説明

表示体とその支持ソケットおよび表示ユニットならびに表示システム

本発明による表示体(11)は、発光面(18a)およびその反対側に位置する保護面(18b)を有するEL発光シート(18)と、このEL発光シート(18)に形成された一対の電極(19)にそれぞれリードフィルム(20)を介して導通する一対の接続端子(21)と、これらリードフィルム(20)および一対の接続端子(21)が重ね合わされると共にEL発光シート(18)の発光面(18a)が重ね合わされる電気絶縁性の広告表示シート(22)と、この広告表示シート(22)およびEL発光シート(18)を覆う電気絶縁性の一対の透明シート(23)と、広告表示シート(22)およびこの広告表示シート(22)側に面する一方の透明シート(23)に形成されて一対の接続端子(21)を外部に露出させる一対の端子開口部(24)とを具え、適度な剛性を持ったシート状をなしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、エレクトロルミネセンス発光シートを用いた表示体およびその支持ソケットならびに表示システムに関し、特にポップ広告などに利用して好適なものである。
【背景技術】
特公平7−119406号公報に記載されたようなエレクトロルミネセンス(以下、ELと記述する)発光シートは、それ自体極めて薄く製造することができる上に消費電力が極めて少ないなどの利点を有している。このため、上述したEL発光シートは例えば特開2002−29471号公報や特開2002−311865号公報に記載されたような保安照明装置として、あるいは点灯可能な広告媒体として広く利用されつつある。また、このようなEL発光シートを電源に接続するための配線構造が特開2002−203673号公報にて提案されている。
ところで、POP(point−of−purchase)広告は、商品を販売する小売店などの店頭に掲示される広告であり、一般的には看板やポスターなどをその代表的なものとして挙げることができる。このPOP広告は、小売店における販売促進に大きな影響を及ぼすことは周知の通りであり、広告媒体として極めて重要な役割を担っている。とりわけ、お買い得商品や目玉商品、あるいはお薦め商品や宣伝広告商品などの販売促進を企図する上で、POP広告は欠くことのできないものとなっている。この点において、インバータを介して電池やAC電源に接続される上述したEL発光シートを用いた広告媒体は、点灯または点滅可能であって最大限の視覚的な効果を期待できることから、各方面から注目が集まっている。
EL発光シートを用いた従来の広告媒体は、それ自体、自立性を持っていないため、ショーウィンドゥなどの剛性を持った平滑な面にEL発光シートの部分を貼り付けて使用する必要があり、片面のみの表示しかできない反面、その普及によって製作費用の低減やランニングコストを抑えることが可能である。これらは、コンセントとインバータからなるAC電源や乾電池により、電源を接続した状態で使用している。一般にELシートを用いたポップ広告の使用形態においても、片面のみの発光を特徴とするため壁面等を利用し設置している。一度設置した場合でも、ライフサイクルの短い商品や季節日時によってポップ広告の変更や増減が必要な場合がある。
背景技術で述べたように、ポップ広告は、ライフサイクルの短い商品や季節日時によって、ポップ広告の変更や増減等、販売店等の実施者にとっては、欠くことのできない対応として必要とされている。又、ポップ広告の変更や増減が簡便に行えない場合、本来の目的である広告機能の効果を十分に発揮できないことにもなる。広告媒体である看板やポスターや広告ステッカーなどの広告物は、旧来の伝統的なものが大半であり、ELシートを用いたポップ広告でも、壁面等の平面的な使用が主であった。
【発明の開示】
本発明の第1の形態は、発光面およびその反対側に位置する保護面を有し、この保護面側に一対の電極が形成されたEL発光シートと、このEL発光シートの一対の電極にそれぞれリードフィルムを介して導通する少なくとも2つの接続端子と、これらリードフィルムおよび接続端子が重ね合わされると共に前記EL発光シートの発光面が重ね合わされる電気絶縁性の広告表示シートと、この広告表示シートおよび前記EL発光シートを覆う電気絶縁性の透明シートと、前記広告表示シートおよびこの広告表示シート側に面する前記透明シートの部分に形成されて前記接続端子を外部に露出させる少なくとも2つの端子開口部とを具えたことを特徴とする表示体にある。
本発明においては、広告表示シートおよびEL発光シートが透明シートにてラミネートされ、表示体としての強度が確保された状態となる。また、電源を端子開口部を介して接続端子に接続することにより、EL発光シートの発光面が発光し、広告表示シート自体を透過照明するか、あるいは広告表示シートの輪郭形状に対応した文字図形などが明るく表示される。
本発明の第1の形態の表示体によると、適度な剛性を持った発光可能なシート状の表示体を得ることができる。
本発明の第1の形態による表示体において、EL発光シートおよび広告表示シートを2組有し、保護面を向かい合わせにした2組のEL発光シートの間に挟み込まれる電気絶縁シートをさらに具えることができる。この場合、両面にて発光可能なシート状の表示体を得ることができ、視認性および視覚効果を倍増させることが可能である。特に、2組の広告表示シートを一枚の広告表示シートを折り返して形成することにより、その製造工程を簡略化させることができる。
一方のEL発光シートの一対の電極にそれぞれリードフィルムを介して導通する少なくとも2つの接続端子に対し、それぞれリードフィルムを介して他方のEL発光シートの一対の電極を導通させるようにしてもよい。この場合、接続端子の数を増やさずとも少なくとも2つの接続端子から2組のEL発光シートの発光面を同時に発光させることができる。
広告表示シートには、EL発光シートの発光面に臨む開口部を形成することができる。この場合、広告表示シート自体を表示体の強度部材として利用することができる上、広告表示シートを利用してリードフィルムなどの目隠しを行うことができ、表示体の外観をみばえよくすることが可能である。
広告表示シートの開口部がパターン状をなすものであってよい。この場合、パターン状となった発光面を文字図形などとして視認することができる。
あるいは、広告表示シート側に面する透明シートの部分には、光透過性の画像形成フィルムが広告表示シートの開口部を覆うように剥離可能に貼付されるものであってよい。この場合には、EL発光シートの発光面が画像形成フィルムに対するバックライト光源として機能させることができ、しかも任意の画像が形成された画像形成フィルムを必要に応じて貼り替えることが可能となる。
透明シートが紫外線に対して非透過性を有することが好ましい。この場合、紫外線によるEL発光シートの劣化を抑制して耐久性を向上させることができる。
本発明の第2の形態は、本発明の第1の形態による表示体が装着される支持ソケットであって、前記表示体の少なくとも2つの端子開口部を含む装着部が抜き外し可能に差し込まれ、この装着部の厚みよりも広い間隔をあけて対向する一対の内壁およびこれら一対の内壁につながるスリット状の開口を有する差し込み部と、この差し込み部の一対の内壁の一方から他方に向けて突出するように取り付けられ、前記表示体の端子開口部にそれぞれ係合して少なくとも2つの接続端子にそれぞれ当接し、前記表示体の装着部を前記他方の内壁に付勢する弾性力を持った少なくとも2つのコネクタとを具えたことを特徴とするものである。
本発明においては、差し込み部の開口に対して表示体の装着部を差し込むことにより、コネクタが装着部の端子開口部に嵌まり込み、接続端子に押し当たって表示体の装着部が支持ソケットの差し込み部に安定して保持される。また、この状態ではコネクタと接続端子とが電気的に導通状態となり、表示体のEL発光シートの発光面を発光させることができる。一方、表示体の端子開口部からコネクタが抜け外れるように、支持ソケットの差し込み部から表示体を引き抜くことにより、支持ソケットに対する表示体の交換が可能となる。
本発明の第2の形態の支持ソケットによると、必要に応じて任意の表示体を支持ソケットに対して抜き差しすることにより、極めて容易に表示体の表示内容を変更することができる。
本発明の第2の形態による支持ソケットにおいて、差し込み部の開口の反対側でこの差し込み部に対し一体的に形成された台座部をさらに具えることができる。この場合には、台座部を床面や壁面あるいは天井などに固定することにより、表示体を床面や壁面あるいは天井から突出させた状態に保持することができ、最も視覚的効果が高い場所に表示体を位置させることが可能となる。
差し込み部に対して表示体の装着部を固定するための固定手段をさらに具えることも有効である。この場合、支持ソケットから容易に取り外すことが可能な表示体の盗難を未然に防止することができる上、支持ソケットの差し込み部の開口を下向きにしたような場合、表示体が自重によって差し込み部から抜け落ちるような不具合も確実に防止することができる。
本発明の第3の形態は、本発明の第1の形態による表示体と、本発明の第2の形態による支持ソケットとを具えたことを特徴とする表示ユニットにある。
また、本発明の第4の形態は、本発明の第1の形態による表示体と、本発明の第2の形態による支持ソケットと、この支持ソケットの少なくとも2つのコネクタに接続ケーブルを介して取り外し可能に接続されると共に電源に接続されて前記表示体のEL発光シートの発光状態を制御するためのコントーローラとを具えたことを特徴とする表示システムにある。
本発明においては、コントローラによって表示体のEL発光シートの発光状態が制御され、例えば発光面の発光状態を点滅させることによって、表示体の視認性および視覚効果を向上させることができる。
本発明の第4の形態の表示システムによると、EL発光シートの発光面を点滅させて視認性および視覚上の効果をさらに高めることが可能となる。また、表示体が取り付けられる支持ソケットとコントローラとを接続ケーブルを介して離して配置することができ、表示体の周りをすっきりとした外観に保持することができる。
本発明の第4の形態による表示システムにおいて、コントローラは、電源を所定の電圧および所定の周波数に変換するインバータを有することができる。この場合、EL発光シートの発光面の発光輝度を表示体が配置される環境に応じて任意に設定することができる。
コントローラは、電源として搭載される太陽電池パネルと、この太陽電池によって得られた電気の電圧を安定化させる電圧安定化回路とを有するものであってよい。この場合、コントローラから電源接続コードを引き出す必要がなく、商用電源がないようなところでも太陽光や室内照明光を利用してEL発光シートの発光面を発光させることができ、表示体の使用可能領域を拡げることができる。
あるいは、電源として搭載された二次電池を有することも可能であり、この場合においても、コントローラから電源接続コードを引き出す必要がなく、商用電源がないようなところでも太陽光や室内照明光を利用してEL発光シートの発光面を発光させることができ、表示体の使用可能領域を拡げることができる。
コントローラは、音声出力装置を有することができ、さらに音声入力装置を付加することも可能である。この場合、表示体による表示内容に連動して音声などで情報を流すことができ、視覚に加えて聴覚による情報の伝達が可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による表示システムの一実施形態を表す概念図である。
図2は、図1に示した表示システムの一部を構成する表示体の分解断面図である。
図3は、透明シートを省略した状態で図2に示した表示体の展開形状を表す平面図である。
図4は、本発明による表示体の他の実施形態の外観を模式的に表す立体投影図である。
図5は、図1に示した表示システムの一部を構成する支持ブラケットを側方から見た分解断面図である。
図6は、図5に示した支持ブラケットの本体を正面から見た分解断面図である。
図7は、本実施形態における表示ユニットの主要部の断面図である。
図8は、図1に示した表示システムの一部を構成するコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明による表示システムをPOP広告用に応用した実施形態について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこの実施形態のみに限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
本実施形態における表示システムを概略的に図1に示す。すなわち、本実施形態における表示システム10は、後述するEL発光シートが組み込まれた表示体11と、この表示体11が抜き外し可能に装着される支持ブラケット12と、この支持ブラケット12に接続ケーブル13,14を介して取り外し可能に接続され、表示体11のEL発光シートの発光状態を制御するためのコントローラ15とを有する。上述した表示体11および支持ブラケット12が本発明による表示ユニット16を構成している。
本実施形態における表示体11の断面構造を分解状態で図2に示し、これを展開して図3にそれぞれ示す。すなわち、本実施形態における表示体11は、支持ブラケット12の後述する差し込み部17に差し込まれる所定形状の装着部11aと、任意の輪郭寸法形状を持つ幅広の広告表示部11bとを有するシート状をなす。この表示体11は、発光面18aおよびその反対側に位置する保護面18bを有すると共にこの保護面18b側に一対の電極19が形成されたEL発光シート18と、このEL発光シート18の一対の電極19にそれぞれリードフィルム20を介して導通する2つの接続端子21と、これらリードフィルム20および2つの接続端子21が重ね合わされると共にEL発光シート18の発光面18aが重ね合わされる電気絶縁性の広告表示シート22と、この広告表示シート22およびEL発光シート18を覆う電気絶縁性の透明シート23と、広告表示シート22およびこの広告表示シート22側に面する透明シート23の部分に形成されて接続端子21を外部に露出させる2つの端子開口部24とを具えている。
本実施形態におけるEL発光シート18は、例えば0.2mm程度の厚みを有し、高周波の交流電圧を一対の電極19間に印加することによって発光する形式の市販の無機EL発光シートを用いており、発光面18aを構成する材料の相違に応じた特定の発光色を持つEL発光シート18を適宜選択使用することが可能である。
このEL発光シート18の発光面18aを覆うようにEL発光シート18に重ね合わされる広告表示シート22には、EL発光シート18の発光面18aに臨む開口部22aがそれぞれ形成され、本実施形態における広告表示シート22の開口部22aは、文字図形(図示例では「本日入荷」という文字)に対応したパターン状をなして切り欠かれている。従って、このパターン状の開口部22aを通してEL発光シート18の発光面18aの発光状態、つまり図示例では「本日入荷」という文字が光るのを見ることができるようになっている。この場合、表示体11の表側と裏側とで異なる文字図形を形成することが可能であり、開口部22a以外の広告表示シート22の表面に任意の文字図形を印刷することも、もちろん可能である。広告表示シート22は電気絶縁性を有する光学的に不透明なものであればよく、例えば0.1mm程度の厚みを有する紙や樹脂フィルムなどを利用することができる。
本実施形態では、EL発光シート18および広告表示シート22が2組設けられ、保護面18bを向かい合わせにした2組のEL発光シート18の間に例えば0.1〜0.2mm程度の厚みを有する電気絶縁シート25を挟み込み、2枚のEL発光シート18の電極19が相互に導通し合わないように配慮している。この場合、本実施形態では一枚の広告表示シート22を折り曲げてこれらの間に2枚のEL発光シート18とその間に介在する電気絶縁シート25とを挟み込むようにしているが、2枚のEL発光シート18の一対の電極19から引き出されたリードフィルム20が相互に重なり合わないようにするため、2組の広告表示シート22の折り曲げ位置を装着部11aの基端に設定しており、これによって表示体11の製造工程を容易かつ簡略化することができる。また、一方のEL発光シート18の一対の電極19および他方のEL発光シート18の一対の電極19には、それぞれ0.05mm程度の厚さの銅製のリードフィルム20を介して2つの接続端子21が同時に導通している。
これら2つの接続端子21に所定の高周波電圧を印加することにより、2組のEL発光シート18の発光面18aを同時に発光させ、表示体11の表裏両面にて広告表示を行うことができる。もちろん、表示体11の片面側のみ広告表示させることも可能であり、本実施形態では支持ブラケット12に組み込まれた後述する5つのコネクタとの関係で、最大で5つの接続端子21、つまり5つの端子開口部24を表示体11の装着部11aに形成することができるようになっている。このように、5つの接続端子21を形成することができるため、例えば発光領域を4箇所に分けて個別に発光させたり、発光色が異なる4種類のEL発光シート18を個別に発光させたりすることも可能となる。本実施形態における接続端子21は、0.2mm程度の厚さの銅板にニッケルめっきを施したものを使用しており、広告表示シート22に形成された端子開口部24に嵌まり込むような0.1mm程度の段差を持つエンボス加工が施され、接着剤などを使用せずとも端子開口部24に対する接続端子21の位置ずれが発生しにくくなるように配慮している。
本実施形態における透明シート23は、紫外線に対して非透過性を有する0.2〜0.3mm程度の厚さの熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂にて形成されており、シートとして剛性が低いEL発光シート18や広告表示シート22あるいは電気絶縁シート25に対し、表示体11としての剛性を高める機能を有する。また、透明シート23の外縁部はその全周に亙ってヒートシールされており、これによって電気絶縁シート25,EL発光シート18,広告表示シート22などが密着して積層された状態となり、全体として最大でも1.5mm程度の厚さを有する薄いシート状をなす表示体11が得られる。
本実施形態における表示体11は、広告表示シート22の開口部22aをパターン状に形成することにより、EL発光シート18の発光面18aがパターン状にマスキングされた状態となるようにしたが、広告表示シート22の開口部22aを単純な矩形や丸形に形成し、この広告表示シート22側に面する透明シート23の部分に光透過性の画像形成フィルムを広告表示シート22の開口部22aを覆うように剥離可能に貼付するようにした表示体11とすることも可能である。
このような本発明による表示シートの他の実施形態の外観を図4に模式的に示すが、先の実施形態と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、広告表示シート22の中央部には矩形をなす1つの開口部22aが形成されており、この開口部22aを覆うように矩形をなす光透過性の画像形成フィルム26が透明シート23の表面に剥離可能に貼り付けられている。画像形成フィルム26の貼り付け面26aには粘着剤が塗布されており、透明シート23の表面に対して剥離可能となっている。この実施形態においてもEL発光シート18の発光面18aは開口部22aの形状に対応している(図中、斜線で示した領域が発光領域である)が、これを画像形成フィルム26のバックライト光源として機能させることができる。このような画像形成フィルム26を用いた場合、ユーザー側で任意の画像情報を光透過性の染料インクなどを用いてプリントすることも容易である。
本実施形態における支持ブラケット12の断面構造を一部分解状態で図5に示し、その正面分解構造を図6に示し、本実施形態における表示ユニット16の主要部の断面構造を図7に示す。すなわち、本実施形態における支持ブラケット12は、表示体11の端子開口部24を含む装着部11aが抜き外し可能に差し込まれ、かつこの装着部11aの厚みよりも広い間隔をあけて対向する一対の内壁17a,17bおよびこれら一対の内壁17a,17bにつながるスリット状の開口27を有する差し込み部17と、この差し込み部17の一対の内壁17a,17bの一方から他方に向けて突出するように取り付けられ、表示体11の端子開口部24にそれぞれ嵌まり込んで接続端子21にそれぞれ当接し、表示体11の装着部11aを他方の内壁17bに付勢する弾性力を持った複数(図示例では5つ)のコネクタ28と、これらコネクタ28に接続する接続ケーブル13と、差し込み部17の開口27の反対側で当該差し込み部17に対し一体的に形成された台座部29とを具えている。
差し込み部17と台座部29とは一体的に形成され、台座部29はその底面から図示しない小ねじを介してねじ止めされる底板30を有する。台座部29の底面は両面粘着テープや木ねじあるいは永久磁石などを利用して所望の取り付け面に対して取り外し可能に固定することができるようになっている。台座部29から引き出された接続ケーブル13の先端には接続プラグ31が取り付けられている。
個々のコネクタ28はそれぞれ板ばねにて形成され、それぞれ接続ケーブル13に接続するその基端部が差し込み部17の一方の内壁17a側の下端部に形成された係合ピン17cに嵌め込まれ、底板30に形成された押さえ部30aによって係合ピン17cから抜け外れないように保持されている。コネクタ28の中央部は、山形に折れ曲がってその頂部28aが他方の内壁17b側に突出し、表示体11の装着部11aが差し込み部17の開口27内に完全に差し込まれた場合、頂部28aが端子開口部24内に入り込んで接続端子21に押し当たり、表示体11の装着部11aを差し込み部17の他方の内壁17bに押し付け、接続端子21とコネクタ28の頂部28aとが導通状態となる(図7参照)。さらに、各コネクタ28の先端部は、差し込み部17の一方の内壁17aの上部に下向きに開口する保持溝17d内に収容された状態となっている。
支持ブラケット12の差し込み部17と表示体11の装着部11aとに跨がって設けられる固定手段は、支持ブラケット12の差し込み部17の開口27を横切るように差し込み部17の一方の壁を貫通して他方の内壁17b側に形成された雌ねじ穴17eと、この雌ねじ穴17eにねじ込まれる段付き軸の六角穴付きボルト32と、表示体11の装着部11aに形成され、装着部11aを正しく支持ブラケット12の差し込み部17の開口27内に装着した状態において六角穴付きボルト32が貫通する貫通穴11cとを有する。六角穴付きボルト32の頭部32aは、差し込み部17の一方の壁に対して埋め込み状態となっており、従って六角棒レンチを使用して六角穴付きボルト32を抜き外さない限り、支持ブラケット12から表示体11を取り外すことができないようになっている。このため、支持ブラケット12の差し込み部17に対して表示体11の装着部11aを確実に固定することができる。
この固定手段は、表示体11が比較的大きな面積を有する場合や、スリット状の開口27が鉛直方向下向きとなるように支持ブラケット12を固定した場合や、あるいは表示体11の盗難を避けるために極めて有効なものであり、本発明による固定手段は上述した実施形態に限らず、支持ブラケット12から表示体11を容易に抜き外すことができないような機構でありさえすれば、どのような構成のものでも採用することができる。
本実施形態におけるコントローラ15の制御ブロックを図8に示す。すなわち、本実施形態におけるコントローラ15は、電源として搭載される太陽電池パネル33と、この太陽電池パネル33によって得られた電気の電圧を安定化させる電圧安定化回路34と、この電圧安定化回路34によって安定化された電気をスイッチング回路35を介して所定の電圧および所定の周波数に変換するインバータ36とを具え、支持ブラケット12から引き出された接続ケーブル13の接続プラグ31に嵌合し合う接続プラグ37を先端に有する接続ケーブル14がコントローラ15から引き出され、これはインバータ36に接続している。太陽電池パネル33はコントローラ15の筺体15aの上面全域に設けられ、太陽光または人工的な照明光によって電力を発生する周知のものである。スイッチング回路35は、制御回路38によってその作動が制御され、コントローラ15の筺体15aに取り付けられた点灯モード切り替えスイッチ39の操作に基づき、EL発光シート18の発光面18aを連続的に発光させる連続点灯モードと、EL発光シート18の発光面18aを間欠的に発光させる間欠点灯モードと、EL発光シート18の発光面18aを発光させない電源遮断モードとが選択される。インバータ36は、二次電池から得られる電気を所定の電圧および所定の周波数に変換して支持ブラケット12側に供給し、この支持ブラケット12に装着された表示体11のEL発光シート18の発光面18aを所定の発光モードにて発光させる。
本実施形態におけるコントローラ15は、さらに音声入出力装置が組み込まれている。この音声入出力装置は、マイクロフォン40と、このマイクロフォン40を用いた音声記録を行うための各種操作スイッチ41と、スピーカ42と、このスピーカ42を用いて音声出力を行うための別な操作スイッチ41および赤外線センサ43と、マイクロフォン40からの音声信号を記録する録音回路44と、この録音回路44に記憶された音声信号を出力する再生回路45と、マイクロフォン40からの音声信号を増幅して録音回路44に記憶させる一方、再生回路45からの音声信号を増幅してスピーカ42に出力する増幅器46と、この増幅器46と録音回路44,再生回路45との間に介装されるD/Aコンバータ47とを有し、前記制御回路38は、上述した各種操作スイッチ41および赤外線センサ43からの検出信号に基づき、録音回路44,再生回路45,増幅器46の作動を制御するようになっている。赤外線センサ43は、コントローラ15から所定範囲内に人が近付いたことを検知するためのものであり、制御回路38は音声出力モードが選択されている場合、コントローラ15から所定範囲内に人が近付いたことを検知して再生回路45および増幅器46を作動させ、表示体11による表示内容に関連付けた音声をスピーカ42から出力させることができるようになっている。
上述した実施形態では、電源として太陽電池パネル33を用いているが、電力が不十分な場合には一般的な商用AC電源を併用することも可能であり、この場合にはAC電源のコンセントに差し込むことができる接続プラグを持った接続ケーブルをコントローラ15から引き出す必要がある。また、太陽電池パネル33に代えて二次電池を電源として利用することも可能であり、この場合には、電圧安定化回路34を省略して二次電池の出力をインバータ36に直接接続することができる。この二次電池に対して商用電源から図示しない直流変圧器、つまり充電器を介して充電を行うためのコネクタをコントローラ15の筺体15aに設ける必要があることは言うまでもない。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光面およびその反対側に位置する保護面を有し、この保護面側に一対の電極が形成されたエレクトロルミネセンス発光シートと、
このエレクトロルミネセンス発光シートの一対の電極にそれぞれリードフィルムを介して導通する少なくとも2つの接続端子と、
これらリードフィルムおよび接続端子が重ね合わされると共に前記エレクトロルミネセンス発光シートの発光面が重ね合わされる電気絶縁性の広告表示シートと、
この広告表示シートおよび前記エレクトロルミネセンス発光シートを覆う電気絶縁性の透明シートと、
前記広告表示シートおよびこの広告表示シート側に面する前記透明シートの部分に形成されて前記接続端子を外部に露出させる少なくとも2つの端子開口部と
を具えたことを特徴とする表示体。
【請求項2】
前記エレクトロルミネセンス発光シートおよび前記広告表示シートを2組有し、前記保護面を向かい合わせにした2組のエレクトロルミネセンス発光シートの間に挟み込まれる電気絶縁シートをさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の表示体。
【請求項3】
一方の前記エレクトロルミネセンス発光シートの一対の電極にそれぞれリードフィルムを介して導通する前記接続端子には、それぞれリードフィルムを介して他方の前記エレクトロルミネセンス発光シートの一対の電極が導通していることを特徴とする請求項2に記載の表示体。
【請求項4】
前記広告表示シートには、前記エレクトロルミネセンス発光シートの発光面に臨む開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
【請求項5】
前記広告表示シートの開口部がパターン状をなしていることを特徴とする請求項4に記載の表示体。
【請求項6】
前記広告表示シート側に面する前記透明シートの部分には、光透過性の画像形成フィルムが前記広告表示シートの開口部を覆うように剥離可能に貼付されることを特徴とする請求項4に記載の表示体。
【請求項7】
前記透明シートが紫外線に対して非透過性を有することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の表示体。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかに記載の表示体が装着される支持ソケットであって、
前記表示体の少なくとも2つの端子開口部を含む装着部が抜き外し可能に差し込まれ、この装着部の厚みよりも広い間隔をあけて対向する一対の内壁およびこれら一対の内壁につながるスリット状の開口を有する差し込み部と、
この差し込み部の一対の内壁の一方から他方に向けて突出するように取り付けられ、前記表示体の端子開口部にそれぞれ係合して少なくとも2つの接続端子にそれぞれ当接し、前記表示体の装着部を前記他方の内壁に付勢する弾性力を持った少なくとも2つのコネクタと
を具えたことを特徴とする支持ソケット。
【請求項9】
前記差し込み部の開口の反対側で当該差し込み部に対し一体的に形成された台座部をさらに具えたことを特徴とする支持ソケット。
【請求項10】
前記差し込み部に対して前記表示体の装着部を固定するための固定手段をさらに具えたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の支持ソケット。
【請求項11】
請求項1から請求項7の何れかに記載の表示体と、
請求項8から請求項10の何れかに記載の支持ソケットと
を具えた表示ユニット。
【請求項12】
請求項1から請求項7の何れかに記載の表示体と、
請求項8から請求項10の何れかに記載の支持ソケットと、
この支持ソケットの少なくとも2つのコネクタに接続ケーブルを介して取り外し可能に接続されると共に電源に接続されて前記表示体のエレクトロルミネセンス発光シートの発光状態を制御するためのコントローラと
を具えたことを特徴とする表示システム。
【請求項13】
前記コントローラは、電源を所定の電圧および所定の周波数に変換するインバータを有することを特徴とする請求項12に記載の表示システム。
【請求項14】
前記コントローラは、電源として搭載される太陽電池パネルと、この太陽電池によって得られた電気の電圧を安定化させる電圧安定化回路とをさらに有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の表示システム。
【請求項15】
前記コントローラは、電源として搭載された二次電池をさらに有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の表示システム。
【請求項16】
前記コントローラは、音声出力装置をさらに有することを特徴とする請求項12から請求項15の何れかに記載の表示システム。

【国際公開番号】WO2004/064020
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【発行日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507998(P2005−507998)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000185
【国際出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【出願人】(596134219)株式会社ラミーコーポレーション (3)
【出願人】(594130949)
【Fターム(参考)】