説明

表示制御装置、表示制御装置の制御方法およびプログラム

【課題】ショートカットキーに割り当てられたメニューによる設定や動作指示が無効であることを認識させ、ショートカットキーに不具合が生じているという誤認識を防ぐことを目的とする。
【解決手段】本発明は、当該表示制御装置に関する設定または動作指示を行うための、複数のメニューで構成される階層メニューのうち、特定のメニューを表示させる特定の操作手段と、特定のメニューによる設定または動作指示が可能な状態で特定の操作手段が操作された場合には特定のメニューを表示手段に表示し、特定のメニューによる設定または動作指示が不可能な状態で特定の操作手段が操作された場合には特定のメニューよりも上位階層のメニューを表示手段に表示すると共に、特定のメニューに移行するためのメニュー項目が無効であることを識別可能に表示するように制御する表示制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話などの機器は、高機能化および多機能化しており、機能の肥大化が進んでいる。機能の肥大化に応じてユーザが使用するためのユーザインターフェースも肥大化している。例えば、ユーザインターフェースとして一般的に知られている階層メニューでは、階層が深化し、メニュー項目数が増加している。その結果、目的のメニュー項目にたどり着くまでに、いくつも階層を下がったり、多くの画面をスクロールしたりする必要が生じる。したがって、目的のメニュー項目にたどり着くまでの操作が多く、時間がかかるという問題がある。
【0003】
このような問題に対して、特許文献1にはユーザの好みに応じて自由に機能を割り当てることができる外装キーを備えた情報記録再生装置が開示されている。外装キーに特定のメニュー画面を直接開くショートカット機能を割り当てておくことで、キー操作一つで繰り返し使うメニューを表示できるようになり、使い勝手の改善を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−203910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、ユーザがメニュー項目を選択して機器の設定や動作指示を行う場合、機器の動作状態に応じてその設定や動作指示が有効の場合と無効の場合がある。選択した設定や動作指示が無効な場合、メニュー項目を選択してもメニューが表示されないように制御されている。したがって、ショートカット機能が割り当てられたショートカットキーを操作しても割り当てられたメニューが表示されない。すなわち、ショートカットキーを操作してもショートカット機能が動作しないため、ユーザは選択した設定や動作指示が無効な状態であるのか、あるいはショートカットキーに不具合が生じているのかを判断することができないという問題がある。また、ユーザが外装キーを操作して機器の設定状態を確認したい場合であっても、その設定や動作指示が無効な状態ではショートカットキーを用いた設定状態の確認をすることができないという問題がある。
【0006】
なお、上述した特許文献1の情報記録再生装置では、メニュー画面を開いたときの操作について開示されているものの、表示させたいメニューの設定や動作指示が無効である場合にどのように処理をするかについては開示されていない。
【0007】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、ショートカットキーに割り当てられたメニューによる設定や動作指示が無効であることをユーザに認識させ、ショートカットキーに不具合が生じているという誤認識を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示制御装置は、当該表示制御装置に関する設定または動作指示を行うための、複数のメニューで構成される階層メニューのうち、特定のメニューを表示させる特定の操作手段と、前記特定のメニューによる設定または動作指示が可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューを表示手段に表示し、前記特定のメニューによる設定または動作指示が不可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューよりも上位階層のメニューを表示手段に表示すると共に、前記特定のメニューに移行するためのメニュー項目が無効であることを識別可能に表示するように制御する表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定の操作手段に割り当てられたメニューによる設定や動作指示が無効であることをユーザに認識させ、特定の操作手段に不具合が生じているという誤認識を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示制御装置の外観の構成を示す図である。
【図2】表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】メニュー画面の表示例を示す図である。
【図4】第1の実施形態のメニュー表示処理を示すフローチャートである。
【図5】メニュー画面の表示例を示す図である。
【図6】第2の実施形態のメニュー表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。本実施形態では、表示制御装置としてデジタルビデオカメラを例にして説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態のデジタルビデオカメラは、ショートカットキーの押下に応じてショートカットキーに割り当てられたメニューを表示する動作を行う。
図1は、デジタルビデオカメラ100の外観の構成を示す図である。
デジタルビデオカメラ100は、表示部101、撮影ボタン102、モード切替スイッチ103、操作部104、コントローラホイール104a、電源スイッチ105、記録媒体106、記録媒体スロット107、蓋108、コネクタ109などを備える。
【0012】
表示部101は、画像や各種情報を表示する。撮影ボタン102は、ユーザが撮影指示を行うためのボタンである。モード切替スイッチ103は、ユーザがデジタルビデオカメラ100の動作モードを切り替えるためのスイッチであり、その詳細は後述する。操作部104は、ユーザによる各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタンおよびタッチパネルなどの操作部材を含んでいる。操作部104には、回転操作が可能なコントローラホイール104aが含まれる。電源スイッチ105は、デジタルビデオカメラ100の電源オン、電源オフを切り替えるために使用される。記録媒体106は、半導体メモリ、メモリカード、磁気ディスク、ハードディスクなどである。記録媒体スロット107は、記録媒体106を格納するためのスロットである。記録媒体スロット107に格納された記録媒体106は、デジタルビデオカメラ100との通信が可能であり、デジタルビデオカメラ100で撮影した映像を記録する。蓋108は、記録媒体スロット107を閉塞するためのものである。コネクタ109は、接続ケーブル110とデジタルビデオカメラ100とを接続する。
【0013】
図2は、デジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。なお、図1と同一の構成は同一符号を付して適宜、その説明を省略する。
デジタルビデオカメラ100は、撮影レンズ201、撮像部202、A/D変換器203、バリア204、画像処理部205、メモリ制御部206、システム制御部207、メモリ208、D/A変換器209を有している。また、デジタルビデオカメラ100は、不揮発性メモリ210、バックアップメモリ211、システムメモリ212、システムタイマ213、電源制御部214、電源部215、記録媒体I/F216を有している。
【0014】
撮影レンズ201は、ズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。撮像部202は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子などで構成される撮像素子である。A/D変換器203は、撮像部202から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。バリア204は、デジタルビデオカメラ100の撮影レンズ201を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ201、撮像部202を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0015】
画像処理部205は、A/D変換器203からの画像データまたはメモリ制御部206からの画像データに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部205では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部207が露光制御、測距制御を行う。更に、画像処理部205では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0016】
A/D変換器203からの画像データは、画像処理部205およびメモリ制御部206を介してまたはメモリ制御部206を介してメモリ208に直接書き込まれる。メモリ208は、撮像部202によって得られA/D変換器203によりデジタルデータに変換された画像データや表示部101に表示するための画像データを格納する。メモリ208は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ208は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器209は、メモリ208に格納されている表示用の画像データをアナログ信号に変換して表示部101に供給する。メモリ208に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器209を介して表示部101に表示される。
【0017】
表示部101は、LCDなどの表示器上にD/A変換器209からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器203によって一度A/D変換されメモリ208に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器209においてアナログ変換し、表示部101に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像の表示を行える。
【0018】
不揮発性メモリ210は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROMなどが用いられる。不揮発性メモリ210には、システム制御部207の動作用の定数、プログラムなどが記録される。このプログラムは、本実施形態の後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムである。バックアップメモリ211は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROMやSRAMなどが用いられる。バックアップメモリ211には、ユーザ設定情報などが記録される。
【0019】
システム制御部207は、デジタルビデオカメラ100全体を制御する。システム制御部207が上述した不揮発性メモリ210に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ212は、例えばRAMが用いられる。システムメモリ212には、システム制御部207の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ210から読み出したプログラムなどを展開する。また、システム制御部207は、メモリ208、D/A変換器209、表示部101などを制御することにより表示制御も行う。
【0020】
システムタイマ213は、各種制御に用いる時間や内蔵された時計の時間を計測する計時部である。撮影ボタン102、モード切替スイッチ103、操作部104はシステム制御部207に各種の動作指示を入力するためのものである。なお、撮影ボタン102およびモード切替スイッチ103は、操作部104の一部として構成することができる。
モード切替スイッチ103は、システム制御部207の動作モードを撮影モード(静止画撮影モード、動画撮影モード)、再生モードなどの何れかのモードに切り替えるためのスイッチである。静止画撮影モードに含まれるモードとしてオート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモードなどがある。モード切替スイッチ103により静止画撮影モードに含まれる上述したモードの何れかに直接切り替えることができる。なお、モード切替スイッチ103により静止画撮影モードに一旦切り替えた後に、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードの何れかに、他の操作部材を用いて切り替えるように構成してもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0021】
システム制御部207は、撮影ボタン102により撮像部202からの信号読み出しから記録媒体106に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。操作部104の各操作部材は、表示部101に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能キーとして作用する。機能キーとしては、例えば終了キー、戻るキー、画像送りキー、ジャンプキー、絞込みキー、属性変更キー、ショートカットキー、メニューキーなどがある。例えば、メニューキーが押下されると各種の設定可能なメニューが表示部101に表示される。ユーザは表示部101に表示されたメニューと上下左右の十字キーやセットキーとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0022】
ショートカットキーは、本実施形態における階層構造を有するメニューのうち、特定のメニューを開くための操作部材である。ショートカットキーは複数備えられていてもよく、複数のショートカットキーにそれぞれ異なるメニューを割り当てることができる。
メニューキーは、階層構造を有するメニューのトップメニュー(最上位階層のメニュー)か、前回メニューを閉じたときと同じメニューを開くための操作部材である。
ここでは、各種キーはデジタルビデオカメラ100の外装に備えられた操作部材として説明するが、タッチパネルを使ったソフトキーの操作でも同様の効果が得られる。
【0023】
コントローラホイール104aは、操作部104に含まれる操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する場合などに使用される。コントローラホイール104aを回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部207はデジタルビデオカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール104aが回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。なお、コントローラホイール104aは回転操作を検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール104a自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサなどの操作部材であって、コントローラホイール104a自体は回転せず、コントローラホイール104a上でのユーザの指の回転動作などを検出する、いわゆるタッチホイールであってもよい。
【0024】
電源制御部214は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などにより構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部214は、その検出結果およびシステム制御部207の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体106を含む各部へ供給する。電源部215は、アルカリ電池やリチウム電池などの一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池などの二次電池、ACアダプターなどからなる。記録媒体I/F216は、記録媒体106とのインターフェースである。
【0025】
次に、本実施形態に用いられる、デジタルビデオカメラ100に関する各種設定や動作指示を行うためのメニューについて説明する。
本実施形態に用いられるメニューは、階層型のメニュー(階層メニュー)であり、設定可能な項目がその機能の種類によって分類されている。階層型のメニューは、グループ化した下位階層メニューと、その下位階層メニューへ移行するための入り口となるメニュー項目からなる上位階層メニューとから構成される。最上位階層(1階層目)メニュー、すなわちトップメニューは、例えば「Camera Setup」「Audio Setup」「Video Setup」「Other Functions」「Custom Menu」などのメニュー項目から構成される。
【0026】
ここで、トップメニューにおいて「Other Functions」のメニュー項目を選択した場合、トップメニューの1階層下である「Other Functions」のメニュー(2階層目メニュー)が表示される。「Other Functions」のメニューは、例えば「Reset」「Time Zone」「Clock Set」「WFM」「Language」「Wireless Controller」のメニュー項目から構成される。更に、「Other Functions」のメニューは、例えば「Tally Lamp」「Media Access LED」「NTSC/PAL」「Bit Rate/Resolution」「Frame Rate」などのメニュー項目から構成される。
【0027】
次に、2階層目メニューに含まれる「Reset」を選択した場合、更に1階層下の「Reset」のメニュー(3階層目メニュー)が表示される。「Reset」のメニューは、例えば「CF−A」「CF−B」「SD−CARD」などのメニュー項目から構成される。すなわち、「Reset」のメニューは、初期化する記録媒体をCFカードA、CFカードB、SDカードの何れにするかを選択するためのメニューである。
次に、3階層目メニューに含まれる「SD−CARD」を選択した場合、更に1階層下の「SD−CARD」のメニュー(4階層目メニュー)が表示される。「SD−CARD」のメニューは、例えば設定値候補として「実行」「キャンセル」などのメニュー項目から構成される。このうち何れかを選択して決定することで、設定値候補の示す動作あるいは設定が実行される。例えば、「SD−CARD」の「実行」が指示されると、デジタルビデオカメラ100に装着された複数の記録媒体106のうちSDカードが初期化(フォーマット)される。ここでは、「SD−CARD」のメニューより下の階層はなく、「SD−CARD」のメニューが最下位階層のメニューとなる。
【0028】
図3は、表示部101に表示されるメニュー画面の表示例を示す図である。
図3(A)は、下位階層のメニューを表示する場合に下位階層のメニューに至るまでの上位階層のメニュー項目を表示する表示例である。図3(A)において、301は各階層のメニュー項目であり、302は3階層目メニューDで設定可能な設定値候補である。図3(A)において一部斜線で示されているのは、1階層目メニューD、2階層目メニューC、3階層目メニューDが順番に選択され、3階層目メニューDを構成する設定値候補1〜3のうち設定値候補3が選択されている状態を示している。このメニュー画面は、設定値候補1〜3の何れかを選択するためのメニューであり、最下位階層の3階層目メニューDである。
【0029】
図3(B)は、メニュー画面の他の表示例であり、最下位階層のメニュー名と、メニュー項目としての設定値候補の一覧とを表示する表示例である。図3(B)において、303は3階層目メニューDで設定可能な設定値候補であり、304は選択している設定値候補を示すためのカーソルである。メニュー名は、1つ上の階層のメニューであって、最下位階層のメニューを開くためのメニュー項目の名称と一致している。このように、図3(B)は、図3(A)に示すような下位階層のメニューに至るまでの上位階層のメニュー項目を表示しない表示例である。
【0030】
図3(C)は、メニュー画面の他の表示例であり、3階層目メニューDの1階層上の2階層目メニューCのメニュー項目を表示する表示例である。図3(C)において、305は2階層目メニューCのメニュー項目であり、3階層目メニューDと同一階層の3階層目メニューA〜Dを選択するための選択肢である。ここでは、図3(A)に示す3階層目メニューDにおける処理を実行またはキャンセルして1階層上のメニューに移行した場合、それまで作業を行っていた3階層目メニューDのメニュー項目が選択された状態で1階層上の2階層目メニューCが表示される。
【0031】
本実施形態のデジタルビデオカメラ100では、複数のショートカットキーのそれぞれに、最下位階層のメニューのうち任意のメニューを割り当てることができる。ユーザが最下位階層のメニューが割り当てられたショートカットキーを押下することで、割り当てられたメニューをすぐに開くことができる。
例えば、3階層目メニューDが割り当てられたショートカットキーが押下されると、図3(A)または図3(B)に示すようなメニュー画面が表示される。これによりトップメニューなどから階層を下がる操作を行って3階層目メニューDのメニューを開くまでの操作を省略することができ、素早く所望のメニューを開くことができる。
【0032】
次に、ショートカットキーにメニューを割り当てる方法(登録方法)について説明する。
まず、ユーザは操作部104を介して何れかのメニューに含まれるメニュー項目「アサイン(割り当て)」を選択する。システム制御部207は、何れのショートカットキーにメニューを割り当てるのかを選択する設定値候補としての選択肢を表示する。ここでは、選択肢として、例えば「ショートカットキーA」、「ショートカットキーB」、「ショートカットキーC」などが表示される。
次に、ユーザは十字キーを用いてメニューを割り当てたいショートカットキーを選択して、セットキーを押下する。システム制御部207は、選択されたショートカットキーにどのメニューを割り当てるのかを選択するためのメニューを表示する。これは、上述したトップメニューとほぼ同様のメニューである。
【0033】
ユーザは操作部104を介して、表示されたメニューから下位階層のメニューに移行させ、所望の最下位階層のメニューを選択した状態でセットキーを押下する。システム制御部207は、ショートカットキーに選択されたメニューを割り当て、メニューとショートカットキーとを対応付けてショートカット機能情報としてバックアップメモリ211に記録する。なお、バックアップメモリ211に記録されたショートカット機能情報は、システム制御部207がデジタルビデオカメラ100の電源をオフする前に不揮発性メモリ210に記録する。したがって、次回再び電源をオンした場合でも同じ割り当てが再現される。
【0034】
次に、ショートカットキーに割り当てられたメニューの設定や動作指示が無効な場合にショートカットキーに不具合が生じているという誤認識を防ぐことができるデジタルビデオカメラ100の動作について説明する。図4は、第1の実施形態のメニュー表示処理を示すフローチャートである。このフローチャートにおける各処理は、システム制御部207が不揮発性メモリ210に記録されたプログラムをシステムメモリ212に展開して実行することにより実現される。
【0035】
まず、ステップS401では、システム制御部207はユーザにより操作部104のうちショートカットキーが押下されたか否かを検出する。システム制御部207は複数のショートカットキーのうち何れかのショートカットキーが押下されたことを検出すると、ステップS402へ進む。一方、システム制御部207はショートカットキーが押下されたことを検出せず、ショートカットキー以外の操作を検出すると、ステップS406へ進む。
【0036】
ステップS402では、システム制御部207はバックアップメモリ211に記録されているショートカット機能情報から、ステップS401で押下されたショートカットキーに割り当てられたメニューの情報を取得する。また、システム制御部207は割り当てられたメニューでの設定または動作指示が不可となる条件(以下、設定不可の条件という)を取得し、ステップS403へ進む。
ステップS403では、システム制御部207はステップS402で取得した設定不可の条件を満たしているか否か、すなわちステップS402で取得したシートカットキーに割り当てられたメニューでの設定または動作指示が可能であるか否かを判定する。設定または動作指示が可能である場合にはステップS404へ進み、不可能である場合にはステップS405へ進む。
ステップS404では、システム制御部207はステップS402で取得したメニューの情報に対応するメニューを表示部101に表示する。例えば表示部101には、図3(A)または図3(B)に示すようなメニュー画面が表示される。
【0037】
一方、ステップS405では、システム制御部207はステップS402で取得したメニューの情報に対応するメニューの1階層上のメニューを表示部101に表示する。このとき、システム制御部207は1階層上のメニューに表示されるメニュー項目のうち、ステップS402で取得したショートカットキーに割り当てられたメニューに移行するためのメニュー項目を選択した状態で表示する。更に、システム制御部207は選択した状態のメニュー項目が現在、設定不可能であることをユーザに識別可能に、例えばメニュー項目をグレーアウトさせて表示するなど表示形態を変えて表示する。
【0038】
図5は、ショートカットキーに割り当てられたメニューが「3階層目メニューD」であり、「3階層目メニューD」のメニューでの設定または動作指示が不可能であると判定された場合の表示例である。図5では、「3階層目メニューD」のメニューの1階層上の「2階層目メニューC」のメニューが表示されている。また、メニュー項目である3階層目メニューA〜Dのうち、「3階層目メニューD」に移行するためのメニュー項目である「3階層目メニューD」をグレーアウトさせて無効状態であることを識別可能に表示されている。この状態でユーザがセットキーを押下しても、システム制御部207は「3階層目メニューD」のメニューに移行しない。
【0039】
例えば、ショートカットキーに上述の「SD−CARD」が割り当てられ、SDカードが装着されていない場合には「SD−CARD」に関する設定は行えない。したがって、システム制御部207は「SD−CARD」のメニューよりも1階層上の「Reset」のメニューを開く。次に、システム制御部207は表示される「CF−A」「CF−B」「SD−CARD」のメニュー項目のうち、「SD−CARD」をグレーアウトした上で、「SD−CARD」を選択した状態で表示する。これにより、ユーザはショートカットキーに割り当てられたメニューが、「SD−CARD」であることを認識できる上に、現在は使用できないために「SD−CARD」のメニューが開けないことを認識できる。
【0040】
一方、ステップS406では、システム制御部207はユーザにより操作部104のうちメニューキーが押下されたか否かを検出する。メニューキーが押下された場合にはステップS407へ進み、押下されていない場合にはステップS401へ戻る。
ステップS407では、システム制御部207はトップメニューまたは前回、メニューを閉じたときの直前に表示していたメニューを表示する。具体的には、システム制御部207はデジタルビデオカメラ100の電源がオンされた後に初めてメニューキーが押下された場合にはトップメニューを開き、そうではない場合には前回、メニューを閉じたときの直前に表示していたメニューを開く。したがって、システム制御部207は、このような処理を行うために、メニューを閉じるときに直前に表示していたメニューの情報をシステムメモリ212に記録する。
【0041】
ステップS408では、システム制御部207はユーザによる操作部104を介した操作(メニュー操作)に応じた処理を行う。すなわち、ユーザが十字キーの上下で操作してメニュー項目を選択し、セットキーを押下すると、システム制御部207は選択されているメニュー項目を実行する。具体的には、システム制御部207は選択されたメニュー項目が最下位階層のメニューであれば、その設定値を反映したり、あるいはメニュー項目が示す動作指示を実行したりする。システム制御部207は選択されたメニュー項目が最下位階層のメニューでなければ、選択されたメニュー項目である下位階層のメニューを開く。また、システム制御部207は選択されたメニュー項目が戻るボタンの場合には上位階層のメニューを開く。
【0042】
ステップS409では、システム制御部207はユーザにより操作部104のうちメニューキーが押下されたか否かを検出する。メニューキーが押下された場合にはステップS410へ進み、押下されていない場合にはステップS408へ戻る。
ステップS410では、システム制御部207は表示したメニューを閉じ、非表示(表示を解除)にして、メニューが表示される前の表示状態に戻って処理を終了する。
【0043】
以上のように、第1の実施形態では、ショートカットキーに割り当てられたメニューの設定や動作指示が可能であるか不可能であるかにかかわらず、ショートカットキーの押下によりメニューを表示する。すなわち、ショートカットキーに割り当てられたメニューの設定や動作指示が不可能である場合にもメニューを開くことができる。このとき、ショートカットキーに割り当てられたメニューでの設定や動作指示が不可能な状態であることが識別できるように表示し、ユーザに認識させることができる。したがって、ユーザはショートカットキーにメニューが正常に登録されていない、ショートカットキーが故障しているなどのショートカットキーに不具合が生じているという誤認識を防ぐことができる。
【0044】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、ショートカットキーに割り当てられたメニューの設定や動作指示が不可能な状態であり、そのメニューの1階層上のメニューの設定や動作指示が不可能な状態の場合に、更に上位階層のメニューを表示する。なお、本実施形態のデジタルビデオカメラは、第1の実施形態で説明した図1〜図3までの説明と同様であるため、その説明を省略する。
図6は、第2の実施形態のメニュー表示処理を示すフローチャートである。このフローチャートにおける各処理は、システム制御部207が不揮発性メモリ210に記録されたプログラムをシステムメモリ212に展開して実行することにより実現される。
【0045】
図6に示すステップS601〜S604、S606、S607は、第1の実施形態で説明した図4に示すステップS401〜S404、S406、S407とそれぞれ同様な処理であるため、その説明を省略する。
ステップS608では、システム制御部207はステップS602で取得したメニューのN(初期値N=1)階層上のメニューの情報と設定不可の条件とを取得する。
ステップS609では、システム制御部207はステップS608で取得した設定不可の条件を満たしているか否か、すなわちステップS602で取得したメニューのN階層上のメニューでの設定または動作指示が可能であるか否かを判定する。設定または動作指示が可能である場合にはステップS610へ進み、不可能である場合にはステップS614へ進む。
【0046】
ステップS610では、システム制御部207はステップS602で取得したメニューのN階層上のメニューを表示部101に表示し、ステップSS611へ進む。ステップS611〜S613は、第1の実施形態で説明した図4に示すステップS411〜S413とそれぞれ同様な処理であるため、その説明を省略する。
ステップS614では、システム制御部207はステップS608で取得したメニューが最上位階層のメニュー、すなわちトップメニューであるか否かを判定する。最上位階層のメニューの場合にはステップS616へ進み、最上位階層のメニューではない場合にはステップS615へ進む。
【0047】
ステップS615では、システム制御部207はもう一つ階層を上げるためにNに1を加算し、ステップS608へ進む。
一方、ステップS616では、システム制御部207は「ショートカット機能は実行できません」など、設定または動作指示が可能なメニュー項目を有するメニューがない旨の警告表示を表示部101に表示する。
ステップS617では、システム制御部207はステップS616で表示した警告表示の表示時間をカウントし、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過した場合にはステップS619へ進み、所定時間が経過していない場合にはステップS618へ進む。
【0048】
ステップS618では、システム制御部207はユーザにより操作部104のうちショートカットキーが押下されたか否かを検出する。ショートカットキーが押下されたことを検出した場合にはステップS619へ進み、ショートカットキーが押下されたことを検出しない場合にはステップS617へ戻る。なお、ステップS618において検出するショートカットキーは、ステップS601で押下されたショートカットキーと同じショートカットキーが押下されたか否かの判定であってもよい。
ステップS619では、システム制御部207は表示部101に表示された警告表示を非表示(表示を解除)にして、メニュー表示処理を終了する。
【0049】
以上のように、第2の実施形態では、ショートカットキーに割り当てられたメニューの設定や動作指示が無効であり、上位階層メニューを表示する場合に、設定や動作指示が有効な上位階層のメニューまで上げて表示する。換言すると、ショートカットキーに割り当てられたメニューの設定や動作指示が無効の場合、ショートカットキーに割り当てられたメニューよりも上位階層のメニューのうち、設定や動作指示が可能なメニュー項目を有する最下位階層のメニューを表示する。したがって、ユーザは設定や動作指示が可能なメニュー項目を有するメニューを開くまでの操作を省略することができ、素早くそのメニューまで移行することができる。これによってユーザの利便性をより向上させることができる。
【0050】
また、上述した各実施形態では、ショートカット機能を特定のキーであるショートカットキーに割り当てて使用する場合について説明したが、この場合に限られない。すなわち、メニューの割り当ての変更ができないショートカットキーを本実施形態に適用しても上述した効果と同様の効果が得られる。
【0051】
上述したシステム制御部207の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述したが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0052】
また、上述した実施形態では、本発明をデジタルビデオカメラに用いた場合を例にして説明したが、この場合に限定されず、複数のメニューで構成される階層メニューのうち特定のメニューを特定の操作手段による操作で表示させる表示制御装置に適用できる。すなわち、本発明は、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0053】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するプログラムをネットワークまたは各種記録媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPUなど)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0054】
100:デジタルビデオカメラ 101:表示部 102:撮影ボタン 103:モード切替スイッチ 104:操作部 105:電源スイッチ 106:記録媒体 107:記録媒体スロット 108:蓋 109:コネクタ 201:撮影レンズ 202:撮像部 203:A/D変換器 204:バリア 205:画像処理部 206:メモリ制御部 207:システム制御部 208:メモリ 209:D/A変換器 210:不揮発性メモリ 211:バックアップメモリ 212:システムメモリ 213:システムタイマ 214:電源制御部 215:電源部 216:記録媒体I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該表示制御装置に関する設定または動作指示を行うための、複数のメニューで構成される階層メニューのうち、特定のメニューを表示させる特定の操作手段と、
前記特定のメニューによる設定または動作指示が可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューを表示手段に表示し、前記特定のメニューによる設定または動作指示が不可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューよりも上位階層のメニューを表示手段に表示すると共に、前記特定のメニューに移行するためのメニュー項目が無効であることを識別可能に表示するように制御する表示制御手段と、
を有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
ユーザによる操作に基づいて前記特定の操作手段に前記複数のメニューのうち何れかを前記特定のメニューとして割り当てる手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記特定の操作手段を複数、有し、
複数の前記特定の操作手段は、それぞれ異なるメニューが割り当てられていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記メニュー項目をグレーアウトで表示することにより前記特定のメニューに移行するための前記メニュー項目が無効であることを識別可能に表示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記特定のメニューによる設定または動作指示が不可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には、前記特定のメニューよりも1階層上のメニューを表示すると共に、設定または動作指示が不可能なメニュー項目をグレーアウトで表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記特定のメニューによる設定または動作指示が不可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には、前記特定のメニューよりも上位階層のメニューのうち、設定または動作指示が可能なメニュー項目を有する最下位階層のメニューを表示すると共に、設定または動作指示が不可能なメニュー項目をグレーアウトで表示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記特定のメニューよりも上位階層のメニューのうち、設定または動作指示が可能なメニュー項目を有するメニューが最上位階層のメニューにもない場合には前記表示手段に設定または動作指示が可能なメニュー項目を有するメニューがない旨の警告表示をすることを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、
前記特定の操作手段が操作された場合には前記警告表示を解除することを特徴とする請求項7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記複数のメニューで構成される階層メニューのうち、前記特定のメニューと異なるメニューを表示させるメニュー操作手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、
前記メニュー操作手段が操作された場合には最上位階層のメニューを表示することを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、
前記メニュー操作手段が操作された場合には前回、メニューの表示を解除したときの直前に表示していたメニューを表示することを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
【請求項12】
当該表示制御装置は、光学像を電気信号に変換する撮像手段を有する撮像装置として機能することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項13】
当該表示制御装置に関する設定または動作指示を行うための、複数のメニューで構成される階層メニューのうち、特定のメニューを特定の操作手段による操作で表示させるステップと、
前記特定のメニューによる設定または動作指示が可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューを表示手段に表示し、前記特定のメニューによる設定または動作指示が不可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューよりも上位階層のメニューを表示手段に表示すると共に、前記特定のメニューに移行するためのメニュー項目が無効であることを識別可能に表示するように制御する表示制御ステップと、
を有することを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項14】
表示制御装置に関する設定または動作指示を行うための、複数のメニューで構成される階層メニューのうち、特定のメニューを特定の操作手段による操作で表示させるステップと、
前記特定のメニューによる設定または動作指示が可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューを表示手段に表示し、前記特定のメニューによる設定または動作指示が不可能な状態で前記特定の操作手段が操作された場合には前記特定のメニューよりも上位階層のメニューを表示手段に表示すると共に、前記特定のメニューに移行するためのメニュー項目が無効であることを識別可能に表示するように制御する表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−97448(P2013−97448A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237501(P2011−237501)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】