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表示デバイスおよびその製法
説明

表示デバイスおよびその製法

【課題】 アルミニウム合金膜と透明電極が直接コンタクトすることを可能とし、バリアメタルの省略を可能にするアルミニウム合金膜を用いた表示デバイスとその製造技術を提供すること。
【解決手段】 基板上に配置された薄膜トランジスタと、透明電極によって形成された透明導電膜、および、これら薄膜トランジスタと透明導電膜を電気的に接続するアルミニウム合金膜を有し、該アルミニウム合金膜と前記透明導電膜の界面には該アルミニウム合金の酸化皮膜が形成されており、該酸化皮膜の膜厚が1〜10nmで、該酸化皮膜中の酸素含有量が44原子%以下である表示デバイスとその製法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜状の表示デバイスとその製法に関し、特に、液晶ディスプレイの如きアクティブおよびパッシブマトリクス型のフラットパネルディスプレイ、反射膜、光学部品などに使用される透明導電膜とアルミニウム合金膜を構成要素として含む新規な表示デバイスとその製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばアクティブマトリクス型の液晶表示装置は、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子とし、透明導電膜と走査線および信号線などの配線部を備えたTFTアレイ基板と、該TFTアレイ基板に対し所定の間隔をおいて対向配置される共通電極を備えた対向基板と、これらTFTアレイ基板と対向基板との間に充填された液晶層によって構成される。またパッシブマトリクス型液晶表示デバイスにおいては、走査線および信号線などの配線部と、該配線基板に対し所定間隔を置いて対向配置される共通電極を備えた対向電極と、配線基板と対向基板との間に充填された液晶層によって構成される。透明導電膜としては、酸化インジウム(In23)に酸化錫(SnO)を10質量%程度含有させた酸化インジウム錫(ITO)膜などが用いられる。
【0003】
また、この透明導電膜に電気的に接続される配線部の信号線としては、純アルミニウムもしくはAl−Ndの如きアルミニウム合金が使用されるが、これらと透明導電膜が直接接触しないよう、その間にバリアメタルとしてMo,Cr,Ti,W等の高融点金属からなる積層膜を介在させていた。しかし最近では、これら高融点金属を省略し、信号線に透明導電膜を直接接続させる試みもなされている。
【0004】
例えば特許文献1によると、酸化インジウムに酸化亜鉛を10質量%程度含有させたIZO膜からなる透明導電膜を使用すれば、信号線との直接コンタクトが可能になるとされている。
【0005】
また特許文献2には、ドレイン電極にプラズマ処理やイオン注入によって表面処理を施す方法が開示され、また特許文献3には、第1層のゲートとソースおよびドレイン電極として、N,O,Si,C等の不純物を含む第2相を積層した積層膜を形成する方法が開示されており、これらの方法を採用すれば、前掲の高融点金属を省略した場合でも、透明導電膜とのコンタクト抵抗を低レベルに維持できることが明らかにされている。
【特許文献1】特開平11−337976号公報
【特許文献2】特開平11−283934号公報
【特許文献3】特開平11−284195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前掲の従来技術でバリアメタルを介在させる理由は、信号線を構成するアルミニウムまたはアルミニウム合金配線と透明導電膜を直接接触させると接触抵抗が上昇し、画面の表示品位が低下するからである。これは、アルミニウムが非常に酸化され易く、大気中では表面が容易に酸化されること、また透明導電膜は金属酸化物であるため、成膜時に生じる酸素や成膜時に添加する酸素によってアルミニウムが酸化され、表面に高抵抗のアルミニウム酸化物層が生成するからである。そして、この様に信号線と透明導電膜との接触界面に絶縁物層が形成されると、信号線と透明導電膜間の接触抵抗が高まり、画面の表示品位が低下する。
【0007】
一方バリアメタルは、元々アルミニウム合金の表面酸化を防ぎ、アルミニウム合金膜と透明導電膜の接触を良好にする作用を有しているが、上記接触界面にバリアメタルを介在させた従来構造を得るには、バリアメタル形成工程が不可欠となるため、ゲート電極やソース電極、更にはドレイン電極の形成に要する成膜用のスパッタ装置に加えて、バリアメタル形成用の成膜チャンバーを余分に装備しなければならない。しかし量産による液晶パネルなどの低コスト化が進むにつれて、バリアメタルの形成に伴う製造コストのアップや生産性の低下は軽視できなくなっている。
【0008】
この様なことから最近では、バリアメタルを省略可能にする電極材料や製造プロセスが求められている。こうした要望に対し前掲の特許文献2では、表面処理のための工程が1工程加重される。一方特許文献3では、ゲート電極やソース電極、もしくはドレイン電極の成膜を同一の成膜チャンバーで連続して行うことができるが、工程数の増大が避けられない。しかも、不純物が混入した膜と混入していない膜の熱膨張係数の違いに原因して、連続使用時にチャンバーの壁面から膜が剥がれ落ちる現象が多発するので、メンテナンスのため装置を頻繁に停止しなければならない。更に特許文献1では、現時点で最も普及している酸化インジウム錫(ITO)膜を酸化インジウム亜鉛(IZO)膜に変更しなければならないため、材料コストが高くつく。
【0009】
本発明者らは上記の様な状況の下で、前述した様なバリアメタルの省略を可能にすると共に、工程数を増やすことなく簡略化し、アルミニウム合金膜を透明導電膜に対し直接かつ確実に接触させ得るような技術を確立し、また、低電気抵抗率で且つ低コンタクト抵抗を実現し得るような優れた電気特性と耐熱性を両立せしめ、更には表示デバイスにおいて反射電極やTAB(タブ)接続電極と材料を共通化し得るような技術の確立を期して鋭意研究を重ねてきた。その結果、上述した様な高融点金属を省略して配線部に直接透明導電膜を接触させることのできる技術を開発し、先に特許出願を済ませた(特願2002-368786号)。
【0010】
本発明者らはその後も更なる改善を期して研究を重ねているが、今回の本発明の目的は、上記先願発明とは異なる観点からの改善により、該先願発明に優るとも劣らない安定で長期信頼性の高い接触を実現し得るようなアルミニウム合金配線技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決することのできた本発明に係る表示デバイスの構成は、基板上に配置された薄膜トランジスタと透明導電膜、および、これら薄膜トランジスタと透明導電膜を電気的に接続するアルミニウム合金膜を有し、該アルミニウム合金膜と前記透明導電膜の界面には該アルミニウム合金の酸化皮膜が形成されており、該酸化皮膜の膜厚が1〜10nmで、該酸化皮膜中の酸素含有量が44原子%以下であるところに要旨が存在する。
【0012】
上記アルミニウム合金膜は、合金成分としてAu,Ag,Zn,Cu,Ni,Sr,Sm,Ge,Biよりなる群から選択される少なくとも1種を0.1〜6原子%含むものが好ましく、中でも、少なくともNiを含有するものが最適である。
【0013】
上記アルミニウム合金膜には、更に他の合金成分としてNd,Y,Fe,Co,Ti,Ta,Cr,Zr,Hfよりなる群から選択される少なくとも1種が0.1〜6原子%の範囲で含まれていてもよい。
【0014】
合金成分としてNiを含む上記アルミニウム合金膜は、当該膜の表面から0.5〜10nmのNi濃化層が存在し、該Ni濃化層中の平均Ni濃度が、前記アルミニウム合金膜中の平均Ni濃度の2倍以上であることが望ましい。
【0015】
そしてこれらのアルミニウム合金膜は、表示デバイスにおいて反射膜として、あるいはタブ接続電極として有効に機能する。また前記透明導電膜の好ましい素材は、酸化インジウム錫(ITO)もしくは酸化インジウム亜鉛(IZO)である。
【0016】
また本発明は、更に他の実施形態として、基板上に配置された透明導電膜、および該透明導電膜を電気的に接続するアルミニウム合金膜を有し、該アルミニウム合金膜と前記透明導電膜の界面には該アルミニウム合金の酸化皮膜が形成されており、該酸化皮膜の膜厚が1〜10nmで、該酸化皮膜中の酸素含有量が44原子%以下であるパッシブマトリクス駆動の表示デバイスを提供する。
【0017】
更に、本発明に係る上記表示デバイスは、基板上に形成されたアルミニウム合金膜上に透明導電膜を形成する際に、基板温度を高めた状態で、初期段階は非酸化性ガス雰囲気で電極膜形成を行った後、後半期は酸素含有雰囲気下で電極膜形成を行なうことによって容易に製造できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、アルミニウム合金膜と透明導電膜の直接コンタクトを安定した制御性の下で実現可能とし、バリアメタルの省略を可能にすると共に長期信頼性の高い安価で且つ高性能の表示デバイスを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記本発明によれば、透明導電膜とアルミニウム合金膜を接触させる際に、その界面に形成される酸化アルミニウム層の電気抵抗率を低減し、該アルミニウム合金酸化物層の導電性を高めることによって、透明導電膜とアルミニウム合金との直接接触を可能にする。このとき、アルミニウム合金酸化物層の電気抵抗率を低減するには、界面のアルミニウム合金酸化物層の膜厚と酸素含量を制御することが有効であり、その結果として、コンタクト抵抗を低く且つ安定な状態に制御できる。
【0020】
ちなみに従来法では、純アルミニウムやAl−Nd合金などに透明導電膜を直接コンタクトさせるため、コンタクト抵抗が高くて非オーミック接触となる。その理由は、接触界面に形成される酸化アルミニウム層が、化学量論組成の酸化アルミニウム(Al23)とほぼ同程度の酸素を含む高抵抗の膜となり、且つ該酸化アルミニウム層の膜厚も厚くなるためと思われる。
【0021】
これに対し本発明では、アルミニウム層内に、合金成分としてAu,Ag,Zn,Cu,Ni,Sr,Sm,Ge,Biよりなる群から選択される少なくとも1種の元素、特に好ましくはNiを適量含有させ、それにより透明導電膜を成膜する際のアルミニウムの酸化を抑えることによってアルミニウム合金酸化層に導電性を与え、好ましくは更に接触界面に前記合金成分を濃化させることによって、組成の異なる合金材料に対しても安定して高い信頼性のコンタクト特性、即ち低コンタクト抵抗を実現できる。その結果、液晶ディスプレイの表示品位を高レベルに維持しつつ、工程数と製造コストを大幅に削減できる。
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る表示デバイスの実施形態を詳細に説明していくが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0023】
また本発明では、薄膜トランジスタを含まないパッシブマトリクス駆動型の表示デバイスや、反射型液晶表示デバイス等の反射電極、外部への信号入出力のために使用されるTAB(タブ)接続電極についても、アルミニウム合金膜を同様に適用できるが、これらの実施形態については省略する。
【0024】
図1は、本発明が適用される液晶表示装置に搭載される液晶パネル構造の概略断面拡大説明図である。
【0025】
図1の液晶パネルは、TFTアレイ基板1と、該TFTアレイ基板1に対向して配置された対向基板2、およびこれらTFTアレイ基板1と対向基板2との間に配置され、光変調層として機能する液晶層3を備えている。TFTアレイ基板1は、絶縁性のガラス基板1a上に配置された薄膜トランジスタ(TFT)4、透明導電膜5、走査線や信号線を含む配線部6からなる。
【0026】
対向基板2は、TFTアレイ基板1側の全面に形成された共通電極7と、透明導電膜5に対向する位置に配置されたカラーフィルタ8、TFTアレイ基板1上の薄膜トランジスタ(TFT)4や配線部6に対向する位置に配置された遮光膜9からなる。
【0027】
また、TFTアレイ基板1および対向基板2を構成する絶縁性基板の外面側には、偏光板10,10が配置されると共に、対向基板2には、液晶層3に含まれる液晶分子を所定の向きに配向させるための配向膜11が設けられている。
【0028】
この様な構造の液晶パネルでは、対向電極2と透明導電膜5の間に形成される電界によって、液晶層3における液晶分子の配向方向が制御され、TFTアレイ基板1と対向基板2との間の液晶層3を通過する光が変調され、これにより、対向基板2を透過する光の透過光量が制御されて画像が表示される。
【0029】
またTFTアレイは、TFTアレイ外部へ引き出されたTABテープ12により、ドライバ回路13および制御回路14によって駆動される。
【0030】
図中、15はスペーサー、16はシール材、17は保護膜、18は拡散板、19はプリズムシート、20は導光板、21は反射板、22はバックライト、23は保持フレーム、24はプリント基板を夫々示しており、これらについては後述する。
【0031】
図2は、本発明で採用されるアレイ基板に適用される第1の実施例に係る薄膜トランジスタ部の構造を例示する概略断面説明図である。図2に示す如くガラス基板1a上には、アルミニウム合金膜によって走査線25が形成され、該走査線25の一部は、薄膜トランジスタのオン・オフを制御するゲート電極26として機能する。またゲート絶縁膜27を介して走査線25と交差するように、アルミニウム合金膜によって信号線が形成され、該信号線の一部は、薄膜トランジスタのソース電極28として機能する。このタイプは一般にボトムゲート型とも呼ばれる。
【0032】
ゲート絶縁膜27上の画素領域には、例えばIn23にSnOを含有させたITO膜によって形成された透明導電膜5が配置されている。アルミニウム合金膜で形成された薄膜トランジスタのドレイン電極29は、透明導電膜5に直接コンタクトして電気的に接続される。
【0033】
このTFTアレイ基板1に、走査線25を介してゲート電極26にゲート電圧を供給すると、薄膜トランジスタがオン状態となり、予め信号線に供給された駆動電圧がソース電極28からドレイン電極29を介して透明導電膜5へ供給される。そして、透明導電膜5に所定レベルの駆動電圧が供給されると、図1で説明した如く対向電極2との間に電位差が生じ、液晶層3に含まれる液晶分子が配向して光変調が行われる。
【0034】
次に、図2に示したTFTアレイ基板2の製法について簡単に説明する。尚ここで、スイッチング素子として形成される薄膜トランジスタは、水素化アモルファスシリコンを半導体層として用いたアモルファスシリコンTFTを一例として挙げる。
【0035】
第1の実施例に係るTFTアレイ基板1の製造工程の概略を、図3〜10を例にとって説明する。
【0036】
まずガラス基板1aに、スパッタリング等の手法で例えば膜厚200nm程度のアルミニウム合金薄膜を形成し、該アルミニウム合金薄膜をパターニングすることにより、ゲート電極26と走査線25を形成する(図3)。このとき、後記ゲート絶縁膜27のカバレッジが良くなるように、アルミニウム合金薄膜の周縁を約30〜40度のテーパー状にエッチングしておくのがよい。次いで図4に示す如く、例えばプラズマCVD法などの手法で、例えば膜厚が約300nm程度の酸化シリコン膜(SiOx)でゲート絶縁膜27を形成し、更に、例えば膜厚50nm程度の水素化アモルファスシリコン膜(a-Si:H)と膜厚300nm程度の窒化シリコン膜(SiNx)を成膜する。
【0037】
続いて、ゲート電極26をマスクとする裏面露光によって図5に示す如く窒化シリコン膜(SiNx)をパターニングし、チャネル保護膜を形成する。更にその上に、燐をドーピングした例えば膜厚50nm程度のn+型水素化アモルファスシリコン膜(n+a-Si:H)を成膜した後、図6に示す如く、水素化アモルファスシリコン膜(a-Si:H)とn+型水素化アモルファスシリコン膜(n+a-Si:H)をパターニングする。
【0038】
そしてその上に、例えば膜厚300nm程度のアルミニウム合金膜を成膜し、図7に示す様にパターニングすることで、信号線と一体のソース電極28と、透明導電膜5に接触されるドレイン電極29を形成する。更に、ソース電極28とドレイン電極29をマスクとして、チャネル保護膜(SiNx)上のn+型水素化アモルファスシリコン膜(n+a-Si:H)を除去する。
【0039】
そして図8に示す如く、例えばプラズマCVD装置などを用いて、窒化シリコン膜30を例えば膜厚300nm程度で成膜することにより保護膜を形成する。このときの成膜は例えば260℃程度で行なわれる。そしてこの窒化シリコン膜30上にフォトレジスト層31を形成した後、該窒化シリコン膜30をパターニングし、例えばドライエッチング等によって窒化シリコン膜30にコンタクトホール32を形成する。また図示していないが、同時にパネル端部のゲート電極上のTABとの接続に当たる部分にコンタクトホールを形成する。
【0040】
更に図9に示す如く、例えば酸素プラズマによるアッシング工程を経た後、例えばアミン系等の剥離液を用いてフォトレジスト層31の剥離処理を行い、最後に例えば保管時間8時間程度以内に、図10に示す如く例えば膜厚40nm程度のITO膜を成膜し、パターニングによって透明導電膜5を形成する。同時に、パネル端部のゲート電極のTABとの接続部分に、TABとのボンディングのためITO膜をパターニングすると、TFTアレイ基板が完成する。
【0041】
本発明では、ドレイン電極29などを構成するアルミニウム合金膜上に、上記透明導電膜5を構成するITO膜をスパッタリングによって形成する際に、該アルミニウム合金膜の透明導電膜5との界面に導電性の酸化皮膜を形成するため、好ましくは2段階以上の複数段階成膜法を採用する。好ましい成膜法を例示すると、基板温度を好ましくは100〜200℃の範囲に設定し、まずアルゴン等の非酸化性ガスを用い酸素添加なしで例えば膜厚5〜20nm(好ましくは10nm程度)の成膜を行う。この間、すなわち透明導電膜5を構成するITO膜の成膜初期段階では、アルミニウム合金膜の表面を極力酸化しないよう、酸素添加なしの雰囲気で成膜する。なお酸素添加なしで成膜を行うと、スパッタリングによって形成されるITO膜内の酸素含量が少なくなり、当該膜そのものの導電率は低下する。しかし、このときに適度の基板加熱を行なうとITOの結晶性が高まり、透明導電膜5としての導電率の低下を補うことができる。
【0042】
次いで上記基板温度を維持しつつ、雰囲気ガスを、非酸化性ガスに酸素を混入した酸素含有ガスに変更し、例えば厚さ20〜200nm程度(好ましくは40nm前後)の成膜を行う。このとき雰囲気ガスへの酸素の添加量は特に制限されないが、代表的な条件としては、例えばアルゴン1〜5mTorr程度(好ましくは3mTorr前後)に対し酸素10〜50μTorr(好ましくは20μTorr前後)に制御することが好ましい。ちなみにこの様な条件を採用すると、形成されるITO膜の電気抵抗は最も低くなり、1×10-4Ω・cm程度以下になることを確認している。尚、酸素添加以外に、水蒸気添加によっても同様の効果が得られる。この様にスパッタリングによるITO膜の形成を、雰囲気ガスの酸素含量を変えて2段階(または多段回)で行うことで、ITO成膜初期のアルミニウム合金膜の酸化を抑制しつつ、一方でITO膜自体は十分な高導電率を確保することが可能となる。
【0043】
ちなみにITO膜は低温ではアモルファスであるのに対し、成膜時の温度を高めると多結晶となり、該結晶性の改善によって導電性は大幅に高まると共に、成膜後期の酸素含有雰囲気ガス中での成膜によってITO膜の導電性は高まる。
【0044】
ところで本発明者らが確認したところによると、例えばAl−Ni合金と純Alを比較した場合、これらを自然酸化したときの酸化皮膜の酸素含量や酸化皮膜の厚さには殆ど差がみられない(後記図12参照)にも拘らず、この上にITO成膜を行った後には差が生じてくる。このことから、アルミニウム合金膜表面の酸化皮膜の最終的な酸化形態は、透明導電膜を構成するITO成膜時に決まってくると考えられる。しかも該酸化皮膜の形態の変化は、Alに添加される合金元素(Niなど)の影響も受けるものと思われ、該合金元素の選択とITO成膜時の適正な条件設定により酸化層の酸素含量と膜厚を適正に制御することで、低く安定したコンタクト抵抗を実現することが可能となる。
【0045】
ちなみに、上述した様な条件でITO成膜を行った場合、ITO膜とAl−2原子%Ni合金膜とのコンタクト抵抗は2〜17Ωとなるのに対し、二段階成膜を行わず、且つ基板加熱なしで当初から雰囲気ガス中に酸素を混入した条件でITO成膜を行った場合の同コンタクト抵抗は750Ω以上になることを確認しており、上述した二段階成膜法は、コンタクト抵抗の低減に極めて有効であることが分かる。
【0046】
また添加合金元素の作用としては、上記Ni以外に、Au,Ag,Zn,Cu,Sr,Sm,Ge,Biについても同様の効果を得ることができ、これらの合金元素の1種若しくは2種以上を適量含有させたアルミニウム合金を使用し、上述した二段階性膜法を適用することで、コンタクト抵抗が有為に低減することを確認している。
【0047】
なお、先願発明として提示した特願2002-368786号では、上記の様な酸化皮膜の酸素含量を積極的に制御していないため、接触界面に存在するアルミニウム合金酸化皮膜中の酸素含量は多く、Al23に対し酸素含量はほぼ化学量論量であってコンタクト抵抗は高い。そこで、接触界面のコンタクト抵抗を下げるため、該酸化皮膜をオーバーエッチングや剥離液によって除去し、あるいはITO膜との接触界面に金属化合物などを析出させるといった処理が必要であった。しかし本発明では、上記の様に接触界面に存在する酸化皮膜中の酸素含量を抑えることでコンタクト抵抗を低減することにより、この様な処理が全く不要となる。
【0048】
ところで、ITO成膜初期の雰囲気ガス中に酸素を含有させると共に基板加熱を行うと、コンタクト抵抗は基板加熱なしの場合の750Ωに対して250Ωまで、ある程度の低下がみられる。また酸素添加なしで基板加熱を加えつつ成膜した場合、コンタクト抵抗は3〜33Ω程度に低減するものの、ITO膜自体の電気抵抗率は8×10-4Ω・cm程度と高い。
【0049】
しかし、本発明で好ましく採用される上記の様な二段階成膜法を採用すると、アルミニウム合金膜とその上に形成されるITO膜の接触界面のコンタクト抵抗が低下すると共に、ITO膜自体の電気抵抗率も低く抑えられる。なお、酸素の代わりに水蒸気や水素を雰囲気ガス中に混入させることによってITO膜の導電性を高める方法も考えられ、これらのうち特に水蒸気は加熱条件下で酸化性ガスとして作用し、アルミニウム合金膜に対し酸素と同様に酸化作用を発揮するので有効である。
【0050】
この様に本発明では、アルミニウム合金膜中の合金元素の種類を特定すると共に、その上に形成されるITO膜の成膜条件を制御することで接触界面に形成される酸化皮膜の特性とITO膜の特性を改善することにより、接触界面に酸化物皮膜が存在していてもこれを除去することなく直接コンタクトすることが可能となる。
【0051】
特に、追って詳述する如く、上記接触界面におけるアルミニウム合金酸化皮膜中の酸素含有量を44原子%以下、より好ましくは42原子%以下に抑え、好ましくは該酸化皮膜の厚さを1〜10nmの範囲、より好ましくは2〜8nm、特に好ましくは5nm前後に調整すれば、コンタクト抵抗を可及的に低減できる。この様なことから本発明では、アルミニウム合金膜を構成する合金元素の適正な選択と、ITOの成膜条件の制御が極めて重要となる。
【0052】
上記の様な方法で製造されたTFTアレイ基板は、アルミニウム合金で形成された例えばドレイン電極29と透明導電膜5とが直接コンタクトされており、またゲート電極26とTAB接続用のITO膜も直接コンタクトされている。
【0053】
このとき、例えばドレイン電極29を構成するアルミニウム合金膜素材として、前述した如くAl−Ni合金以外にも、Au,Ag,Zn,Cu,Sr,Sm,Ge,Biよりなる群から選択される少なくとも1種を合金成分として0.1〜6原子%含有するアルミニウム合金を使用すると、該ドレイン電極29の形成条件を適正に制御することで、ドレイン電極29を構成する該アルミニウム合金膜と透明導電膜5とのコンタクト抵抗を有為に低減することが可能となる。
【0054】
ちなみに、アルミニウム合金膜中に含まれる上記合金元素の量が0.1原子%未満では、透明導電膜5との接触界面に形成される酸化層の酸素含量が十分に下がらず、本発明で意図するレベルのコンタクト抵抗低減効果が得られ難くなる。逆に、該合金元素量が6原子%を超えて過度に多くなると、アルミニウム合金膜自体の電気抵抗が高くなって画素の応答速度が遅くなり、消費電力が増大しディスプレイとしての品位が低下して実用に供し難くなる。よって、これらの利害得失を考慮すると、上記合金元素の含有量は0.1原子%以上、より好ましくは0.2原子%以上で、6原子%以下、より好ましくは5原子%以下に抑えることが望まれる。
【0055】
また本発明では、上記以外の合金元素としてNd,Y,Fe,Co,Ti,Ta,Cr,Zr,Hfよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を更に含有させることも有効である。即ちこれらの元素は、アルミニウム合金中に好ましくは0.1〜6原子%、より好ましくは0.2〜2原子%含有させることによってヒロックやボイドを防いで耐熱性を300℃以上に高め、また機械的強度や耐食性などを高める作用を発揮するからである。これらの中でも特に好ましいのは、Nd,Y,Fe,Coよりなる群から選択される少なくとも1種である。電気抵抗率の観点からすると、これら4種類の元素であれば300℃の熱処理でもアルミニウム合金配線の電気抵抗率を十分に下げることができるからである。
【0056】
更に本発明では、アルミニウム合金膜と透明導電膜5とのコンタクト抵抗を更に低減できるより好ましい形態として、上述した様な合金元素、例えばNiを含むアルミニウム合金膜において、透明導電膜5との界面側のアルミニウム合金膜表面にNi濃化層を形成することが有効である。該Ni濃化層の好ましい厚さは0.5nm以上、より好ましくは1.0nm以上で、10nm以下、より好ましくは5nm以下であり、また該Ni濃化層中の平均Ni濃度は、アルミニウム合金膜全量中の平均Ni濃度の2倍以上、より好ましくは2.5倍以上であることが望ましい。なおNi以外に、上述した如くAu,Ag,Zn,Cu,Sr,Sm,Ge,Biなどの合金成分を含むアルミニウム合金の場合も同様に、アルミニウム合金膜の表面に同程度の厚さと濃度の濃化層を形成することが有効である。
【0057】
なおNiなどの合金元素を含むアルミニウム合金膜では、熱処理などによりアルミニウム合金膜中の例えばNiの固溶限(0.1%)を超えるNiがアルミニウム合金の粒界に析出し、一部がアルミニウム合金膜表面に拡散・濃縮してNi濃化層が形成される。また本発明では、例えばコンタクトホールのエッチングを行う際に、Niのハロゲン化合物はアルミニウムよりも蒸気圧が低いため揮発し難く、アルミニウム合金膜表面に残留した状態となり、該合金膜表層部のNi濃度はアルミニウム合金バルク材のNi濃度よりも高濃度状態となる。従って、該エッチング条件を適切に制御することによっても、表層のNi濃度や該濃化層の厚さを制御できる。
【0058】
この様にして形成されたTFTアレイ基板を備えた表示デバイスを、例えば液晶表示装置として使用すれば、透明導電膜と接続配線部との間のコンタクト抵抗を最小限に抑えることができるため、表示画面の表示品位に及ぼす悪影響を可及的に抑制できる。
【0059】
ところで従来の製法では、純アルミニウムやAl−Nd合金を配線材料に用いて透明導電膜に直接接触させると、接触界面に高抵抗の酸化アルミニウム層が形成され、非オーミック接触となる。断面TEM観察とEDX組成分析結果によると、このときに接触界面に形成されるアルミニウム酸化物層中の酸素含量は、化学量論組成の酸化アルミニウム(Al23)とほぼ同じであり、酸素含量は60原子%(組成比はAl:O=1:1.5)で、酸化物層中の厚さは約6.5~7nmであった。この時のコンタクト抵抗を80μmのコンタクトホールで測定したところ、約150kΩであった。化学量論組成のAl23は絶縁体であり、一般に電気抵抗率は1014Ω・cm程度であると言われており、わずか6.5〜7nmの膜厚でも高抵抗の絶縁膜として作用していたと考えられる。
【0060】
こうした従来技術に対し、前述した様な方法でアルミニウム合金酸化物層の酸素含有量を例えば40.2原子%(組成比でAl:O=1:0.67)、膜厚を4〜4.5nmに制御した場合のコンタクト抵抗は12Ωになることが確認された。この様に、酸素含量が少なくて金属アルミニウムリッチな酸化物層の場合、該酸化物層はn型の半導体的特性を示し、金属アルミニウムの如き電気伝導性を示すものとなる。また数nm程度の膜厚の変化ではコンタクト抵抗値に与える影響は小さいものの、膜厚は薄い方がコンタクト抵抗は小さくなるので、該酸化物層の厚さは10nm程度以下に抑えることが望ましい。
【0061】
図11は、アルミニウム合金酸化物層に含まれる酸素含有量と電気抵抗率、並びにコンタクト抵抗値の関係を調べた結果を示したグラフである。この図からも明らかな様に、アルミニウム合金酸化物層の酸素含量が40原子%(組成比でO/Al=0.67)を超えると、コンタクト抵抗および電気抵抗率は共に急激に増加し、44原子%(O/Al=0.79)を超えると200Ωを超え、更に49原子%(O/Al=0.96)を超えると150kΩを超える。更に56原子%(O/Al=1.27)に達すると、オーミック接触から非オーミック接触へと変化する。コンタクト抵抗が200Ωを超えると、表示品位の低下や歩留まりの低下が懸念され好ましくないと思われることから、酸素含量は44原子%以下に抑えることが望ましい。
【0062】
ところでアルミニウム合金膜の表面は、大気中で保管しているだけでも自然酸化が起こり、ITO成膜時に更に酸化が進んで接触界面に更に厚い酸化皮膜が形成されると考えられる。例えば、XPS(X線光電子分光分析法)の測定結果から解析したアルミニウムの自然酸化皮膜の成長速度は、例えば図12に示す如く、純アルミニウムの場合と、直接コンタクト可能なAl−2原子%Ni合金の場合で殆ど変わらない。例えば大気中で16時間保管したときには、何れも膜厚3nmの酸化皮膜が形成され、該酸化皮膜の酸素含量は約60原子%(Al:O=1:1.5)の化学量論組成となる。
【0063】
一方、前述した様な方法(本発明に係る2段成膜法)でAl−2原子%Ni合金膜表面にITO膜を成膜し、コンタクト部分の断面をTEM観察したところ、酸化皮膜の膜厚は自然酸化皮膜よりも厚く、4〜4.5nm(4/3倍〜4.5/3倍、即ち1.3〜1.5倍)に増加するが、酸化皮膜の酸素含有量は40.2原子%である。上記の通りITO成膜前の酸化皮膜の体積は1.3〜1.5倍にボリュームアップしていることとなる。ところが、このボリュームアップの過程で新たな酸素は取り込まれないため、ITO成膜前に含まれる酸素含有量の約60原子%が約40原子%(すなわち、約60原子%/1.5)に低減したものと推測される。
【0064】
このことから、アルミニウム合金酸化皮膜層の酸素含量を低下させるには、ITO成膜時に生じるアルミニウムの酸化を抑えることが重要であり、そのためにも少なくとも成膜初期は酸素を含まない非酸化性ガス雰囲気条件で行うことが必要となる。この時の酸化層の電気抵抗率は、前記図11の傾向から推測して200μΩ・cm程度と考えられ、コンタクト抵抗は12Ω程度になると考えられる。また、ITO成膜工程で取り込まれる酸素量を制御することが、コンタクト抵抗の低減に有効であることも明白である。
【0065】
次に、アルミニウム合金酸化皮膜に含まれる不純物が導電性向上に有効に作用し得ることについて説明する。
【0066】
例えばβ−Al23中に不純物としてナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属を添加すると、102Ω・cm程度の電気抵抗率のイオン導電性材料になることは良く知られている。これは、アルカリ金属イオンのサイズがAl23の結晶格子に対して十分に小さく、格子間を自由に移動できるためである。ところがアルカリ金属イオンは、TFTなどの半導体素材中に混入すると可動イオンとなって障害になる恐れがある。
【0067】
そこで、アルカリ金属に較べて半導体素子への影響の少ないNiなどをアルミニウム酸化物層内へ添加することによって、同様に電気伝導性を高めることも考えられる。Al−2原子%NiとITOを直接接続させた場合、断面TEM試料によるEDX分析によると、Ni濃化層に含まれるNi量は4〜8原子%となるのに対し、酸化アルミニウム中にもNiは少なくとも2原子%以上含まれることが確認された。
【0068】
またAl−Ni系合金の場合、例えば図13(ITOとAl−Ni合金膜の直接接触界面に形成されたアルミニウム酸化物層とNi濃化層のTEM観察写真)に示す如く、酸化アルミニウム(AlOx)の層とバルクのAl−Ni合金薄膜の界面には膜厚1nm程度のNi濃化層が形成される。これは、アルミニウムの酸化が進行するにつれてアルミニウムは酸化皮膜方向へ拡散し、Niはバルク方向へ拡散すること、また、コンタクトホールをドライエッチングする際にNiの方が残渣として残り易いことが原因と考えられる。これらの影響によってNi濃化層が形成されると、アルミニウム合金バルクからのアルミニウムイオンの拡散が抑えられ、アルミニウムの酸化抑制効果が期待される。
【0069】
さらに図14は、Ni濃化層に含まれるNi量と酸化皮膜厚さ(nm)およびコンタクト抵抗(Ω)の関係を示したグラフであり、この図からも明らかな様にNi濃化層中のNi量が増えるにつれて、ITO成膜後に観察されるアルミニウム酸化皮膜の厚さは減少する。それと共に、酸素含有量は例えば図15に示す如く減少しコンタクト抵抗も低下することから、Ni濃化層が重要な役割りを果たしていると言える。
【0070】
そしてこうしたNi濃化層の作用を有効に発揮させるには、前述した如く該濃化層の厚さを1〜10nmの範囲に調整し、且つ該濃化層中のNi含量を、Al−Ni合金層全体のNi含量の2倍以上にするのがよいことを確認している。
【0071】
ところで純アルミニウムやAl−Nd合金を用いた場合でも、前記図2の場合とは逆にITOを下層とし、その上層側にアルミニウム合金材料を成膜した場合には、界面の酸化が抑えられてオーミック接触が可能になることがある。これは、成膜順序を変更してITO成膜後にアルミニウム合金皮膜を形成した場合は、界面に高抵抗のアルミニウム酸化皮膜が形成されないためである。
【0072】
またNi等を含むアルミニウム合金が酸化されると、アルミニウムが酸化アルミニウム内を拡散し表面で酸素と結びついて酸化が進行するのに対し、酸化アルミニウム内への固溶量の小さいNiは反対にバルク方向へ拡散し、取り残されてNi濃化層が形成される。この他、表面にNiを残す様なドライエッチングによってアルミニウム表面をエッチングしたり、加熱によって濃化層を形成し、Ni含有量を制御することもできる。加熱する場合については、オージェ分光の深さプロファイル測定によると、例えば150〜300℃で1時間加熱するとNi含量は3.1原子%から5.1原子%に増加し、またドライエッチングを施すと10.2原子%まで濃化することが確認されている。
【0073】
従って、上記の様な好ましい厚さとNi含量のNi濃化層を形成するには、上記のような現象を利用し、例えば絶縁膜を形成する際に採用する基板加熱を利用して濃化層を形成する方法や、アルミニウム配線をプラズマや酸・アルカリなどのエッチング性薬剤で表面処理する方法、連続してアルミニウム表面を少量エッチングさせる方法などが好ましい方法として例示される。
【0074】
ところで、ITO膜に直接純アルミニウム配線をコンタクトさせた場合のコンタクト抵抗は1.5×105Ωであり、更に、代表的なアルミニウム合金配線であるAl−NdをITO膜に直接コンタクトさせた場合のコンタクト抵抗は8.4×108Ωである。また従来構造として、ITO膜とAl−Nd配線との間にバリアメタルとしてMoを介在させた場合のコンタクト抵抗は1.0×101Ωであった。これに対し、Al−Ni合金配線のコンタクト抵抗は1.2×101Ω、Al−Ni−Nd合金配線のコンタクト抵抗は1.5×101Ω、Al−Ni−Y合金配線のコンタクト抵抗は1.3×101Ωであり、いずれも、バリアメタルとしてMoを用いた従来構造と略同等であった。
【0075】
次に、恒温恒湿試験の結果について述べる。恒温恒湿試験とは環境負荷試験の1種であり、一定の温度、湿度(通常は高温、高湿雰囲気)で長時間保持した場合のデバイスへの影響を調べる試験である。本例では試験前後のコンタクト抵抗を比較した。試験では、80℃、80RH%の恒温槽にアルミニウム合金とITOを直接接続させた評価用供試材を保管し、120時間と240時間後に取り出してコンタクト抵抗を測定した。また比較のためアルミニウム合金にCVD法でSiN膜を成膜し、ドライエッチングでコンタクトホールを形成してからITO膜を成膜した試料と、アルミニウム合金上にITO膜を直接成膜し、アルミニウム合金に150℃以上の熱やドライエッチングを加えなかったものを用意した。その結果、アルミニウム合金配線に150℃以上の熱やドライエッチングを加えたものは、処理前後でコンタクト特性に変化がないことが確認された。例えばAl−2原子%Ni−0.6原子%Ndの場合、処理前後のコンタクト抵抗の比はほぼ1であり、変化がみられなかった。
【0076】
次に、通電試験の結果について述べる。この試験も信頼試験の1種であり、高密度なパルス電流を接続部に長時間流し続けてコンタクト抵抗の変化を観察した。アルミニウム合金とITOを直接接続した80μm角のコンタクトホールの評価用試験体に、アルミニウム合金からITO側へ一定のパルス幅で5mAの電流のオン・オフを繰り返すパルス電流を加え続ける。5mAという値は、接触面での電流密度に換算すると78A/cm2という値であり、比較的大きな電流である。同様に加熱やドライエッチングを加えたAl−2原子%Ni−0.6原子%Ndの場合、初期のコンタクト抵抗は15Ωであり、14時間通電後も変化は見られなかった。
【0077】
この様に、ITO膜に対し純アルミニウム配線を直接コンタクトさせた場合(前述の如くコンタクト抵抗は1.5×105Ω)に較べて、本発明に係るアルミニウム合金を用いた場合のコンタクト抵抗は約1/104に低減することが分かる。
【0078】
上述した様な本発明の実施形態で液晶表示装置を試作したところ、製造歩留り、表示品位ともITO膜とバリアメタル(Moなど)を組合せた場合と全く同等レベルとなる。従ってこの液晶表示装置では、バリアメタルを配置することなく、従来の液晶表示装置と同等の性能を得ることが可能となる。このため、バリアメタルの省略により製造工程を簡略化することができ、製造コストの低減に寄与できる。即ち、従来の純アルミニウムやアルミニウム合金、Mo−W膜の代わりに、上述したアルミニウム合金膜を電極として使用すれば透明導電膜との直接コンタクトが可能となり、製造工程が簡略化され製造コストを低減できる。
【0079】
次に、本発明のアレイ基板に適用される他の例として、パッシブマトリクス型の表示素子について説明する。
【0080】
パッシブマトリクス型は、縦方向および横方向の電極線を網の目の様に構成してライン毎に画素を駆動させる。この例では、電極の層間絶縁膜が存在しない場合、即ち電極線に前掲の先願発明に記載されている様な金属間化合物が形成されるに足る熱が加わらない場合でも、電極線に用いたアルミニウム合金膜とITO膜を低いコンタクト抵抗で直接接続できる。この場合はアルミニウム合金に熱が加わらないだけでなく、コンタクトエッチングなども施されることがなく、アルミニウム合金表面をエッチングする必要もない。先の実施例では、CVD法などによって例えばSiNxを形成する際に熱が加わり、またSiNxをコンタクトエッチングする際にも、アルミニウム合金膜表面は少量エッチングされる。
【0081】
しかし本発明では、アルミニウム合金膜に熱やエッチングが加わらない場合でも直接コンタクトが可能である。ちなみに、透明導電膜を構成するITO膜とAl−2原子%Ni合金を接触させたときのコンタクト抵抗は9Ωであった。加熱や表面エッチングだけでなく、自然酸化だけでも接触界面におけるNiなどの合金元素は濃化するが、例えばアルミニウム中のNiの固溶限は0.1原子%よりも小さく、ITO膜を成膜する際にも基板加熱やプラズマ加熱によって、アルミニウム合金膜の少なくとも表層部では固溶限を越えたNiが粒界に出てくると考えられる。その際にも、アルミニウム合金酸化物層中の酸素量は変わらないで膜厚が増大し、酸素含有量(濃度)が低下すると共に、Niが酸化皮膜内に少量取り込まれて導電性が高まるものと考えている。
【0082】
図16は、本発明のアレイ基板に適用される他の実施例に係る薄膜トランジスタの構造を概略的に示す拡大断面説明図であり、この例では、トップゲート構造の薄膜トランジスタが適用される。
【0083】
図17に示す如く、ガラス基板1a上には、アルミニウム合金薄膜によって走査線が形成され、該走査線の一部は、薄膜トランジスタのオン・オフを制御するゲート電極26として機能する。また、層間絶縁膜(SiOx)を介して該走査線と交差する様にアルミニウム合金で信号線が形成され、該信号線の一部は薄膜トランジスタのソース電極28として機能する。
【0084】
層間絶縁膜(SiOx)上の画素領域には、例えばIn23にSnOを含有させたITO膜で形成された透明導電膜5が配置され、また、アルミニウム合金によって形成された薄膜トランジスタのドレイン電極29は、透明導電膜5に電気的に接続される接続電極部として機能する。即ち、アルミニウム合金によって形成された薄膜トランジスタのドレイン電極29は、透明導電膜5に直接コンタクトして電気的に接続されている。
【0085】
従って、前記図2の例と同様にTFTアレイ基板に、走査線を介してゲート電極26にゲート電圧が供給されると、薄膜トランジスタがオン状態となり、予め信号線に供給された駆動電圧がソース電極28からドレイン電極29を介して透明導電膜5へ供給され、透明導電膜5に所定レベルの駆動電圧が供給されると、図1で説明した如く対向電極10との間に電位差が生じ、液晶層3に含まれる液晶分子が配向して光変調を行う。
【0086】
次に、図16に示したTFTアレイ基板の製法について説明する。この実施例に係るアレイ基板に備えられた薄膜トランジスタは、ポリシリコン膜(poly-Si)を半導体層とするトップゲート構造であり、図17〜23は、第2の実施例に係るTFTアレイ基板の製造工程を概略的に示した図である。
【0087】
先ず、ガラス基板1a上に例えばプラズマCVD法などにより、例えば基板温度300℃程度で、膜厚50nm程度の窒化シリコン膜(SiNx)と膜厚100nm程度の酸化シリコン膜(SiOx)、更には、膜厚が例えば50nm程度の水素化アモルファスシリコン膜(a-Si:H)を成膜し、該水素化アモルファスシリコン膜(a-Si:H)をポリシリコン化するため、熱処理とレーザーアニールを行う。熱処理は例えば470℃程度で1時間程度の雰囲気熱処理によって行い、脱水素処理を行った後、例えばエキシマレーザアニール装置を用いて、例えばエネルギー約230mJ/cm2程度の条件でレーザーを水素化アモルファスシリコン膜(a-Si:H)に照射し、例えば厚さ0.3μm程度のポリシリコン膜(poly-Si)を得る(図17)。
【0088】
その後、図18に示す如く、プラズマエッチング等によってポリシリコン膜(poly-Si)をパターニングする。次いで図19に示す如く、酸化シリコン膜(SiOx)を例えば膜厚100nm程度で成膜してゲート絶縁膜27とする。得られるゲート絶縁膜27上に、スパッタリング等によって、走査線と一体のゲート電極26となるアルミニウム合金膜を、例えば膜厚200nm程度で成膜した後、プラズマエッチング等の方法でパターニングすることにより、走査線と一体のゲート電極26を形成する。
【0089】
続いて図20に示す如く、フォトレジスト31でマスクを形成し、例えばイオン注入装置などにより、例えば燐を50KeV程度で1×1015個/cm2程度ドーピングし、ポリシリコン膜(poly-Si)の一部にn+型ポリシリコン膜(n+poly-Si)を形成してからフォトレジスト31を剥離し、例えば500℃程度で熱処理することによって拡散させる。
【0090】
続いて図21に示す如く、例えばプラズマCVD装置などを用いて、酸化シリコン膜(SiOx)を例えば膜厚500nm程度、基板温度300℃程度で成膜して層間絶縁膜を形成した後、同様にフォトレジストをパターニングすることにより層間絶縁膜(SiOx)とゲート絶縁膜27の酸化シリコン膜をドライエッチングし、コンタクトホールを形成し、スパッタリングによりアルミニウム合金膜を例えば膜厚450nm程度で成膜した後、パターニングすることによって、信号線に一体のソース電極28とドレイン電極29を形成する。その結果、ソース電極28とドレイン電極29は、各々コンタクトホールを介してn+型ポリシリコン膜(n+poly-Si)にコンタクトされる。
【0091】
その後、図22に示す如く、プラズマCVD装置などにより窒化シリコン膜(SiNx)を例えば膜厚500nm程度、基板温度300℃程度で成膜することにより層間絶縁膜とする。そして、その上にフォトレジスト層31を形成してから窒化シリコン膜(SiNx)をパターニングし、例えばドライエッチングによって該窒化シリコン膜(SiNx)にコンタクトホール32を形成する。
【0092】
その後、図23に示す如く、例えば酸素プラズマによるアッシング工程を経て前掲と同様にアミン系剥離液などを用いてフォトレジストの剥離処理を行った後、前述した如く加熱下に初期段階では非酸化性雰囲気ガス中で、その後は酸素含有雰囲気ガス中での2段階処理によって膜厚100nm程度のITO膜を成膜し、ウエットエッチングによりパターニングして透明導電膜5を形成する。この処理で、ドレイン電極29は透明導電膜5に直接コンタクトするが、ドレイン電極29を構成するアルミニウム合金膜と前記透明導電膜5の界面には、膜厚が1〜10nmで酸素含有量が44原子%以下である酸化皮膜が形成されており、低いコンタクト抵抗で接触されることになる。
【0093】
その後、トランジスタの特性を安定させるため、例えば350℃程度で1時間程度アニールすると、ポリシリコンTFTアレイ基板が完成する。
【0094】
上述した第2の実施例に係るTFTアレイ基板、および該TFTアレイ基板を備えた液晶表示装置によれば、先に説明した第1の実施例と同等の効果が得られる。また第1の実施例と同様に第2の実施例においても、本発明のアルミニウム合金は反射型液晶の反射電極としても用いることができる。
【0095】
なお、上記透明導電膜5の素材としては、酸化インジウム錫もしくは酸化インジウム亜鉛が好適であり、また前記アルミニウム合金膜は、非平衡状態で固溶した合金成分の一部または全部を濃化層として形成させ、電気抵抗率を8μΩ・cm以下、より好ましくは5μΩ・cm以下に調整されていることが好ましい。そして、上記アルミニウム合金膜と透明導電膜との接触界面に、厚さが1〜10nmで酸素含量が44原子%以下の酸化皮膜を存在させれば、接触抵抗を有意に低減できる。
【0096】
また、上記アルミニウム合金膜を形成する方法としては蒸着法やスパッタリング法などが挙げられるが、これらの中でも特に好ましいのはスパッタリング法である。
【0097】
かくして得られるTFTアレイ基板を使用し、前記図1に示した様な平面表示デバイスとしての液晶表示装置を完成させる。
【0098】
即ち、上述の様にして完成したTFTアレイ基板1の表面に、例えばポリイミドを塗布し、乾燥してからラビング処理を行って配向膜を形成する。
【0099】
一方、対向基板2は、先ずガラス基板に、例えばクロムをマトリスク状にパターニングすることによって遮光膜9を形成する。そして該遮光膜9の間隙に、樹脂製の赤、緑、青のカラーフィルタ8を形成する。この遮光膜9とカラーフィルタ8上に、ITOの如き透明な導電性膜を共通電極7として配置することにより対向電極を形成する。そして、該対向電極の最上層に例えばポリイミドを塗布し、乾燥してからラビング処理を行って配向膜11を形成する。
【0100】
そして、アレイ基板1と対向基板2の配向膜11が形成されている面を夫々対向配置し、樹脂製などのシール材16により液晶の封入口を除いて2枚の基板を貼り合わせる。このとき2枚の基板間には、スペーサー15を介在させるなどして2枚の基板間のギャップを略一定に保つ。
【0101】
かくして得られる空セルを真空中に置き、封入口を液晶に浸した状態で徐々に大気圧に戻していくことにより、空セルに液晶分子を含む液晶材料を注入して液晶層を形成し、封入口を封止する。最後に、セルの外側の両面に偏光板10を貼り付けて液晶パネルを完成させる。
【0102】
更には図1に示した如く、液晶表示装置を駆動するドライバ回路を液晶パネルに電気的に接続し、液晶パネルの側部あるいは裏面部に配置する。そして、液晶パネルの表示面を規定する開口を含むフレームと、面光源をなすバックライト22と導光板20と保持フレーム23によって液晶パネルを保持し、液晶表示装置を完成させる。
【実施例】
【0103】
次に、アレイ基板上の透明導電膜5に直接コンタクトした場合の、透明導電膜5とアルミニウム合金膜の間のコンタクト抵抗を測定した結果を表1に示す。
【0104】
該測定実験は下記の通りとした。
【0105】
1)透明導電膜の構成:酸化インジウムに10質量%の酸化スズを加えた酸化インジウムスズ(ITO)、または酸化インジウムに10質量%の酸化亜鉛を加えた酸化インジウム亜鉛(IZO)、膜厚は何れも200nm。
【0106】
2)アルミニウム合金膜の構成:Al−2原子%Ni合金、またはAl−2原子%Ni −0.6原子%Nd合金。
【0107】
3)透明導電膜形成条件:
成膜初期(条件A)…雰囲気ガス=アルゴン、圧力=3mTorr、スパッタパワー密度=1.9W/cm2、膜厚=20nm、
成膜後期(条件B)…雰囲気ガス=アルゴン/酸素混合ガス、圧力=3mTorr(アルゴン分圧;2.98Torr、酸素分圧:0.02mTorr)、スパッタパワー密度=1.9W/cm2、膜厚=180nm。
【0108】
4)加熱条件:ITO成膜時の基板温度が室温もしくは150℃。
【0109】
なお、実験No.10については、Al合金膜成膜後にパターニングし、SiNの成膜およびフッ素プラズマによるエッチング工程は行わずにITOを成膜しパターニングして80μm角のコンタクト状態となるようにして実験を行った。
【0110】
5)接触抵抗測定法:
図24に示す様なケルビンパターンを作製し、4端子測定[ITO(またはIZO)−Al合金に電流を流し、別の端子でITO(またはIZO)−Al合金間の電圧降下を測定する方法]を行う。即ち、図24のI1−I2間に電流Iを流し、V1−V2間の電圧Vをモニターすることにより、コンタクト部Cのコンタクト抵抗Rを[R=(V2−V1)/I2]として求める。なお上記パターンの作製法は下記の通りとした。
【0111】
また、上記アルミニウム合金におけるNi量はICP発光分析(誘導結合プラズマ発光分析)法、Ni濃化層の膜厚、酸化皮膜の膜厚は断面TEM観察、Ni濃化層中のNi含有量、酸化皮膜の酸素含有量などの測定は、断面TEM観察試料をEDMによる組成分析することによって行った。
【0112】
ガラス基板の代わりに表面に基板と絶縁を取るため、表面に厚さ400nmの酸化膜(SiO2熱酸化膜)を形成したシリコンウエハを使用し、Al合金300nmをスパッタリング法によって成膜し、パターニングした後、CVD法によって厚さ300nmの絶縁膜(SiNx)を成膜する。その後、そのまま真空の成膜チャンバー内で1時間熱処理を行ってから取り出す。その後、フォトリソグラフィーによって80μm角のコンタクトホールをパターニングし、フッ素系プラズマによりエッチングすることによってコンタクトホールを形成する。その後、8時間以内の保持時間でアルミニウム合金の表面に、上記二段階スパッタリング成膜法で200nmのITO(またはIZO)を成膜し、パターニングを行う。
【0113】
アルミニウム合金膜とITO(またはIZO)との接触抵抗の測定には、4端子のマニュアルプローバーと半導体パラメータアナライザー「HP4156A」(ヒューレットパッカー社製)を用いた。この測定では、R(コンタクト抵抗)=[I2/(V2−V1)]で表わされ、配線抵抗の影響を除いた、ITO(またはIZO)/Al合金接合部分の純粋な抵抗値を測定できる。
【0114】
【表1】

【0115】
ところで、ITO膜に直接純アルミニウム配線をコンタクトさせた場合、コンタクト抵抗は1.5×105Ωであり、更にITO膜に直接、代表的なアルミニウム合金配線であるAl−Nd合金をコンタクトさせた場合、コンタクト抵抗は8.4×104Ωである。また従来構造として、ITO膜とAl−Nd配線との間にバリアメタルとしてMoを配置させた場合のコンタクト抵抗は、1.0×101Ωであった。
【0116】
一方、本発明の上記実施例で、接触界面に酸素含量の少ない酸化皮膜を形成したAl−Ni配線のコンタクト抵抗は、80μm角のコンタクトホールにおいて1.2×101Ω、Al−Ni−Nd配線のコンタクト抵抗は1.5×101Ω、Al−Ni−Y配線のコンタクト抵抗は1.3×101Ωであり、何れも従来構造であるMoをバリアメタルとして用いた場合と略同等であった。
【0117】
上述した様に、本発明の実施形態で液晶表示デバイスを試作したところ、製造歩留り、表示品位共に、ITO膜とバリアメタルを組み合わせた場合と全く同等のレベルであった。従ってこの液晶表示デバイスでは、バリアメタルを配置することなく、従来の液晶表示デバイスと同等の性能を得ることが可能となる。
【0118】
よってバリアメタルを省略することができ、製造工程を簡略化できるため、製造コストを大幅に低減できる。
【0119】
すなわち、従来の純アルミニウムやアルミニウム合金、或いはMo−W膜に代えて、上述した如き特定の元素を含むアルミニウム合金を電極素材として使用し、且つ接触界面に酸素含量の抑えられた酸化皮膜を存在させることにより、透明導電膜との直接コンタクトが可能となり、製造工程が簡略化され、大幅な製造コスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1は、本発明に係る表示デバイス用アレイ基板が適用される液晶パネル基板と液晶表示デバイスの構成を例示する概略断面拡大説明図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例に係る表示デバイス用アレイ基板に適用される薄膜トランジスタの構造を例示する概略断面説明図である。
【図3】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図4】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図5】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図6】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図7】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図8】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図9】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図10】上記図2に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図11】アルミニウム合金膜の透明導電膜を構成するITOとの界面に形成される酸化皮膜中の酸素含有量とコンタクト抵抗および電気抵抗率の関係を示すグラフである。
【図12】純アルミニウムとAl−2原始%Ni合金について、大気中での保管時間と酸化皮膜厚さとの関係を示すグラフである。
【図13】透明導電膜を構成するITO膜とAl−2原子%Ni合金との直接接触界面に形成された酸化層とNi濃化層の例を示すTEM写真である。
【図14】Ni濃化層に含まれるNi含量がコンタクト抵抗と酸化膜厚さに与える影響を示すグラフである。
【図15】本発明の他の実施例に係る表示デバイス用アレイ基板に適用される薄膜トランジスタの構造を例示する概略断面説明図である。
【図16】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図17】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図18】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図19】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図20】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図21】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図22】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図23】上記図16に示した表示デバイス用アレイ基板の製造工程の一例を、順番を追って示す説明図である。
【図24】アルミニウム合金膜と透明導電膜との接触抵抗測定に用いたケルビンパターンを示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 TFTアレイ基板
2 対向電極
3 液晶層
4 薄膜トランジスタ(TFT)
5 透明導電膜
6 配線部
7 共通電極
8 カラーフィルタ
9 遮光膜
10 偏光板
11 配向膜
12 TABテープ
13 ドライバ回路
14 制御回路
15 スペーサー
16 シール材
17 保護膜
18 拡散板
19 プリズムシート
20 導光板
21 反射板
22 バックライト
23 保持フレーム
24 プリント基板
25 走査線
26 ゲート電極
27 ゲート絶縁膜
28 ソース電極
29 ドレイン電極
30 保護膜(窒化シリコン膜)
31 フォトレジスト
32 コンタクトホール


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置された薄膜トランジスタと透明導電膜、および、これら薄膜トランジスタと透明導電膜を電気的に接続するアルミニウム合金膜を有し、該アルミニウム合金膜と前記透明導電膜の界面には該アルミニウム合金の酸化皮膜が形成されており、該酸化皮膜の膜厚が1〜10nmで、該酸化皮膜中の酸素含有量が44原子%以下であることを特徴とする表示デバイス。
【請求項2】
前記アルミニウム合金膜が、合金成分としてAu,Ag,Zn,Cu,Ni,Sr,Sm,Ge,Biよりなる群から選択される少なくとも1種を0.1〜6原子%含むものである請求項1に記載の表示デバイス。
【請求項3】
前記合金成分として、少なくともNiが含まれている請求項2に記載の表示デバイス。
【請求項4】
前記アルミニウム合金膜と前記酸化皮膜の界面には、厚さ0.5〜10nmのNi濃化層が存在し、該Ni濃化層中の平均Ni濃度が、前記アルミニウム合金膜中の平均Ni濃度の2倍以上である請求項3に記載の表示デバイス。
【請求項5】
前記アルミニウム合金膜には、更に他の元素としてNd,Y,Fe,Co,Ti,Ta,Cr,Zr,Hfよりなる群から選択される少なくとも1種が0.1〜6原子%含まれている請求項1〜4のいずれかに記載の表示デバイス。
【請求項6】
前記透明導電膜が、酸化インジウム錫(ITO)もしくは酸化インジウム亜鉛(IZO)である請求項1〜5のいずれかに記載の表示デバイス。
【請求項7】
前記アルミニウム合金膜が反射膜として機能する請求項1〜6のいずれかに記載の表示デバイス。
【請求項8】
前記アルミニウム合金膜に透明導電膜を積層しタブ接続電極として使用する請求項1〜7のいずれかに記載の表示デバイス。
【請求項9】
基板上に配置された透明導電膜、および該透明導電膜を電気的に接続するアルミニウム合金膜を有し、該アルミニウム合金膜と前記透明導電膜の界面には該アルミニウム合金の酸化皮膜が形成されており、該酸化皮膜の膜厚が1〜10nmで、該酸化皮膜中の酸素含有量が44原子%以下であることを特徴とするパッシブマトリクス駆動の表示デバイス。
【請求項10】
基板上に形成されたアルミニウム合金膜上に透明導電膜を形成する際に、初期段階では非酸化性ガス雰囲気で電極膜形成を行った後、後半期は酸素含有雰囲気下で電極膜形成を行ない、透明導電膜と接触するアルミニウム合金膜上に膜厚が1〜10nmで酸素含量が44原子%以下の酸化皮膜を形成することを特徴とする表示デバイスの製法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−23388(P2006−23388A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199576(P2004−199576)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】