説明

表示制御システム

【課題】階層メニューの表示を制御すること。
【解決手段】階層メニューを表示する表示部150と、表示部150が表示している階層メニューにおける各項目の選択入力を受け付ける入力受付部140と、入力受付部140が入力を受け付けた選択入力に応じて、表示部150への階層メニューの表示を制御する制御部110とを備え、制御部110は、階層メニューの第1の階層メニューと、当該第1の階層メニューの各項目のうち入力受付部を介して選択入力された項目に対応する下位階層の第2の階層メニューと、当該第2の階層メニューの各項目に対応する下位階層の第3の階層メニューの一の項目とを含む階層メニュー画面を、表示部150へ表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御システムに関する。特に、本発明は、階層メニューの表示を制御する表示制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末は、様々な機能を備えており、それぞれの機能において、その状態を設定可能である(例えば、特許文献1参照。)。また、各機能は、複数の階層から構成されるメニュー形式でLCD(Liquid Crystal Display)モニタに表示され、GUI(Graphical User Interface)を利用して、設定を変更することが可能である。例えば、機能メニューの構造は、3つの階層から構成されており、上位階層から第1階層、第2階層、第3階層となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−108145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、階層メニューに含まれる各階層のうち、2つまでの階層しか表示画面上に表示しない。そのため、未だ多くの階層に遷移しなければならないという問題があった。また、目的の機能がない階層に到達してしまった場合、上位階層に戻って探しなおさなければならないという煩わしさがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、階層メニューの表示を制御する表示制御システムであって、階層メニューを表示する表示部と、表示部が表示している階層メニューにおける各項目の選択入力を受け付ける入力受付部と、入力受付部が入力を受け付けた選択入力に応じて、表示部への階層メニューの表示を制御する制御部とを備え、制御部は、階層メニューの第1の階層メニューと、当該第1の階層メニューの各項目のうち入力受付部を介して選択入力された項目に対応する下位階層の第2の階層メニューと、当該第2の階層メニューの各項目に対応する下位階層の第3の階層メニューの一の項目とを含む階層メニュー画面を、表示部へ表示させる。
【0006】
なおまた、上記のように発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、この発明によっては、既知の技術と比較して、階層メニューの中から目的の項目を見つけやすく、容易に到達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に係る携帯電話100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】ディスプレイ150に表示される階層メニューの表示画面210の一例を示す図である。
【図3】表示画面210の表示中に右キー142dが押下されたときの表示画面220の一例を示す図である。
【図4】表示画面220の表示中に上キー142a又は下キー142bが押下されたときの表示画面230の一例を示す図である。
【図5】携帯電話100の制御部110の動作フローの一例を示す図である。
【図6】ディスプレイ150に表示される階層メニューの表示画面310の他の例を示す図である。
【図7】携帯電話100の制御部110の動作フローの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、一実施形態に係る携帯電話100のハードウェア構成の一例を示す。携帯電話100は、無線通信を利用した、持ち歩ける電話機である。より具体的に説明すると、携帯電話100は、階層メニューの表示を制御する機能を有する。階層メニューは、メニューの項目を選ぶとその中に複数の項目がある、といったように、複数の階層を持つメニューである。なおまた、携帯電話100は、この発明における「表示制御システム」の利用形態の一例であってよい。
【0011】
携帯電話100は、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ120、キー入力制御部130、各種キー140、及びディスプレイ150を備える。なおまた、CPU110は、この発明における「制御部」の一例であってよい。また、各種キー140は、この発明における「入力受付部」の一例であってよい。また、ディスプレイ150は、この発明における「表示部」の一例であってよい。
【0012】
CPU110は、プログラムを実行することで装置全体の制御やデータの計算・加工を行う。
【0013】
メモリ120は携帯電話100内でデータやプログラムを記憶する装置である。CPU110が実行する各種プログラム又は必要なデータを格納する不揮発性メモリや、CPU110のための作業用領域、データの一時記憶領域を含んでおり、ここで最後に使用した機能を記憶しておく。
【0014】
キー入力制御部130は、ファンクションキー141、方向キー142、ダイヤルキー143等を含む各種キー140からのキー入力を受け付ける入力回路である。ファンクションキー141は特定の機能を即座に呼び出すことができ、メニュー画面を表示する機能も含む。方向キー142にはカーソルを移動させるための上キー142a、下キー142b、左キー142c、右キー142dを含んでいる。ダイヤルキー143は、文字や数字を入力するためのキーである。
【0015】
ディスプレイ150は、携帯電話100の本体の前面に配置されている液晶パネル等の表示装置であり、メニュー画面を表示する。
【0016】
図2は、ディスプレイ150に表示される階層メニューの表示画面210の一例を示す。ファンクションキー141押下で第1階層のメニュー一覧を画面左列に表示した状態で「メール」を選択した場合、画面中央には第2階層として、「メール」の下位階層を表示する。さらに画面右列には第3階層のメニュー一覧を表示する。このとき、第2階層の各機能の隣に第3階層の最後に使用した機能、又は最上列に配置された機能を表示するが、第2階層の機能が最下位階層の場合、空白にする。
【0017】
図3は、表示画面210の表示中に右キー142dが押下されたときの表示画面220の一例を示す。表示画面210の表示中に右キー142d押下で第2階層に遷移した場合、「受信BOX」の下位階層が既に最下位階層のため、画面左列に第2階層、画面中央列に第3階層のメニュー一覧を表示し、画面右列は空白にする。第1階層は非表示にする。
【0018】
図4は、表示画面220の表示中に上キー142a又は下キー142bが押下されたときの表示画面230の一例を示す。表示画面220の表示中に上キー142a又は下キー142b押下で同位階層の「メール設定」に移動した場合、複数の下位階層を有するため、第3階層の各機能の隣に第4階層の最後に使用した機能、又は最上列に配置された機能を画面右列に表示するが、第3階層の機能が最下位階層の場合、空白にする。
【0019】
なおまた、図1から図3に示すいずれの表示画面においても、選択している機能はしていない機能より大きく表示して強調する。
【0020】
図5は、携帯電話100の制御部110の動作フローの一例を示す。携帯電話100の使用者によってファンクションキー141が押下されると(S301:YES)、携帯電話100の制御部110は、ディスプレイ150を縦に3分割し、第1階層のメニュー一覧を左列に表示する(S102)。
【0021】
そして、上キー142a又は下キー142bが押下されて、目的の機能に見合った項目へカーソルが移動されると、制御部110は、下位階層のメニュー一覧をディスプレイ150を縦3分割したうちの中央列に表示する(S103)。
【0022】
そして、中央列に表示されているメニューの各機能が最下位階層でない場合(S104:NO)、制御部110は、各機能の隣に、最後に使用した機能又は最上列に配置されている機能を表示する(S105)。一方、中央列に表示されているメニューの各機能が最下位階層の場合(S104:YES)、制御部110は、その機能の隣を空白にする(S106)。
【0023】
そして、目的の機能が表示され(S307:YES)、方向キー142で遷移し、決定キーが押下されると、その機能を起動させる(S108)。目的の機能に到達しておらず(S307:NO)、右キー142dが押下されて下位階層に移動する場合、制御部110は、左列のメニュー一覧を非表示にし、中央列の一覧を左列に、右列の一覧を中央列に移動する(S109)。これを、目的の機能に到達するまで繰り返す。
【0024】
以上で説明したように本発明によれば、画面上に3つまで階層を表示することができるため、既知のメニュー表示より目的の機能が見つけやすく、容易に到達することができる。また、最後に使用した機能が表示されることで、使用頻度の高い機能に容易に到達することができる。
【0025】
図6は、ディスプレイ150に表示される階層メニューの表示画面310の他の例を示す。本発明のほかの実施例として、その基本的構成は上記の通りであるが、既に画面上に階層が3列表示されている状態で下位階層に遷移する場合、表示画面310上部に上位階層のタブ312を表示させてもよい。目的の機能に到達できなかった場合、ファンクションキー141に含まれるタブ操作ボタン311に対応するキーを押下して、操作対象を表示画面310上部のタブ312に切り替えることで、遷移したい上位階層に戻ることができる。
【0026】
図7は、携帯電話100の制御部110の動作フローの他の例を示す。図7に示す動作フローは、ステップS209の処理だけが図5に示す動作フローの処理と異なる。目的の機能に到達しておらず(S207:NO)、右キー142dが押下されて下位階層に移動する場合、制御部110は、カーソルをあてたと同時に左列のメニュー一覧をタブ312として画面上部に表示し、中央列の一覧を左列、右列の一覧を中央列に移動する(S209)。その後は、図5に示す動作フローの処理と同様にして、これを目的の機能に到達するまで繰り返す。
【0027】
この実施例によって、目的の機能に到達するまでに階層を4つ以上遷移しなければならない場合でも、上位階層に即座に戻ることができる。
【0028】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0029】
100 携帯電話
110 CPU
120 メモリ
130 キー入力制御部
140 キー
141 ファンクションキー
142 方向キー
142a 上キー
142b 下キー
142c 左キー
142d 右キー
143 ダイヤルキー
150 ディスプレイ
210 表示画面
220 表示画面
230 表示画面
310 表示画面
311 タブ操作キー
312 タブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層メニューの表示を制御する表示制御システムであって、
階層メニューを表示する表示部と、
前記表示部が表示している階層メニューにおける各項目の選択入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部が入力を受け付けた選択入力に応じて、前記表示部への階層メニューの表示を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、階層メニューの第1の階層メニューと、当該第1の階層メニューの各項目のうち前記入力受付部を介して選択入力された項目に対応する下位階層の第2の階層メニューと、当該第2の階層メニューの各項目に対応する下位階層の第3の階層メニューの一の項目とを含む階層メニュー画面を、前記表示部へ表示させる
ことを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第3の階層メニューの一の項目として、前記第3の階層メニューの各項目のうち、最後に選択された項目を含む階層メニュー画面を、前記表示部へ表示させる
請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第3の階層メニューの一の項目として、前記第3の階層メニューの各項目のうち、初期設定の表示順の優先の度合いが最も高い項目を含む階層メニュー画面を、前記表示部へ表示させる
請求項1又は2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2の階層メニュー又は前記第3の階層メニューが存在しない場合、当該階層メニューの項目を表示させない
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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