表示制御装置及び表示制御方法
【課題】探索した経路が、施設を通過する場合、施設内の経路を表示できる縮尺を特定し、特定した縮尺に基づいて経路を表示する。
【解決手段】地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【解決手段】地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関し、特に、施設内の経路を表示させる表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS(Global Positioning System)等により現在位置を検出し、その現在位置をディスプレイに地図とともに表示し、また、目的地までの経路を探索してディスプレイに表示することにより、ユーザを目的地まで円滑に導くようにしたナビゲーション装置が知られている。
【0003】
なお、ナビゲーション装置は、車両に搭載されて、車両用の経路を探索するナビゲーション装置に限られず、歩行者によって保持され、歩行者用の経路(バスや電車などの交通機関を利用するものであってもよい)を探索するナビゲーション装置も登場している。
【0004】
ここで、経路探索の際に用いられる地図情報に、施設内の通路の地図情報(ノードデータ・リンクデータ)が含まれる場合、目的地までの経路を探索すると、施設内を通過する経路を探索する場合がある。(例えば、歩行者用の経路を探索した場合に、ある駅構内を通過して目的地に至る経路が探索される場合がある。)
しかしながら、施設内においては、施設の屋根・壁などによって、GPS衛星からの電波が遮断され、GPSによる現在位置の検出が困難である。そして、現在位置が検出できないと施設内におけるユーザの位置が不明であるため施設内での経路案内(例えば右左折の音声案内、正確な位置への現在位置マークの表示など)を行なうことができない。
【0005】
なお、加速度センサ、角速度センサ及び方位センサなどの出力に基づいて現在位置(自律航法による現在位置)を検出することも考えられるが、安価なセンサでは、検出精度が低く、また、施設内では「GPSによる現在位置」に基づいて、センサ類の計測誤差を補正することができないため、センサ類を用いた場合(自律航法による現在位置検出)であっても正確な現在位置を検出することは困難である。
【0006】
ところで、下記の特許文献1(特開2006−90818号公報)には、現在位置から基準距離内に建物があった場合、基準時間を経過するまで、当該建物の構内地図を表示するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−90818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1では、現在位置から基準距離内に建物があった場合、当該建物の構内地図を表示しているが、当該建物の構内を全て表示しているため、縮尺が小さくなり、文字(例えば「出入り口」の文字)や経路(施設内の推奨経路)を視認しにくくなるといった問題があった。
【0009】
そこで、本願発明では、探索された経路(推奨経路)が施設(位置検出不能な範囲)内を通過する場合、当該経路上の施設に進入する地点(施設の入口)から当該経路上の施設から退出する地点(施設の出口)までの経路が表示可能な縮尺を特定し、特定した縮尺に基づいて施設の入口から施設の出口までの経路を表示させる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0011】
これにより、探索された経路が施設内を通過する場合、当該経路上の施設に進入する地点(施設の入口)から当該経路上の施設から退出する地点(施設の出口)までの経路が表示可能な縮尺を特定し、特定した縮尺に基づいて施設の入口から施設の出口までの経路を表示させることが可能となり、ユーザは施設内において、縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設内の推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0012】
また、施設の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はないため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【0013】
本願の請求項2では、前記制御部は、前記縮尺を前記施設から退出するまで記憶させることを特徴とする。
【0014】
これにより、施設の入口から施設の出口までの経路を表示させた後に、縮尺の変更や、スクロールを行った場合であっても、速やかに施設の入口から施設の出口までの経路を表示させることができる。
【0015】
本願の請求項3では、前記制御部は、現在位置に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項4では、前記制御部は、進行方向に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0017】
請求項3、請求項4によれば、現在位置・進行方向の変化によって地図画像が遷移しないため、紙等に印刷された地図のように、施設の入口から施設の出口までの経路を表示させることができる。
【0018】
本願の請求項5にかかる発明は、施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記進入する地点から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする。
【0019】
これにより、目的地が施設内の場合であっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0020】
本願の請求項6にかかる発明は、施設内の出発地から目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記出発地から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0021】
これにより、出発地が施設内の場合であっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0022】
本願の請求項7にかかる発明は、施設内の出発地から該施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記出発地から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする。
【0023】
これにより、出発地と目的地が同一の施設内である場合(施設から出ない場合)であっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0024】
本願の請求項8にかかる発明は、地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる表示制御方法であって、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定するステップと、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させるステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本願発明では、探索された経路が施設内を通過する場合、当該経路上の施設に進入する地点(施設の入口)から当該経路上の施設から退出する地点(施設の出口)までの経路が表示可能な縮尺を特定し、特定した縮尺に基づいて施設の入口から施設の出口までの経路を表示させるため、ユーザは施設内において、縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設内の推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0026】
また、施設の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はないため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】ノースアップ表示の場合における縮尺の特定方法を説明する模式図である。
【図3】出口方向表示の場合における縮尺の特定方法を説明する模式図である。
【図4】施設進入方向表示の場合における縮尺の特定方法を説明する模式図である。
【図5】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図6】施設の入口付近となるまでに表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図7】施設の入口付近となった際に表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図8】施設から出たあとに表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図9】本発明の第2実施例にかかるナビゲーション装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図10】目的地が施設内である場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図11】出発地が施設内である場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図12】出発地及び目的地が同一の施設内である場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図13】2画面表示した場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図14】ポップアップ表示した場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための表示制御装置としてナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の表示制御装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0029】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0030】
ナビゲーション装置1は、制御部10、現在位置検出部11、地図情報記憶部12、記憶部13、表示部14、操作部15及び音声出力部16を備えて構成される。
【0031】
なお、以下の説明では、ナビゲーション装置1を「歩行者用ナビゲーション装置」として説明を行なう。すなわち、ナビゲーション装置1は、歩行者用の経路を探索するものとして説明を行なう。
【0032】
制御部10は、CPU、ROM及びRAM(何れも不図示)からなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御するものである。
【0033】
なお、制御部10は、後述する操作部15を介して目的地が入力された場合、地図情報記憶部12に記憶された地図情報を参照して、出発地(例えば現在位置)から目的地までの推奨経路を探索する。
【0034】
なお、推奨経路の探索は、出発地に対応するノードから目的地に対応するノードに至るリンクとノードとをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長(移動距離)又は総所要時間等が最短となる経路を推奨経路とし、当該推奨経路に属するノードやリンクを推奨経路データとする。
【0035】
現在位置検出部11は、地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報及び位置情報を含む電波を受信するGPS受信機等で構成される。GPS受信機は、3個以上のGPS衛星からの電波を受信して処理することにより、ナビゲーション装置1の現在位置を算出することができる。
【0036】
また、現在位置検出部11は、加速度センサ、角速度センサ、方位センサ等の出力に基づいて現在位置(自律航法による現在位置)を検出することもできる。そして、GPS受信機による現在位置間を自律航法による現在位置で補完することも可能である。
【0037】
なお、上記のセンサ類の出力に基づいて現在位置(自律航法による現在位置)を検出する場合であっても、自律航法による現在位置は、絶対的な現在位置とは異なり、前回の現在位置からの相対的な現在位置であるため、自律航法のみでは現在位置の誤差が増大してしまう恐れがある。
【0038】
なお、現在位置検出部11は、現在位置のみならず、移動速度や進行方向を検出することも可能である(制御部10が算出してもよい)。移動速度や進行方向は、前回検出した現在位置と、今回検出した現在位置とに基づいて算出してもよいし、加速度センサ、角速度センサ、方位センサ等の出力に基づいて算出してもよい。また、移動速度や進行方向も現在位置と同様に、GPSによる現在位置が検出できないと(GPS衛星からの電波が受信できないと)計測誤差が増大してしまう恐れがある。
【0039】
地図情報記憶部12は、例えば、HD(ハードディスク)やフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成され、地図情報記憶部12には、少なくとも地図情報が記憶される。
【0040】
地図情報には、歩道や歩行者用通路の分岐点をノードとするノードデータ、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータ、地形図データが含まれる。なお、本実施例においては、施設内の歩行者用通路のノードデータ及びリンクデータも地図情報に含まれている。
【0041】
ノードデータには、ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐点名称などのノード属性が含まれる他、施設内か否かを判別することが可能な識別情報も含まれる。
【0042】
この識別情報は、例えば、建物内であることを示す情報、地下であることを示す情報、屋根があることを示す情報などであり、識別情報が建物内であること、地下であること又は屋根があることを示している場合、当該識別情報に対応付けられたノードは施設内であると判別することができる。
【0043】
ここで、「施設」について説明を行なう。本実施例において、施設とは、駅や百貨店などの建物に限らず、屋根がある通路や地下道などの現在位置の検出が困難な範囲(位置検出不能な範囲)を示している。
【0044】
すなわち、施設内を通過する推奨経路とは、駅や百貨店などの建物(施設)を通過する推奨経路に限らず、屋根がある通路(施設)を通過する推奨経路や、地下道(施設)を通過する推奨経路も含まれる。
【0045】
リンクデータには、始点及び終点となるノード番号、道路種別(歩行者優先通路、自転車兼用道路等)、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間等が含まれる。また、リンクデータにも、ノードデータと同様に、施設内か否かを判別することが可能な識別情報も含まれる。
【0046】
ここで、上述したとおり、ノードデータ及びリンクデータには、施設内か否かを判別することが可能な識別情報が含まれる。そのため、推奨経路データにおいて、施設内でないリンク(識別情報が施設内であることを示していないリンク)から施設内であるリンク(識別情報が施設内であることを示しているリンク)へ切り替わる地点(ノード)が施設への入口と判定でき、同様に、施設内であるリンクから施設内でないリンクへ切り替わる地点(ノード)が施設からの出口と判定できる。
【0047】
なお、施設(例えば、駅や地下街)の出入口のノードのノードデータには、施設の出入口を示す情報が含まれても良い。
【0048】
地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データからなる背景データが含まれる。
【0049】
なお、地図情報記憶部12には、バスや電車などの交通機関の時刻情報及び乗り換え情報等も記憶され、ナビゲーション装置1が、交通機関を利用した経路を探索できるものであってもよい。
【0050】
記憶部13は、HD(ハードディスク)やフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成され、制御部10が探索した推奨経路が施設内を通過する場合、記憶部13には、当該施設の入口から当該施設の出口までの経路を表示するための情報が記憶される。
【0051】
ここで、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」について説明する。
【0052】
「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」には、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺(例えば1/2500の縮尺)、施設内の経路(施設の入口から施設の出口までの経路)の推奨経路データ、及び進行方向(後述するが、現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向)などが含まれる。
【0053】
ここで、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法について、説明を行なう。
【0054】
施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺は、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データ(ノード・リンク)、表示部14の表示画面(表示領域)の大きさ(縦・横)、及び、表示方向に基づいて特定される。
【0055】
表示方向は、例えば、北を表示画面上の上部とするノースアップ表示や、施設の入口及び施設の出口を直線で結び、この直線が表示画面の底辺に垂直とする表示(出口方向表示)、現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向に基づく表示(施設進入方向表示)などがある。
【0056】
なお、詳細は後述するが、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定には、施設内の経路(施設内の経路エリア)の縦の長さ、及び、横の長さが必要であるが、この経路の縦横の長さは、同一の経路(施設内の経路)であっても表示方向によって異なる。
【0057】
まず、ノースアップ表示の場合を例にして、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法について説明を行なう。
【0058】
図2(a)に示すように、駅(一点鎖線で囲まれた範囲)を通過する推奨経路200が探索された場合、図2(b)に示すように北を上向きとし、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データ(ノード・リンク)に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0059】
具体的には、施設の入口から施設の出口までの経路を図2(b)に示すように北を上向きとした場合に、施設の入口から施設の出口までの経路の最大緯度、最小緯度、最大経度、及び最小経度を推奨経路データに含まれるノードの位置座標に基づいて特定し、最大緯度と最小緯度の差分、最大経度と最小経度の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0060】
例えば、縦の長さ(最大緯度と最小緯度の差分に基づく距離)が400mであり、横の長さ(最大経度と最小経度の差分に基づく距離)が200mである場合、表示画面の下部から上部までの距離(表示領域の縦の距離)が400m以上となり、且つ、表示画面の左部から右部までの距離(表示領域の横の距離)が200m以上となる縮尺のうち最も大きい縮尺を「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」として特定する。
【0061】
特定した縮尺でノースアップ表示を行なった場合、表示部14には、図2(c)に示すような地図画像が表示される。図2(c)では、施設内の推奨経路200が表示部14に表示されている。
【0062】
次に、出口方向表示(施設の入口及び施設の出口を直線で結び、この直線が表示画面の底辺に垂直とする表示)を例にして、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法を説明する。
【0063】
まず、図3(a)に示すように、駅(一点鎖線で囲まれた範囲)を通過する推奨経路200が探索された場合、図3(b)に示すように施設の入口及び施設の出口を直線で結び、この直線が表示画面の底辺に垂直として(すなわち、施設の入口からみて施設の出口が表示画面上の真上として)、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0064】
具体的には、施設の入口の位置及び施設の出口の位置に基づき、施設の入口及び施設の出口を結ぶベクトル(図3(b)の破線)を特定し、特定したベクトルと、施設の入口から北方向のベクトル(図3(b)の点線)との角度θ1を算出する。
【0065】
そして、推奨経路データに含まれるノードの位置座標を、施設の入口の位置を中心に、角度θ1分回転させ(図3(b)は回転させた後のイメージ図)、施設の入口から施設の出口までの経路の左端、右端、上端、及び下端を特定する。
【0066】
そして、上端と下端の差分、左端と右端の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0067】
例えば、算出した縦の長さ(上端と下端の差分に基づく距離)が250mであり、横の長さ(左端と右端の差分に基づく距離)が300mである場合、表示画面の下部から上部までの距離(表示領域の縦の距離)が250m以上となり、且つ、表示画面の左部から右部までの距離(表示領域の横の距離)が300m以上となる縮尺のうち最も大きい縮尺を「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」として特定する。
【0068】
特定した縮尺で出口方向表示を行なった場合、表示部14には、図3(c)に示すような地図画像が表示される。図3(c)では、施設内の推奨経路(施設の入口から施設の出口までの経路)200が表示部14に表示されている。
【0069】
続いて、施設進入方向表示(現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向に基づく表示)を例にして、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法を説明する。
【0070】
まず、図4(a)に示すように、駅(一点鎖線で囲まれた範囲)を通過する推奨経路200が探索された場合、図4(b)に示すように現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向(詳細は後述)を上向きとして、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0071】
具体的には、出口方向表示の場合と同様に、施設の入口から進行方向(現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向)のベクトル(図4(b)の破線)と、施設の入口から北方向のベクトル(図4(b)の点線)との角度θ2を算出する。
【0072】
そして、推奨経路データに含まれるノードの位置座標を、施設の入口の位置を中心に、角度θ2分回転させ(図4(b)は回転させた後のイメージ図)、施設の入口から施設の出口までの経路の左端、右端、上端、及び下端を特定する。
【0073】
そして、上端と下端の差分、左端と右端の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0074】
例えば、算出した縦の長さ(上端と下端の差分に基づく距離)が250mであり、横の長さ(左端と右端の差分に基づく距離)が300mである場合、表示画面の下部から上部までの距離(表示領域の縦の距離)が250m以上となり、且つ、表示画面の左部から右部までの距離(表示領域の横の距離)が300m以上となる縮尺のうち最も大きい縮尺を「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」として特定する。
【0075】
特定した縮尺で施設進入方向表示を行なった場合、表示部14には、図4(c)に示すような地図画像が表示される。図4(c)では、施設内の推奨経路(施設の入口から施設の出口までの経路)200が表示部14に表示されている。
【0076】
以上の通り、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データ(ノード・リンク)、表示部14の表示画面(表示領域)の大きさ(縦・横)、及び、表示方向に基づいて「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」が特定でき、特定した縮尺、表示方向などに基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路を表示部14に表示させることができる。
【0077】
なお、出口方向表示、施設進入方向表示において、縮尺を特定する方法は、上記に限られず、例えば、施設の入口及び施設の出口を結ぶベクトル(図3(b)の破線)と、施設の入口から北方向のベクトル(図3(b)の点線)とが角度θ1である場合、推奨経路データに含まれるノードの位置座標を、施設の入口の位置を中心に角度θ1分回転移動させたときの位置座標(緯度、経度)に仮に置き換え、置き換えた位置座標のうち、最大緯度、最小緯度、最大経度、及び最小経度を特定し、最大緯度と最小緯度の差分、最大経度と最小経度の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出してもよい。
【0078】
表示部14は、液晶パネルなどで構成され、制御部10の指示に基づいて表示部14には、地図情報記憶部12に記憶された地図情報に基づく地図画像、制御部10により探索された推奨経路の画像、現在位置を示す現在位置マーク等が表示され、また操作部15による入力作業のための画面が表示される。
【0079】
操作部15は、ユーザによって操作され、出発地、目的地、経由地等を入力するためのものであり、例えば、タッチパネルで構成される。また、操作部15は、上記のタッチパネル以外にも、ナビゲーション装置1に設けられたハードキーで構成されてもよいし、リモコンなどで構成されてもよい。
【0080】
音声出力部16は、スピーカなどで構成され、制御部10の指示に基づいて音声出力部16からは、経路案内の際の音声ガイダンス(音声データは、例えば、地図情報記憶部12に記憶されている)や、ナビゲーション装置1の操作に必要な音声、警告等のブザー音等が出力される。
【0081】
続いて、本願発明におけるナビゲーション装置1の制御部10が行なう制御動作について図5のフローチャートを参照して説明を行なう。
【0082】
まず、ユーザが操作部15を介して目的地を設定すると(ステップS501)、制御部10は、出発地(現在位置)から目的地までの推奨経路を探索する(ステップS502)。例えば、図2(a)に示す推奨経路200が探索される。
【0083】
続いて、制御部10は、現在位置に基づく現在位置マークや、地図情報に基づく地図画像、推奨経路データ(推奨経路に属するノードやリンク)に基づく推奨経路(推奨経路画像)200を表示部14に表示させ、経路案内を開始する(ステップS503)。
【0084】
次に、制御部10は、推奨経路が施設内を通過するか否かを判定する(ステップS504)。推奨経路が施設内を通過するか否かの判定は、推奨経路データに属するノードやリンクの識別情報(施設内か否かを判別することが可能な識別情報)を参照することで判定することが可能である。
【0085】
すなわち、識別情報が施設内であることを示すリンクやノードが推奨経路データに含まれる場合、推奨経路が施設内を通過すると判定する(ステップS504のYES)。
【0086】
或いは、推奨経路データに含まれるリンクにおいて、施設内でないリンク(識別情報が施設内であることを示していないリンク)から施設内であるリンク(識別情報が施設内であることを示すリンク)へ切り替わり、且つ、施設内であるリンクから施設内でないリンクへ切り替わる場合に、推奨経路が施設内を通過すると判定する(ステップS504のYES)。
【0087】
推奨経路が施設内を通過する場合(ステップS504のYES)、制御部10は、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設の入口付近か否かを判定する(ステップS505)。なお、推奨経路が施設内を通過しないと判定した場合は(ステップS504のNO)、本発明の処理を終了する。
【0088】
ステップS505において、施設の入口とは、上述したとおり、推奨経路上において、施設内でないリンクから施設内であるリンクへ切り替わる地点(ノード)であり、現在位置から所定距離(例えば50m)以内に施設の入口がある場合に、現在位置が施設の入口付近であると判定する(ステップS505のYES)。
【0089】
なお、現在位置が施設の入口付近でない場合には(ステップS505のNO)、現在位置が施設の入口付近となるまで経路案内を継続して行なう。
【0090】
ここで、現在位置が施設の入口付近となるまでに表示部14に表示される画像(地図画像など)を図6を参照して説明する。
【0091】
なお、以下の説明では、現在位置が施設の入口付近となるまで、或いは、施設から出た後に、表示部14に地図画像などを表示させるが、これを「表示部14に地図画像を通常表示させる」と表現する。
【0092】
また、現在位置が施設の入口付近となってから当該施設から出るまでも、表示部14に地図画像などを表示させるが、これを「表示部14に地図画像を固定表示させる」と表現する。固定表示させる場合についての説明は後述する。
【0093】
まず、図6を用いて、表示部14に地図画像を通常表示させる場合について説明を行なう。図6に示す表示画面601には、現在位置を示す現在位置マーク201、施設(図6においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、及び、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204が表示されている。
【0094】
なお、ナビゲーション装置1には、上述したノースアップ表示と、現在位置検出部11によって検出された進行方向を表示画面の上部とするヘディングアップ表示があり、何れの表示にするかはユーザが操作部15を介して指定することができる。図6に示す表示画面601では、進行方向を表示画面の上部とするヘディングアップ表示がなされている場合を例示している。
【0095】
地図画像を通常表示させている場合では、現在位置の移動・進行方向の変化に伴って、表示画面601に表示する地図画像が遷移されて表示される。そのため、ユーザは操作部15を介してスクロールなどを行なわなくても現在位置周辺の道路(経路)を視認することが可能である。
【0096】
なお、縮尺表示204が表す縮尺は、画面上の1cmが表す距離であり、縮尺表示204が表す縮尺が5mであれば、1/500の縮尺である。表示部14に表示される地図画像の縮尺も、ユーザが操作部15を介して任意に指定することができる。
【0097】
ここで、図6では、設定されている縮尺が大きいため、施設(駅)の入口から施設(駅)の出口まで表示画面601に表示されていない。
【0098】
しかしながら、施設内においては、現在位置が検出できないため、現在位置の移動に伴う地図画像の遷移が行なうことができない。(或いは誤った現在位置を検出してしまい、実際の現在位置とは異なる現在位置に基づく地図画像を表示してしまう。)
そのため、従来では、施設内を通過する場合、ユーザは操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールするなどして、施設の出口までの推奨経路を確認しなければならなかった。
【0099】
そこで、本願発明では、推奨経路が施設内を通過する場合に、施設の入口から施設の出口までの経路を表示しており、その手順を以下に説明する。
【0100】
ステップS505の処理において、現在位置が施設の入口付近であると判定した場合(ステップS505のYES)、制御部10は、上述したように、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺を特定する(ステップS506)。なお、縮尺を特定する際に、表示方向(ノースアップ表示、出口方向表示など)が必要であるが、表示方向は予め何れかに設定されていてもよいし、ユーザが操作部15を介して何れかの表示方向を選択してもよい。
【0101】
続いて、制御部10は、施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報(ステップS506において特定した縮尺、施設内の経路の推奨経路データ)を記憶部13に記憶させ(ステップS507)、施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報に基づいて、表示部14に地図画像を固定表示させる(ステップS508)。
【0102】
ここで、地図画像の固定表示について図7を用いて説明を行なう。図7では、ノースアップ表示の場合を例示しているため、図2(c)と同様の図となる。
【0103】
図7に示す表示画面701には、施設(図7においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205が表示されている。
【0104】
ここで、現在位置が施設の入口付近となるまでは、ノースアップ表示とヘディングアップ表示の何れかを操作部15を介してユーザが選択できたが、施設内では、進行方向(向き)に依存しない表示方向となる。すなわち、地図画像を通常表示させている場合に、ユーザが操作部15を介してヘディングアップ表示を選択し、表示方向をヘディングアップ表示としている場合(進行方向を上向きに表示している場合)であっても、現在位置が施設の入口付近となると、ノースアップ表示となる。
【0105】
なお、ノースアップ表示を例示したが、施設内の進行方向に依存しない表示であれば、ノースアップ表示に限らず、例えば、上述した出口方向表示であってもよいし、施設進入方向表示であってもよい。
【0106】
これらの何れを用いるかは、ユーザが操作部15を介して設定できる。なお、ユーザによって表示方向(ノースアップ表示、出口方向表示など)が設定された場合、制御部10は、設定された表示方向(例えば、ノースアップ表示である旨)を記憶部13に記憶させておく、また、施設進入方向表示が設定された場合には、制御部10は、ステップS506において、現在(現在位置が入口付近となったとき)の進行方向を特定し、ステップS507において、特定した進行方向を記憶部13に記憶させる。
【0107】
また、施設内では現在位置検出部11によって検出される現在位置の精度が低いため、地図画像を固定表示させた場合には、現在位置検出部11が検出した現在位置の変化に伴う地図画像の遷移を行なわない。
【0108】
ここで、表示画面701には、表示方向(図7ではノースアップ表示)、施設内の経路の推奨経路データ、及び、ステップS506において特定した縮尺(図7では縮尺25m)に基づいて、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200が表示されている。
【0109】
これにより、ユーザは操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0110】
また、現在位置・進行方向に依存せず(現在位置・進行方向の変化に伴う表示画像(地図画像)の遷移を行なわず)、施設の入口から施設の出口までの経路を表示することで、施設内においては、紙等に印刷された施設内の地図のように視認することができる。
【0111】
なお、表示画面701には、現在位置を示す現在位置マーク201が表示されていない。これは、施設内では、現在位置検出部11によって検出される現在位置の精度が低い(誤差が大きい)ことが考えられ、誤った位置(実際の現在位置とは異なる位置)に現在位置マーク201が表示されるのを防ぐためである。
【0112】
ステップS508にて、表示部14に地図画像を固定表示させた後、制御部10は、ナビゲーション装置1(ナビゲーション装置1を保持する歩行者)が施設から出たか否かを判定する(ステップS509)。
【0113】
ここで、ナビゲーション装置1が施設から出たか否かを判定する方法について説明を行なう。
【0114】
まず、第1の方法として、現在位置検出部11のGPS受信機によって現在位置が検出された場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定することができる。
【0115】
これは、GPS受信機によって現在位置が検出できた場合、GPS衛星からの電波が遮られない位置、すなわち、施設の外に出たと判定することが可能なためである。
【0116】
また、第2の方法として、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設の出口付近である場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定することができる。
【0117】
さらに、第3の方法として、上記の第1の方法と第2の方法も組み合わせることによって判定することも可能である。
【0118】
第3の方法では、現在位置検出部11のGPS受信機によって現在位置が検出され、且つ、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設の出口付近である場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定する。
【0119】
なお、第3の方法では、現在位置検出部11のGPS受信機によって現在位置が検出され、且つ、GPS受信機(現在位置検出部11)によって検出された現在位置が施設の出口付近である場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定することが好ましい。
【0120】
また、第4の方法として、ユーザが操作部15を介して、施設から出た旨の操作を行なうことによって、施設から出たと判定しても良い。
【0121】
なお、第2、第3の方法における施設の出口とは、推奨経路上の施設の出口に限らず、同一施設の何れかの出口であってもよい。
【0122】
以上の方法の何れかを用いて、制御部10は、ナビゲーション装置1(ナビゲーション装置1を保持する歩行者)が施設から出たか否かを判定する(ステップS509)。
【0123】
そして、ナビゲーション装置1が施設から出ていないと判定した場合には(ステップS509のNO)、地図画像の固定表示を表示部14に継続して表示させ、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した場合には(ステップS509のYES)、ステップS510の処理へ進む。
【0124】
ステップS510では、ステップS507において、記憶部13に記憶させた「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」(ステップS506において特定した縮尺、施設内の経路の推奨経路データ、(進行方向))を記憶部13から削除する(ステップS510)。
【0125】
なお、削除するタイミングは、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した直後に限らず、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に蓄積していき、記憶部13の記憶領域が小さくなった場合に(全て、または、古い順に)削除することとしてもよいし、次回、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させる際に削除しても良い。
【0126】
但し、少なくともナビゲーション装置1が施設から出たと判定するまでは、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させておく。
【0127】
なお、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した場合には(ステップS509のYES)、制御部10は、表示部14に地図画像を通常表示させる。
【0128】
ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した後に表示部14に表示される表示画面について図8を参照して説明を行なう。
【0129】
図8に示す表示画面801には、現在位置を示す現在位置マーク201、施設(図8においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の出口205、及び、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204が表示されている。
【0130】
図8では、現在位置に基づく地図画像が表示されており、施設の入口203が表示されていない。また、縮尺においては、ステップS506において特定した「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」ではなく、ユーザが任意に指定した縮尺であり、図8では、現在位置が施設の入口付近に到達するまでに指定されていた「5m」(1/500の縮尺)の縮尺で表示されている。
【0131】
また、固定表示の際にノースアップ表示を例示したが、図8の表示画面801では、現在位置が施設の入口付近に到達するまでにユーザによって指定されていたヘディングアップ表示がなされている。すなわち、制御部10は、地図画像を固定表示させる前に表示部14に表示させていた地図画像の縮尺、及び、表示方向(ノースアップ表示、又は、ヘディングアップ表示)を記憶部13に記憶させ、施設から出ると、記憶部13に記憶させた地図画像の縮尺及び表示方向と、現在位置検出部11によって検出された現在位置とに基づいて、表示部14に地図画像を通常表示させる。そして、現在位置・進行方向の変化に伴って、地図画像が遷移して表示される。
【0132】
以上、説明した通り、推奨経路が施設内を通過する場合、現在位置が施設の入口付近となると、施設から出るまで表示部14に地図画像が固定表示される。(施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報が記憶される。)
そのため、ユーザは操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設の出口までの推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0133】
また、本発明では、施設(例えば駅)の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はなく、施設の入口から施設の出口までの経路を表示できる縮尺で表示されているため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【0134】
なお、本発明においては、少なくともナビゲーション装置1が施設から出たと判定するまでは、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させておくが、記憶させておく理由について説明を行なう。
【0135】
まず、ステップS508の処理において、制御部10は、表示部14に地図画像を固定表示させたが、この際においても、操作部15を介して、スクロールや縮尺を変更することが可能である。
【0136】
すなわち、ユーザが、もう少し縮尺の大きな地図画像を表示させたいと考えた場合には、操作部15を介して縮尺を大きくすることが可能である。
【0137】
しかしながら、縮尺を変更する、或いは、スクロールした後に、再度、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面(例えば、図7の表示画面701)に戻したい場合には、逆の手順で同様の操作(縮尺の変更、スクロール)を繰り返す必要がある。
【0138】
そこで、少なくともナビゲーション装置1が施設から出たと判定するまでは、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させておき、縮尺を変更する、或いは、スクロールした後に、再度、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面に戻したい場合に、例えば、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面に戻すためのボタンを操作部15が備えていれば、当該ボタンを押下すれば、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」に基づいて、速やかに施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面(例えば、図7の表示画面701)を表示することができる。
[第2実施形態]
上記実施例では、出発地から目的地に至るまでに施設内を通過する場合について、説明を行なったが、本願発明は、施設内を通過する場合に限らず、目的地が施設内である場合、出発地が施設内である場合、出発地及び目的地が同一の施設内である場合においても適用することが可能である。
【0139】
目的地が施設内である場合における制御部10の制御動作について図9のフローチャートを用いて説明を行なう。
【0140】
まず、操作部15を介して目的地が設定されると(ステップS901)、制御部10は推奨経路を探索して推奨経路データを取得する(ステップS902)。
【0141】
続いて、制御部10は、現在位置に基づく現在位置マークや、地図情報に基づく地図画像、推奨経路データ(推奨経路に属するノードやリンク)に基づく推奨経路を表示部14に表示させ、経路案内を開始する(ステップS903)。
【0142】
次に、制御部10は、目的地が施設内か否かを判定する(ステップS904)。目的地が施設内か否かの判定は、目的地に対応するノード・リンクの識別情報(施設内か否かを判別することが可能な識別情報)を参照することで判定することが可能である。
【0143】
すなわち、目的地に対応したノード・リンクの識別情報が施設内であることを示す場合、目的地が施設内であると判定する(ステップS904のYES)。
【0144】
目的地が施設内である場合(ステップS904のYES)、制御部10は、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設(目的地が含まれる施設)の入口付近か否かを判定する(ステップS905)。なお、目的地が施設内でないと判定した場合は(ステップS904のNO)、本発明の処理を終了する。
【0145】
ステップS905において、施設の入口とは、上述したとおり、推奨経路上において、施設内でないリンクから施設内であるリンクへ切り替わる地点(ノード)であり、現在位置から所定距離(50m)以内に施設の入口がある場合に、現在位置が施設の入口付近であると判定する(ステップS905のYES)。
【0146】
なお、現在位置が施設の入口付近でない場合には(ステップS905のNO)、現在位置が施設の入口付近となるまで経路案内(通常表示)を継続して行なう。
【0147】
現在位置が施設の入口付近であると判定すると(ステップS905のYES)、施設の入口から目的地までの経路を表示する際の縮尺を特定する(ステップS906)。縮尺はステップS506と同様に、表示方向(例えばノースアップ表示)、施設の入口から目的地までの経路の推奨経路データ、及び、表示画面(表示領域)の大きさによって特定される。
【0148】
続いて、制御部10は、施設の入口から目的地までの経路を表示するための情報(施設内の経路の推奨経路データ、縮尺など)を記憶部13に記憶させ(ステップS907)、表示部14に地図画像を固定表示させる(ステップS908)。
【0149】
ここで、目的地が施設内である場合に、ノースアップ表示において地図画像を固定表示させた場合について図10を用いて説明を行なう。
【0150】
図10に示す表示画面1001には、施設(図10においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、及び、目的地206が表示されている。
【0151】
図10に示すように、表示部14には、施設の入口から目的地までの経路が表示される。図7と同様に、固定表示させた場合には現在位置を示す現在位置マーク201は表示されず、現在位置・進行方向(ナビゲーション装置1の向き)の変化に依存しない表示となる。
【0152】
地図画像を固定表示させた後、制御部10は、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS909)。例えば、操作部15を介して、目的地に到着した旨の入力があった場合(或いは、経路案内の中止指示があった場合)に目的地に到着したと判定する(ステップS909のYES)。なお、目的地に到着していない場合は、継続して地図画像を固定表示させる(ステップS909のNO)。
【0153】
目的地に到着したと判定した場合(ステップS909のYES)、施設の入口から目的地までの経路を表示するための情報を削除する(ステップS910)。
【0154】
以上の通り、推奨経路が施設内を通過する場合に限らず、目的地が施設内である場合にも本願発明を適用でき、ユーザは施設内において、操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、目的地までの(施設内の)推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0155】
また、本発明では、施設(例えば駅)の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はなく、施設の入口から目的地までの経路を表示できる縮尺で表示されているため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【0156】
なお、第2実施形態では、出発地が施設外であり目的地が施設内である場合について説明を行なったが、出発地が施設内であり目的地が施設外である場合にも本願発明を適用することが可能である。
【0157】
すなわち、出発地から施設の出口(推奨経路上において、施設内であるリンクから施設内でないリンクへ切り替わる地点(ノード))までの経路の推奨経路データなどに基づいて縮尺を特定し(この場合、出発地が施設の入口の役割を果たす)、当該施設から出るまで、出発地から施設の出口までの経路を表示させる(固定表示させる)。当該施設から出たか否かの判定は、上記実施例(ステップS509)と同様に判定することができる。また、出発地が施設内か否かは、例えば、出発地に対応するノード・リンクの識別情報が施設内であることを示しているか否かで判定することができる。
【0158】
ここで、図11を用いて、施設から出るまで、表示部14に固定表示される地図画像を説明する。図11に示す表示画面1101には、施設(図11においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205、及び、出発地207が表示されている。
【0159】
図11に示すように、表示部14には、出発地から施設の出口までの経路が表示される。図7と同様に、固定表示させた場合には現在位置を示す現在位置マーク201は表示されず、現在位置・進行方向(ナビゲーション装置1の向き)の変化に依存しない表示となる。
【0160】
さらに、施設内の出発地と同じ施設内の目的地が指定された場合にも本願発明を適用することが可能である。
【0161】
すなわち、出発地から目的地までの経路の推奨経路データなどに基づいて縮尺を特定し(この場合、出発地が施設の入口の役割を果たす)、目的地に到着するまで、出発地から目的地までの経路を表示させる(固定表示させる)。目的地に到着したか否かの判定は、上記第2実施例(ステップS909)と同様に判定することができる。
【0162】
なお、出発地と目的地が同じ施設内にあるか否かは、出発地から目的地までの推奨経路を探索し、推奨経路データに含まれるノード・リンクの識別情報が全て施設内であることを示している場合(すなわち一度も施設から退出しない場合)に出発地と目的地が同じ施設内にあると判定することが可能である。
【0163】
ここで、図12を用いて、目的地に到着するまでに、表示部14に固定表示される地図画像を説明する。図12に示す表示画面1201には、施設(図12においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、目的地206、及び、出発地207が表示されている。
【0164】
図12に示すように、表示部14には、目的地に到着するまで出発地から目的地までの経路が表示される。図7と同様に、固定表示させた場合には現在位置を示す現在位置マーク201は表示されず、現在位置・進行方向(ナビゲーション装置1の向き)に依存しない表示となる。
【0165】
以上の通り、推奨経路が施設を通過する場合以外にも本願発明を適用することが可能であり、ユーザは施設内において、操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設内の推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0166】
また、本発明では、施設(例えば駅)の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はないため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0167】
例えば、表示部14に地図画像を固定表示させた際の表示画面例として、図7の表示画面701を説明したが、図7のような表示画面に限られず、例えば、2画面表示であってもよいし、ポップアップ表示であってもよい。
【0168】
まず、図13を参照して2画面表示の場合について説明する。図13の表示画面1301は、地図画像が通常表示されている表示領域1302と、地図画像が固定表示されている表示領域1303とからなる。
【0169】
表示領域1302には、現在位置を示す現在位置マーク201、推奨経路データに基づく推奨経路200、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204などが表示されている。また、表示領域1303には、施設(図13においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205が表示されている。
【0170】
なお、表示領域1302には、現在位置(及び進行方向)に依存する(現在位置の変化に伴い地図画像が遷移する)地図画像が表示され、表示領域1303には、現在位置(及び進行方向)に依存せず、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200が表示される。
【0171】
次に、図14を参照してポップアップ表示の場合について説明する。図14の表示画面1401では、地図画像が固定表示されている上に、表示領域1402(地図画像が通常表示されている表示領域1402)が重畳して表示されている。
【0172】
表示領域1402には、現在位置を示す現在位置マーク201、推奨経路データに基づく推奨経路200などが表示され、また、表示画面1401には、施設(図14においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205が表示されている。
【0173】
すなわち、表示画面1401では、地図画像が固定表示されており、且つ、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200に重ならないように、表示領域1402(地図画像が通常表示されている表示領域1402)が重畳して表示されている。なお、表示領域1402には、現在位置(及び進行方向)に依存する地図画像が表示される。
【0174】
なお、図14では、地図画像が固定表示されている上に、表示領域1402(地図画像が通常表示されている表示領域1402)が重畳して表示されている場合について説明したが、これに限らず、地図画像が通常表示されている上に、表示領域1402(地図画像が固定表示されている表示領域1402)が重畳して表示されてもよい。
【0175】
また、2画面表示の夫々の表示領域(1302、1303)の大きさ、重畳して表示される表示領域1402の大きさは、ユーザが操作部15を介して任意に設定できるものとしてもよい。
【0176】
なお、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺は、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データと、表示方向と、表示部14の表示画面の大きさ(縦・横)とに基づいて特定されるとして説明を行なったが、2画面表示、又は、ポップアップ表示を行なう場合であれば、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺は、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データと、表示方向と、地図画像が固定表示される表示領域の大きさ(縦・横)とに基づいて特定されることが好ましい。
【0177】
また、地図画像を固定表示させた表示画面(例えば、図7の表示画面701)に、地図画像を通常表示させた表示画面(例えば、図6の表示画面601)へ遷移させるためのボタン(ソフトキー)を表示させ、当該ボタンが押下されると、制御部10は、表示部14に地図画像を通常表示させることとしてもよい。なお、この場合、地図画像を通常表示させた表示画面にも、地図画像を固定表示させるためのボタン(ソフトキー)を表示させ、当該ボタンが押下されると、制御部10は、表示部14に地図画像を固定表示させる(例えば、図7の表示画面701へ戻る)ことが好ましい。
【0178】
以上の通り、表示部14に地図画像を固定表示させた場合の表示画面は種々の様態が考えられる。
【0179】
なお、上記実施例では、現在位置が施設の入口付近となるまでに表示部14に表示される地図画像の通常表示について図6を参照して説明したが、図6のように、設定されている縮尺が大きい場合に限らず、設定された縮尺が小さい場合であっても、現在位置が施設の入口付近となった場合に、表示部14に地図画像を固定表示させることで、施設の入口から施設の出口までの経路が表示できる縮尺のうち、最も大きい縮尺で施設の入口から施設の出口までの経路が表示されるので、施設内の推奨経路を視認し易くなる。
【0180】
また、上記実施例では、現在位置が施設の入口付近となったときに、表示部14に地図画像を固定表示させたが、これに限ることはなく、制御部10が施設内に入ったと判定したときに表示部14に地図画像を固定表示させてもよく、例えば、現在位置が施設内であるリンク・ノードにマップマッチングしたとき、GPSによる現在位置が検出できなくなったときなどに、施設内に入ったと判定することが好ましい。
【0181】
また、施設から出たか否かの判定を、上記の第1〜3の方法で行なう場合、現在位置が施設の入口付近であると判断した時点では、まだ現在位置(GPS受信機による現在位置)の検出が可能であることが考えられるため、現在位置が施設の入口付近であると判断した時点から所定時間は、ステップS509の施設から出たか否かの判定を行なわないようにしてもよい。
【0182】
なお、上記実施例では、ナビゲーション装置1を「歩行者用のナビゲーション装置」として説明したが、施設内を通過する経路を探索するものであれば、「車両用のナビゲーション装置」であってもよい。
【0183】
この場合、施設として、例えば、マルチパスの影響を受けるビル街やトンネル内に分岐があるトンネルが考えられる。なお、分岐のないトンネルは、経路から外れる可能性がなく、トンネル内での案内も不要であるため、施設に含まれないこととしてもよい。
【0184】
また、上記実施例においては、ナビゲーション装置1が目的地までの推奨経路を探索したが、これに限ることはなく、例えば、ナビゲーション装置1がサーバ(経路探索を行なうサーバ)と通信を行なうための通信部(不図示)を備え、通信部を介して目的地を示す情報をサーバへ送信し、サーバから目的地までの推奨経路を受信することによって、目的地までの推奨経路を取得してもよい。
【0185】
さらに、上記実施例においては、現在位置検出部11、記憶部13、表示部14などをナビゲーション装置1が備える構成として説明したが、これに限ることはなく、例えば、ナビゲーション装置1が、現在位置検出部11を備える携帯端末と近距離無線通信を行なうことで現在位置を取得してもよいし、同様に、ナビゲーション装置1が、記憶部13や表示部14を備える機器と無線通信を行なうことで、記憶・表示させてもよい。
【符号の説明】
【0186】
1 ・・・ナビゲーション装置
10・・・制御手段
11・・・現在位置検出部
12・・・地図情報記憶部
13・・・記憶部
14・・・表示部
15・・・操作部
16・・・音声出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関し、特に、施設内の経路を表示させる表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS(Global Positioning System)等により現在位置を検出し、その現在位置をディスプレイに地図とともに表示し、また、目的地までの経路を探索してディスプレイに表示することにより、ユーザを目的地まで円滑に導くようにしたナビゲーション装置が知られている。
【0003】
なお、ナビゲーション装置は、車両に搭載されて、車両用の経路を探索するナビゲーション装置に限られず、歩行者によって保持され、歩行者用の経路(バスや電車などの交通機関を利用するものであってもよい)を探索するナビゲーション装置も登場している。
【0004】
ここで、経路探索の際に用いられる地図情報に、施設内の通路の地図情報(ノードデータ・リンクデータ)が含まれる場合、目的地までの経路を探索すると、施設内を通過する経路を探索する場合がある。(例えば、歩行者用の経路を探索した場合に、ある駅構内を通過して目的地に至る経路が探索される場合がある。)
しかしながら、施設内においては、施設の屋根・壁などによって、GPS衛星からの電波が遮断され、GPSによる現在位置の検出が困難である。そして、現在位置が検出できないと施設内におけるユーザの位置が不明であるため施設内での経路案内(例えば右左折の音声案内、正確な位置への現在位置マークの表示など)を行なうことができない。
【0005】
なお、加速度センサ、角速度センサ及び方位センサなどの出力に基づいて現在位置(自律航法による現在位置)を検出することも考えられるが、安価なセンサでは、検出精度が低く、また、施設内では「GPSによる現在位置」に基づいて、センサ類の計測誤差を補正することができないため、センサ類を用いた場合(自律航法による現在位置検出)であっても正確な現在位置を検出することは困難である。
【0006】
ところで、下記の特許文献1(特開2006−90818号公報)には、現在位置から基準距離内に建物があった場合、基準時間を経過するまで、当該建物の構内地図を表示するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−90818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1では、現在位置から基準距離内に建物があった場合、当該建物の構内地図を表示しているが、当該建物の構内を全て表示しているため、縮尺が小さくなり、文字(例えば「出入り口」の文字)や経路(施設内の推奨経路)を視認しにくくなるといった問題があった。
【0009】
そこで、本願発明では、探索された経路(推奨経路)が施設(位置検出不能な範囲)内を通過する場合、当該経路上の施設に進入する地点(施設の入口)から当該経路上の施設から退出する地点(施設の出口)までの経路が表示可能な縮尺を特定し、特定した縮尺に基づいて施設の入口から施設の出口までの経路を表示させる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0011】
これにより、探索された経路が施設内を通過する場合、当該経路上の施設に進入する地点(施設の入口)から当該経路上の施設から退出する地点(施設の出口)までの経路が表示可能な縮尺を特定し、特定した縮尺に基づいて施設の入口から施設の出口までの経路を表示させることが可能となり、ユーザは施設内において、縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設内の推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0012】
また、施設の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はないため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【0013】
本願の請求項2では、前記制御部は、前記縮尺を前記施設から退出するまで記憶させることを特徴とする。
【0014】
これにより、施設の入口から施設の出口までの経路を表示させた後に、縮尺の変更や、スクロールを行った場合であっても、速やかに施設の入口から施設の出口までの経路を表示させることができる。
【0015】
本願の請求項3では、前記制御部は、現在位置に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0016】
本願の請求項4では、前記制御部は、進行方向に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0017】
請求項3、請求項4によれば、現在位置・進行方向の変化によって地図画像が遷移しないため、紙等に印刷された地図のように、施設の入口から施設の出口までの経路を表示させることができる。
【0018】
本願の請求項5にかかる発明は、施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記進入する地点から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする。
【0019】
これにより、目的地が施設内の場合であっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0020】
本願の請求項6にかかる発明は、施設内の出発地から目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記出発地から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする。
【0021】
これにより、出発地が施設内の場合であっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0022】
本願の請求項7にかかる発明は、施設内の出発地から該施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、前記制御部は、前記出発地から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする。
【0023】
これにより、出発地と目的地が同一の施設内である場合(施設から出ない場合)であっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0024】
本願の請求項8にかかる発明は、地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる表示制御方法であって、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定するステップと、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させるステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本願発明では、探索された経路が施設内を通過する場合、当該経路上の施設に進入する地点(施設の入口)から当該経路上の施設から退出する地点(施設の出口)までの経路が表示可能な縮尺を特定し、特定した縮尺に基づいて施設の入口から施設の出口までの経路を表示させるため、ユーザは施設内において、縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設内の推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0026】
また、施設の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はないため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】ノースアップ表示の場合における縮尺の特定方法を説明する模式図である。
【図3】出口方向表示の場合における縮尺の特定方法を説明する模式図である。
【図4】施設進入方向表示の場合における縮尺の特定方法を説明する模式図である。
【図5】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図6】施設の入口付近となるまでに表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図7】施設の入口付近となった際に表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図8】施設から出たあとに表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図9】本発明の第2実施例にかかるナビゲーション装置の制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図10】目的地が施設内である場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図11】出発地が施設内である場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図12】出発地及び目的地が同一の施設内である場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図13】2画面表示した場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【図14】ポップアップ表示した場合に、表示部に表示される画像を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための表示制御装置としてナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の表示制御装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0029】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0030】
ナビゲーション装置1は、制御部10、現在位置検出部11、地図情報記憶部12、記憶部13、表示部14、操作部15及び音声出力部16を備えて構成される。
【0031】
なお、以下の説明では、ナビゲーション装置1を「歩行者用ナビゲーション装置」として説明を行なう。すなわち、ナビゲーション装置1は、歩行者用の経路を探索するものとして説明を行なう。
【0032】
制御部10は、CPU、ROM及びRAM(何れも不図示)からなるプロセッサで構成され、ROM、RAMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御するものである。
【0033】
なお、制御部10は、後述する操作部15を介して目的地が入力された場合、地図情報記憶部12に記憶された地図情報を参照して、出発地(例えば現在位置)から目的地までの推奨経路を探索する。
【0034】
なお、推奨経路の探索は、出発地に対応するノードから目的地に対応するノードに至るリンクとノードとをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長(移動距離)又は総所要時間等が最短となる経路を推奨経路とし、当該推奨経路に属するノードやリンクを推奨経路データとする。
【0035】
現在位置検出部11は、地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報及び位置情報を含む電波を受信するGPS受信機等で構成される。GPS受信機は、3個以上のGPS衛星からの電波を受信して処理することにより、ナビゲーション装置1の現在位置を算出することができる。
【0036】
また、現在位置検出部11は、加速度センサ、角速度センサ、方位センサ等の出力に基づいて現在位置(自律航法による現在位置)を検出することもできる。そして、GPS受信機による現在位置間を自律航法による現在位置で補完することも可能である。
【0037】
なお、上記のセンサ類の出力に基づいて現在位置(自律航法による現在位置)を検出する場合であっても、自律航法による現在位置は、絶対的な現在位置とは異なり、前回の現在位置からの相対的な現在位置であるため、自律航法のみでは現在位置の誤差が増大してしまう恐れがある。
【0038】
なお、現在位置検出部11は、現在位置のみならず、移動速度や進行方向を検出することも可能である(制御部10が算出してもよい)。移動速度や進行方向は、前回検出した現在位置と、今回検出した現在位置とに基づいて算出してもよいし、加速度センサ、角速度センサ、方位センサ等の出力に基づいて算出してもよい。また、移動速度や進行方向も現在位置と同様に、GPSによる現在位置が検出できないと(GPS衛星からの電波が受信できないと)計測誤差が増大してしまう恐れがある。
【0039】
地図情報記憶部12は、例えば、HD(ハードディスク)やフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成され、地図情報記憶部12には、少なくとも地図情報が記憶される。
【0040】
地図情報には、歩道や歩行者用通路の分岐点をノードとするノードデータ、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータ、地形図データが含まれる。なお、本実施例においては、施設内の歩行者用通路のノードデータ及びリンクデータも地図情報に含まれている。
【0041】
ノードデータには、ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐点名称などのノード属性が含まれる他、施設内か否かを判別することが可能な識別情報も含まれる。
【0042】
この識別情報は、例えば、建物内であることを示す情報、地下であることを示す情報、屋根があることを示す情報などであり、識別情報が建物内であること、地下であること又は屋根があることを示している場合、当該識別情報に対応付けられたノードは施設内であると判別することができる。
【0043】
ここで、「施設」について説明を行なう。本実施例において、施設とは、駅や百貨店などの建物に限らず、屋根がある通路や地下道などの現在位置の検出が困難な範囲(位置検出不能な範囲)を示している。
【0044】
すなわち、施設内を通過する推奨経路とは、駅や百貨店などの建物(施設)を通過する推奨経路に限らず、屋根がある通路(施設)を通過する推奨経路や、地下道(施設)を通過する推奨経路も含まれる。
【0045】
リンクデータには、始点及び終点となるノード番号、道路種別(歩行者優先通路、自転車兼用道路等)、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間等が含まれる。また、リンクデータにも、ノードデータと同様に、施設内か否かを判別することが可能な識別情報も含まれる。
【0046】
ここで、上述したとおり、ノードデータ及びリンクデータには、施設内か否かを判別することが可能な識別情報が含まれる。そのため、推奨経路データにおいて、施設内でないリンク(識別情報が施設内であることを示していないリンク)から施設内であるリンク(識別情報が施設内であることを示しているリンク)へ切り替わる地点(ノード)が施設への入口と判定でき、同様に、施設内であるリンクから施設内でないリンクへ切り替わる地点(ノード)が施設からの出口と判定できる。
【0047】
なお、施設(例えば、駅や地下街)の出入口のノードのノードデータには、施設の出入口を示す情報が含まれても良い。
【0048】
地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データからなる背景データが含まれる。
【0049】
なお、地図情報記憶部12には、バスや電車などの交通機関の時刻情報及び乗り換え情報等も記憶され、ナビゲーション装置1が、交通機関を利用した経路を探索できるものであってもよい。
【0050】
記憶部13は、HD(ハードディスク)やフラッシュメモリなどの記憶媒体で構成され、制御部10が探索した推奨経路が施設内を通過する場合、記憶部13には、当該施設の入口から当該施設の出口までの経路を表示するための情報が記憶される。
【0051】
ここで、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」について説明する。
【0052】
「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」には、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺(例えば1/2500の縮尺)、施設内の経路(施設の入口から施設の出口までの経路)の推奨経路データ、及び進行方向(後述するが、現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向)などが含まれる。
【0053】
ここで、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法について、説明を行なう。
【0054】
施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺は、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データ(ノード・リンク)、表示部14の表示画面(表示領域)の大きさ(縦・横)、及び、表示方向に基づいて特定される。
【0055】
表示方向は、例えば、北を表示画面上の上部とするノースアップ表示や、施設の入口及び施設の出口を直線で結び、この直線が表示画面の底辺に垂直とする表示(出口方向表示)、現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向に基づく表示(施設進入方向表示)などがある。
【0056】
なお、詳細は後述するが、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定には、施設内の経路(施設内の経路エリア)の縦の長さ、及び、横の長さが必要であるが、この経路の縦横の長さは、同一の経路(施設内の経路)であっても表示方向によって異なる。
【0057】
まず、ノースアップ表示の場合を例にして、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法について説明を行なう。
【0058】
図2(a)に示すように、駅(一点鎖線で囲まれた範囲)を通過する推奨経路200が探索された場合、図2(b)に示すように北を上向きとし、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データ(ノード・リンク)に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0059】
具体的には、施設の入口から施設の出口までの経路を図2(b)に示すように北を上向きとした場合に、施設の入口から施設の出口までの経路の最大緯度、最小緯度、最大経度、及び最小経度を推奨経路データに含まれるノードの位置座標に基づいて特定し、最大緯度と最小緯度の差分、最大経度と最小経度の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0060】
例えば、縦の長さ(最大緯度と最小緯度の差分に基づく距離)が400mであり、横の長さ(最大経度と最小経度の差分に基づく距離)が200mである場合、表示画面の下部から上部までの距離(表示領域の縦の距離)が400m以上となり、且つ、表示画面の左部から右部までの距離(表示領域の横の距離)が200m以上となる縮尺のうち最も大きい縮尺を「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」として特定する。
【0061】
特定した縮尺でノースアップ表示を行なった場合、表示部14には、図2(c)に示すような地図画像が表示される。図2(c)では、施設内の推奨経路200が表示部14に表示されている。
【0062】
次に、出口方向表示(施設の入口及び施設の出口を直線で結び、この直線が表示画面の底辺に垂直とする表示)を例にして、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法を説明する。
【0063】
まず、図3(a)に示すように、駅(一点鎖線で囲まれた範囲)を通過する推奨経路200が探索された場合、図3(b)に示すように施設の入口及び施設の出口を直線で結び、この直線が表示画面の底辺に垂直として(すなわち、施設の入口からみて施設の出口が表示画面上の真上として)、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0064】
具体的には、施設の入口の位置及び施設の出口の位置に基づき、施設の入口及び施設の出口を結ぶベクトル(図3(b)の破線)を特定し、特定したベクトルと、施設の入口から北方向のベクトル(図3(b)の点線)との角度θ1を算出する。
【0065】
そして、推奨経路データに含まれるノードの位置座標を、施設の入口の位置を中心に、角度θ1分回転させ(図3(b)は回転させた後のイメージ図)、施設の入口から施設の出口までの経路の左端、右端、上端、及び下端を特定する。
【0066】
そして、上端と下端の差分、左端と右端の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0067】
例えば、算出した縦の長さ(上端と下端の差分に基づく距離)が250mであり、横の長さ(左端と右端の差分に基づく距離)が300mである場合、表示画面の下部から上部までの距離(表示領域の縦の距離)が250m以上となり、且つ、表示画面の左部から右部までの距離(表示領域の横の距離)が300m以上となる縮尺のうち最も大きい縮尺を「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」として特定する。
【0068】
特定した縮尺で出口方向表示を行なった場合、表示部14には、図3(c)に示すような地図画像が表示される。図3(c)では、施設内の推奨経路(施設の入口から施設の出口までの経路)200が表示部14に表示されている。
【0069】
続いて、施設進入方向表示(現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向に基づく表示)を例にして、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺の特定方法を説明する。
【0070】
まず、図4(a)に示すように、駅(一点鎖線で囲まれた範囲)を通過する推奨経路200が探索された場合、図4(b)に示すように現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向(詳細は後述)を上向きとして、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0071】
具体的には、出口方向表示の場合と同様に、施設の入口から進行方向(現在位置が施設の入口付近と判定したときにおける進行方向)のベクトル(図4(b)の破線)と、施設の入口から北方向のベクトル(図4(b)の点線)との角度θ2を算出する。
【0072】
そして、推奨経路データに含まれるノードの位置座標を、施設の入口の位置を中心に、角度θ2分回転させ(図4(b)は回転させた後のイメージ図)、施設の入口から施設の出口までの経路の左端、右端、上端、及び下端を特定する。
【0073】
そして、上端と下端の差分、左端と右端の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出する。
【0074】
例えば、算出した縦の長さ(上端と下端の差分に基づく距離)が250mであり、横の長さ(左端と右端の差分に基づく距離)が300mである場合、表示画面の下部から上部までの距離(表示領域の縦の距離)が250m以上となり、且つ、表示画面の左部から右部までの距離(表示領域の横の距離)が300m以上となる縮尺のうち最も大きい縮尺を「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」として特定する。
【0075】
特定した縮尺で施設進入方向表示を行なった場合、表示部14には、図4(c)に示すような地図画像が表示される。図4(c)では、施設内の推奨経路(施設の入口から施設の出口までの経路)200が表示部14に表示されている。
【0076】
以上の通り、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データ(ノード・リンク)、表示部14の表示画面(表示領域)の大きさ(縦・横)、及び、表示方向に基づいて「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」が特定でき、特定した縮尺、表示方向などに基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路を表示部14に表示させることができる。
【0077】
なお、出口方向表示、施設進入方向表示において、縮尺を特定する方法は、上記に限られず、例えば、施設の入口及び施設の出口を結ぶベクトル(図3(b)の破線)と、施設の入口から北方向のベクトル(図3(b)の点線)とが角度θ1である場合、推奨経路データに含まれるノードの位置座標を、施設の入口の位置を中心に角度θ1分回転移動させたときの位置座標(緯度、経度)に仮に置き換え、置き換えた位置座標のうち、最大緯度、最小緯度、最大経度、及び最小経度を特定し、最大緯度と最小緯度の差分、最大経度と最小経度の差分に基づいて、施設の入口から施設の出口までの経路の縦横の長さを算出してもよい。
【0078】
表示部14は、液晶パネルなどで構成され、制御部10の指示に基づいて表示部14には、地図情報記憶部12に記憶された地図情報に基づく地図画像、制御部10により探索された推奨経路の画像、現在位置を示す現在位置マーク等が表示され、また操作部15による入力作業のための画面が表示される。
【0079】
操作部15は、ユーザによって操作され、出発地、目的地、経由地等を入力するためのものであり、例えば、タッチパネルで構成される。また、操作部15は、上記のタッチパネル以外にも、ナビゲーション装置1に設けられたハードキーで構成されてもよいし、リモコンなどで構成されてもよい。
【0080】
音声出力部16は、スピーカなどで構成され、制御部10の指示に基づいて音声出力部16からは、経路案内の際の音声ガイダンス(音声データは、例えば、地図情報記憶部12に記憶されている)や、ナビゲーション装置1の操作に必要な音声、警告等のブザー音等が出力される。
【0081】
続いて、本願発明におけるナビゲーション装置1の制御部10が行なう制御動作について図5のフローチャートを参照して説明を行なう。
【0082】
まず、ユーザが操作部15を介して目的地を設定すると(ステップS501)、制御部10は、出発地(現在位置)から目的地までの推奨経路を探索する(ステップS502)。例えば、図2(a)に示す推奨経路200が探索される。
【0083】
続いて、制御部10は、現在位置に基づく現在位置マークや、地図情報に基づく地図画像、推奨経路データ(推奨経路に属するノードやリンク)に基づく推奨経路(推奨経路画像)200を表示部14に表示させ、経路案内を開始する(ステップS503)。
【0084】
次に、制御部10は、推奨経路が施設内を通過するか否かを判定する(ステップS504)。推奨経路が施設内を通過するか否かの判定は、推奨経路データに属するノードやリンクの識別情報(施設内か否かを判別することが可能な識別情報)を参照することで判定することが可能である。
【0085】
すなわち、識別情報が施設内であることを示すリンクやノードが推奨経路データに含まれる場合、推奨経路が施設内を通過すると判定する(ステップS504のYES)。
【0086】
或いは、推奨経路データに含まれるリンクにおいて、施設内でないリンク(識別情報が施設内であることを示していないリンク)から施設内であるリンク(識別情報が施設内であることを示すリンク)へ切り替わり、且つ、施設内であるリンクから施設内でないリンクへ切り替わる場合に、推奨経路が施設内を通過すると判定する(ステップS504のYES)。
【0087】
推奨経路が施設内を通過する場合(ステップS504のYES)、制御部10は、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設の入口付近か否かを判定する(ステップS505)。なお、推奨経路が施設内を通過しないと判定した場合は(ステップS504のNO)、本発明の処理を終了する。
【0088】
ステップS505において、施設の入口とは、上述したとおり、推奨経路上において、施設内でないリンクから施設内であるリンクへ切り替わる地点(ノード)であり、現在位置から所定距離(例えば50m)以内に施設の入口がある場合に、現在位置が施設の入口付近であると判定する(ステップS505のYES)。
【0089】
なお、現在位置が施設の入口付近でない場合には(ステップS505のNO)、現在位置が施設の入口付近となるまで経路案内を継続して行なう。
【0090】
ここで、現在位置が施設の入口付近となるまでに表示部14に表示される画像(地図画像など)を図6を参照して説明する。
【0091】
なお、以下の説明では、現在位置が施設の入口付近となるまで、或いは、施設から出た後に、表示部14に地図画像などを表示させるが、これを「表示部14に地図画像を通常表示させる」と表現する。
【0092】
また、現在位置が施設の入口付近となってから当該施設から出るまでも、表示部14に地図画像などを表示させるが、これを「表示部14に地図画像を固定表示させる」と表現する。固定表示させる場合についての説明は後述する。
【0093】
まず、図6を用いて、表示部14に地図画像を通常表示させる場合について説明を行なう。図6に示す表示画面601には、現在位置を示す現在位置マーク201、施設(図6においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、及び、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204が表示されている。
【0094】
なお、ナビゲーション装置1には、上述したノースアップ表示と、現在位置検出部11によって検出された進行方向を表示画面の上部とするヘディングアップ表示があり、何れの表示にするかはユーザが操作部15を介して指定することができる。図6に示す表示画面601では、進行方向を表示画面の上部とするヘディングアップ表示がなされている場合を例示している。
【0095】
地図画像を通常表示させている場合では、現在位置の移動・進行方向の変化に伴って、表示画面601に表示する地図画像が遷移されて表示される。そのため、ユーザは操作部15を介してスクロールなどを行なわなくても現在位置周辺の道路(経路)を視認することが可能である。
【0096】
なお、縮尺表示204が表す縮尺は、画面上の1cmが表す距離であり、縮尺表示204が表す縮尺が5mであれば、1/500の縮尺である。表示部14に表示される地図画像の縮尺も、ユーザが操作部15を介して任意に指定することができる。
【0097】
ここで、図6では、設定されている縮尺が大きいため、施設(駅)の入口から施設(駅)の出口まで表示画面601に表示されていない。
【0098】
しかしながら、施設内においては、現在位置が検出できないため、現在位置の移動に伴う地図画像の遷移が行なうことができない。(或いは誤った現在位置を検出してしまい、実際の現在位置とは異なる現在位置に基づく地図画像を表示してしまう。)
そのため、従来では、施設内を通過する場合、ユーザは操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールするなどして、施設の出口までの推奨経路を確認しなければならなかった。
【0099】
そこで、本願発明では、推奨経路が施設内を通過する場合に、施設の入口から施設の出口までの経路を表示しており、その手順を以下に説明する。
【0100】
ステップS505の処理において、現在位置が施設の入口付近であると判定した場合(ステップS505のYES)、制御部10は、上述したように、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺を特定する(ステップS506)。なお、縮尺を特定する際に、表示方向(ノースアップ表示、出口方向表示など)が必要であるが、表示方向は予め何れかに設定されていてもよいし、ユーザが操作部15を介して何れかの表示方向を選択してもよい。
【0101】
続いて、制御部10は、施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報(ステップS506において特定した縮尺、施設内の経路の推奨経路データ)を記憶部13に記憶させ(ステップS507)、施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報に基づいて、表示部14に地図画像を固定表示させる(ステップS508)。
【0102】
ここで、地図画像の固定表示について図7を用いて説明を行なう。図7では、ノースアップ表示の場合を例示しているため、図2(c)と同様の図となる。
【0103】
図7に示す表示画面701には、施設(図7においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205が表示されている。
【0104】
ここで、現在位置が施設の入口付近となるまでは、ノースアップ表示とヘディングアップ表示の何れかを操作部15を介してユーザが選択できたが、施設内では、進行方向(向き)に依存しない表示方向となる。すなわち、地図画像を通常表示させている場合に、ユーザが操作部15を介してヘディングアップ表示を選択し、表示方向をヘディングアップ表示としている場合(進行方向を上向きに表示している場合)であっても、現在位置が施設の入口付近となると、ノースアップ表示となる。
【0105】
なお、ノースアップ表示を例示したが、施設内の進行方向に依存しない表示であれば、ノースアップ表示に限らず、例えば、上述した出口方向表示であってもよいし、施設進入方向表示であってもよい。
【0106】
これらの何れを用いるかは、ユーザが操作部15を介して設定できる。なお、ユーザによって表示方向(ノースアップ表示、出口方向表示など)が設定された場合、制御部10は、設定された表示方向(例えば、ノースアップ表示である旨)を記憶部13に記憶させておく、また、施設進入方向表示が設定された場合には、制御部10は、ステップS506において、現在(現在位置が入口付近となったとき)の進行方向を特定し、ステップS507において、特定した進行方向を記憶部13に記憶させる。
【0107】
また、施設内では現在位置検出部11によって検出される現在位置の精度が低いため、地図画像を固定表示させた場合には、現在位置検出部11が検出した現在位置の変化に伴う地図画像の遷移を行なわない。
【0108】
ここで、表示画面701には、表示方向(図7ではノースアップ表示)、施設内の経路の推奨経路データ、及び、ステップS506において特定した縮尺(図7では縮尺25m)に基づいて、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200が表示されている。
【0109】
これにより、ユーザは操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0110】
また、現在位置・進行方向に依存せず(現在位置・進行方向の変化に伴う表示画像(地図画像)の遷移を行なわず)、施設の入口から施設の出口までの経路を表示することで、施設内においては、紙等に印刷された施設内の地図のように視認することができる。
【0111】
なお、表示画面701には、現在位置を示す現在位置マーク201が表示されていない。これは、施設内では、現在位置検出部11によって検出される現在位置の精度が低い(誤差が大きい)ことが考えられ、誤った位置(実際の現在位置とは異なる位置)に現在位置マーク201が表示されるのを防ぐためである。
【0112】
ステップS508にて、表示部14に地図画像を固定表示させた後、制御部10は、ナビゲーション装置1(ナビゲーション装置1を保持する歩行者)が施設から出たか否かを判定する(ステップS509)。
【0113】
ここで、ナビゲーション装置1が施設から出たか否かを判定する方法について説明を行なう。
【0114】
まず、第1の方法として、現在位置検出部11のGPS受信機によって現在位置が検出された場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定することができる。
【0115】
これは、GPS受信機によって現在位置が検出できた場合、GPS衛星からの電波が遮られない位置、すなわち、施設の外に出たと判定することが可能なためである。
【0116】
また、第2の方法として、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設の出口付近である場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定することができる。
【0117】
さらに、第3の方法として、上記の第1の方法と第2の方法も組み合わせることによって判定することも可能である。
【0118】
第3の方法では、現在位置検出部11のGPS受信機によって現在位置が検出され、且つ、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設の出口付近である場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定する。
【0119】
なお、第3の方法では、現在位置検出部11のGPS受信機によって現在位置が検出され、且つ、GPS受信機(現在位置検出部11)によって検出された現在位置が施設の出口付近である場合に、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定することが好ましい。
【0120】
また、第4の方法として、ユーザが操作部15を介して、施設から出た旨の操作を行なうことによって、施設から出たと判定しても良い。
【0121】
なお、第2、第3の方法における施設の出口とは、推奨経路上の施設の出口に限らず、同一施設の何れかの出口であってもよい。
【0122】
以上の方法の何れかを用いて、制御部10は、ナビゲーション装置1(ナビゲーション装置1を保持する歩行者)が施設から出たか否かを判定する(ステップS509)。
【0123】
そして、ナビゲーション装置1が施設から出ていないと判定した場合には(ステップS509のNO)、地図画像の固定表示を表示部14に継続して表示させ、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した場合には(ステップS509のYES)、ステップS510の処理へ進む。
【0124】
ステップS510では、ステップS507において、記憶部13に記憶させた「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」(ステップS506において特定した縮尺、施設内の経路の推奨経路データ、(進行方向))を記憶部13から削除する(ステップS510)。
【0125】
なお、削除するタイミングは、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した直後に限らず、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に蓄積していき、記憶部13の記憶領域が小さくなった場合に(全て、または、古い順に)削除することとしてもよいし、次回、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させる際に削除しても良い。
【0126】
但し、少なくともナビゲーション装置1が施設から出たと判定するまでは、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させておく。
【0127】
なお、ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した場合には(ステップS509のYES)、制御部10は、表示部14に地図画像を通常表示させる。
【0128】
ナビゲーション装置1が施設から出たと判定した後に表示部14に表示される表示画面について図8を参照して説明を行なう。
【0129】
図8に示す表示画面801には、現在位置を示す現在位置マーク201、施設(図8においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の出口205、及び、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204が表示されている。
【0130】
図8では、現在位置に基づく地図画像が表示されており、施設の入口203が表示されていない。また、縮尺においては、ステップS506において特定した「施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺」ではなく、ユーザが任意に指定した縮尺であり、図8では、現在位置が施設の入口付近に到達するまでに指定されていた「5m」(1/500の縮尺)の縮尺で表示されている。
【0131】
また、固定表示の際にノースアップ表示を例示したが、図8の表示画面801では、現在位置が施設の入口付近に到達するまでにユーザによって指定されていたヘディングアップ表示がなされている。すなわち、制御部10は、地図画像を固定表示させる前に表示部14に表示させていた地図画像の縮尺、及び、表示方向(ノースアップ表示、又は、ヘディングアップ表示)を記憶部13に記憶させ、施設から出ると、記憶部13に記憶させた地図画像の縮尺及び表示方向と、現在位置検出部11によって検出された現在位置とに基づいて、表示部14に地図画像を通常表示させる。そして、現在位置・進行方向の変化に伴って、地図画像が遷移して表示される。
【0132】
以上、説明した通り、推奨経路が施設内を通過する場合、現在位置が施設の入口付近となると、施設から出るまで表示部14に地図画像が固定表示される。(施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報が記憶される。)
そのため、ユーザは操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設の出口までの推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0133】
また、本発明では、施設(例えば駅)の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はなく、施設の入口から施設の出口までの経路を表示できる縮尺で表示されているため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【0134】
なお、本発明においては、少なくともナビゲーション装置1が施設から出たと判定するまでは、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させておくが、記憶させておく理由について説明を行なう。
【0135】
まず、ステップS508の処理において、制御部10は、表示部14に地図画像を固定表示させたが、この際においても、操作部15を介して、スクロールや縮尺を変更することが可能である。
【0136】
すなわち、ユーザが、もう少し縮尺の大きな地図画像を表示させたいと考えた場合には、操作部15を介して縮尺を大きくすることが可能である。
【0137】
しかしながら、縮尺を変更する、或いは、スクロールした後に、再度、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面(例えば、図7の表示画面701)に戻したい場合には、逆の手順で同様の操作(縮尺の変更、スクロール)を繰り返す必要がある。
【0138】
そこで、少なくともナビゲーション装置1が施設から出たと判定するまでは、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」を記憶部13に記憶させておき、縮尺を変更する、或いは、スクロールした後に、再度、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面に戻したい場合に、例えば、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面に戻すためのボタンを操作部15が備えていれば、当該ボタンを押下すれば、「施設の入口から施設の出口までの経路を表示するための情報」に基づいて、速やかに施設の入口から施設の出口までの経路を表示する画面(例えば、図7の表示画面701)を表示することができる。
[第2実施形態]
上記実施例では、出発地から目的地に至るまでに施設内を通過する場合について、説明を行なったが、本願発明は、施設内を通過する場合に限らず、目的地が施設内である場合、出発地が施設内である場合、出発地及び目的地が同一の施設内である場合においても適用することが可能である。
【0139】
目的地が施設内である場合における制御部10の制御動作について図9のフローチャートを用いて説明を行なう。
【0140】
まず、操作部15を介して目的地が設定されると(ステップS901)、制御部10は推奨経路を探索して推奨経路データを取得する(ステップS902)。
【0141】
続いて、制御部10は、現在位置に基づく現在位置マークや、地図情報に基づく地図画像、推奨経路データ(推奨経路に属するノードやリンク)に基づく推奨経路を表示部14に表示させ、経路案内を開始する(ステップS903)。
【0142】
次に、制御部10は、目的地が施設内か否かを判定する(ステップS904)。目的地が施設内か否かの判定は、目的地に対応するノード・リンクの識別情報(施設内か否かを判別することが可能な識別情報)を参照することで判定することが可能である。
【0143】
すなわち、目的地に対応したノード・リンクの識別情報が施設内であることを示す場合、目的地が施設内であると判定する(ステップS904のYES)。
【0144】
目的地が施設内である場合(ステップS904のYES)、制御部10は、現在位置検出部11によって検出された現在位置が施設(目的地が含まれる施設)の入口付近か否かを判定する(ステップS905)。なお、目的地が施設内でないと判定した場合は(ステップS904のNO)、本発明の処理を終了する。
【0145】
ステップS905において、施設の入口とは、上述したとおり、推奨経路上において、施設内でないリンクから施設内であるリンクへ切り替わる地点(ノード)であり、現在位置から所定距離(50m)以内に施設の入口がある場合に、現在位置が施設の入口付近であると判定する(ステップS905のYES)。
【0146】
なお、現在位置が施設の入口付近でない場合には(ステップS905のNO)、現在位置が施設の入口付近となるまで経路案内(通常表示)を継続して行なう。
【0147】
現在位置が施設の入口付近であると判定すると(ステップS905のYES)、施設の入口から目的地までの経路を表示する際の縮尺を特定する(ステップS906)。縮尺はステップS506と同様に、表示方向(例えばノースアップ表示)、施設の入口から目的地までの経路の推奨経路データ、及び、表示画面(表示領域)の大きさによって特定される。
【0148】
続いて、制御部10は、施設の入口から目的地までの経路を表示するための情報(施設内の経路の推奨経路データ、縮尺など)を記憶部13に記憶させ(ステップS907)、表示部14に地図画像を固定表示させる(ステップS908)。
【0149】
ここで、目的地が施設内である場合に、ノースアップ表示において地図画像を固定表示させた場合について図10を用いて説明を行なう。
【0150】
図10に示す表示画面1001には、施設(図10においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、及び、目的地206が表示されている。
【0151】
図10に示すように、表示部14には、施設の入口から目的地までの経路が表示される。図7と同様に、固定表示させた場合には現在位置を示す現在位置マーク201は表示されず、現在位置・進行方向(ナビゲーション装置1の向き)の変化に依存しない表示となる。
【0152】
地図画像を固定表示させた後、制御部10は、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS909)。例えば、操作部15を介して、目的地に到着した旨の入力があった場合(或いは、経路案内の中止指示があった場合)に目的地に到着したと判定する(ステップS909のYES)。なお、目的地に到着していない場合は、継続して地図画像を固定表示させる(ステップS909のNO)。
【0153】
目的地に到着したと判定した場合(ステップS909のYES)、施設の入口から目的地までの経路を表示するための情報を削除する(ステップS910)。
【0154】
以上の通り、推奨経路が施設内を通過する場合に限らず、目的地が施設内である場合にも本願発明を適用でき、ユーザは施設内において、操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、目的地までの(施設内の)推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0155】
また、本発明では、施設(例えば駅)の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はなく、施設の入口から目的地までの経路を表示できる縮尺で表示されているため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
【0156】
なお、第2実施形態では、出発地が施設外であり目的地が施設内である場合について説明を行なったが、出発地が施設内であり目的地が施設外である場合にも本願発明を適用することが可能である。
【0157】
すなわち、出発地から施設の出口(推奨経路上において、施設内であるリンクから施設内でないリンクへ切り替わる地点(ノード))までの経路の推奨経路データなどに基づいて縮尺を特定し(この場合、出発地が施設の入口の役割を果たす)、当該施設から出るまで、出発地から施設の出口までの経路を表示させる(固定表示させる)。当該施設から出たか否かの判定は、上記実施例(ステップS509)と同様に判定することができる。また、出発地が施設内か否かは、例えば、出発地に対応するノード・リンクの識別情報が施設内であることを示しているか否かで判定することができる。
【0158】
ここで、図11を用いて、施設から出るまで、表示部14に固定表示される地図画像を説明する。図11に示す表示画面1101には、施設(図11においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205、及び、出発地207が表示されている。
【0159】
図11に示すように、表示部14には、出発地から施設の出口までの経路が表示される。図7と同様に、固定表示させた場合には現在位置を示す現在位置マーク201は表示されず、現在位置・進行方向(ナビゲーション装置1の向き)の変化に依存しない表示となる。
【0160】
さらに、施設内の出発地と同じ施設内の目的地が指定された場合にも本願発明を適用することが可能である。
【0161】
すなわち、出発地から目的地までの経路の推奨経路データなどに基づいて縮尺を特定し(この場合、出発地が施設の入口の役割を果たす)、目的地に到着するまで、出発地から目的地までの経路を表示させる(固定表示させる)。目的地に到着したか否かの判定は、上記第2実施例(ステップS909)と同様に判定することができる。
【0162】
なお、出発地と目的地が同じ施設内にあるか否かは、出発地から目的地までの推奨経路を探索し、推奨経路データに含まれるノード・リンクの識別情報が全て施設内であることを示している場合(すなわち一度も施設から退出しない場合)に出発地と目的地が同じ施設内にあると判定することが可能である。
【0163】
ここで、図12を用いて、目的地に到着するまでに、表示部14に固定表示される地図画像を説明する。図12に示す表示画面1201には、施設(図12においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、目的地206、及び、出発地207が表示されている。
【0164】
図12に示すように、表示部14には、目的地に到着するまで出発地から目的地までの経路が表示される。図7と同様に、固定表示させた場合には現在位置を示す現在位置マーク201は表示されず、現在位置・進行方向(ナビゲーション装置1の向き)に依存しない表示となる。
【0165】
以上の通り、推奨経路が施設を通過する場合以外にも本願発明を適用することが可能であり、ユーザは施設内において、操作部15を介して縮尺を小さくする、地図画像をスクロールすることなく、施設内の推奨経路を認識でき、施設内をスムーズに移動することができる。
【0166】
また、本発明では、施設(例えば駅)の構内図(施設の形状)を全て表示する必要はないため、縮尺が小さくなりすぎて、施設内の推奨経路が視認しにくくなるのを防止することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0167】
例えば、表示部14に地図画像を固定表示させた際の表示画面例として、図7の表示画面701を説明したが、図7のような表示画面に限られず、例えば、2画面表示であってもよいし、ポップアップ表示であってもよい。
【0168】
まず、図13を参照して2画面表示の場合について説明する。図13の表示画面1301は、地図画像が通常表示されている表示領域1302と、地図画像が固定表示されている表示領域1303とからなる。
【0169】
表示領域1302には、現在位置を示す現在位置マーク201、推奨経路データに基づく推奨経路200、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204などが表示されている。また、表示領域1303には、施設(図13においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205が表示されている。
【0170】
なお、表示領域1302には、現在位置(及び進行方向)に依存する(現在位置の変化に伴い地図画像が遷移する)地図画像が表示され、表示領域1303には、現在位置(及び進行方向)に依存せず、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200が表示される。
【0171】
次に、図14を参照してポップアップ表示の場合について説明する。図14の表示画面1401では、地図画像が固定表示されている上に、表示領域1402(地図画像が通常表示されている表示領域1402)が重畳して表示されている。
【0172】
表示領域1402には、現在位置を示す現在位置マーク201、推奨経路データに基づく推奨経路200などが表示され、また、表示画面1401には、施設(図14においては駅)の形状を表す施設画像202、推奨経路データに基づく推奨経路200、施設の入口203、現在表示している地図画像の縮尺を示す縮尺表示204、施設の出口205が表示されている。
【0173】
すなわち、表示画面1401では、地図画像が固定表示されており、且つ、施設の入口203から施設の出口205までの推奨経路200に重ならないように、表示領域1402(地図画像が通常表示されている表示領域1402)が重畳して表示されている。なお、表示領域1402には、現在位置(及び進行方向)に依存する地図画像が表示される。
【0174】
なお、図14では、地図画像が固定表示されている上に、表示領域1402(地図画像が通常表示されている表示領域1402)が重畳して表示されている場合について説明したが、これに限らず、地図画像が通常表示されている上に、表示領域1402(地図画像が固定表示されている表示領域1402)が重畳して表示されてもよい。
【0175】
また、2画面表示の夫々の表示領域(1302、1303)の大きさ、重畳して表示される表示領域1402の大きさは、ユーザが操作部15を介して任意に設定できるものとしてもよい。
【0176】
なお、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺は、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データと、表示方向と、表示部14の表示画面の大きさ(縦・横)とに基づいて特定されるとして説明を行なったが、2画面表示、又は、ポップアップ表示を行なう場合であれば、施設の入口から施設の出口までの経路を表示する際の縮尺は、施設の入口から施設の出口までの経路の推奨経路データと、表示方向と、地図画像が固定表示される表示領域の大きさ(縦・横)とに基づいて特定されることが好ましい。
【0177】
また、地図画像を固定表示させた表示画面(例えば、図7の表示画面701)に、地図画像を通常表示させた表示画面(例えば、図6の表示画面601)へ遷移させるためのボタン(ソフトキー)を表示させ、当該ボタンが押下されると、制御部10は、表示部14に地図画像を通常表示させることとしてもよい。なお、この場合、地図画像を通常表示させた表示画面にも、地図画像を固定表示させるためのボタン(ソフトキー)を表示させ、当該ボタンが押下されると、制御部10は、表示部14に地図画像を固定表示させる(例えば、図7の表示画面701へ戻る)ことが好ましい。
【0178】
以上の通り、表示部14に地図画像を固定表示させた場合の表示画面は種々の様態が考えられる。
【0179】
なお、上記実施例では、現在位置が施設の入口付近となるまでに表示部14に表示される地図画像の通常表示について図6を参照して説明したが、図6のように、設定されている縮尺が大きい場合に限らず、設定された縮尺が小さい場合であっても、現在位置が施設の入口付近となった場合に、表示部14に地図画像を固定表示させることで、施設の入口から施設の出口までの経路が表示できる縮尺のうち、最も大きい縮尺で施設の入口から施設の出口までの経路が表示されるので、施設内の推奨経路を視認し易くなる。
【0180】
また、上記実施例では、現在位置が施設の入口付近となったときに、表示部14に地図画像を固定表示させたが、これに限ることはなく、制御部10が施設内に入ったと判定したときに表示部14に地図画像を固定表示させてもよく、例えば、現在位置が施設内であるリンク・ノードにマップマッチングしたとき、GPSによる現在位置が検出できなくなったときなどに、施設内に入ったと判定することが好ましい。
【0181】
また、施設から出たか否かの判定を、上記の第1〜3の方法で行なう場合、現在位置が施設の入口付近であると判断した時点では、まだ現在位置(GPS受信機による現在位置)の検出が可能であることが考えられるため、現在位置が施設の入口付近であると判断した時点から所定時間は、ステップS509の施設から出たか否かの判定を行なわないようにしてもよい。
【0182】
なお、上記実施例では、ナビゲーション装置1を「歩行者用のナビゲーション装置」として説明したが、施設内を通過する経路を探索するものであれば、「車両用のナビゲーション装置」であってもよい。
【0183】
この場合、施設として、例えば、マルチパスの影響を受けるビル街やトンネル内に分岐があるトンネルが考えられる。なお、分岐のないトンネルは、経路から外れる可能性がなく、トンネル内での案内も不要であるため、施設に含まれないこととしてもよい。
【0184】
また、上記実施例においては、ナビゲーション装置1が目的地までの推奨経路を探索したが、これに限ることはなく、例えば、ナビゲーション装置1がサーバ(経路探索を行なうサーバ)と通信を行なうための通信部(不図示)を備え、通信部を介して目的地を示す情報をサーバへ送信し、サーバから目的地までの推奨経路を受信することによって、目的地までの推奨経路を取得してもよい。
【0185】
さらに、上記実施例においては、現在位置検出部11、記憶部13、表示部14などをナビゲーション装置1が備える構成として説明したが、これに限ることはなく、例えば、ナビゲーション装置1が、現在位置検出部11を備える携帯端末と近距離無線通信を行なうことで現在位置を取得してもよいし、同様に、ナビゲーション装置1が、記憶部13や表示部14を備える機器と無線通信を行なうことで、記憶・表示させてもよい。
【符号の説明】
【0186】
1 ・・・ナビゲーション装置
10・・・制御手段
11・・・現在位置検出部
12・・・地図情報記憶部
13・・・記憶部
14・・・表示部
15・・・操作部
16・・・音声出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記縮尺を前記施設から退出するまで記憶させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、現在位置に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、進行方向に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記進入する地点から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
施設内の出発地から目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記出発地から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項7】
施設内の出発地から該施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記出発地から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる表示制御方法であって、
前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定するステップと、
前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させるステップと、
を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項1】
地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記縮尺を前記施設から退出するまで記憶させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、現在位置に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、進行方向に依存することなく、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記進入する地点から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
施設内の出発地から目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記出発地から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記退出する地点までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項7】
施設内の出発地から該施設内の目的地までの経路が地図情報を参照して探索された場合、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる制御部を備えた表示制御装置であって、
前記制御部は、前記出発地から前記目的地までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記出発地から前記目的地までの経路を表示させる際の縮尺を特定し、前記特定した縮尺に基づいて、前記出発地から前記目的地までの経路を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
地図情報を参照して探索された目的地までの経路が施設内を通過する場合に、前記経路上の前記施設へ進入する地点から前記経路上の前記施設から退出する地点までの経路を表示させる表示制御方法であって、
前記進入する地点から前記退出する地点までの経路の経路データ、表示方向、及び、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる表示領域の大きさに基づいて前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させる際の縮尺を特定するステップと、
前記特定した縮尺に基づいて、前記進入する地点から前記退出する地点までの経路を表示させるステップと、
を有することを特徴とする表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−242168(P2012−242168A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110421(P2011−110421)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]