説明

表示制御システム、電子機器、および画像形成装置

【課題】 動画再生をサポートしていないブラウザーを有する電子機器に、動きのある画面表示を行わせる。
【解決手段】 コールセンター端末装置3は、プッシュ表示データを画像形成装置1へ送信する。画像形成装置1の表示制御部31は、そのプッシュ表示データを受信し、そのプッシュ表示データから複数の画面データファイルを生成し、複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザー31aで順番に遷移させて表示装置11aに表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御システム、電子機器、および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器にエラーが発生した場合、サポートサービスなどに問い合わせを行い、エラーの解決を行うことがある。
【0003】
あるシステムでは、オペレーターが監視端末を操作して電子機器の操作ログを採取して、顧客の操作状況を把握する(例えば特許文献1参照)。また、別のシステムでは、ユーザー側の画像処理装置が、ユーザー操作データを保持して、サポートPCへ送信する(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、別のシステムでは、ある情報端末は、エラーコードを送信し、そのエラーコードに対応するリカバリー策を受信して表示する(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−77419号公報
【特許文献2】特開2010−74522号公報
【特許文献3】特開2005−332129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献3に記載の技術のように、ユーザーに提供したい情報をユーザー側の電子機器に表示させる場合、動画のように動きのある画面表示を行ったほうがユーザーに対する訴求力が高い。このため、ユーザー側の電子機器が、動画再生の可能なブラウザーを有している場合には、電子機器へ動画ファイルを送信して再生させることが好ましい。しかしながら、組込機器の場合、メモリーなどのリソースの制限、処理能力などの観点から、ブラウザーが、動画再生をサポートしていないことがある。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、動画再生をサポートしていないブラウザーを有する電子機器に、動きのある画面表示を行わせる表示制御システム、並びにそのシステムに使用可能な電子機器および画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0009】
本発明に係る表示制御システムは、電子機器と、その電子機器へ表示データを提供する表示データ提供装置とを備える。そして、電子機器は、表示装置と、表示データを受信する通信装置と、表示データから複数の画面データファイルを生成し、複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザーで順番に遷移させて表示装置に表示させる表示制御部とを有する。
【0010】
これにより、電子機器が動画再生をサポートしていないブラウザーを有する場合でも、表示データ提供装置から、動きのある画面表示を電子機器に行わせることができる。
【0011】
本発明に係る電子機器は、ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、所定の外部装置から送信されてくる表示データを受信する通信装置と、表示データから複数の画面データファイルを生成し、複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザーで順番に遷移させて表示装置に表示させる表示制御部とを備える。
【0012】
これにより、電子機器が動画再生をサポートしていないブラウザーを有する場合でも、動きのある画面表示を行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器に加え、次のようにしてもよい。この場合、上述の表示データは、マークアップ言語で記述されたテキストデータ、および画像ファイルを有し、そのテキストデータは、画面内で表示されるテキストメッセージと、そのテキストメッセージおよび画像ファイルに基づく画像のレイアウト情報とを有する。そして、表示制御部は、レイアウト情報に従ってテキストメッセージおよび画像を配置させた画面の画面データファイルを生成する。
【0014】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、上述のテキストデータは、遷移先の画面を指定する遷移情報を有する。そして、表示制御部は、遷移情報に従って画面遷移が行われるように画面データファイルを生成する。
【0015】
また、本発明に係る電子機器は、上記の電子機器のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、表示データは、ユーザーによる問い合わせに対する回答を示す複数の画面を表示させるためのデータである。
【0016】
これにより、サポートサービス提供時に回答を送ることでユーザーサポートを行うことができる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、所定の外部装置から送信されてくる表示データを受信する通信装置と、表示データから複数の画面データファイルを生成し、複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザーで順番に遷移させて表示装置に表示させる表示制御部とを備える。
【0018】
これにより、画像形成装置が動画再生をサポートしていないブラウザーを有する場合でも、動きのある画面表示を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、動画再生をサポートしていないブラウザーを有する電子機器に、動きのある画面表示を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す画像形成装置およびコールセンター端末装置を有するサポートサービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2におけるプッシュ表示データベース内のプッシュ表示データの一例を示す図である。
【図4】図4は、図2に示すシステムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。
【図5】図5は、図4における画面データファイルの生成について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。画像形成装置1は、電子機器の一種であり、複合機である。画像形成装置1は、ユーザー操作を受け付ける操作パネル11を有する。なお、画像形成装置1は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機などといった印刷機能を有する他の装置でもよい。
【0023】
図2は、図1に示す画像形成装置1およびコールセンター端末装置3を有するサポートサービスシステムの構成を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、画像形成装置1は、操作パネル11、通信装置21、印刷装置22、画像読取装置23、および演算処理装置24を備える。
【0025】
操作パネル11は、液晶ディスプレイなどの表示装置11a、およびタッチパネルなどの入力装置11bを備え、ユーザーに対する操作画面の表示およびユーザー操作の検出を行う。
【0026】
また、通信装置21は、ネットワーク2を介して図示せぬホスト装置やコールセンター端末装置3に接続可能であって、所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。なお、ネットワーク2は、LAN(Local Area Network)、インターネットなどを含むコンピューターネットワークである。
【0027】
また、印刷装置22は、例えば電子写真方式で原稿画像を印刷用紙に印刷する内部装置である。
【0028】
また、画像読取装置23は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部装置である。
【0029】
また、演算処理装置24は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターであり、ROMまたは図示せぬ記憶装置に記憶されているプログラムをRAMへロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0030】
画像形成装置1の起動後に、各種プログラムが演算処理装置24により適宜実行される。この実施の形態では、演算処理装置24において、表示制御部31、通信処理部32、要求処理部33、画像処理部34、コントローラー35、状態情報送信部36などの処理部が実現される。
【0031】
表示制御部31は、ブラウザー31aで表示装置11aに画面を表示させるとともに、入力装置11bに対するユーザー操作に従って表示装置11aの画面遷移を行う。また、表示制御部31は、所定のユーザー操作を検出すると、そのユーザー操作に対応する要求を要求処理部33に供給する。また、表示制御部31は、当該画像形成装置1内で発生した所定のエラーが要求処理部33などにより検出されると、そのエラーの内容を示すエラー画面を表示装置11aに表示させる。
【0032】
また、表示制御部31は、コールセンター端末装置3から送信されてくるプッシュ表示データから複数の画面データファイルを生成し、複数の画面データファイルに基づいてブラウザー31aで複数の画面を順番に遷移させて表示装置11aに表示させる。なお、このブラウザー31aは、所定のマークアップ言語で記述されたファイルを解釈し、そのファイルに応じた画面を表示装置11aに表示させる。ただし、このブラウザー31aは、動画再生をサポートしていない。
【0033】
この実施の形態では、プッシュ表示データは、マークアップ言語で記述されたテキストデータ、および画像ファイルを有し、そのテキストデータは、画面内で表示されるテキストメッセージ、並びにそのテキストメッセージおよび画像ファイルに基づく画像のレイアウト情報を有する。そして、表示制御部31は、レイアウト情報に従ってテキストメッセージおよび画像を配置させた画面の画面データファイルを生成する。
【0034】
また、この実施の形態では、上述のテキストデータは、遷移先の画面を指定する遷移情報を有する。そして、表示制御部31は、遷移情報に従って画面遷移が行われるように画面データファイルを生成する。
【0035】
通信処理部32は、通信装置21を制御してコールセンター端末装置3、ホスト装置などとデータ通信を実行する処理部である。
【0036】
また、要求処理部33は、操作パネル11に対するユーザー操作に基づく印刷要求やホスト装置から供給される印刷要求、コピー要求などを受け付け、その要求に応じて、コントローラー35で印刷装置22、画像読取装置23などを制御してジョブを実行する。また、要求処理部33は、操作パネル11の入力装置11bを操作しているユーザーのログイン処理を行うログイン処理部として機能する。ログイン処理では、ユーザーが入力したユーザーIDからユーザーが特定される。また、必要に応じて、ログイン処理では、ユーザーが入力したユーザーIDおよびパスワードに基づいてユーザー認証が行われる。
【0037】
例えば、ホスト装置から、PDL(Page Description Language)、PDF(Portable Document Format)などの所定のデータ形式の原稿データが印刷要求として受信されると、要求処理部33は、その原稿データから画像データを生成する。また、要求処理部33は、操作パネル11に対するユーザー操作によるコピー要求を、表示制御部31から受け付けると、画像読取装置23により読み取られた原稿画像の画像データを取得する。
【0038】
なお、印刷時に適用される印刷設定は、ホスト装置から供給される印刷要求、操作パネル11に対するユーザー操作などで指定される。
【0039】
また、画像処理部34は、その画像データに対して所定の画像処理を実行し、印刷データ(例えば色ごとに2値化された印刷画像データ)を生成する。
【0040】
また、コントローラー35は、印刷装置22、画像読取装置23などの内部装置を監視および制御する処理部である。
【0041】
また、状態情報送信部36は、通信装置21および通信処理部32を使用して、コールセンター端末装置3から状態取得コマンドを受信したときに、表示装置11aの画面画像データと当該画像形成装置1の状態情報を収集してコールセンター端末装置3へ送信する。
【0042】
この実施の形態では、状態情報送信部36は、状態取得コマンドを受信したときに、表示装置11aの画面画像データと内部装置(印刷装置22、画像読取装置23など)の状態情報を収集してサポートサービス端末装置へ送信する。
【0043】
この実施の形態では、状態情報送信部36は、さらに、状態取得コマンドを受信したときに要求処理部33からジョブステータス情報を収集し、状態情報としてジョブステータス情報を送信する。ジョブステータス情報は、待ち状態のジョブ、実行中のジョブの進捗状況を示す情報である。
【0044】
この実施の形態では、状態情報送信部36は、さらに、状態取得コマンドを受信したときにログインしているユーザーのログインユーザー情報を要求処理部33から収集し、状態情報としてログインユーザー情報を送信する。ログインユーザー情報は、ユーザーID、そのユーザーIDの属性情報(ユーザー権限情報、所属部門情報など)を含む。
【0045】
また、この実施の形態では、各画面に画面IDが割り当てられており、状態情報送信部36は、画像データとともに、表示中の画面の画面IDを送信する。また、この実施の形態では、状態情報送信部36は、上述の画像データを圧縮し、圧縮後の画像データを送信するようにしてもよい。
【0046】
一方、コールセンター端末装置3は、コールセンター(つまり、サポートセンター)に設置されているパーソナルコンピューターなどの端末装置であって、ネットワーク2に接続されており、画像形成装置1についてのサポートサービス提供時に、画面画像データおよび状態情報を画像形成装置1から取得する。また、コールセンター端末装置3は、画像形成装置1へプッシュ表示データを提供する表示データ提供装置として機能する。この実施の形態では、プッシュ表示データは、ユーザーによる問い合わせに対する回答を示す複数の画面を表示させるためのデータである。
【0047】
コールセンター端末装置3は、通信装置51、表示装置52、入力装置53、演算処理装置54、および記憶装置55を備える。
【0048】
通信装置51は、ネットワーク2を介して画像形成装置1に接続可能であって、所定の通信プロトコルでデータ通信を行う装置である。
【0049】
表示装置52は、コールセンターのオペレーターに対して、サポートサービス対象の画像形成装置1の情報を表示する、液晶ディスプレイなどの装置である。
【0050】
入力装置53は、コールセンターのオペレーターの操作を受け付ける、キーボードなどの装置である。
【0051】
演算処理装置54は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターであり、ROMまたは記憶装置55に記憶されているプログラムをRAMへロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。
【0052】
記憶装置55は、データやプログラムを予め記憶している、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であって、プッシュ表示データベース64を記憶している。
【0053】
プッシュ表示データベース64は、1または複数のプッシュ表示データを有する。コールセンターのオペレーターにより選択されたプッシュ表示データが、プッシュ表示データベース64から読み出され、画像形成装置1へ提供される。
【0054】
また、プッシュ表示データは、マークアップ言語で記述されたテキストデータ、および画像ファイルを有し、そのテキストデータは、画面内で表示されるテキストメッセージ、並びにそのテキストメッセージおよび画像ファイルに基づく画像のレイアウト情報を有する。この実施の形態では、テキストデータは、XML(Extensible Markup Language)で記述されている。
【0055】
図3は、図2におけるプッシュ表示データベース64内のプッシュ表示データの一例を示す図である。
【0056】
図3に示すプッシュ表示データは、上述のテキストデータを有するXMLファイル71と、そのテキストデータ内で参照されている画像ファイル72−1〜72−Nを有する。画像ファイル72−1〜72−Nは、バイナリーデータであって、PNG形式の画像データを有する。
【0057】
XMLファイル71におけるcontrol要素は、このプッシュ表示データの属性を示す要素であり、1つのscreen要素が、1つの画面に対応する。control要素内のid要素は、このプッシュ表示データのIDを示し、control要素内のimage要素は、このプッシュ表示データによる画面内で画像を表示するか否かを示す。また、screenタグには、その画面のIDが記述されている。screen要素において、explanation要素は、その画面に表示するテキストメッセージを示し、image要素は、その画面に表示する画像の画像ファイルを示し、try要素は、遷移先の画面を示し、Pattern要素は、画面内でのテキストメッセージと画像の配置パターンを指定する。
【0058】
コールセンター端末装置3の起動後に、各種プログラムが演算処理装置54により適宜実行される。この実施の形態では、演算処理装置54において、通信処理部61、遠隔制御部62、状態解析部63などの処理部が実現される。
【0059】
通信処理部61は、通信装置51を制御して画像形成装置1とデータ通信を実行する。
【0060】
遠隔制御部62は、コールセンターのオペレーターの操作に従って、通信装置51および通信処理部61を使用して、オペレーターにより指定された画像形成装置1へ状態取得コマンドを送信する。状態取得コマンドは、画面画像データおよび状態情報の送信要求である。
【0061】
また、遠隔制御部62は、コールセンターのオペレーターの操作により指定されたプッシュ表示データをプッシュ表示データベース64から読み出して、通信装置51および通信処理部61を使用して画像形成装置1へ送信する。
【0062】
なお、遠隔制御部62は、状態解析部63の解析結果に対応するプッシュ表示データを自動的にプッシュ表示データベース64から読み出して、通信装置51および通信処理部61を使用して画像形成装置1へ送信するようにしてもよい。
【0063】
状態解析部63は、状態取得コマンドに対応して画像形成装置1から送信されてくる画面画像データおよび状態情報を受信し、画面画像データに基づく画面画像を表示装置52に表示させるとともに、状態情報を解析し、解析結果を表示装置52に表示させる。例えば、状態解析部63は、状態情報の値とエラー要因との対応関係を蓄積している図示せぬデータベースを参照し、状態情報に基づいて画像形成装置1でのエラー要因を特定して表示させる。
【0064】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0065】
図4は、図2に示すシステムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。
【0066】
ユーザーは、例えば、画像形成装置1を使用中にエラーが発生した場合、電話などを使用してコールセンターへ問い合わせる。コールセンターでは、そのユーザーの応対をするオペレーターが、コールセンター端末装置3を操作して、ユーザーの名称、画像形成装置1のIDなどから、そのユーザーの画像形成装置1を特定する。
【0067】
コールセンター端末装置3では、入力装置53に対するオペレーターの操作に従って、遠隔制御部62が、通信装置51および通信処理部61を使用して、そのユーザーの画像形成装置1へ状態取得コマンドを送信する(ステップS1)。
【0068】
画像形成装置1では、状態情報送信部36が、通信装置21および通信制御部32を使用してその状態取得コマンドを受信すると、その時点の表示装置11aの画面画像をキャプチャーして画面画像データを生成するとともに(ステップS2)、要求処理部33などから状態情報を収集する(ステップS3)。ここでは、状態情報には、画面画像をキャプチャーしたときの日時情報、画面画像をキャプチャーしたときのログインユーザー情報、画面画像をキャプチャーしたときのジョブステータス情報、および画面画像をキャプチャーしたときの内部装置のステータス情報が含まれている。内部装置のステータス情報には、オプションハードウェア(オプションメモリー、フィニッシャーなど)の装着状況(装着の有無など)が含まれる。
【0069】
状態情報送信部36は、画面画像データおよび状態情報を取得すると、通信装置21および通信制御部32を使用して画像形成装置1の機器IDとともにコールセンター端末装置3へ送信する(ステップS4)。
【0070】
コールセンター端末装置3では、遠隔制御部62が、通信装置51および通信処理部61を使用して、機器ID、画面画像データ、および状態情報を受信すると、機器ID、画面画像データ、および状態情報を状態解析部63に渡す。
【0071】
状態解析部63は、状態情報を解析し(ステップS5)、その解析結果を、画面画像データによる画面画像とともに、表示装置52に表示させる(ステップS6)。
【0072】
そして、オペレーターは、その画面画像および解析結果を見ながら、サポートサービスをユーザーに提供する。このとき、オペレーターは、入力装置53を操作して、ユーザーからの問い合わせに対応する回答のプッシュ表示データを選択し、画像形成装置1に送信させる。
【0073】
コールセンター端末装置3では、遠隔制御部62は、入力装置53に対する操作に応じてプッシュ表示データをプッシュ表示データベース64から読み出し、画像形成装置1へ送信する(ステップS7)。
【0074】
画像形成装置1では、表示制御部31は、通信装置21および通信処理部32を使用して、そのプッシュ表示データを受信すると、まず、ブラウザー31aで「回答を開く」ボタンを表示装置11aに表示させる(ステップS8)。
【0075】
その後、ユーザーが入力装置11bを操作して、その「回答を開く」ボタンを押下すると、表示制御部31は、その操作を検出し(ステップS9)、そのプッシュ表示データから、複数の画面のそれぞれについて画面データファイルを作成する(ステップS10)。表示制御部31のブラウザー31aは、作成した複数の画面データファイルに基づいて、例えば所定の時間ごとに、画面を遷移させていき、複数の画面を順番に表示させる(ステップS11)。
【0076】
このようにして、動作再生を行わなくても、動きのある画面表示が行われる。
【0077】
図5は、図4における画面データファイルの生成(ステップS10)について説明するフローチャートである。
【0078】
表示制御部31は、プッシュ表示データのXMLファイル71を先頭から順番に解釈していく。まず、表示制御部31は、属性情報(control要素)を参照し、画像表示を行うか否かを特定する(ステップS21)。例えば、図3におけるXMLファイル71の場合、control要素におけるimage要素の値が1であるので、画像表示を行うと特定される。なお、このimage要素の値が0であれば、画像表示を行わないと特定される。
【0079】
次に、表示制御部31は、XMLファイル71内で画面情報(screen要素)を検索し、画面情報があるか否かを判定する(ステップS22)。
【0080】
表示制御部31は、画面情報(screen要素)があると判定した場合、その画面情報内に、文言情報(explanation要素)があるか否かを判定し(ステップS23)、文言情報がある場合には、その文言情報を読み込んで解釈する(ステップS24)。
【0081】
また、表示制御部31は、その画面情報内に、画像情報(image要素)があるか否かを判定し(ステップS25)、画像情報がある場合には、その画像情報を読み込んで解釈する(ステップS26)。
【0082】
また、表示制御部31は、その画面情報内に、遷移情報(try要素)があるか否かを判定し(ステップS27)、遷移情報がある場合には、その遷移情報を読み込んで解釈する(ステップS28)。
【0083】
そして、表示制御部31は、その画面情報内のレイアウト情報(Pattern要素)を読み込んで解釈し(ステップS29)、検出した文言情報に基づくテキストメッセージおよび画像情報に基づく画像ファイル(または画像ファイルへの参照)の少なくとも一方を使用した画面データファイルを生成する(ステップS30)。このとき、遷移情報がある場合には、遷移情報により指定された画面(つまり、try要素の値と同一の値のIDを有するscreen要素)が、遷移先の画面として指定され、画面データファイル内でその遷移先の画面が指定される。
【0084】
1つの画面についての画面データファイルの生成が完了すると、ステップS22に戻り、表示制御部31は、XMLファイル71内で次の画面情報(screen要素)を検索する。そして、XMLファイル内の最後に到達するまで、表示制御部31は、各画面情報(screen要素)について画面データファイルを生成する。画面データファイルは、ブラウザー31aが解釈可能なXMLで記述される。
【0085】
XMLファイル71に基づくすべての画面データファイルを生成した後、表示制御部31は、ブラウザー31aに、先頭の画面データファイルから順番に解釈させ、遷移情報がある画面については、遷移情報により指定された画面へ遷移させ、画面データファイルに遷移情報がない場合にはその画面で画面遷移を終了する。
【0086】
以上のように、上記実施の形態によれば、画像形成装置1は、コールセンター端末装置3から受信されたプッシュ表示データから複数の画面データファイルを生成し、複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザー31aで順番に遷移させて表示装置11aに表示させる表示制御部31を有する。
【0087】
これにより、動画再生をサポートしていないブラウザーを有する電子機器に、動きのある画面表示を行わせることができる。
【0088】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0089】
例えば、上記実施の形態では、プッシュ表示データは、ユーザーによる問い合わせに対応する回答を表示するためのものであるが、その代わりに、ユーザーに広告や告知を表示するためのものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、例えば、画像形成装置に対するサポートサービスに適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 画像形成装置(電子機器の一例)
3 コールセンター端末装置(表示データ提供装置の一例,外部装置の一例)
11a 表示装置
11b 入力装置
21 通信装置
31 表示制御部
31a ブラウザー
71 XMLファイル(テキストデータの一例)
72−1〜72−N 画像ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と、
前記電子機器へ表示データを提供する表示データ提供装置とを備え、
前記電子機器は、
表示装置と、
前記表示データを受信する通信装置と、
前記表示データから複数の画面データファイルを生成し、前記複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザーで順番に遷移させて前記表示装置に表示させる表示制御部とを有すること、
を特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、
前記ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、
所定の外部装置から送信されてくる表示データを受信する通信装置と、
前記表示データから複数の画面データファイルを生成し、前記複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザーで順番に遷移させて前記表示装置に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記表示データは、マークアップ言語で記述されたテキストデータ、および画像ファイルを有し、
前記テキストデータは、画面内で表示されるテキストメッセージと、前記テキストメッセージおよび前記画像ファイルに基づく画像のレイアウト情報とを有し、
前記表示制御部は、前記レイアウト情報に従って前記テキストメッセージおよび前記画像を配置させた画面の画面データファイルを生成すること、
を特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記テキストデータは、遷移先の画面を指定する遷移情報を有し、
前記表示制御部は、前記遷移情報に従って画面遷移が行われるように前記画面データファイルを生成すること、
を特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示データは、前記ユーザーによる問い合わせに対する回答を示す前記複数の画面を表示させるためのデータであることを特徴とする請求項2から請求項4のうちのいずれか1項記載の電子機器。
【請求項6】
ユーザーの操作を受け付ける入力装置と、
前記ユーザーに対して操作画面を表示する表示装置と、
所定の外部装置から送信されてくる表示データを受信する通信装置と、
前記表示データから複数の画面データファイルを生成し、前記複数の画面データファイルに基づく複数の画面をブラウザーで順番に遷移させて前記表示装置に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44840(P2013−44840A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181191(P2011−181191)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】