説明

表示制御装置、視線誘導方法、および、プログラム

【課題】簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導できる表示制御装置等を提供する。
【解決手段】画像生成部305は、ゲーム情報記憶部304に記憶される情報に基づいて、ゲーム画像を生成する。ヘッドセットを頭部に装着したプレイヤは、生成されるゲーム画像を見ながらゲームをプレイする。算定部302は、センサ情報取得部301を介してヘッドセットから得られるセンサ情報に基づいて、プレイヤの視線情報を順次算定する。検出部308は、算定された視線情報に基づいて、プレイヤの視線が表示部の画面内に向けられている画面注視状態を検出する。計時部307は、検出された画面注視状態の継続時間を計時する。そして、表示制御部310は、計時された継続時間が基準時間を超えると、プレイヤの視線を表示部の画面外へ誘導するための誘導画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者(プレイヤ等)の視線を画面外へ誘導することのできる表示制御装置、視線誘導方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネットワークゲーム(オンラインゲーム)と呼ばれ、ネットワークを介して各ゲーム装置を接続し、他のプレイヤと対戦したり、互いに協力して敵キャラクタと戦ったりして、楽しむことのできるゲームシステムが広く普及している。
このようなゲームシステムでは、一般に、文字チャットにより、ゲーム中に他のプレイヤとの会話(メッセージの送受信)が楽しめるようになっている。また、最近では、各プレイヤがヘッドセットを装着することで、音声によるボイスチャットが行えるゲームシステムも知られている。
【0003】
このようなボイスチャットが行えるゲームシステムにおいて、仮想空間の遠隔地において発せられる音声を、臨場感を持つように合成することのできる技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−343447号公報 (第6−11頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようなゲームシステムでは、プレイヤがゲームに熱中するあまり、休みなくプレイし続けてしまうことも生じ得る。その間、プレイヤは、ゲーム装置の画面を見続けることになる。つまり、画面への注視状態が長時間に渡って続くこととなり、プレイヤの目にかかる負担が懸念されていた。
そのため、ゲーム装置にて、プレイ時間が一定時間を超えると、注意メッセージを表示するなどして、プレイヤに休憩を促すといった試みもなされている。
【0006】
しかしながら、このような注意メッセージの表示は、一般に、プレイ時間に応じて一律になされるため、適度に休憩しているプレイヤにとって、煩わしく感じる場合が多い。例えば、プレイの合間に、自ら視線を画面から外しつつ、適度に休息しているようなプレイヤに対しては、このような注意メッセージは的外れであるだけでなく、不要な表示によりプレイヤの集中が乱されることにもつながる。
また、休憩を取っていないプレイヤに対しては、このような注意メッセージはある程度有効と考えられる。それでも、その注意メッセージに応じて、プレイヤが実際に休憩したかどうかや、休憩した場合でも、その休憩が適切であったかまでは、判断することができなかった。例えば、注意メッセージを見たプレイヤが、プレイを中断して体の力を抜くなどにより休憩したつもりでも、その間にプレイヤが画面を注視し続けていたならば、目を休めることができず、適切な休憩とはいえない。
【0007】
このような休憩の有無や休憩の適否を判断するために、プレイヤの視線を検出することも考えられる。例えば、視線追跡カメラ等を用いて、プレイヤの視線を検出し、画面への注視状態を逐次判別するなどである。それでも、視線追跡のためだけに、新たな構成を追加する必要があり、構成が大がかりとなるため、あまり普及しないと考えられる。
そのため、大がかりな構成とならずに、プレイヤ側の必要な構成を用いて、画面への注視状態を判別し、プレイヤに適切な休憩を促すことのできる技術が求められていた。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することのできる表示制御装置、視線誘導方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点に係る表示制御装置は、利用者の頭部に装着されたヘッドセットからセンサ情報を取得可能な表示制御装置であって、算定部、検出部、及び、表示制御部を備えて構成される。
【0010】
まず、算定部は、ヘッドセットから得られるセンサ情報(一例として、3軸方向の加速度情報等)に基づいて、利用者の視線情報を順次算定する。例えば、算定部は、表示画像に応じた操作がなされた時点で、画面に向けられた視線の原点を設定し、その後に得られるセンサ情報から、原点を基準とした視線の変化量を順次求め、現在の視線方向を含む視線情報を算定する。
検出部は、算定された視線情報に基づいて、利用者の視線が表示画面内に向けられている画面注視状態を検出する。例えば、利用者の現在の視線が、原点を基準に定めた規定範囲内に向いている場合に、画面注視状態として検出する。
表示制御部は、検出された画面注視状態が基準時間を超えて継続されると、利用者の視線を表示画面外へ誘導するために、表示画面に表示する画像の表示形態を変更する。例えば、表示制御部は、画像の表示を停止させたり、また、誘導画像を表示するなどして、利用者の視線を表示画面外へ誘導する。
【0011】
このように、ヘッドセットから得られるセンサ情報によって画面注視状態を検出し、この画面注視状態が基準時間を超えて継続されると、利用者の視線を表示画面外へ誘導すべく、表示画面に表示する画像の表示形態を変更する。
この結果、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することができる。
【0012】
本発明の第2の観点に係る表示制御装置は、利用者の頭部に装着されたヘッドセットから複数方向(例えば、3軸方向)の加速度情報を取得可能な表示制御装置であって、表示部、算定部、検出部、計時部、及び、表示制御部を備えて構成される。
【0013】
まず、表示部は、例えば、利用者がプレイするゲームについてのゲーム画像等を表示する。また、算定部は、ヘッドセットから得られる複数方向の加速度情報に基づいて、利用者の視線情報を順次算定する。例えば、算定部は、表示されたゲーム画像に応じた操作がなされた時点で、画面に向けられた視線の原点を設定し、その後に得られる加速度情報から、原点を基準とした視線の変化量を順次求め、現在の視線方向を含む視線情報を算定する。
また、検出部は、算定された視線情報に基づいて、利用者の視線が表示部の画面内に向けられている画面注視状態を検出する。例えば、利用者の視線が、原点を基準に定めた所定の矩形範囲内に向けられている場合に、画面注視状態として検出する。
また、計時部は、検出された画面注視状態の継続時間を計時する。つまり、利用者が画面を注視し続けている時間を計時する。
そして、表示制御部は、計時された継続時間が基準時間を超えると、利用者の視線を表示部の画面外へ誘導するための誘導画像を表示する。例えば、表示制御部は、ゲーム画像を薄暗く表示し、その上に、利用者の視線を誘導するための矢印シンボル等を表示する。
【0014】
このように、ヘッドセットから得られる複数方向の加速度情報によって画面注視状態を検出すると、この画面注視状態の継続時間の計時を開始する。そして、計時された継続時間が基準時間を超えると、利用者の視線を表示部の画面外へ誘導するための誘導画像を表示する。
この結果、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することができる。
【0015】
検出部は、表示制御部が当該誘導画像を表示した後に、利用者の視線が表示部の画面外に向けられた状態を更に検出してもよい。
この場合、誘導画像の表示に応じて、実際の利用者の視線が画面外に向けられたことを確認することができる。
【0016】
上記の表示制御装置は、
利用者からの操作を受け付ける操作受付部と、
受け付けられた当該操作が、表示部に表示されている画像に対応した操作であるか否かを判別する操作判別部と、を更に備え、
算定部は、当該画像に対応した操作であると判別された時点で、表示部に向けられた視線の原点を設定し、設定後に得られる加速度情報に基づいて、現在の視線情報を順次算定してもよい。
この場合、利用者の視線情報を精度よく算定することができる。
【0017】
本発明の第3の観点に係る視線誘導方法は、利用者の頭部に装着されたヘッドセットからセンサ情報を取得可能であり、算定部と、検出部と、表示制御部とを有する表示制御装置における視線誘導方法であって、算定ステップ、検出ステップ、及び、表示制御ステップを備えて構成される。
【0018】
まず、算定ステップでは、ヘッドセットから得られるセンサ情報(一例として、3軸方向の加速度情報等)に基づいて、利用者の視線情報を順次算定する。例えば、算定ステップでは、表示画像に応じた操作がなされた時点で、画面に向けられた視線の原点を設定し、その後に得られるセンサ情報から、原点を基準とした視線の変化量を順次求め、現在の視線方向を含む視線情報を算定する。
検出ステップでは、算定された視線情報に基づいて、利用者の視線が表示画面内に向けられている画面注視状態を検出する。例えば、利用者の現在の視線が、原点を基準に定めた規定範囲内に向いている場合に、画面注視状態として検出する。
表示制御ステップでは、検出された画面注視状態が基準時間を超えて継続されると、利用者の視線を表示画面外へ誘導するために、表示画面に表示する画像の表示形態を変更する。例えば、表示制御ステップでは、画像の表示を停止させたり、また、誘導画像を表示するなどして、利用者の視線を表示画面外へ誘導する。
【0019】
このように、ヘッドセットから得られるセンサ情報によって画面注視状態を検出し、この画面注視状態が基準時間を超えて継続されると、利用者の視線を表示画面外へ誘導すべく、表示画面に表示する画像の表示形態を変更する。
この結果、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することができる。
【0020】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、利用者の頭部に装着されたヘッドセットからセンサ情報を取得可能なコンピュータ(電子機器を含む。)を、上記の表示制御装置として機能させるように構成する。
【0021】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0022】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る表示制御装置が実現される典型的なゲーム装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】ヘッドセットの外観の一例を説明するための模式図である。
【図3】本実施形態に係る表示制御装置の概要構成を説明するためのブロック図である。
【図4】(a)〜(d)全て、視線を算定する様子を説明するための模式図である。
【図5】モニタに表示されるゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図6】(a)〜(c)全て、画像に応じた操作を説明するための模式図である。
【図7】(a)〜(c)全て、仮想画面と視線との関係を説明するための模式図である。
【図8】(a)が、矢印シンボルの一例であり、(b)が、注意メッセージの一例を示す模式図である。
【図9】(a)〜(c)全て、誘導画像の表示を説明するための模式図である。
【図10】本実施形態に係る視線誘導処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】誘導画像表示処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図12】他の実施形態に係る表示制御装置の概要構成を説明するためのブロック図である。
【図13】モニタに表示されるナビゲーション画像の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示制御装置が実現される典型的なゲーム装置の概要構成を示すブロック図である。以下、本図を参照して説明する。
【0027】
ゲーム装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、ヘッドセット106と、外部メモリ107と、DVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブ108と、画像処理部109と、モニタ110と、音声処理部111と、NIC(Network Interface Card)112とを備える。
【0028】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、ゲーム装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態の表示制御装置が実現される。
【0029】
CPU 101は、ゲーム装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
なお、CPU 101は、一例として、内部にタイマモジュールを含んでおり、経過時間等の計時が行える様になっている。
【0030】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、ゲーム装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0031】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。
【0032】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。例えば、コントローラ105は、操作入力に従って、文字列(メッセージ)等の入力を受け付ける。
【0033】
インターフェース104を介して接続されたヘッドセット106は、プレイヤの頭部に装着され、プレイヤが発する音声(ボイスチャットの音声等)を受け付ける他に、プレイヤの頭部の動きを計測する。
一例として、ヘッドセット106は、図2に示すように、プレイヤの音声を集音するためのマイク201と、種々の演算処理を行う演算ユニット202とを含んで構成されている。なお、演算ユニット202は、図中の筐体内に格納されている。
【0034】
具体的に演算ユニット202は、マイク201から集音したアナログ音声をデジタルの音声情報に変換する。また、演算ユニット202は、一例として、3軸の加速度センサを有しており、ヘッドセット106を装着した状態におけるプレイヤの頭部の動きを示すセンサ情報(3軸方向の加速度情報)を生成する。具体的には、3軸の加速度センサにより、ヘッドセット106を装着したプレイヤの頭部動き(3軸方向の動き)を順次計測し、その値を示す加速度情報を順次を生成する。
演算ユニット202は、このような音声情報の変換や、センサ情報の生成(加速度の計測)を順次行う。そして、ヘッドセット106は、これらの音声情報やセンサ情報を、インターフェース104を介してリアルタイムにゲーム装置100へ供給する。
なお、ヘッドセット106(演算ユニット202)は、加速度センサの代わりに、ジャイロセンサ等により、プレイヤの頭部の動きを計測するようにしてもよい。また、ヘッドセット106は、無線通信等により、これらの音声情報やセンサ情報をワイヤレスでゲーム装置100へ供給するようにしてもよい。
【0035】
図1に戻って、インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ107には、ゲームの進行状態を示すデータ、チャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ107に記録することができる。
【0036】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0037】
画像処理部109は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部109が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部109が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号(映像信号)に変換され、モニタ110へ供給される。これにより、モニタ110では各種の画像が表示可能となる。
【0038】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0039】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0040】
モニタ110は、例えば、テレビモニタ(テレビ受像器)等からなり、画像処理部109により生成された画像を表示する。また、モニタ110には、スピーカが内蔵されており、音声処理部111から供給された音声を出力可能となっている。
【0041】
音声処理部111は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、モニタ110へ供給する。例えば、音声処理部111は、CPU 101による制御の下、ゲームの進行中に発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をモニタ110のスピーカへ供給する。これにより、モニタ110のスピーカから各種の音声が出力可能となる。
【0042】
NIC 112は、ゲーム装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0043】
このほか、ゲーム装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ107、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、プレイヤからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。
【0044】
また、本実施形態のゲーム装置100に代えて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)を表示制御装置として利用することもできる。例えば、一般的なコンピュータは、上記ゲーム装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、ゲーム装置100よりも簡易な機能となる画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。更に、上記のヘッドセット106と同様のヘッドセットを用いる。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、表示制御装置として機能する。
【0045】
(表示制御装置の概要)
図3は、本実施の形態に係る表示制御装置300の概要構成を示すブロック図である。この表示制御装置300は、一例として、上述したヘッドセット106を装着したプレイヤが、オンラインゲームをプレイするために用いられる装置であり、上述したモニタ110にゲーム画像を表示しつつ、ヘッドセット106から供給されるセンサ情報を取得可能な装置である。以下、具体的にオンラインRPGがプレイされる場合を一例として、本図を参照して表示制御装置300について説明する。
【0046】
図3に示すように、表示制御装置300は、センサ情報取得部301と、算定部302と、操作受付部303と、ゲーム情報記憶部304と、画像生成部305と、操作判別部306と、計時部307と、検出部308と、誘導画像記憶部309と、表示制御部310とを備える。
【0047】
まず、センサ情報取得部301は、ヘッドセット106から供給されるセンサ情報を取得する。つまり、上述した図2の演算ユニット202(3軸の加速度センサ)により計測される3軸方向の加速度情報を、順次取得する。
そして、センサ情報取得部301は、取得したセンサ情報(加速度情報)を、算定部302に順次供給する。
なお、上述したインターフェース104等が、このようなセンサ情報取得部301として機能しうる。
【0048】
算定部302は、センサ情報取得部301を介してヘッドセット106から得られるセンサ情報等に基づいて、プレイヤの視線情報を順次算定する。
具体的には、図4(a)に示すように、ゲーム画面に応じた操作がプレイヤによりなされた時点で、画面(モニタ110)に向けられた視線の原点として視線S0を設定し、その後に得られるセンサ情報(3軸方向の加速度情報)により、原点からの視線の変化量を順次求め、現在の視線方向を含む視線情報を算定する。なお、ゲーム画面に応じた操作がプレイヤによりなされたかどうかは、後述するように操作判別部306によって判別される。
【0049】
つまり、算定部302は、ゲーム画面に応じた操作がプレイヤによりなされた時点で、図4(b)に示すように、視線S0を3軸方向(X軸、Y軸、及び、Z軸)の原点として設定する。
そして、例えば、プレイヤが頭部を少し右に回転させた場合(首をひねって少し右を向いた場合等)に、算定部302は、3軸方向の加速度情報から視線の変化量を求め、図4(c)に示すように、視線S0を、Y軸を中心に回転させた視線S1の視線情報を算定する。
更に、プレイヤが頭部を左に少し移動させた場合(首の向きをそのままに、上半身を左に少し平行移動させた場合等)に、算定部302は、同様に3軸方向の加速度情報から視線の変化量を求め、図4(d)に示すように、視線S1を、X軸に沿って平行移動させた視線S2の視線情報を算定する。
そして、算定部302は、このようにして算定した視線情報を検出部308に順次供給する。
また、再び、ゲーム画面に応じた操作がプレイヤによりなされると、算定部302は、上記と同様に、視線S0を3軸方向の原点として再設定する。そして、上記と同様に、その後に得られるセンサ情報から視線の変化量を順次求め、視線情報を算定していく。
なお、上述したCPU 101等が、このような算定部302として機能しうる。
【0050】
図3に戻って、操作受付部303は、ゲーム中にプレイヤによってなされる各種操作を受け付ける。
例えば、操作受付部303は、プレイヤキャラクタの移動方向の指示操作、戦う敵キャラクタの選択操作、及び、見つけたアイテムを拾うなどの取得操作等を順次受け付ける。
操作受付部303は、このような操作を受け付けると、その内容(どのボタンが押下されたのか等)を示す操作情報を、操作判別部306等に供給する。
なお、上述したコントローラ105が、このような操作受付部303として機能しうる。
【0051】
ゲーム情報記憶部304は、ゲームに必要となる各種情報を記憶する。
例えば、ゲーム情報記憶部304は、ゲームフィールド、各キャラクタ(プレイヤキャラクタや敵キャラクタ等)、及び、各種アイテムなどの画像情報を記憶する。
また、ゲーム情報記憶部304は、各キャラクタの位置情報(ゲームフィールド内の現在位置等)や、プレイヤキャラクタの現状(体力、経験値、所持金、所有アイテム等)などの管理情報も記憶する。
なお、上述したDVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM、及び、RAM 103等が、このようなゲーム情報記憶部304として機能しうる。
【0052】
画像生成部305は、ゲーム情報記憶部304に記憶された画像情報等に基づいて、ゲーム画像を生成する。
例えば、画像生成部305は、図5に示すように、プレイヤキャラクタPcや敵キャラクタTc等が、管理される位置情報等に応じてゲームフィールドに適宜配置されたゲーム画像を生成する。
なお、上述した画像処理部109が、このような画像生成部305として機能しうる。
【0053】
図3に戻って、操作判別部306は、ゲーム画面に応じた操作が行われたかどうかを判別する。
例えば、操作判別部306は、操作受付部303が受け付けたプレイヤの操作内容と、ゲーム情報記憶部304に記憶されている情報との関係から、その操作が、ゲーム画面を見ながら行われた操作であるか否かを判別する。
【0054】
具体例を挙げて説明すると、例えば、図6(a)に示すように、プレイヤキャラクタPcの近傍に複数の敵キャラクタTcが存在している状況で、選択カーソルSeを移動させて何れかの敵キャラクタTcが選択された場合に、操作判別部306は、ゲーム画面に応じた操作が行われたと判別する。つまり、選択カーソルSeを移動させて何れかの敵キャラクタTcを選択するような操作は、通常、ゲーム画面を見ながらでないと行えないため、操作判別部306は、ゲーム画面に応じた操作であると判別する。
また、例えば、図6(b)に示すように、選択された敵キャラクタTcについてのメニューMnが表示されている状況で、選択カーソルSeを移動させて何れかの項目が選択された場合に、操作判別部306は、ゲーム画面に応じた操作が行われたと判別する。つまり、選択カーソルSeを移動させて何れかの項目を選択するような操作も、通常、ゲーム画面を見ながらでないと行えないため、操作判別部306は、ゲーム画面に応じた操作であると判別する。
この他にも、例えば、図6(c)に示すように、プレイヤキャラクタPcがアイテムIに触れ、このアイテムIについてのメニューMnが表示されている状況で、選択カーソルSeを移動させて何れかの項目が選択されると、操作判別部306は、同様にゲーム画面に応じた操作が行われたと判別する。
このような図6(a)〜(c)に示す状況は、ほんの一例であり、ゲーム内容やゲームジャンルに応じて、適宜変更可能である。つまり、操作判別部306は、ゲーム画面を見ながらでないと行えない操作として予め規定しておくことで、そのような操作がプレイヤによりなされた場合に、ゲーム画面に応じた操作であると判別する。
そして、操作判別部306は、このようにしてゲーム画面に応じた操作であると判別すると、その旨を上述した算定部302に通知する。
なお、上述したCPU 101等が、このような操作判別部306として機能しうる。
【0055】
図3に戻って、計時部307は、プレイヤが画面を注視し続けている時間を計時する。
例えば、計時部307は、検出部308により、画面内へ視線が向けられている状態(つまり、画面内注視状態)が最初に検出されると、計時を開始する。その計時中に、検出部308により、画面外へ視線が向けられている状態(つまり、画面外注視状態)が検出されると、一旦、計時を停止する。そして、再び、検出部308により画面内注視状態が検出されると、計時を再開する。つまり、計時部307は、プレイヤが画面を注視し続けている時間の累積を計時する。
そして、計時部307は、基準時間(一例として、60分等)を超えるまで計時を行うと、基準時間の超過を検出部308に通知する。
【0056】
また、計時部307は、基準時間の超過を検出部308に通知した後では、プレイヤが画面外に視線を向けている時間を計時する。
例えば、計時部307は、今度は、検出部308により画面外注視状態が最初に通知されると、計時を開始する。その計時中に、検出部308により画面内注視状態が検出されると、一旦、計時を停止する。そして、再び、検出部308により画面外注視状態が検出されると、計時を再開する。つまり、計時部307は、プレイヤが画面外に視線を外している時間の累積を計時する。
そして、計時部307は、休憩時間(一例として、5分等)を超えるまで計時を行うと、休憩時間の超過を検出部308に通知する。その後、計時部307は、再び、プレイヤが画面を注視し続けている時間をゼロから計時する。
なお、上述したCPU 101のタイマモジュール等が、このような計時部307として機能しうる。
【0057】
検出部308は、算定部302により算定された視線情報に基づいて、プレイヤの視線がモニタ110の画面内に向けられているのか、又は、画面外に向けられているのかを検出する。
具体的に、算定部302により原点として視線S0が設定されると、検出部308は、図7(a)に示すように、その視線S0を所定の距離Lだけ伸ばした点Pを中心とした所定の大きさの矩形範囲を、仮想画面Scとして設定する。この仮想画面Scの大きさ等は、上述したヘッドセット106の加速度センサの感度等を勘案して、実験的に求められた値を用いるものとする。
【0058】
そして、検出部308は、算定部302により順次算定される視線情報によって、現在の視線方向が仮想画面Sc内に収まっている場合に、画面内注視状態を検出し、逆に、現在の視線方向が仮想画面Sc内から外れている場合に、画面外注視状態を検出する。
つまり、算定部302により、図7(b)に示すような視線Smが算定されると、仮想画面Sc内に収まっているため、検出部308は、画面内注視状態を検出する。
一方、算定部302により、図7(c)に示すような視線Snが算定されると、仮想画面Scから外れているため、検出部308は、画面外注視状態を検出する。
なお、検出部308は、最初に画面内注視状態を検出すると、上述したように、計時部307に計時を開始させる。そして、計時部307から基準時間の超過が通知された時点で、検出部308は、長時間に渡る画面内注視状態を検出する。つまり、算定部302により順次算定された視線情報に基づいて、プレイヤが長時間に渡って画面を注視し続けたことを検出する。
この長時間に渡る画面内注視状態を検出すると、検出部308は、その旨を表示制御部310に通知する。
【0059】
また、検出部308は、長時間に渡る画面内注視状態を表示制御部310に通知した後に、今度は画面外注視状態を検出すると、上述したように、計時部307に計時を開始させる。そして、計時部307から休憩時間の超過が通知された時点で、検出部308は、休憩時間分の画面外注視状態を検出する。つまり、算定部302により順次算定された視線情報に基づいて、プレイヤが休憩時間分だけ、画面外に視線を外したことを検出する。
この休憩時間分の画面外注視状態を検出すると、検出部308は、その旨を表示制御部310に通知する。その後、検出部308は、再び、長時間に渡る画面内注視状態の検出を試みる。
なお、上述したCPU 101等が、このような検出部308として機能しうる。
【0060】
図3に戻って、誘導画像記憶部309は、プレイヤの視線を画面外へ誘導するための誘導画像を記憶する。
例えば、誘導画像記憶部309は、図8(a)に示すような矢印シンボルArや、図8(b)に示すような注意メッセージMsの画像を記憶する。
なお、これらの矢印シンボルArや注意メッセージMsは、一例であり、適宜変更可能である。
そして、上述したDVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM、及び、RAM 103等が、このような誘導画像記憶部309として機能しうる。
【0061】
図3に戻って、表示制御部310は、通常にプレイしているときには、画像生成部305が生成したゲーム画像をそのまま、モニタ110に表示する。一方、検出部308により、上述した長時間に渡る画面内注視状態が検出されると、プレイヤの視線をモニタ110の画面外へ誘導するための誘導画像を表示する。一例として、表示制御部310は、以下のようにして、誘導画像を表示する。
まず、表示制御部310は、図9(a)に示すように、ゲーム画像の明度や彩度を下げて薄暗く表示した後に、そのゲーム画像上に、明度等を下げていない通常画像の注意メッセージMsを合成して表示する。この注意メッセージMsが、ゲーム画像と異なり、普通の明るさ等で表示されるため、プレイヤは、自然とこの注意メッセージMsに視線を向ける(注目する)ことになる。
そして、表示制御部310は、この注意メッセージMsを表示してから、例えば、数秒経過後に、図9(b)に示すように、注意メッセージMsについても、ゲーム画像と同様に明度や彩度を下げて薄暗く表示する。それと同時に、同図9(b)に示すように、注意メッセージMs上に、明度等を下げていない通常画像の矢印シンボルArを合成して表示する。この矢印シンボルArが、注意メッセージMsに代わって、普通の明るさ等で表示されるため、プレイヤは、今度はこの矢印シンボルArに視線を向けることになる。
【0062】
更に、表示制御部310は、この矢印シンボルArを、図9(c)に示すように、画面の外縁に向けて、自らの矢印が示す方向(この例の場合、右方向)へ順次移動させる。なおその際、表示制御部310は、検出部308を介してプレイヤの視線方向(視線情報)を順次取得し、プレイヤの視線を移動させたい少し先(この例の場合、少し右)に、矢印シンボルArを順次移動させるようにしてもよい。つまり、表示される矢印シンボルArをプレイヤが注目しようとすると、その視線の少し先に矢印シンボルArが移動していくように表示する。このような視線の少し先へと矢印シンボルArを順次移動させて表示することで、プレイヤの視線を、モニタ110の画面外へ誘導する。そして、プレイヤの視線が画面から外れると、表示制御部310は、矢印シンボルArの表示を終了する。
なお、検出部308により、上述した休憩時間の超過(休憩時間分の画面外注視状態)が通知される前に、プレイヤが、画面内に視線を向けてしまった場合には、表示制御部310は、再び、矢印シンボルArを表示して、上記と同様に、プレイヤの視線の少し先へと矢印シンボルArを順次移動させていく。つまり、表示制御部310は、休憩時間が経過するまでの間に、検出部308により画面内注視状態が通知されると、矢印シンボルArを上記のように移動表示させて、プレイヤの視線を画面外へ誘導する。
そして、検出部308から休憩時間分の画面外注視状態が通知されると、表示制御部310は、通常にプレイしているときの表示に戻す。つまり、明度等を下げて表示するのを止め、画像生成部305が生成した通常のゲーム画像をそのままモニタ110に表示する。
【0063】
なお、このような誘導表示における矢印アイコンArの形状(矢印の向き等)や、その矢印アイコンArを移動させる手法は、一例であり、適宜変更可能である。つまり、図8(a)とは異なる形状の矢印アイコン等を用いて、その矢印アイコン等をプレイヤが目で追うように適宜移動させてもよい。
そして、上述した画像処理部109が、このような表示制御部310として機能しうる。
【0064】
(表示制御装置の動作の概要)
以下、このような構成の表示制御装置300の動作について、図面を参照して説明する。一例として、ヘッドセット106から得られるセンサ情報によって長時間の画面内注視状態を検出してから、プレイヤの視線を画面外へ誘導するまでの動作を図10及び図11を参照して説明する。図10は、表示制御装置300にて実行される視線誘導処理の流れを示すフローチャートである。また、図11は、図10における誘導画像表示処理の詳細を示すフローチャート(サブルーチン)である。
【0065】
図10に示すように、まず、表示制御装置300は、ゲーム画像を表示する(ステップS401)。
すなわち、画像生成部305は、ゲーム情報記憶部304に記憶された画像情報等に基づいて、プレイ中のゲーム画像を生成する。つまり、上述した図5に示すようなゲーム画像を生成する。
【0066】
表示制御装置300は、視線情報を算定する(ステップS402)。
すなわち、算定部302は、センサ情報取得部301を介してヘッドセット106から得られるセンサ情報等に基づいて、プレイヤの視線情報を算定する。つまり、上述した図4(b)に示すように、算定部302は、ゲーム画面に応じた操作がプレイヤによりなされた時点で、視線S0を3軸方向の原点として設定する。そして、3軸方向の加速度情報から視線の変化量を求め、上述した図4(c),(d)に示すように、順次変化していく視線S1,S2等の視線情報を算定する。
【0067】
表示制御装置300は、画面内注視状態であるか否かを判別する(ステップS403)。
すなわち、検出部308は、算定部302により算定された視線情報に基づいて、プレイヤの視線がモニタ110の画面内に向けられているのか、又は、画面外に向けられているのかを検出する。つまり、検出部308は、上述した図7(b)に示すように、現在の視線Smが仮想画面Sc内に収まっている場合に、画面内注視状態を検出する。一方、上述した図7(c)に示すように、現在の視線Snが仮想画面Sc内から外れている場合に、検出部308は、画面外注視状態を検出する。
【0068】
表示制御装置300は、画面内注視状態であると判別すると(ステップS403;Yes)、計時を続ける(ステップS404)。
すなわち、プレイヤが画面を注視し続けている時間(画面内注視時間)を計時している計時部307は、検出部308により画面内注視状態が検出されている間に計時を続ける。なお、最初に画面内注視状態が検出された時点で、計時部307は、ゼロからの計時を開始しているものとする。
【0069】
一方、画面内注視状態でない(画面外注視状態である)と判別した場合(ステップS403;No)に、表示制御装置300は、計時を停止する(ステップS405)。
すなわち、プレイヤが画面を注視し続けている時間を計時している計時部307は、検出部308により画面外注視状態が検出されると、一旦、計時を停止する。
【0070】
表示制御装置300は、基準時間が超過したか否かを判別する(ステップS406)。
すなわち、検出部308は、計時部307が、基準時間を超えるまで画面内注視状態の計時を行ったかどうかを判別する。
表示制御装置300は、基準時間が超過していないと判別すると(ステップS406;No)、ステップS401に処理を戻し、上述したステップS401〜S406の処理を繰り返し実行する。
【0071】
一方、基準時間が超過したと判別した場合(ステップS406;Yes)に、表示制御装置300は、誘導画像表示処理を行う(ステップS407)。
この誘導画像表示処理について、図11を参照して詳細に説明する。なお、誘導画像表示処理において、計時部307は、今度は画面外に視線を向けている時間(画面外注視時間)をゼロから計時することになる。
【0072】
図11の誘導画像表示処理にて、まず、表示制御装置300は、ゲーム画像を薄暗く表示する(ステップS501)。つまり、表示制御部310は、ゲーム画像の明度や彩度を下げて薄暗く表示する。
【0073】
表示制御装置300は、注意メッセージを表示する(ステップS502)。
例えば、表示制御部310は、上述した図9(a)に示すように、薄暗く表示したゲーム画像上に、明度等を下げていない通常画像の注意メッセージMsを合成して表示する。この注意メッセージMsが、ゲーム画像と異なり、普通の明るさ等で表示されるため、プレイヤは、自然とこの注意メッセージMsに視線を向けることになる。
【0074】
表示制御装置300は、注意メッセージを薄暗く表示すると共に、矢印シンボルを表示する(ステップS503)。
例えば、表示制御部310は、上述した図9(b)に示すように、注意メッセージMsについても、ゲーム画像と同様に明度や彩度を下げて薄暗く表示すると共に、注意メッセージMs上に、明度等を下げていない通常画像の矢印シンボルArを合成して表示する。この矢印シンボルArが、注意メッセージMsに代わって、普通の明るさ等で表示されるため、プレイヤは、今度はこの矢印シンボルArに視線を向けることになる。
【0075】
表示制御装置300は、視線情報を取得する(ステップS504)。つまり、表示制御部310は、検出部308を介して視線情報を取得する。
【0076】
表示制御装置300は、画面内注視状態であるか否かを判別する(ステップS505)。
すなわち、検出部308は、算定部302により算定された視線情報に基づいて、プレイヤの視線がモニタ110の画面内に向けられているのか(画面内注視状態)、又は、画面外に向けられているのか(画面外注視状態)を検出する。
【0077】
表示制御装置300は、画面内注視状態であると判別すると(ステップS505;Yes)、視線の少し先に矢印シンボルを移動させる(ステップS506)。
例えば、表示制御部310は、上述した図9(c)に示すように、プレイヤの視線を移動させたい少し先(この例の場合、少し右)に、矢印シンボルArを順次移動させる。つまり、表示される矢印シンボルArをプレイヤが注目しようとすると、その視線の少し先に矢印シンボルArが移動していくように表示する。このような視線の少し先へと矢印シンボルArを順次移動させて表示することで、プレイヤの視線を、モニタ110の画面外へ誘導する。
【0078】
表示制御装置300は、計時を停止する(ステップS507)。
すなわち、プレイヤが画面外に視線を向けている時間(画面外注視時間)を計時している計時部307は、上記視線誘導中も含めて検出部308により画面内注視状態が検出されていると、一旦、計時を停止する。
【0079】
一方、画面内注視状態でない(画面外注視状態である)と判別した場合(ステップS505;No)に、表示制御装置300は、矢印シンボルを消去する(ステップS508)。
すなわち、表示制御部310は、プレイヤの視線を画面外まで誘導したため、上述した図9(c)等のような矢印シンボルArを消去する。
【0080】
表示制御装置300は、計時を続ける(ステップS509)。
すなわち、画面外注視時間を計時している計時部307は、検出部308により画面外注視状態が検出されている間に計時を続ける。なお、最初に画面外注視状態が検出された時点で、計時部307は、ゼロからの計時を開始しているものとする。
【0081】
表示制御装置300は、休憩時間が超過したか否かを判別する(ステップS510)。
すなわち、検出部308は、計時部307が、所定の休憩時間を超えるまで計時を行ったかどうかを判別する。
表示制御装置300は、休憩時間が超過していないと判別すると(ステップS510;No)、ステップS504に処理を戻し、上述したステップS504〜S510の処理を繰り返し実行する。
【0082】
一方、休憩時間が超過したと判別した場合(ステップS510;Yes)に、表示制御装置300は、ゲーム画像を通常表示に戻す(ステップS511)。
すなわち、表示制御部310は、明度等を下げて表示するのを止め、画像生成部305が生成した通常のゲーム画像をそのままモニタ110に表示する。
そして、表示制御装置300は、図11の誘導画像表示処理を終える。
【0083】
このような視線誘導処理(誘導画像表示処理)により、ヘッドセット106から得られるセンサ情報(3軸方向の加速度情報)に基づいて画面内注視状態を検出すると、この画面内注視状態の継続時間の計時を開始する。そして、計時された継続時間が基準時間を超えると、誘導画像を表示してプレイヤの視線をモニタ110の画面外へ誘導する。
この結果、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することができる。
【0084】
(他の実施形態)
上記実施形態では、オンラインゲームをプレイする場合における視線誘導処理等について説明したが、対象となるゲームは一例であり、適宜変更可能である。また、このようなゲームをプレイする場合に限られず、例えば、電話オペレータ等が業務ソフトの画面を見ながら作業するような場面においても、適宜適用可能である。
更に、安全面等から、画面への注視状態の検出が望まれる装置においても、本願発明は、適宜適用することができる。例えば、車載のナビゲーションシステムにおいて、上述したヘッドセット106により、音声指示や、携帯電話の通話を可能とするために用いられる表示制御装置にも適用することができる。
以下、ナビゲーションシステムに用いられる表示制御装置について、図面を参照して説明する。
【0085】
図12は、本発明の他の実施形態に係る表示制御装置600の概要構成を示すブロック図である。この表示制御装置600は、一例として、上述したヘッドセット106を装着した利用者が、音声による誘導経路の探索指示等を行える装置である。そして、上記と同様に、ヘッドセット106から供給されるセンサ情報を取得可能となっている。以下、本図を参照して表示制御装置600について説明する。
【0086】
図12に示すように、表示制御装置600は、センサ情報取得部301と、算定部302と、タッチパネル603と、ナビゲーション情報記憶部604と、画像生成部305と、操作判別部306と、計時部607と、検出部308と、車速情報取得部609と、表示制御部610とを備える。
【0087】
センサ情報取得部301は、上述した図3の表示制御装置300と同様に、ヘッドセット106から供給されるセンサ情報を取得する。
算定部302は、上述した図3の表示制御装置300と同様に、センサ情報取得部301を介してヘッドセット106から得られるセンサ情報等に基づいて、プレイヤの視線情報を順次算定する。
【0088】
タッチパネル603は、上述したモニタ110の全面に配置され、利用者によるタッチ操作(指等による押下)に応答して、その押下位置を検出する。
そして、タッチパネル603は、検出した押下位置の情報を、操作判別部306等に供給する。
【0089】
ナビゲーション情報記憶部604は、誘導経路の道順案内等に必要となる各種情報を記憶する。
例えば、ナビゲーション情報記憶部604は、地図画像や、各種施設のアイコン等の画像情報を記憶する。
また、ナビゲーション情報記憶部604は、地図に対応した道路情報(ノードやリンクの情報)や、当該道路情報から探索した誘導経路情報等も記憶する。
【0090】
画像生成部305は、ナビゲーション情報記憶部304に記憶された画像情報や誘導経路情報等に基づいて、ナビゲーション画像を生成する。
例えば、画像生成部305は、図13に示すような、自車位置と誘導経路等が示された地図画像Nvと、各種ボタン画像Btが含まれるナビゲーション画像を生成する。
【0091】
図12に戻って、操作判別部306は、ナビゲーション画像に応じた操作が利用者によりなされたかどうかを判別する。
例えば、上述した図13のようなナビゲーション画像がモニタ110に表示されている場合に、タッチパネル603を介して、何れかのボタン画像Btが押下された場合に、操作判別部306は、ナビゲーション画像に応じた操作が利用者によりなされたと判別する。つまり、ボタン画像Btの操作は、通常、画面を見ながらでないと行えないため、操作判別部306は、ナビゲーション画面に応じた操作であると判別する。
【0092】
計時部607は、利用者が画面を連続して注視し続けている時間を計時する。
例えば、計時部607は、検出部308により画面内注視状態が検出されている間の時間計時を開始する。なお、その計時中に、検出部308により画面外注視状態が検出されると、計時を終了する。つまり、計時部607は、プレイヤが画面を注視している連続時間を計時する。
そして、計時部607は、安全のための許容基準時間(一例として、5秒等)を超えるまで計時を行うと、許容基準時間の超過を検出部308に通知する。なお、この許容基準時間は、車速情報取得部609にて取得された車両の速度に応じて、動的に変更してもよい。例えば、車両の速度が速いほど、許容基準時間を短くするなど、より安全面に配慮するようにしてもよい。
【0093】
検出部308は、上述した図3の表示制御装置300と同様に、算定部302により算定された視線情報に基づいて、プレイヤの視線がモニタ110の画面内に向けられているのか(画面内注視状態)、又は、画面外に向けられているのか(画面外注視状態)を検出する。
そして、検出部308は、画面内注視状態を検出すると、上述したように、計時部607に計時を行わせる。そして、計時部607から許容基準時間の超過が通知された時点で、検出部308は、安全のための許容基準時間を超える画面内注視状態を検出する。つまり、算定部302により順次算定された視線情報に基づいて、利用者が許容基準時間を超えて画面を注視し続けたことを検出する。
この許容基準時間を超えた画面内注視状態を検出すると、検出部308は、その旨を表示制御部610に通知する。
【0094】
車速情報取得部609は、表示制御装置600を搭載した車両の速度を示す車速情報を取得する。
例えば、車速情報取得部609は、車両の車速センサや、車両コントローラから得られる車速情報を順次取得する。そして、取得した車速情報を表示制御部610や検出部308に供給する。
【0095】
表示制御部610は、通常表示時には、画像生成部305が生成したナビゲーション画像をそのまま、モニタ110に表示する。
一方、検出部308により、上述した許容基準時間を超える画面内注視状態が検出され、かつ、車速情報により車両が走行中である場合に、表示制御部610は、利用者の視線をモニタ110の画面外へ誘導するために、ナビゲーション画像の表示を停止する。例えば、表示制御部610は、モニタ110への映像信号の供給を停止して、ナビゲーション画像の表示をオフにする。
そして、ナビゲーション画像の表示を停止後に、例えば、一定時間以上、画面外注視状態が維持されると、表示制御部610は、通常表示に戻り、画像生成部305が生成したナビゲーション画像を表示する。
【0096】
このような構成の表示制御装置600によっても、ヘッドセット106から得られるセンサ情報(3軸方向の加速度情報)に基づいて画面内注視状態を検出すると、この画面内注視状態の継続時間の計時を開始する。そして、計時された継続時間が許容基準時間を超えると、利用者の視線をモニタ110の画面外へ誘導するために、ナビゲーション画像の表示を停止する。
この結果、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することができる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構成により、画面への注視状態を適切に判別し、利用者の視線を画面外へ誘導することのできる表示制御装置、視線誘導方法、および、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0098】
100 ゲーム装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 ヘッドセット
107 外部メモリ
108 DVD−ROMドライブ
109 画像処理部
110 モニタ
111 音声処理部
112 NIC
201 マイク
202 演算ユニット
300,600 表示制御装置
301 センサ情報取得部
302 算定部
303 操作受付部
603 タッチパネル
304 ゲーム情報記憶部
604 ナビゲーション情報記憶部
305 画像生成部
306 操作判別部
307,607 計時部
308 検出部
309 誘導画像記憶部
609 車速情報取得部
310,610 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の頭部に装着されたヘッドセットからセンサ情報を取得可能な表示制御装置であって、
前記ヘッドセットから得られるセンサ情報に基づいて、利用者の視線情報を順次算定する算定部と、
算定された当該視線情報に基づいて、利用者の視線が表示画面内に向けられている画面注視状態を検出する検出部と、
検出された当該画面注視状態が基準時間を超えて継続されると、利用者の視線を表示画面外へ誘導するために、表示画面に表示する画像の表示形態を変更する表示制御部と、を備える、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
利用者の頭部に装着されたヘッドセットから複数方向の加速度情報を取得可能な表示制御装置であって、
所定の画像を表示する表示部と、
前記ヘッドセットから得られる複数方向の加速度情報に基づいて、利用者の視線情報を順次算定する算定部と、
算定された当該視線情報に基づいて、利用者の視線が前記表示部の画面内に向けられている画面注視状態を検出する検出部と、
検出された当該画面注視状態の継続時間を計時する計時部と、
計時された当該継続時間が基準時間を超えると、利用者の視線を前記表示部の画面外へ誘導するための誘導画像を表示する表示制御部と、を備える、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示制御装置であって、
前記検出部は、前記表示制御部が当該誘導画像を表示した後に、利用者の視線が前記表示部の画面外に向けられた状態を更に検出する、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の表示制御装置であって、
利用者からの操作を受け付ける操作受付部と、
受け付けられた当該操作が、前記表示部に表示されている画像に対応した操作であるか否かを判別する操作判別部と、を更に備え、
前記算定部は、当該画像に対応した操作であると判別された時点で、前記表示部に向けられた視線の原点を設定し、設定後に得られる加速度情報に基づいて、現在の視線情報を順次算定する、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
利用者の頭部に装着されたヘッドセットからセンサ情報を取得可能であり、算定部と、検出部と、表示制御部とを有する表示制御装置における視線誘導方法であって、
前記算定部が、前記ヘッドセットから得られるセンサ情報に基づいて、利用者の視線情報を順次算定する算定ステップと、
前記検出部が、算定された当該視線情報に基づいて、利用者の視線が表示画面内に向けられている画面注視状態を検出する検出ステップと、
前記表示制御部が、検出された当該画面注視状態が基準時間を超えて継続されると、利用者の視線を表示画面外へ誘導するために、表示画面に表示する画像の表示形態を変更する表示制御ステップと、を備える、
ことを特徴とする視線誘導方法。
【請求項6】
利用者の頭部に装着されたヘッドセットからセンサ情報を取得可能なコンピュータを、
前記ヘッドセットから得られるセンサ情報に基づいて、利用者の視線情報を順次算定する算定部、
算定された当該視線情報に基づいて、利用者の視線が表示画面内に向けられている画面注視状態を検出する検出部、
検出された当該画面注視状態が基準時間を超えて継続されると、利用者の視線を表示画面外へ誘導するために、表示画面に表示する画像の表示形態を変更する表示制御部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−150631(P2011−150631A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13012(P2010−13012)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】