説明

表示体、転写箔、及び表示体付き物品

【課題】より高い偽造防止効果を実現する。
【解決手段】本発明に係る表示体は、複数の画素を具備している。前記複数の画素の各々は、第1サブ画素を含んでいる。前記複数の画素の少なくとも1つは、250nm乃至500nmの範囲内の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部からなる第1領域と、250nm未満の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部からなる第2領域とを備えた前記第1サブ画素を含んでいる。前記複数の画素の残部は、前記第1及び第2領域の少なくとも一方を備えた前記第1サブ画素を含んでいる。前記表示体は、前記表示体の主面の法線と交差する斜め方向から観察する第2条件において、前記第1領域の分布に基づいた第1画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、偽造防止効果、装飾効果、及び/又は美的効果を提供する光学技術に関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券、証明書、ブランド品、電子機器及び個人認証媒体などの物品には、偽造が困難であることが望まれる。そのため、このような物品には、偽造防止効果に優れた表示体を支持させることがある。
【0003】
このような表示体の多くは、回折格子、ホログラム及びレンズアレイ等の微細構造を含んでいる。これら微細構造は、例えば観察角度の変化に応じて、色の変化を生じる。また、これら微細構造は、解析及び偽造することが困難である。それゆえ、このような表示体は、比較的高い偽造防止効果を発揮し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4420138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より高い偽造防止効果を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面によると、複数の画素を具備した表示体であって、前記複数の画素の各々は、第1サブ画素を含み、前記複数の画素の少なくとも1つは、250nm乃至500nmの範囲内の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部からなる第1領域と、250nm未満の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部からなる第2領域とを備えた前記第1サブ画素を含み、前記複数の画素の残部は、前記第1及び第2領域の少なくとも一方を備えた前記第1サブ画素を含み、前記表示体は、前記表示体の主面の法線と交差する斜め方向から観察する第2条件において、前記第1領域の分布に基づいた第1画像を表示する表示体が提供される。
【0007】
本発明の第2側面によると、第1側面に係る表示体と、前記表示体を剥離可能に支持した支持体層とを具備した転写箔が提供される。
【0008】
本発明の第3側面によると、第1側面に係る表示体と、これを支持した物品とを具備した表示体付き物品が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、高い偽造防止効果を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一態様に係る表示体を概略的に示す平面図。
【図2】図1に示す表示体の一部を拡大して示す平面図。
【図3】図1及び図2に示す表示体を構成している画素の一例を示す平面図。
【図4】図3に示す画素のIV−IV線に沿った断面図。
【図5A】図3及び図4に示す画素の第1界面部に採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図。
【図5B】図3及び図4に示す画素の第2界面部に採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図。
【図6】第1界面部が回折光を射出する様子を概略的に示す図。
【図7A】図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図。
【図7B】図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図。
【図7C】図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図。
【図8】図1及び図2に示す表示体を斜め方向から観察した状態を示す斜視図。
【図9】図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図。
【図10】図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図。
【図11】図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図。
【図12】一変形例に係る表示体を概略的に示す平面図。
【図13】図12に示す表示体を構成している画素の一例を示す平面図。
【図14】図12に示す表示体を斜め方向から観察した状態を示す斜視図。
【図15】本発明の一態様に係る転写箔を拡大して示す断面図。
【図16】本発明の一態様に係る表示体付き物品を概略的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
図1は、本発明の一態様に係る表示体を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示体の一部を拡大して示す平面図である。図1及び図2では、表示体100の主面に平行であり且つ互いに直交する軸をX軸及びY軸とし、表示体100の主面に垂直な軸をZ軸としている。
【0013】
図1に示す表示体100は、図2に示す通り、複数の画素PEを含んでいる。図2に示す例では、これら画素PEは、X軸及びY軸に沿って矩形格子状に配列している。
【0014】
図3は、図1及び図2に示す表示体を構成している画素の一例を示す平面図である。図4は、図3に示す画素のIV−IV線に沿った断面図である。
【0015】
図3及び図4に示す画素PEは、第1領域R1と第2領域R2とを含んでいる。第1領域R1と第2領域R2とは、後述する通り、各々が含んでいる複数の凹部又は凸部の中心間距離が互いに異なっている。
【0016】
図3及び図4に示す画素PEは、樹脂層10と反射層20との積層体を含んでいる。図4に示す例では、樹脂層10側を前面とし、反射層20側を背面としている。
【0017】
樹脂層10と反射層20との界面は、第1界面部IF1と第2界面部IF2とを含んでいる。後述するように、第1界面部IF1及び第2界面部IF2には、凹構造及び/又は凸構造が設けられている。界面部IF1及びIF2は、それぞれ、領域R1及びR2に対応している。
【0018】
樹脂層10の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を使用する。この場合、原版を用いた転写により、一方の主面に凸構造及び/又は凹構造が設けられた樹脂層10を容易に形成することができる。
【0019】
反射層20としては、例えば、アルミニウム、銀、金、及びそれらの合金などの金属材料からなる金属層を使用することができる。或いは、反射層20として、樹脂層10とは屈折率が異なる誘電体層を使用してもよい。或いは、反射層20として、隣り合うもの同士の屈折率が異なる誘電体層の積層体、即ち、誘電体多層膜を使用してもよい。なお、誘電体多層膜が含む誘電体層のうち樹脂層10と接触しているものの屈折率は、樹脂層10の屈折率とは異なっていることが望ましい。反射層20は、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。
【0020】
表示体100が反射層20を含んでいる場合、表示体100に、視認性がより優れた像を表示させることができる。
【0021】
なお、反射層20の存在する領域を空間的に分布させることにより、この反射層20の分布を用いて、特には、この反射層20の存在する領域の輪郭を用いて、図柄を表現することもできる。
【0022】
界面部IF1及びIF2は、それぞれ、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部を備えている。
【0023】
図5Aは、図3及び図4に示す画素の第1界面部に採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図である。図5Bは、図3及び図4に示す画素の第2界面部に採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図である。
【0024】
図5Aに示す例では、第1界面部IF1は、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凸部からなる。同様に、図5Bに示す例では、第2界面部IF2は、二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凸部からなる。
【0025】
これら界面部IF1及びIF2では、複数の凹部又は凸部の中心間距離が互いに異なっている。なお、ここで「中心間距離」とは、隣り合った凹部間の距離、又は、隣り合った凸部間の距離を意味している。
【0026】
第1界面部IF1を構成している複数の凹部又は凸部の中心間距離は、250nm乃至500nmの範囲内にある。それゆえ、後で詳しく説明するように、第1界面部IF1に対応した第1領域R1は、法線方向から観察する第1条件では、黒色又は暗灰色を表示する。加えて、第1領域R1は、斜め方向から観察する第2条件では、回折光に起因した色を表示する。
【0027】
第2界面部IF2を構成している複数の凹部又は凸部の中心間距離は、250nm未満である。それゆえ、後で詳しく説明するように、第2界面部IF2に対応した第2領域R2は、上記の第1条件では、黒色又は暗灰色を表示する。また、第2領域R2は、上記の第2条件では、回折光に起因した色を表示しない。第2領域R2は、典型的には、上記の第2条件においても、黒色又は暗灰色を表示する。
【0028】
なお、ここで、「暗灰色」は、正反射光の強度を測定したときに、波長が400nm乃至700nmの範囲内にある全ての光成分について反射率が25%以下であることを意味している。また、「黒色」は、正反射光の強度を測定したときに、波長が400nm乃至700nmの範囲内にある全ての光成分について反射率が10%以下であることを意味している。
【0029】
表示体100の視覚効果について、更に詳しく説明する。
【0030】
一般に、m次回折光(m=0、±1、±2、・・・)の射出角βは、回折格子の格子線に垂直な面内で光が進行する場合、下記等式から算出することができる。
d=mλ/(sinα−sinβ)
この等式において、dは回折格子の格子定数を表し、mは回折次数を表し、λは入射光及び回折光の波長を表している。また、αは、0次回折光、即ち、透過光又は正反射光の射出角を表している。換言すれば、αの絶対値は照明光の入射角と等しく、反射型回折格子の場合には、照明光の入射方向と正反射光の射出方向とは、回折格子が設けられた界面の法線に関して対称である。
【0031】
なお、回折格子が反射型である場合、角度αは、0°以上であり且つ90°未満である。また、回折格子が設けられた界面に対して斜め方向から照明光を照射し、法線方向の角度、即ち0°を境界値とする2つの角度範囲を考えると、角度βは、回折光の射出方向と正反射光の射出方向とが同じ角度範囲内にあるときには正の値であり、回折光の射出方向と照明光の入射方向とが同じ角度範囲内にあるときには負の値である。
【0032】
法線方向から回折格子を観察する場合、表示に寄与する回折光は射出角βが0°の回折光のみである。従って、この場合、格子定数dが波長λと比較してより大きければ、上記等式を満足する波長λ及び入射角αが存在する。即ち、この場合、観察者は、上記等式を満足する波長λを有する回折光を観察することができる。
【0033】
これに対し、格子定数dが波長λと比較してより小さい場合、上記等式を満足する入射角αは存在しない。従って、この場合、観察者は、回折光を観察することができない。
【0034】
界面部IF1及びIF2の双方において、格子定数dに対応した中心間距離は、500nm以下である。それゆえ、これら界面部IF1及びIF2は、法線方向に回折光を射出しないか、又は、これら界面部が法線方向に射出する回折光は視感度の低いもののみである。
【0035】
加えて、上述した通り、界面部IF1及びIF2を構成している複数の凹部又は凸部は、順テーパ形状を有している。このような構造を採用した場合、複数の凹部又は凸部の中心間距離が十分に短ければ、これら界面部IF1及びIF2は、Z方向に連続的又は段階的に変化した屈折率を有していると見なすことができる。そのため、これら界面部IF1及びIF2は、正反射光についての反射率が低い。
【0036】
したがって、これら界面部IF1及びIF2に各々が対応した領域R1及びR2は、法線方向から観察する第1条件では、共に黒色又は暗灰色を表示する。即ち、この第1条件では、第1領域R1の分布に対応した像と、第2領域R2の分布に対応した像とは、互いから判別することが不可能であるか、又は、互いから判別することが極めて困難である。即ち、第1領域R1の分布に対応した像と、第2領域R2の分布に対応した像とは、第1条件において、潜像を形成している。
【0037】
なお、「像」とは、色及び/又は輝度の空間的分布として観察できるものを意味している。「像」は、写真、図形、絵、文字、及び記号などを包含している。
【0038】
上記の潜像は、表示体100を斜め方向から観察する第2条件において、可視化することができる。以下、この点について説明する。
【0039】
図6は、第1界面部が回折光を射出する様子を概略的に示す図である。図6において、L1は照明光を示し、L2は正反射光又は0次回折光を示し、L3は1次回折光を示している。
【0040】
上述した通り、第1界面部IF1を構成している複数の凹部又は凸部は、その中心間距離が、250nm乃至500nmの範囲内にある。それゆえ、表示体100を可視光で照明すると、第1界面部IF1は、観察者が観察可能な角度βにおいて、1次回折光を射出することができる。
【0041】
これに対し、第2界面部IF2を構成している複数の凹部又は凸部は、その中心間距離が、250nm未満である。それゆえ、表示体100を可視光で照明した場合、第2界面部IF2は、観察者が観察可能な角度βにおいて、1次回折光を射出することができない。或いは、1次回折光を射出することができたとしても、その強度は極めて小さい。
【0042】
したがって、表示体100を斜め方向から観察する第2条件では、第1界面部IF1に対応した第1領域R1は、回折光に起因した像の表示に寄与する。これに対し、第2界面部IF2に対応した第2領域R2は、第2条件において、回折光に起因した像を表示しない。典型的には、この第2領域R2は、第2条件においても、黒色又は暗灰色を表示する。
【0043】
即ち、この第2条件では、第1領域R1の分布に対応した像と、第2領域R2の分布に対応した像とは、互いから判別することができる。よって、この第2条件では、第1条件における潜像を可視化することができる。
【0044】
図7A乃至図7Cは、図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図である。
【0045】
図7Aに示す画素PEは、第1領域R1の面積がより小さいことを除いては、図3に示す画素と同様の構成を有している。このように、複数の画素PEのうち少なくとも2つにおいて、第1領域R1の面積を互いに異ならせると、この面積の差異に起因した階調表示を行うことが可能となる。
【0046】
図7Bに示す画素PEは、第1領域R1のみからなる。図7Cに示す画素PEは、第2領域R2のみからなる。このような画素PEも、領域R1及びR2の双方を備えた画素PEと組み合わせて用いることができる。
【0047】
以上の通り、図2に示す複数の画素PEの少なくとも1つは、領域R1及びR2の双方を備えている。また、これら画素PEの残部は、領域R1及びR2の少なくとも一方を備えている。このような画素PEを組み合わせることにより、表示体100に、所望の画像を表示させることができる。
【0048】
図8は、図1及び図2に示す表示体を斜め方向から観察した状態を示す斜視図である。
【0049】
図1に示す通り、表示体100は、第1条件では、像を表示しない。。これに対し、図8に示す通り、表示体100は、第2条件では、像を表示する。即ち、表示体100では、観察条件を第1条件から第2条件へと変えることにより、潜像を可視化することができる。
【0050】
なお、この表示体100において、第1界面部IF1と第2界面部IF2とは同一面内にある。それゆえ、例えば、これらに対応した凹構造及び/又は凸構造を1枚の原版に形成し、この凹構造及び/又は凸構造を樹脂を含んだ層に転写することにより、界面部IF1及びIF2を同時に形成することができる。したがって、原版に凹構造及び/又は凸構造を高精度に形成しておけば、第1界面部IF1と第2界面部IF2との位置ずれの問題を生じ得ない。
【0051】
表示体100では、以下のような構成を採用することが特に好ましい。
界面部IF1を構成している複数の凹部又は凸部の中心間距離は、250nm乃至450nmであることが好ましく、300nm乃至450nmであることがより好ましく、350nm乃至450nmであることが更に好ましい。平均中心間距離がこれらの範囲内であれば、第1条件において黒色又は暗灰色を表示し、且つ、第2条件において特定の方向に回折光を射出する機能を十分に発揮することができる。
【0052】
界面部IF2を構成している複数の凹部又は凸部の中心間距離は、220nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。こうすると、第2条件における回折光の射出を更に抑制することが可能となる。なお、この中心間距離の下限値には、特に制限はない。しかしながら、製造の容易さ等を考慮して、通常は、150nm以上とする。
【0053】
界面部IF1及びIF2を構成している複数の凹部又は凸部の深さ又は高さは、典型的には、300nm乃至500nmの範囲内とする。
【0054】
界面部IF1及びIF2を構成している複数の凹部又は凸部のアスペクト比は、例えば0.5乃至1.5の範囲内とし、典型的には1.0乃至1.5の範囲内とする。このアスペクト比が過度に小さいと、熱及び圧力などの外的要因による凹部又は凸部の変形が生じ易くなる。このアスペクト比が過度に大きいと、樹脂層10及び表示体100の生産性が低下する場合がある。なお、ここで「アスペクト比」とは、複数の凹部の開口の幅に対する深さの比の平均値、又は、複数の凸部の底面の幅に対する高さの比の平均値を意味している。
【0055】
表示体100には、種々の変形が可能である。
例えば、図5A及び図5Bには、界面部IF1及びIF2が各々が円錐形状からなる複数の凸部を備えている場合を描いているが、界面部IF1及びIF2の構成は、これには限られない。
【0056】
例えば、界面部IF1及びIF2を構成している複数の凹部又は凸部は、四角錐形状又は三角錐形状を有していてもよい。また、これら複数の凹部又は凸部は、切頭錐形状を有していてもよい。或いは、これら複数の凹部又は凸部は、底面積が異なる複数の四角柱をその底面積が大きなものから順に積み重ねた構造を有していてもよい。なお、四角柱の代わりに、円柱や三角柱などの四角柱以外の柱状体を積み重ねてもよい。
【0057】
また、図5A及び図5Bには、複数の凸部が正方格子状に配列している場合を描いているが、複数の凹部又は凸部の配列様式は、これには限られない。例えば、これら複数の凹部又は凸部は、矩形格子状又は三角格子状に配列していてもよい。
【0058】
また、図2には、複数の画素PEが矩形格子状に配列している場合を描いているが、複数の画素PEの配列様式は、これには限られない。例えば、これら複数の画素PEは、三角格子状に配列していてもよい。
【0059】
複数の画素PEの各々は、上述した以外の要素についても、互いに異なった構成を有していてもよい。例えば、複数の画素PE間で、第1界面部IF1を構成している複数の凹部又は凸部の中心間距離を互いに異ならせてもよい。或いは、複数の画素PE間で、第1界面部IF1を構成している複数の凹部又は凸部の深さ又は高さを互いに異ならせてもよい。
【0060】
また、複数の画素PEの各々は、領域R1及びR2以外の領域を更に備えていてもよい。例えば、複数の画素PEの各々は、平坦面からなる界面部を備えた領域RFを更に備えていてもよい。但し、この場合、各画素PEにおける領域RFの面積は、互いに同一とすることが好ましい。
【0061】
表示体100は、樹脂層10及び反射層20に加えて、他の公知の層を更に備えていてもよい。例えば、表示体100は、反射層20を被覆する保護層を更に備えていてもよい。
【0062】
第1領域R1は、複数の凹部又は凸部の中心間距離が互いに異なった複数のサブ領域を備えていてもよい。こうすると、以下で一例を挙げて説明するように、より複雑な視覚効果を達成することができる。
【0063】
図9は、図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図である。図9に示す画素PEは、赤色表示用画素PERと、緑色表示用画素PEGと、青色表示用画素PEBとを備えている。これら画素PER、PEG及びPEBは、典型的には、面積が互いに等しい。
【0064】
赤色表示用画素PERは、第1サブ領域SR1と、第2領域R2とを備えている。この第1サブ領域SR1は、上記第2条件において、赤色を表示するように構成されている。即ち、第1サブ領域SR1は、上記第2条件において、赤色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。第1サブ領域SR1における複数の凹部又は凸部の中心間距離は、例えば400nm乃至500nmの範囲内とし、典型的には430nm乃至470nmの範囲内とする。
【0065】
緑色表示用画素PEGは、第2サブ領域SR2と、第2領域R2とを備えている。この第2サブ領域SR2は、上記第2条件において、緑色を表示するように構成されている。即ち、第2サブ領域SR2は、上記第2条件において、緑色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。第2サブ領域SR2における複数の凹部又は凸部の中心間距離は、例えば350nm乃至450nmの範囲内とし、典型的には380nm乃至420nmの範囲内とする。
【0066】
青色表示用画素PEGは、第3サブ領域SR3と、第2領域R2とを備えている。この第3サブ領域SR3は、上記第2条件において、青色を表示するように構成されている。即ち、第3サブ領域SR3は、上記第2条件において、青色に対応した波長の回折光を射出するように構成された複数の凹部又は凸部を備えている。第3サブ領域SR3における複数の凹部又は凸部の中心間距離は、例えば300nm乃至400nmの範囲内とし、典型的には330nm乃至370nmの範囲内とする。
【0067】
なお、第1サブ領域SR1、第2サブ領域SR2、第3サブ領域SR3のそれぞれの複数の凹部又は凸部の中心間距離を選択する際には、中心間距離が第1サブ領域SR1>第2サブ領域SR2>第3サブ領域SR3の大小関係を満足するようにするとよい。
【0068】
なお、図9を参照しながら説明した画素PEを備えた表示体100は、サブ領域SR1乃至SR3の一部又は全部が省略された画素PEを更に備えていてもよい。
図10及び図11は、図1及び図2に示す表示体を構成している画素の他の例を示す平面図である。
【0069】
図10に示す画素PEでは、赤色表示用画素PERは、第1サブ領域SR1のみからなる。また、緑色表示用画素PEG及び青色表示用画素PEBは、第2領域R2のみからなる。それゆえ、図10に示す画素PEは、第2条件において、赤色の表示に寄与する。
【0070】
図11に示す画素PEでは、画素PER、PEG及びPEBは、第2領域R2のみからなる。それゆえ、図11に示す画素PEは、第2条件において、例えば、黒色又は暗灰色の表示に寄与する。
【0071】
このように、以上のような構成を採用した場合、第1サブ領域SR1と第2サブ領域SR2と第3サブ領域SR3との面積比に応じて、画素PEに、任意の色を表示させることができる。即ち、このような構成を採用すると、第2条件において、表示体100に、フルカラーの像を表示させることが可能となる。
【0072】
なお、第2領域R2の構成は、上記画素PER、PEG及びPEB間で共通であってもよく、これらの間で互いに異なっていてもよい。後者の場合、例えば、これら画素間で、第2領域R2を構成している複数の凹部又は凸部の中心間距離を互いに異ならせてもよい。こうすると、例えば、第1条件において画素PEの各々が表示する黒色又は暗灰色を、画素PE間で均一化することが可能となる。
【0073】
図1乃至図11を参照しながら説明した表示体100には、更なる変形が可能である。
【0074】
図12は、一変形例に係る表示体を概略的に示す平面図である。図13は、図12に示す表示体を構成している画素の一例を示す平面図である。
【0075】
図13に示す画素PEは、第1サブ画素SPE1と、第2サブ画素SPE2とを備えている。第1サブ画素SPE1は、図9を参照しながら説明した画素PEと同様の構成を有している。即ち、図13に示す画素PEは、第2サブ画素SPE2を更に備えていることを除いては、図9を参照しながら説明した画素PEと同様の構成を有している。
【0076】
第2サブ画素SPE2は、第3領域R3と、平坦面からなる界面部を備えた領域RFとを含んでいる。第3領域R3は、第1条件において、黒色又は暗灰色を表示するように構成されている。
【0077】
第3領域R3は、例えば、黒色又は暗灰色のインク又はトナーを用いて形成された印刷層を含んでいる。或いは、第3領域R3は、先に第2領域R2について説明したのと同様の構成を有していてもよい。即ち、第3領域R3は、250nm未満の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部を備えていてもよい。或いは、第3領域R3は、複数の凹部又は凸部の配列方向が互いに異なっていること以外は、第1領域R1と同様の構成を有していてもよい。
【0078】
複数の画素PE間では、第2サブ画素SPE2に占める第3領域R3の面積を、互いに異ならせることができる。これにより、第1条件において、第3領域R3の分布に基づいた像を、表示体100に表示させることができる。
【0079】
このような構成を採用した場合、表示体100は、第1条件と第2条件とで、互いに異なった像を表示することができる。
【0080】
図14は、図12に示す表示体を斜め方向から観察した状態を示す斜視図である。
【0081】
表示体100は、第1条件では、図12に例示するように、第2サブ画素SPE2に起因した像を表示する。この像は、典型的には、モノクロ画像である。
【0082】
他方、表示体100は、第2条件では、図14に例示するように、第1サブ画素SPE1に起因した像を表示する。この像は、典型的には、フルカラー画像である。
【0083】
したがって、表示体100では、第1条件から第2条件へと観察条件を変化させることにより、表示する画像を大きく変化させることが可能である。
【0084】
なお、上述した通り、第3領域R3は、先に第2領域R2について説明したのと同様の構成を有していてもよい。この場合、第3領域R3の構成は、第1サブ画素SPE1が含んでいる第2領域R2の構成と共通であることが好ましい。特には、第3領域R3が備えている複数の凹部又は凸部と、第2領域R2が備えている複数の凹部又は凸部とで、中心間距離が互いに等しいことが好ましい。このような構成を採用した場合、第1条件において表示体100が表示する像における色ムラを抑制することができる。また、この場合、各画素PEの設計及び作製が特に容易である。
【0085】
また、第1サブ画素SPE1と第2サブ画素SPE2との面積比は、1:9乃至9:1の範囲内とすることが好ましい。第1サブ画素SPE1の面積が、第2サブ画素SPE2の面積と比較して過度に大きい場合、第1条件において表示される像が不鮮明となる可能性がある。第1サブ画素SPE1の面積が、第2サブ画素SPE2の面積と比較して過度に小さい場合、第2条件において表示される像の明るさが不十分となる可能性がある。
【0086】
以上において説明した表示体100は、例えば、粘着ステッカ、転写箔、又はスレッドの一部として使用してもよい。或いは、この表示体100は、ティアテープの一部として使用してもよい。
【0087】
図15は、本発明の一態様に係る転写箔を拡大して示す断面図である。図15に示す転写箔200は、先に説明した表示体100と、表示体100を剥離可能に支持した支持体層50とを備えている。図15には、一例として、表示体100の前面と支持体層50との間に剥離層52が設けられており、表示体100の背面上に接着層54が設けられている場合を描いている。
【0088】
支持体層50は、例えば、樹脂からなるフィルム又はシートである。支持体層50の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は塩化ビニル樹脂を使用する。
【0089】
剥離層52は、転写箔200を被転写体に転写する際の支持体層50の剥離を容易にする役割を担っている。剥離層52の材料としては、例えば、樹脂を使用する。剥離層52は、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス及びシリコーンなどの添加剤を更に含んでいてもよい。なお、剥離層52の厚みは、例えば0.5μm乃至5μmの範囲内とする。
【0090】
接着層54の材料としては、例えば、反応硬化型接着剤、溶剤揮散型接着剤、ホットメルト型接着剤、電子線硬化型接着剤及び感熱接着剤などの接着剤を使用する。
【0091】
反応硬化性接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン及びアクリルウレタンなどのポリウレタン系樹脂、又は、エポキシ樹脂を使用する。
【0092】
溶剤揮散型接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂及びウレタン樹脂などを含んだ水性エマルジョン型接着剤、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂などを含んだラテックス型接着剤を使用する。
【0093】
ホットメルト型接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂及びポリウレタン樹脂などをベース樹脂として含んだものを使用する。
【0094】
電子線硬化型接着剤としては、例えば、アクリロイル基、アリル基及びビニル基などのビニル系官能基を1個又は複数個有したオリゴマーを主成分として含んだものを使用する。例えば、電子線硬化型接着剤として、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエーテルアクリレート又はポリエーテルメタクリレートと、接着付与剤との混合物を使用することができる。この接着付与剤としては、例えば、リンを含んだアクリレート若しくはその誘導体、又は、カルボキシ基を含んだアクリレート若しくはその誘導体を使用する。
【0095】
感熱接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を使用する。
【0096】
接着層54は、例えば、上述した樹脂を、グラビアコータ、マイクログラビアコータ及びロールコータなどのコータを用いて表示体100の背面上に塗布することにより得られる。
【0097】
この転写箔200は、例えば、ロール転写機又はホットスタンプによって、被転写体に転写される。この際、剥離層52において剥離を生じると共に、表示体100が、被転写体に、接着層54を介して貼付される。
【0098】
図16は、表示体付き物品の一例を概略的に示す平面図である。図16には、表示体付き物品の一例として、印刷物300を描いている。この印刷物300は、磁気カードであって、基材301を含んでいる。基材301は、例えば、プラスチックからなる。
【0099】
基材301上には、印刷層302が形成されている。基材301の印刷層302が形成された面には、上述した表示体100が、例えば粘着層を介して固定されている。表示体100は、例えば、粘着ステッカとして又は転写箔として準備しておき、これを印刷層302に貼りつけることにより、基材301に固定する。
【0100】
この印刷物300は、上述した表示体100を含んでいる。それゆえ、この印刷物200は、偽造防止効果に優れている。この印刷物300は、表示体100に加えて、印刷層302を更に含んでいる。したがって、表示体100の光学効果を印刷層302のそれと比較することにより、表示体100の光学効果を際立たせることができる。
【0101】
図16には、表示体100を含んだ印刷物として磁気カードを例示しているが、表示体100を含んだ印刷物は、これに限られない。例えば、表示体100を含んだ印刷物は、IC(integrated circuit)カード、無線カード及びID(identification)カードなどの他のカードであってもよい。或いは、表示体100を含んだ印刷物は、商品券及び株券などの有価証券であってもよい。或いは、表示体100を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるべきタグであってもよい。或いは、表示体100を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体又はその一部であってもよい。
【0102】
また、図16に示す印刷物300では、表示体100を基材301に貼り付けているが、表示体100は、他の方法で基材に支持させることができる。例えば、基材として紙を使用した場合、表示体100を紙に漉き込み、表示体100に対応した位置で紙を開口させてもよい。或いは、基材として光透過性の材料を使用する場合、その内部に表示体100を埋め込んでもよく、基材の裏面、即ち表示面とは反対側の面に表示体100を固定してもよい。
【0103】
また、ラベル付き物品は、印刷物でなくてもよい。即ち、印刷層を含んでいない物品に表示体100を支持させてもよい。例えば、表示体100は、美術品などの高級品に支持させてもよい。
表示体100は、偽造防止以外の目的で使用してもよい。例えば、表示体100は、玩具、学習教材、及び装飾品などとしても利用することができる。
【実施例】
【0104】
以下のようにして、図9乃至図11を参照しながら説明した画素PEを備えた転写箔200を製造した。そして、これを用いて、これら画素PEを備えた表示体100を支持した表示体付き物品を製造した。
【0105】
まず、第1条件及び第2条件の各々において所望の像を表示可能とする描画データを作成した。そして、電子線レジスト上に、上記データに対応した形状を、電子線を用いて描画した。このレジストを現像し、所望の凹部又は凸部を形成した。その後、気相堆積法により導電層を成膜し、各凹部又は凸部の表面に導通をとり、電鋳により金型を作製した。このようにして、版を作製した。
【0106】
次に、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂層50の上に、アクリル樹脂からなる剥離層52を塗布した。この剥離層52の厚みは、1μmであった。次いで、その上に、成形加工用の樹脂からなる層を塗布した。この層の厚みは、1μmであった。このようにして、原反を作製した。
【0107】
続いて、上記原反の樹脂からなる層側の面に、加熱及び加圧しながら版を押し付けた。このようにして、一方の主面に複数の凹部又は凸部を備えた樹脂層10を得た。
【0108】
なお、第1サブ領域SR1に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離は、450nmとした。第2サブ領域SR2に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離は、400nmとした。第3サブ領域SR3に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離は、350nmとした。そして、第2領域R2に対応した部分では、複数の凹部又は凸部の中心間距離は、250nmとした。
【0109】
次いで、樹脂層10の上に、アルミニウムを蒸着させた。このようにして、反射層20を得た。この反射層20の厚みは、100nmであった。
【0110】
その後、反射層20の上に、アクリル系樹脂からなる接着剤を、コーティングプロセスで塗布した。このようにして、接着層54を形成した。この接着層54の厚みは、2μmであった。以上のようにして、転写箔200を得た。
【0111】
次いで、この転写箔200を用いて、表示体100の被転写体への転写を行った。この被転写体としては、紙を用いた。また、転写は、150℃の温度及び10MPaの圧力で行った。このようにして、表示体付き物品として、表示体100が貼付された紙を得た。
【0112】
この紙について、第1条件における観察を行った。その結果、モノクロの像を、明確に観察することができた。続いて、この紙について、第2条件における観察を行った。その結果、上記のモノクロの像とは異なったフルカラーの像を、明確に観察することができた。即ち、この表示体100を用いると、第1条件と第2条件とで、互いに異なった像を、明瞭に表示することができた。
【符号の説明】
【0113】
10…樹脂層、20…反射層、50…樹脂層、52…剥離層、54…接着層、100…表示体、200…転写箔、300…印刷物、301…基材、302…印刷層、IF1…第1界面部、IF2…第2界面部、L1…照明光、L2…正反射光、L3…1次回折光、PE…画素、PEB…青色表示用画素、PEG…緑色表示用画素、PER…赤色表示用画素、R1…第1領域、R2…第2領域、R3…第3領域、RF…領域、SPE1…第1サブ画素、SPE2…第2サブ画素、SR1…第1サブ領域、SR2…第2サブ領域、SR3…第3サブ領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を具備した表示体であって、
前記複数の画素の各々は、第1サブ画素を含み、
前記複数の画素の少なくとも1つは、250nm乃至500nmの範囲内の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部からなる第1領域と、250nm未満の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部からなる第2領域とを備えた前記第1サブ画素を含み、
前記複数の画素の残部は、前記第1及び第2領域の少なくとも一方を備えた前記第1サブ画素を含み、
前記表示体は、前記表示体の主面の法線と交差する斜め方向から観察する第2条件において、前記第1領域の分布に基づいた第1画像を表示する表示体。
【請求項2】
前記第1サブ画素の少なくとも1つにおいて、前記第1領域は、複数の凹部又は凸部の中心間距離が互いに異なった複数のサブ領域を含んでいる請求項1に記載の表示体。
【請求項3】
前記サブ領域は、前記第2条件において赤色を表示するように構成された第1サブ領域と、前記第2条件において緑色を表示するように構成された第2サブ領域と、前記第2条件において青色を表示するように構成された第3サブ領域とを含んでいる請求項2に記載の表示体。
【請求項4】
前記複数の画素の各々は、第2サブ画素を更に含み、
前記第2サブ画素の少なくとも1つは、前記表示体の主面の法線方向から観察する第1条件において黒色又は暗灰色を表示する第3領域を含み、
前記表示体は、前記第1条件において、前記第3領域の分布に基づいた第2画像を表示する請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示体。
【請求項5】
前記第3領域は、250nm未満の中心間距離で二次元的に配置されると共に各々が順テーパ形状を有する複数の凹部又は凸部を備えている請求項4に記載の表示体。
【請求項6】
前記第2領域を構成している複数の凹部又は凸部と、前記第3領域を構成している複数の凹部又は凸部とは、中心間距離が互いに等しい請求項5に記載の表示体。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示体と、前記表示体を剥離可能に支持した支持体層とを具備した転写箔。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示体とこれを支持した物品とを具備した表示体付き物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−108419(P2012−108419A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258814(P2010−258814)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】