説明

表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置

【課題】第1の粒子を移動させた後に第1の粒子より低閾値の第2の粒子を移動させる場合と比較して、第1の粒子及び第2の粒子の駆動時間を短縮することができる表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置を提供する。
【解決手段】表示媒体100の駆動装置20は、第1の泳動粒子11よりも閾値が低い第2の泳動粒子12の表示濃度に対応した駆動電圧を設定すると共に、当該設定した第2の泳動粒子の駆動電圧及び第1の泳動粒子11の表示濃度に対応した第1の泳動粒子11の閾値特性を設定し、設定された第1の泳動粒子11の閾値特性に対応した初期駆動電圧を基板間に印加した後、設定された第2の泳動粒子12の表示濃度に対応した駆動電圧を基板間に印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって対向して配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入された透光性を有する分散媒と、前記分散媒中に移動可能に分散され、前記基板間に形成される電界に応じて移動すると共に、互いに色及び前記基板からの離脱する力が異なる複数種類の粒子群と、を備えた画像表示媒体が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、少なくとも一方が透光性を有すると共に、間の空間に気体が封入され又は該空間が真空に形成された一対の基板と、付与された電界により前記基板間を移動可能に前記基板の間に封入されると共に、色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群と、からなり、電界が付与されることにより画像表示を行う表示媒体と、該表示媒体に表示する画像の濃度に応じた電界を前記表示媒体に付与する電界付与手段と、を備えた画像表示装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に色および帯電特性の異なる2種類以上の粒子を封入し、前記基板の一方または双方に設けた電極からなる電極対から前記粒子に電界を与えて、前記粒子を飛翔移動させて画像を表示する画像表示板を具備した画像表示装置であって、表示しようとする画像を形成する際に、前記電極間に印加する電界の強度、印加時間、印加回数の少なくとも1つを表示濃度に応じて調整することにより前記2種類以上の粒子が所望の比率で混合された表示状態を得るようにしたことを特徴とする画像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−249188号公報
【特許文献2】特開2002−139752号公報
【特許文献3】特開2003−322880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、第1の粒子を移動させた後に第1の粒子より低閾値の第2の粒子を移動させる場合と比較して、第1の粒子及び第2の粒子の駆動時間を短縮することができる表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明の表示媒体の駆動装置は、透光性を有する表示基板と、前記表示基板と間隙を持って対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され、絶対値が第1の閾値以上の第1の電圧が前記基板間に印加されることにより移動する第1の粒子群と、前記第1の粒子群と色が異なり、前記分散媒中に分散され、絶対値が前記第1の閾値より小さい第2の閾値以上の電圧が前記基板間に印加されることにより移動する第2の粒子群と、を有する表示媒体に対して、前記第2の粒子の表示濃度に対応した前記第2の粒子の駆動電圧を設定すると共に、当該設定した前記第2の粒子の駆動電圧及び前記第1の粒子の表示濃度に対応した前記第1の粒子の閾値特性を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記第1の粒子の閾値特性に対応した初期駆動電圧を前記基板間に印加した後、前記設定手段により設定された前記第2の粒子の表示濃度に対応した前記第2の粒子の駆動電圧を前記基板間に印加する電圧印加手段と、を備える。
【0008】
請求項2記載の発明の表示媒体の駆動プログラムは、コンピュータを、請求項1記載の表示媒体の駆動装置を構成する各手段として機能させる。
【0009】
請求項3記載の発明の表示装置は、透光性を有する表示基板と、前記表示基板と間隙を持って対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され且つ前記基板間に形成された電界に応じて前記基板間を移動するように前記基板間に封入された色及び帯電極性が異なる複数種類の粒子群と、を有する表示媒体と、前記請求項1記載の前記表示媒体の駆動装置と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜3記載の発明によれば、第1の粒子を移動させた後に第1の粒子より低閾値の第2の粒子を移動させる場合と比較して、第1の粒子及び第2の粒子の駆動時間を短縮することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】表示装置を示す概略図である。
【図2】各泳動粒子の閾値特性を示す図である。
【図3】電界強度と駆動時間との関係を示す線図である。
【図4】駆動エネルギーと閾値電界強度との関係を示す線図である。
【図5】各泳動粒子の閾値特性を示す図である。
【図6】駆動エネルギーと閾値電界強度との関係を示す線図である。
【図7】マゼンダ粒子Mの閾値特性とシアン粒子の濃度と印加電圧との関係を示す表である。
【図8】制御部で実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。作用・機能が同じ働きを担う部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する場合がある。また、説明を簡易化するために、適宜1つのセルに注目した図を用いて本実施形態を説明する。
【0013】
また、シアン色の粒子をシアン粒子C、マゼンタ色の粒子をマゼンタ粒子M、黄色の粒子を黄色粒子Yと記し、各粒子とその粒子群は同じ記号(符号)によって示す。
【0014】
図1(A)は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示している。この表示装置100は、表示媒体10と、表示媒体10を駆動する駆動装置20と、を備えている。駆動装置20は、表示媒体10の表示側電極3、背面側電極4間に電圧を印加する電圧印加部30と、表示媒体10に表示させる画像の画像情報に応じて電圧印加部30を制御する制御部40と、を含んで構成されている。
【0015】
表示媒体10は、画像表示面とされる、透光性を有する表示基板1と、非表示面とされる背面基板2と、が間隙を持って対向して配置されている。
【0016】
これらの基板1、2間を定められた間隔に保持すると共に、該基板間を複数のセルに区画する間隙部材5が設けられている。
【0017】
上記セルとは、背面側電極4が設けられた背面基板2と、表示側電極3が設けられた表示基板1と、間隙部材5と、によって囲まれた領域を示している。セル中には、例えば絶縁性液体で構成された分散媒6と、分散媒6中に分散された第1粒子群11、第2粒子群12、及び白色粒子群13とが封入されている。
【0018】
第1粒子群11と第2粒子群12は、色及び帯電極性が互いに異なり、一対の電極3、4間に予め定めた閾値電圧以上の電圧を印加することにより、第1粒子群11及び第2粒子群12がそれぞれ単独で泳動する特性を有している。一方、白色粒子群13は、第1粒子群11、第2粒子群12よりも帯電量が少なく、第1粒子群11、第2粒子群12が何れか一方の電極側まで移動する電圧が電極間に印加されても、何れの電極側まで移動しない粒子群である。
【0019】
なお、分散媒に着色剤を混合することで、泳動粒子の色とは異なる白色を表示させてもよい。
【0020】
駆動装置20(電圧印加部30及び制御部40)は、表示媒体10の表示側電極3、背面側電極4間に表示させる色に応じた電圧を印加することにより、粒子群11、12を泳動させ、それぞれの帯電極性に応じて表示基板1、背面基板2の何れか一方に引き付ける。
【0021】
電圧印加部30は、表示側電極3及び背面側電極4にそれぞれ電気的に接続されている。また、電圧印加部30は、制御部40に信号授受されるように接続されている。
【0022】
制御部40は、図1(B)に示すように、例えばコンピュータ40として構成される。コンピュータ40は、CPU(Central Processing Unit)40A、ROM(Read Only Memory)40B、RAM(Random Access Memory)40C、不揮発性メモリ40D、及び入出力インターフェース(I/O)40Eがバス40Fを介して各々接続された構成であり、I/O40Eには電圧印加部30が接続されている。この場合、各色の表示に必要な電圧の印加を電圧印加部30に指示する処理をコンピュータ40に実行させるプログラムを、例えば不揮発性メモリ40Dに書き込んでおき、これをCPU40Aが読み込んで実行させる。なお、プログラムは、CD−ROM等の記録媒体により提供するようにしてもよい。
【0023】
電圧印加部30は、表示側電極3及び背面側電極4に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部40の制御に応じた電圧を表示側電極3及び背面側電極4に印加する。
【0024】
本実施形態では、一例として背面側電極4を接地し、表示側電極3に電圧を印加する場合について説明する。
【0025】
図2には、背面側電極4をグランド(0V)として表面側電極3に電圧を印加した場合に基板間に印加される電界強度(V/μm)と、各粒子群による表示濃度との関係(閾値特性)を示したものである。図2では、シアン粒子Cの閾値特性を50C、マゼンダ粒子Mの閾値特性を50Mで表わしている。なお、本実施形態では、一例としてマゼンダ粒子Mが負に帯電し、シアン粒子Cが正に帯電されたものとして説明する。
【0026】
図2に示すように、背面基板2側の負に帯電されたマゼンダ粒子Mが表示基板1側へ移動開始する電界強度(閾値電界強度)は+VMLであり、全てのマゼンダ粒子Mが表示基板1側に移動終了する電界強度(閾値電界強度)は+VMHである。また、表示基板1側のマゼンダ粒子Mが背面基板2側へ移動開始する電界強度(閾値電界強度)は−VMLであり、全てのマゼンダ粒子Mが背面基板2側に移動終了する電界強度(閾値電界強度)は−VMHである。
【0027】
従って、+VML以上の電界強度が基板間に印加されることにより背面基板2側のマゼンダ粒子が表示基板1側へ移動開始し、+VMH以上の電界強度が基板間に印加されることにより全てのマゼンダ粒子Mが表示基板1側に移動する。また、−VML以下の電界強度が基板間に印加されることにより表示基板1側のマゼンダ粒子Mが背面基板2側へ移動開始し、−VMH以下の電界強度が基板間に印加されることにより全てのマゼンダ粒子Mが背面基板2側に移動する。
【0028】
また、背面基板2側のシアン粒子Cが表示基板1側へ移動開始する電界強度(閾値電界強度)は−VCLであり、全てのシアン粒子Cが表示基板1側に移動終了する電界強度(閾値電界強度)は−VCHである。また、表示基板1側のシアン粒子Cが背面基板2側へ移動開始する電界強度(閾値電界強度)は+VCLであり、全てのシアン粒子Cが背面基板2側に移動終了する電界強度(閾値電界強度)は+VCHである。
【0029】
従って、−VCL以下の電圧を印加することで背面基板2側のシアン粒子Cが表示基板1側へ移動開始し、−VCH以下の電界強度が基板間に印加されることにより全てのシアン粒子Cが表示基板1側に移動する。また、+VCL以上の電圧を印加することで表示基板1側のシアン粒子Cが背面基板2側へ移動開始し、+VCH以上の電界強度が基板間に印加されることにより全てのシアン粒子Cが背面基板2側に移動する。
【0030】
ここで、電界強度と粒子の駆動時間(粒子の移動時間)との関係は、図3に示すような関係となる。図3では、マゼンダ粒子Mの電界強度と粒子の駆動時間との関係を示す特性を特性52M、シアン粒子Cの電界強度と粒子の駆動時間との関係を示す特性を特性52Cで表している。図3に示すように、基板間に印加される電界強度が大きいほど、駆動時間は短くなる。また、閾値電界強度が小さい粒子ほど、駆動時間も短い。
【0031】
また、図4に示すように、粒子が一方の基板から他方の基板へ移動開始する電界強度の絶対値をV、全ての粒子が一方の基板から他方の基板へ移動終了する電界強度の絶対値をVとすると、粒子を移動させるための駆動エネルギーによって閾値電界強度は変動し、駆動エネルギーが小さいほど、閾値電界強度も小さくなる。例えばマゼンダ粒子Mの閾値特性が、図4に示すように駆動エネルギーがAの場合の閾値特性であって図2に示す閾値特性50Mであったとする。そして、例えば電圧値を固定にして電圧印加時間を短くすることで駆動エネルギーを図4に示す駆動エネルギーBにした場合、駆動エネルギーBは駆動エネルギーAよりも小さいので、閾値特性は、図2に示すように、閾値特性50Mから50M’にシフトする。また、図3に示すように、マゼンダ粒子Mの電界強度と粒子の駆動時間との関係を示す特性は、特性52M’のようになる。
【0032】
図5には、マゼンダ粒子Mを移動させる際に印加する電圧の電圧値を固定し、電圧印加時間を変化させることで閾値特性を4段階に変化させた場合の閾値特性を示した。同図では、マゼンダ粒子Mの閾値特性をVthM3、VthM2、VthM1、VthM0、シアン粒子Cの閾値特性をVthCで示している。
【0033】
図6には、マゼンダ粒子Mの閾値特性VthM3、VthM2、VthM1、VthM0と駆動エネルギーとの関係を示した。ここでは、駆動エネルギーは、表示側電極3に電圧値VM3の電圧を印加した場合の電圧印加時間である。
【0034】
図6に示すように、閾値特性VthM3は、電圧値VM3、電圧印加時間tM33の電圧を表示側電極3に印加した場合の閾値特性である。また、閾値特性VthM2は、電圧値VM3、電圧印加時間tM32の電圧を表示側電極3に印加した場合の閾値特性である。また、閾値特性VthM1は、電圧値VM3、電圧印加時間tM31の電圧を表示側電極3に印加した場合の閾値特性である。また、閾値特性VthM0は、電圧値VM3、電圧印加時間tM30の電圧を表示側電極3に印加した場合の閾値特性である。そして、図6に示すように、tM33>tM32>tM31>tM30である。
【0035】
また、図7には、シアン粒子Cの濃度(C濃度)DC0〜DC3、C濃度をDC0〜DC3にする場合に表示側電極3に印加すべき電圧(C電圧)VC0〜VC3、及びマゼンダ粒子Mの濃度(M濃度)DM0〜DM3の対応関係を、マゼンダ粒子Mの閾値特性VthM3、VthM2、VthM1、VthM0毎に示した。
【0036】
図5に示すように、シアン粒子Cの閾値特性VthCとマゼンダ粒子Mの閾値特性VthM2、VthM1、VthM0とはクロスする。このため、図7に示すように、マゼンダ粒子Mの閾値特性がVthM2、VthM1、VthM0の何れかの場合は、C電圧を変化させると、すなわちC濃度を変化させると、これに応じてマゼンダ粒子Mの濃度も変化する。
【0037】
従って、表示すべきシアン粒子Cの濃度及びマゼンダ粒子Mの濃度に応じて、マゼンダ粒子Mの閾値特性を設定することにより、シアン粒子C及びマゼンダ粒子Mが同時に駆動され、シアン粒子C及びマゼンダ粒子Mを別々に駆動する場合と比較して駆動時間が短縮される。
【0038】
例えば、図7の一点鎖線及び点線の枠で示したように、表示すべきシアン粒子Cの濃度がDC1、表示すべきマゼンダ粒子Mの濃度がDM2の場合は、マゼンダ粒子Mの閾値特性VthM0を選択すればよい。これにより、シアン粒子C及びマゼンダ粒子Mが同時に駆動され、シアン粒子Cの濃度がDC1、マゼンダ粒子Mの濃度がDM2となる。
【0039】
次に、制御部40のCPU40Aで実行される制御について図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
まず、ステップS10では、表示媒体100に表示させるべき画像の画像情報を例えばI/O40Eを介して図示しない外部装置から取得する。
【0041】
ステップS12では、シアン粒子Cの表示濃度に応じたシアン粒子CのC電圧を設定する。例えば、表示すべきシアン粒子Cの濃度がDC1の場合は、図7に示すように、C電圧VC1を設定する。
【0042】
ステップS14では、シアン粒子CのC電圧を印加したときにマゼンダ粒子Mが所望の表示濃度となる閾値特性を設定する。例えば、表示すべきシアン粒子Cの濃度がDC1、すなわち印加すべきC電圧がVC1で、所望のマゼンダ粒子Mの濃度がDM2の場合は、図7に示すように、マゼンダ粒子Mの閾値特性VthM0を設定する。
【0043】
ステップS16では、ステップS14で設定した閾値特性に応じた初期駆動電圧を表示側電極3に印加する。具体的には、例えば閾値特性VthM0が設定された場合には、電圧値VM3、電圧印加時間tM30の電圧を表示側電極3に印加するように電圧印加部30に設定する。これにより、全てのマゼンダ粒子Mが背面基板2側へ移動すると共に、全てのシアン粒子Cが表示基板1側へ移動する。また、マゼンダ粒子Mの閾値特性はVthM0となる。
【0044】
ステップS18では、シアン粒子Cの表示濃度に応じた電圧であると共にマゼンダ粒子Mの表示濃度に応じた電圧を表示側電極3に印加する。例えばシアン粒子Cの表示濃度がDC1の場合には、図5、7に示すように、電圧VC1を表示側電極3に印加するように電圧印加部30に設定する。これにより、シアン粒子C及びマゼンダ粒子Mが同時に駆動され、シアン粒子Cの表示濃度はDC1に、マゼンダ粒子Mは閾値特性VthM0で駆動されるので表示濃度はDM2となる。
【0045】
このように、本実施形態では、表示すべきシアン粒子Cの濃度及びマゼンダ粒子Mの濃度に応じて、マゼンダ粒子Mの閾値特性を設定し、設定した閾値特性に応じた初期駆動電圧を表示側電極3に印加した後、シアン粒子C及びマゼンダ粒子Mの表示濃度に応じた電圧を表示側電極3に印加する。これにより、シアン粒子C及びマゼンダ粒子Mが同時に駆動されるため、シアン粒子C及びマゼンダ粒子Mを別々に駆動する場合と比較して駆動ステップが一つ減るため、駆動時間が短縮される。
【0046】
なお、本実施形態では、電圧値を固定して電圧印加時間を変更にすることでマゼンダ粒子Mの閾値特性を変更する場合について説明したが、電圧印加時間を固定にして電圧値を変更することでマゼンダ粒子Mの閾値特性を変更するようにしてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、粒子群がマゼンダ粒子Mとシアン粒子Cの2種類の場合について説明したが、粒子の種類は3種類以上でもよい。例えば、粒子群がマゼンダ粒子M、シアン粒子C、黄色粒子Yの3種類の場合についても本発明は適用される。
【符号の説明】
【0048】
1 表示基板
2 背面基板
3 表示側電極
4 背面側電極
5 間隙部材
6 分散媒
10 表示媒体
11 第1泳動粒子(群)
12 第2泳動粒子(群)
13 白色粒子(群)
20 駆動装置
30 電圧印加部(電圧印加手段)
40 制御部(設定手段)
100 表示装置
C シアン粒子(群)
M マゼンタ粒子(群)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する表示基板と、前記表示基板と間隙を持って対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され、絶対値が第1の閾値以上の第1の電圧が前記基板間に印加されることにより移動する第1の粒子群と、前記第1の粒子群と色が異なり、前記分散媒中に分散され、絶対値が前記第1の閾値より小さい第2の閾値以上の電圧が前記基板間に印加されることにより移動する第2の粒子群と、を有する表示媒体に対して、
前記第2の粒子の表示濃度に対応した前記第2の粒子の駆動電圧を設定すると共に、当該設定した前記第2の粒子の駆動電圧及び前記第1の粒子の表示濃度に対応した前記第1の粒子の閾値特性を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記第1の粒子の閾値特性に対応した初期駆動電圧を前記基板間に印加した後、前記設定手段により設定された前記第2の粒子の表示濃度に対応した前記第2の粒子の駆動電圧を前記基板間に印加する電圧印加手段と、
を備えた表示媒体の駆動装置。
【請求項2】
コンピュータを、請求項1記載の表示媒体の駆動装置を構成する各手段として機能させるための表示媒体の駆動プログラム。
【請求項3】
透光性を有する表示基板と、前記表示基板と間隙を持って対向して配置された背面基板と、前記表示基板と前記背面基板との基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され且つ前記基板間に形成された電界に応じて前記基板間を移動するように前記基板間に封入された色及び帯電極性が異なる複数種類の粒子群と、を有する表示媒体と、
前記請求項1記載の前記表示媒体の駆動装置と、
を備えた表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−25104(P2013−25104A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160013(P2011−160013)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】