説明

表示データ作成装置

【課題】 本発明は地図上の特定位置や経路の表示データを属性情報と状況情報に基づいて作成する表示データ作成装置に関し、特に状況に従って店舗や経路の選択を適切に行うことができる表示データ作成装置を提供するものである。
【解決手段】 本発明は条件作成部において状況データに従って判定条件を作成し、該判定条件に基づいて店舗の属性データを判定し、例えば時間帯によって店舗に色を付し、又は店舗を濃い色で表示する。また、状況データに従った最適な経路を選択する為、状況データを評価し、経路選択を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上の特定位置や経路の表示データを属性情報と状況情報に基づいて作成する表示データ作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、インターネットを利用してパーソナルコンピュータ(PC)のディスプレイに地図情報を表示し、店舗や公園等の情報を付加情報を含めて表示する技術が開示されている。例えば、特許文献1には、不動産物件の位置と物件情報を提供するウェブサイトにおいて、表示された地図内にある不動産物件の情報を情報閲覧者に提供するシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−171079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の地図上での情報の表示方法では、物件や店舗、公園等の地図情報に、間取りや家賃などの物件情報、営業時間や連絡先などの契約した店舗の情報を表示するものであり、地図の表示内容を時間や季節、天候、性別等の状況データによって変更するものではない。したがって、従来の表示データ作成装置では、利用者が店舗や経路を選択する際、状況に従った適切な選択を行うことができなかった。
【0004】
そこで、本発明は状況に従って店舗や経路の選択を適切に行うことができる表示データ作成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は本発明によれば、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記地図の特定位置の属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、該属性情報と状況情報に基づいて判定条件を作成する条件作成手段と、該判定条件に従って前記属性情報の判定を行い、該判定結果に基づいて前記特定位置の表示データを作成する表示データ作成手段とを有する表示データ作成装置を提供することによって達成できる。
【0006】
このように構成することにより、時間や季節、天候、性別等の状況に応じた情報を地図から得ることができる。
ここで、前記特定位置は、例えば地図上の店舗であり、前記属性情報記憶手段には該店舗の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記店舗の表示色を前記判定条件によって変える構成である。このように構成することにより、店舗の開店時間に合わせて、当該地図上の店舗の表示を変え、ビジュアルに店舗の開店を利用者に知らせることができる。
【0007】
また、前記特定位置は地図上の店舗であり、前記属性情報記憶手段には該店舗の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記店舗の表示方法を前記判定条件によって変える構成である。このように構成することにより、例えば店舗の開店時間に合わせて、当該地図上の店舗の表示を所定周期で変え、ビジュアルに店舗の開店を利用者に知らせることができる。
【0008】
上記課題は本発明によれば、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記地図上の経路の属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、前記情報に基づいて特定経路の検索を行い、該検索結果の集計を行う検索/集計手段と、該集計結果と状況情報に基づいて前記特定経路の評価を行い、最適の経路を選択する評価/選択手段と、該評価/選択手段によって選択された経路の表示データを作成する表示データ作成手段とを有する表示データ作成装置を提供することによって達成できる。
【0009】
また、前記特定経路は地図上の道路であり、前記属性情報記憶手段には該道路の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記評価/選択手段によって選択された道路の表示色を変える構成である。このように構成することにより、例えば属性情報として性別と時間を評価し、女性にとって安全な道を地図上に色を変えて表示することができる。
【0010】
また、前記特定経路は地図上の道路であり、前記属性情報記憶手段には該道路の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記評価/選択手段によって選択された道路の表示方法を変える構成である。このように構成することにより、例えば地図上の当該道の表示を周期的に変え、安全な道をビジュアルに表示することができる。
【発明の効果】
【0011】
上記課題は本発明によれば、時間や季節、天候、性別等の状況に応じた情報を地図から得ることができる。また、例えば店舗の開店時間に合わせて、当該地図上の店舗の表示を変え、ビジュアルに店舗の開店を利用者に知らせることができる。さらに、例えば属性情報として性別と時間を評価し、暗い道を歩く経路として、街灯が設けられた道を地図上に色を変えて表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態を説明する表示データ作成装置のシステム構成図である。同図において、地図形状データ1は不図示の記憶部から供給され、表示データ作成部2に出力される。地図形状データ1には店舗情報や公園、建物等の情報、道路や鉄道等の経路情報が含まれている。
【0013】
また、構成要素属性データ3は前述の記憶部から供給され、表示データ作成部2に出力される。構成要素属性データ3には、例えば店舗の開店時間や閉店時間、メニュー情報等が含まれている。
【0014】
さらに、状況データ4は記憶部から供給され、又は利用者のキー入力部から入力され、表示データ作成部2に出力される。状況データ4には、例えば時間や季節、天候、性別等の状況に応じた情報が含まれている。
【0015】
表示データ作成部2は、上記地図形状データ1、構成要素属性データ3、及び状況データ4に基づいて表示データを作成する。
図2は上記表示データ作成部2の機能ブロック図である。表示データ作成部2は条件作成部6、条件判定部7、色変換部8、及び重ね合わせ部9で構成され、前述の各種データに基づいて、例えば店舗の表示データを作成する。以下、具体例を示して本例の処理を説明する。
【0016】
図3は、地図上の特定位置A〜Cにある店舗であり、位置Aにはイタリアンレストラン10があり、位置Bには居酒屋11があり、位置Cにはフレンチレストラン12がある。また、各店舗10〜12には属性情報がリンクされている。例えば、イタリアンレストラン10の場合、属性情報として開店時間10:00、閉店時間20:00の情報がリンク先のメモリに記憶されている。また、居酒屋11の場合、属性情報として開店時間12:00、閉店時間23:00の情報がリンク先のメモリに記憶されている。さらに、フレンチレストラン12の場合、属性情報として開店時間11:00、閉店時間22:00の情報がリンク先のメモリに記憶されている。
【0017】
上記構成において、午後10時以降にこの地域の地図を表示すると、状況データ4として、例えば現在時刻10:20の情報が条件作成部6に供給される。この場合、条件作成部6では、「現在時刻が開店時間内であるか」という条件を作成する。条件判定部7は、条件作成部6が作成した上記条件に基づいて、各店舗のリンク先アドレスを検索し、各店舗の属性情報に基づいて上記条件に合致する店舗の判定を行う。
【0018】
例えば、上記例では午後10時以降開いている店舗は、居酒屋11のみであり、前述の図3に示す位置Bを濃い色で表示する。また、他の色で表示する構成としてもよい。さらに、色が周期的に変化する構成としてもよい。
【0019】
以上のように、本例によれば状況データ4として現在時刻を使用し店舗の開店状態を地図上にビジュアルに表示することで、利用者に便利な表示データ作成装置を提供するものである。
【0020】
尚、上記説明では現在時刻を状況情報として使用し、開店している店舗を表示する例を説明したが、上記例に限るものではない。例えば、季節のデータを状況情報として使用し、桜の名所である公園を4月初旬に桜色に表示してもよい。また、同様に季節のデータを状況情報として使用し、紅葉の名所を10月〜11月に黄色や赤色に表示してもよい。
【0021】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
本実施形態は、地図上の経路を選択して状況情報に対応した最適な経路を色変換して表示する構成である。以下、具体的に説明する。
【0022】
図4は本例のシステム構成を説明する図である。前述と同様、地図形状データ21は不図示の記憶部から供給され、本例では条件経路検索部22に出力される。また、地図形状データ1には地図上の店舗情報や公園、建物等の情報、道路や鉄道等の経路情報等の情報が含まれている。
【0023】
また、構成要素属性データ23は前述の記憶部から供給され、条件経路検索部22に出力される。構成要素属性データ23には、後述する道路の長さ情報や、街灯の有無の情報等が含まれている。さらに、状況データ24には、例えば時間や、天候、性別等の状況情報が含まれており、条件経路検索部22に出力される。
【0024】
図5は上記構成において、条件経路検索部22の機能ブロック図を示す。本例の条件経路検索部22は経路検索部26、集計部27、評価選択部28、及び重ね合わせ部29で構成され、前述の各種データに基づいて、例えば経路データを生成する。以下、具体例を示して本例の処理を説明する。
【0025】
図6は、地図上の位置XからYに至るまでの経路を示す。尚、経路A〜Fは道路であり(以下、道路A〜Fで示す)、各道路には属性データがリンク先メモリに記憶されている。すなわち、道路A〜Fには長さ及び街灯の有無を示す属性情報が記憶されている。
【0026】
例えば、道路Aには属性情報Aが記憶され、道路の長さが150mであり、街灯無しの属性情報が記憶されている。また、道路Bには属性情報Bが記憶され、道路の長さが100mであり、街灯有りの属性情報が記憶されている。以下、同様に同図に示すデータがリンク先のメモリに記憶されている。
【0027】
上記構成において、例えば女性が位置XからYに帰る経路を探す場合について説明する。この場合、状況データ24として、「夜である」及び「女性である」という状況情報が指定される。
【0028】
先ず、経路検索部26は上記位置XからYに至るまでの経路を検索する。この場合、位置XからYに至るまでの経路として、以下の3つの経路が検索される。すなわち、図7に示す経路1〜経路3であり、経路1は道路AとEを使用し、経路2は道路BとCとEを使用し、経路3は道路BとDとFを使用する。
【0029】
次に、集計部27は上記検索結果を集計処理し、例えばそれぞれの経路の距離を集計する。また、各経路の街灯の有無も認識する。
次に、評価選択部28では、状況データに基づいて上記集計データを評価する。上記例では、状況データ24として、「夜である」及び「女性である」という状況情報が指定されており、この状況データに基づいて集計データを評価する。この場合、経路の長さは、経路1が最も短く、状況データが昼間であれば経路1が選択される。しかし、状況データが「夜であり」、「女性である」ので、街灯が設けられた経路3が選択される。尚、状況データが男であれば、この場合でも経路1が選択される。
【0030】
このようにして選択された経路3の情報は重ね合わせ部29に送信され、重ね合わせ部29において地図形状データ21に合成される。この場合、図6に示す経路3(道路B−D−F)を濃い色で表示する。また、前述のように色が周期的に変化する構成としてもよい。
【0031】
以上のように、本例においても、状況データ4に対応して選択された経路を地図上にビジュアルに表示することで、利用者に便利な表示データ作成装置を提供することができる。
【0032】
尚、上記説明では一般道路を経路検索の対象としたが、一般道路に限らず、高速道路や鉄道経路等を経路検索の対象とする構成としてもよい。また、状況データも上記例に限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態1を説明する表示データ作成装置のシステム構成図である。
【図2】表示データ作成部の機能ブロック図である。
【図3】地図上の店舗の位置を説明する図である。
【図4】実施形態2を説明する表示データ作成装置のシステム構成図である。
【図5】表示データ作成部の機能ブロック図である。
【図6】地図上の位置XからYに至るまでの経路を示す図である。
【図7】実施形態2の集計データの例を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 地図形状データ
2 表示データ作成部
3 構成要素属性データ
4 状況データ
5 表示部
6 条件作成部
7 条件判定部
8 色変換部
9 重ね合わせ部
10 イタリアンレストラン
11 居酒屋
12 フレンチレストラン
21 地図形状データ
22 条件経路検索部
23 構成要素属性データ
24 状況データ
25 表示部
26 経路検索部
27 集計部
28 評価選択部
29 重ね合わせ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図の特定位置の属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、
該属性情報と状況情報に基づいて判定条件を作成する条件作成手段と、
該判定条件に従って前記属性情報の判定を行い、該判定結果に基づいて前記特定位置の表示データを作成する表示データ作成手段と、
を有することを特徴とする表示データ作成装置。
【請求項2】
前記特定位置は地図上の店舗であり、前記属性情報記憶手段には該店舗の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記店舗の表示色を前記判定条件によって変えることを特徴とする請求項1記載の表示データ作成装置。
【請求項3】
前記特定位置は地図上の店舗であり、前記属性情報記憶手段には該店舗の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記店舗の表示方法を前記判定条件によって変えることを特徴とする請求項1記載の表示データ作成装置。
【請求項4】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図上の経路の属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、
前記情報に基づいて特定経路の検索を行い、該検索結果の集計を行う検索/集計手段と、
該集計結果と状況情報に基づいて前記特定経路の評価を行い、最適の経路を選択する評価/選択手段と、
該評価/選択手段によって選択された経路の表示データを作成する表示データ作成手段と、
を有することを特徴とする表示データ作成装置。
【請求項5】
前記特定経路は地図上の道路であり、前記属性情報記憶手段には該道路の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記評価/選択手段によって選択された道路の表示色を変えることを特徴とする請求項4記載の表示データ作成装置。
【請求項6】
前記特定経路は地図上の道路であり、前記属性情報記憶手段には該道路の属性情報が記憶され、前記表示データ作成手段は前記評価/選択手段によって選択された道路の表示方法を変えることを特徴とする請求項4記載の表示データ作成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−285297(P2006−285297A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100271(P2005−100271)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(599126800)株式会社エムティーアイ (17)
【Fターム(参考)】