説明

表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器

【課題】表示特性の低下を低減しつつ、簡単に製造することができ、かつ、優れた表示特性を発揮することのできる表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および信頼性が高い電子機器を提供すること。
【解決手段】表示面121側に設けられた基板12と、基板12に対して対向配置された対向基板11と、基板12と対向基板11との間に設けられた表示層400と、表示層400内に設けられ、表示層400をX方向に複数の領域に仕切り、X方向と直交するY方向に延在する複数の第1の壁部91と、各領域S内に設けられた多孔質層6と、各領域S内に充填され、第1、第2の粒子A、Bを分散媒7に分散してなる分散液100とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子ペーパーの画像表示部を構成するものとして、粒子の電気泳動を利用した電気泳動ディスプレイが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気泳動ディスプレイは、優れた可搬性および省電力性を有しており、電子ペーパーの画像表示部として特に適している。
電気泳動ディスプレイは、対向配置された一対の電極と、これらの間に設けられた表示層とを有しており、表示層には、例えば正に帯電する白色粒子と、負に帯電する黒色粒子とを液相分散媒に分散してなる分散液が充填されている。このような電気泳動ディスプレイは、一対の電極間に電圧を印加し、白色粒子および黒色粒子を所望の方向へ泳動させることにより所望の画像を表示するように構成されている。
【0003】
ここで、表示層の構成として、特許文献1のように隔壁によって表示層を複数のセルに分割し、各セルに分散液を充填する「隔壁型」が知られている。しかしながら、「隔壁型」の表示装置では、隔壁によって表示面の開口率(有効表示領域が占める割合)が減少し、表示特性が低下する問題がある。これに加えて、各セル中に、分散液を充填しなければならず、その工程が煩雑となる。特に、フルカラー表示を達成するために、隣り合う複数のセルに異なる分散液(粒子の色が異なる分散液)を充填させなければならない場合には、その工程がより煩雑化する。このような場合には、あるセルに充填するつもりの分散液が隣のセルに混入し、表示特性の悪化を招く場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−44114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、表示特性の低下を低減しつつ、簡単に製造することができ、かつ、優れた表示特性を発揮することのできる表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および信頼性が高い電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示シートは、表示面側に設けられた第1の基板と、
前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有し、
前記表示層は、
前記表示層の平面視にて、前記表示層を第1の方向に複数の領域に仕切り、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の第1の壁部と、
前記複数の領域内の各々に前記第2の方向に間隔を隔てて配置され、前記第2の基板側から突出するとともに、前記第1の基板と前記表示層の厚さ方向に離間した複数の第2の壁部と、
前記複数の領域内の各々に充填され、正または負に帯電した少なくとも1種の第1の粒子を分散媒に分散してなる分散液とを有することを特徴とする。
これにより、表示特性の低下を低減しつつ、簡単に製造することができ、かつ、優れた表示特性を発揮することのできる表示シートを提供することができる。
【0007】
本発明の表示シートでは、前記複数の領域の各々は、前記第1の方向の長さが前記第2の方向に沿って一定であることが好ましい。
これにより、多孔質体の構成が簡単となる。
本発明の表示シートでは、前記複数の領域の各々は、前記第2の方向に間隔を隔てて設けられた複数の広幅領域と、前記第2の方向で隣り合う前記広幅領域の間に設けられ、前記広幅領域よりも前記第1の方向の長さが短い複数の狭幅領域とを有していることが好ましい。
これにより、第1の壁部の構成が簡単となる。
【0008】
本発明の表示シートでは、前記複数の狭幅領域の各々に、前記第2の壁部が設けられていることが好ましい。
これにより、有効表示領域を減少させることなく、第1の粒子の第2の方向への移動をより効果的に防止することができる。また、第2の壁部が位置決め部材となり、表示装置をより高精度に製造することができる。
【0009】
本発明の表示シートでは、前記複数の第2の壁部の各々は、前記第1の方向の長さが、前記第2の基板側から前記第1の基板に向けて漸減していることが好ましい。
これにより、第1の粒子の第2の方向への移動をより効果的に防止することができる。
本発明の表示シートでは、前記複数の領域内の各々には、前記第2の壁部の先端部と前記第1の基板との間に多孔質層が配置されていることが好ましい。
これにより、有効表示領域を減少させることなく、第1の粒子の第2の方向への移動をより効果的に防止することができる。また、第2の壁部が位置決め部材となり、表示装置をより高精度に製造することができる。
【0010】
本発明の表示シートでは、前記多孔質層は、繊維の集合体または粒子の集合体であることが好ましい。
これにより、より簡単に、高精度な表示装置を製造することができる。
本発明の表示シートでは、隣り合う前記領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子は、互いに色相が異なっていることが好ましい。
これにより、第1の粒子の第2の方向への移動をより効果的に防止することができる。
【0011】
本発明の表示シートでは、前記複数の領域は、前記第1の方向に並んで配置された第1の領域、第2の領域および第3の領域を含み、
前記第1の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子および前記第2の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子のうちの一方の色相がマゼンタであり、他方の色相がシアンであり、
前記第3の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子の色相がイエローであることが好ましい。
これにより、カラー表示が可能な表示シートとなる。
【0012】
本発明の表示シートでは、前記複数の領域は、さらに、前記第3の領域の隣に配置された第4の領域を有し、
前記第4の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子の色相は、黒色であることが好ましい。
これにより、優れたカラー表示特性を有する表示シートとなる。
本発明の表示シートでは、前記分散液は、さらに、前記第1の粒子と反対の極性に帯電した白色の第2の粒子を有していることが好ましい。
これにより、フルカラー表示が可能な表示シートとなる。
【0013】
本発明の表示シートの製造方法は、第1の基板の一方の面上に、第1の方向に間隔を隔て、かつ、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在する複数の第1の壁部を形成し、隣り合う一対の前記第1の壁部によって仕切られた複数の領域を形成する工程と、
各前記領域内に、正または負に帯電した少なくとも1種の第1の粒子を分散媒に分散してなる分散液を充填する工程と、
突出形成された複数の第2の壁部を有する第2の基板を、前記第2の壁部が前記第1の基板側に位置させ、前記領域内に前記第2の壁部を侵入させつつ、前記第1の壁部の前記第1の基板と反対側に接合し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に表示層を形成する工程とを有していることを特徴とする。
これにより、所望の表示特性を有する表示装置を簡単かつ高精度に製造することができる。
【0014】
本発明の表示装置は、本発明の表示シートを備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する表示装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す表示装置の平面図(上面図)である。
【図3】図1に示す表示装置の駆動を説明する断面図である。
【図4】図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。
【図5】本発明の表示装置の第2実施形態を示す平面図(上面図)である。
【図6】本発明の表示装置の第3実施形態を示す平面図(上面図)である。
【図7】本発明の表示装置の第4実施形態を示す平面図(上面図)である。
【図8】本発明の表示装置の第5実施形態を示す概略斜視図である。
【図9】図8に示す表示シートの断面図である。
【図10】本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
【図11】本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.表示装置
まず、本発明の表示シートを組み込んだ表示装置について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図、図2は、図1に示す表示装置の平面図(上面図)、図3は、図1に示す表示装置の駆動を説明する断面図、図4は、図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図4中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図1に示すように、表示装置の平面視にて互いに直交する2方向を「X方向」および「Y方向」とする。他の図についても同様である。また、図2では、説明の便宜上、基板12および多孔質層6の図示を省略している。
【0017】
図1に示す表示装置(本発明の表示装置)20は、粒子の泳動を利用して所望の画像を表示する電気泳動表示装置である。この表示装置20は、表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22とを有している。
図1に示すように、表示シート21は、平板状の基部2と基部2の下面に設けられた第2の電極4とを備える基板(第1の基板)12と、基板12上に設けられ、分散液100が充填された表示層400とを有している。このような表示シート21では、基板12の上面が表示面121を構成している。
【0018】
一方、回路基板22は、平板状の基部1と基部1の上面に設けられた複数の第1の電極3とを備える対向基板(第2の基板)11と、この対向基板11に設けられた図示しない回路とを有している。
回路は、例えば、マトリックス状に配列されたTFT(スイッチング素子)と、TFTに対応して形成されたゲート線およびデータ線と、ゲート線に所望の電圧を印加するゲートドライバーと、データ線に所望の電圧を印加するデータドライバーと、ゲートドライバーとデータドライバーの駆動を制御する制御部とを有している。
このような表示装置20では、対向基板11が表示シート21の第2の基板を兼ねている。
【0019】
以下、各部の構成について順次説明する。
基部1および基部2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配置される各部材を支持および保護する機能を有する。各基部1、2は、それぞれ、可撓性を有するもの硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基部1、2を用いることにより、可撓性を有する表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置20を得ることができる。
【0020】
基部1、2が可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、透明性の高いガラスまたは樹脂が挙げられる。前記樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
基部1、2の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20μm以上、500μm以下程度であるのが好ましく、25μm以上、250μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置20の小型化(特に薄型化)を図ることができる。
【0022】
これらの基部1、2の表示層400側の面、すなわち、基部1の上面および基部2の下面に、それぞれ、膜状をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。本実施形態では、第2の電極4が共通電極とされ、第1の電極3が、X方向およびY方向に、千鳥状に分割された個別電極(TFTに接続された画素電極)とされている。表示装置20では、1つの第1の電極3と第2の電極4とが重なり合う領域が1つの画素を構成している。
【0023】
電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレン、ポリチオフェンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等のマトリックス樹脂中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
また、電極3、4の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.01μm以上、10μm以下程度であるのが好ましく、0.02μm以上、5μm以下程度であるのがより好ましい。
ここで、各基部1、2および各電極3、4のうち、表示面121側に配置される基部および電極は、それぞれ、光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。本実施形態では、基板12の上面が表示面121を構成するため、少なくとも基部2および第2の電極4は、実質的に透明とされる。これにより、表示装置20に表示された画像を表示面121側から目視により容易に認識することができる。
【0025】
基板12と対向基板11との間には、それらの縁部に沿って封止部5が設けられている。この封止部5により、表示層400が気密的に封止されている。これにより、表示装置20内への水分の浸入を防止して、表示装置20の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
封止部5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
図1および図2に示すように、表示層400は、複数の第1の壁部91と、第1の壁部91によって仕切られた各領域S内に設けられた複数の第2の壁部92と、各領域S内に設けられた多孔質層6と、各領域S内に充填された分散液100とを有している。
【0026】
表示層400内に、X方向に延在する複数の第1の壁部91が設けられている。また、複数の第1の壁部91は、Y方向に等間隔に離間して並設されている。このような複数の第1の壁部91によって、表示層400がY方向に並んだ複数の領域Sに液密的に(所定の領域Sから隣の領域Sへの液体の移動が防止されるように)仕切られている。また、各領域Sは、X方向に並んだ一列の複数の第1の電極3(画素)を含むように形成されている。すなわち、各領域Sは、Y方向に隣り合う画素を分離し、X方向に隣り合う画素を共有するように形成されている。第1の壁部91をこのように構成することにより、表示面121の開口率が向上し、優れた表示特性を発揮することができる。
【0027】
また、各領域Sは、Y方向の長さ(幅)がX方向に沿って一定となるように形成されている。これにより、各領域Sが簡単な形状となるため、表示装置20の製造を簡易化することができる。各領域Sの幅(隣り合う第1の壁部91の離間距離)は、特に限定されないが、30μm以上、60μm以下程度であるのが好ましい。これにより、各領域Sに充分な量の分散液100を充填することができるとともに、画素をより小さくすることができる。そのため、表示装置20によれば、表示面121により繊細で鮮明な画像を表示することができる。
【0028】
各第1の壁部91は、直線状をなしている。これにより、第1の壁部91の構成が簡単となるだけでなく、同一粒子または複数粒子の分散液100を、インクジェット法や各種印刷法によりストライプ状に連続塗布することが可能となることで、生産性の向上が得られる。また、各第1の壁部91の幅(Y方向の長さ)は、特に限定されないが、1μm以上、5μm以下程度であるのが好ましい。これにより、第1の壁部91の機械的強度を維持しつつ、表示面121の開口率をより広くすることができる。そのため、優れた表示特性および信頼性を発揮することができる。
【0029】
また、第1の壁部91の表面には、炭化フッ素プラズマ処理等の各種撥水処理が施されているのが好ましい。これにより、後述するように、表示装置20の製造がより簡単となり、より優れた表示特および信頼性を発揮することができる表示装置20を得ることができる。
第1の壁部91の構成材料としては、特に限定されず、例えば、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)、ポリイミド、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の各種熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0030】
なお、本実施形態では、各第1の壁部91の横断面形状が矩形(長方形)をなしているが、これに限定されず、例えば、幅が基板12から対向基板11側へ向けて漸減する逆テーパー状をなしていてもよい。この場合のテーパー角θ1(図1に示すように、X方向から見た平面視にて、第1の壁部91の側面と対向基板11の上面とがなす角)は、特に限定されないが、70°以上、90°未満であるのが好ましい。これにより、第1の壁部91の基板12側の幅が過度に広くなったり、反対に対向基板11側の幅が過度に狭くなったりするのを防止することができる。
以上、第1の壁部91について説明した。
【0031】
図1および図2に示すように、表示層400の各領域S内には、複数の第2の壁部92がX方向に間隔を隔てて設けられている。このような第2の壁部92により、第1の壁部91の間にストライプ状に高速で連続塗布した分散液100を、貼り合わせにより容易に画素区画に分離することができるために生産性が向上できる。また、第1、第2の粒子A、BのX方向への移動が抑制され、表示層400内での第1、第2の粒子A、Bの偏りが防止され、表示層400中にて第1、第2の粒子A、Bが均一に分散した状態を維持することができる。また、第2の壁部92を設けることにより、後述するように、対向基板11(回路基板22)の貼り付け精度が向上し、表示装置20をより高精度に製造することができる。
【0032】
第2の壁部92は、Y方向に延在する長手形状をなし、各領域Sにて、X方向に隣り合う一対の第1の電極3の間に位置するよう配置されている。すなわち、第2の壁部92は、第1の電極3の配置に対応するように千鳥状に配置されている。このような形状および配置とすることにより、第1の電極と第2の電極との間に形成される電場を避けるように第2の壁部92が配置されるため、第2の壁部92による第1、第2の粒子A、Bの泳動の阻害を効果的に防止することができる。
【0033】
各第2の壁部92は、対向基板11から表示層400(領域S)内に突出するように形成され、基板12(第2の電極4)との間に隙間が形成されている。これにより、第2の壁部92を表示層400内にて固定することができるとともに、表示面121側から見たときに、第2の壁部92が目立たなくなる。また、第2の壁部92と基板12との間の隙間に、第1、第2の粒子A、Bが入り込むことができるため、表示面121の開口率の低下が防止され、優れた表示特性を維持することができる。
【0034】
各第2の壁部92と基板12との間の隙間の大きさ(離間距離)は、特に限定されないが、1μm以上、5μm以下程度であるのが好ましい。これにより、第1、第2の粒子A、Bが入り込むのに充分な大きさ(厚さ)の隙間となる。これに加えて、第2の壁部92と当接することにより、基板12の過度な変形を防止できるため、表示装置20の機械的強度を高めることができる。特に、前述したように、第2の壁部92を千鳥状に配列することにより、機械的強度をより高めることができる。
【0035】
また、各第2の壁部92は、Y方向の長さが対向基板11側から基板12側に向けて漸減するテーパー状をなしている。第2の壁部92をこのような形状とすることにより、後述するように、対向基板11(回路基板22)の貼り付けをより簡単かつ高精度に行うことができる。テーパー角θ2(図1に示すように、X方向から見た平面視にて、第2の壁部92の側面と対向基板11の上面とがなす角)としては、テーパー角θ1よりも大きいのが好ましく、具体的には、120°以上、160°以下程度であるのが好ましい。これにより、前述した効果をより効果的に発揮することができる。また、第2の壁部92のX方向から見たときの面積(投影面積)を大きく保つことができ、第2の壁部92への第1、第2の粒子A、Bの接触確率が高まるため、第1、第2の粒子A、BのX方向への移動をより効果的に抑制することができる。
【0036】
また、各第2の壁部92の基端のY方向の長さは、特に限定されないが、領域SのY方向の長さをAとしたとき、0.7A以上、1A以下程度であるのが好ましく、0.9A以上、1A以下程度であるのがより好ましい。第2の壁部92をこのような形状とすることにより、対向基板11の貼り付けをより高精度に行うことができる。
このような第2の壁部92の構成材料は、特に限定されず、例えば、前述した第1の壁部91と同様の材料が挙げられる。
以上、第2の壁部92について説明した。
【0037】
図1および図2に示すように、表示層400の各領域S内であって、第2の壁部92と基板12との間には、この隙間を埋めるように多孔質層6が設けられている。多孔質層6は、分散液100の浸透性が高く、第1の壁部91の間に形成する分散液100のパターン塗布性を向上させる効果がある。また、多孔質層6は、その内部または表面に分散液100中の第1の粒子Aおよび第2の粒子Bを保持することにより、これら粒子A、Bの自重による沈降と分散媒への拡散を規制(抑制)して、電極3または電極4の表面近傍に保持する機能を有している。一方で、多孔質層6は、電極3、4間に電界が作用している場合には、その電界による第1、第2の粒子A、Bが電極間で移動することができる。さらに、視認する電極4の側のみに多孔質層6を形成して、視認する側のみの粒子に保持を与えるような構造にしても良い。これにより、第1、第2の粒子A、Bの泳動速度をさらに上げることができる。
【0038】
多孔質層6は、繊維61aの集合体で構成されている。これにより、上述した機能に優れ、かつ比較的簡単な構成の多孔質層6が得られる。多孔質層6は、繊維61a単体または繊維61aに少量のバインダー樹脂を混合することで、織り込まずに形成された不織体61で構成されている。不織体61は、繊維径と繊維間距離を独立して設計することができるため、不織体61で多孔質層6を構成することにより、所望の機能を発揮することのできる多孔質層6を簡単に形成することができる。
【0039】
繊維61aの構成材料としては、例えば、例えば、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エステル系樹脂、エーテル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレン環状オレフィン共重合体などのエチレン共重合体、ポリブタジエン系等の各種熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性樹脂材料が挙げられる。また、バインダー樹脂としては、繊維を接着する機能が必要であるため、ウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリブタジエン系エラストマーなどの接着樹脂を用いることができる。
【0040】
繊維61aの長さは、特に限定されないが、1μm以上、5000μm以下程度であるのが好ましい。これにより、不織体61の製造がより簡単となる。
また、繊維61aの直径は、表示特性、応答性などの諸性能の点から細いことが望ましく、具体的には、0.1μm以上、10μm以下程度であるのが好ましく、0.5μm以上、5μm以下程度であるのがより好ましい。また、繊維61aの断面形状は、特に限定されないが、円形形状であるのが好ましい。これにより、分散液100中の第1、第2の粒子A、Bの移動を円滑に行うことができる。
【0041】
不織体61の平均孔径としては、電界が印加された際に、第1、第2の粒子A、Bが不織体61中を移動することができるサイズであれば特に限定されないが、具体的には、第1の粒子A(第2の粒子B)の平均粒子径の10倍以上、10000倍以下程度であることが好ましく、20倍以上、1000倍以下程度であることがより好ましい。これにより、第1、第2の粒子A、Bの自重による移動をより効果的に規制することができる。加えて、多孔質層6を形成するために用いる繊維61aの使用量を比較的少なくすることができるため、表示面121から見たときに、多孔質層6による光線透過率ロスが減少し、電気泳動粒子の視認性が向上する。
【0042】
多孔質層6の空隙率(表示層400内に配置されている状態での空孔率)は、50%以上、99%以下程度であるのが好ましく、75%以上、85%以下程度であるのが好ましい。これにより、多孔質層6内にて、電圧印加時に、第1、第2の粒子A、Bがスムーズに泳動する。また、第1、第2の粒子A、Bの自重による移動を効果的に規制することができる。加えて、多孔質層6を形成するために用いる繊維61aの使用量を比較的少なくすることができるため、表示面121から見たときに多孔質層6が目立たなくなる。
【0043】
また、繊維61aの弾性率は、特に限定されないが、0.01MPa以上、1000MPa以下程度であるのが好ましい。これにより、適度に変形する多孔質層6となり、特に、表示装置20が可撓性を有する場合に有効となる。
また、多孔質層6は、白色に着色されているのが好ましい。これにより、後述する白色表示状態にて、第2の粒子Bとの相乗効果により、より反射率の高い、鮮明な白色を表示することができる。また、この他、多孔質層6は、実質的に無色透明で、分散液100とは異なる屈折率を有しているのも好ましい。これにより、多孔質層6で光が乱反射するため、白色に着色した場合と同様に、白色表示状態にて、第2の粒子Bとの相乗効果により、より反射率の高い、鮮明な白色を表示することができる。
【0044】
このような多孔質層6は、基板12に接着等により固定されていてもよいし、基板12に固定されていなくてもよい。また、多孔質層6は、基板12と第2の壁部92との間に自然状態で配置されていてもよいし、基板12と第2の壁部92とに狭持されることで厚さ方向に収縮した状態で配置されていてもよい。
以上、多孔質層6について説明した。
【0045】
なお、多孔質層6の構成は、本実施形態の不織体61に限定されず、例えば、微粒子の集合体で構成されていてもよい。この場合の微粒子の構成材料としては、前述した繊維61aと同様の材料を用いることができる。また、微粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.1μm以上、10μm以下程度であるのが好ましい。これにより、多孔質層6が過度に粗くなるのを防止でき、より効果的に、第1、第2の粒子A、Bの自重による移動を規制することができる。
【0046】
次いで、分散液100について説明する。
表示装置20では、前述したように、表示層400がY方向に並ぶ複数の領域Sに仕切られている。
図2に示すように、複数の領域Sは、第1の領域S1と、第2の領域S2と、第3の領域S3と、第4の領域S4とを有しており、これらがこの順番でY方向に繰り返し並設されている。そして、各領域S1〜S4は、分散液100で満たされている。
【0047】
分散液100は、負に帯電した第1の粒子Aと、正に帯電し第1の粒子Aと異なる色相を有する第2の粒子Bとを分散媒7に分散してなり、各領域S1〜S4で、第1の粒子Aの色相が互いに異なっている。すなわち、隣り合う領域Sに充填された分散液100中には、異なる色相の第1の粒子Aが分散している。なお、第2の粒子Bおよび分散媒7については、各領域S1〜S4で同じ構成となっている。
【0048】
第1の領域S1に充填された分散液100が有する第1の粒子Aの色相は、シアンであり、第2の領域S2に充填された分散液100が有する第1の粒子Aの色相は、マゼンタであり、第3の領域S3に充填された分散液100が有する第1の粒子Aの色相は、イエローであり、第4の領域S4に充填された分散液100が有する第1の粒子Aの色相は、黒色である。また、第2の粒子Bの色相は、領域S1〜S4のいずれについても白色である。第1、第2の粒子A、Bの色相をこのように設定することにより、フルカラー表示が可能となり、紙に近い高い白色反射率を有する優れた表示特性を発揮することできる。
【0049】
第1、第2の粒子A、Bには、それぞれ、電荷を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化物系粒子や、窒化ケイ素、窒化チタン等の窒化物系粒子、硫化亜鉛等の硫化物系粒子、硼化チタン等の硼化物系粒子、クロム酸ストロンチウム、アルミン酸コバルト、亜クロム銅、ウルトラマリン等の無機顔料粒子、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ペリレン系等の有機顔料粒子などを用いることができる。また、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等で構成された樹脂粒子の表面に顔料を塗布した複合粒子を用いることもできる。
【0050】
また、第1、第2の粒子A、Bの平均粒子径は、それぞれ、特に限定されないが、好ましくは10nm以上、500nm以下、より好ましくは20nm以上、300nm以下である。平均粒子径が10nm未満であると充分な色度が得られず、表示コントラストが低下して表示が不鮮明になることがある。逆に、平均粒子径が300nmを超えると粒子自体の着色度を必要以上に高くする必要があり、顔料などの使用量が増大することや、表示のために電圧を印加した部分で粒子の速やかな移動が困難となり、その応答速度が低下することがある。
【0051】
また、第1、第2の粒子A、Bの平均粒子径は、互いにほぼ等しいことが好ましい。これにより、第1、第2の粒子A、Bをともに多孔質層6内を移動でき、かつ多孔質層6で保持することができるため、優れた表示特性を発揮することができる。
なお、第1、第2の粒子A、Bの平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LB−500、(株)堀場製作所製)で測定した体積平均粒子径を意味する。
【0052】
分散媒7としては、沸点が100℃以上に高く比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒7としては、例えば、各種水(例えば、蒸留水、純水等)、ブタノールやグリセリン等のアルコール類、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸ブチル等のエステル類、ジブチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
【0053】
中でも、分散媒7としては、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、またはシリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。流動パラフィン、またはシリコーンオイルを主成分とする分散媒7は、第1、第2の粒子A、Bおよび黒色粒子Bの凝集抑制効果が高いことから好ましい。これにより、表示装置20の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィン、またはシリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、および安全性も高いという点からも好ましい。
以上、表示装置20の構成について詳細に説明した。
このような表示装置20では、X方向に延在する第1の壁部91を用いているため、表示面121の開口率を高めることができ、高い表示コントラストを発揮することができる。
【0054】
また、表示装置20では、各領域S内にて、多孔質層6および第2の壁部92の働きにより、第1、第2の粒子A、BのX方向への移動(自重による移動)を規制することができる。具体的に説明すれば、各領域Sの表示面121側では、多孔質層6が第1、第2の粒子A、Bを保持することによりX方向への移動を規制し、その他の領域では、第1、第2の粒子A、Bが第2の壁部92にぶつかることにより、第1、第2の粒子A、BのX方向への移動が規制されている。
【0055】
そのため、表示層400中の第1、第2の粒子A、Bの偏りが抑制でき、表示層400の平面視にて、表示層400中に、第1、第2の粒子A、Bが均一に分散した状態を維持することができる。この結果、表示層400の全域で、表示特性(特に表示色の反射率)をほぼ等しく保つことができ、表示面121にムラのない鮮明な画像を長期にわたって表示することができる。
【0056】
具体的には、例えば、表示装置20が本のように立てられた場合、例えば、表示面121が鉛直方向とほぼ平行となるような姿勢となった場合、第1、第2の粒子A、Bは、その自重により鉛直方向下側へ移動しようとする。しかしながら、このような自重による移動は、多孔質層6および第2の壁部92によって規制される。そのため、表示装置20では、各領域S中に第1、第2のA、Bが均一に分散した状態を維持することができ、表示面121にムラのない鮮明な画像を長期にわたって表示することができる。
このような表示装置20は、例えば、次のようにして駆動する。
なお、以下では、所定の1つの第3の電極に電圧を印加する場合について代表して説明する。
【0057】
−第1の粒子の色表示状態−
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が負電位、第2の電極4が正電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の第1、第2の粒子A、Bに作用する。すると、第1の粒子Aが第2の電極4側に泳動して第2の電極4に集まるとともに、第2の粒子Bが第1の電極3側に泳動して第1の電極3に集まる。これにより、図3(a)に示すように、表示面121に、第1の粒子Aの色(すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー、黒色のいずれか)が表示される。
【0058】
−第2の粒子の色表示状態−
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が正電位、第2の電極4が負電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の第1、第2の粒子A、Bに作用する。すると、第1の粒子Aが第1の電極3側に泳動して第1の電極3に集まるとともに、第2の粒子Bが第2の電極4側に泳動して第2の電極4に集まる。これにより、図3(b)に示すように、表示面121に、第2の粒子Bの色(すなわち、白色)が表示される。
【0059】
表示装置20では、図2に示すように、Y軸方向に並ぶ4つの画素が1つの大きな画素(1つの表示色を表示するための単位画素)を形成する。この1画素に含まれる領域S1〜S4毎に、前述した表示色を選択することにより、当該画素に所望の色を表示させることができる。
具体的には、黒色表示とする場合には、第1の領域S1、第2の領域S2、第3の領域S3、第4の領域S4を、シアン表示、マゼンタ表示、イエロー表示、黒色表示とする。また、白色表示とする場合には、第1の領域S1、第2の領域S2、第3の領域S3、第4の領域S4を全て白色表示とする。また、シアン表示とする場合には、第1の領域S1をシアン表示とし、他の領域S2〜S4を白色表示とする。また、マゼンタ表示とする場合には、第2の領域S2をマゼンタ表示とし、他の領域S1、S2、S3を白色表示とする。また、イエロー表示とする場合には、第3の領域S3をイエロー表示とし、他の領域S1、S2、S4を白色表示とする。
【0060】
特に、表示装置20のように、黒色の第1の粒子Aが存在する第4の領域S4の隣にイエローの第1の粒子Aが存在する第3の領域S3を位置することにより、黒色表示のときの反射率をより低くすることができる。そのため、高い表示コントラストを発揮することができる。
このような表示色の選択を画素毎に行うことにより、表示面121に所望の画像を表示することができる。
【0061】
次いで、表示装置20の製造方法について説明する。
表示装置20の製造方法は、基板12の一方の面上に、X方向に間隔を隔て、かつ、Y方向に延在する複数の第1の壁部91を形成し、隣り合う一対の第1の壁部91によって仕切られた複数の領域Sを形成する工程と、各領域S内に分散液100を充填する工程と、突出形成された複数の第2の壁部92を有する対向基板11(回路基板22)を、第2の壁部92を基板12側に位置させ、領域S内に第2の壁部92を侵入させつつ、第1の壁部91の基板12と反対側に接合し、基板12と対向基板11との間に表示層400を形成する工程とを有している。
【0062】
以下、この製造方法について詳細に説明する。
[1] まず、図4(a)に示すように、基板12を用意し、基板12の第2の電極4側に第1の壁部91を形成する。第1の壁部91の形成方法は、特に限定されず、例えば、第2の電極4上に樹脂層を形成し、この樹脂層をエッチング等によりパターニングすることで形成することができる。
【0063】
[2] 次いで、図4(b)に示すように、各領域S内に多孔質層6を形成する。多孔質層6の形成は、特に限定されず、例えば、多孔質層6を構成する繊維61aを溶媒に分散させてなる塗布液を用意し、この塗布液を液滴吐出法によって各領域S内に塗布し、乾燥する(溶媒を揮発させる)ことで形成することができる。なお、塗布液の塗布方法は、液滴吐出法に限定されず、スクリーン印刷やグラビア印刷等の各種印刷法を用いてもよい。また、不織体61を領域S内に敷き詰めてもよい。
[3] 次いで、図4(c)に示すように、各領域Sに、その領域に対応した分散液100を充填する。分散液100の充填方法としては、特に限定されないが、液滴吐出法を用いるのが好ましい。この場合、吐出ノズルをX軸方向に移動させながら、各領域S内に分散液100を充填するのが好ましい。
【0064】
領域S1に充填された分散液100は、多孔質層6に保持されているため、この状態では、領域S内からの分散液100の漏れ出しが効果的に防止されている。そのため、例えば、後述する、対向基板11(回路基板22)を貼り合わせる工程時にて、ある領域Sから、隣の領域S内に分散液100が漏れ出し、異なる色の第1の粒子Aが混じり合うといった問題の発生を抑制し、優れた表示特性を有する表示装置20を製造することができる。特に、第1の壁部91に前述のような撥水処理が施されていると、上記効果がより顕著となる。また、分散液100が多孔質層6に浸み込むため、分散液100中での気泡の発生が効果的に防止される。そのため、優れた表示特性を有する表示装置20を製造することができる。
【0065】
[4] 次いで、図4(d)に示すように、第2の壁部92が形成された対向基板11(回路基板22)を用意する。この部材は、例えば、対向基板11(回路基板22)の第1の電極3が形成されている面上に樹脂層を形成し、この樹脂層をエッチング等によりパターニングすることで形成することができる。
[5] 次いで、図4(e)に示すように、第2の壁部92を領域S内に侵入させつつ対向基板11を第1の壁部91の上面に貼り合わせる。これにより、基板12と対向基板12との間に、複数の領域Sを有する表示層400が形成される。この際、第2の壁部92が第1の壁部91に当接し、摺動しながら領域S内に案内されることにより、基板12に対する対向基板11の位置決め(特にY方向の位置決め)を精度よく行うことができる。すなわち、第2の壁部92をガイドとして利用することができ、対向基板11の貼り付け位置の精度を高めることができる。
【0066】
特に、第2の壁部92のテーパー角θ2が前述した角度である場合には、第2の壁部92と第1の壁部91との摺動性が向上することで、第2の壁部92のガイドとしての機能が向上し、対向基板11の貼り合わせをより正確かつ円滑に行うことができる。また、第2の壁部92の基端のY方向の長さが前述した範囲である場合には、対向基板11のY方向のずれをより効果的に抑制することができる。
【0067】
対向基板11の貼り合わせは、大気雰囲気下または減圧雰囲気下で、対向基板11を圧着することにより行われる。また、例えば、対向基板11がロール状に巻き付けられたものである場合には、X方向に沿ってロールラミネートすることで圧着してもよい。X方向(第1の壁部91の延在方向)に沿ってロールラミネートすることで、第1の壁部91がガイドとなり、対向基板11の撓み等を防止することができる。また、仮に分散液100中に気泡が発生している場合には、その気泡が第1の壁部91をガイドに外部へ排出されるため、気泡をより確実に取り除くことができる。
【0068】
なお、貼り合わせ温度としては、特に限定されないが、室温以上、120℃以下程度であるのが好ましい。これにより、分散液100の蒸発や第1の壁部91の軟化等を防止することができる。なお、多孔質層6が熱可塑性樹脂材料で構成されている場合には、貼り合わせ温度を100℃〜120℃程度とすることが好ましい。これにより、多孔質層6が軟化した状態となり、多孔質層6と第2の壁部92とを接着することができる。第2の壁部92と多孔質層6とを接着することにより、表示装置20の機械的強度および信頼性がともに向上する。
【0069】
[6]次いで、図4(f)に示すように、表示層400の周囲に封止部5を形成することにより、表示装置20が得られる。
このような製造方法によれば、前述したように、異なる色の第1の粒子Aの混じり合いや、気泡の発生を防止することができるため、表示特性の低下を招くことなく、優れた表示特性を有する表示装置20を簡単に製造することができる。また、対向基板11の位置ずれを抑制でき、優れた信頼性を有する表示装置20を簡単に製造することができる。特に、対向基板11が可撓性を有する場合には、対向基板11の伸張によってその貼り付け位置がずれ易いが、第2の壁部92を有していれば、効果的に、位置ずれを防止することができる。
【0070】
<第2実施形態>
次いで、本発明の表示装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の表示装置の第2実施形態を示す平面図(上面図)である。なお、図5では、説明の便宜上、基板12および多孔質層6の図示を省略している。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0071】
本発明の第2実施形態にかかる表示装置は、第1の壁部の構成(形状)が異なる以外は、第1実施形態の表示装置と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図5に示すように、各第1の壁部91Aは、Y方向に往復しながら、X方向に延在している。すなわち、各第1の壁部91Aは、X方向に蛇行している。また、隣り合う一対の第1の壁部91Aは、それらの間に位置し、X軸方向に延びる軸X’に対して線対称に形成されている。
【0072】
これにより、各領域Sは、X方向に間隔を隔てて設けられた複数の広幅領域S’と、隣り合う広幅領域S’の間に設けられ、広幅領域S’よりもY方向の長さが短い複数の狭幅領域S”とを有することとなる。そして、このような各領域Sでは、各広幅領域S’に第1の電極3が位置しており、各狭幅領域S”に第2の壁部92が位置している。このような構成によれば、狭幅領域S”によって第1、第2の粒子のX方向への移動が抑制されるため、多孔質層6および第2の壁部92との相乗効果により、第1、第2の粒子A、BのX方向への移動をより確実に規制することができる。また、第2の壁部92のY方向の長さを短くすることができるため、第2の壁部92の小型化が図られ、第2の壁部92がより目立たなくなる。
【0073】
<第3実施形態>
次いで、本発明の表示装置の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の表示装置の第3実施形態を示す平面図(上面図)である。なお、図6では、説明の便宜上、基板12および多孔質層6の図示を省略している。
以下、第3実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0074】
本発明の第3実施形態にかかる表示装置は、第1の壁部の構成(形状)が異なる以外は、第1実施形態の表示装置と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図6に、各第1の壁部91Bは、Y方向に往復しながら、X方向に延在している。すなわち、各第1の壁部91Bは、X方向に蛇行している。また、隣り合う一対の第1の壁部91Bは、それらの間に位置し、X軸方向に延びる軸X’に対して線対称に形成されている。
【0075】
これにより、各領域Sは、X方向に間隔を隔てて設けられた複数の広幅領域S’と、隣り合う広幅領域S’の間に設けられ、広幅領域S’よりもY方向の長さが短い複数の狭幅領域S”とを有することとなる。そして、このような各領域Sでは、各広幅領域S’に第1の電極3が位置しており、各狭幅領域S”に第2の壁部92が位置している。このような構成によれば、狭幅領域S”によって第1、第2の粒子のX方向への移動が抑制されるため、多孔質層6および第2の壁部92との相乗効果により、第1、第2の粒子A、BのX方向への移動をより確実に規制することができる。また、第2の壁部92のY方向の長さを短くすることができるため、第2の壁部92の小型化が図られ、第2の壁部92がより目立たなくなる。
【0076】
また、前述した第2実施形態と比較して、狭幅領域S”のX方向の長さが長いため、対向基板11を第1の壁部91Bに貼り付ける際に、対向基板11が第1の壁部91に対してX方向に多少ずれたとしても、第2の壁部92を狭幅領域S”内に位置させることが容易である。すなわち、対向基板11が多少ずれたとしても、表示特性の低下を招かないので、より確実かつ簡単に、所望の表示特性を発揮することのできる表示装置20を製造することができる。特に、対向基板11を可撓性の部材で構成する場合には、対向基板11が伸びやすく、位置ずれを起こしやすい。そのため、可撓性を有する表示装置20を製造する場合は、特に有効な構成である。
【0077】
<第4実施形態>
次いで、本発明の表示装置の第4実施形態について説明する。
図7は、本発明の表示装置の第4実施形態を示す平面図(上面図)である。なお、図7では、説明の便宜上、基板12および多孔質層6の図示を省略している。
以下、第4実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0078】
本発明の第4実施形態にかかる表示装置は、第1の壁部の構成(形状)が異なる以外は、第1実施形態の表示装置と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図7に示すように、各第1の壁部91Cは、X方向に延びる基部911Cと、X方向に間隔を隔てて設けられ、基部911Cと交差するようにY軸に延びる複数の枝部912Cとで構成されている。また、隣り合う第1の壁部91Cの枝部912Cは、Y方向に空隙を隔てて対向するように形成されている。
【0079】
これにより、各領域Sは、X方向に間隔を隔てて設けられた複数の広幅領域S’と、隣り合う広幅領域S’の間に設けられ、広幅領域S’よりもY方向の長さが短い複数の狭幅領域S”(Y方向に対向配置された一対の枝部912Cの間の領域)とを有することとなる。そして、このような各領域Sでは、各広幅領域S’に第1の電極3が位置し、各狭幅領域S”に第2の壁部92が位置している。また、第2の壁部92は、X方向に延在して設けられており、その両端部が広幅領域S’に臨んでいる。このような構成によれば、多孔質層6および第2の壁部92との相乗効果により、第1、第2の粒子A、BのX方向への移動をより確実に規制することができる。
【0080】
また、第2の壁部92がX方向に延びているため、前述した第3実施形態と同様に、対向基板11を第1の壁部91Cに貼り付ける際に、対向基板11がX方向に多少ずれたとしても、第2の壁部92を狭幅領域S”内に位置させることが容易である。すなわち、対向基板11が多少ずれたとしても、表示特性の低下を招かないので、より確実かつ簡単に、所望の表示特性を発揮することのできる表示装置20を製造することができる。
【0081】
<第5実施形態>
図8は、本発明の表示装置の第5実施形態を示す概略斜視図、図9は、図8に示す表示シートの断面図である。
以下、第5実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第5実施形態にかかる表示装置は、表示シートが別体として構成されている以外は、前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態の表示装置20Eは、表示シート21Eと、書き込み装置22Eとを有している。
【0082】
図9に示すように、表示シート21Eは、基板(第1の基板)12Eと、基板12Eと対向配置された基板(第2の基板)11Eと、基板12E、11Eの間に設けられた表示層400と、表示層400を封止する封止部5と、表示層400内に設けられた第1の壁部91および多孔質層6と、表示層400に充填された分散液100とを有している。基板12E、11Eは、それぞれ、前述した第1実施形態の基板12の基部2と同様の構成であるため、その説明は省略する。
【0083】
書き込み装置22Eは、表示シート21Eに所望の画像(模様、色彩、文字、絵またはこれらの組み合わせ等)を書き込む際に使用する装置である。図9に示すように、書き込み装置22Eは、台座221Eと、台座221E上に設けられたシート状の共通電極222Eと、先端に部分電極223Eが設けられた書き込みペン(入力具)224Eと、共通電極222Eおよび部分電極223E間に電圧を印加する電圧印加手段225Eとを有している。
【0084】
このような表示装置20Eは、例えば、次のように使用する。
まず、表示面121の全域が白色表示状態である表示シート21Eを、表示面121を上側にして書き込み装置22Eの共通電極222E上に載置する。次いで、電圧印加手段225Eによって共通電極222Eおよび部分電極223E間に、部分電極223E側が低電位となる電圧を印加する。この状態で、書き込みペン224Eを表示面121に接触させつつ所望の軌跡で移動させることにより、その軌跡に対応する領域にて粒子の泳動が生じ、表示色が白色から黒色に変化する。
このような表示装置20Eによれば、紙に鉛筆で文字等を描くのと同様の感覚で、表示シート21Eの表示面121に所望の文字等を描くことができる。そのため、表示装置20Eの操作性(操作感覚)が向上する。
【0085】
以上説明したような表示装置20は、それぞれ、各種電子機器に組み込むことができる。電気泳動表示装置を備える本発明の電子機器としては、例えば、電子ペーパー、電子ブック、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
【0086】
これらの電子機器のうちから、電子ペーパーを例に挙げ、具体的に説明する。
図10は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図10に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置20で構成されている。
【0087】
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図11は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図11中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図11に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図10に示す構成と同様である。
【0088】
本体部801は、その側部(図11(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
【0089】
また、本体部801の表示面側(図11(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
【0090】
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図11(a)中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。これにより、利便性が向上する。
【0091】
以上、本発明の表示シート、表示シートの製造方法、表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した第1実施形態では、第1の電極および第2の壁部が、それぞれ、千鳥状に配列した構成について説明したが、これに限定されず、例えば、第1の電極および第2の壁部が、それぞれ、X方向およびY方向にマトリックス状に配列した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1‥‥基部 2‥‥基部 3‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 5‥‥封止部 6‥‥多孔質層 61‥‥不織体 61a‥‥繊維 7‥‥分散媒 91、91A、91B、91C‥‥第1の壁部 911C‥‥基部 912C‥‥枝部 92‥‥第2の壁部 100‥‥分散液 11、11E‥‥対向基板 12、12E‥‥基板 121‥‥表示面 20、20E‥‥表示装置 21、21E‥‥表示シート 22‥‥回路基板 22E‥‥書き込み装置 221E‥‥台座 222E‥‥共通電極 223E‥‥部分電極 224E‥‥書き込みペン 225E‥‥電圧印加手段 400‥‥表示層 600……電子ペーパー 601……本体 602……表示ユニット 800……ディスプレイ 801……本体部 802a、802b……搬送ローラ対 803……孔部 804……透明ガラス板 805……挿入口 806……端子部 807……ソケット 808……コントローラー 809……操作部 A‥‥第1の粒子 B‥‥第2の粒子 S‥‥領域 S1‥‥第1の領域 S2‥‥第2の領域 S3‥‥第3の領域 S4‥‥第4の領域 S’‥‥広幅領域 S”‥‥狭幅領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面側に設けられた第1の基板と、
前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有し、
前記表示層は、
前記表示層の平面視にて、前記表示層を第1の方向に複数の領域に仕切り、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する複数の第1の壁部と、
前記複数の領域内の各々に前記第2の方向に間隔を隔てて配置され、前記第2の基板側から突出するとともに、前記第1の基板と前記表示層の厚さ方向に離間した複数の第2の壁部と、
前記複数の領域内の各々に充填され、正または負に帯電した少なくとも1種の第1の粒子を分散媒に分散してなる分散液とを有することを特徴とする表示シート。
【請求項2】
前記複数の領域の各々は、前記第1の方向の長さが前記第2の方向に沿って一定である請求項1に記載の表示シート。
【請求項3】
前記複数の領域の各々は、前記第2の方向に間隔を隔てて設けられた複数の広幅領域と、前記第2の方向で隣り合う前記広幅領域の間に設けられ、前記広幅領域よりも前記第1の方向の長さが短い複数の狭幅領域とを有している請求項1に記載の表示シート。
【請求項4】
前記複数の狭幅領域の各々に、前記第2の壁部が設けられている請求項3に記載の表示シート。
【請求項5】
前記複数の第2の壁部の各々は、前記第1の方向の長さが、前記第2の基板側から前記第1の基板に向けて漸減している請求項1ないし4のいずれかに記載の表示シート。
【請求項6】
前記複数の領域内の各々には、前記第2の壁部の先端部と前記第1の基板との間に多孔質層が配置されている請求項1ないし5のいずれかに記載の表示シート。
【請求項7】
前記多孔質層は、繊維の集合体または粒子の集合体である請求項6に記載の表示シート。
【請求項8】
隣り合う前記領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子は、互いに色相が異なっている請求項1ないし7のいずれかに記載の表示シート。
【請求項9】
前記複数の領域は、前記第1の方向に並んで配置された第1の領域、第2の領域および第3の領域を含み、
前記第1の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子および前記第2の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子のうちの一方の色相がマゼンタであり、他方の色相がシアンであり、
前記第3の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子の色相がイエローである請求項8に記載の表示シート。
【請求項10】
前記複数の領域は、さらに、前記第3の領域の隣に配置された第4の領域を有し、
前記第4の領域内に充填された前記分散液に含まれる前記第1の粒子の色相は、黒色である請求項9に記載の表示シート。
【請求項11】
前記分散液は、さらに、前記第1の粒子と反対の極性に帯電した白色の第2の粒子を有している請求項1ないし10のいずれかに記載の表示シート。
【請求項12】
第1の基板の一方の面上に、第1の方向に間隔を隔て、かつ、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在する複数の第1の壁部を形成し、隣り合う一対の前記第1の壁部によって仕切られた複数の領域を形成する工程と、
各前記領域内に、正または負に帯電した少なくとも1種の第1の粒子を分散媒に分散してなる分散液を充填する工程と、
突出形成された複数の第2の壁部を有する第2の基板を、前記第2の壁部が前記第1の基板側に位置させ、前記領域内に前記第2の壁部を侵入させつつ、前記第1の壁部の前記第1の基板と反対側に接合し、前記第1の基板と前記第2の基板との間に表示層を形成する工程とを有していることを特徴とする表示シートの製造方法。
【請求項13】
請求項1ないし11のいずれかに記載の表示シートを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−226098(P2012−226098A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93230(P2011−93230)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】