説明

表示ユニット及び表示ユニットの取付構造、並びに表示ユニットを備えた携帯電子機器

【課題】 携帯電子機器を構成する筐体の内部に設けられ、筐体の外方に露出させる表示領域を有する表示装置を備えた表示ユニットにおいて、表示装置の静電気対策を行うと共に、外力による表示装置の変形を防止できるようにする。
【解決手段】 厚さ方向に面する表面に表示領域11aを有する略板状の表示装置11と、該表示装置11に取り付けられる静電気除去部材25とを備え、当該静電気除去部材25が、前記表面の反対側に位置する前記表示装置11の裏面11bの略全体に配される板状の底壁部27と、前記裏面11bに隣接する前記表示装置11の側面11cの少なくとも一部に配される板状の側壁部29とを備え、これら底壁部27及び側壁部29が、導電性材料により一体的に形成されていることを特徴とする表示ユニットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に静電気除去部材を取り付けた表示ユニット、及び、この表示ユニットの取付構造、並びに表示ユニットを用いた携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機、簡易型携帯電話機(PHS(登録商標))、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ等の携行可能な携帯電子機器は、筐体内部に映像や文字等の各種情報を表示する液晶表示装置等の表示装置と、回路基板とを備えている。この表示装置は、各種情報を表示する表示面が筐体の外方に露出するように配されており、表示装置の回りには、静電気による表示装置の誤動作を防止することを目的として、回路基板に形成されたグランド電極に静電気を逃がす様々な工夫がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この表示装置から静電気を逃がす工夫を施した表示ユニットとしては、例えば、前記表示面を除く表示装置の表面に、薄膜状の金属箔から形成された静電気除去部材を貼り付けて構成したものがある。ここで、静電気除去部材を取り付けた表示装置と回路基板とは、バネ等の導電性を有する接続子を介して筐体の厚さ方向に重ねて配されており、この接続子によって静電気除去部材と回路基板のグランド電極との電気的な導通が図られている。
【特許文献1】特開2003−18264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の携帯電子機器を携行したり、使用する際には、表示装置の厚さ方向に外力が加えられる場合があり、この外力によって表示装置が撓んで変形するという問題があった。特に、表示面の中央部に厚さ方向から過度の静圧加重が加えられると、表示装置を構成するガラス基板にクラックが発生する虞があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、表示装置の静電気対策を行うと共に、外力による表示装置の変形を防止できる表示ユニット及びその取付構造並びにこれを備えた携帯電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る表示ユニットは、厚さ方向に面する表面に表示領域を有する略板状の表示装置と、該表示装置に取り付けられる静電気除去部材とを備え、当該静電気除去部材が、前記表面の反対側に位置する前記表示装置の裏面の略全体に配される板状の底壁部と、前記裏面に隣接する前記表示装置の側面の少なくとも一部に配される板状の側壁部とを備え、これら底壁部及び側壁部が、導電性材料によって一体的に形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る表示ユニットは、前記底壁部に、その厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする。
【0006】
さらに、本発明に係る表示ユニットの取付構造は、表面にグランド電極を形成した回路基板を備え、前記底壁部に、前記表示装置と反対側に突出する突起部が一体的に形成され、前記突起部が前記グランド電極に接触するように、前記回路基板と前記表示装置とを厚さ方向に重ね合わせると共に、回路基板及び表示装置を相互に近づける方向に付勢するようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る携帯電子機器は、前記表示ユニットの取付構造を用いて、前記表示ユニット及び回路基板を筐体内部に配すると共に、前記表示ユニットの表示領域を前記筐体の外方に露出させるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示装置の表面側から静電気が侵入しても、表示装置の側面に配された静電気除去部材の側壁部に誘導されるため、静電気の侵入による表示装置の誤動作を防止できる。
また、静電気除去部材を構成する板状の側壁部及び底壁部は、一体的に形成されると共に、表示装置の裏面及び側面に配されているため、表示装置の厚さ方向に外力が加えられても表示装置が撓むことを抑制して、この撓みに基づいて表示装置が変形することを防ぐこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1から図8は本発明に係る一実施形態を示しており、ここで説明する実施の形態は、この発明を携帯電話機に適用した場合のものである。図1,2に示すように、この実施の形態に係る携帯電話機(携帯電子機器)1は、第1の筐体2と、この第1の筐体2の厚さ方向に重ね合わせ可能な第2の筐体3と、これら2つの筐体2,3を相互に折り畳み自在に連結するヒンジ部5とを備えている。なお、ヒンジ部5は、2つの筐体2,3の各端部2a,3a(以下、基端部2a,3aと呼ぶ。)同士を連結するように配されている。
【0009】
第1の筐体2の内部には、通話キー、終話キー等の各種の押圧可能な操作キーからなる操作部7及び通話用のマイクロフォン部9が設けられている。マイクロフォン部9は、基端部2aとは反対側に位置する第1の筐体2の先端部2bに配されている。これら操作部7及びマイクロフォン部9は、2つの筐体2,3を相互に重ね合わせた状態において第2の筐体3に対向する第1の筐体2の対向面2cから外方に露出している。
【0010】
第2の筐体3の内部には、LCD(Liquid Crystal Display)等、表面に各種情報を表示する表示面11a,13aを有する2つの表示部11,13、通話用のスピーカ部15、そして、第1の筐体2に備える操作部7やマイクロフォン部9と電気接続させるための回路基板(不図示)が設けられている。スピーカ部15は、基端部3aとは反対側に位置する第2の筐体3の先端部3bに配されている。
第1の表示部(表示装置)11の表示面(表示領域)11a及びスピーカ部15は、2つの筐体2,3を相互に重ね合わせた状態において第1の筐体2に対向する第2の筐体3の対向面3cから外方に露出している。また、第2の表示部13の表示面13aは、2つの筐体2,3の開閉状態にかかわらず、対向面3cとは反対側に位置する第2の筐体3の外面3dから外方に露出している。なお、図中の符号16は、基地局と無線通信を行うためのアンテナである。
【0011】
この第2の筐体3は、第2の筐体3の対向面3c側を構成するフロントケース17、及び、第2の筐体3の外面3d側を構成するリアケース19を備えている。これらフロントケース17及びリアケース19は、互いに第2の筐体3の厚さ方向に結合可能となっている。図3,4に示すように、前述した第1の表示部11、回路基板21及び第2の表示部13は、このフロントケース17の内面17a側から順番に重ねて配されるようになっている。
第1の表示部11は、平面視略矩形の厚板状に形成されており、フロントケース17の内面17aに配されるようになっている。ここで、フロントケース17には、その対向面3c側から内面17a側に貫通する平面視矩形状の開口部17bが形成されており、第1の表示部11の表示面11aはこの開口部17bを通じて外方に露出するようになっている。この第1の表示部11の長手方向(X方向)の一端部には、回路基板21に電気接続するためのフレキシブル配線板23が一体的に取り付けられている。
【0012】
また、第1の表示部11には、第1の表示部11の近傍で発生した静電気を回路基板21に形成されたグランド電極(不図示)に逃がすための静電気除去部材25が取り付けられている。この静電気除去部材25は、金属や導電性プラスチックあるいは金属メッキが施されたプラスチック等の導電性材料からなり、表示面11aの反対側に位置する第1の表示部11の裏面11bの略全体に配される板状の底壁部27と、裏面11bに隣接し、厚さ方向(Z方向)に沿う第1の表示部11の側面11cに配される複数の側壁部29とを備えており、この側壁部29は折り曲げるようにして一体的に形成されている。
底壁部27には、その厚さ方向に貫通する円形の孔31が複数形成されている。これら複数の孔31は、第1の表示部11の長手方向にわたって複数列並べられると共に、隣り合う列の孔31が互いにオフセットするように配されている。
【0013】
また、底壁部27の幅方向の両端部には、静電気除去部材25の位置決め用の挿通孔33が一対形成されている。すなわち、第1の表示部11の裏面11bのうち幅方向の両端部には、厚さ方向(Z方向)に突出する突出部35が一対形成されている。そして、静電気除去部材25を第1の表示部11に取り付ける際に、各突出部35をそれぞれ挿通孔33に挿通させることにより、第1の表示部11に対する静電気除去部材25の位置決めを容易に行うことができる。
【0014】
さらに、底壁部27のうち、一方の挿通孔33に隣接する静電気除去部材25の幅方向の一端部には、第1の表示部11の裏面11bから離間する方向に突出する2つの突起部37が形成されている。これら2つの突起部37は、底壁部27の長手方向に並べて配されている。また、各突起部37は、図4(b)に示すように、第1の表示部11の裏面11bに接する底壁部27の表面27aに対して窪むと共に、接触面27aとは反対側に位置する底壁部27の裏面27bから突出する形状をなしており、その表面が球面状となっている。
これら突起部37は、底壁部27の裏面27bに対向して回路基板21を重ね合わせた状態において、回路基板21の表面21aに形成されるグランド電極(不図示)に接触するようになっている。
【0015】
複数の側壁部29は、第1の表示部11の幅方向(Y方向)の両端部に位置する一対の側面11cにそれぞれ配され、第1の表示部11を幅方向から挟み込むように構成されている。
第1の表示部11の長手方向の両端に配される側壁部29には、その厚さ方向に貫通する係合孔29aが形成されている。この係合孔29aは、底壁部27及び側壁部29を第1の表示部11の裏面11b及び側面11cにそれぞれ配した状態において、第1の表示部11の側面11cから突出する爪部39に係合して、静電気除去部材25が第1の表示部11から不意に外れることを防止している。
【0016】
これら第1の表示部11及び静電気除去部材25により、第1の表示部11の静電気対策用の表示ユニット40が構成される。
静電気除去部材25の裏面27b側に配される回路基板21の幅方向の両端部には、凹状の嵌合穴21cが一対形成されている。これら嵌合穴21cは、第1の表示部11の各突出部35を嵌め込むものであり、この突出部35を嵌合穴21cに嵌め込んだ状態においては、静電気除去部材25を取り付けた第1の表示部11と回路基板21とが相互に固定され、相互の位置ずれを防止することができる。
【0017】
第2の表示部13は、図3,5に示すように、表面21aとは反対側に位置する回路基板21の裏面21bに配されるものであり、外方に露出する表示面13aを備える略矩形板状の表示部本体41と、表示部本体41の長手方向の一端部に取り付けられたフレキシブル配線板43と、表示部本体41の幅方向の両端部に位置する側面41cから突出する一対の突出部45とを備えている。フレキシブル配線板43は、表示部本体41を回路基板21に電気接続するためのものである。
一対の突出部45は、表示部本体41を挟んで互いに対称な位置に配されている。各突出部45は、表示部本体41の側面41cから表示面13aに対して略平行に延びる略板状の水平壁部47と、水平壁部47の先端から回路基板21側に向けて延びる垂直壁部49とを備えている。垂直壁部49は、表示部本体41の裏面41bから厚さ方向下方に突出するように形成されており、その先端には略楔状の鉤部49aが形成されている。
【0018】
水平壁部47は、表示部本体41の厚さ寸法よりも薄い平面視矩形の板状に形成されており、その上面47aが、表示面13aを含む表示部本体41の頂面19aから厚さ方向下方に下がった位置に配されている。また、水平壁部47は、その下面47bが表示面13aの反対側に位置する表示部本体41の裏面41bと共に同一平面を形成する位置に配されている。
この水平壁部47は、その厚さ方向に貫通する平面視略矩形状の貫通孔51と、貫通孔の周縁を構成する枠部53とを有しており、この枠部53のうち、貫通孔51を挟んで水平壁部47の延出方向に延びる一対の連接部55は、弾性変形可能な程度の太さを有しており、その間隔は静電気除去部材25に形成された一対の突起部37の間隔と略等しい。
【0019】
以上のように構成された第1の表示部11、回路基板21及び第2の表示部13を、図6,7に示すように、フロントケース17の内面17a側に順番に重ねて配した状態においては、第1の表示部11及び回路基板21が、フロントケース17の内面17aから突出して形成された突出壁部61に囲まれて収容されることになる。なお、この収容状態においては、静電気除去部材25の突起部37が回路基板21の表面21aに形成されたグランド電極63に接触すると共に、回路基板21の裏面21bがフロントケース17の突出壁部61の先端部から突出した位置に配される。
【0020】
また、この状態においては、第2の表示部13の垂直壁部49に形成された鉤部49aが、突出壁部61の基端部に形成された孔61aに係合している。この係合状態においては、第1の表示部11及び回路基板21がフロントケース17と第2の表示部13とにより挟み込まれると共に、第2の表示部13が回路基板21の裏面21bに当接して、第2の表示部13により回路基板21が静電気除去部材25の裏面27bに向けて付勢されることになる。
さらに、この状態においては、一方の水平壁部47の各連接部55が、静電気除去部材25の各突起部37と水平壁部47の厚さ方向に重なる位置に配されると共に、前述のように回路基板21を付勢した状態で水平壁部47の厚さ方向に弾性変形する。そして、各連接部55の弾性変形に応じて回路基板21が各突起部37に向けて付勢されることになる。
【0021】
なお、図8に示すように、リアケース19の幅方向の両端部には、第2の表示部13に対向するリアケース19の内面19aから突出する一対のリブ65が形成されている。これらリブ65は、フロントケース17とリアケース19とを組み合わせた状態において、第2の表示部13の水平壁部47を回路基板21側に向けて押さえつけるようになっており、第2の表示部13と回路基板21や第1の表示部11との位置ずれが発生することを防止している。
【0022】
以上のように携帯電話機1を構成することにより、第1の表示部11の表示面11a側から静電気が侵入しても、第1の表示部11の側面11cに配された静電気除去部材25の側壁部29に誘導されて、回路基板21のグランド電極63に逃がすことができるため、静電気の侵入による第1の表示部11の誤動作を防止できる。
また、第2の表示部13の垂直壁部49をフロントケース17の突出壁部61に係合させることにより、回路基板21が静電気除去部材25の裏面27bに向けて付勢され、かつ、水平壁部47の連接部55によりグランド電極63が各突起部37に向けて押さえつけられる。すなわち、突起部37がグランド電極63に接触するように、回路基板21及び第1の表示部11を相互に近づける方向に付勢しているため、第2の筐体3の厚さ方向に振動が加えられても、突起部37がグランド電極63から離間することを防止して、静電気除去部材25とグランド電極63との電気接続を確実に保持できる。
【0023】
さらに、グランド電極63に接触させる突起部37を静電気除去部材25の底壁部27に一体的に形成しているため、従来のように、静電気除去部材とグランド電極との間にバネ等の接続子を別途設ける必要がなくなり、第1の表示部11と回路基板21とを重ね合わせた厚さ寸法を小さくして、携帯電話機1の薄型化を図ることができる。
また、従来の接続子を無くすなどして表示ユニット40の構成部品点数の削減を図ることができるため、表示ユニット40の組み上げを容易に行うことができると共に、表示ユニット40のコスト削減も図ることができる。
【0024】
さらに、静電気除去部材25を構成する底壁部27及び側壁部29は、板状部材を折り曲げる様にして一体的に形成されると共に、第1の表示部11の裏面11b及び側面11cに配されているため、第1の表示部11の厚さ方向に外力が加えられても第1の表示部11が撓むことを抑制して、この撓みに基づいて第1の表示部11が変形することを防ぐことができる。したがって、例えば、表示面11aの中央部に厚さ方向から静圧加重を加えても、第1の表示部11を構成するガラス基板にクラックが発生することも確実に防止できる。
また、底壁部27には、複数の孔31が形成されているため、第1の表示部11を保護するための強度を損なうことなく、静電気除去部材25の重量を軽くすることができ、表示ユニット40や携帯電話機1の軽量化を図ることができる。
【0025】
また、回路基板21の嵌合穴21cを第1の表示部11の突出部35に嵌合させることにより、携帯電話機1に振動が与えられても、静電気除去部材25を取り付けた第1の表示部11と回路基板21との相対位置がずれることを防止できるため、グランド電極63が静電気除去部材25の突起部37と擦れあって削れることを抑制できる。
さらに、グランド電極63に接触する突起部37の表面は球面状に形成されているため、突起部37とグランド電極63との間で摩擦が発生しても突起部37によるグランド電極63の削れを防止して、静電気除去部材25とグランド電極63との電気接続を安定させることができる。
【0026】
また、第2の筐体3内部に2つの表示部11,13及び回路基板21を組み込む際には、フロントケース17の内面17aに第1の表示部11、回路基板21、第2の表示部13及びリアケース19を順番に重ねることができるため、第2の筐体3の組み立てを容易に行うことができ、携帯電話機1の製造効率の向上を図ることができる。
さらに、静電気除去部材25は、側壁部29の係合孔29aに第1の表示部11の爪部39を係合させることにより第1の表示部11に固定されるため、静電気除去部材25を第1の表示部11に対して容易に着脱することもでき、第1の表示部11のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0027】
なお、上記実施形態においては、第2の表示部13をフロントケース17に係合させるための突出部45を利用して回路基板21を各突起部37に向けて付勢するとしたが、これに限ることはなく、回路基板21が少なくとも突起部37に向けて付勢されていればよい。
また、第2の表示部13及びフロントケース17により第1の表示部11と回路基板21とを挟み込むとしたが、これに限ることはなく、少なくとも第1の表示部11と回路基板21とが近づく方向に付勢されていればよい。すなわち、第1の表示部11及び回路基板21はフロントケース17とリアケース19とにより挟み込まれるとしても良いし、第1の表示部11と回路基板21とを挟み込む部材を別途用意するとしても構わない。
【0028】
さらに、2つの突起部37は、底壁部27の長手方向に並べて配されるとしたが、これに限ることはなく、底壁部27の幅方向に並べるとしても構わない。
また、突起部37は静電気除去部材25の幅方向の一端部のみに配されるとしたが、これに限ることはなく、両端部に形成するとしてもよい。ただし、各突起部37とグランド電極63との接点位置が相互に近い程、1つの突起部37とグランド電極63との接触不良が発生した際の電気的な影響は小さいため、突起部37は前述した一端部のみに配することが好ましい。
【0029】
さらに、突起部37は2つ形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも1つ形成されていればよい。ただし、突起部37が複数ある場合には、1つの突起部37とグランド電極63との間にゴミ等が侵入して相互に接触していなくても、他の突起部37とグランド電極63とを接触させておくことができ、回路基板21と静電気除去部材25との電気的な接続不良の発生を防止できるため、突起部37は複数形成しておくことが好ましい。
【0030】
なお、突起部37の数が過度に多い場合には、各突起部37の高さを精度良く揃えなければ各突起部37とグランド電極63との接触が不安定となるため、突起部37の数は2つ程度としておくことが良い。
また、静電気除去部材25の側壁部29は、第1の表示部11の側面11cの一部にのみ配されるとしたが、これに限ることはなく、側面11cの全体に配されるとしても構わない。
【0031】
さらに、静電気除去部材25は、第1の表示部11に対して着脱可能に取り付けられるとしたが、これに限ることはなく、例えば、接着剤等により第1の表示部11に貼り付けられるとしても良い。
また、互いに重ね合わせ可能な2つの筐体2,3を備えた携帯電話機1に適用されるとしたが、携帯電話機1に限ることはなく、PDA、デジタルカメラのように、筐体の外方に露出する表示装置を備えた携帯電子機器であればよい。
【0032】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の一実施形態に係る携帯電話機を構成する2つの筐体を相互に開いた状態を示す対向面側の斜視図である。
【図2】図1の携帯電話機において、2つの筐体を相互に開いた状態を示す外面側の斜視図である。
【図3】図1の携帯電話機において、第2の筐体の内部に配される第1の表示部、回路基板及び第2の表示部を重ね合わせる順番に配した状態を示す分解斜視図である。
【図4】図1の携帯電話機において、第1の表示部に静電気除去部材を取り付けた状態を示しており、(a)は拡大斜視図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
【図5】図1の携帯電話機において、第2の表示部を示す拡大斜視図である。
【図6】図1の携帯電話機において、フロントケースの内面に第1の表示部、回路基板及び第2の表示部を順次重ねて取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】図1の携帯電話機において、フロントケースに固定された第1の表示部、回路基板及び第2の表示部を示す部分拡大断面図である。
【図8】図1の携帯電話機において、リアケースに対する第2の表示部の配置を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 携帯電話機(携帯端末装置)
3 第2の筐体
11 第1の表示部(表示装置)
11a 表示面(表示領域)
11b 裏面
11c 側面
21 回路基板
21a 表面
25 静電気除去部材
27 底壁部
29 側壁部
31 孔
37 突起部
40 表示ユニット
63 グランド電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に面する表面に表示領域を有する略板状の表示装置と、該表示装置に取り付けられる静電気除去部材とを備え、
当該静電気除去部材が、前記表面の反対側に位置する前記表示装置の裏面の略全体に配される板状の底壁部と、前記裏面に隣接する前記表示装置の側面の少なくとも一部に配される板状の側壁部とを備え、
これら底壁部及び側壁部が、導電性材料により一体的に形成されていることを特徴とする表示ユニット。
【請求項2】
前記底壁部に、その厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示ユニット。
【請求項3】
表面にグランド電極を形成した回路基板を備え、
前記底壁部に、前記表示装置と反対側に突出する突起部が一体的に形成され、
前記突起部が前記グランド電極に接触するように、前記回路基板と前記表示装置とを厚さ方向に重ね合わせると共に、前記回路基板及び前記表示装置を相互に近づける方向に付勢するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示ユニットの取付構造。
【請求項4】
請求項3に記載の表示ユニットの取付構造を用いて、前記表示ユニット及び回路基板を筐体内部に配すると共に、前記表示ユニットの表示領域を前記筐体の外方に露出させるように構成したことを特徴とする携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−67317(P2006−67317A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248525(P2004−248525)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】