説明

表示制御装置、テレビジョン受像機、表示制御方法、プログラム、および記録媒体

【課題】視聴する番組を決定する際の選局操作に係る手間を軽減し、視聴者が視聴する番組を容易に決定できるようにする。
【解決手段】テレビジョン受像機は、任意の2以上の放送局について、予め定められた間隔よりも短い間隔で行われた選局操作が、予め定められた回数繰り返して行われた場合、ディスプレイの画面表示を複数画面表示に切り替える表示画面制御部312を備え、視聴者が同時に複数の放送番組の内容を確認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示手段の画面表示を制御することが可能な表示制御装置、テレビジョン受像機、表示制御方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くのテレビジョン受像機では、地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送等、様々な放送局の番組を視聴することが可能となっている。視聴者は、嗜好するジャンルの番組を視聴するために、テレビ番組表等を利用して、視聴可能な多数の番組の中から嗜好するジャンルの番組を探し出し、その番組を放送する放送局を選局する選局操作を行う必要があった。
【0003】
また、嗜好するジャンルの複数の番組が同時に放送されている場合もある。例えば、嗜好するジャンルの2つの番組が同時に放送されている場合、視聴者は、一方の視聴を断念したり、一方の番組を録画して後日視聴したり、頻繁に選局操作を行って双方の番組を交互に視聴することもあった。
【0004】
このように、視聴者が嗜好するジャンルの複数の番組を視聴するためには、手間や時間が係る等、様々な不都合が生じていた。そこで、従来、このような不都合を軽減し、嗜好するジャンルの複数の番組を、容易に視聴者に視聴させるための、様々な技術が考案されている。
【0005】
例えば、下記特許文献1には、視聴者の好みのジャンル又はキーワードを条件として予め記憶しておき、この条件に合致する番組が所定時間視聴された後、この番組から他の番組にチャンネルが切り替えられると、この番組と他の番組とを2画面表示するテレビジョンシステムが開示されている。このテレビジョンシステムによれば、他の番組の視聴中も、元の番組の進行状態を確認することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−167083号公報(2008年7月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、視聴者は、テレビ番組表に拠らず、ザッピングと呼ばれる頻繁な選局操作行うことにより、現在放送されている複数の番組の中から、視聴する番組を決定する場合がある。テレビ番組表に示されている情報だけでは、視聴する番組を決定しきれず、実際に放送されている複数の番組の各々を一部視聴して、これらを比較することにより、これから視聴する番組を決定する場合があるからである。
【0008】
この場合、視聴者は、選局操作に応じて表示される放送番組がめまぐるしく変わる中、タイミング良く所望するシーンが表示されたときに、そのときに選局されていた放送番組を視聴する放送番組として決定することが多い。それだけでなく、より好ましい放送番組を求めて、さらに選局操作を行う場合がある。このため、視聴する放送番組を決定するためには、多くの手間や時間が必要となっていた。
【0009】
特許文献1に記載の技術は、条件を予め設定しておく必要があるうえに、このように選局操作を繰り返し行うことにより視聴する番組を決定することは想定されておらず、例え特許文献1に記載の技術を利用したとしても、依然として、視聴する放送番組を決定するためには、多くの手間や時間が必要となる。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、視聴する番組を決定する際の選局操作に係る、視聴者の手間を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するため、本発明に係る表示制御装置は、表示手段の画面表示を制御する表示制御装置であって、予め定められた条件を満たす選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、複数画面表示に切り替える表示画面制御手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、どの番組を視聴しようか迷っているために、予め定められた条件を満たす選局操作が繰り返し行われると、自動的に複数画面表示に切り替える。視聴者は、この複数画面表示により、同時に複数の放送番組の内容を確認することができるため、視聴する番組を容易に決定することができる。また、事前の設定や切り替え操作を視聴者に行わせることなく、自動的に複数画面表示に切り替えるため、視聴者の手間を軽減することができる。
【0013】
上記表示制御装置において、前記表示画面制御手段は、予め定められた間隔よりも短い間隔で行われた選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、複数画面表示に切り替えることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、どの番組を視聴しようか迷っているために、短い間隔の選局操作が繰り返し行われると、自動的に複数画面表示に切り替えることとなる。これにより、視聴者がどの番組を視聴しようか迷っているタイミングを適切に捕捉し、その適切なタイミングで、複数画面表示に切り替えることができる。
【0015】
上記表示制御装置において、前記表示画面制御手段は、任意の2以上の放送局の各々を選局する選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、前記2以上の放送局の各々が選局された状態の複数画面表示に切り替えることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、任意の複数の番組のいずれを視聴しようか迷っているために、これら複数の番組の各々を選局する選局操作が繰り返し行われると、自動的にこれら複数の番組の複数画面表示に切り替えることとなる。これにより、視聴者がどの番組を視聴しようか迷っているタイミングを適切に捕捉し、その適切なタイミングで、複数画面表示に切り替えることができる。
【0017】
また、視聴の候補となっている複数の番組が複数番組表示されるため、さらなる選局操作等を行うことなく、視聴者はこれら複数の番組の中からどの番組を視聴するかを検討することができる。
【0018】
上記表示制御装置において、前記表示画面制御手段は、前記表示手段の画面表示が前記複数画面表示に切り替えられている状態において、当該複数画面表示において選局されている複数の放送局のうちのいずれか一の放送局をさらに選局する選局操作が行われた場合、当該一の放送局の画面のサイズの比率が高くなるように、当該一の放送局の画面のサイズと他の放送局の画面のサイズとの比率を変更することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、ユーザは、任意の一の放送局の画面のサイズが拡大されることによって、その放送局の番組の内容の詳細を容易に確認することができる。特に、選局操作によって画面のサイズを拡大することができるので、ユーザは、慣れない操作を行ったりする必要がなく、普段から使い慣れている選局操作によって、直感的かつ容易に、画面サイズを拡大することができる。
【0020】
また、本発明に係るテレビジョン受像機は、上記表示制御装置を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏するテレビジョン受像機を提供することができる。
【0022】
また、本発明に係る表示制御方法は、表示手段の画面表示を制御する表示制御方法であって、予め定められた条件を満たす選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、複数画面表示に切り替える表示画面制御工程を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、当該表示制御方法を表示制御装置が実行することにより、この表示制御装置は、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる。
【0024】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記表示制御装置が備える前記各手段として機能させるプログラムである。
【0025】
本発明によれば、コンピュータが当該プログラムを実行することにより、このコンピュータは、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる。
【0026】
また、本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0027】
本発明によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる上記プログラムを当該記録媒体により提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る通信機器、表示制御装置、テレビジョン受像機、表示制御方法、プログラム、および記録媒体によれば、事前の設定や切り替え操作を視聴者に行わせることなく、自動的に複数画面表示に切り替えることができるため、視聴する番組を決定する際の選局操作に係る、視聴者の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係るテレビジョン受像機の外観を示す図である。
【図2】実施形態1に係るテレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係るテレビジョン受像機が備える表示制御機能の構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態1に係るテレビジョン受像機による表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施形態1に係るテレビジョン受像機における選局操作の一例を示す図である。
【図6】実施形態1に係るテレビジョン受像機における2画面表示の一例を示す図である。
【図7】実施形態2に係るテレビジョン受像機による表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施形態2に係るテレビジョン受像機における選局操作の一例を示す図である。
【図9】実施形態2に係るテレビジョン受像機における2画面表示の一例を示す図である。
【図10】実施形態に係るテレビジョン受像機による2画面表示の制御の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0031】
(実施形態1)
(テレビジョン受像機100の概要)
まず、本発明に係る実施形態1について説明する。はじめに、図1を参照して、実施形態1に係るテレビジョン受像機100の概要について説明する。図1は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100の外観を示す図である。
【0032】
図1に示すテレビジョン受像機100は、地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送等の各種放送番組を、対応するアンテナおよびチューナによって受信し、受信した放送番組を再生することによって、これら各種放送番組を視聴者に視聴させることができる装置である。
【0033】
テレビジョン受像機100は、本体102およびリモコン104を備えて構成されている。本体102は、同軸ケーブルによって外部アンテナ110に接続されており、これにより、各放送局から放送された放送波を受信することが可能となっている。
【0034】
リモコン104は、本体102とは別体に設けられており、テレビジョン受像機100に対して、選局操作を含む各種操作を行うためのものである。
【0035】
なお、本体102には、操作ボタン252が設けられている。テレビジョン受像機100は、この操作ボタン252によっても、選局操作を含む各種操作を行うことが可能となっている。
【0036】
(テレビジョン受像機100の構成)
次に、図2を参照して、テレビジョン受像機100の構成について説明する。図2は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100(本体102)の構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、テレビジョン受像機100は、チューナユニット200、ディスプレイ駆動回路208、ディスプレイ210、音声出力回路212、スピーカ214、制御回路250、操作ボタン252、リモコン受光部254、外部機器I/F256、および通信I/F258を備えている。
【0038】
(チューナユニット)
チューナユニット200は、チューナ202、デモジュレータ204、デマルチプレクサ206を有している。
【0039】
チューナ202は、地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送等の各種放送番組の放送波を外部アンテナ110を介して受信する。チューナ202によって受信された放送波は、デモジュレータ204に供給される。
【0040】
デモジュレータ204は、供給された放送波を復調することによってTS(Transport Stream)を得る。デモジュレータ204によって得られたTSは、デマルチプレクサ206に供給される。
【0041】
デマルチプレクサ206は、供給されたTSから映像信号および音声信号を分離する。デマルチプレクサ206によってTSから分離された映像信号(圧縮ビデオデータ)は、図示を省略するビデオデコーダによってデコードされ、デジタルビデオデータとなって、ディスプレイ駆動回路208へ供給される。一方、デマルチプレクサ206によってTSから分離された音声信号(圧縮音声データ)は、図示を省略するオーディオデコーダによってデコードされ、デジタルオーディオデータとなって、音声出力回路212へ供給される。
【0042】
(ディスプレイ駆動回路、ディスプレイ)
ディスプレイ駆動回路208は、供給された映像信号に応じてディスプレイ210を駆動することにより、放送番組を構成する映像を、ディスプレイ210に表示させる。本実施形態のテレビジョン受像機100は、ディスプレイ210として、液晶ディスプレイを採用しているが、これ以外にも、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管ディスプレイ等が採用され得る。
【0043】
(音声出力回路、スピーカ)
音声出力回路212は、供給された音声信号に応じてスピーカ214を駆動することにより、放送番組を構成する音声をスピーカ214から出力させる。
【0044】
(制御回路)
制御回路250は、CPU、ROM、RAM等によって構成されており、ROM、RAM等に記録されているプログラムをCPUが実行することにより、テレビジョン受像機100の各部を制御する。
【0045】
(操作ボタン、リモコン受光部)
操作ボタン252は、テレビジョン受像機100の本体102に設けられており、テレビジョン受像機100に対する各種操作を行うためのものである。
【0046】
リモコン受光部254は、リモコン104により発せられた赤外光を受光することにより、リモコン104によるテレビジョン受像機100に対する各種遠操作を受け付けるためのものである。
【0047】
すなわち、テレビジョン受像機100は、リモコン104による操作と、操作ボタン252による操作との双方を行うことが可能となっている。ユーザは、リモコン104または操作ボタン252を操作することによって、テレビジョン受像機100に対して、電源のON/OFF、選局、音量調整、入力切り替え、各種設定、録画、再生等の操作を行うことができる。
【0048】
(外部機器I/F)
外部機器I/F256は、外部機器へのアクセスを制御する。例えば、テレビジョン受像機100は、BDレコーダやHDDレコーダ等のレコーダを接続することにより、このレコーダに放送番組を録画したり、このレコーダに録画されている放送番組を再生したりすることができる。その際、レコーダへのアクセスは、この外部機器I/F256によって制御されることとなる。
【0049】
(通信I/F)
通信I/F258は、LANやインターネット等の通信ネットワークへのアクセスを制御する。例えば、テレビジョン受像機100は、インターネットに接続することにより、インターネットから放送番組をダウンロードして再生したり、インターネットからテレビ番組情報等の各種情報を取得して表示したり、インターネットに対して懸賞の応募情報等の各種情報を送信したりすることができる。その際、インターネットへのアクセスは、この通信I/F258によって制御されることとなる。
【0050】
(Wチューナ、複数画面表示)
ここで、本実施形態のテレビジョン受像機100は、2つのチューナユニット200(チューナユニットAおよびチューナユニットB)が設けられており、それぞれが独立して動作することができる。すなわち、2つのチューナユニット200は、互いに異なる放送局の放送番組を出力することができる。
【0051】
これに応じて、本実施形態のテレビジョン受像機100は、表示制御部220および音声切替部230をさらに備えており、これらの制御によって、いずれか一方のチューナユニットから出力された映像信号を用いて、ある1つの放送番組を1画面表示したり、双方のチューナユニットの各々から出力された映像信号を用いて、ある2つの放送番組を2画面表示したり、一方のチューナユニット200を用いてある放送番組を視聴しつつ、他方のチューナユニット200を用いて他の放送番組を録画したりすることが可能となっている。
【0052】
例えば、いずれか一方のチューナユニット200から出力された1つの放送番組を1画面表示する場合、表示制御部220によって、その放送番組の映像信号が選択的にディスプレイ駆動回路208へ出力され、音声切替部230によって、その放送番組の音声信号が選択的に音声出力回路212へ出力される。
【0053】
また、双方のチューナユニット200から出力された2つの放送番組を2画面表示する場合、表示制御部220によって、2つの放送番組が所定のレイアウトで2画面表示されるように、2つの放送番組の各々の映像信号がディスプレイ駆動回路208へ出力される。
【0054】
このとき、音声が出力されない場合もあるし、音声切替部230によって、いずれか一方の放送番組(例えば、優先度の高い放送番組)の音声信号が選択的に音声出力回路212へ出力される場合もある。
【0055】
さらに、本実施形態のテレビジョン受像機100は、表示制御部220の制御によって、放送番組だけでなく、文字放送データや、電子番組表、各種設定画面等を表示することも可能となっている。
【0056】
(表示制御機能)
ここで、本実施形態のテレビジョン受像機100は、ディスプレイ210の画面表示を制御する表示制御機能として、予め定められた条件を満たす選局操作が、予め定められた回数行われると、ディスプレイ210の表示画面を自動的に2画面表示に切り替える機能を備えている。例えば、この表示制御機能は、図2に示した表示制御部220によって実現される。以下、図3〜図6を参照して、この表示制御機能について、具体的に説明する。
【0057】
(表示制御機能の構成)
まず、図3を参照して、テレビジョン受像機100が備える表示制御機能の構成について説明する。図3は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100が備える表示制御機能の構成を示すブロック図である。図3に示すように、テレビジョン受像機100の表示制御部220は、選局操作受付部302、選局部304、記憶部306、タイマ部308、判断部310、表示画面制御部312、表示画面生成部314、番組表データ取得部316、および電子番組表生成部318を有している。
【0058】
(選局操作受付部302)
選局操作受付部302は、テレビジョン受像機100に対する選局操作を受け付ける。既に説明したとおり、視聴者は、リモコン104または操作ボタン252を操作することにより、テレビジョン受像機100に対する選局操作を行う。
【0059】
具体的には、選局操作は、各チャンネルが割り当てられた複数の数字ボタン、または「チャンネル」等と併記されている上下ボタン等によって行われる。前者の場合、ある数字ボタンが押下されると、その数字ボタンに割り当てられている放送局が直接選局されるようになっている。後者の場合、上下ボタンが押下されると、現在選局されている放送局に前後する放送局が選局されるようになっている。将来的には、ユーザのモーションや、音声入力等によって選局操作がなされることも考え得る。
【0060】
このような選局操作に応じて、リモコン104または操作ボタン252からは、選局操作に応じた制御信号が送られてくる。例えば、この制御信号には、選局されたチャンネル(放送局の識別番号)や、チャンネルのアップ/ダウンが示されている。選局操作受付部302は、この制御信号を受信することにより、テレビジョン受像機100に対する選局操作を受け付けることとなる。
【0061】
(選局部304)
選局部304は、選局操作受付部302によって選局操作が受け付けられると、その選局操作に応じた選局処理を行う。例えば、選局部304は、上記選局操作によって選局されたチャンネルや、チャンネルのアップ/ダウンを、チューナユニット200に対して指示する。これに応じて、チューナユニット200は、外部アンテナ110を介して受信した複数の放送波の中から、指示に応じたチャンネルの放送波を抽出し、このチャンネルの放送番組の映像信号および音声信号を出力する。これにより、ディスプレイ210には、選局されたチャンネルの放送番組を構成する映像が表示され、スピーカ214からは、その放送番組を構成する音声が出力されることとなる。
【0062】
選局部304は、視聴者によって選局操作が行われ、この選局操作を選局操作受付部302が受け付ける毎に、上記のとおり、その選局操作に応じた選局処理を行う。
【0063】
(番組表データ取得部316)
番組表データ取得部316は、各放送番組の番組表データを取得する。例えば、チューナユニット200が受信した放送波には、映像信号に番組表データが重畳されている。そこで、番組表データ取得部316は、チューナユニット200から受信した映像信号から番組表データを抽出することにより、番組表データを取得することができる。
【0064】
(電子番組表生成部318)
電子番組表生成部318は、番組表データ取得部316が取得した各放送番組の番組表データを用いて、電子番組表を生成する。
【0065】
(表示画面生成部314)
表示画面生成部314は、表示用の画面を生成する。具体的には、表示画面生成部314は、放送番組や、電子番組表、文字放送データ等が、予め定められた表示レイアウトで表示されるように、その表示用の画面を生成する。
【0066】
例えば、表示モードとして「1画面表示」が選択されている場合、表示画面生成部314は、各チューナユニット200から受信した放送番組を1画面表示するための画面を生成する。
【0067】
また、表示モードとして「2画面表示」が選択されている場合、各チューナユニット200から受信した放送番組を2画面表示するための画面を生成する。
【0068】
上記各表示モードの切り替えは、リモコン104、操作ボタン252、または表示画面制御部312によってなされる。
【0069】
また、電子番組表の表示が指示された場合、表示画面生成部314は、電子番組表生成部318によって生成された電子番組表を表示するための画面を生成する。電子番組表の表示の指示は、例えば、リモコン104の所定のキーが選択されることによってなされる。
【0070】
また、文字放送データの表示が指示された場合、表示画面生成部314は、電子番組表生成部318によって生成された電子番組表を表示するための画面を生成する。文字放送データの表示の指示は、例えば、リモコン104の所定のキーが選択されることによってなされる。
【0071】
表示画面生成部314によって生成された画面は、ディスプレイ駆動回路208に供給され、ディスプレイ210に表示されることになる。
【0072】
(記憶部306)
記憶部306は、判断部310による判断条件を記憶する。具体的には、後述するように、判断部310は、ディスプレイ210の画面表示を、2画面表示に切り替えるか否かの判断処理を行う。記憶部306は、この判断処理のための判断条件を記憶する。例えば、記憶部306は、上記判断条件として、間隔T、および回数Nを記憶する。これら判断条件は、予め定められており、例えば、製品の出荷時に、既に記憶部306に格納されている。なお、これら判断条件は、製品の出荷後に、視聴者等の設定により、任意の値が記憶部306に格納されてもよい。
【0073】
(タイマ部308)
タイマ部308は、選局操作の間隔を計測する。例えば、タイマ部308は、はじめに選局操作が行われると、選局操作の間隔の計測を開始する。そして、次の選局操作が行われると、選局操作の間隔の計測を終了する。これと同時に、タイマ部308は、次の選局操作の間隔の計測を開始する。タイマ部308は、これを繰り返し行うことにより、選局操作の間隔を、繰り返し計測する。
【0074】
(判断部310)
判断部310は、ディスプレイ210の画面表示を、複数画面表示に切り替えるか否かを判断する。具体的には、判断部310は、間隔Tよりも短い間隔で行われた選局操作が、N回行われた場合、ディスプレイ210の画面表示を、複数画面表示に切り替えると判断する。
【0075】
判断部310は、選局操作が行われるごとに、タイマ部308によって計測されたその選局操作が行われるまでの間隔と、記憶部306に記憶されている間隔Tとを比較することによって、その選局操作の間隔が間隔Tよりも短いか否かを判断することができる。
【0076】
そして、判断部310は、“間隔Tよりも短い間隔で行われた”と判断された選局操作の回数をカウントすることにより、間隔Tよりも短い間隔で行われた選局操作が、N回行われたか否かを判断することができる。
【0077】
なお、判断部310は、間隔Tよりも短い間隔で行われた選局操作が、連続で行われなくとも、予め定められた時間内にN回行われた場合、“ディスプレイ210の画面表示を、複数画面表示に切り替える”と判断するようにしてもよい。
【0078】
(表示画面制御部312)
表示画面制御部312は、ディスプレイの画面表示を制御する。例えば、表示画面制御部312は、ディスプレイ210の画面表示の複数画面表示への切り替えを制御する。
【0079】
特に、表示画面制御部312は、“ディスプレイ210の画面表示を、複数画面表示に切り替える”と判断部310によって判断された場合、これに応じて、ディスプレイ210の画面表示を、複数画面表示に切り替える。複数画面表示とは、複数の放送局の放送番組を複数の画面(ここでいう画面とは、ソフトウェア的に定義された表示領域である。ディスプレイの表示パネルの表示領域(すなわち、ハードウェア的な表示領域)を画面と呼ぶこともあるが、これとは異なるものである。)により同時に表示する表示モードを示す。
【0080】
特に、本実施形態では、表示画面制御部312は、ディスプレイ210の画面表示を2画面表示に切り替え、2つの放送局の放送番組を2つの画面により同時に表示することが可能となっている。
【0081】
(他の機能)
表示制御部220は、上記した機能以外にも、表示画面のサイズや、明るさ、色などを調整する機能等を有している。これらの機能は、一般的なテレビジョン装置が備える機能のため、詳細な説明は省略する。
【0082】
(表示制御処理の手順)
次に、図4を参照して、テレビジョン受像機100による表示制御処理の手順について説明する。図4は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100による表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0083】
この表示制御処理は、例えば、放送番組の視聴中であり、かつディスプレイ210の画面表示が1画面表示となっているときに、表示制御部220によって実行される。なお、テレビジョン受像機100は、この表示制御処理を実行するか否か(すなわち、各条件が満たされた場合に自動的に2画面表示に切り替えるか否か)をユーザが任意に設定できるように構成されていてもよい。
【0084】
まず、選局操作受付部302により、最初の選局操作を受け付けると(ステップS402)、表示制御部220は、カウント変数nを初期化(n=0)し(ステップS404)、タイマ部308の計測値tをリセットし(ステップS406)、タイマ部308による計測を開始させる(ステップS408)。
【0085】
その後、選局操作受付部302により、次の選局操作を受け付けると(ステップS410)、判断部310により、タイマ部308の計測値tが、記憶部306に記憶されている間隔Tよりも小さいか否かを判断する(ステップS412)。
【0086】
ステップS412において、計測値tが間隔Tよりも大きいと判断された場合(ステップS412:No)、表示制御部220は、処理をステップS404へ戻す。
【0087】
一方、ステップS412において、計測値tが間隔Tよりも小さいと判断された場合(ステップS412:Yes)、表示制御部220は、カウント変数nに1を追加する(ステップS414)。そして、判断部310により、カウント変数nが回数Nに達したか否かを判断する(ステップS416)。
【0088】
ステップS416において、カウント変数nが回数Nに達していないと判断された場合(ステップS416:No)、表示制御部220は、処理をステップS406へ戻す。
【0089】
一方、ステップS416において、カウント変数nが回数Nに達したと判断された場合(ステップS416:Yes)、表示画面制御部312により、ディスプレイ210の画面表示を、2画面表示に切り替える(ステップS418)。そして、表示制御部220は、表示制御処理を終了する。
【0090】
上記表示制御処理において、表示制御部220は、カウント変数nが回数Nに達したと判断された場合(ステップS416:Yes)、ディスプレイ210の画面表示を2画面表示に切り替えるか否かのメッセージ(例えば、「ザッピングモードに切り替えますか?」)をディスプレイ210に表示する等して、2画面表示に切り替えるか否かをユーザに選択させ、2画面表示へ切り替えることが選択された場合に、ディスプレイ210の画面表示を2画面表示に切り替え、反対に、2画面表示へ切り替えないことが選択された場合には、ディスプレイ210の画面表示を2画面表示に切り替えないようにしてもよい。
【0091】
なお、テレビジョン受像機100は、上記表示制御処理による場合に限らず、リモコン104の2画面表示ボタンが選択される等、2画面表示へ切り替えるための操作がユーザによってなされた場合も、そのタイミングで2画面表示へ切り替えることもできる。
【0092】
(画面表示切り替えの具体例)
次に、図5および図6を参照して、実施形態1に係るテレビジョン受像機100における画面表示切り替えの具体例について説明する。図5は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100における選局操作の一例を示す図である。図6は、実施形態1に係るテレビジョン受像機100における2画面表示の一例を示す図である。
【0093】
図5に示す例では、チャンネルボタンまたはチャンネルアップ/ダウンボタンによる、4回の選局操作が行われた例を図示している。ここで、各選局操作の間隔をt1、t2、t3、t4とする。また、間隔Tとして「1秒」が、回数Nとして「4回」が、予め設定されているとする。
【0094】
このような条件のもと、間隔t1〜t4のいずれもが、「1秒」よりも短い場合、すなわち、間隔Tとして設定されている「1秒」よりも短い選局操作が、回数Nとして設定されている「4回」連続して行われた場合、テレビジョン受像機100は、ディスプレイ210の画面表示を自動的に2画面表示へ切り替える。
【0095】
図6に示す画面600は、上記切り替えにより、ディスプレイ210に表示される画面の一例である。この画面600においては、画面602と画面604とが横方向に並べて2画面表示されている。
【0096】
例えば、2画面表示に切り替えられたときに、画面602および画面604で選局される放送局は、各チューナユニットによって2画面表示の直前まで選局されていた放送局である。
【0097】
例えば、視聴者は、画面602または画面604を選択し、選択した画面に対する選局操作を個別に行うことができる。また、視聴者は、画面602または画面604を選択し、選択した画面に表示されている番組の1画面表示に切り替えることもできる。
【0098】
視聴者は、このような2画面表示により、複数の番組を同時に視聴することができるので、これから視聴する番組の検討を効率的に行うことができる。また、視聴者は、この2画面表示により、複数の番組を同時に視聴し続けることもできる。
【0099】
表示制御部220は、このように2画面表示されている状態から、この2画面表示を続けてもよく、自動的に1画面表示への切り替えを行うようにしてもよい。例えば、表示制御部220は、2画面表示に切り替えられてから所定時間が経過した後、自動的に1画面表示へ切り替えたり、2画面表示に切り替えられてからさらなる選局操作が行われずに所定時間が経過した後、自動的に1画面表示へ切り替えたりしてもよい。
【0100】
(効果)
以上のように、本実施形態のテレビジョン受像機100は、予め定められた間隔よりも短い間隔で行われた選局操作が、予め定められた回数行われた場合、ディスプレイ210の画面表示を、自動的に複数画面表示に切り替えることとした。
【0101】
これにより、視聴者は、事前の設定や切り替え操作を行わなくとも、複数画面表示に切り替えることができる。
【0102】
また、視聴者は、複数画面表示により、複数の放送番組の内容を同時に確認することができるため、視聴する番組の検討を効率的に行うことができる。
【0103】
したがって、本実施形態のテレビジョン受像機100によれば、視聴する番組を決定する際の選局操作に係る、視聴者の手間を軽減することができる。
【0104】
(実施形態2)
次に、本発明に係る実施形態2について説明する。この実施形態2は、2画面表示に切り替えるか否かを判断するための判断条件が、実施形態1と異なる。この相違点以外は、実施形態1と同様である。このため、以下では、実施形態1との相違点について説明する。
【0105】
(タイマ部308)
この実施形態2では、タイマ部308は、はじめの選局操作が開始されてからの経過時間を計測する。例えば、タイマ部308は、はじめに選局操作が行われると、選局操作が開始されてからの経過時間tの計測を開始する。そして、タイマ部308は、上記経過時間が、予め定められた設定時間Tに達すると、当該経過時間の計測を終了する。そして、次の選局操作が行われると、次の上記経過時間の計測を開始する。タイマ部308は、これを繰り返し行うことにより、選局操作が開始されてからの経過時間tを、繰り返し計測する。
【0106】
(判断部310)
この実施形態2では、判断部310は、予め定められた設定時間T内に、複数の放送局の各々を選局する選局操作が予め定められた回数であるN回行われた場合、ディスプレイ210の画面表示を、上記複数の放送局の各々が選局された状態の複数画面表示に切り替えると判断する。
【0107】
例えば、判断部310は、経過時間tの計測開始時からの、各放送局の選局操作が行われた回数をカウントし、経過時間tが設定時間Tに達する前に、カウント数がN回に達した放送局が複数発生した場合、これら複数の放送局の各々が選局された状態の複数画面表示に切り替えると判断する。
【0108】
(表示画面制御部312)
表示画面制御部312は、“ディスプレイ210の画面表示を、複数の放送局の各々が選局された状態の複数画面表示に切り替える”と判断部310によって判断された場合、これに応じて、ディスプレイ210の画面表示を、複数の放送局の各々が選局された状態の複数画面表示に切り替える。
【0109】
例えば、上記設定時間T内に、1chおよび8chの各々に対して、選局操作がN回行われた場合、表示画面制御部312は、ディスプレイ210の画面表示を、1chおよび8ch各々が選局された状態の2画面表示に切り替える。
【0110】
(表示制御処理の手順)
次に、図7を参照して、テレビジョン受像機100による表示制御処理の手順について説明する。図7は、実施形態2に係るテレビジョン受像機100による表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0111】
この表示制御処理は、例えば、放送番組の視聴中であり、かつディスプレイ210の画面表示が1画面表示となっているときに、表示制御部220によって実行される。なお、テレビジョン受像機100は、この表示制御処理を実行するか否か(すなわち、各条件が満たされた場合に自動的に2画面表示に切り替えるか否か)をユーザが任意に設定できるように構成されていてもよい。
【0112】
まず、選局操作受付部302により、最初の選局操作を受け付けると(ステップS702)、表示制御部220は、各放送局のカウント変数nをそれぞれ初期化(n=0)し(ステップS704)、タイマ部308の経過時間tをリセットし(ステップS706)、タイマ部308による経過時間tの計測を開始させる(ステップS708)。
【0113】
その後、判断部310により、経過時間tが、記憶部306に記憶されている設定時間Tよりも大きいか否かを判断する(ステップS710)。
【0114】
ステップS710において、経過時間tが設定時間Tよりも大きいと判断された場合(ステップS710:Yes)、表示制御部220は、処理をステップS704へ戻す。
【0115】
一方、ステップS710において、経過時間tが設定時間Tよりも小さいと判断された場合(ステップS710:No)、選局操作受付部302により、次の選局操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS712)。
【0116】
ステップS712において、次の選局操作を受け付けていないと判断された場合(ステップS712:No)、表示制御部220は、処理をステップS710へ戻す。
【0117】
一方、ステップS712において、次の選局操作を受け付けたと判断された場合(ステップS712:Yes)、判断部310により、選局された放送局のカウント変数nに1を追加する(ステップS714)。例えば、選局された放送局が「1ch」であれば、「1ch」のカウント変数nに1を追加し、「8ch」であれば、「8ch」のカウント変数nに1を追加する。
【0118】
そして、判断部310により、1が追加されたカウント変数nが回数Nに達したか否かを判断する(ステップS716)。
【0119】
ステップS716において、カウント変数nが回数Nに達していないと判断された場合(ステップS716:No)、表示制御部220は、処理をステップS710へ戻す。
【0120】
一方、ステップS716において、カウント変数nが回数Nに達したと判断された場合(ステップS716:Yes)、判断部310により、複数の放送局のカウント変数nが回数Nに達したか否かを判断する(ステップS718)。
【0121】
ステップS718において、複数の放送局のカウント変数nが回数Nに達していないと判断された場合(ステップS718:No)、表示制御部220は、処理をステップS710へ戻す。
【0122】
一方、ステップS718において、複数の放送局のカウント変数nが回数Nに達したと判断された場合(ステップS718:Yes)、表示画面制御部312により、ディスプレイ210の画面表示を、この複数の放送局の各々が選局された状態の2画面表示に切り替える(ステップS720)。そして、表示制御部220は、表示制御処理を終了する。
【0123】
上記表示制御処理において、表示制御部220は、複数の放送局のカウント変数nが回数Nに達したと判断された場合(ステップS718:Yes)、ディスプレイ210の画面表示を2画面表示に切り替えるか否かのメッセージ(例えば、「**chと**chの2画面に切り替えますか?」)をディスプレイ210に表示する等して、2画面表示に切り替えるか否かをユーザに選択させ、2画面表示へ切り替えることが選択された場合に、ディスプレイ210の画面表示を2画面表示に切り替え、反対に、2画面表示へ切り替えないことが選択された場合には、ディスプレイ210の画面表示を2画面表示に切り替えないようにしてもよい。
【0124】
(画面表示切り替えの具体例)
次に、図8および図9を参照して、実施形態2に係るテレビジョン受像機100における画面表示切り替えの具体例について説明する。図8は、実施形態2に係るテレビジョン受像機100における選局操作の一例を示す図である。図9は、実施形態2に係るテレビジョン受像機100における2画面表示の一例を示す図である。
【0125】
図8に示す例では、チャンネルボタンによる、4回の選局操作(2つの放送局の各々が、2回選局された操作)が行われた例を図示している。ここで、この4回の選局操作を開始してから終了するまでの経過時間をtとする。また、設定時間Tとして「5秒」が、回数Nとして「2回」が、予め設定されているとする。
【0126】
このような条件のもと、経過時間tが「5秒」よりも短い場合、すなわち、設定時間Tとして設定されている「5秒」以内に、このように、2つの放送局の各々が、回数Nとして設定されている「2回」以上選局された場合、テレビジョン受像機100は、ディスプレイ210の画面表示を自動的に、上記2つの放送局の2画面表示へ切り替える。
【0127】
図9に示す画面900は、上記切り替えにより、ディスプレイ210に表示される画面の一例である。この画面900においては、画面902と画面904とが横方向に並べて2画面表示されている。画面902は、上記選局操作における一方の放送局(1ch)が選局されている状態となっており、画面904は、上記選局操作における他方の放送局(8ch)が選局されている状態となっている。
【0128】
視聴者は、このような2画面表示により、候補としていた複数の番組を同時に視聴することができるので、これから視聴する番組の検討を効率的に行うことができる。また、視聴者は、この2画面表示により、候補としていた複数の番組を同時に視聴し続けることもできる。
【0129】
なお、このように2画面表示された場合も、例えば、視聴者は、画面902または画面904を選択し、選択した画面に対する選局操作を個別に行うことができる。また、視聴者は、画面902または画面904を選択し、選択した画面の1画面表示に切り替えることもできる。
【0130】
表示制御部220は、このように2画面表示されている状態から、この2画面表示を続けてもよく、自動的に1画面表示への切り替えを行うようにしてもよい。例えば、表示制御部220は、2画面表示に切り替えられてから、一方の画面に表示されている番組が終了した場合、他方の画面に表示されている番組の1画面表示へ切り替えるようにしてもよい。
【0131】
(効果)
以上のように、本実施形態のテレビジョン受像機100は、予め定められた時間内に、2以上の放送局の各々に対し、この放送局を選局する選局操作予め定められた回数行われた場合、ディスプレイ210の画面表示を、自動的に複数画面表示に切り替えることとした。
【0132】
これにより、視聴者は、事前の設定や切り替え操作を行わなくとも、複数画面表示に切り替えることができる。
【0133】
また、視聴者は、この複数画面表示により、候補としていた複数の放送番組の内容を同時に確認することができるため、視聴する番組の検討を効率的に行うことができる。
【0134】
したがって、本実施形態のテレビジョン受像機100によれば、視聴する番組を決定する際の選局操作に係る、視聴者の手間を軽減することができる。
【0135】
(2画面表示の制御の一例)
図10は、実施形態に係るテレビジョン受像機100による2画面表示の制御の一例を示す。テレビジョン受像機100は、ディスプレイ210の画面表示が2画面表示となっている状態で、図10に示すような2画面表示の制御を行うことができる。このような2画面表示の制御は、例えば、図3に示した表示画面制御部312によって実現される。
【0136】
図10(a)〜(h)のそれぞれは、テレビジョン受像機100による画面表示の表示形態の一例を示している。
【0137】
特に、図10(a)〜(g)のそれぞれは、テレビジョン受像機100による2画面表示の表示形態の一例を示している。
【0138】
このうち、図10(a)〜(h)では、いずれも、画面1002と画面1004とが横方向に並べて2画面表示されており、画面1002では第1の放送局(8ch)が選局されており、画面1004では第2の放送局(1ch)が選局されている点では同じであるが、画面1002のサイズと、画面1004のサイズとの比率(以下、「画面サイズ比」と示す。)が異なる。
【0139】
例えば、図10(a)では、上記画面サイズ比が、概ね50:50となっている。例えば、各実施形態で説明した手順によって、自動的に2画面表示に切り替えられた際、この図10(a)の状態となり得る。または、ユーザが直接的に2画面表示に切り替えた場合も、この図10(a)の状態となり得る。
【0140】
図10(a)の状態から、第1の放送局または第2の放送局が選局された場合、選局された放送局に応じて、上記画面サイズ比が変更される。
【0141】
例えば、図10(a)の状態から、第1の放送局が選局された場合、画面1002のサイズの比率が高くなるように、上記画面サイズ比が変更され、テレビジョン受像機100による2画面表示は、図10(e)の状態(画面サイズ比=概ね60:40)となる。
【0142】
繰り返し第1の放送局が選局されることにより、その都度、画面1002のサイズの比率が高くなるように、上記画面サイズ比が変更され、図10(g)に示すように、最終的には、画面1002の1画面表示となる。
【0143】
途中で、第2の放送局が選局された場合、その都度、上記画面サイズ比は、変更される前の状態に戻されていく。
【0144】
反対に、図10(a)の状態から、第2の放送局が選局された場合、画面1004のサイズの比率が高くなるように、上記画面サイズ比が変更され、テレビジョン受像機100による2画面表示は、図10(e)の状態(画面サイズ比=概ね40:60)となる。
【0145】
同様に、繰り返し第2の放送局が選局されることにより、その都度、画面1004のサイズの比率が高くなるように、上記画面サイズ比が変更され、図10(d)に示すように、最終的には、画面1004の1画面表示となる。
【0146】
同様に、途中で、第1の放送局が選局された場合、その都度、上記画面サイズ比は、変更される前の状態に戻されていく。
【0147】
なお、図10では、図10(a)の状態において、他の放送局が選局された場合には、図10(h)に示すように、その放送局(図10(h)の例では6ch)の画面1006が1画面表示されることが示されているが、図10(b)〜(g)の状態においても、他の放送局が選局された場合には、その放送局の画面1006が1画面表示されることとなる。
【0148】
このように、実施形態のテレビジョン受像機100によれば、2画面表示されている状態において、一方の放送局を選局することで、その放送局の画面のサイズを拡大することができる。また、一方の放送局を繰り返し選局することで、その放送局の画面のサイズを徐々に拡大することができる。これにより、ユーザは、拡大された画面によって、気になる放送局の番組の内容の詳細を容易に確認することができる。
【0149】
特に、選局操作に伴って画面のサイズを拡大することができるので、ユーザは、2画面表示への切り替えボタンや拡大/縮小ボタンを探し出したり、慣れない操作を行ったりする必要がなく、普段から使い慣れている選局操作によって、直感的かつ容易に、気になる放送局の画面サイズを拡大することができる。
【0150】
また、1画面表示とならない限り、他方の放送局の画面は表示され続けるので、ユーザは、気になる放送局の内容を確認しつつ、他方の放送局の内容を確認することもできる。これにより、例えば、ユーザは、他方の放送局の画面において、急に興味のある内容が表示された場合等にも、これを把握することができる。
【0151】
なお、上記例では、一方の画面のサイズを拡大した場合、他方の画面のサイズを縮小するようにしているが、他方の画面のサイズは固定されたままであってもよい。
【0152】
(プログラム、記憶媒体)
実施形態で説明したテレビジョン受像機100の各機能は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0153】
例えば、テレビジョン受像機100は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の各種記憶装置(記録媒体)を備えている。そして、上記CPUが、上記各種記憶装置に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することによって、テレビジョン受像機100の各機能を実現することができる。
【0154】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類等を用いることができる。
【0155】
なお、上記プログラムは、通信ネットワークを介してテレビジョン受像機100に供給されてもよい。この通信ネットワークは、少なくとも上記プログラムをテレビジョン受像機100に伝送可能であればよく、その種類はどのようなものであっても良い。例えば、通信ネットワークとしては、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0156】
また、上記プログラムをテレビジョン受像機100に供給するための伝送媒体としても、どのような種類のものを利用しても良い。例えば、伝送媒体として、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線によるものを利用しても良い。また、伝送媒体として、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE80211無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線によるものを利用しても良い。
【0157】
(補足説明)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、また、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0158】
(本発明の適用対象)
実施形態では、モニタとチューナとが一体化されているテレビジョン受像機に本発明を適用した例を説明しているが、本発明は、モニタとチューナとが別体となっているテレビジョン受像機にも適用することができる。
【0159】
また、実施形態では、本発明をテレビジョン受像機に適用した例を説明したが、少なくともチューナ機能を備えているものであれば、これ以外の装置にも、本発明を適用することができる。例えば、チューナ機能を備えたチューナ装置単体、レコーダ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、PDA、カーナビゲーション装置等にも、本発明を適用することができる。
【0160】
(複数画面表示の表示形態)
実施形態(図6、図9、および図10)に示した2画面表示は、複数画面表示の単なる一例であり、本発明を適用するにあたり、複数画面表示の表示形態はどのようなものであってもよい。
【0161】
例えば、実施形態では、自動的に2画面表示に切り替えることとしているが、3画面以上の画面を含む複数画面表示に切り替えるようにしてもよい。
【0162】
また、実施形態では、複数の画面を横方向に並べて表示しているが、それ以外の方向に並べて表示したり、2つの画面を重ねて表示したりする等、複数の画面のレイアウトはどのようなものであってもよい。
【0163】
また、実施形態では、基本的に複数の画面のサイズを同じサイズとしているが、複数の画面のサイズを異なるサイズとしてもよい。
【0164】
また、複数画面表示の際の音声出力形態はどのようなものであってもよい。例えば、一つの画面に対応する音声のみを出力してもよく、複数の画面に対応する複数の音声の各々を出力してもよく、いずれの音声も出力しないようにしてもよい。
【0165】
また、2画面表示に切り替えられた際の放送番組の組み合わせはどのようなものであってもよい。例えば、地上デジタル放送同士の組み合わせ、BSデジタル放送同士の組み合わせ、CSデジタル放送同士の組み合わせ、地上デジタル放送とBSデジタル放送との組み合わせ、地上デジタル放送とCSデジタル放送との組み合わせ、BSデジタル放送とCSデジタル放送との組み合わせが考え得るが、これ以外の組み合わせであってもよい。例えば、一方の画面に放送番組を表示し、他方の画面に電子番組表を表示してもよい。
【0166】
2つの画面に表示する内容をどのような組み合わせとするかは、予め設定されていてもよく、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は、チューナ機能を備えたテレビジョン受像機、チューナ装置、携帯電話機、スマートフォン、PDA、パーソナルコンピュータ等の各種機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0168】
100 テレビジョン受像機(表示制御装置)
102 本体
104 リモコン
200 チューナユニット
210 ディスプレイ(表示手段)
252 操作ボタン
220 表示制御部
302 選局操作受付部
304 選局部
306 記憶部
308 タイマ部
310 判断部
312 表示画面制御部(表示画面制御手段)
314 表示画面生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段の画面表示を制御する表示制御装置であって、
予め定められた条件を満たす選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、複数画面表示に切り替える表示画面制御手段
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示画面制御手段は、
予め定められた間隔よりも短い間隔で行われた選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、複数画面表示に切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示画面制御手段は、
任意の2以上の放送局の各々を選局する選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、前記2以上の放送局の各々が選局された状態の複数画面表示に切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示画面制御手段は、
前記表示手段の画面表示が前記複数画面表示に切り替えられている状態において、当該複数画面表示において選局されている複数の放送局のうちのいずれか一の放送局をさらに選局する選局操作が行われた場合、当該一の放送局の画面のサイズの比率が高くなるように、当該一の放送局の画面のサイズと他の放送局の画面のサイズとの比率を変更する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示制御装置を備えたことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項6】
表示手段の画面表示を制御する表示制御方法であって、
予め定められた条件を満たす選局操作が、予め定められた回数行われた場合、前記表示手段の画面表示を、複数画面表示に切り替える表示画面制御工程
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1から4のいずれか一項に記載の表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記表示制御装置が備える前記各手段として機能させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−115766(P2013−115766A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262800(P2011−262800)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】