説明

表示一体型座標入力装置及び仮想キーボード機能の起動方法

【課題】使用者に適した仮想キーボードを自動的に起動することができ、使用者の思考を妨げることなく、容易に入力操作に移ることができる表示一体型座標入力装置を提供する。
【解決手段】座標入力装置1と、画像表示装置8とが一体に構成され、タッチパネル式で、かつ、同時に複数座標の入力が可能な表示一体型座標入力装置100であって、表示一体型座標入力装置100は、仮想キーボード機能が起動されていない場合は、座標入力装置1にポイントされている座標の数およびその位置情報から、仮想キーボード機能の起動要求であるかを判別する手段と、仮想キーボード機能の起動要求と判定した場合は、座標入力装置1に入力された情報から、起動する仮想キーボード9の表示位置と表示サイズを算出する手段と、表示位置と表示サイズで仮想キーボード9の画像イメージを作成する手段と、作成した画像イメージを画像表示装置8に表示する手段等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示一体型座標入力装置における入力機能、とくに表示画面上にキーボードを表示し、使用者が表示されたキーをタッチすることでキー入力を可能にする、いわゆる仮想キーボード機能の起動を容易にした表示一体型座標入力装置及び仮想キーボード機能の起動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータへの入力装置として、キーボードやマウスの他、座標位置を直接入力するタブレットやタッチパネルがあり、中には表示機能とタッチパネルを一体化し対象物を直接指示できるものもある。特に近年では、表示一体型入力装置を持った製品が広く使用されるようになった。
これらの装置で文字や文章を入力するときに多く使用されるのが表示画面上にキーボードを表示し、使用者が表示されたキーをタッチすることでキー入力を可能にする、いわゆる仮想キーボード機能である。
なお、本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1がある。特許文献1には、画像表示装置と一体に設けられた入力面に接触した手のひらの接触面積により、ソフトキーボードを生成して画像表示装置の接触位置に表示することができるコンピュータ入力装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−272423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、仮想キーボード機能は通常のコンピュータシステムで使用しているキーボードとは異なり、ハードウェアとして実際に存在していないため、仮想キーボード機能を使用する際には、使用する前に仮想キーボード機能を起動する必要がある。仮想キーボード機能を起動するためにはメニューを開いて該当機能を選択したり、画面上に表示されているアイコンを選択するといった操作を行なうことが一般的である。
このため、使用者が文字入力を行いたいと思ってから実際に入力操作を行なうまでの間に、別の操作を余儀なくされ、思考が妨げられてしまう。
また、女性や子供など、手の小さい人には、サイズの小さいキーボードが適していると考えられるが、サイズの選択もメニューなどから行なうのが一般的である。
尚、特許文献1のコンピュータ入力装置は、ソフトキーボードを簡単に表示することができるが、手のひらの接触面積によりソフトキーボードを生成するため、手のひら以外のものを検出して誤作動を起こす虞があり、又、手の指の位置を正確に検出するものではないため、ソフトキーボードの表示が使用者に適さないものとなる虞がある。
【0005】
以上の現状に鑑み、本発明は、使用者が表示画面上に両手を置くという操作で、使用者に適した仮想キーボードを自動的に起動することができ、使用者の思考を妨げることなく、容易に入力操作に移ることができる表示一体型座標入力装置及び仮想キーボード機能の起動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、座標入力装置と、画像表示装置とが一体に構成され、タッチパネル式で、かつ、同時に複数座標の入力が可能な表示一体型座標入力装置であって、
前記表示一体型座標入力装置は、前記座標入力装置に入力があると、入力された座標を検出する手段と、
前記座標入力装置に複数ポイントの入力があった場合は、ポイントされた各座標情報を保持する手段と、
前記表示一体型座標入力装置において仮想キーボード機能が既に起動中かどうかを判別する手段と、
前記仮想キーボード機能が起動されていない場合は、前記座標入力装置にポイントされている座標の数およびその位置情報から、仮想キーボード機能の起動要求であるかを判別する手段と、
仮想キーボード機能の起動要求と判定した場合は、前記座標入力装置に入力された情報から、起動する仮想キーボードの表示位置と表示サイズを算出する手段と、
表示位置と表示サイズで仮想キーボードの画像イメージを作成する手段と、
作成した画像イメージを前記画像表示装置に表示する手段と、
前記仮想キーボード機能が既に起動中の場合は、前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボード機能により表示されている仮想キーボードのキーの表示範囲内にあるかどうかを判別する手段と、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボードのキーの表示範囲内にある場合には、該当するキーに対応した情報を前記表示一体型座標入力装置に接続されたコンピュータに出力する手段と、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が表示されている仮想キーボードのいずれのキーの範囲内にない場合には、処理を終了する手段とを備えたことを特徴とする表示一体型座標入力装置を提供するものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記表示一体型座標入力装置は、前記仮想キーボード機能が起動されていない場合、前記座標入力装置に入力されたポイントの数が10点の時、10点のうち、任意の2点を除き、残りの8点のポイントの接触位置により近似直線を求める手段と、
任意の2点を除く残りの8点による全ての組み合わせにおいて、8点のそれぞれの接触位置から近似直線までの距離の和をそれぞれ算出する手段と、
距離の和が一番小さい組み合わせにより、左手の親指の接触位置と、右手の親指の接触位置を除いた組み合わせを求める手段と、
求めた組み合わせによる8点の接触位置から近似直線までの距離がすべて所定距離内にある場合に、入力が仮想キーボードの起動要求であると判断する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の表示一体型座標入力装置を提供するものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記表示一体型座標入力装置は、求めた前記組み合わせによる8点の接触位置を前記近似直線にそれぞれ垂直に投影した8点の投影点のうち、互いの距離が一番大きい2つの投影点を算出する手段と、
算出した前記2つの投影点を、それぞれ、左手の小指にあたるキーの中心位置、及び、右手の小指にあたるキーの中心の位置として仮想キーボード全体のサイズおよび位置を算出する手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の表示一体型座標入力装置を提供するものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、座標入力装置と、画像表示装置とが一体に構成され、タッチパネル式で、かつ、同時に複数座標の入力が可能な表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法であって、
前記表示一体型座標入力装置は、前記座標入力装置に入力があると、入力された座標を検出するステップと、
前記座標入力装置に複数ポイントの入力があった場合は、ポイントされた各座標情報を保持するステップと、
前記表示一体型座標入力装置において仮想キーボード機能が既に起動中かどうかを判別するステップと、
前記仮想キーボード機能が起動されていない場合は、前記座標入力装置にポイントされている座標の数およびその位置情報から、仮想キーボード機能の起動要求であるかを判別するステップと、
仮想キーボード機能の起動要求と判定した場合は、前記座標入力装置に入力された情報から、起動する仮想キーボードの表示位置と表示サイズを算出するステップと、
表示位置と表示サイズで仮想キーボードの画像イメージを作成するステップと、
作成した画像イメージを前記画像表示装置に表示するステップと、
前記仮想キーボード機能が既に起動中の場合は、前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボード機能により表示されている仮想キーボードのキーの表示範囲内にあるかどうかを判別するステップと、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボードのキーの表示範囲内にある場合には、該当するキーに対応した情報を前記表示一体型座標入力装置に接続されたコンピュータに出力するステップと、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が表示されている仮想キーボードのいずれのキーの範囲内にない場合には、処理を終了するステップとを実行することを特徴とする表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法を提供するものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記表示一体型座標入力装置は、前記仮想キーボード機能が起動されていない場合、前記座標入力装置に入力されたポイントの数が10点の時、10点のうち、任意の2点を除き、残りの8点のポイントの接触位置により近似直線を求めるステップと、
任意の2点を除く残りの8点による全ての組み合わせにおいて、8点のそれぞれの接触位置から近似直線までの距離の和をそれぞれ算出するステップと、
距離の和が一番小さい組み合わせにより、左手の親指の接触位置と、右手の親指の接触位置を除いた組み合わせを求めるステップと、
求めた組み合わせによる8点の接触位置から近似直線までの距離がすべて所定距離内にある場合に、入力が仮想キーボードの起動要求であると判断するステップとを実行することを特徴とする請求項4記載の表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法を提供するものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、前記表示一体型座標入力装置は、求めた前記組み合わせによる8点の接触位置を前記近似直線にそれぞれ垂直に投影した8点の投影点のうち、互いの距離が一番大きい2つの投影点を算出するステップと、
算出した前記2つの投影点を、それぞれ、左手の小指にあたるキーの中心位置、及び、右手の小指にあたるキーの中心の位置として仮想キーボード全体のサイズおよび位置を算出するステップとを実行することを特徴とする請求項5記載の表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の表示一体型座標入力装置及び仮想キーボード機能の起動方法によれば、次のような効果がある。
(1)仮想キーボードを使用者が表示画面上に両手を置くという操作で自動的に起動することができ、使用者の思考を妨げることなく、容易に入力操作に移ることができる。
(2)仮想キーボードの表示位置および表示サイズを自動的に算出して表示することで、メニューから選択するといった操作が必要なくなり、容易に使用者に適した仮想キーボードを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の表示一体型座標入力装置の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法による処理の概要を示すフローチャート図である。
【図3】(A)座標入力装置上に左手および右手を置き、指先が座標入力装置に触れている状態を示した説明図である。(B)近似直線を特定する方法を示した説明図である。
【図4】(A)仮想キーボードで小指にあたるキーの中心位置を特定する方法を示した説明図である。(B)左手の小指にあたるキーの中心位置と右手の小指にあたるキーの中心位置から仮想キーボード全体のサイズおよび位置を算出できることを示した説明図である。(C)仮想キーボードのサイズと位置により画像表示装置上に表示した仮想キーボードを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
尚、上記表示一体型座標入力装置は、コンピュータであり、上記各手段又はステップは、コンピュータのCPUが必要なコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより実現される手段又はステップであり、そのフローチャート図が図2である。
以下、本発明を適用した表示一体型座標入力装置及び仮想キーボード機能の起動方法の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の表示一体型座標入力装置の実施の形態の一例を示すシステム構成図である。
図1において、100は本発明の表示一体型座標入力装置であり、表示一体型座標入力装置100において、1は座標入力装置で、本発明においては手2の指で操作できるようタッチパネル式でかつ、同時に複数座標の入力が可能であることを前提とする。3は座標入力装置1で入力している位置を複数位置検出可能な接触位置検出部、4は入力された位置を解析し、仮想キーボードの起動要求であることを判別する接触位置判定部、5は接触位置から仮想キーボードの表示位置と表示サイズを決定する仮想キーボード表示位置・サイズ算出部、6は仮想キーボード表示位置・サイズ算出部5により算出された位置とサイズで仮想キーボードを生成する仮想キーボード生成部、7は仮想キーボードを画面に表示する描画部、8は描画要求されたイメージを表示する画像表示装置である。9は画像表示装置8に表示される仮想キーボードで、仮想キーボード9で指定されたキー入力は表示一体型座標入力装置100に接続されたコンピュータ10に出力される。
【0015】
図2は、本発明の表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法における処理の概要を示す処理フローチャート図である。
座標入力装置1に入力があると、接触位置検出部3は入力された座標を検出する。座標入力装置1に複数ポイントの入力があった場合は、ポイントされた各座標情報を保持し、接触位置判定部4に保持する(ステップ201)。
接触位置判定部4は、まず、仮想キーボード機能が既に起動中かどうかを判別し(ステップ202)、既に起動中の場合は、新たに入力された位置が表示されている仮想キーボード9のキーの表示範囲内にあるかどうかを判別し(ステップ207)、仮想キーボード9のキーの表示範囲内にある場合には、該当するキーに対応した文字等の情報をコンピュータ10に出力する(ステップ208)。入力された位置が、表示されている仮想キーボード9のいずれのキーの範囲内でもない場合には、何もせずに処理を終了する。
仮想キーボード機能が起動されていない場合は、座標入力装置1にポイントされている座標の数およびその位置情報から、予め登録した情報と比較することにより、仮想キーボード機能の起動要求であるかを判別する(ステップ203)。
【0016】
座標入力装置1に入力された情報が仮想キーボード機能の起動要求と判定した場合は、仮想キーボード表示位置・サイズ算出部5で、座標入力装置1に入力された情報から、起動する仮想キーボード9の表示位置と表示サイズを算出し(ステップ204)、表示位置と表示サイズを仮想キーボード生成部6に送る。
仮想キーボード生成部6は送られてきた表示位置と表示サイズで仮想キーボード9を表示するためのウィンドウ作成など、処理系に応じた、仮想キーボード9を表示するために必要な処理を行い、画像表示装置8に表示する仮想キーボード9の画像イメージを作成し(ステップ205)、描画部7に送る。
描画部7は送られた仮想キーボード9のイメージを画像表示装置8に表示する(ステップ206)。
【0017】
図3は、座標入力装置1に入力された座標から、入力が仮想キーボード機能の起動要求であるかどうかを判別する方法を示した図である。
図3(A)は座標入力装置1上に左手301、右手302を置き、指先が座標入力装置1に触れている状態を示した図である。図の接触位置311から接触位置320は指先と座標入力装置1が接触している位置を示している。
まず、接触位置の数(座標入力装置1にポイントされている座標が示す数)が10点に満たない場合、または、10点を超える場合は、その入力は仮想キーボード機能の起動要求ではないと判断する。
図3(B)は、接触位置の数が10点である場合に、接触位置311から接触位置320のうち、左手301の親指の接触位置315と、右手302の親指の接触位置316を除いた8点(接触位置311から314および接触位置317から320)とその近似直線322を特定する方法を示した図である。
接触位置311から接触位置320のうち、任意の2つを除き、残りの8点の近似直線322を求める。10点のうち8点を選択する組み合わせは40通りあるため、近似直線の数も40本存在する。全ての組み合わせ(40通りの組み合わせ)において8点のすべての接触位置から近似直線までの距離321の和を算出し、距離の和が一番小さい組み合わせが、接触位置311乃至接触位置320から、左手301の親指の接触位置315と、右手302の親指の接触位置316を除いた組み合わせとなる。
そして、接触位置311から314、および、接触位置317から320の8点のそれぞれの接触位置から近似直線までのそれぞれの距離がすべて一定距離内にある場合に、入力が仮想キーボードの起動要求であると判断する。
【0018】
図4は表示する仮想キーボード9の位置とサイズを算出する方法を示した図である。
図4(A)は仮想キーボード9で小指にあたるキーの中心位置を特定する方法を示した図である。
図3(B)で得られた接触位置311から接触位置320のうち左手301の親指の接触位置315と、右手302の親指の接触位置316を除いた8点を近似直線322にそれぞれ垂直に投影した点のうち、互いの距離が一番大きい2点を算出する。図4(A)では、互いの距離が一番大きい2点として、投影点401と投影点402とが該当し、投影点401と投影点402とが、それぞれ仮想キーボード9における左手の小指にあたるキーの中心位置421、右手の小指にあたるキーの中心位置422となる。
【0019】
図4(B)は左手の小指にあたるキーの中心位置421と右手の小指にあたるキーの中心位置422から仮想キーボード全体のサイズおよび位置を算出できることを示した図である。
仮想キーボードの左手の小指にあたるキーの中心位置421から仮想キーボード9の左端までの長さをW1:404、仮想キーボードの左手の小指にあたるキーの中心位置421と仮想キーボード9の右手の小指にあたるキーの中心位置422の間の長さをW2:405、仮想キーボード9の右手の小指にあたるキーの中心位置422から仮想キーボード9の右端までの長さをW3:406、仮想キーボード9の左手の小指にあたるキーの中心位置421から仮想キーボード9の上端までの長さをH1:407、仮想キーボード9の左手の小指にあたるキーの中心位置421から仮想キーボード9の下端までの長さをH2:408とする。
このとき、例えば仮想キーボード9の横幅W:409は以下の式で求めることができる。
【0020】
【数1】

【0021】
同様に仮想キーボード9の高さH:410、仮想キーボード9の左上の位置411、仮想キーボードの右上の位置412、仮想キーボード9の左下の位置413、仮想キーボード9の右下の位置414も求めることができる。
【0022】
図4(C)は図4(B)で求めた仮想キーボード9のサイズと位置で画像表示装置8上に仮想キーボード9を表示したことを示す図である。本方法で座標入力装置1に置いた左手301と右手302がホームポジションとなる位置とサイズで仮想キーボード9が表示されていることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明にかかる表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法は、今後普及が進むであろうタッチパネルを用いた機器において、座標入力装置上に両手を置くと、その位置に仮想キーボードを表示するという手段を備えたことにより、使用者の思考を妨げることなく直感的に仮想キーボードを起動できるという優れた効果を有し、また、近い将来、座標入力装置のサイズが大きくなった、例えばデスク全体が表示一体型座標入力装置になっているといったシステムにおいても適用可能なため、仮想キーボード機能の起動方法として有用である。
【符号の説明】
【0024】
1 座標入力装置
8 画像表示装置
9 仮想キーボード
10 コンピュータ
100 表示一体型座標入力装置
301 左手
302 右手
311〜320 接触位置
321 距離
322 近似直線
401,402 投影点
421 左手の小指にあたるキーの中心位置
422 右手の小指にあたるキーの中心位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標入力装置と、画像表示装置とが一体に構成され、タッチパネル式で、かつ、同時に複数座標の入力が可能な表示一体型座標入力装置であって、
前記表示一体型座標入力装置は、前記座標入力装置に入力があると、入力された座標を検出する手段と、
前記座標入力装置に複数ポイントの入力があった場合は、ポイントされた各座標情報を保持する手段と、
前記表示一体型座標入力装置において仮想キーボード機能が既に起動中かどうかを判別する手段と、
前記仮想キーボード機能が起動されていない場合は、前記座標入力装置にポイントされている座標の数およびその位置情報から、仮想キーボード機能の起動要求であるかを判別する手段と、
仮想キーボード機能の起動要求と判定した場合は、前記座標入力装置に入力された情報から、起動する仮想キーボードの表示位置と表示サイズを算出する手段と、
表示位置と表示サイズで仮想キーボードの画像イメージを作成する手段と、
作成した画像イメージを前記画像表示装置に表示する手段と、
前記仮想キーボード機能が既に起動中の場合は、前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボード機能により表示されている仮想キーボードのキーの表示範囲内にあるかどうかを判別する手段と、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボードのキーの表示範囲内にある場合には、該当するキーに対応した情報を前記表示一体型座標入力装置に接続されたコンピュータに出力する手段と、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が表示されている仮想キーボードのいずれのキーの範囲内にない場合には、処理を終了する手段とを備えたことを特徴とする表示一体型座標入力装置。
【請求項2】
前記表示一体型座標入力装置は、前記仮想キーボード機能が起動されていない場合、前記座標入力装置に入力されたポイントの数が10点の時、10点のうち、任意の2点を除き、残りの8点のポイントの接触位置により近似直線を求める手段と、
任意の2点を除く残りの8点による全ての組み合わせにおいて、8点のそれぞれの接触位置から近似直線までの距離の和をそれぞれ算出する手段と、
距離の和が一番小さい組み合わせにより、左手の親指の接触位置と、右手の親指の接触位置を除いた組み合わせを求める手段と、
求めた組み合わせによる8点の接触位置から近似直線までの距離がすべて所定距離内にある場合に、入力が仮想キーボードの起動要求であると判断する手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の表示一体型座標入力装置。
【請求項3】
前記表示一体型座標入力装置は、求めた前記組み合わせによる8点の接触位置を前記近似直線にそれぞれ垂直に投影した8点の投影点のうち、互いの距離が一番大きい2つの投影点を算出する手段と、
算出した前記2つの投影点を、それぞれ、左手の小指にあたるキーの中心位置、及び、右手の小指にあたるキーの中心の位置として仮想キーボード全体のサイズおよび位置を算出する手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の表示一体型座標入力装置。
【請求項4】
座標入力装置と、画像表示装置とが一体に構成され、タッチパネル式で、かつ、同時に複数座標の入力が可能な表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法であって、
前記表示一体型座標入力装置は、前記座標入力装置に入力があると、入力された座標を検出するステップと、
前記座標入力装置に複数ポイントの入力があった場合は、ポイントされた各座標情報を保持するステップと、
前記表示一体型座標入力装置において仮想キーボード機能が既に起動中かどうかを判別するステップと、
前記仮想キーボード機能が起動されていない場合は、前記座標入力装置にポイントされている座標の数およびその位置情報から、仮想キーボード機能の起動要求であるかを判別するステップと、
仮想キーボード機能の起動要求と判定した場合は、前記座標入力装置に入力された情報から、起動する仮想キーボードの表示位置と表示サイズを算出するステップと、
表示位置と表示サイズで仮想キーボードの画像イメージを作成するステップと、
作成した画像イメージを前記画像表示装置に表示するステップと、
前記仮想キーボード機能が既に起動中の場合は、前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボード機能により表示されている仮想キーボードのキーの表示範囲内にあるかどうかを判別するステップと、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が前記仮想キーボードのキーの表示範囲内にある場合には、該当するキーに対応した情報を前記表示一体型座標入力装置に接続されたコンピュータに出力するステップと、
前記座標入力装置に入力されたポイントの位置が表示されている仮想キーボードのいずれのキーの範囲内にない場合には、処理を終了するステップとを実行することを特徴とする表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法。
【請求項5】
前記表示一体型座標入力装置は、前記仮想キーボード機能が起動されていない場合、前記座標入力装置に入力されたポイントの数が10点の時、10点のうち、任意の2点を除き、残りの8点のポイントの接触位置により近似直線を求めるステップと、
任意の2点を除く残りの8点による全ての組み合わせにおいて、8点のそれぞれの接触位置から近似直線までの距離の和をそれぞれ算出するステップと、
距離の和が一番小さい組み合わせにより、左手の親指の接触位置と、右手の親指の接触位置を除いた組み合わせを求めるステップと、
求めた組み合わせによる8点の接触位置から近似直線までの距離がすべて所定距離内にある場合に、入力が仮想キーボードの起動要求であると判断するステップとを実行することを特徴とする請求項4記載の表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法。
【請求項6】
前記表示一体型座標入力装置は、求めた前記組み合わせによる8点の接触位置を前記近似直線にそれぞれ垂直に投影した8点の投影点のうち、互いの距離が一番大きい2つの投影点を算出するステップと、
算出した前記2つの投影点を、それぞれ、左手の小指にあたるキーの中心位置、及び、右手の小指にあたるキーの中心の位置として仮想キーボード全体のサイズおよび位置を算出するステップとを実行することを特徴とする請求項5記載の表示一体型座標入力装置における仮想キーボード機能の起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−203497(P2012−203497A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65424(P2011−65424)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】