説明

表示板用窓枠部材および窓枠部材を備えた表示板

【課題】衝撃の負荷によって表示板そのものが弾性変形しても、窓枠部材が表示板より脱落せず、表示板に大きな力学的負荷をかけずに、窓枠部材を表示板に強固に接着固定でき、強度的にも優れ、しかも、美観が良好で、高級感を有した窓枠部材および窓枠部材を備えた表示板を提供する
【解決手段】表示板の窓枠開口部に配置される窓枠部材であって、該窓枠部材が窓枠開口部内に窓枠部材を支持する窓枠挿着支持部を備え、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分に、窓枠固定剤を塗設する切欠部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板において、曜日や日付などの指標を表示するための窓枠開口部に配置される窓枠部材および窓枠部材を備えた表示板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーラーセル機器、特に、時計においては、ソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を備え、このソーラー発電装置が発電した電力によって駆動されるソーラー時計が市場を大きく占めるようになっている。
【0003】
このようなソーラー時計用の表示板(文字板)では、受光した光を透過させて、その下面側に配設したソーラー発電装置に発電機能を起こさせるように構成されている。
従って、ソーラー時計用の表示板は、少なくともソーラー発電装置の発電に寄与する波長域の外部の光を透過して、ソーラー発電装置に起電力を付与するため、ある程度の光の透過性が要求され、透光性である必要がある。
【0004】
このため、ソーラー時計用の表示板を構成する基板は、例えば、合成樹脂、紙、布などの軟質材料や、ガラスなどのセラミックに代表される脆性材料によって、透明または半透明の部品として製造されている。
【0005】
一方、このソーラー時計用の表示板には、例えば、曜日や日付などの指標を表示するカレンダー表示部を上部より視認できるように、窓枠開口部の外周を囲むように窓枠部材が配置されている。
【0006】
この場合、窓枠部材は、表示板を観るユーザーに美観と高級感を与えるという理由から金属製であることが望まれており、このような金属製の窓枠部材を、軟質材料や脆性材料の表示板に確実に固定する手段が、従来より、種々提案されており、例えば、金属製の窓枠部材を、軟質材料や脆性材料の表示板に、圧入やカシメなどの方法で固定したり、接着剤を用いて接着固定することが行われている。
【0007】
しかしながら、圧入やカシメなどの方法では、金属製の窓枠部材を表示板に強固に固定することができなかったため、例えば、大きな衝撃が表示板に負荷された場合に、窓枠部材が表示板から脱落してしまうおそれがあった。
【0008】
また、なるべく脱落しないように、高圧力でカシメを行って、金属製の窓枠部材を表示板に固定しようとすると、窓枠部材及び表示板に歪みやクラックが生じてしまい、表示板の美観が著しく損なわれてしまっていた。
【0009】
このため、従来より、特許文献1(特開2001−42055号公報)では、図11〜図13に示したように、表示板100を構成する軟質材料や脆性材料の基板102の窓枠開口部104の内壁106に、金属製の窓枠部材108が食い付き固定する構造が提案されている。
【0010】
すなわち、窓枠部材108は、窓枠開口部104内に挿入される枠本体部110と、この枠本体部110の上方に連続する飾り縁101から成る。枠本体部110の外周には、外方に突設する突起部112が形成される。飾り縁101は、枠本体部110より平面方向に沿ってフランジ状に延出し、窓枠開口部104を通過できない大きさに形成される。
枠本体部110と飾り縁101は、共に上下方向に沿ってくり貫かれ、枠本体部110と飾り縁101を上下に貫通する貫通窓103が形成される。
【0011】
窓枠部材108は、次のように、基板102に固定される。
窓枠部材108の枠本体部110が、基板102の窓枠開口部104内に挿入される。すると、枠本体部110の突起部112が、窓枠開口部104の内壁106に没入して(食い付いて)、枠本体部110が窓枠開口部104内に固定される。飾り縁101は、基板102の上面に接触して、基板102の上方に位置する。
【0012】
時計を観る観察者は、窓枠部材108の貫通窓103を通して、例えば、基板102の下方に稼動するカレンダー表示部の日付や曜日を読みとる。ここで、観察者の目に触れる部分は、カレンダー表示部の日付や曜日を囲む飾り縁101の上面、および貫通窓103の内壁である。この場合、飾り縁101の上面、および貫通窓103の内壁が金属であるため、観察者に高級感のある美観が与えられる。
【0013】
窓枠開口部104を貫通する貫通部110の外周に、外方に突設する突起部112を形成して、この突起部112が窓枠開口部104の内壁106に没入して(食い付いて)、窓枠部材108が窓枠開口部104に固定されるように構成されている。
【特許文献1】特開2001−42055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1の表示板100では、基板102が軟質材料から成る場合、窓枠部材108の突起部112が、窓枠開口部104の内壁106に没入すると、窓枠開口部104の周囲に歪が生じて、窓枠開口部104の周囲が変色したり、はなはだしい場合には、塑性変形する場合もあり、その結果、表示板100の美観が著しく損なわれることになっていた。
【0015】
また、外部から表示板100に対して、大きな衝撃力が負荷されると、基板102自体が弾性変形するため、窓枠部材108の突起部112が、窓枠開口部104の内壁106より抜け落ちてしまうことになる。その結果、衝撃によって窓枠部材108が基板102から脱落してしまうことが多かった。
【0016】
一方、基板102が脆性材料から成る場合、窓枠部材108の突起部112が、窓枠開口部104の内壁106に没入すると、脆性材料から成る表示板では、窓枠開口部104の周囲にクラックが生じやすく、はなはだしい場合には、窓枠開口部104の周囲が破損損傷したり、欠けることがあり、その結果、表示板100の美観が著しく損なわれることになっていた。
【0017】
また、接着剤を用いて窓枠開口部と窓枠部材を接着固定する場合には、窓枠開口部と窓枠部材との接触面に接着剤が入り込みづらく、歩留まりが低下してしまっていた。
さらに、表示板の裏面に、表示板の裏面側からの反射光を拡散させることを目的として、拡散層を設けている場合には、接着剤が拡散層に入り込んでしまい、表示板表面から接着剤が見え、表示板の美観が著しく損なわれることになっていた。
【0018】
本発明は、このような現状に鑑み、衝撃の負荷によって表示板そのものが弾性変形しても、窓枠部材が表示板より脱落せず、表示板に大きな力学的負荷をかけずに、窓枠部材を表示板に強固に接着固定でき、強度的にも優れ、しかも、美観が良好で、高級感を有した窓枠部材および窓枠部材を備えた表示板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の窓枠部材は、表示板の窓枠開口部に配置される窓枠部材であって、
該窓枠部材が窓枠開口部内に窓枠部材を支持する窓枠挿着支持部を備え、
前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分に、窓枠固定剤を塗設する切欠部が形成されていることを特徴とする。
「窓枠挿着支持部」とは、窓枠部材のうち表示板の窓枠開口部内に挿入され、窓枠開口部と接触する部分のことである。
【0020】
また、「窓枠固定剤」とは、例えば、接着剤など窓枠部材と表示板の窓枠開口部とを接着固定するための物質である。
このように構成することによって、窓枠開口部と窓枠部材とを接着剤などの窓枠固定剤を用いて接着固定する場合には、窓枠挿着支持部に形成された切欠部に接着剤などの窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠開口部と窓枠部材との接着面に接着剤などの窓枠固定剤が流れ込みやすくなるため、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することが可能となる。
【0021】
また、本発明の窓枠部材は、前記切欠部は、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の窓枠部材は、前記窓枠挿着支持部が略矩形枠形状であり、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも1組の対向辺に切欠部が形成されていることを特徴とする。
【0022】
このように、窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に切欠部が形成されていれば、この切欠部に接着剤などの窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠固定剤が窓枠挿着支持部と窓枠開口部の接触面に窓枠固定剤が流れ込みやすくなるため、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することが可能となる。
【0023】
また、この切欠部に窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠固定剤が表示板の裏面に流れ込むことがないので、窓枠固定剤が表示板の表面から視認されることがなくなり、美観に優れた表示板とすることができる。
【0024】
さらに、窓枠挿着支持部が略矩形枠形状の場合、窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも1組の対向辺に切欠部が形成されていれば、この切欠部に窓枠固定剤を塗設することで、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することが可能となる。
【0025】
また、本発明の窓枠部材は、金属材料からなることを特徴とする。
このように、窓枠部材を金属材料によって形成することによって、強度的に優れた窓枠部材とすることができるとともに、美観が良好で、使用者に高級感を与えることができる。
【0026】
また、本発明の表示板は、窓枠開口部を有する表示板であって、
前記表示板の窓枠開口部には、窓枠部材が配置されており、
該窓枠部材が窓枠開口部内に窓枠部材を支持する窓枠挿着支持部を備え、
前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分に、窓枠固定剤を塗設する切欠部が形成されていることを特徴とする。
【0027】
このように構成することによって、窓枠開口部と窓枠部材とを接着剤などの窓枠固定剤を用いて接着固定する場合には、窓枠挿着支持部に形成された切欠部に接着剤などの窓枠
固定剤を塗設することによって、窓枠開口部と窓枠部材との接着面に接着剤などの窓枠固定剤が流れ込みやすくなるため、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することが可能となる。
【0028】
また、本発明の表示板は、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする。
このように、窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に切欠部が形成されていれば、この切欠部に接着剤などの窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠固定剤が窓枠挿着支持部と窓枠開口部の接触面に窓枠固定剤が流れ込みやすくなるため、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することが可能となる。
【0029】
また、この切欠部に窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠固定剤が表示板の裏面に流れ込むことがないので、窓枠固定剤が表示板の表面から視認されることがなくなり、美観に優れた表示板とすることができる。
【0030】
また、本発明の表示板は、前記窓枠開口部と窓枠部材とが、窓枠固定剤によって接着固定されていることを特徴とする。
このように、窓枠開口部と窓枠部材とを窓枠固定剤によって接着固定することによって、表示板に窓枠部材を固定する際に負荷が加わることがないので、従来のように表示板に歪みや破損することがなくなり、美観が良好な表示板とすることができる。
【0031】
さらに、窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分には切欠部が形成されているため、この切欠部に窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠開口部と窓枠部材との接触面に窓枠固定剤が流れ込みやすくなるため、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することが可能となる。
【0032】
また、本発明の表示板は、前記窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側を押圧部材によって押圧することで、前記窓枠挿着支持部の窓枠開口部と接する部分を窓枠開口部側に突出させることによって、前記窓枠開口部と窓枠部材とを固定していることを特徴とする。
【0033】
このように窓枠開口部と窓枠部材とを固定することによって、窓枠挿着支持部に形成された切欠部に窓枠固定剤を塗設する際などに窓枠部材が窓枠開口部から抜け落ちたり、ずれたりすることがなくなるため、窓枠部材を表示板の窓枠開口部に正確に接着固定することができる。
【0034】
なお、押圧部材によって窓枠挿着支持部の裏側を押圧する際には、窓枠部材や表示板に歪みや破損損傷などが生じない程度の力で押圧することが好ましい。
また、本発明の表示板は、前記表示板の裏面に拡散層が形成されていることを特徴とする。
【0035】
また、本発明の表示板は、前記拡散層が、前記表示板の裏面に平行に形成されるプリズム溝であることを特徴とする。
このように、表示板の裏面に拡散層を形成することによって、表示板の裏面からの反射光を拡散層によって拡散することができるので、表示板の表面から表示板の裏面側を視認しづらくなるため、美観に優れた表示板とすることができるとともに、本発明の表示板を組み込んだ機器類全体としての美観も向上させることができる。
【0036】
特に、表示板の下面側にソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を配置する場合、ソーラーセルからの反射光が拡散層を透過する時に光拡散が生じるので、ソーラーセルの濃紫色は殆ど消しさられて視認されなくなる。さらに、ソーラーセルからの反射
光がこの拡散層によって拡散されたとき、その拡散された光の一部がソーラーセルに向かって放射され、再びソーラーセルに入射する。このため、光の利用効率が上がり効果的に発電に寄与することができる。
【0037】
また、本発明の表示板は、前記窓枠挿着支持部が略矩形枠形状であり、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも1組の対向辺に切欠部が形成されていることを特徴とする。
【0038】
このように、窓枠挿着支持部が略矩形枠形状の場合、窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも1組の対向辺に切欠部が形成されていれば、この切欠部に窓枠固定剤を塗設することで、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することが可能となる。
【0039】
また、本発明の表示板は、前記切欠部は、前記プリズム溝と略平行に形成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、切欠部に接着剤などの窓枠固定剤を塗設した際に、窓枠固定剤が切欠部からはみ出て、表示板の裏面に形成されるプリズム溝に入り込んでしまった場合であっても、窓枠部材の窓枠挿着支持部に形成された切欠部と垂直に窓枠固定剤が流れることがないため、表示板表面から窓枠固定剤が見えにくくなるため、表示板の美観を著しく損なうことがない。
【0040】
また、本発明の表示板は、前記窓枠部材は、金属材料からなることを特徴とする。
このように、窓枠部材を金属材料によって形成することによって、強度的に優れた窓枠部材とすることができるとともに、美観が良好で、使用者に高級感を与えることができる。
【0041】
また、本発明の表示板は、前記表示板は、透光性材料からなることを特徴とする。
このように、表示板を透光性材料によって形成することによって、ソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を備えたソーラー時計、ソーラー発電装置を使った卓上計算機などのソーラー機器類に用いられる場合であっても、ソーラー発電装置を駆動するために必要な光を透過させ、表示板の下面側に配置させるソーラー発電装置に受光させることができる。
【0042】
また、表示板の厚さとしては、30μm〜1000μmであるのが望ましく、厚さがこのような範囲にあれば、例えば、腕時計用の表示板として用いる場合に、時計を薄くするために、表示板の厚さを薄くしても機械的強度が低下することなく、加工することができる。また、表示板の厚さが厚すぎて、時計の針が揺動することなく、正確な時間を指示することができるとともに、時計自体の厚さをコンパクトにすることができる。
【0043】
さらに、表示板の厚さがこのような範囲にあれば、例えば、ソーラー時計用表示板などのソーラー機器類の表示板として用いた場合にも、光透過率が低下することなく、発電に寄与することができ、機器類の駆動力などを確保することができるとともに、表示板の下方に配置されたソーラーセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラーセルの色調が視認されないようにすることができる。
【0044】
また、表示板を構成する透光性材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、軟質材料や脆性材料などを用いることができる。軟質材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂、紙、布などを用いることができる。また、脆性材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、七宝、ガラスなどのセラミック、白蝶貝などの貝などを用いることができる。
【0045】
なお、表示板は、上記の軟質材料、脆性材料を平面的、または多層に組み合わせて形成したものであっても良い。
また、本発明の機器類は、上記のいずれかに記載の窓枠開口部を有する表示板を備えることを特徴とする。
【0046】
また、本発明の機器類は、前記表示板の下面側にソーラー発電装置を備えることを特徴とする。
また、本発明の機器類は、前記表示板の下面側にアンテナを備えることを特徴とする。
【0047】
また、本発明の機器類は、時計であることを特徴とする。
このように構成することによって、美観が良好で、高級感を有した機器類、例えば、時計、ソーラー時計、電波機能付きソーラー時計、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などの機器類を提供することができる。
【0048】
また、本発明の表示板の製造方法は、窓枠開口部に窓枠部材が配置された表示板の製造方法であって、
該窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に、窓枠固定剤を塗設する切欠部を形成する工程と、
前記窓枠部材の窓枠挿着支持部を表示板の窓枠開口部に挿通配置する工程と、
前記切欠部に窓枠固定剤を塗設する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0049】
また、本発明の表示板の製造方法は、前記切欠部に窓枠固定剤をスクリーン印刷によって塗設することを特徴とする。
このように、窓枠開口部と窓枠部材とを窓枠固定剤によって接着固定することによって、表示板に窓枠部材を固定する際に負荷が加わることがないので、従来のように表示板に歪みや破損することがなくなり、美観が良好な表示板とすることができる。
【0050】
さらに、窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部には切欠部が形成されているため、この切欠部に窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠開口部と窓枠部材との接触面に窓枠固定剤が流れ込みやすくなるため、表示板と窓枠部材とを強固に接着固定することができるとともに、表示板の裏面に窓枠固定剤が流れ込むことがないので、窓枠固定剤が表示板の表面から視認されることがなくなり、美観に優れた表示板とすることができる。
【0051】
また、本発明の表示板の製造方法は、前記窓枠部材の窓枠挿着支持部を表示板の窓枠開口部に挿通する工程の後に、前記窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側を押圧部材によって押圧することで、前記窓枠挿着支持部の窓枠開口部と接する部分を窓枠開口部側に突出させることによって、前記窓枠開口部と窓枠部材とを固定する工程を備えることを特徴とする。
【0052】
このように窓枠開口部と窓枠部材とを固定することによって、窓枠挿着支持部に形成された切欠部に窓枠固定剤を塗設する際などに窓枠部材が窓枠開口部から抜け落ちたり、ずれたりすることがなくなるため、窓枠部材を表示板の窓枠開口部に正確に接着固定することができる。
【0053】
また、窓枠部材の表面には、ダイヤカットなどの表面処理が施されている場合があり、窓枠部材の表面を台などに接するように載置して、窓枠挿着支持部に形成された切欠部に窓枠固定剤を塗設する際に、窓枠部材を強固に押さえつけると、窓枠部材の表面に傷がつ
いてしまう場合がある。
【0054】
このような場合にも、上記のように窓枠開口部と窓枠部材とを固定することによって、窓枠部材の表面を台などに接するように載置する必要がなくなるため、窓枠挿着支持部に形成された切欠部に窓枠固定剤を塗設する際に、窓枠部材の表面が台などに押し付けられることがないため、窓枠部材の表面に傷がつくことがなくなる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に切欠部を形成しているため、切欠部に窓枠固定剤を塗設することによって、窓枠部材と窓枠開口部の接触面に窓枠固定剤が入り込むようになるので、窓枠部材と窓枠開口部との接着固定が容易に行えるとともに、強固に固定することができる。
【0056】
従って、表示板が軟質材料から成る場合であっても、表示板に負荷がかかることがないので、周囲に歪が生じることがなく、窓枠開口部の周囲が変色せず、塑性変形する場合もなく、表示板の美観が損なわれることもない。
【0057】
また、表示板が脆性材料から成る場合であっても、表示板に負荷がかかることがないので、窓枠開口部の周囲にクラックが生じることがなく、窓枠開口部の周囲が破損損傷することもなく、欠けることもなく、表示板の美観が損なわれることもない。
【0058】
さらに、表示板の裏面に、表示板の裏面側からの反射光を拡散させることを目的として、拡散層を設けている場合であっても、切欠部に接着剤を塗設することによって、接着剤が拡散層に流れ込むことがないので、表示板表面から接着剤が見えることがなく、表示板の美観が損なわれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下、発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の表示板を、ソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を備えたソーラー腕時計に組み込んだ状態を説明する分解斜視図、図2は、図1を組み立てた状態の上面図、図3は、本発明の表示板に配置される窓枠部材の斜視図である。
【0060】
図1,図2において、符号10は、全体で本発明の表示板を組み込んだ無線機能付きソーラー腕時計を示している。
なお、本発明で言う「無線機能付きソーラー時計」とは、ソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を備え、このソーラー発電装置が発電した電力によって駆動される時計であって、例えば、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式ICカード機能などの無線機能を備える時計、時刻情報を含む長波標準電波(搬送波)を受信し、その時刻情報に基づいて時刻を修正する無線機能を備えた電波時計、これらの無線機能のいずれかを組み合わせて構成した時計を含むものであり、その他の無線機能とを含んでもよいことは勿論である。
【0061】
また、本明細書中、「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」、「12時方向」とは、図2においてそれぞれ右方向、下方向、左方向、上方向を意味する。なお、窓枠部材に対して「3時方向」、「6時方向」、「9時方向」、「12時方向」と表現した場合にも、図2に示すように、窓枠部材を表示板に組み込んだ状態におけてそれぞれ右方向、下方向、左方向、上方向を意味する。
【0062】
また、「上下方向」とは、図1において、上下方向を意味する。従って、上面とは、腕
時計を手首に装着した状態において、外方に露出する面であり、下面とは、同状態において手首と相対する面である。
【0063】
また、「平面方向」とは、上下方向に直交する方向であって、図1において、紙面の手前側、紙面の奥側を意味するものであり、平面方向が、バンドの長手方向、または、バンドの幅方向と重複する場合もある。
【0064】
図1に示したように、無線機能付きソーラー時計10は、ハウジング12を備えている。
このハウジング12は、例えば、金属製、合成樹脂製、セラミック製の略円筒形状の枠体を構成する時計ケース14と、時計ケース14の下面開口部を覆うように密封状態で装着される、例えば、金属製、合成樹脂製、セラミック製の裏蓋16,この時計ケースの上面開口部を覆うように、密封状態で装着される風防(ガラス)18とを備えている。
【0065】
なお、ハウジング12は、このように裏蓋16を有する場合の他、裏蓋16と時計ケース14とが一体になった時計ケース14である場合、裏蓋16もガラスである場合など、様々な場合を含むものである。
【0066】
このハウジング12内には、時計駆動部を構成するムーブメント20と、このムーブメント20の上面に配置され、ムーブメント20を光の起電力によって駆動するためのソーラー発電装置22を備えている。
【0067】
また、このソーラー発電装置22の上面には、ソーラーセル23の発電に寄与する波長の外光を、少なくともムーブメント20の駆動に足るだけ透過させる透光機能を有する表示板24を備えている。
【0068】
さらに、このムーブメント20の側部下方の小径部20aには、標準電波を受信するためのアンテナ26が付設されている。
なお、この実施例では、アンテナ26は、コアとなる棒状の磁芯部材と、この磁芯部材の外周に巻かれたコイルとより成るバーアンテナとして図示しているが、その他の構成のアンテナ部材から構成することも勿論可能である。
【0069】
さらに、時計ケース14は、外方に突出する2組のバンド取り付け部28を備えており、これらのバンド取り付け部28にはそれぞれ、互いに対向するように、一定間隔離間して配置され、時計ケース14より延設された脚部30を備えている。
【0070】
そして、これらの脚部30のそれぞれの間に、図示しない腕時計のバンドそれぞれが連結されるようになっている。
なお、ムーブメント20より突出して、ソーラー発電装置22と表示板24とを貫通する針軸31には、図示しない時針と分針とが配置される。これら時針と分針とは、表示板24と風防18との間に位置して時刻を表示するようになっている。
【0071】
この表示板24は、図1,図2に示したように、外部からの光を透過可能な透光性基板32を有している。そして、この透光性基板32には、例えば、曜日や日付などの指標を表示するカレンダー表示部34を上部より視認できるように、この実施例では、取り付け用貫通孔として機能する略矩形状の窓枠開口部36が形成されている。
【0072】
また、透光性基板32の窓枠開口部36に、付加部材を構成する略矩形枠形状の金属製の窓枠部材38が取り付けられている。この窓枠部材38は、図3に示したように、略矩形枠形状のフランジ枠部38aと、このフランジ枠部38aよりも寸法が小さい下方に延
設された中空角形状の窓枠挿着支持部38bとを備えている。この窓枠挿着支持部38bの外寸法は、透光性基板32の窓枠開口部36の内寸法と略同じか僅かに小さい寸法を有するように設定されている。
【0073】
また、フランジ枠部38aの寸法は、透光性基板32の窓枠開口部36の内寸法より大きくなっており、これにより、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bが、透光性基板32の窓枠開口部36を貫通した際に、このフランジ枠部38aが、透光性基板32の窓枠開口部36の外周上面に係止されて、窓枠部材38が下方に抜け落ちるのが防止されるようになっている。
【0074】
なお、後述するように、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bの先端部38cの外周3時方向及び9時方向には、例えば、接着剤などの窓枠固定剤を塗設するための切欠部38dが形成されている。
【0075】
そして、この窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bが、透光性基板32の窓枠開口部36を貫通して、例えば、接着剤などの窓枠固定剤によって固定されるようになっている。
また、窓枠部材38はアンテナ26の上部には配置されていないため、アンテナ26が金属製の窓枠部材38の影響を受けることなく電波を受信することができ、電波受信特性の低下要因とはならない。
【0076】
図1に示したように、ソーラー発電装置22は、非発電領域であるリング状の外縁部と、ムーブメント20の針軸31を囲むように形成された小径の非発電領域であるリング状の中央部とを備えている。また、これらの外縁部と中央部とを連結するように形成された十字線を形成する非発電領域を構成する4つの分割部を備えている。
【0077】
そして、これらの分割部に囲まれた部分に、4つの扇形状のソーラーセルが形成されている。
なお、これらの分割部のうち、上記の透光性基板32の窓枠開口部36に対応する位置には、窓枠開口部22aが形成されており、この窓枠開口部22aの下方のムーブメント20に、カレンダー表示部34が回転可能に組み込まれている。
【0078】
この場合、窓枠開口部36を有する透光性基板32を備えた表示板24は、軟質材料、あるいは脆性材料より成る透光性基板から構成されているのが、例えば、ソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を備えたソーラー時計、ソーラー発電装置を使った卓上計算機などのソーラーセル機器類に用いられ、ソーラー発電装置の上方に配置される表示板として用いる場合には、受光した光を透過させて、その下面側に配設したソーラー発電装置の発電機能を起こさせるためには望ましい。
【0079】
また、表示板24を構成する透光性基板32の厚さとしては、30μm〜1000μmであるのが望ましく、厚さがこのような範囲にあれば、例えば、腕時計用の表示板として用いる場合に、時計を薄くするために、透光性基板32の厚さを薄くしても機械的強度が低下することなく、加工することができる。また、透光性基板32の厚さが厚すぎて、時計の針が揺動することなく、正確な時間を指示することができるとともに、時計自体の厚さをコンパクトにすることができる。
【0080】
さらに、透光性基板32の厚さがこのような範囲にあれば、例えば、ソーラー時計用表示板などのソーラー機器類の表示板として用いた場合にも、光透過率が低下することなく、発電に寄与する波長の光を透過することができ、機器類の駆動力などを確保することができるとともに、表示板24の下方に配置されたソーラーセルの境界線である十字線や、濃紫色を消し去り、ソーラーセルの色調が視認されないようにすることができる。
【0081】
なお、透光性基板32は、上記の軟質材料、脆性材料を平面的、または多層に組み合わせて形成したものであっても良い。
さらに、透光性基板32を構成する軟質材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂、紙、布などを用いることができる。また、透光性基板32を構成する脆性材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、七宝、ガラスなどのセラミック、白蝶貝などの貝などを用いることができる。
【0082】
一方、窓枠部材38を構成する材料としては、例えば、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などの金属材料が採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどの合金が採用されてもよい。
【0083】
以下に、このように構成される表示板24を組み立てる工程について、図4〜図9に基づいて説明する。
図4(a)は、窓枠部材38を12時方向または6時方向から見た場合の正面図、図4(
b)は、図4(a)の部分拡大図、図5は、窓枠部材38を透光性基板32に取り付ける
状態を説明する斜視図、図6は、窓枠部材38を透光性基板32の窓枠開口部36に挿通配置した状態を説明する部分拡大断面図、図7は、窓枠部材38を透光性基板32に取り付けた状態で3時方向または9時方向から見た場合の部分拡大断面図、図8は、窓枠部材38を透光性基板32に取り付けた状態で表示板の裏面側から見た場合の部分拡大図、図9は、窓枠部材38を透光性基板32の窓枠開口部36に挿通配置した状態で、切欠部38dに窓枠固定剤40を塗設した状態を説明する部分拡大断面図である。
【0084】
まず、図4に示したように、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bの先端部38cの外周3時方向及び9時方向の角を略45度の角度で面取りし切欠部38dを形成する。
そして、図5の矢印で示したように、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bを、取り付け用貫通孔を構成する透光性基板32の窓枠開口部36を貫通するように挿通する。
【0085】
この状態では、図6に示したように、窓枠部材38のフランジ枠部38aが、透光性基板32の窓枠開口部36の外周上面に係止されて、窓枠部材38が下方に抜け落ちるのが防止されるようになっている。
【0086】
なお、この実施例では、窓枠挿着支持部38bの先端部38cの外周3時方向及び9時方向の角を面取りすることによって切欠部38dを形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、窓枠挿着支持部38bの先端部38cの外周全体の角を面取りすることによって切欠部を形成しても良い。
【0087】
次に、図7に示したように、透光性基板32の下面(裏面)側から、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bの先端部38cの12時方向及び6時方向の部分を、例えば、千枚通しなどの押圧部材によって押圧することによって陥没部38eを形成し、それによって窓枠挿着支持部38bの窓枠開口部36と接する部分に窓枠開口部36側に突出部38fを突出させることによって固定する。
【0088】
なお、ここでの固定は、後述する接着剤などの窓枠固定剤40を塗設する工程において、窓枠部材38が透光性基板32から抜け落ちることを防止するためのものであるので、透光性基板32や窓枠部材38に歪みや生じない程度の圧力で押圧すればよい。
【0089】
ついで、図8,図9に示したように、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bに形成された切欠部38dにスクリーン印刷によって、例えば、接着剤などの窓枠固定剤40を塗設
する。そして、窓枠固定剤40の硬化温度まで加熱することにより窓枠固定剤40を硬化させ、窓枠部材38と透光性基板32を接着固定する。
【0090】
なお、この実施例では、窓枠固定剤40として加熱することによって硬化する接着剤を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、水分を蒸発させることによって硬化する接着剤やレーザーを照射することによって硬化する接着剤、空気が遮断されることによって硬化する嫌気性接着剤、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化型接着剤などを利用することができる。
【0091】
このように、切欠部38dに接着剤などの窓枠固定剤40を塗設すると、窓枠部材38と窓枠開口部36の接触面に窓枠固定剤40が入り込みやすくなり、強固にしかも簡単に窓枠部材38と透光性基板32を接着固定することができる。
【0092】
このように構成することによって、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bに形成された切欠部38dに窓枠固定剤40を塗設して加熱するだけで、透光性基板32と窓枠部材38とを簡単にしかも強固に固定することができる。
【0093】
従って、表示板24を構成する透光性基板32が軟質材料から成る場合であっても、透光性基板32に負荷がかかることがないので、周囲に歪みが生じることがなく、窓枠部材38の周囲が変色せず、塑性変形する場合もなく、表示板24の美観が損なわれることもない。
【0094】
また、表示板24を構成する透光性基板32が脆性材料から成る場合であっても、透光性基板32に負荷がかかることがないので、窓枠開口部36の周囲にクラックが生じることがなく、窓枠部材38の周囲が破損損傷することもなく、欠けることもなく、表示板24の美観が損なわれることもない。
【0095】
従って、衝撃の負荷によって透光性基板32そのものが弾性変形しても、窓枠部材38が透光性基板32より脱落せず、透光性基板32に大きな力学的負荷をかけずに、金属製の窓枠部材38を表示板24に強固に固定でき、強度的にも優れ、しかも、美観が良好で、高級感を有した表示板24を提供することができる。
【0096】
なお、この実施例では、略矩形状の窓枠開口部36が形成され、この窓枠開口部36の形状に対応して、略矩形枠形状の窓枠部材38が取り付けられているが、この窓枠開口部36,窓枠部材38の形状は、このような形状に限定されるものではなく、例えば、円形、三角形状、多角形状など、表示する指標に応じて適宜決定すればよい。
(実施例2)
図10は、本発明の別の実施例の表示板に窓枠部材を固定して組み立てた状態の図9と同様な部分拡大断面図である。
【0097】
この実施例の表示板24は、図1〜図9に示した表示板24と基本的には同様な構成であり、同一の部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例の表示板24では、図9に示したように、表示板24を構成する透光性基板32の裏面に拡散層33が形成されている。このように、拡散層33を設けたことによって、ソーラーセル23からの反射光が拡散層33を透過する時に光拡散が生じるので、ソーラーセル23の濃紫色は殆ど消しさられて視認されなくなる。また、ソーラーセル23の反射光がこの拡散層33によって拡散されたとき、その拡散された光の一部がソーラーセル23に向かって放射され、再びソーラーセル23に入射する。このため、光の利用効率が上がり効果的に発電に寄与することができる。
【0098】
なお、この実施例においても、接着剤などの窓枠固定剤40は、窓枠部材38の窓枠挿着支持部38bに形成された切欠部38dに塗設するので、拡散層33に窓枠固定剤40が流れ込むことはない。このため、拡散層33に窓枠固定剤40が流れ込み、表示板24の表面から窓枠固定剤40が見えてしまうことがないので、美観が良好な表示板を提供することができる。
【0099】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、本発明の表示板を、ソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を備えた無線機能付きソーラー腕時計に適用したが、ソーラー発電装置を使った卓上計算機などのソーラーセル機器類に用いることもできる
さらには、ソーラーセル機器類以外にも、例えば、時計用の表示板、卓上計算機、自動車、飛行機の計器パネル、携帯電話などのモバイル機器などの機器類の表示板としても用いることも可能であり、この場合には、表示板24を構成する基板は、透過性の基板でなくてもよいなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は、本発明の表示板を、ソーラーセル(太陽電池)からなるソーラー発電装置を備えたソーラー腕時計に組み込んだ状態を説明する分解斜視図である。
【図2】図2は、図1を組み立てた状態の上面図である。
【図3】図3は、本発明の表示板に配置される窓枠部材の斜視図である。
【図4】図4(a)は、窓枠部材38を12時方向または6時方向から見た場合の正面図、図4(b)は、図4(a)の部分拡大図である。
【図5】図5は、窓枠部材38を透光性基板32に取り付ける状態を説明する斜視図である。
【図6】図6は、窓枠部材38を透光性基板32の窓枠開口部36に挿通配置した状態を説明する部分拡大断面図である。
【図7】図7は、窓枠部材38を透光性基板32に取り付けた状態で3時方向または9時方向から見た場合の部分拡大断面図である。
【図8】図8は、窓枠部材38を透光性基板32に取り付けた状態で表示板の裏面側から見た場合の部分拡大図である。
【図9】図9は、窓枠部材38を透光性基板32の窓枠開口部36に挿通配置した状態で、切欠部38dに窓枠固定剤40を塗設した状態を説明する部分拡大断面図である。
【図10】図10は、本発明の別の実施例の表示板に窓枠部材を固定して組み立てた状態の図9と同様な部分拡大断面図である。
【図11】図11は、従来の表示板の上面図である。
【図12】図12は、図11のA−A線での部分拡大断面図である。
【図13】図13は、図10の窓枠部材108の斜視図である。
【符号の説明】
【0101】
10 ソーラー時計
11 時針
12 ハウジング
13 分針
14 時計ケース
16 裏蓋
18 風防
20 ムーブメント
20a 小径部
22 ソーラー発電装置
22a 窓枠開口部
23 ソーラーセル
24 表示板
26 アンテナ
28 バンド取り付け部
30 脚部
31 針軸
32 透光性基板
33 拡散層
34 カレンダー表示部
36 窓枠開口部
38 窓枠部材
38a フランジ枠部
38b 窓枠挿着支持部
38c 先端部
38d 切欠部
38e 陥没部
38f 突出部
40 窓枠固定剤
100 表示板
101 縁
102 基板
103 貫通窓
104 窓枠開口部
106 内壁
108 窓枠部材
110 枠本体部
110 貫通部
112 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示板の窓枠開口部に配置される窓枠部材であって、
該窓枠部材が窓枠開口部内に窓枠部材を支持する窓枠挿着支持部を備え、
前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分に、窓枠固定剤を塗設する切欠部が形成されていることを特徴とする窓枠部材。
【請求項2】
前記切欠部は、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の窓枠部材。
【請求項3】
前記窓枠挿着支持部が略矩形枠形状であり、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも1組の対向辺に切欠部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の窓枠部材。
【請求項4】
前記窓枠部材は、金属材料からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の窓枠部材。
【請求項5】
窓枠開口部を有する表示板であって、
前記表示板の窓枠開口部には、窓枠部材が配置されており、
該窓枠部材が窓枠開口部内に窓枠部材を支持する窓枠挿着支持部を備え、
前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分に、窓枠固定剤を塗設する切欠部が形成されていることを特徴とする表示板。
【請求項6】
前記切欠部は、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の表示板。
【請求項7】
前記窓枠開口部と窓枠部材とが、窓枠固定剤によって接着固定されていることを特徴とする請求項5または6に記載の表示板。
【請求項8】
前記窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側を押圧部材によって押圧することで、前記窓枠挿着支持部の窓枠開口部と接する部分を窓枠開口部側に突出させることによって、前記窓枠開口部と窓枠部材とを固定していることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の表示板。
【請求項9】
前記表示板の裏面に拡散層が形成されていることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の表示板。
【請求項10】
前記拡散層が、前記表示板の裏面に平行に形成されるプリズム溝であることを特徴とする請求項9に記載の表示板。
【請求項11】
前記窓枠挿着支持部が略矩形枠形状であり、前記窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも1組の対向辺に切欠部が形成されていることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の表示板。
【請求項12】
前記切欠部は、前記プリズム溝と略平行に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の表示板。
【請求項13】
前記窓枠部材は、金属材料からなることを特徴とする請求項5から12のいずれかに記載の表示板。
【請求項14】
前記表示板は、透光性材料からなることを特徴とする請求項5から13のいずれかに記載の表示板。
【請求項15】
請求項5から14のいずれかに記載の窓枠開口部を有する表示板を備えることを特徴とする機器類。
【請求項16】
前記表示板の下面側にソーラー発電装置を備えることを特徴とする請求項15に記載の機器類。
【請求項17】
前記表示板の下面側にアンテナを備えることを特徴とする請求項15または16に記載の機器類。
【請求項18】
前記機器類が、時計であることを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載の機器類。
【請求項19】
窓枠開口部に窓枠部材が配置された表示板の製造方法であって、
該窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側の窓枠開口部と接する部分の少なくとも一部に、窓枠固定剤を塗設する切欠部を形成する工程と、
前記窓枠部材の窓枠挿着支持部を表示板の窓枠開口部に挿通配置する工程と、
前記切欠部に窓枠固定剤を塗設する工程と、
を備えることを特徴とする表示板の製造方法。
【請求項20】
前記切欠部に窓枠固定剤をスクリーン印刷によって塗設することを特徴とする請求項19に記載の表示板の製造方法。
【請求項21】
前記窓枠部材の窓枠挿着支持部を表示板の窓枠開口部に挿通する工程の後に、前記窓枠部材の窓枠挿着支持部の裏側を押圧部材によって押圧することで、前記窓枠挿着支持部の窓枠開口部と接する部分を窓枠開口部側に突出させることによって、前記窓枠開口部と窓枠部材とを固定する工程を備えることを特徴とする請求項19または20に記載の表示板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−286600(P2008−286600A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130778(P2007−130778)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)