンコーダを採用することができる。
【0047】
また、メインコントローラ50は、図中の矢印AR2で示す方向にプッシュする押圧操作を受け付けることが可能である。この押圧操作がなされると、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば押圧操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される押圧スイッチを採用することにより実現できる。
【0048】
さらに、メインコントローラ50は、図中の矢印AR3で示す4方向にスライドする方向操作を受け付けることが可能である。この方向操作がなされると、方向操作がなされたこと、及び、その方向操作によって示された方向(スライドされた方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば方向操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される複数の押圧スイッチを採用することで実現できる。押圧スイッチは、方向操作によって示すことが可能な4方向にそれぞれ配置される。
【0049】
<1−2.コマンドの選択>
表示システム100のユーザは、メインコントローラ50を操作することで、所望のコマンドを選択し、選択したコマンドを表示システム100に実行させることが可能である。ユーザがコマンドを選択する場合には、まず、メインコントローラ50で押圧操作を行う。これにより、メインコントローラ50から、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。この信号に応答して制御部1は、図4に示すように、ディスプレイ3の状態を、地図画像などを表示する通常状態(状態ST10)から、コマンドをユーザに選択させるためのメニュー画面を表示するコマンド受付状態(状態ST11)に移行させる。このコマンド受付状態で、ユーザはメインコントローラ50を操作して所望のコマンドを選択することができる。
【0050】
前述のように、表示システム100で実行可能なコマンドは階層構造に分類されている。図5は、コマンドが分類される階層構造の概要を示す図である。
【0051】
図に示すように、階層構造の最上位は、メニュー階層H0となっている。このメニュー階層H0は、階層構造のルート階層であるともいえ、コマンド受付状態への移行後に最初に表示対象とされる。
【0052】
メニュー階層H0は、3つの下位階層(「ナビ」「オーディオ」「設定」に対応する階層)を有している。そして、それら3つの下位階層のそれぞれは、さらに下位階層を有している。階層構造においては、このように上位階層が下位階層を有する構造が入れ子状に順次に繰り返される。
【0053】
階層構造の各階層には、ユーザが選択可能な複数の選択肢が含まれている。各階層に含まれる選択肢は、当該階層を表示対象とした場合にディスプレイ3に表示される。このような選択肢には、下位階層に対応するものとコマンドに対応するものとが存在する。例えば、図5に示すナビ階層H1は、「目的地設定」「施設表示」「音量設定」「案内中止」及び「地点登録」の5つの選択肢を含んでいる。これらのうち「目的地設定」「施設表示」及び「音量設定」は下位階層に対応する選択肢であり、「案内中止」及び「地点登録」はコマンドに対応する選択肢である。表示システム100で実行可能なコマンドは、このようにして階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれることになる。
【0054】
下位階層に対応する選択肢には、その下位階層に切り替える指示が割り当てられている。したがって、下位階層に対応する選択肢がユーザに選択された場合はその指示が実行され、当該選択肢に対応する下位階層が新たに表示対象とされて、その下位階層に含まれる選択肢がディスプレイ3に表示される。一方、コマンドに対応する選択肢がユーザに選択された場合は、当該選択肢に対応するコマンドが実行されることになる。
【0055】
ユーザは、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢を選択することで、このような階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから所望の一つのコマンドを選択し、当該コマンドを表示システム100に実行させることができる。
【0056】
例えば、ユーザが、ルート案内の目的地に自宅を設定するためのコマンドを選択する場合を想定する。この場合はまず、ユーザは、コマンド受付状態とした後に、メニュー階層H0に含まれる複数の選択肢のうちから「ナビ」の選択肢を選択する。これにより、ナビ階層H1が表示対象に切り替えられ、ナビ階層H1に含まれる複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。次にユーザは、ナビ階層H1に含まれる複数の選択肢のうちから「目的地設定」の選択肢を選択する。これにより、目的地設定階層H2が表示対象に切り替えられ、目的地設定階層H2に含まれる複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。そしてユーザは、目的地設定階層H2に含まれる複数の選択肢のうちから「自宅」の選択肢CMを選択することになる。
【0057】
各階層における選択肢の選択は、メインコントローラ50を操作することで行うことが可能である。
【0058】
図4に示すように、コマンド受付状態(状態ST11)で表示されるメニュー画面は、左右方向に左側領域A1、中央領域A2及び右側領域A3の3つの領域に分割され、領域同士は円弧状の仕切線によって区切られている。また、これら3つの領域A1,A2,A3の上部には、メニュー階層H0を基準として表示対象となっている階層の位置(絶対パス)を示す位置表示領域A0が設けられている。
【0059】
左側領域A1には、表示対象となっている階層の名称が表示される。図4の下部に示す状態ST11は、コマンド受付状態への移行直後の状態であり、メニュー階層H0が表示対象となっている。このため、メニュー階層H0を示す「メニュー」が左側領域A1に表示されている。
【0060】
また、中央領域A2には、表示対象となっている階層に含まれる選択肢が表示され、表示された選択肢のうちフォーカスのある一の選択肢にカーソルCが表示される。図4の下部に示す状態ST11では、メニュー階層H0に含まれる「ナビ」「オーディオ」「設定」の3つの選択肢が表示されている。そして、「ナビ」の選択肢にカーソルCが表示されている。
【0061】
このようなコマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、カーソルCを他の選択肢に移動させることができる。メインコントローラ50で回転操作を行った場合、カーソルCは中央領域A2の上下中央に維持される一方で、複数の選択肢が上下方向にスクロールする。これにより、複数の選択肢に対してカーソルCを相対的に移動させることができる。
【0062】
具体的には、メインコントローラ50で左回転を行うことで、選択肢がスクロールアップ(上側へスクロール)するため、カーソルCを一つ下の選択肢に移動させることができる。例えば、図6の上部に示す状態ST21で左回転を行えば、各選択肢が上側に移動して、図6の下部に示す状態ST22となる。図6の上部の状態ST21では「ナビ」の選択肢にカーソルCがあるが、図6の下部の状態ST22では「ナビ」の選択肢の一つ下の「オーディオ」の選択肢にカーソルCがある。
【0063】
また、逆に、メインコントローラ50で右回転を行うことで、選択肢がスクロールダウン(下側へスクロール)するため、カーソルCを一つ上の選択肢に移動させることができる。例えば、図6の下部に示す状態ST22で右回転を行えば、各選択肢が下側に移動して、図6の上部に示す状態ST21となる。
【0064】
また、コマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、カーソルCのある選択肢の選択を確定することができる。この押圧操作がなされると、選択された選択肢(確定操作があった時点においてカーソルCがあった選択肢)に割り当てられた指示が指示受付部11に受け付けられ、指示実行部12により当該指示が実行される。
【0065】
選択された選択肢がコマンドに対応する場合は、当該コマンドが実行される。一方、選択された選択肢が下位階層に対応する選択肢の場合は、選択肢に対応する下位階層に表示対象とする階層が切り替えられ、その下位階層に含まれる選択肢がディスプレイ3に新たに表示される。例えば、図7の上部に示す状態ST21で押圧操作を行った場合は、「ナビ」の選択肢の選択が確定される。「ナビ」の選択肢は下位階層であるナビ階層H1(図5参照。)に対応する選択肢であるため、ナビ階層H1が表示対象に切り替えられる。これにより、図7の下部に示す状態ST23のように、ナビ階層H1に含まれる複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。
【0066】
また、コマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で左方向を示す方向操作を行うことで、表示対象とする階層を一つ上位の階層へ切り替えることができる。例えば、図7の下部に示す状態ST23で左方向を示す方向操作を行った場合は、表示対象とする階層が、ナビ階層H1からその一つ上位のメニュー階層H0に切り替えられる(図5参照。)。これにより、図7の上部に示す状態ST21のように、メニュー階層H0に含まれる選択肢がディスプレイ3に表示される。
【0067】
ユーザは、これらの操作を組み合わせることで、表示対象とする階層を切り替えながら階層ごとに選択肢を選択し、表示システム100が実行すべき一つのコマンドを選択することができる。また、ユーザは、押圧操作、及び、左方向を示す方向操作を組み合わせることによって、表示対象とする階層を、下位階層のみならず、上位階層へも切り替えることが可能である。このため、ユーザは、ある階層において選択肢の選択を誤った場合であっても、当該階層に戻って選択肢の選択をやり直すことが可能である。
【0068】
<1−3.操作ガイドの表示>
このようにユーザは、メインコントローラ50を操作することで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから所望の一つのコマンドを選択できる。ただし、所望のコマンドを的確に選択するためには、回転操作、押圧操作及び方向操作を適切に組み合わることが必要となる。このため、操作に不慣れなユーザにとっては、どのような操作を行えばよいかがわからなくなる可能性がある。
【0069】
このため、表示システム100では、表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かをガイド判定部13が判定する。操作ガイドの表示が必要と判定した場合には、ガイド判定部13は、操作ガイドの表示が必要であることを示す内部フラグであるガイド表示フラグをオンとする。そして、このガイド表示フラグがオンとなると、ガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させるようになっている。
【0070】
図8は、操作ガイドの表示が必要か否かを判定するための表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始したこと(すなわち、コマンド受付状態に移行させるための押圧操作を示す信号)に応答してガイド判定部13により実行される。また、この処理は、コマンドが実行された場合などコマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。この処理の開始時点(すなわち、コマンド受付状態に移行した直後)においては、ガイド表示フラグはオフとされている。
【0071】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される。前述のように、表示対象とする階層の切り替えは、下位階層に対応する選択肢が選択された場合と、左方向を示す方向操作がなされた場合とになされる。下位階層に対応する選択肢が選択された場合は表示対象とする階層がその下位階層に切り替えられ、左方向を示す方向操作がなされた場合は表示対象とする階層が上位階層に切り替えられる。
【0072】
このような表示対象とする階層の切り替えがあった場合は(ステップS11にてYes)、コマンド受付状態に移行してから表示対象とする階層を切り替えた回数を示す変数(以下、「切替数変数」という。)Nがインクリメントされる(N=N+1)(ステップS12)。なお、この切替数変数Nは、図8の処理の開始時点でリセット(N=0)される。
【0073】
次に、切替数変数Nが所定の閾値と比較され、切替数変数Nが閾値(例えば、10)を超えるか否かが判定される(ステップS13)。すなわち、コマンド受付状態に移行してから表示対象とする階層を切り替えた回数が、予め定められた回数(本実施の形態では、例えば10回)を超えたか否かが判定されることになる。
【0074】
切替数変数Nが閾値以下の場合は、処理はステップS11に戻る。一方、切替数変数Nが閾値を超える場合は操作ガイドの表示が必要と判定される。そして、操作ガイドの表示が必要であることを示すガイド表示フラグがオンとされる(ステップS14)。
【0075】
本実施の形態の表示システム100においては、ユーザが迷わずに操作を行った場合、コマンドを選択するための操作を開始してから一のコマンドを選択するまでに表示対象とする階層を切り替える回数は最大でも5回程度となる。これに対して、表示対象とする階層を切り替える回数が10回(通常の最大回数の2倍)を超えるということは、上位階層に戻っての選択肢の選択のやり直しを繰り返している可能性が高い。したがってこの場合は、ユーザが操作に不慣れで操作に迷っていると判断することができる。このため、表示システム100においては、表示対象とする階層を切り替える回数が10回を超えた場合は、操作ガイドの表示が必要と判定される。
【0076】
このようにしてガイド表示フラグがオンとなると、ガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。
【0077】
図9は、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0078】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS21)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS22)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS21に戻る。
【0079】
一方、ガイド表示フラグがオンの場合は、操作ガイドがディスプレイ3に表示される(ステップS23)。操作ガイドがディスプレイ3に表示されると、処理はステップS21に戻る。このような処理により、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層の切り替えがなされるごとに、操作ガイドがディスプレイ3に表示されることになる。
【0080】
図10は、ディスプレイ3に操作ガイドG1が表示された例を示す図である。図に示すように、操作ガイドG1は、矩形枠を有するウィンドウとして右側領域A3に表示される。そして、操作ガイドG1においては、その時点においてユーザが可能な操作(コマンド受付状態において可能な操作)のそれぞれを具体的に説明する説明文が示されている。例えば、回転操作に関しては「カーソル移動」、押圧操作に関しては「確定」、左方向を示す方向操作に関しては「上階層へ」とそれぞれ示されている。ユーザは、このような操作ガイドG1を視認することで、その時点で可能な操作を具体的に把握できることになる。
【0081】
また、図11は、ディスプレイ3に操作ガイドG2が表示された他の例を示す図である。図に示すように、操作ガイドG2は、カーソルCのある選択肢に対する吹き出しとして右側領域A3に表示される。そして、操作ガイドG2においては、カーソルCのある選択肢の具体的な内容を説明する説明文が示されている。図の例では、カーソルCのある選択肢が「目的地設定」であり、操作ガイドG2においては「ルート案内の目的地を設定します」と示されている。カーソルCを他の選択肢に移動させた場合は、その移動後のカーソルCがある選択肢に応じた内容が操作ガイドG2に示される。ユーザは、このような操作ガイドG2を視認することで、表示対象となった階層に含まれる各選択肢の具体的な内容を把握できることになる。
【0082】
図10に示すようなユーザが可能な操作を案内する第1タイプの操作ガイドG1と、図11に示すような各選択肢の内容を案内する第2タイプの操作ガイドG2とのいずれをディスプレイ3に表示してもよい。また、表示する操作ガイドのタイプを、第1タイプと第2タイプとでユーザの設定に基づいて変更できるようになっていてもよい。
【0083】
以上のように、表示システム100においては、指示受付部11が、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付けるようになっている。表示対象とする階層に含まれる選択肢はディスプレイ3に表示される。そして、ガイド判定部13が表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定し、操作ガイドの表示が必要と判定した場合にはガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。このように表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定することから、ユーザが操作に不慣れか否かを的確に判断することができる。このため、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける方式の場合であっても、操作が不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示することができる。
【0084】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態においては、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層の切り替えがなされるごとに操作ガイドがディスプレイ3に表示されていた。これに対して、第2の実施の形態においては、ユーザが操作に迷った階層である特定階層が特定され、表示対象とする階層が特定階層のときに操作ガイドがディスプレイ3に表示されるようになっている。
【0085】
図12は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定するための表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始したこと(すなわち、コマンド受付状態に移行したこと)に応答してガイド判定部13により実行される。また、この処理は、コマンドが実行された場合などコマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。この処理の開始時点においては、ガイド表示フラグはオフとされ、切替数変数Nはリセット(N=0)される。
【0086】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される。表示対象とする階層の切り替えがあった場合は(ステップS31にてYes)、切替数変数Nがインクリメントされる(N=N+1)(ステップS32)。
【0087】
続いて、切替直前に表示対象とされていた階層(前階層)における滞留時間が取得される(ステップS33)。この滞留時間は、当該階層を表示対象としてから他の階層を表示対象とするまでの時間であり、ユーザが当該階層において選択肢を選択するために必要とした時間に相当する。すなわち、滞留時間は、ユーザが当該階層において選択肢の選択に迷った時間であるともいえる。制御部1が備えるタイマによって、表示対象とする階層の前回の切り替え時点から今回の切り替え時点までの時間を計時することで、この滞留時間を求めることができる。取得された前階層の滞留時間は、当該階層と関連付けて制御部1のRAMに記憶される。
【0088】
次に、切替数変数Nが所定の閾値と比較され、切替数変数Nが閾値(例えば、10)を超えるか否かが判定される(ステップS34)。切替数変数Nが閾値以下の場合は、処理はステップS31に戻る。
【0089】
一方、切替数変数Nが閾値を超える場合は操作ガイドの表示が必要と判断され、ガイド表示フラグがオンとされる(ステップS35)。
【0090】
続いて、各階層の滞留時間に基づいて、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでにユーザが操作に迷った階層である特定階層が特定される(ステップS36)。具体的には、まず、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに表示対象とされた各階層の滞留時間がRAMから取得される。同一の階層が複数回にわたって表示対象とされた場合は、当該階層の滞留時間として、各回の滞留時間の累積値が利用される。そして、表示対象とされた全ての階層のうち滞留時間が最も長い階層が特定階層として特定される。すなわち、選択肢の選択に迷った時間が最も長い階層が特定階層として特定されることになる。
【0091】
図13は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0092】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS41)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS42)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS41に戻る。
【0093】
また、ガイド表示フラグがオンの場合は、さらに、現時点で表示対象となっている階層(現階層)が特定階層であるか否かが判定される(ステップS43)。現階層が特定階層でない場合は、操作ガイドは表示されず、そのまま処理はステップS41に戻る。
【0094】
一方、現階層が特定階層の場合は、操作ガイドがディスプレイ3に表示される(ステップS44)。この場合は、ユーザが特定階層に含まれる各選択肢の具体的な内容を把握できなかった可能性が高いため、図11に示す第2タイプの操作ガイドG2を表示することが好ましい。もちろん、図10に示す第1タイプの操作ガイドG1を表示してもよい。
【0095】
操作ガイドがディスプレイ3に表示されると、処理はステップS41に戻る。このような処理により、ガイド表示フラグがオンであり、かつ、表示対象となっている階層が特定階層の場合にのみ、操作ガイドがディスプレイ3に表示されることになる。
【0096】
以上のように第2の実施の形態の表示システム100においては、ガイド判定部13が、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでにユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する。そして、ガイド表示部14が、表示対象とする階層が特定階層の場合に、操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。このようにユーザが操作に迷った階層である特定階層において操作ガイドを表示させるため、ユーザが操作ガイドの閲覧を必要とするタイミングで操作ガイドを表示させることができる。また、特定階層以外の階層では操作ガイドが表示されないことから、操作ガイドの表示が煩雑に感じることもない。
【0097】
また、ガイド判定部13は、一の階層を表示対象としてから他の階層を表示対象とするまでの滞留時間に基づいて特定階層を特定することから、ユーザが操作に迷った特定階層を適切に特定することができる。
【0098】
なお、上記では、滞留時間が最も長い階層が特定階層として特定されると説明したが、滞留時間が閾値(例えば10秒)を超える全ての階層を特定階層として特定するようにしてもよい。この場合においても、表示対象となっている階層が、特定階層として特定された階層のいずれかであれば、操作ガイドがディスプレイ3に表示される。
【0099】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第2の実施の形態と同様であるため、以下、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。第2の実施の形態においては、表示対象とする階層が特定階層のときに操作ガイドが表示され、特定階層以外の階層では操作ガイドが表示されなかった。これに対して、第3の実施の形態においては、特定階層以外の階層でも操作ガイドが表示され、さらに、特定階層の選択肢が表示されるようになっている。
【0100】
第3の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定するための表示システム100の処理の流れは、図12に示す第2の実施の形態のものと同様である。この処理により、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに表示対象とされた全ての階層のうち、滞留時間が最も長い階層が特定階層として特定される。
【0101】
図14は、第3の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0102】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS51)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS52)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS51に戻る。
【0103】
また、ガイド表示フラグがオンの場合は、さらに、現時点で表示対象となっている階層(現階層)が特定階層であるか否かが判定される(ステップS53)。現階層が特定階層の場合は(ステップS53にてYes)、第2の実施の形態と同様に、操作ガイドがディスプレイ3に表示され(ステップS54)、処理はステップS51に戻る。
【0104】
一方、現階層が特定階層でない場合は(ステップS53にてNo)、図15の上部の状態ST30のように、第1タイプの操作ガイドG1がディスプレイ3に表示される(ステップS55)。これとともに、特定階層の選択肢を示す特定階層ガイドG3がディスプレイ3に表示される(ステップS56)。
【0105】
特定階層ガイドG3は、矩形枠を有するウィンドウとして左側領域A1に表示される。特定階層ガイドG3においては、特定階層に含まれる複数の選択肢が示される。これらの選択肢のうち、特定階層において選択された選択肢は他の選択肢よりも強調される。ユーザは、このような特定階層ガイドG3を視認することで、操作に迷った特定階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できることになる。
【0106】
また、ガイド表示フラグがオンとなり、操作ガイドG1及び特定階層ガイドG3が表示された状態(状態ST30)においては、指示受付部11が、表示対象とする階層を現階層から特定階層に直接的に(現階層と特定階層との間で他の階層を経ることなく)切り替える指示をユーザから受け付け可能となっている。具体的には、ユーザはメインコントローラ50で上方向を示す方向操作を行うことで、表示対象とする階層を特定階層へ直接的に切り替えることができる。図15の上部の状態ST30のように、操作ガイドG1においては、この上方向を示す方向操作を説明する説明文も示される。
【0107】
ユーザにより上方向を示す方向操作がなされた場合は(ステップS57にてYes)、指示受付部11が、表示対象とする階層を特定階層に直接的に切り替える指示を受け付ける(ステップS57にてYes)。そして、この指示を指示実行部12が実行し、図15の下部の状態ST31のように、表示対象とする階層が特定階層に直接的に切り替えられる(ステップS58)。
【0108】
このように表示対象とする階層を特定階層に直接的に切り替えることが可能であるため、ユーザは特定階層から選択肢の選択をやり直すことができることになる。表示対象とする階層が特定階層に切り替られた場合は、処理はステップS54に進み、操作ガイドがディスプレイ3に表示される。この場合は、特定階層において選択肢の選択をやり直すことになるため、図15の下部の状態ST31のように、各選択肢の内容を案内する第2タイプの操作ガイドG2を表示することが好ましい。
【0109】
以上のように、第3の実施の形態においては、ガイド判定部13が、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでにユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する。そして、ガイド表示部14は、表示対象とする階層が特定階層以外のときは、操作ガイドG1とともに、特定階層の選択肢を示す特定階層ガイドG3をディスプレイ3に表示させる。このため、ユーザが操作に迷った場合に特定階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できる。
【0110】
また、指示受付部11は、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層を特定階層に直接的に切り替える指示をユーザから受け付け可能である。このため、ユーザは、操作に迷った場合に表示対象とする階層を特定階層に切り替え、特定階層から選択肢の選択をやり直すことができる。
【0111】
なお、上記では、表示対象とする階層が特定階層以外のときに操作ガイドG1と特定階層ガイドG3との双方を表示させているが、特定階層ガイドG3のみを表示させてもよい。
【0112】
また、上記では、特定階層に直接的に切り替える指示が上方向を示す方向操作に割り当てられているが、下方向を示す方向操作など他の操作に割り当てられてもよい。また、タッチパネルを採用する表示システムにおいては、特定階層に切り替える指示が割り当てられたコマンドボタンをディスプレイに表示するようにしてもよい。この場合、該コマンドボタンにユーザが触れることで、表示対象とする階層が特定階層に直接的に切り替えられることになる。
【0113】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態では、ガイド表示フラグがオンの場合は、操作ガイドとともに、表示対象とする階層よりも一つ上位の階層の選択肢が表示されるようになっている。
【0114】
図16は、第4の実施の形態における、ガイド表示フラグがオンの場合のディスプレイ3の表示例を示す図である。図に示すように、ディスプレイ3には操作ガイドG1とともに、表示対象とする階層よりも一つ上位の階層の選択肢を示す上位階層ガイドG4が表示される。
【0115】
上位階層ガイドG4は、矩形枠を有するウィンドウとして左側領域A1に表示される。上位階層ガイドG4においては、表示対象とする階層の一つ上位の階層に含まれる複数の選択肢が示される。これらの選択肢のうち、当該階層において選択された選択肢は他の選択肢よりも強調される。ユーザは、このような上位階層ガイドG4を視認することで、一つ上位の階層において選択肢の選択を誤ったか否かを確認できることになる。
【0116】
なお、図16の例では、第1タイプの操作ガイドG1が表示されているが、第2タイプの操作ガイドG2を表示するようにしてもよい。また、表示対象とする階層の一つ上位の階層の選択肢を表示すると説明したが、表示対象とする階層の二つ以上上位の階層の選択肢を表示するようにしてもよい。また、表示対象とする階層の上位となる複数の階層の選択肢を同時に表示してもよい。例えば、表示対象とする階層の一つ上位の階層の選択肢と、表示対象とする階層の二つ上位の階層の選択肢とを同時に表示するようにしてもよい。
【0117】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第5の実施の形態では、ガイド表示フラグがオンの場合は、指示受付部11が、表示対象とする階層をメニュー階層H0(図5参照。)に直接的に切り替える指示をユーザから受け付け可能となっている。
【0118】
図17の上部の状態ST40は、第5の実施の形態における、ガイド表示フラグがオンの場合のディスプレイ3の表示状態を示す図である。ディスプレイ3には操作ガイドG1が表示されている。このような状態において、ユーザはメインコントローラ50で上方向を示す方向操作を行うことで、表示対象とする階層をメニュー階層H0へ直接的に切り替えることができる。操作ガイドG1においては、この上方向を示す方向操作を説明する説明文も示される。
【0119】
このような状態で、ユーザにより上方向を示す方向操作がなされた場合は、指示受付部11が、表示対象とする階層をメニュー階層H0に直接的に切り替える指示を受け付ける。そして、この指示を指示実行部12が実行し、図17の下部の状態ST41のように、表示対象とする階層がメニュー階層H0に直接的に切り替えられる。
【0120】
このようにガイド表示フラグがオンの場合に、表示対象とする階層をメニュー階層H0に直接的に切り替えることが可能であるため、ユーザはメニュー階層H0から選択肢の選択をやり直すことができることになる。
【0121】
図17の下部の状態ST41のように、表示対象とする階層がメニュー階層H0に切り替られた場合も、操作ガイドがディスプレイ3に表示される。この場合は、メニュー階層H0から選択肢の選択をやり直すことになるため、以降は、各選択肢の内容を案内する第2タイプの操作ガイドG2を表示することが好ましい。
【0122】
なお、表示対象とする階層をメニュー階層に直接的に切り替えると説明したが、メニュー階層以外の階層構造における所定の階層に切り替えるようにしてもよい。
【0123】
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第6の実施の形態では、ガイド表示フラグがオンの場合において、特定の条件下でガイド表示フラグがオフとされ、操作ガイドのディスプレイ3への表示が解除されるようになっている。
【0124】
図18は、第6の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0125】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS61)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS62)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS61に戻る。
【0126】
また、ガイド表示フラグがオンの場合は、切替直前に表示対象とされていた階層(前階層)における滞留時間が取得される(ステップS63)。この滞留時間は、図12のステップS33と同様にして求められる。
【0127】
次に、取得された滞留時間が閾値となる所定時間(例えば10秒)よりも小さいか否かが判定される(ステップS64)。前述のように、滞留時間は、ユーザが当該階層において選択肢を選択するために必要とした時間、すなわち、選択肢の選択に迷った時間に相当する。このため、滞留時間が所定時間よりも大きい場合は(ステップS64にてNo)、ユーザが選択肢の選択に迷っていると考えられるため、操作ガイドがディスプレイ3に表示される(ステップS65)。
【0128】
一方、滞留時間が所定時間よりも小さくなった場合は(ステップS64にてYes)、ユーザは選択肢の選択に迷いがなくなり、操作ガイドの閲覧が不要となったと考えられる。このため、この場合は、ガイド表示フラグがオフとされ(ステップS66)、以降、操作ガイドがディスプレイ3へ表示されなくなる。すなわち、操作ガイドのディスプレイ3への表示が解除されることになる。
【0129】
このように、第6の実施の形態の表示システム100では、滞留時間が所定時間より小さくなったときに操作ガイドの表示を解除するため、ユーザが操作ガイドの閲覧が不要となったタイミングで操作ガイドの表示を解除することができる。
【0130】
<7.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0131】
上記実施の形態では、表示対象とする階層を切り替えた回数に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するようにしていた。これに対して、階層ごとの表示対象とされた回数に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するようにしてもよい。この場合は、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに表示対象とされた各階層について、表示対象とされた回数がカウントされる。いずれかの階層の表示対象とされた回数が閾値(例えば5回)を超える場合は、ユーザが同一階層において選択肢の選択のやり直しを繰り返していることになる。このため、いずれかの階層の表示対象とされた回数が閾値を超える場合は、操作ガイドの表示が必要と判定される。この場合も、表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するため、操作が不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できる。
【0132】
また、上記第1の実施の形態においては、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層の切り替えがなされるごとに操作ガイドがディスプレイ3に表示されていた。これに対して、表示対象とする階層の切り替えがなされた場合に、切替直前に表示対象とされていた階層におけるユーザが可能な操作と、切替後に表示対象とされていた階層におけるユーザが可能な操作とが異なる場合にのみ、操作ガイドがディスプレイ3に表示されるようにしてもよい。
【0133】
また、上記実施の形態において説明した右回転操作に割り当てられた指示と左回転操作に割り当てられた指示とは、互いに逆であってもよい。
【0134】
上記実施の形態では、自動車などの車両に搭載される表示システムについて説明を行ったが、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける方式の表示システムであれば、どのような表示システムであっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。また、タッチパネルを採用する表示システムであっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
【0135】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0136】
3 ディスプレイ
5 操作部
11 指示受付部
13 ガイド判定部
14 ガイド表示部
50 メインコントローラ
100 表示システム
C カーソル
G1 操作ガイド
G2 操作ガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに情報を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに情報を表示する表示システムにおいては、搭載機能の多様化などに起因して、表示システムに対してユーザが所望の指示を行うために、複雑な操作が必要とされることが多い。このため、従来より、操作に不慣れなユーザのために、操作に関する情報を案内する操作ガイドを表示する技術が知られている。
【0003】
このような操作ガイドの表示は、操作に不慣れなユーザにとっては利便性が高いと感じる一方で、操作に慣れたユーザにとっては逆に煩雑に感じることが多い。このため、通常は操作ガイドを表示しない一方で、ユーザが操作に不慣れであると判断した場合に操作ガイドを表示する技術が提案されている。例えば、誤った操作(無効な指示となる操作)がなされた回数が閾値を超えた場合に、操作ガイドを表示することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−300407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、表示システムのユーザインタフェイスとして、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける方式のGUI(Graphical User Interface)が採用される場合がある。このような表示システムにおいては、ユーザからコマンドの選択を受け付ける場合には、各階層ごとにその時点で有効な指示に対応する選択肢のみが表示される。そして、ユーザは、表示された選択肢から所望の一つを選択する操作を行うことから、操作に不慣れなユーザであっても無効な指示となる操作を行うことは少ない。
【0006】
このため、無効な指示となる操作がなされた回数に基づいて、ユーザが操作に不慣れか否かを判断することは難しい。したがって、無効な指示となる操作がなされた回数に基づいて操作ガイドを表示するようにすると、操作に不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できなくなる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、操作に不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できる技術を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ユーザに情報を表示する表示システムであって、表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける受付手段と、前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示する表示手段と、前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する判定手段と、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層のときに、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、をさらに備え、前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層以外のときに、前記特定階層の前記選択肢を前記表示手段に表示させる。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の表示システムにおいて、前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記特定階層に直接的に切り替える指示を前記ユーザから受け付け可能である。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の表示システムにおいて、前記特定手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間に基づいて、前記特定階層を特定する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層よりも上位の階層の前記選択肢を、前記表示手段にさらに表示させる。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記階層構造における所定の階層に直接的に切り替える指示を、前記ユーザから受け付け可能である。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載の表示システムにおいて、前記表示制御手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間が所定の閾値より小さくなったときに、前記操作ガイドの前記表示手段への表示を解除する。
【0016】
また、請求項9の発明は、ユーザに情報を表示する表示方法であって、表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける工程と、前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示手段に表示する工程と、前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する工程と、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示する工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし9の発明によれば、表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するため、操作が不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できる。
【0018】
また、特に請求項2の発明によれば、ユーザが操作に迷った特定階層において操作ガイドを表示させるため、ユーザが操作ガイドの閲覧を必要とするタイミングで操作ガイドを表示させることができる。
【0019】
また、特に請求項3の発明によれば、ユーザが操作に迷った特定階層の選択肢を表示させるため、ユーザが操作に迷った場合に特定階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できる。
【0020】
また、特に請求項4の発明によれば、表示対象とする階層をユーザが操作に迷った特定階層に直接的に切り替える指示を行うことが可能であるため、ユーザが操作に迷った場合に特定階層から選択肢の選択をやり直すことができる。
【0021】
また、特に請求項5の発明によれば、滞留時間に基づいて特定階層を特定するため、ユーザが操作に迷った特定階層を適切に特定することができる。
【0022】
また、特に請求項6の発明によれば、表示対象とする階層よりも上位の階層の選択肢を表示させるため、ユーザが操作に迷った場合に上位の階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できる。
【0023】
また、特に請求項7の発明によれば、表示対象とする階層を階層構造における所定の階層に直接的に切り替える指示を行うことが可能であるため、ユーザが操作に迷った場合であっても所定の階層に切り替えて操作をやり直すことができる。
【0024】
また、特に請求項8の発明によれば、滞留時間が所定の閾値より小さくなったときに操作ガイドの表示を解除するため、ユーザが操作ガイドの閲覧が不要となったタイミングで操作ガイドの表示を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、表示システムの構成の概要を示すブロック図である。
【図2】図2は、表示システムの構成の車室内における配置の一例を示す図である。
【図3】図3は、メインコントローラの外観を示す斜視図である。
【図4】図4は、コマンド受付状態に移行する場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図5】図5は、コマンドが分類される階層構造の概要を示す図である。
【図6】図6は、回転操作がなされた場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図7】図7は、表示対象とする階層を切り替える場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定する処理の流れを示す図である。
【図9】図9は、第1の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【図10】図10は、操作ガイドが表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図11】図11は、操作ガイドが表示されたディスプレイの画面の例を示す図である。
【図12】図12は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定する処理の流れを示す図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【図14】図14は、第3の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【図15】図15は、特定階層に切り替える場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図16】図16は、第4の実施の形態における、ディスプレイの画面の表示例を示す図である。
【図17】図17は、メニュー階層に切り替える場合のディスプレイの画面の遷移例を示す図である。
【図18】図18は、第6の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の表示システム100の構成の概要を示すブロック図である。この表示システム100は、自動車などの車両に搭載される車載装置であり、ドライバなどのユーザに対して各種の情報を表示する。表示システム100は、主な機能としてオーディオ機能とナビゲーション機能とを有しており、オーディオ機能で再生するコンテンツの情報や、ナビゲーション用の地図画像などを表示可能となっている。
【0028】
図1に示すように、表示システム100は、システム全体を統括する本体部10と、各種情報を表示するディスプレイ3と、各種音声を出力するスピーカ4と、ユーザが操作を行う操作部5とを備えている。
【0029】
操作部5は、メインコントローラ50とモード切替ボタン59とを含んでいる。メインコントローラ50は、表示システム100に各種の指示を行う際に、ユーザが主に操作するものである。一方、モード切替ボタン59は、表示システム100の動作モードを切り替えるためのボタンである。表示システム100の動作モードには、オーディオ機能を有効化するオーディオモードと、ナビゲーション機能を有効化するナビゲーションモードとがある。
【0030】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とケーブルを介して電気的に接続される。このため、ディスプレイ3及びスピーカ4は本体部10の制御下で動作するとともに、操作部5へのユーザの操作内容は信号として本体部10に入力される。
【0031】
本体部10は、表示システム100の全体を統括する装置であり、車両の所定の位置に配置される。本体部10は、システム全体を制御する制御部1と、放送信号を受信する放送受信部21と、ディスクを再生するディスク再生部22と、デジタル形式の音声データ(音楽データ)を再生するデータ再生部23と、ナビゲーション機能を提供するナビゲーション部24とを備えている。
【0032】
放送受信部21は、AM、FM等のラジオ放送や地上デジタルテレビ放送などの放送信号を受信するアンテナを備えており、受信した放送信号に基づく音声信号や映像信号を取得する。放送受信部21で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0033】
ディスク再生部22は、CD、DVD及びBD(Blu-ray Disc)などのディスクメディアの記録内容を読み取って、音声信号や映像信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力され、映像信号はディスプレイ3に表示される。
【0034】
データ再生部23は、ハードディスクを備えており、ハードディスクに予め記憶されたMP3などのデジタル形式の音声データを読み取ってデコードし、再生可能な音声信号を取得する。ディスク再生部22で取得された音声信号はスピーカ4から出力される。
【0035】
ナビゲーション部24は、車両の現在位置に応じた地図画像をディスプレイ3に表示させるとともに、目的地が設定された場合は目的地までのルート案内を行う。ナビゲーション部24はGPSを備えており、GPSで車両の現在位置を取得する。ルートを含む地図画像はディスプレイ3に表示され、ルート案内用の音声はスピーカ4から出力される。
【0036】
また、制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータとして構成され、予めROMなどに記憶されたファームウェアとしてのプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す、指示受付部11、指示実行部12、ガイド判定部13、及び、ガイド表示部14は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部を示している。
【0037】
指示受付部11は、操作部5への操作内容に基づいてユーザの指示を受け付ける。また、指示実行部12は、指示受付部11が受け付けたユーザの指示を実行する。
【0038】
表示システム100では、ユーザインタフェースとしてGUI(Graphical User Interface)が採用されている。表示システム100がユーザから指示を受け付ける場合には、複数の選択肢が指示受付部11の制御によりディスプレイ3の画面に表示される。これら複数の選択肢にはそれぞれ、表示システム100に対する指示が割り当てられる。ユーザは、この画面を確認しながら、操作部5を操作して、カーソル(フォーカス)を所望の選択肢に移動させ、カーソルのある選択肢の選択を確定する。これにより、複数の選択肢のうちから一の選択肢がユーザに選択される。指示受付部11は、ユーザに選択された選択肢に割り当てられた指示を受け付け、受け付けた指示を指示実行部12が実行することになる。
【0039】
表示システム100では、ユーザが選択することにより表示システム100に実行させることが可能な多数のコマンドが存在している。これらのコマンドは階層構造に分類され、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれている。指示受付部11は、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付けるようになっている(詳細は後述)。
【0040】
ガイド判定部13は、コマンドの選択をユーザから受け付ける場合に、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する。操作ガイドは、操作に不慣れなユーザにとっては利便性が高いと感じる一方で、操作に慣れたユーザにとっては逆に煩雑に感じることが多い。このため、表示システム100では、通常は操作ガイドを表示しないが、所定の条件下で操作ガイドを表示する。ガイド判定部13は、この操作ガイドを表示する条件を満足するか否かを判定する。また、ガイド表示部14は、ガイド判定部13により操作ガイドの表示が必要と判定された場合に、操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。
【0041】
ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5は、本体部10とは独立して、車室内におけるそれぞれに適した位置に配置される。図2は、ディスプレイ3、スピーカ4及び操作部5の車室内における配置の一例を示す図である。
【0042】
図に示すように、ディスプレイ3は、視認するドライバの視線の移動量が少なくなるように、車両のインストルメントパネル91の左右中央に配置される。スピーカ4は、このディスプレイ3に近接して配置される。
【0043】
また、操作部5は、ユーザが操作しやすいようにディスプレイ3やスピーカ4から離間して配置される。具体的には、操作部5は、車両のセンターコンソール93においてシフトレバー94に近接して配置される。メインコントローラ50はシフトレバー94よりも後方に配置され、このメインコントローラ50の周辺にモード切替ボタン59が設けられる。本実施の形態の車両は右ハンドル車であるため、ドライバは運転中に、ステアリングホイール92を操作しながら、必要に応じてシフトレバー94を左手で操作することになる。操作部5は、このシフトレバー94に近接して配置されるため、ドライバはドライビングポジションのまま左手(片手)で操作部5を操作することが可能である。
【0044】
操作部5のメインコントローラ50は、回転操作、押圧操作(プッシュ操作)及び方向操作(スライド操作)のすべてをユーザから受け付け可能な一つの操作部材を備えている。ユーザは、回転操作、押圧操作及び方向操作のすべてをメインコントローラ50に対して片手のみで行うことが可能である。
【0045】
図3は、メインコントローラ50の外観を示す斜視図である。図に示すように、メインコントローラ50は、略円柱形状をしており、ユーザがその全体を片手で覆って把持できる程度の大きさとされている。
【0046】
メインコントローラ50は、図中の矢印AR1で示す方向に回転する回転操作を受け付け可能である。この回転操作がなされると、回転操作がなされたこと、及び、その回転方向(左方向、及び、右方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力するデバイスとしてロータリーエンコーダを採用することができる。
【0047】
また、メインコントローラ50は、図中の矢印AR2で示す方向にプッシュする押圧操作を受け付けることが可能である。この押圧操作がなされると、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば押圧操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される押圧スイッチを採用することにより実現できる。
【0048】
さらに、メインコントローラ50は、図中の矢印AR3で示す4方向にスライドする方向操作を受け付けることが可能である。この方向操作がなされると、方向操作がなされたこと、及び、その方向操作によって示された方向(スライドされた方向)を示す信号が制御部1に入力される。このような信号を出力する機能は、例えば方向操作によって移動したメインコントローラ50の一部で押圧される複数の押圧スイッチを採用することで実現できる。押圧スイッチは、方向操作によって示すことが可能な4方向にそれぞれ配置される。
【0049】
<1−2.コマンドの選択>
表示システム100のユーザは、メインコントローラ50を操作することで、所望のコマンドを選択し、選択したコマンドを表示システム100に実行させることが可能である。ユーザがコマンドを選択する場合には、まず、メインコントローラ50で押圧操作を行う。これにより、メインコントローラ50から、押圧操作がなされたことを示す信号が制御部1に入力される。この信号に応答して制御部1は、図4に示すように、ディスプレイ3の状態を、地図画像などを表示する通常状態(状態ST10)から、コマンドをユーザに選択させるためのメニュー画面を表示するコマンド受付状態(状態ST11)に移行させる。このコマンド受付状態で、ユーザはメインコントローラ50を操作して所望のコマンドを選択することができる。
【0050】
前述のように、表示システム100で実行可能なコマンドは階層構造に分類されている。図5は、コマンドが分類される階層構造の概要を示す図である。
【0051】
図に示すように、階層構造の最上位は、メニュー階層H0となっている。このメニュー階層H0は、階層構造のルート階層であるともいえ、コマンド受付状態への移行後に最初に表示対象とされる。
【0052】
メニュー階層H0は、3つの下位階層(「ナビ」「オーディオ」「設定」に対応する階層)を有している。そして、それら3つの下位階層のそれぞれは、さらに下位階層を有している。階層構造においては、このように上位階層が下位階層を有する構造が入れ子状に順次に繰り返される。
【0053】
階層構造の各階層には、ユーザが選択可能な複数の選択肢が含まれている。各階層に含まれる選択肢は、当該階層を表示対象とした場合にディスプレイ3に表示される。このような選択肢には、下位階層に対応するものとコマンドに対応するものとが存在する。例えば、図5に示すナビ階層H1は、「目的地設定」「施設表示」「音量設定」「案内中止」及び「地点登録」の5つの選択肢を含んでいる。これらのうち「目的地設定」「施設表示」及び「音量設定」は下位階層に対応する選択肢であり、「案内中止」及び「地点登録」はコマンドに対応する選択肢である。表示システム100で実行可能なコマンドは、このようにして階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれることになる。
【0054】
下位階層に対応する選択肢には、その下位階層に切り替える指示が割り当てられている。したがって、下位階層に対応する選択肢がユーザに選択された場合はその指示が実行され、当該選択肢に対応する下位階層が新たに表示対象とされて、その下位階層に含まれる選択肢がディスプレイ3に表示される。一方、コマンドに対応する選択肢がユーザに選択された場合は、当該選択肢に対応するコマンドが実行されることになる。
【0055】
ユーザは、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢を選択することで、このような階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから所望の一つのコマンドを選択し、当該コマンドを表示システム100に実行させることができる。
【0056】
例えば、ユーザが、ルート案内の目的地に自宅を設定するためのコマンドを選択する場合を想定する。この場合はまず、ユーザは、コマンド受付状態とした後に、メニュー階層H0に含まれる複数の選択肢のうちから「ナビ」の選択肢を選択する。これにより、ナビ階層H1が表示対象に切り替えられ、ナビ階層H1に含まれる複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。次にユーザは、ナビ階層H1に含まれる複数の選択肢のうちから「目的地設定」の選択肢を選択する。これにより、目的地設定階層H2が表示対象に切り替えられ、目的地設定階層H2に含まれる複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。そしてユーザは、目的地設定階層H2に含まれる複数の選択肢のうちから「自宅」の選択肢CMを選択することになる。
【0057】
各階層における選択肢の選択は、メインコントローラ50を操作することで行うことが可能である。
【0058】
図4に示すように、コマンド受付状態(状態ST11)で表示されるメニュー画面は、左右方向に左側領域A1、中央領域A2及び右側領域A3の3つの領域に分割され、領域同士は円弧状の仕切線によって区切られている。また、これら3つの領域A1,A2,A3の上部には、メニュー階層H0を基準として表示対象となっている階層の位置(絶対パス)を示す位置表示領域A0が設けられている。
【0059】
左側領域A1には、表示対象となっている階層の名称が表示される。図4の下部に示す状態ST11は、コマンド受付状態への移行直後の状態であり、メニュー階層H0が表示対象となっている。このため、メニュー階層H0を示す「メニュー」が左側領域A1に表示されている。
【0060】
また、中央領域A2には、表示対象となっている階層に含まれる選択肢が表示され、表示された選択肢のうちフォーカスのある一の選択肢にカーソルCが表示される。図4の下部に示す状態ST11では、メニュー階層H0に含まれる「ナビ」「オーディオ」「設定」の3つの選択肢が表示されている。そして、「ナビ」の選択肢にカーソルCが表示されている。
【0061】
このようなコマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で回転操作を行うことで、カーソルCを他の選択肢に移動させることができる。メインコントローラ50で回転操作を行った場合、カーソルCは中央領域A2の上下中央に維持される一方で、複数の選択肢が上下方向にスクロールする。これにより、複数の選択肢に対してカーソルCを相対的に移動させることができる。
【0062】
具体的には、メインコントローラ50で左回転を行うことで、選択肢がスクロールアップ(上側へスクロール)するため、カーソルCを一つ下の選択肢に移動させることができる。例えば、図6の上部に示す状態ST21で左回転を行えば、各選択肢が上側に移動して、図6の下部に示す状態ST22となる。図6の上部の状態ST21では「ナビ」の選択肢にカーソルCがあるが、図6の下部の状態ST22では「ナビ」の選択肢の一つ下の「オーディオ」の選択肢にカーソルCがある。
【0063】
また、逆に、メインコントローラ50で右回転を行うことで、選択肢がスクロールダウン(下側へスクロール)するため、カーソルCを一つ上の選択肢に移動させることができる。例えば、図6の下部に示す状態ST22で右回転を行えば、各選択肢が下側に移動して、図6の上部に示す状態ST21となる。
【0064】
また、コマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で押圧操作を行うことで、カーソルCのある選択肢の選択を確定することができる。この押圧操作がなされると、選択された選択肢(確定操作があった時点においてカーソルCがあった選択肢)に割り当てられた指示が指示受付部11に受け付けられ、指示実行部12により当該指示が実行される。
【0065】
選択された選択肢がコマンドに対応する場合は、当該コマンドが実行される。一方、選択された選択肢が下位階層に対応する選択肢の場合は、選択肢に対応する下位階層に表示対象とする階層が切り替えられ、その下位階層に含まれる選択肢がディスプレイ3に新たに表示される。例えば、図7の上部に示す状態ST21で押圧操作を行った場合は、「ナビ」の選択肢の選択が確定される。「ナビ」の選択肢は下位階層であるナビ階層H1(図5参照。)に対応する選択肢であるため、ナビ階層H1が表示対象に切り替えられる。これにより、図7の下部に示す状態ST23のように、ナビ階層H1に含まれる複数の選択肢がディスプレイ3に表示される。
【0066】
また、コマンド受付状態において、ユーザはメインコントローラ50で左方向を示す方向操作を行うことで、表示対象とする階層を一つ上位の階層へ切り替えることができる。例えば、図7の下部に示す状態ST23で左方向を示す方向操作を行った場合は、表示対象とする階層が、ナビ階層H1からその一つ上位のメニュー階層H0に切り替えられる(図5参照。)。これにより、図7の上部に示す状態ST21のように、メニュー階層H0に含まれる選択肢がディスプレイ3に表示される。
【0067】
ユーザは、これらの操作を組み合わせることで、表示対象とする階層を切り替えながら階層ごとに選択肢を選択し、表示システム100が実行すべき一つのコマンドを選択することができる。また、ユーザは、押圧操作、及び、左方向を示す方向操作を組み合わせることによって、表示対象とする階層を、下位階層のみならず、上位階層へも切り替えることが可能である。このため、ユーザは、ある階層において選択肢の選択を誤った場合であっても、当該階層に戻って選択肢の選択をやり直すことが可能である。
【0068】
<1−3.操作ガイドの表示>
このようにユーザは、メインコントローラ50を操作することで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから所望の一つのコマンドを選択できる。ただし、所望のコマンドを的確に選択するためには、回転操作、押圧操作及び方向操作を適切に組み合わることが必要となる。このため、操作に不慣れなユーザにとっては、どのような操作を行えばよいかがわからなくなる可能性がある。
【0069】
このため、表示システム100では、表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かをガイド判定部13が判定する。操作ガイドの表示が必要と判定した場合には、ガイド判定部13は、操作ガイドの表示が必要であることを示す内部フラグであるガイド表示フラグをオンとする。そして、このガイド表示フラグがオンとなると、ガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させるようになっている。
【0070】
図8は、操作ガイドの表示が必要か否かを判定するための表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始したこと(すなわち、コマンド受付状態に移行させるための押圧操作を示す信号)に応答してガイド判定部13により実行される。また、この処理は、コマンドが実行された場合などコマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。この処理の開始時点(すなわち、コマンド受付状態に移行した直後)においては、ガイド表示フラグはオフとされている。
【0071】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される。前述のように、表示対象とする階層の切り替えは、下位階層に対応する選択肢が選択された場合と、左方向を示す方向操作がなされた場合とになされる。下位階層に対応する選択肢が選択された場合は表示対象とする階層がその下位階層に切り替えられ、左方向を示す方向操作がなされた場合は表示対象とする階層が上位階層に切り替えられる。
【0072】
このような表示対象とする階層の切り替えがあった場合は(ステップS11にてYes)、コマンド受付状態に移行してから表示対象とする階層を切り替えた回数を示す変数(以下、「切替数変数」という。)Nがインクリメントされる(N=N+1)(ステップS12)。なお、この切替数変数Nは、図8の処理の開始時点でリセット(N=0)される。
【0073】
次に、切替数変数Nが所定の閾値と比較され、切替数変数Nが閾値(例えば、10)を超えるか否かが判定される(ステップS13)。すなわち、コマンド受付状態に移行してから表示対象とする階層を切り替えた回数が、予め定められた回数(本実施の形態では、例えば10回)を超えたか否かが判定されることになる。
【0074】
切替数変数Nが閾値以下の場合は、処理はステップS11に戻る。一方、切替数変数Nが閾値を超える場合は操作ガイドの表示が必要と判定される。そして、操作ガイドの表示が必要であることを示すガイド表示フラグがオンとされる(ステップS14)。
【0075】
本実施の形態の表示システム100においては、ユーザが迷わずに操作を行った場合、コマンドを選択するための操作を開始してから一のコマンドを選択するまでに表示対象とする階層を切り替える回数は最大でも5回程度となる。これに対して、表示対象とする階層を切り替える回数が10回(通常の最大回数の2倍)を超えるということは、上位階層に戻っての選択肢の選択のやり直しを繰り返している可能性が高い。したがってこの場合は、ユーザが操作に不慣れで操作に迷っていると判断することができる。このため、表示システム100においては、表示対象とする階層を切り替える回数が10回を超えた場合は、操作ガイドの表示が必要と判定される。
【0076】
このようにしてガイド表示フラグがオンとなると、ガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。
【0077】
図9は、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0078】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS21)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS22)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS21に戻る。
【0079】
一方、ガイド表示フラグがオンの場合は、操作ガイドがディスプレイ3に表示される(ステップS23)。操作ガイドがディスプレイ3に表示されると、処理はステップS21に戻る。このような処理により、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層の切り替えがなされるごとに、操作ガイドがディスプレイ3に表示されることになる。
【0080】
図10は、ディスプレイ3に操作ガイドG1が表示された例を示す図である。図に示すように、操作ガイドG1は、矩形枠を有するウィンドウとして右側領域A3に表示される。そして、操作ガイドG1においては、その時点においてユーザが可能な操作(コマンド受付状態において可能な操作)のそれぞれを具体的に説明する説明文が示されている。例えば、回転操作に関しては「カーソル移動」、押圧操作に関しては「確定」、左方向を示す方向操作に関しては「上階層へ」とそれぞれ示されている。ユーザは、このような操作ガイドG1を視認することで、その時点で可能な操作を具体的に把握できることになる。
【0081】
また、図11は、ディスプレイ3に操作ガイドG2が表示された他の例を示す図である。図に示すように、操作ガイドG2は、カーソルCのある選択肢に対する吹き出しとして右側領域A3に表示される。そして、操作ガイドG2においては、カーソルCのある選択肢の具体的な内容を説明する説明文が示されている。図の例では、カーソルCのある選択肢が「目的地設定」であり、操作ガイドG2においては「ルート案内の目的地を設定します」と示されている。カーソルCを他の選択肢に移動させた場合は、その移動後のカーソルCがある選択肢に応じた内容が操作ガイドG2に示される。ユーザは、このような操作ガイドG2を視認することで、表示対象となった階層に含まれる各選択肢の具体的な内容を把握できることになる。
【0082】
図10に示すようなユーザが可能な操作を案内する第1タイプの操作ガイドG1と、図11に示すような各選択肢の内容を案内する第2タイプの操作ガイドG2とのいずれをディスプレイ3に表示してもよい。また、表示する操作ガイドのタイプを、第1タイプと第2タイプとでユーザの設定に基づいて変更できるようになっていてもよい。
【0083】
以上のように、表示システム100においては、指示受付部11が、表示対象とする階層を切り替えつつ階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付けるようになっている。表示対象とする階層に含まれる選択肢はディスプレイ3に表示される。そして、ガイド判定部13が表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定し、操作ガイドの表示が必要と判定した場合にはガイド表示部14が操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。このように表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定することから、ユーザが操作に不慣れか否かを的確に判断することができる。このため、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける方式の場合であっても、操作が不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示することができる。
【0084】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態においては、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層の切り替えがなされるごとに操作ガイドがディスプレイ3に表示されていた。これに対して、第2の実施の形態においては、ユーザが操作に迷った階層である特定階層が特定され、表示対象とする階層が特定階層のときに操作ガイドがディスプレイ3に表示されるようになっている。
【0085】
図12は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定するための表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始したこと(すなわち、コマンド受付状態に移行したこと)に応答してガイド判定部13により実行される。また、この処理は、コマンドが実行された場合などコマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。この処理の開始時点においては、ガイド表示フラグはオフとされ、切替数変数Nはリセット(N=0)される。
【0086】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される。表示対象とする階層の切り替えがあった場合は(ステップS31にてYes)、切替数変数Nがインクリメントされる(N=N+1)(ステップS32)。
【0087】
続いて、切替直前に表示対象とされていた階層(前階層)における滞留時間が取得される(ステップS33)。この滞留時間は、当該階層を表示対象としてから他の階層を表示対象とするまでの時間であり、ユーザが当該階層において選択肢を選択するために必要とした時間に相当する。すなわち、滞留時間は、ユーザが当該階層において選択肢の選択に迷った時間であるともいえる。制御部1が備えるタイマによって、表示対象とする階層の前回の切り替え時点から今回の切り替え時点までの時間を計時することで、この滞留時間を求めることができる。取得された前階層の滞留時間は、当該階層と関連付けて制御部1のRAMに記憶される。
【0088】
次に、切替数変数Nが所定の閾値と比較され、切替数変数Nが閾値(例えば、10)を超えるか否かが判定される(ステップS34)。切替数変数Nが閾値以下の場合は、処理はステップS31に戻る。
【0089】
一方、切替数変数Nが閾値を超える場合は操作ガイドの表示が必要と判断され、ガイド表示フラグがオンとされる(ステップS35)。
【0090】
続いて、各階層の滞留時間に基づいて、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでにユーザが操作に迷った階層である特定階層が特定される(ステップS36)。具体的には、まず、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに表示対象とされた各階層の滞留時間がRAMから取得される。同一の階層が複数回にわたって表示対象とされた場合は、当該階層の滞留時間として、各回の滞留時間の累積値が利用される。そして、表示対象とされた全ての階層のうち滞留時間が最も長い階層が特定階層として特定される。すなわち、選択肢の選択に迷った時間が最も長い階層が特定階層として特定されることになる。
【0091】
図13は、第2の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0092】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS41)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS42)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS41に戻る。
【0093】
また、ガイド表示フラグがオンの場合は、さらに、現時点で表示対象となっている階層(現階層)が特定階層であるか否かが判定される(ステップS43)。現階層が特定階層でない場合は、操作ガイドは表示されず、そのまま処理はステップS41に戻る。
【0094】
一方、現階層が特定階層の場合は、操作ガイドがディスプレイ3に表示される(ステップS44)。この場合は、ユーザが特定階層に含まれる各選択肢の具体的な内容を把握できなかった可能性が高いため、図11に示す第2タイプの操作ガイドG2を表示することが好ましい。もちろん、図10に示す第1タイプの操作ガイドG1を表示してもよい。
【0095】
操作ガイドがディスプレイ3に表示されると、処理はステップS41に戻る。このような処理により、ガイド表示フラグがオンであり、かつ、表示対象となっている階層が特定階層の場合にのみ、操作ガイドがディスプレイ3に表示されることになる。
【0096】
以上のように第2の実施の形態の表示システム100においては、ガイド判定部13が、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでにユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する。そして、ガイド表示部14が、表示対象とする階層が特定階層の場合に、操作ガイドをディスプレイ3に表示させる。このようにユーザが操作に迷った階層である特定階層において操作ガイドを表示させるため、ユーザが操作ガイドの閲覧を必要とするタイミングで操作ガイドを表示させることができる。また、特定階層以外の階層では操作ガイドが表示されないことから、操作ガイドの表示が煩雑に感じることもない。
【0097】
また、ガイド判定部13は、一の階層を表示対象としてから他の階層を表示対象とするまでの滞留時間に基づいて特定階層を特定することから、ユーザが操作に迷った特定階層を適切に特定することができる。
【0098】
なお、上記では、滞留時間が最も長い階層が特定階層として特定されると説明したが、滞留時間が閾値(例えば10秒)を超える全ての階層を特定階層として特定するようにしてもよい。この場合においても、表示対象となっている階層が、特定階層として特定された階層のいずれかであれば、操作ガイドがディスプレイ3に表示される。
【0099】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第2の実施の形態と同様であるため、以下、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。第2の実施の形態においては、表示対象とする階層が特定階層のときに操作ガイドが表示され、特定階層以外の階層では操作ガイドが表示されなかった。これに対して、第3の実施の形態においては、特定階層以外の階層でも操作ガイドが表示され、さらに、特定階層の選択肢が表示されるようになっている。
【0100】
第3の実施の形態における、操作ガイドの表示が必要か否かを判定するための表示システム100の処理の流れは、図12に示す第2の実施の形態のものと同様である。この処理により、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに表示対象とされた全ての階層のうち、滞留時間が最も長い階層が特定階層として特定される。
【0101】
図14は、第3の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0102】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS51)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS52)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS51に戻る。
【0103】
また、ガイド表示フラグがオンの場合は、さらに、現時点で表示対象となっている階層(現階層)が特定階層であるか否かが判定される(ステップS53)。現階層が特定階層の場合は(ステップS53にてYes)、第2の実施の形態と同様に、操作ガイドがディスプレイ3に表示され(ステップS54)、処理はステップS51に戻る。
【0104】
一方、現階層が特定階層でない場合は(ステップS53にてNo)、図15の上部の状態ST30のように、第1タイプの操作ガイドG1がディスプレイ3に表示される(ステップS55)。これとともに、特定階層の選択肢を示す特定階層ガイドG3がディスプレイ3に表示される(ステップS56)。
【0105】
特定階層ガイドG3は、矩形枠を有するウィンドウとして左側領域A1に表示される。特定階層ガイドG3においては、特定階層に含まれる複数の選択肢が示される。これらの選択肢のうち、特定階層において選択された選択肢は他の選択肢よりも強調される。ユーザは、このような特定階層ガイドG3を視認することで、操作に迷った特定階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できることになる。
【0106】
また、ガイド表示フラグがオンとなり、操作ガイドG1及び特定階層ガイドG3が表示された状態(状態ST30)においては、指示受付部11が、表示対象とする階層を現階層から特定階層に直接的に(現階層と特定階層との間で他の階層を経ることなく)切り替える指示をユーザから受け付け可能となっている。具体的には、ユーザはメインコントローラ50で上方向を示す方向操作を行うことで、表示対象とする階層を特定階層へ直接的に切り替えることができる。図15の上部の状態ST30のように、操作ガイドG1においては、この上方向を示す方向操作を説明する説明文も示される。
【0107】
ユーザにより上方向を示す方向操作がなされた場合は(ステップS57にてYes)、指示受付部11が、表示対象とする階層を特定階層に直接的に切り替える指示を受け付ける(ステップS57にてYes)。そして、この指示を指示実行部12が実行し、図15の下部の状態ST31のように、表示対象とする階層が特定階層に直接的に切り替えられる(ステップS58)。
【0108】
このように表示対象とする階層を特定階層に直接的に切り替えることが可能であるため、ユーザは特定階層から選択肢の選択をやり直すことができることになる。表示対象とする階層が特定階層に切り替られた場合は、処理はステップS54に進み、操作ガイドがディスプレイ3に表示される。この場合は、特定階層において選択肢の選択をやり直すことになるため、図15の下部の状態ST31のように、各選択肢の内容を案内する第2タイプの操作ガイドG2を表示することが好ましい。
【0109】
以上のように、第3の実施の形態においては、ガイド判定部13が、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでにユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する。そして、ガイド表示部14は、表示対象とする階層が特定階層以外のときは、操作ガイドG1とともに、特定階層の選択肢を示す特定階層ガイドG3をディスプレイ3に表示させる。このため、ユーザが操作に迷った場合に特定階層において選択肢の選択を誤ったか否かを容易に把握できる。
【0110】
また、指示受付部11は、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層を特定階層に直接的に切り替える指示をユーザから受け付け可能である。このため、ユーザは、操作に迷った場合に表示対象とする階層を特定階層に切り替え、特定階層から選択肢の選択をやり直すことができる。
【0111】
なお、上記では、表示対象とする階層が特定階層以外のときに操作ガイドG1と特定階層ガイドG3との双方を表示させているが、特定階層ガイドG3のみを表示させてもよい。
【0112】
また、上記では、特定階層に直接的に切り替える指示が上方向を示す方向操作に割り当てられているが、下方向を示す方向操作など他の操作に割り当てられてもよい。また、タッチパネルを採用する表示システムにおいては、特定階層に切り替える指示が割り当てられたコマンドボタンをディスプレイに表示するようにしてもよい。この場合、該コマンドボタンにユーザが触れることで、表示対象とする階層が特定階層に直接的に切り替えられることになる。
【0113】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第4の実施の形態では、ガイド表示フラグがオンの場合は、操作ガイドとともに、表示対象とする階層よりも一つ上位の階層の選択肢が表示されるようになっている。
【0114】
図16は、第4の実施の形態における、ガイド表示フラグがオンの場合のディスプレイ3の表示例を示す図である。図に示すように、ディスプレイ3には操作ガイドG1とともに、表示対象とする階層よりも一つ上位の階層の選択肢を示す上位階層ガイドG4が表示される。
【0115】
上位階層ガイドG4は、矩形枠を有するウィンドウとして左側領域A1に表示される。上位階層ガイドG4においては、表示対象とする階層の一つ上位の階層に含まれる複数の選択肢が示される。これらの選択肢のうち、当該階層において選択された選択肢は他の選択肢よりも強調される。ユーザは、このような上位階層ガイドG4を視認することで、一つ上位の階層において選択肢の選択を誤ったか否かを確認できることになる。
【0116】
なお、図16の例では、第1タイプの操作ガイドG1が表示されているが、第2タイプの操作ガイドG2を表示するようにしてもよい。また、表示対象とする階層の一つ上位の階層の選択肢を表示すると説明したが、表示対象とする階層の二つ以上上位の階層の選択肢を表示するようにしてもよい。また、表示対象とする階層の上位となる複数の階層の選択肢を同時に表示してもよい。例えば、表示対象とする階層の一つ上位の階層の選択肢と、表示対象とする階層の二つ上位の階層の選択肢とを同時に表示するようにしてもよい。
【0117】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第5の実施の形態では、ガイド表示フラグがオンの場合は、指示受付部11が、表示対象とする階層をメニュー階層H0(図5参照。)に直接的に切り替える指示をユーザから受け付け可能となっている。
【0118】
図17の上部の状態ST40は、第5の実施の形態における、ガイド表示フラグがオンの場合のディスプレイ3の表示状態を示す図である。ディスプレイ3には操作ガイドG1が表示されている。このような状態において、ユーザはメインコントローラ50で上方向を示す方向操作を行うことで、表示対象とする階層をメニュー階層H0へ直接的に切り替えることができる。操作ガイドG1においては、この上方向を示す方向操作を説明する説明文も示される。
【0119】
このような状態で、ユーザにより上方向を示す方向操作がなされた場合は、指示受付部11が、表示対象とする階層をメニュー階層H0に直接的に切り替える指示を受け付ける。そして、この指示を指示実行部12が実行し、図17の下部の状態ST41のように、表示対象とする階層がメニュー階層H0に直接的に切り替えられる。
【0120】
このようにガイド表示フラグがオンの場合に、表示対象とする階層をメニュー階層H0に直接的に切り替えることが可能であるため、ユーザはメニュー階層H0から選択肢の選択をやり直すことができることになる。
【0121】
図17の下部の状態ST41のように、表示対象とする階層がメニュー階層H0に切り替られた場合も、操作ガイドがディスプレイ3に表示される。この場合は、メニュー階層H0から選択肢の選択をやり直すことになるため、以降は、各選択肢の内容を案内する第2タイプの操作ガイドG2を表示することが好ましい。
【0122】
なお、表示対象とする階層をメニュー階層に直接的に切り替えると説明したが、メニュー階層以外の階層構造における所定の階層に切り替えるようにしてもよい。
【0123】
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態の表示システム100の基本的な構成や動作は第1の実施の形態と同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第6の実施の形態では、ガイド表示フラグがオンの場合において、特定の条件下でガイド表示フラグがオフとされ、操作ガイドのディスプレイ3への表示が解除されるようになっている。
【0124】
図18は、第6の実施の形態における、操作ガイドの表示に係る表示システム100の処理の流れを示す図である。この処理は、コマンド受付状態において主にガイド表示部14により実行される。また、この処理は、コマンド受付状態でなくなった場合には強制的に終了する。
【0125】
まず、表示対象とする階層の切り替えがなされたか否かが判定される(ステップS61)。そして、表示対象とする階層の切り替えがあった場合は、次に、ガイド表示フラグがオンであるか否かが判定される(ステップS62)。ガイド表示フラグがオフの場合は、そのまま処理はステップS61に戻る。
【0126】
また、ガイド表示フラグがオンの場合は、切替直前に表示対象とされていた階層(前階層)における滞留時間が取得される(ステップS63)。この滞留時間は、図12のステップS33と同様にして求められる。
【0127】
次に、取得された滞留時間が閾値となる所定時間(例えば10秒)よりも小さいか否かが判定される(ステップS64)。前述のように、滞留時間は、ユーザが当該階層において選択肢を選択するために必要とした時間、すなわち、選択肢の選択に迷った時間に相当する。このため、滞留時間が所定時間よりも大きい場合は(ステップS64にてNo)、ユーザが選択肢の選択に迷っていると考えられるため、操作ガイドがディスプレイ3に表示される(ステップS65)。
【0128】
一方、滞留時間が所定時間よりも小さくなった場合は(ステップS64にてYes)、ユーザは選択肢の選択に迷いがなくなり、操作ガイドの閲覧が不要となったと考えられる。このため、この場合は、ガイド表示フラグがオフとされ(ステップS66)、以降、操作ガイドがディスプレイ3へ表示されなくなる。すなわち、操作ガイドのディスプレイ3への表示が解除されることになる。
【0129】
このように、第6の実施の形態の表示システム100では、滞留時間が所定時間より小さくなったときに操作ガイドの表示を解除するため、ユーザが操作ガイドの閲覧が不要となったタイミングで操作ガイドの表示を解除することができる。
【0130】
<7.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0131】
上記実施の形態では、表示対象とする階層を切り替えた回数に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するようにしていた。これに対して、階層ごとの表示対象とされた回数に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するようにしてもよい。この場合は、ユーザがコマンドを選択するための操作を開始してから操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに表示対象とされた各階層について、表示対象とされた回数がカウントされる。いずれかの階層の表示対象とされた回数が閾値(例えば5回)を超える場合は、ユーザが同一階層において選択肢の選択のやり直しを繰り返していることになる。このため、いずれかの階層の表示対象とされた回数が閾値を超える場合は、操作ガイドの表示が必要と判定される。この場合も、表示対象とする階層の遷移状況に基づいて操作ガイドの表示が必要か否かを判定するため、操作が不慣れなユーザに対して適切に操作ガイドを表示できる。
【0132】
また、上記第1の実施の形態においては、ガイド表示フラグがオンの場合は、表示対象とする階層の切り替えがなされるごとに操作ガイドがディスプレイ3に表示されていた。これに対して、表示対象とする階層の切り替えがなされた場合に、切替直前に表示対象とされていた階層におけるユーザが可能な操作と、切替後に表示対象とされていた階層におけるユーザが可能な操作とが異なる場合にのみ、操作ガイドがディスプレイ3に表示されるようにしてもよい。
【0133】
また、上記実施の形態において説明した右回転操作に割り当てられた指示と左回転操作に割り当てられた指示とは、互いに逆であってもよい。
【0134】
上記実施の形態では、自動車などの車両に搭載される表示システムについて説明を行ったが、階層構造のいずれかの階層の選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける方式の表示システムであれば、どのような表示システムであっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。また、タッチパネルを採用する表示システムであっても、上記で説明した技術を好適に適用可能である。
【0135】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0136】
3 ディスプレイ
5 操作部
11 指示受付部
13 ガイド判定部
14 ガイド表示部
50 メインコントローラ
100 表示システム
C カーソル
G1 操作ガイド
G2 操作ガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに情報を表示する表示システムであって、
表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける受付手段と、
前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示する表示手段と、
前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する判定手段と、
前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層のときに、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させることを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層以外のときに、前記特定階層の前記選択肢を前記表示手段に表示させることを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の表示システムにおいて、
前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記特定階層に直接的に切り替える指示を前記ユーザから受け付け可能であることを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載の表示システムにおいて、
前記特定手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間に基づいて、前記特定階層を特定することを特徴とする表示システム。
【請求項6】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層よりも上位の階層の前記選択肢を、前記表示手段にさらに表示させることを特徴とする表示システム。
【請求項7】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記階層構造における所定の階層に直接的に切り替える指示を、前記ユーザから受け付け可能であることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間が所定の閾値より小さくなったときに、前記操作ガイドの前記表示手段への表示を解除することを特徴とする表示システム。
【請求項9】
ユーザに情報を表示する表示方法であって、
表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける工程と、
前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示手段に表示する工程と、
前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する工程と、
前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示する工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項1】
ユーザに情報を表示する表示システムであって、
表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける受付手段と、
前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示する表示手段と、
前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する判定手段と、
前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層のときに、前記操作ガイドを前記表示手段に表示させることを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記ユーザが操作を開始してから前記操作ガイドの表示が必要と判定されるまでに前記ユーザが操作に迷った階層である特定階層を特定する特定手段、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層が前記特定階層以外のときに、前記特定階層の前記選択肢を前記表示手段に表示させることを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の表示システムにおいて、
前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記特定階層に直接的に切り替える指示を前記ユーザから受け付け可能であることを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載の表示システムにおいて、
前記特定手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間に基づいて、前記特定階層を特定することを特徴とする表示システム。
【請求項6】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層よりも上位の階層の前記選択肢を、前記表示手段にさらに表示させることを特徴とする表示システム。
【請求項7】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記受付手段は、前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記表示対象とする階層を前記階層構造における所定の階層に直接的に切り替える指示を、前記ユーザから受け付け可能であることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、一の階層を前記表示対象としてから他の階層を前記表示対象とするまでの滞留時間が所定の閾値より小さくなったときに、前記操作ガイドの前記表示手段への表示を解除することを特徴とする表示システム。
【請求項9】
ユーザに情報を表示する表示方法であって、
表示対象とする階層を切り替えつつ前記階層ごとに選択肢をユーザに選択させることで、階層構造のいずれかの階層の前記選択肢に含まれるコマンドのうちから一のコマンドの選択をユーザから受け付ける工程と、
前記表示対象とする階層の前記選択肢を表示手段に表示する工程と、
前記表示対象とする階層の遷移状況に基づいて、操作に関する情報を案内する操作ガイドの表示が必要か否かを判定する工程と、
前記操作ガイドの表示が必要と判定された場合は、前記操作ガイドを前記表示手段に表示する工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−88851(P2012−88851A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233733(P2010−233733)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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