説明

表示システム

【課題】視聴者に不快感及び故障の不安を与えること無く、低コストかつ簡易な構成で、3D眼鏡の電池残量が少ないことを視聴者に確実に通知することができる表示システムを提供する。
【解決手段】右目用及び左目用の映像を表示する表示装置1と、表示装置1に表示された右目用及び左目用の映像夫々を選択的に透過させる3D眼鏡2とを備えた表示システムにおいて、3D眼鏡2に、右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28を駆動するための電池の残量を検出する電池残量検出部22と、検出された電池残量が所定量未満になった場合、電池残量が所定量未満になったことを示す警告信号を送信するIR送信部29とを備え、表示装置1に、IR送信部29から送信された警告信号を受信するIR受信部(18)と、警告信号を受信した場合、電池残量が所定量未満である旨を表示する表示部(15)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び3D眼鏡を備えた表示システムに関し、特に3D眼鏡の電池残量が所定量未満になった場合、警告を表示装置に表示するように構成した表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビ、プラズマテレビ、有機ELテレビなどの表示装置において、3D化が急速に進んでおり、3D映像を楽しむことができる表示システムが相次いで製品化されている。該表示システムは、3D用の映像として、右目用及び左目用の映像を交互に表示することができる表示装置と、該表示装置に表示された右目用及び左目用の映像夫々を選択的に透過させる右目用シャッタ及び左目用シャッタを有する3D眼鏡とを備える。3D眼鏡は、右目用シャッタ及び左目用シャッタを駆動するための電池を搭載している。3D眼鏡の電池が切れた場合、正常な3D映像を視聴することができなくなり、視聴者は、表示装置の故障と誤解するおそれもある。そこで、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を3D眼鏡のテンプル部分に設け、電池残量が少なくなった場合、3D眼鏡の電源オン時にLEDを5回点滅させて、電池残量が少ないことを視聴者に知らせるように構成した表示システムが実用化されている。
【0003】
一方、特許文献1には、電気的に焦点距離を可変可能な可変焦点レンズを備え、更に本体の電池残量が少なくなっていることを表示するLEDを可変焦点レンズに設けた電子眼鏡が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、特許文献2には、本体の電池残量が少なくなった場合、右目用及び左目用液晶シャッタの開閉スピードを遅くすることによって、電池残量の低下を知らせるように構成した液晶シャッタ眼鏡が開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−180863号公報
【特許文献2】特開平9−90292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電源オン時にLEDを5回点滅させる従来の表示システムにおいては、電源ON時にLEDの点滅を見逃す可能性が高いという問題があった。つまり、視聴者は、3D映像を視聴するために3D眼鏡の電源スイッチを操作するが、3D眼鏡の扱いに慣れた視聴者の意識は、すぐさま3D映像、あるいは3D眼鏡の装着に移行するのが通常であり、LEDの点滅に気が付かない虞がある。
また、3D映像の視聴中に電池残量が少なくなってきた場合、3D眼鏡を装着している視聴者は、電池残量が少なくなっていることをリアルタイムで確認できないという問題があった。電池残量が少なくなったことに気が付かない視聴者は、除々に暗くなった映像の視聴を余儀なくされる。
【0007】
一方、特許文献1に係る電子眼鏡においては、可変焦点レンズにLEDを備える必要があり、特殊な可変焦点レンズ及びシステムの作成にコストが掛かるという問題がある。
また、特許文献1に係る電子眼鏡を3D眼鏡として利用する場合、3D映像の視聴中に警告表示を視聴者に認識させるためには、右目及び左目の対応する箇所を同期点灯させるように構成する必要があり、システム及びソフト処理が別途必要になるという問題がある。なお、単純なLEDの発光のみで視聴者に電池残量が少なくなっていることを知らせることも可能ではあるが、LEDを強く発光させる必要があり、視聴者は3D映像の視聴を続けることができなくなるという問題がある。
更に、特許文献2に係る液晶シャッタ眼鏡においては、液晶シャッタの開閉スピードが遅くなると、3D映像の視聴者は不快感を覚え、映像を楽しむことが出来なくなるばかりか、故障の不安を与える虞がある。また、実際に3D眼鏡が故障しているのか否かの判断を困難にする虞がある。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、視聴者に不快感及び故障の不安を与えること無く、低コストかつ簡易な構成で、3D眼鏡の電池残量が少ないことを視聴者に確実に通知することができる表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示システムは、右目用及び左目用の映像を表示する表示装置と、該表示装置に表示された右目用及び左目用の映像夫々を選択的に透過させる右目用シャッタ及び左目用シャッタを有する3D眼鏡とを備えた表示システムにおいて、前記3D眼鏡は、前記右目用シャッタ及び左目用シャッタを駆動するための電池の残量を検出する電池残量検出手段と、該電池残量検出手段にて検出された電池残量が所定量未満になった場合、電池残量が所定量未満になったことを示す警告信号を送信する送信手段とを備え、前記表示装置は、前記送信手段から送信された警告信号を受信する受信手段と、該受信手段にて警告信号を受信した場合、電池残量が所定量未満である旨を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、3D眼鏡の電池残量検出手段が3D眼鏡の電池残量を検出する。そして、電池残量が所定量未満である場合、送信手段が警告信号を表示装置へ送信し、表示装置は、受信手段にて3D眼鏡から送信された警告信号を受信する。該警告信号を受信した場合、表示装置は電池残量が所定量未満である旨を表示する。
電池残量が所定量未満である旨を表示装置が表示する構成であるため、電池残量が少なくなっていることを視聴者に確実に通知することが可能である。また、特殊な右目用シャッタ及び左目用シャッタ及びLED点灯制御システムを備える必要は無く、低コスト及び簡易に構成することが可能である。更に、右目用シャッタ及び左目用シャッタの開閉スピードを変化させること無く、警告を表示する構成であるため、視聴者に不快感及び故障の不安を与えることは無い。
なお、警告の表示態様は特に限定されるものでは無く、少なくとも電池残量が少なくなっていることを視聴者が認識できれば足りる。
【0011】
本発明に係る表示システムは、前記送信手段は、警告信号を複数回送信する手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、送信手段は、警告信号を複数回送信し、表示手段は、複数回送信された警告信号のいずれか一つを受信手段が受信した場合、電池残量が所定量未満である旨を表示する。
従って、一時的に視聴者が表示装置側を向いておらず、3D眼鏡から送信された警告信号を表示装置の受信手段が受信し損なった場合であっても、3D眼鏡の送信手段は、追って警告信号を送信するため、視聴者が表示装置側を向いたときに送信された警告信号を表示装置は受信することができる。
また、送信手段は、警告信号を無制限に送信しないため、電池の消費を必要最小限に抑えることが可能である。
【0013】
本発明に係る表示システムは、前記表示装置は、前記受信手段が警告信号を受信した場合、所定情報を記憶する記憶手段を備え、前記表示手段は、前記記憶手段が所定情報を記憶している場合、電池残量が所定量未満である旨を表示するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、表示手段の受信手段が警告信号を受信した場合、所定情報を記憶手段が記憶し、表示手段は、記憶手段が所定情報を記憶している場合、電池残量が所定量未満である旨を表示する。
従って、3D眼鏡から警告信号が送信されたときのみならず、継続的に警告を表示することが可能である。
【0015】
本発明に係る表示システムは、前記送信手段は、前記電池残量検出手段にて検出された電池残量が所定量以上になった場合、電池残量が所定量以上になったことを示す警告解除信号を送信する手段を備え、前記受信手段は、警告解除信号を受信する手段を備え、前記表示手段は、前記電池残量が所定量未満である旨を表示している場合、前記受信手段にて警告解除信号を受信したとき、電池残量が所定量未満である旨の表示を停止させる手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、電池残量が所定量以上である場合、送信手段が警告解除信号を表示装置へ送信し、表示装置は、受信手段にて3D眼鏡から送信された警告解除信号を受信する。表示装置は電池残量が所定量未満である旨を表示している場合、該警告解除信号を受信したとき、電池残量が所定量未満である旨の表示を停止する。
【0017】
本発明に係る表示システムは、前記受信手段は、警告信号と、前記表示装置の動作を遠隔操作するための遠隔操作信号とを受信する受信部を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、受信手段を構成する単一の受信部が、遠隔操作信号及び警告信号を受信する。つまり、単一の受信部を、遠隔操作信号受信用と、警告信号受信用とに兼用することが可能である。
【0019】
本発明に係る表示システムは、前記3D眼鏡は複数であり、複数の前記3D眼鏡は、各3D眼鏡を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶手段を備え、前記送信手段は、警告信号及び識別情報を送信し、前記受信手段は、該送信手段から送信された警告信号及び識別情報を受信するようにしてあり、前記表示手段は、前記受信手段が警告信号及び識別情報を受信した場合、該識別情報にて特定される3D眼鏡の電池残量が所定量未満である旨を表示する手段を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、複数の3D眼鏡が使用されている場合に、一の3D眼鏡の電池残量が所定量未満になった場合、表示手段は、該3D眼鏡の電池残量が所定量未満である旨を表示する。
従って、複数の3D眼鏡の内、いずれの3D眼鏡の電池残量が少なくなっているのかを容易に特定することが可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、視聴者に不快感及び故障の不安を与えること無く、低コストかつ簡易な構成で、3D眼鏡の電池残量が少ないことを視聴者に確実に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る表示システムの一構成例を示した模式図である。
【図2】3D眼鏡の一構成例を示したブロック図である。
【図3】表示装置の一構成例を示したブロック図である。
【図4】電池残量検出に係る処理手順を示したフローチャートである。
【図5】警告表示に係る処理手順を示したフローチャートである。
【図6】サイド・バイ・サイド方式の3D映像における警告表示例を示した模式図である。
【図7】変形例1における電池残量検出に係る処理手順を示したフローチャートである。
【図8】変形例1における警告表示に係る処理手順を示したフローチャートである。
【図9】変形例2に係る3D眼鏡の一構成例を示したブロック図である。
【図10】変形例2に係る表示装置の一構成例を示したブロック図である。
【図11】3D眼鏡のペアリングに係る処理手順を示すフローチャートである。
【図12】識別情報テーブルの内容を概念的に示した説明図である。
【図13】変形例2における電池残量検出に係る処理手順を示したフローチャートである。
【図14】変形例2における警告表示に係る処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本実施の形態に係る表示システムの一構成例を示した模式図、図2は、3D眼鏡の一構成例を示したブロック図、図3は、表示装置の一構成例を示したブロック図である。本発明の実施の形態に係る表示システムは、右目用及び左目用の映像を表示する表示装置1と、表示装置1に表示された右目用及び左目用の映像夫々を選択的に透過させる右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28を有する3D眼鏡2とを備える。
【0024】
3D眼鏡2は、図2に示すように、3D眼鏡制御部20、3D眼鏡2の各構成部を駆動させるための電池21、電池21の残量を検出する電池残量検出部22、タイマ23、発振回路24、同期信号受信部25、シャッタ駆動部26、右目用シャッタ27、左目用シャッタ28、及びIR送信部29を備える。
【0025】
電池21は、例えばリチウム電池、アルカリマンガン電池などのボタン型一次電池、又はリチウムイオン電池などの二次電池であり、3D眼鏡制御部20及びシャッタ駆動部26に給電を行う。また、電池21は、電池残量検出部22に接続されている。
【0026】
電池残量検出部22は、例えば、電池21の残量を検出する専用のICであり、電池21の残量に応じた信号レベルの制御信号を3D眼鏡制御部20へ出力している。具体的には、電池残量検出部22は、電池21の残量が所定量以上である場合、ローレベルの制御信号を3D眼鏡制御部20へ出力し、電池21の残量が所定量未満である場合、ハイレベルの制御信号を3D眼鏡制御部20へ出力する。専用のICとしては、例えば、携帯電話機の電池21の残量を検出するICが挙げられる。電池残量が所定量以上にある通常使用時にて、ローレベルの制御信号を出力するように構成することによって、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
なお、最も簡単な電池残量検出部22は、所定の閾値に対応する電圧を出力する回路と、閾値の電圧及び電池21の電圧を比較し、電池21の電圧に応じて上述と同様のハイレベル又はローレベルの制御信号を出力するシュミットトリガ回路とで構成される。
【0027】
タイマ23は、電池21の残量が少なくなった旨を示した警告信号を送信するタイミングを計るための素子であり、3D眼鏡制御部20の制御に従って時間を計時し、指定された所定時間を計時した場合、特定の信号を3D眼鏡制御部20へ出力する。
【0028】
発振回路24は、3D眼鏡制御部20を動作させると共に、右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28を開閉させる基準となるクロックを生成し、生成したクロックを3D眼鏡制御部20へ出力する回路である。
【0029】
同期信号受信部25は、例えば、フォトダイオードを備え、表示部15に表示される右目用の映像と、左目の映像とに同期して、右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28を開閉させるべく、表示装置1から送信された同期信号を受信し、受信した同期信号を3D眼鏡制御部20へ与える。
【0030】
3D眼鏡制御部20は、同期信号受信部25から出力された同期信号に同期させて、右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28を交互に開閉させるシャッタ制御信号夫々をシャッタ駆動部26に与える。右目用のシャッタ制御信号は、例えば、周波数が120Hz、デューティ比50%の矩形波信号であり、左目用シャッタ28のシャッタ制御信号は、右目用のシャッタ制御信号の位相を反転、つまり、位相を180度ずらした信号である。
また、3D眼鏡制御部20は、電池残量検出部22から出力された制御信号の信号レベルがローレベルからハイレベルに変化した場合、電池21の残量が所定量未満である旨を警告するための警告信号をIR送信部29に与える。
【0031】
シャッタ駆動部26は、3D眼鏡制御部20から与えられたシャッタ制御信号に基づいて、右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28に駆動電圧を与える。
【0032】
右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28は、例えば液晶シャッタであり、シャッタ駆動部26から与えられた駆動電圧に応じて、交互に開閉する。具体的には、表示部15に右目用の映像が表示されている場合、左目用シャッタ28が閉鎖し、右目用シャッタ27のみが開いて、右目用の映像を透過させる。同様に、表示部15に左目用の映像が表示されている場合、右目用シャッタ27が閉鎖し、左目用シャッタ28が開いて、左目用の映像を透過させる。このようにして、視聴者の右目には、右目用の映像が、左目には左目の映像が映り、その結果、3Dの映像を楽しむことが可能になる。
【0033】
IR送信部29は、3D眼鏡2の鼻パッド上部の略中央部に設けられており、例えば、IR信号を送信する赤外線発光ダイオードであり、3D眼鏡制御部20から出力された警告信号をIR信号として送信する。なお、IR送信部29を設ける箇所は、特に鼻パッド上部に限定されず、3D眼鏡2の正面部分、つまり、IR信号を表示装置1へ送信することができる位置であれば、他の箇所に設けても良い。
【0034】
表示装置1は、図3に示すように、表示制御部10、映像入力部11、チューナ部12、AVスイッチ13、信号処理部14、表示部15、スピーカ16、同期信号送信部17、IR受信部18、記憶部19を備える。
【0035】
映像入力部11は、図示しない各種外部機器から出力された3Dの映像信号及び音声信号が入力される入力インタフェースであり、入力された映像信号及び音声信号をAVスイッチ13へ与える。外部機器は、例えば、衛星放送チューナ、ケーブルテレビチューナ、IP放送チューナなどのチューナ、BDレコーダ、HDDレコーダなどの映像再生装置などで構成されている。3Dの映像信号は、例えば、サイド・バイ・サイド(side by side)方式で伝送される。サイド・バイ・サイド方式とは、右目用映像の1フレームと、左目用映像の1フレームとを夫々水平方向に1/2(2分の1)に圧縮し、各フレームを横に並べて1枚のフレームとして送信する伝送方式を言う。右目用映像及び左目用映像を並べた1枚のフレームは、2D映像と同様の方式で伝送することができるため、既存のインフラを利用することができる。なお、その他の伝送方式、例えば右目用映像の1フレームと、左目用映像の1フレームとを各別に送信する伝送方式で受信した3D映像についても本発明を適用することができることは言うまでも無い。
【0036】
チューナ部12は、アンテナAで受信した放送信号を増幅して特定チャンネルの信号を選択する。該信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で変調されている。チューナ部12は、図示しない復調部を備えており、選択された特定チャンネルの信号を、MPEG2TS(Transport Stream)形式のストリームデータに復調し、復調したストリームデータをAVスイッチ13に与える。TS形式のストリームデータは、複数のパケットから構成されている。パケットは、番組を構成する3Dの映像信号及び音声信号などをパケット化したものであり、複数のパケットから、時系列順の映像信号及び音声信号が復元される。
【0037】
AVスイッチ13は、後述の表示制御部10の制御に従って、映像入力部11から与えられた映像信号及び音声信号、又はチューナ部12から与えられたストリームデータのいずれかを選択し、選択された映像信号及び音声信号又はストリームデータを信号処理部14へ出力する。
【0038】
信号処理部14は、映像入力部11から出力された映像信号及び音声信号が与えられた場合、サイド・バイ・サイド方式の1フレーム映像中、右半分の映像を水平方向に伸張させた右目用映像と、左半分の映像を水平方向に伸張させて左目用映像を生成し、右目用映像及び左目用映像をフレームシーケンシャル方式で表示部15に表示させる。また、音声信号をスピーカ16に与えることによって、音声を外部出力する。
また、信号処理部14は、ストリームデータが与えられた場合、該ストリームデータを映像及び音声のデータに分離し、MPEG2の圧縮伸張方式に従って復調することによって、元の映像信号及び音声信号を生成する。そして、信号処理部14は、生成された映像信号に対して、上述と同様の処理で、右目用映像及び左目用映像をフレームシーケンシャル方式で表示部15に表示させる。
更に、信号処理部14は、右目用及び左目用の映像が表示されるタイミングを示し、3D眼鏡2のシャッタ開閉を同期させるための同期信号を、同期信号送信部17に与える。
【0039】
表示部15は、例えば、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネルなどで構成されており、信号処理部14から与えられた映像信号に基づいて、映像を表示する。
【0040】
同期信号送信部17は、いわゆるIRエミッタ回路であり、信号処理部14から与えられた同期信号を無線にて3D眼鏡2へ送信する。なお、同期信号送信部17は、図1に示すように矩形枠状の前キャビネットの中央下部に設けてあるが、特にこれに限定されるものでは無い。
【0041】
IR受信部18は、表示制御部10に接続されており、前キャビネットの右下部に設けられている。IR受信部18は、リモコン3から送信された遠隔操作信号と、3D眼鏡2から送信された警告信号とを受信し、受信した遠隔操作信号及び警告信号を表示制御部10に与えるように構成されている。
なお、単一のIR受信部18にて、遠隔操作信号及び警告信号を受信する例を説明したが、該IR受信部18で遠隔操作信号を受信し、他のIR受信部をIRエミッタ回路基板に設け、該IR受信部にて警告信号を受信するように構成しても良い。また、IR受信部18の配置は一例であり、前キャビネットの右下部以外の場所に配しても良い。
更に、IR送信部29を、同期信号を送信すると共に、警告信号を受信するIR送受信部として構成しても良い。
【0042】
表示制御部10は、CPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピュータからなり、表示装置1の各構成部に制御信号を与えて該構成部の動作を制御する。また、表示制御部10には、リモコン3から送信された赤外線の遠隔操作信号を受信するIR受信部18が設けられており、表示制御部10は、IR受信部18にて受信した遠隔操作信号に応じた各種制御信号を各構成部に与えて、動作を制御する。また、表示制御部10は、3D眼鏡2から送信された警告信号を受信した場合、3D眼鏡2の電池21の残量が無いことを示す警告文字を映像に重畳させる処理を行う。詳細は後述する。
【0043】
記憶部19は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、3D眼鏡2の残量が少ないことを示す所定情報を記憶するための素子である。なお、記憶部19は、必ずしも不揮発性である必要は無く、揮発性のメモリであっても良い。
【0044】
図4は、電池残量検出に係る処理手順を示したフローチャートである。電池残量検出部22は、電池21の残量を検出し(ステップS11)、電池21の残量が所定量未満であるか否かを判定する(ステップS12)。電池21の残量が所定量未満である場合(ステップS12:YES)、電池残量検出部22は、3D眼鏡制御部20へ出力している制御信号のレベルをローレベル(Lレベル)から、ハイレベル(Hレベル)に変更する(ステップS13)。なお、詳細には、電池残量検出部22は、すでにハイレベルの制御信号を出力している場合、継続的にハイレベルの制御信号を出力し、制御信号の信号レベルは、電池21の残量が所定量以上の状態から所定量未満の状態に変化したときに変更される。制御信号のレベルがローレベルからハイレベルに変化した場合、3D眼鏡制御部20は、一定の時間間隔を空けて、電池21の残量が所定量未満になったことを示す所定の警告信号を複数回、IR送信部29に送信させ(ステップS14)、処理を終える。例えば、眼鏡制御部20は、3〜5秒の間隔で、3〜5回の警告信号を送信させる。
【0045】
電池21の残量が所定量以上である場合(ステップS12:NO)、電池残量検出部22は、ローレベルの制御信号を3D眼鏡制御部20へ出力しており、3D眼鏡制御部20は、同期信号受信部25にて受信した同期信号に同期させて、右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28を交互に開閉させる処理を実行し(ステップS15)、電池残量検出に係る処理を終える。
【0046】
図5は、警告表示に係る処理手順を示したフローチャートである。表示制御部10は、3D眼鏡2又はリモコン3から送信されたIR信号をIR受信部18にて受信する(ステップS31)。そして、表示制御部10は、警告信号を受信したか否かを判定する(ステップS32)。つまり、表示制御部10は、ステップS31で受信したIR信号が警告信号であるか否かを判定する。
【0047】
警告信号を受信したと判定した場合(ステップS32:YES)、表示制御部10は、電池21の残量が所定量未満である旨の警告表示を行うか否かを判定するための所定情報を記憶部19に記憶させ、記憶部19が該所定情報を記憶している間、電池21の残量が所定量未満である旨を表示部15に表示し(ステップS33)、処理を終える。
【0048】
図6は、サイド・バイ・サイド方式の3D映像における警告表示例を示した模式図である。表示制御部10は、図6に示すように、サイド・バイ・サイド方式の右目用及び左目用の映像夫々に予め表示制御部10又は記憶部19が記憶している「電池残量が少ないです。」の警告文字を重畳させることによって、警告表示を行う。信号処理部14は、図6に示した1フレーム映像中、右半分の映像を水平方向に伸張させた右目用映像と、左半分の映像を水平方向に伸張させて左目用映像を生成し、右目用映像及び左目用映像をフレームシーケンシャル方式で表示部15に表示させる。3D眼鏡2は、表示部15に右目用映像が表示されている場合、右目用シャッタ27を開き、左目用シャッタ28を閉鎖し、表示部15に左目用映像が表示されている場合、右目用シャッタ27を閉鎖し、左目用シャッタ28を開く。上記処理によって、3D眼鏡2を装着した視聴者は、3D映像に表示された警告文字「電池残量が少ないです。」を視認することができる。なお、水平方向に伸張された後の右目用及び左目用の映像夫々に警告文字又は携帯電話の電池切れのような警告マークを重畳させるように構成しても良い。
一方、表示部15に2D映像が表示されている場合、「電池残量が少ないです。」の警告文字を一つ重畳させることによって、警告表示を行う。つまり、表示制御部10は、3D映像を表示しているか、2D映像を表示しているかを判定し、3D映像を表示していると判定した場合、映像の右側及び左側の夫々に警告文字を重畳させ、2D映像を表示していると判定した場合、映像の所定箇所に警告文字を重畳させる処理を行うように構成されている。
【0049】
図5に戻って、警告信号を受信していないと判定した場合(ステップS32:NO)、表示制御部10は、リモコン3から送信された警告非表示信号をIR受信部18にて受信したか否かを判定する(ステップS34)。具体的には、視聴者は、リモコン3を操作することによって、電池21の残量が少ない旨の警告文字を非表示にする操作を行うことができ、該操作を受け付けたリモコン3は、警告非表示信号を送信する。そして、表示制御部10は、リモコン3から送信された該警告非表示信号を受信する。
【0050】
警告非表示信号を受信したと判定した場合(ステップS34:YES)、表示制御部10は、記憶部19が記憶している所定情報を消去することによって、警告を停止させ(ステップS35)、警告表示に係る処理を終える。警告非表示信号を受信していないと判定した場合(ステップS34:NO)、表示制御部10は、ステップS31で受信したIR信号に応じた特定の処理、例えばチャンネル変更、ボリューム調整などの処理を実行し(ステップS36)、警告表示に係る処理を終える。
【0051】
このように構成された本実施の形態に係る表示システムによれば、視聴者に不快感及び故障の不安を与えること無く、低コストかつ簡易な構成で、電池21の残量が少なくなっていることを視聴者に確実に通知することができる。
より具体的には、視聴者に不快感又は故障の不安を与えるような映像の変更を行うこと無く、視聴者にリアルタイムで電池21の残量が少なくなったことを知らせることができる。
また、3D眼鏡2の電池残量不足を知らせるために、特別なレンズ又はシャッター制御処理装置を設けること無く、既存の表示システムに対して、電池残量検出部22と、IR送信部29とを設けるのみで、本実施の形態に係る表示システムを構成することができる。言い換えると、本実施の形態に係る表示システムを、低コストで構成することができる。
更に、3D眼鏡2のシャッタ部分でLEDランプを点灯させる構成では無いため、3D眼鏡2の残量が少なくなってきた場合においても、2D映像及び3D映像を問わず、視聴者は、映像を楽しむことができる。
【0052】
また、本実施の形態に係る表示システムによれば、一定の時間間隔を空けて複数回警告信号を送信するように構成してあるため、一時的に視聴者がよそ見をしていた場合であっても、警告信号を表示装置1へ送信し、警告文字を表示部15に表示させることができる。
また、警告信号を常時送信する構成では無いため、電池21の消費を必要最小限に抑えることができる。
【0053】
更に、表示装置1が警告信号を受信した場合、所定情報を記憶部19に記憶させ、記憶部19が所定情報を記憶している間、警告文字を表示するように構成してあるため、3D眼鏡2から警告信号が送信されたときのみならず、継続的に警告文字を表示することができ、確実に3D眼鏡2の電池21の残量が少なくなっていることを視聴者に知らせることができる。
【0054】
更にまた、一つのIR受信部18を遠隔操作信号受信用と、警告信号受信用とに兼用しているため、より、低コストで本実施の形態に係る表示システムを構成することができる。
【0055】
(変形例1)
変形例1に係る表示システムは、電池21の残量が回復した場合、自動的に警告表示を停止するように構成したものである。表示システムの構成は、実施の形態と同様であり、処理手順のみが異なるため、以下では主に処理手順について説明する。
【0056】
図7は、変形例1における電池残量検出に係る処理手順を示したフローチャートである。電池残量検出部22及び3D眼鏡制御部20は、実施の形態と同様、電池残量検出及び判定、警告信号の送信、並びにシャッタ制御に係る処理をステップS111〜ステップS115にて実行する。電池21の残量が所定量以上であると判定し(ステップS112:NO)、ステップS115でシャッタ制御を行った後、電池残量検出部22は、3D眼鏡制御部20へ出力している制御信号のレベルをハイレベルから、ローレベルに変更する(ステップS116)。なお、詳細には、電池残量検出部22は、すでにローレベルの制御信号を出力している場合、継続的にローレベルの制御信号を出力し、制御信号の信号レベルは、電池21の残量が所定量以上の状態から所定量未満の状態に変化したときに変更される。制御信号のレベルがハイレベルからローレベルに変化した場合、3D眼鏡制御部20は、一定の時間間隔を空けて、電池21の残量が所定量以上になったことを示す所定の警告解除信号を複数回、IR送信部29に送信させ(ステップS117)、処理を終える。
【0057】
図8は、変形例1における警告表示に係る処理手順を示したフローチャートである。表示制御部10は、実施の形態と同様、3D眼鏡2又はリモコン3から送信されたIR信号をIR受信部18にて受信する(ステップS131)。そして、表示制御部10は、警告信号を受信したか否かを判定する(ステップS132)。警告信号を受信したと判定した場合(ステップS132:YES)、表示制御部10は、電池21の残量が所定量未満である旨の警告表示を行うか否かを判定するための所定情報を記憶部19に記憶させ、記憶部19が該所定情報を記憶している間、電池21の残量が所定量未満である旨を表示部15に表示し(ステップS133)、処理を終える。
【0058】
警告信号を受信していないと判定した場合(ステップS132:NO)、表示制御部10は、3D眼鏡2から送信された警告解除信号をIR受信部18にて受信したか否かを判定する(ステップS134)。
【0059】
警告解除信号を受信したと判定した場合(ステップS134:YES)、表示制御部10は、記憶部19が記憶している所定情報を消去することによって、警告を停止させ(ステップS135)、警告表示に係る処理を終える。警告解除信号を受信していないと判定した場合(ステップS134:NO)、表示制御部10は、ステップS131で受信したIR信号に応じた特定の処理を実行し(ステップS136)、警告表示に係る処理を終える。
【0060】
このように構成された変形例1に係る表示システムによれば、3D眼鏡2の電池21の残量が回復した場合、表示部15に表示されていた警告文字を自動的に消去することができる。
【0061】
(変形例2)
変形例2に係る表示システムは、複数の3D眼鏡202を使用する場合において、電池21の残量が少なくなっている旨を個別に警告表示するように構成したものである。
【0062】
図9は、変形例2に係る3D眼鏡202の一構成例を示したブロック図である。変形例2に係る3D眼鏡202は、実施の形態で説明した構成に加え、更に識別情報記憶部230、3D眼鏡識別ランプ231及び有線接続端子220aを備える。
【0063】
識別情報記憶部230は、3D眼鏡202を識別するための識別情報を記憶する不揮発性メモリである。
【0064】
3D眼鏡識別ランプ231は、識別情報記憶部230が記憶している識別情報に応じた異なる態様で発光する。3D眼鏡識別ランプ231は、例えば、並置された複数の発光部を備え、識別情報に応じて異なる発光部が発光するように構成されている。なお、上述の構成は一例であり、3D眼鏡202を識別可能な構成であれば、特に限定されない。例えば、識別情報に応じた異なる色で発光する発光部を備えても良い。
【0065】
有線接続端子220aは、例えば、USB端子である。なお、言うまでもなく、USB端子は一例である。
【0066】
図10は、変形例2に係る表示装置201の一構成例を示したブロック図である。変形例2に係る表示装置201は、実施の形態で説明した構成に加え、更に、有線接続端子210aを備える。また、記憶部219は、複数の3D眼鏡202夫々の識別情報、各3D眼鏡202の電池21の残量の有無などを登録した後述の識別情報テーブル219aを記憶する。
【0067】
図11は、3D眼鏡202のペアリングに係る処理手順を示すフローチャートである。以下では、USBケーブルなどの有線ケーブルにて表示装置201及び3D眼鏡202を接続して行うペアリング処理を説明する。
まず、表示制御部10は、記憶部219が記憶している識別情報テーブル219aを読み出し、未登録の識別情報を特定する(ステップS201)。
【0068】
図12は、識別情報テーブル219aの内容を概念的に示した説明図である。識別情報テーブル219aは、例えば「識別情報」フィールド、「名称」フィールド、「電池残量」フィールドで構成されている。「識別情報」フィールドは、複数の3D眼鏡202を識別するための識別情報、例えば、「001」、「002」、「003」などの番号を格納する。「名称」フィールドは、各3D眼鏡202に付与された名称を格納する。電池21の残量が少なくなった場合、該名称を用いて、特定の3D眼鏡202の電池21の残量が少なくなった旨の警告表示を行う。3D眼鏡202の名称は、表示制御部10が自動的に作成しても良いし、視聴者によって入力可能に構成しても良い。なお、「名称」フィールドを設けず、識別情報に登録された番号によって、特定の3D眼鏡202の電池21の残量が少なくなった旨を警告するように構成しても良い。「電池残量」フィールドは、各3D眼鏡202の電池21の残量が所定量未満であるか否かを示した情報を格納している。図12中、「無し」で示された情報は、実施の形態で説明した所定情報に対応している。
【0069】
ステップS201で、表示制御部10は、識別情報テーブル219aの「識別情報」フィールドに格納されている識別情報を確認し、未だ格納されていない識別情報、例えば番号を特定する。
【0070】
ステップS201の処理を終えた制御部は、特定した未登録の識別情報を有線接続端子210aを介して、3D眼鏡202へ送信する(ステップS202)。
【0071】
3D眼鏡202は、表示装置201から送信された有線接続端子220aを介して受信し(ステップS203)、受信した識別情報を識別情報記憶部230に記憶させる(ステップS204)。
【0072】
識別情報の特定及び送信を終えた表示制御部10は、ステップS201で特定した識別情報に対応する3D眼鏡202の名称を自動生成し、識別情報テーブル219aに、識別情報と、自動生成された3D眼鏡202の名称と、電池21の残量が所定量以上である旨の情報を初期登録し(ステップS205)、処理を終える。
【0073】
図13は、変形例2における電池残量検出に係る処理手順を示したフローチャートである。電池残量検出部22は、電池21の残量を検出し(ステップS211)、電池21の残量が所定量未満であるか否かを判定する(ステップS212)。電池21の残量が所定量未満である場合(ステップS212:YES)、電池残量検出部22は、3D眼鏡制御部20へ出力している制御信号のレベルをローレベルから、ハイレベルに変更する(ステップS213)。制御信号のレベルがローレベルからハイレベルに変化した場合、3D眼鏡制御部20は、識別情報記憶部230から識別情報を読み出し、一定の時間間隔を空けて、電池21の残量が所定量未満になったことを示す所定の警告信号及び読み出された識別情報を複数回、IR送信部29に送信させ(ステップS214)、処理を終える。
【0074】
電池21の残量が所定量以上である場合(ステップS212:NO)、電池残量検出部22は、ローレベルの制御信号を3D眼鏡制御部20へ出力しており、3D眼鏡制御部20は、同期信号受信部25にて受信した同期信号に同期させて、右目用シャッタ27及び左目用シャッタ28を交互に開閉させる処理を実行し(ステップS215)、電池残量検出に係る処理を終える。
【0075】
図14は、変形例2における警告表示に係る処理手順を示したフローチャートである。表示制御部10は、3D眼鏡202又はリモコン3から送信されたIR信号をIR受信部18にて受信する(ステップS231)。そして、表示制御部10は、警告信号及び識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS232)。警告信号及び識別情報を受信したと判定した場合(ステップS232:YES)、表示制御部10は、受信した識別情報に対応する3D眼鏡202の名称を、識別情報テーブル219aを用いて特定する(ステップS233)。そして、表示制御部10は、特定された3D眼鏡202に係る所定情報、即ち該特定された3D眼鏡202の電池21の残量が所定量未満である旨の警告表示を行うか否かを判定するための所定情報(図12における「有り」の情報)を識別情報テーブル219aに記憶させ、識別情報テーブル219aが該所定情報を記憶している間、特定された3D眼鏡202の電池21の残量が所定量未満である旨を表示部15に表示し(ステップS234)、処理を終える。
【0076】
警告信号及び識別情報を受信していないと判定した場合(ステップS232:NO)、表示制御部10は、リモコン3から送信された警告非表示信号をIR受信部18にて受信したか否かを判定する(ステップS235)。
【0077】
警告非表示信号を受信したと判定した場合(ステップS235:YES)、表示制御部10は、記憶部219が記憶している所定情報を消去することによって、警告を停止させ(ステップS236)、警告表示に係る処理を終える。警告非表示信号を受信していないと判定した場合(ステップS235:NO)、表示制御部10は、ステップS231で受信したIR信号に応じた特定の処理、例えばチャンネル変更、ボリューム調整などの処理を実行し(ステップS237)、警告表示に係る処理を終える。
【0078】
このように構成された変形例2に係る表示システムによれば、複数ある3D眼鏡202の内、いずれの3D眼鏡202の電池21の残量が少なくなっているのかを容易に特定することができる。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
1 表示装置
2 3D眼鏡
3 リモコン
11 映像入力部
12 チューナ部
13 AVスイッチ
14 信号処理部
15 表示部
16 スピーカ
17 同期信号送信部
18 IR受信部
19 記憶部
20 3D眼鏡制御部
21 電池
22 電池残量検出部
23 タイマ
24 発振回路
25 同期信号受信部
26 シャッタ駆動部
27 右目用シャッタ
28 左目用シャッタ
29 IR送信部
210a 有線接続端子
219a 識別情報テーブル
220a 有線接続端子
230 識別情報記憶部
231 3D眼鏡識別ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
右目用及び左目用の映像を表示する表示装置と、該表示装置に表示された右目用及び左目用の映像夫々を選択的に透過させる右目用シャッタ及び左目用シャッタを有する3D眼鏡とを備えた表示システムにおいて、
前記3D眼鏡は、
前記右目用シャッタ及び左目用シャッタを駆動するための電池の残量を検出する電池残量検出手段と、
該電池残量検出手段にて検出された電池残量が所定量未満になった場合、電池残量が所定量未満になったことを示す警告信号を送信する送信手段と
を備え、
前記表示装置は、
前記送信手段から送信された警告信号を受信する受信手段と、
該受信手段にて警告信号を受信した場合、電池残量が所定量未満である旨を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記送信手段は、
警告信号を複数回送信する手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示装置は、
前記受信手段が警告信号を受信した場合、所定情報を記憶する記憶手段を備え、
前記表示手段は、
前記記憶手段が所定情報を記憶している場合、電池残量が所定量未満である旨を表示するようにしてある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記送信手段は、
前記電池残量検出手段にて検出された電池残量が所定量以上になった場合、電池残量が所定量以上になったことを示す警告解除信号を送信する手段を備え、
前記受信手段は、
警告解除信号を受信する手段を備え、
前記表示手段は、
前記電池残量が所定量未満である旨を表示している場合、前記受信手段にて警告解除信号を受信したとき、電池残量が所定量未満である旨の表示を停止させる手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項5】
前記受信手段は、
警告信号と、前記表示装置の動作を遠隔操作するための遠隔操作信号とを受信する受信部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記3D眼鏡は複数であり、複数の前記3D眼鏡は、各3D眼鏡を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶手段を備え、
前記送信手段は、警告信号及び識別情報を送信し、前記受信手段は、該送信手段から送信された警告信号及び識別情報を受信するようにしてあり、
前記表示手段は、
前記受信手段が警告信号及び識別情報を受信した場合、該識別情報にて特定される3D眼鏡の電池残量が所定量未満である旨を表示する手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−252960(P2011−252960A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124896(P2010−124896)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】