説明

表示機器、制御システムおよび制御プログラム

【課題】利用者に対して利便性の高い操作方法を提供すること。
【解決手段】携帯電話端末(表示機器)1は、視認空間内の3次元マトリクス状に区分けされた仮想の遊技領域中に、当該区分けされた各区画を1個分或いは複数個分だけ占有する3次元ブロックを立体表示する表示部32aと、表示部32aを制御する制御部22と、視認空間中の物体の位置を検出する検出部(撮影部)40および42と、を備える。制御部22は、表示部32aを制御して、3次元ブロックを出現させるとともに、検出部40および42により、視認空間における物体の経時的な変化が検出されたとき、当該検出結果に基づいて、3次元ブロックを区画単位で移動させる。そして、移動した当該3次元ブロックにより、遊戯領域の一の層の全ての区画が埋めつくされたとき、3次元ブロック中の一の層に含まれる部分を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示機器、制御システムおよび制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末等の表示部を備える表示機器には、画像等を立体表示することができるものがある(例えば、特許文献1参照)。立体表示は、両眼の視差を利用して実現される。
【0003】
また、3Dゲームのアプリケーションを実行することができるゲーム装置がある。例えば、特許文献2に記載のゲーム装置は、3次元コンピュータグラフィックスで表示された立体パズルを使用して3Dゲームを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−95547号公報
【特許文献2】特開2011−101677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
立体表示は利用者にとって親しみやすい表示形式であるにも関わらず、従来の表示機器では、立体表示は視聴目的でしか利用されず、操作の利便性を向上させるためには利用されてこなかった。また、立体パズル等の3Dゲームのアプリケーションは存在するが、従来のゲーム装置では、操作ボタン等により特定の1つのオブジェクト毎しか選択できず、さらに操作に慣れるまで時間を要してしまう。
【0006】
本発明は、利用者に対して利便性の高い操作方法を提供することができる表示機器、制御システムおよび制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示機器は、視認空間内の3次元マトリクス状に区分けされた仮想の遊技領域中に、当該区分けされた各区画を1個分或いは複数個分だけ占有する3次元ブロックを立体表示する表示部と、当該表示部を制御する制御部と、前記視認空間中の物体の位置を検出する検出部と、を備え、前記制御部は、前記表示部を制御して、前記3次元ブロックを出現させるとともに、前記検出部により、前記視認空間における前記物体の経時的な変化が検出されたとき、当該検出結果に基づいて、前記3次元ブロックを前記区画単位で移動させ、移動した当該3次元ブロックにより、前記遊戯領域の一の層の全ての区画が埋めつくされたとき、前記3次元ブロック中の前記一の層に含まれる部分を消去する。
【0008】
また、本発明に係る制御システムは、視認空間内の3次元マトリクス状に区分けされた仮想の遊技領域中に、当該区分けされた各区画を1個分或いは複数個分だけ占有する3次元ブロックを立体表示する表示部及び前記視認空間中の物体の位置を検出する検出部を備える端末と、当該端末を制御する制御部を含むシステムであって、前記制御部は、前記表示部を制御して、前記3次元ブロックを出現させるとともに、前記検出部により、前記視認空間における前記物体の時間的な変化が検出されたとき、当該検出結果に基づいて、前記3次元ブロックを前記区画単位で移動させ、移動した当該3次元ブロックにより、前記遊戯領域の一の層の全ての区画が埋めつくされたとき、前記3次元ブロック中の前記一の層に含まれる部分を消去する。
【0009】
また、本発明に係る制御プログラムは、視認空間内で3次元形状を立体表示する表示部及び前記視認空間中の物体の位置を検出する検出部を備える表示機器に、視認空間内の3次元マトリクス状に区分けされた仮想の遊技領域中に、当該区分けされた各区画を1個分或いは複数個分だけ占有する3次元ブロックを出現させるステップと、前記視認空間における前記物体の時間的な変化が検出されたときに、前記3次元ブロックを前記区画単位で移動させるステップと、移動した当該3次元ブロックにより、前記遊戯領域の一の層の全ての区画が埋めつくされたとき、前記3次元ブロック中の前記一の層に含まれる部分を消去するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、利用者に対して利便性の高い操作方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図2】図2は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、オブジェクトデータに格納される情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、携帯電話端末による3次元オブジェクトの表示の一例を示す模式図である。
【図5】図5は、層を消去する例を示す図である。
【図6】図6は、3次元オブジェクトを掴んで行う操作の一例を示す図である。
【図7】図7は、3次元オブジェクトを押す操作の一例を示す図である。
【図8】図8は、遊戯領域の側面での移動の停止について説明するための図である。
【図9】図9は、遊戯領域を3次元オブジェクトとして扱う操作の一例を示す図である。
【図10】図10は、遊戯領域を3次元オブジェクトとして扱う他の操作の一例を示す図である。
【図11】図11は、停止状態にある3次元ブロックを区画単位の要素に分離して底面へ向けて移動させる例を示す図である。
【図12】図12は、遊戯領域の面を3次元オブジェクトとして扱う操作の一例を示す図である。
【図13】図13は、3次元ブロックを分解する操作の一例を示す図である。
【図14】図14は、3次元ブロックを合成する操作の一例を示す図である。
【図15】図15は、3次元ブロックの制御に関して携帯電話端末が実行する基本的な処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、3次元オブジェクトを掴んで行う操作の検出について説明するための図である。
【図17】図17は、3次元オブジェクトを掴んで行う操作の検出について説明するための図である。
【図18】図18は、3次元オブジェクトの選択検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】図19は、掴む操作検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、3次元オブジェクトを掴んで行う他の操作の検出について説明するための図である。
【図21】図21は、3次元オブジェクトへの接触を選択の条件とする場合の選択検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】図22は、作用データに格納される情報の一例を示す図である。
【図23】図23は、3次元オブジェクトを押す操作の検出について説明するための図である。
【図24】図24は、3次元オブジェクトを押す操作の検出について説明するための図である。
【図25】図25は、3次元オブジェクトの接触検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】図26は、押す操作検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】図27は、他の携帯電話端末の外観を示す正面図である。
【図28】図28は、他の携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図29】図29は、3次元オブジェクトに対する操作の検出について説明するための図である。
【図30】図30は、3次元オブジェクトに対する操作を複数のタッチセンサを用いて検出する携帯電話端末の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、表示機器の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【実施例】
【0013】
まず、図1および図2を参照しながら、第1の実施例に係る携帯電話端末(表示機器)1の構成について説明する。図1は、携帯電話端末1の外観を示す正面図である。図2は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。
【0014】
図1および図2に示すように、携帯電話端末1は、操作部13と、マイク15と、レシーバ16と、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、音声処理部30と、タッチパネル32と、撮影部40と、撮影部42とを有する。操作部13、マイク15、レシーバ16、タッチパネル32、撮影部40および撮影部42は、携帯電話端末1の正面に一部が露出する。
【0015】
操作部13は、物理的なボタンを有し、押下されたボタンに対応する信号を制御部22へ出力する。なお、図1に示す例では、操作部13はボタンを1つしか有していないが、操作部13は複数のボタンを有していてもよい。
【0016】
マイク15は、外部の音声を取得する。レシーバ16は、通話時に通話相手の音声を出力する。音声処理部30は、マイク15から入力される音声をデジタル信号化して制御部22へ出力する。また、音声処理部30は、制御部22から入力されるデジタル信号を復号してレシーバ16へ出力する。
【0017】
通信部26は、アンテナ26aを有し、基地局によって割り当てられるチャネルを介して、基地局との間にCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立する。通信部26は、基地局との間に確立された無線信号回線を通じて、他の装置との間で電話通信および情報通信を行う。
【0018】
タッチパネル32は、文字、図形、画像等の各種の情報を表示するとともに、表示されたアイコン、ボタン、文字入力領域等の所定領域に対する入力操作を検出する。タッチパネル32は、表示部32aと、タッチセンサ32bとを重畳して構成される。
【0019】
表示部32aは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等の表示装置を備え、制御部22から入力される制御信号に従って各種の情報を表示する。タッチセンサ32bは、タッチパネル32の表面に対して行われる入力操作を検出し、検出した入力操作に応じた信号を制御部22へ出力する。タッチセンサ32bが各種操作を検出する方式は、静電容量式、抵抗膜式、感圧式等の任意の方式でよい。
【0020】
また、タッチパネル32は、3次元オブジェクトを表示できる。3次元オブジェクトは、視差を利用して立体的に見えるように作成された画像や形状等の表示物である。なお、3次元オブジェクトを表示する方式は、眼鏡等の器具を用いて立体視を実現する方式であってもよいし、裸眼で立体視を実現する方式であってもよい。
【0021】
撮影部40および42は、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いて電子的に画像を撮影する。そして、撮影部40および42は、撮影した画像を信号に変換して制御部22へ出力する。撮影部40および42は、3次元オブジェクトが立体的に表示される空間(以下、「視認空間」という)において3次元オブジェクトを操作する物体を検出する検出部としても機能する。
【0022】
なお、撮影部40および42は、視認空間内のどこに指等の物体が位置していてもその物体を撮影することができるように画角や配置が設定されていることが好ましい。また、撮影部40および42は、可視光の画像を取得する装置であってもよいし、赤外線等の不可視光の画像を取得する装置であってもよい。
【0023】
制御部22は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメモリとを備え、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、制御部22は、記憶部24に記憶されているプログラムやデータを読み出してメモリに展開し、メモリに展開されたプログラムに含まれる命令をCPUに実行させる。そして、制御部22は、CPUによる命令の実行結果に応じて、メモリおよび記憶部24に対してデータの読み書きを行ったり、通信部26や表示部32a等の動作を制御したりする。CPUが命令を実行するに際しては、メモリに展開されているデータやタッチセンサ32b等から入力される信号がパラメータや判定条件の一部として利用される。
【0024】
記憶部24は、フラッシュメモリ等の不揮発性を有する記憶装置からなり、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部24に記憶されるプログラムには、制御プログラム24aが含まれる。また、記憶部24に記憶されるデータには、オブジェクトデータ24bと、作用データ24cとが含まれる。なお、記憶部24は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体に対して読み書きを行う読み書き装置との組み合わせによって構成されてもよい。この場合、制御プログラム24a、オブジェクトデータ24b、作用データ24cは、記憶媒体に記憶されていてもよい。また、制御プログラム24a、オブジェクトデータ24b、作用データ24cは、通信部26による無線通信によってサーバ装置等の他の装置から取得することとしてもよい。
【0025】
制御プログラム24aは、携帯電話端末1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム24aが提供する機能には、タッチパネル32での3次元オブジェクトの表示を制御する機能や、タッチパネル32によって表示される3次元オブジェクトに対する利用者の操作を検出する機能が含まれる。制御プログラム24aは、このように、3次元オブジェクトの表示を制御したり、3次元オブジェクトに対する操作を検出したりすることにより、後述するように、利用者が視認空間で立体的な遊戯を楽しむことを可能にする。
【0026】
オブジェクトデータ24bは、3次元オブジェクトの形状や性質に関する情報を含む。オブジェクトデータ24bは、3次元オブジェクトを表示するために用いられる。作用データ24cは、表示されている3次元オブジェクトに対する操作が3次元オブジェクトにどのように作用するかに関する情報を含む。作用データ24cは、表示されている3次元オブジェクトに対する操作が検出された場合に3次元オブジェクトを変化させるために用いられる。ここでいう変化には、移動、回転、変形、消失等が含まれる。
【0027】
図3は、オブジェクトデータ24bに格納される情報の一例を示す図である。図3に示すように、オブジェクトデータ24bには、形状情報、色、透明度等を含む情報が3次元オブジェクト毎に格納される。形状情報は、3次元オブジェクトの形状を示す情報である。形状情報は、例えば、3次元オブジェクトを構成する面の頂点座標の集合である。色は、3次元オブジェクトの表面の色である。透明度は、3次元オブジェクトが光を透過させる度合いである。なお、オブジェクトデータ24bは、複数の3次元オブジェクトに関する情報を保持することができる。
【0028】
次に、図4から図14を参照しながら、携帯電話端末1による3次元オブジェクトの表示の制御と、3次元オブジェクトに対する操作の検出について説明する。図4は、携帯電話端末1による3次元オブジェクトの表示の一例を示す模式図である。なお、3次元オブジェクトは、携帯電話端末1のタッチパネル32を特定の方向から見た場合に立体的に表示され、側面から見た場合には、必ずしも図4に示すように立体的に表示されない。また、図4では、携帯電話端末1を側面から見た簡略的な断面図として図示している。
【0029】
図4に示すように、携帯電話端末1は、視認空間50中に遊戯領域60を設定する。遊戯領域60は、3次元マトリックス状に区分けされた立方体形状の仮想の領域である。遊戯領域60が区分けされた各区画は、立方体形状をしている。なお、図4では、説明の便宜上、遊戯領域60が区分けされた区画を点線で図示しているが、各区画は、必ずしもこのように明示されない。
【0030】
また、携帯電話端末1は、遊戯領域60の面の1つである上面60bから、上面60bに対向する底面60aへ向けて3次元ブロックを移動させる。3次元ブロックは、遊戯領域60が区分けされた区画を1乃至複数個占有する3次元オブジェクトである。3次元ブロックには、複数の種類があり、種類毎に形状や色が異なる。それぞれの種類の形状や色は、オブジェクトデータ24bにおいて定義されている。
【0031】
携帯電話端末1は、上面60bの近傍で3次元ブロックを出現させた後、時間の経過に従って3次元ブロックを底面60aへ向けて移動させる。そして、携帯電話端末1は、3次元ブロックの移動方向の面(底面60aと対向する面)のいずれかが底面60aに接触すると、3次元ブロックの移動を中止して、3次元ブロックを停止状態にする。携帯電話端末1は、3次元ブロックの移動方向の面のいずれかが、停止状態にある他の3次元ブロックと接触した場合にも、3次元ブロックを停止状態にする。
【0032】
携帯電話端末1は、1つの3次元ブロックを出現させた後、所定の時間が経過すると、次の3次元ブロックを出現させる。次の3次元ブロックは、1つ前の3次元ブロックの移動中に出現することもある。携帯電話端末1は、遊戯性を高めるため、3次元ブロックを出現させる間隔を少しずつ短くしていく。なお、携帯電話端末1は、遊戯性を高めるため、3次元ブロックを底面60aへ向けて移動させる速度を次第に速くしてもよい。
【0033】
3次元ブロックを次々と出現させた結果、遊戯領域60には複数のブロックが積み重なっていく。例えば、図4に示す例では、3次元ブロックBL1および3次元ブロックBL2が、底面60aに到達して停止状態となっている。また、3次元ブロックBL3が、3次元ブロックBL1の上に重なって停止状態となっている。また、3次元ブロックBL4が、移動中であり、3次元ブロックBL5が、上面60bの近傍に出現している。
【0034】
携帯電話端末1は、3次元ブロックが積み重なり、3次元ブロックの要素によって遊戯領域60の層のいずれかが埋め尽くされた場合は、その層を消去する。
【0035】
図5は、層を消去する例を示す図である。図5に示すステップSA1では、底面60aの上が3次元ブロックの要素によって埋め尽くされている。このように1つの層が埋め尽くされた場合、携帯電話端末1は、ステップSA2に示すように、埋め尽くされた層を消去する。そして、携帯電話端末1は、埋め尽くされた層を構成していた3次元ブロックの残り部分のうち、埋め尽くされた層よりも上に位置していた部分を、底面60aと対向する面のいずれかが底面60aまたは停止状態にある他の3次元ブロックと接触するまで底面60aへ向けてそれぞれ移動させる。なお、図5では、底面60aが視認できるように表示されているが、底面60aは表示されなくてもよい。
【0036】
携帯電話端末1は、埋め尽くされた層を消去するたびに、利用者に対して得点を加算する。携帯電話端末1は、埋め尽くされた層の消去にともなう3次元ブロックの残り部分の移動によって他の層が消去された場合(いわゆる連鎖が発生した場合)、利用者に対して通常より多くの得点を加算する。また、携帯電話端末1は、3次元ブロックが積み重なって新たな3次元ブロックを出現させることができなくなった場合には、上記の制御を終了する。
【0037】
利用者は、携帯電話端末1によるこのような制御を利用して、できるだけ多くの得点を得ることを目的とした遊戯を楽しむことができる。利用者は、得点を増やすために、移動中の3次元ブロックを操作することができる。具体的には、利用者は、手および指を使って、移動中の3次元ブロックを移動させたり、回転させたりすることができる。
【0038】
携帯電話端末1は、視認空間中に存在する手等の物体の位置および動作を撮影部40および42が撮影する画像に基づいて判定する。そして、携帯電話端末1は、判定した物体の位置および動作を、視認空間中に表示されている3次元ブロック等の3次元オブジェクトの形状および計算上の位置と照合することによって、3次元オブジェクトに対する操作を検出する。
【0039】
物体の位置は、予め登録されている物体の大きさと画像中の物体の大きさおよび位置とに基づいて判定してもよい。あるいは、物体の位置は、撮影部40が撮影した画像における物体の大きさおよび位置と撮影部42が撮影した画像における物体の大きさおよび位置とを照合して判定してもよい。指等の物体の動作の判定は、既知の技術を用いて実現してよい。また、指が物体の場合、指のつま先の位置を物体の位置として処理することが好ましい。
【0040】
3次元オブジェクトの形状は、オブジェクトデータ24bにおいて定義される。視認空間における3次元オブジェクトの計算上の位置は、タッチパネル32の表示面上での3次元オブジェクトの位置と、視認空間内での3次元オブジェクトの浮き上がり量とに基づいて算出される。視認空間内での3次元オブジェクトの浮き上がり量は、表示時に決定された値であってもよいし、3次元オブジェクトを立体的に表示するために用いられる右目用の画像と左目用の画像における3次元オブジェクトの位置の差から算出された値であってもよい。
【0041】
図6は、3次元オブジェクトを掴んで行う操作の一例を示す図である。図6に示す例では、3次元ブロックBL6〜BL8が停止状態となっており、3次元ブロックBL9が移動中である。この場面において、携帯電話端末1は、利用者が3次元ブロックBL9を手H1で掴み、手H1を任意の方向へ移動させる動作を検出すると、3次元ブロックBL9を手H1の移動に合わせて3次元ブロックBL9を移動させる。また、携帯電話端末1は、利用者が3次元ブロックBL9を手H1で掴み、手H1を回転させる動作を検出すると、3次元ブロックBL9を手H1の回転に合わせて3次元ブロックBL9を回転させる。
【0042】
そして、携帯電話端末1は、利用者が3次元ブロックBL9から手を離す動作を検出すると、3次元ブロックBL9を再び底面60aへ向けて移動させ始める。3次元ブロックBL9の位置または向きが、遊戯領域60の区画とずれている場合、携帯電話端末1は、最小の補正により、3次元ブロックBL9の位置および向きを遊戯領域60の区画に合わせる。また、携帯電話端末1は、3次元ブロックBL9が遊戯領域60から突出したり、3次元ブロックBL9が他の3次元ブロックの内部に入り込んだりすることがないように3次元ブロックBL9の移動および回転を制限する。なお、難易度を低下させないために、3次元ブロックBL9の上方向への移動を制限してもよい。
【0043】
図7は、3次元オブジェクトを押す操作の一例を示す図である。図7に示す例では、3次元ブロックBL6〜BL8が停止状態となっており、3次元ブロックBL9が移動中である。この場面において、携帯電話端末1は、利用者が3次元ブロックBL9を手H1で押す動作を検出すると、3次元ブロックBL9を手H1の移動に合わせて3次元ブロックBL9を移動させる。
【0044】
そして、携帯電話端末1は、利用者が3次元ブロックBL9から手H1を離す動作を検出すると、3次元ブロックBL9を再び底面60aへ向けて移動させ始める。なお、携帯電話端末1は、利用者の押す動作の検出中も、3次元ブロックBL9を底面60aへ向けて移動させ続けてもよい。3次元ブロックBL9の位置が、遊戯領域60の区画とずれている場合、携帯電話端末1は、最小の補正により、3次元ブロックBL9の位置を遊戯領域60の区画に合わせる。また、携帯電話端末1は、3次元ブロックBL9が遊戯領域60から突出したり、3次元ブロックBL9が他の3次元ブロックの内部に入り込んだりすることがないように3次元ブロックBL9の移動を制限する。
【0045】
このように、掴んで行う操作や押す操作によって3次元ブロックの位置や向きを変更することにより、利用者は、遊戯領域60の層を戦略的に埋めて得点を稼ぐことができる。なお、携帯電話端末1は、3次元ブロックの底面60aと対向する面のいずれかが底面60aまたは停止状態にある他の3次元ブロックと接触した後も、所定の時間内(例えば、1秒以内)は、利用者の操作に応じて3次元ブロックの位置や向きを変更してもよい。また、自身に印加される加速度或いは動きを測定する検出器(例えば、加速度センサ)を携帯電話端末1に設け、検出器が所定の加速度或いは動きを検出した場合に、携帯電話端末1は停止状態の3次元ブロックを移動可能にすることとしてもよい。また、携帯電話端末1は、検出器が所定の加速度或いは動きを検出した場合に、停止状態の3次元ブロックを加速度或いは動きに応じて移動させてもよい。
【0046】
携帯電話端末1は、3次元ブロックが遊戯領域60の底面60aに到達した場合だけでなく、利用者の操作によって側面に到達した場合にも3次元ブロックを停止させる。図8は、遊戯領域60の側面での移動の停止について説明するための図である。図8に示す例では、3次元ブロックBL10が、利用者の操作によって遊戯領域60の側面60cに到達して停止状態となっている。そして、3次元ブロックBL9が、利用者の操作によって遊戯領域60の側面60cに達しつつある。なお、図8では、側面60cが視認できるように表示されているが、側面60cは表示されなくてもよい。
【0047】
携帯電話端末1は、掴んで行う操作や押す操作によって3次元ブロックの面のいずれが遊戯領域60の側面と接触すると、その時点で3次元ブロックを停止させる。なお、携帯電話端末1は、3次元ブロックが遊戯領域60の側面に到達した後も、所定の時間内(例えば、1秒以内)は、3次元ブロックを停止状態とせずに、利用者の操作に応じて3次元ブロックの位置や向きを変更してもよい。
【0048】
携帯電話端末1は、遊戯領域60の側面に到達した3次元ブロックの要素によって側面と平行な層が埋め尽くされた場合、その層を消去する。そして、携帯電話端末1は、埋め尽くされた層を構成していた3次元ブロックの残り部分のうち、埋め尽くされた層よりも遊戯領域60の内側に位置していた部分を、底面60aと対向する面のいずれかが底面60aまたは停止状態にある他の3次元ブロックと接触するまで底面60aへ向けてそれぞれ移動させる。
【0049】
なお、携帯電話端末1は、埋め尽くされた層よりも遊戯領域60の内側に位置していた部分を、3次元ブロックが到達していた側面へ向けて移動させてもよい。また、携帯電話端末1は、遊戯領域60の側面に到達した3次元ブロックを摘んで側面とは反対側に移動させる操作が検出された場合に、3次元ブロックを再び移動可能な状態に戻してもよい。すなわち、携帯電話端末1は、利用者が、3次元ブロックを一時的に側面に貼り付けておき、任意のタイミングで移動を再開させることができるようにしてもよい。
【0050】
携帯電話端末1は、遊戯領域60を3次元オブジェクトとして扱う操作も受け付ける。図9は、遊戯領域60を3次元オブジェクトとして扱う操作の一例を示す図である。図9に示すステップSB1では、3次元ブロックBL6〜BL8が停止状態となっており、3次元ブロックBL9が移動中である。この場面において、携帯電話端末1は、利用者が両手で遊戯領域60を側面から掴んで水平方向に回転させる動作を検出すると、ステップSB2に示すように、両手の動きに合わせて、遊戯領域60を水平方向に回転させる。
【0051】
このとき、携帯電話端末1は、停止状態にある3次元ブロックを遊戯領域60と一緒に回転させる。このように、停止状態にある3次元ブロックを遊戯領域60と一緒に回転させることにより、利用者は、3次元ブロックの重なり状況を見易い方向から見ることができる。なお、携帯電話端末1は、遊戯領域60を水平方向に回転させる動作が検出された場合に、移動中の3次元ブロックを遊戯領域60と一緒に回転させてもよいし、させなくてもよい。移動中の3次元ブロックのうち、利用者に掴まれている3次元ブロックは回転させずに、それ以外を遊戯領域60と一緒に回転させてもよい。また、携帯電話端末1は、遊戯領域60が90度単位で回転するように回転量を補正してもよい。
【0052】
利用者は、遊戯領域60を水平方向に回転させる動作を例えば以下のように実行する。ステップSB1およびステップSB2に示すように、まず、利用者は、手H1を遊戯領域60の側面60dに当たるように配置し、手H2を側面60dに対向する側面60eに当たるように配置する。そして、利用者は、手H1と手H2の間隔を保ちながら、底面60aの中心に回転軸があるかのように、手H1および手H2を周回させる。
【0053】
図10は、遊戯領域60を3次元オブジェクトとして扱う他の操作の一例を示す図である。図10に示すステップSC1では、3次元ブロックBL6〜BL8が停止状態となっており、3次元ブロックBL9が移動中である。この場面において、携帯電話端末1は、利用者が両手で遊戯領域60を側面から掴んで垂直方向に回転させる動作を検出すると、ステップSC2に示すように、両手の動きに合わせて、遊戯領域60を垂直方向に回転させる。
【0054】
このとき、携帯電話端末1は、停止状態にある3次元ブロックを遊戯領域60と一緒に回転させる。そして、携帯電話端末1は、両手が遊戯領域60から離れたのを検出すると、ステップSC3に示すように、停止状態にある3次元ブロックを新たな底面(この例では面60e)へ向けて移動させる。携帯電話端末1は、3次元ブロックの移動方向の面のいずれかが、新たな底面または停止状態にある他の3次元ブロックと接触すると、3次元ブロックを停止状態にする。なお、停止状態にある3次元ブロックを新たな底面へ向けて移動させる制御は、遊戯領域60が垂直方向に90度回転するたびに実行してもよい。
【0055】
このように、垂直方向の回転にともなって停止状態にある3次元ブロックの配置を変更することにより、利用者は、3次元ブロックの重なり状況を劇的に変化させることができる。なお、携帯電話端末1は、遊戯領域60を垂直方向に回転させる場合、遊戯領域60が90度単位で回転するように回転量を補正することが好ましい。また、携帯電話端末1は、遊戯領域60を垂直方向に回転させる場合、移動中の3次元ブロックは遊戯領域60と一緒に回転させないこととしてもよい。
【0056】
利用者は、遊戯領域60を垂直方向に回転させる動作を例えば以下のように実行する。ステップSC1およびステップSC2に示すように、まず、利用者は、手H1を遊戯領域60の側面60dに当たるように配置し、手H2を側面60dに対向する側面60eに当たるように配置する。そして、利用者は、手H1と手H2の間隔を保ちながら、側面60dの中心と側面60eの中心とを結ぶ回転軸があるかのように、手H1および手H2を同一方向に回転させる。
【0057】
なお、図10に示した例では、携帯電話端末1が、遊戯領域60を垂直方向に回転させた後に、停止状態にある3次元ブロックを新たな底面へ向けて移動させることとしたが、停止状態にある3次元ブロックを側面に固定したままにしてもよい。また、携帯電話端末1は、停止状態にある3次元ブロックを区画単位の要素に分離して、新たな底面へ向けて移動させてもよい。
【0058】
図11は、停止状態にある3次元ブロックを区画単位の要素に分離して底面へ向けて移動させる例を示す図である。図11に示すステップSD1およびステップSD2は、図10に示したステップSC1およびステップSC2と同様である。図11に示すステップSD3では、停止状態にある3次元ブロックが区画毎の要素に分離されたために、ブロックBL7の形状が、図10に示したステップSC3と異なっている。このように、停止状態にある3次元ブロックを区画毎の要素に分離することにより、底面に接する層が要素によって埋まり、その結果、利用者が高得点を得やすくなる。
【0059】
携帯電話端末1は、遊戯領域60の面を薄い3次元オブジェクトとして扱う操作も受け付ける。図12は、遊戯領域60の面を3次元オブジェクトとして扱う操作の一例を示す図である。図12に示すステップSE1では、3次元ブロックBL6〜BL8が停止状態となっており、3次元ブロックBL9が移動中である。この場面において、携帯電話端末1は、利用者が遊戯領域60の底面60aを手で掴んで水平方向に回転させる動作を検出すると、ステップSE2に示すように、手の動きに合わせて、遊戯領域60を水平方向に回転させる。
【0060】
このとき、携帯電話端末1は、停止状態にある3次元ブロックを遊戯領域60と一緒に回転させる。このように、停止状態にある3次元ブロックを遊戯領域60と一緒に回転させることにより、利用者は、3次元ブロックの重なり状況を見易い方向から見ることができる。なお、携帯電話端末1は、遊戯領域60を水平方向に回転させる動作が検出された場合に、移動中の3次元ブロックを遊戯領域60と一緒に回転させてもよいし、させなくてもよい。移動中の3次元ブロックのうち、利用者に掴まれている3次元ブロックは回転させずに、それ以外を遊戯領域60と一緒に回転させてもよい。また、携帯電話端末1は、遊戯領域60が90度単位で回転するように回転量を補正してもよい。
【0061】
利用者は、遊戯領域60を水平方向に回転させる動作を例えば以下のように実行する。ステップSE1およびステップSE2に示すように、まず、利用者は、遊戯領域60の底面60aを指で摘むように手H1を配置する。そして、利用者は、底面60aの中心に回転軸があるかのように、手H1を周回させる。
【0062】
携帯電話端末1は、3次元ブロックを分解する操作および3次元ブロックを合成する操作も受け付ける。図13は、3次元ブロックを分解する操作の一例を示す図である。図13に示すステップSF1では、利用者が、移動中の3次元ブロックBL9の一部を手H1で掴み、他の一部を手H2で掴んでいる。この場面において、携帯電話端末1は、利用者が3次元ブロックBL9を分解しようとする動作を検出すると、ステップSF2に示すように、検出された動作に応じて3次元ブロックBL9を3次元ブロックBL9aと3次元ブロックBL9bとに分解する。携帯電話端末1は、利用者の手が3次元ブロックBL9aおよび3次元ブロックBL9bから離れたのを検出すると、3次元ブロックBL9aおよび3次元ブロックBL9bを底面へ向けて移動させる。
【0063】
このように、3次元ブロックを分解することにより、利用者は、遊戯領域60の層を埋め易くなる。なお、3次元ブロックを無制限に分解できることとすると遊戯の難易度が低下するため、携帯電話端末1は、3次元ブロックを分解することができる回数または頻度を制限してもよい。また、携帯電話端末1は、同様の操作が検出された場合に、3次元ブロックを分解するのではなく、3次元ブロックを変形させてもよい。
【0064】
利用者は、3次元ブロックBL9を分解する動作を例えば以下のように実行する。ステップSF1に示すように、まず、利用者は、指で3次元ブロックBL9の一部を摘むように手H1を配置し、指で3次元ブロックBL9の他の一部を摘むように手H2を配置する。そして、利用者は、ステップSF2に示すように、手H1および手H2の角度を3次元ブロックBL9を折り曲げるかのように変化させる。利用者は、3次元ブロックBL9を分解するために、3次元ブロックBL9を掴む指の形を維持したままで、3次元ブロックBL9を引っ張るかのように、手H1および手H2を反対方向へ移動させてもよい。
【0065】
図14は、3次元ブロックを合成する操作の一例を示す図である。図14に示すステップSG1では、利用者が、移動中の3次元ブロックBL9を手H1で掴み、移動中の3次元ブロックBL11を手H2で掴んでいる。この場面において、携帯電話端末1は、利用者が3次元ブロックBL9を3次元ブロックBL11と接触させる動作を検出すると、ステップSG2に示すように、3次元ブロックBL9と3次元ブロックBL11とを3次元ブロックBL12に合成する。携帯電話端末1は、利用者の手が3次元ブロックBL12から離れたのを検出すると、3次元ブロックBL12を底面へ向けて移動させる。
【0066】
利用者は、3次元ブロックBL9を合成する動作を例えば以下のように実行する。ステップSG1に示すように、まず、利用者は、指で3次元ブロックBL9を摘むように手H1を配置し、指で3次元ブロックBL11を摘むように手H2を配置する。そして、利用者は、ステップSG2に示すように、3次元ブロックBL9の面と3次元ブロックBL11の面とが重なり合うように手H1および手H2を移動させる。その結果、重なり合った面が接着されたように、3次元ブロックBL9および3次元ブロックBL11は、合成される。
【0067】
次に、図15を参照しながら、3次元ブロックの制御に関して携帯電話端末1が実行する基本的な処理の処理手順について説明する。図15は、3次元ブロックの制御に関して携帯電話端末1が実行する基本的な処理の処理手順を示すフローチャートである。図15に示す処理手順は、制御部22が制御プログラム24aを実行することによって実現される。
【0068】
図15に示すように、制御部22は、まず、ステップS101として、遊戯領域60を設定する。具体的には、制御部22は、遊戯領域60を構成する区画の大きさおよび数等を記憶部24に記憶されている設定データ等に基づいて設定する。そして、制御部22は、ステップS102として、待機期間を初期設定する。
【0069】
続いて、制御部22は、ステップS103として、待機期間が経過したかを判定する。待機期間がまだ1度も経過していない場合には、待機期間が経過したかを判定する基準の時点は、例えば、図15に示す処理手順の開始時点である。待機期間が既に1度以上経過している場合には、待機期間が経過したかを判定する基準の時点は、前回の待機期間が経過した時点である。
【0070】
待機期間が経過した場合(ステップS103,Yes)、制御部22は、ステップS104として、遊戯領域60の上面付近に新たな3次元ブロックを出現させ、底辺への移動を開始させる。そして、制御部22は、ステップS105として、待機時間を短縮する。待機時間を短縮することにより、新たな3次元ブロックが出現する間隔が次第に短くなっていく。待機期間が経過していない場合(ステップS103,No)、ステップS104およびステップS105は実行されない。
【0071】
続いて、制御部22は、ステップS106として、移動中の3次元ブロックのうち、掴まれていないものを、遊戯領域60に向かって移動させる。そして、制御部22は、ステップS107として、3次元ブロックの要素によって埋め尽くされた層が遊戯領域60にあるかを判定する。埋め尽くされた層がある場合(ステップS107,Yes)、制御部22は、S108として、埋め尽くされた層を消去し、層の消去によって分断された3次元ブロックの残り部分を底面へ向けて移動させる。そして、制御部22は、ステップS107の判定を再実行する。
【0072】
埋め尽くされた層がない場合(ステップS107,No)、制御部22は、S109として、移動中の3次元ブロックのうち、移動方向の面のいずれかが底面または停止した他の3次元ブロックに接触したものの移動を停止させる。そして、制御部22は、ステップS110として、処理を終了させるかを判定する。制御部22は、利用者が処理の終了を指示する所定の操作を行った場合、および新たな3次元ブロックを出現させることができない程に3次元ブロックが積み上がった場合に、処理を終了させると判定する。処理を終了させる場合(ステップS110,Yes)、制御部22は、処理手順を完了させる。処理を終了させない場合(ステップS110,No)、制御部22は、ステップS103以降を再実行する。
【0073】
携帯電話端末1は、図15に示した処理手順と並行して、掴んで行う操作に関する制御と押す操作に関する制御とを実行する。以下、図16から図21を参照しながら、掴んで行う操作に関する制御について説明する。また、図22から図26を参照しながら、押す操作に関する制御について説明する。
【0074】
図16および図17は、3次元オブジェクトを掴んで行う操作の検出について説明するための図である。図16に示すステップSH1では、タッチパネル32によって、視認空間中に、3次元オブジェクトOB1が立体的に表示されている。また、3次元オブジェクトOB1を選択するために、利用者は、指F1と指F2の間に3次元オブジェクトOB1が位置するように指F1および指F2を移動させている。
【0075】
携帯電話端末1は、視認空間内で2つの物体が検出され、かつ、それらの2つの物体の間に3次元オブジェクトOB1が位置する場合、2つの物体の距離の変化を監視する。そして、距離が所定時間以上ほぼ一定であれば、3次元オブジェクトOB1が選択されたと判定し、3次元オブジェクトOB1を選択状態にする。そして、携帯電話端末1は、3次元オブジェクトOB1の表示態様を変更する等して、3次元オブジェクトOB1が選択状態になったことを利用者に通知する。
【0076】
携帯電話端末1が2つの物体の距離の変化を監視している間、2つの物体は、3次元オブジェクトOB1を挟む位置に留まる必要はない。すなわち、利用者は、ステップSH1に示したように指F1と指F2の間に3次元オブジェクトOB1が位置するように指F1および指F2を移動させた後、その状態を保つことなく、指F1および指F2を他の位置へ移動させて構わない。
【0077】
ステップSH1の状態から、ステップSH2に示すように、利用者が、指F1と指F2の距離D1をほぼ一定に保ったまま移動させたものとする。この場合、携帯電話端末1は、指F1と指F2の間に3次元オブジェクトOB1が表示されていることが検出された段階、すなわち、ステップSH1の段階から、指F1および指F2の動きに応じて、3次元オブジェクトOB1に移動、回転等の変化を加える。そして、携帯電話端末1は、ステップSH3に示すように、指F1と指F2の距離D1がほぼ一定に保たれた状態が所定時間以上継続した段階で、3次元オブジェクトOB1を選択状態にする。
【0078】
なお、図17のステップSI1からステップSI3に示すように、所定時間が経過する前に指F1と指F2の距離D1が離れた場合、すなわち、選択が行われなかった場合、携帯電話端末1は、それまでに加えた変化と逆の変化を3次元オブジェクトOB1に加える。その結果、3次元オブジェクトOB1は、ステップSI1の段階と同じ位置に同じ状態で表示される。逆の変化を3次元オブジェクトOB1に加える速度は、それまでに3次元オブジェクトOB1に変化が加えられた速度よりも速くてもよい。すなわち、高速に逆再生しているかのように3次元オブジェクトOB1を逆変化させてもよい。
【0079】
このように、2つの物体の間に3次元オブジェクトが表示されていることが検出された段階から3次元オブジェクトに変化を加え始めることにより、利用者は、3次元オブジェクトが選択されつつあることを選択が確定する前から認識することができる。その結果、利用者は、意図した3次元オブジェクトが選択されたか否かを早期に知ることができる。なお、2つの物体の距離がほぼ一定に保たれた状態が所定時間以上継続するまでは、変化を加えられている3次元オブジェクトを通常時とも選択状態とも異なる態様(例えば、半透明)で表示することにより、利用者が3次元オブジェクトの状態を判別しやすくしてもよい。
【0080】
なお、ステップSH1の段階から、指F1および指F2の動きに応じて3次元オブジェクトOB1を変化させるのではなく、3次元オブジェクトOB1が選択状態になった後に3次元オブジェクトOB1を変化させ始めてもよい。また、ステップSH1のように指F1と指F2の間に3次元オブジェクトOB1が位置する状態が所定時間以上継続した場合にのみ、3次元オブジェクトOB1を選択状態にすることとしてもよい。
【0081】
図18は、3次元オブジェクトの選択検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図18に示す処理手順は、制御部22が制御プログラム24aを実行することによって実現される。図18に示すように、制御部22は、ステップS201として、検出部、すなわち、撮影部40および42によって第1の物体および第2の物体が検出されたかを判定する。第1の物体および第2の物体が検出されない場合(ステップS201,No)、制御部22は、ステップS209として、仮選択状態の3次元オブジェクトがあれば、その3次元オブジェクトの仮選択状態を解除する。
【0082】
そして、制御部22は、ステップS210として、処理を終了させるかを判定する。処理を終了させる場合(ステップS210,Yes)、制御部22は、処理手順を完了させる。処理を終了させない場合(ステップS210,No)、制御部22は、ステップS201以降を再実行する。
【0083】
第1の物体および第2の物体が検出された場合(ステップS201,Yes)、制御部22は、ステップS202として、仮選択状態の3次元オブジェクトがあるか否かを判定する。仮選択状態の3次元オブジェクトがない場合(ステップS202,No)、制御部22は、ステップS203として、表示されている3次元オブジェクトの中から第1の物体と第2の物体との間に表示されている3次元オブジェクトを探す。該当する3次元オブジェクトがない場合(ステップS204,No)、制御部22は、ステップS210を実行する。
【0084】
第1の物体と第2の物体との間に表示されている3次元オブジェクトがみつかった場合(ステップS204,Yes)、制御部22は、ステップS205として、第1の物体と第2の物体との間に表示されている3次元オブジェクトを仮選択状態にする。また、制御部22は、ステップS206として、第1の物体と第2の物体の距離を算出する。そして、制御部22は、ステップS210を実行する。
【0085】
第1の物体および第2の物体が検出され、かつ、仮選択状態の3次元オブジェクトがある場合(ステップS202,Yes)、制御部22は、ステップS207として、第1の物体と第2の物体の少なくとも一方が移動しているかを判定する。第1の物体と第2の物体のいずれも移動していない場合(ステップS207,No)、制御部22は、ステップS210を実行する。
【0086】
第1の物体と第2の物体の少なくとも一方が移動している場合(ステップS207,Yes)、制御部22は、ステップS208として、図19に示す掴む操作検出処理を実行し、その中で、選択状態にある3次元オブジェクトを検出された操作に応じて変化させる。掴む操作検出処理が終了した後、制御部22は、ステップS210を実行する。
【0087】
図19は、掴む操作検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図19に示す処理手順は、制御部22が制御プログラム24aを実行することによって実現される。図19に示すように、制御部22は、まず、ステップS301として、第1の物体と第2の物体の距離を算出する。そして、制御部22は、ステップS302として、掴む操作検出処理の開始時点以降の第1の物体と第2の物体の距離が拡大したかを判定する。
【0088】
第1の物体と第2の物体の距離がほぼ一定の場合(ステップS302,No)、制御部22は、ステップS303として、掴む操作検出処理が開始されてから所定時間が経過したかを判定する。所定時間が経過していた場合(ステップS303,Yes)、制御部22は、ステップS304として、仮選択状態の3次元オブジェクトがあれば、その3次元オブジェクトを選択状態にする。所定時間が経過していない場合(ステップS303,No)、ステップS304は実行されない。
【0089】
続いて、制御部22は、ステップS305として、検出された第1の物体および第2の物体の動きに応じて3次元オブジェクトを移動させたり回転させたりする。例えば、第1の物体および第2の物体が手であり、掴まれた3次元オブジェクトが遊戯領域60の場合、制御部22は、第1の物体および第2の物体の動きに応じて、図9から図11に示したような変化を遊戯領域60に加える。また、第1の物体および第2の物体が指であり、掴まれた3次元オブジェクトが3次元ブロックの場合、制御部22は、図6、図8、図13および図14に示したような変化を3次元ブロックに加える。そして、制御部22は、ステップS301以降を再実行する。
【0090】
第1の物体と第2の物体の距離が拡大している場合(ステップS302,Yes)、制御部22は、ステップS306として、第1の物体と第2の物体の間に表示されていた3次元オブジェクトが仮選択状態であるかを判定する。
【0091】
3次元オブジェクトが仮選択状態である場合(ステップS306,Yes)、制御部22は、ステップS307として、3次元オブジェクトの仮選択状態を解除する。また、制御部22は、ステップS308として、3次元オブジェクトを逆変化させて元の状態に戻す。そして、制御部22は、掴む操作検出処理を終了させる。
【0092】
3次元オブジェクトが仮選択状態でない場合、すなわち、選択状態の場合(ステップS306,No)、制御部22は、ステップS309として、3次元オブジェクトの選択状態を解除する。そして、制御部22は、掴む操作検出処理を終了させる。
【0093】
なお、図20に示すステップSJ1からステップSJ3のように、第1の物体と第2の物体のうち少なくとも一方が3次元オブジェクトに接触した後に第1の物体と第2の物体の距離が所定時間以上ほぼ一定に保たれることを、3次元オブジェクトを選択する条件としてもよい。3次元オブジェクトへの接触を選択の条件とすることにより、複数の3次元オブジェクトが近接して表示されている場合に、利用者が所望の3次元オブジェクトを選択し易くなる。
【0094】
図21は、3次元オブジェクトへの接触を選択の条件とする場合の選択検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図21に示すように、制御部22は、ステップS401として、検出部、すなわち、撮影部40および42によって第1の物体および第2の物体が検出されたかを判定する。第1の物体および第2の物体が検出されない場合(ステップS401,No)、制御部22は、ステップS409として、仮選択状態の3次元オブジェクトがあれば、その3次元オブジェクトの仮選択状態を解除する。
【0095】
そして、制御部22は、ステップS410として、処理を終了させるかを判定する。処理を終了させる場合(ステップS410,Yes)、制御部22は、処理手順を完了させる。処理を終了させない場合(ステップS410,No)、制御部22は、ステップS401以降を再実行する。
【0096】
第1の物体および第2の物体が検出された場合(ステップS401,Yes)、制御部22は、ステップS402として、仮選択状態の3次元オブジェクトがあるか否かを判定する。仮選択状態の3次元オブジェクトがない場合(ステップS402,No)、制御部22は、ステップS403として、表示されている3次元オブジェクトの中から第1の物体または第2の物体の少なくとも一方に接触している3次元オブジェクトを探す。該当する3次元オブジェクトがない場合(ステップS404,No)、制御部22は、ステップS410を実行する。
【0097】
第1の物体または第2の物体の少なくとも一方に接触している3次元オブジェクトがみつかった場合(ステップS404,Yes)、制御部22は、ステップS405として、第1の物体と第2の物体との間に表示されている3次元オブジェクトを仮選択状態にする。また、制御部22は、ステップS406として、第1の物体と第2の物体の距離を算出する。そして、制御部22は、ステップS410を実行する。
【0098】
第1の物体および第2の物体が検出され、かつ、仮選択状態の3次元オブジェクトがある場合(ステップS402,Yes)、制御部22は、ステップS407として、第1の物体と第2の物体の少なくとも一方が移動しているかを判定する。第1の物体と第2の物体のいずれも移動していない場合(ステップS407,No)、制御部22は、ステップS410を実行する。
【0099】
第1の物体と第2の物体の少なくとも一方が移動している場合(ステップS407,Yes)、制御部22は、ステップS408として、図19に示す掴む操作検出処理を実行し、その中で、選択状態にある3次元オブジェクトを検出された操作に応じて変化させる。掴む操作検出処理が終了した後、制御部22は、制御部22は、ステップS410を実行する。
【0100】
図22は、作用データ24cに格納される情報の一例を示す図である。図22に示すように、押す操作が検出された場合の3次元オブジェクトの変化は、支点の有無、押された方向における障害物の有無、および押される速度に応じて異なる。なお、ここでいう障害物とは、遊戯領域60の面および他の3次元オブジェクトである。また、押される速度が速いか遅いかは閾値に基づいて判定される。
【0101】
3次元オブジェクトに支点がなく、押された方向に障害物がない場合、3次元オブジェクトは、押された方向に押された量に応じて移動するように表示される。なお、3次元オブジェクトが、押す物体と一緒に移動するのか、押す物体にはじかれるように物体と離れて移動するのかについては、例えば、押される速度に基づいて決定してよい。
【0102】
3次元オブジェクトに支点がなく、押された方向に、停止した3次元オブジェクトまたは遊戯領域60の面という固定された障害物がある場合、3次元オブジェクトは、押された方向に押された量に応じて移動し、障害物と接触した時点で移動が停止するように表示される。なお、押された速度が速い場合は、3次元オブジェクトが障害物を破壊して移動を継続することとしてもよい。また、3次元オブジェクトが押す物体にはじかれるように物体と離れて移動している間に障害物と接触した場合は、跳ね返ったように3次元オブジェクトを逆方向に移動させてもよい。
【0103】
3次元オブジェクトに支点がなく、押された方向に、移動中の3次元ブロックという固定されていない障害物があり、押される速度が遅い場合、3次元オブジェクトは、押された方向に押された量に応じて移動し、障害物と接触した後は、障害物もともに移動するように表示される。また、3次元オブジェクトに支点がなく、押された方向に、移動中の3次元ブロックという固定されていない障害物があり、押される速度が速い場合、3次元オブジェクトは、押された方向に押された量に応じて移動するように表示される。そして、3次元オブジェクトが障害物と接触した後は、障害物がはじかれて移動するように表示される。障害物と接触した後、3次元オブジェクトは、その場で停止してもよいし、速度を落として移動を継続してもよい。
【0104】
3次元オブジェクトに支点がある場合、3次元オブジェクトは、押された方向および量に応じて、支点を中心に回転するように表示される。ここでいう回転とは、360度ぐるぐると回る回転であってもよいし、所定の回転範囲内を往復する回動であってもよい。
【0105】
図23および図24は、3次元オブジェクトを押す操作の検出について説明するための図である。図23に示すステップSK1では、タッチパネル32によって、視認空間中に、3次元オブジェクトOB1が立体的に表示されている。また、利用者は、指F1を3次元オブジェクトOB1と接触させている。
【0106】
ここで、利用者が指F1を3次元オブジェクトOB1の内側に侵入させたものとする。携帯電話端末1は、3次元オブジェクトOB1に接触した物体が3次元オブジェクトOB1の内側に移動したことを検出すると、ステップSK2に示すように、その時点から、3次元オブジェクトOB1を指F1による操作に応じて変化させる。図23に示す例では、ステップSK2において、3次元オブジェクトOB1は、指F1の移動に合わせて移動を開始している。
【0107】
そして、携帯電話端末1は、ステップSK3に示すように、指F1が3次元オブジェクトOB1の内側へ向けて移動することが所定時間以上継続した段階で、3次元オブジェクトOB1を操作対象として確定する。そして、携帯電話端末1は、3次元オブジェクトOB1の表示態様を変更する等して、3次元オブジェクトOB1が操作対象として確定したことを利用者に通知する。その後も、指F1の3次元オブジェクトOB1の内側への移動が検出される間、携帯電話端末1は、3次元オブジェクトOB1を変化させ続ける。
【0108】
なお、図24のステップSL3に示すように、所定時間が経過する前に指F1の3次元オブジェクトOB1の内側への移動が検出されなくなった場合、携帯電話端末1は、それまでに加えた変化と逆の変化を3次元オブジェクトOB1に加える。その結果、3次元オブジェクトOB1は、ステップSK1(ステップSL1)の段階と同じ位置に同じ状態で表示される。逆の変化を3次元オブジェクトOB1に加える速度は、それまでに3次元オブジェクトOB1に変化が加えられた速度よりも速くてもよい。すなわち、高速に逆再生しているかのように3次元オブジェクトOB1を逆変化させてもよい。
【0109】
このように、3次元オブジェクトの内側への物体の侵入が検出された段階から3次元オブジェクトに変化を加え始めることにより、利用者は、3次元オブジェクトが選択されつつあることを選択が確定する前から認識することができる。その結果、利用者は、意図した3次元オブジェクトが選択されたか否かを早期に知ることができる。意図しない3次元オブジェクトが選択された場合、利用者は、所定時間が経過する前に操作を中止することにより、意図せずに選択された3次元オブジェクトを元の状態に戻すことができる。
【0110】
なお、指F1の3次元オブジェクトOB1の内側への移動が所定時間以上継続するまでは、変化を加えられている3次元オブジェクトを通常時とも操作対象としての選択が確定した状態とも異なる態様(例えば、半透明)で表示してもよい。このように表示態様を変更することにより、利用者が3次元オブジェクトの状態を判別しやすくなる。
【0111】
なお、ステップSK1の段階から、指F1の動きに応じて3次元オブジェクトOB1を変化させるのではなく、3次元オブジェクトOB1が選択状態になった後に3次元オブジェクトOB1を変化させ始めてもよい。また、ステップSK1のように指F1が3次元オブジェクトOB1と接触する状態が所定時間以上継続した場合にのみ、3次元オブジェクトOB1を操作対象として確定することとしてもよい。
【0112】
図25は、3次元オブジェクトの接触検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図25に示す処理手順は、制御部22が制御プログラム24aを実行することによって実現される。
【0113】
図25に示すように、制御部22は、まず、ステップS501として、検出部、すなわち、撮影部40および42によって所定の物体が検出されたかを判定する。所定の物体は、例えば、利用者の指である。所定の物体が検出されない場合(ステップS501,No)、制御部22は、ステップS506として、処理を終了させるかを判定する。処理を終了させる場合(ステップS506,Yes)、制御部22は、処理手順を完了させる。処理を終了させない場合(ステップS506,No)、制御部22は、ステップS501以降を再実行する。
【0114】
所定の物体が検出された場合(ステップS501,Yes)、制御部22は、ステップS502として、所定の物体に接触している3次元オブジェクトを探す。所定の物体に接触している3次元オブジェクトがない場合(ステップS503,No)、制御部22は、ステップS506を実行する。
【0115】
所定の物体に接触している3次元オブジェクトがみつかった場合(ステップS503,Yes)、制御部22は、ステップS504として、その3次元オブジェクトが選択状態または仮選択状態であるかを判定する。3次元オブジェクトが選択状態または仮選択状態である場合、すなわち、掴む操作の対象となっている場合(ステップS504,Yes)、制御部22は、ステップS506を実行する。
【0116】
3次元オブジェクトが選択状態でも仮選択状態でもない場合(ステップS504,No)、制御部22は、ステップS505として、図26に示す押す操作検出処理を実行する。その後、制御部22は、ステップS506を実行する。
【0117】
図26は、押す操作検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図26に示す処理手順は、制御部22が制御プログラム24aを実行することによって実現される。図26に示すように、制御部22は、まず、ステップS601として、所定の物体が3次元オブジェクトの内部に移動しているかを判定する。所定の物体が3次元オブジェクトの内部に移動していない場合(ステップS601,No)、その3次元オブジェクトは操作対象ではないと判断されるため、制御部22は、押す操作検出処理を終了させる。
【0118】
所定の物体が3次元オブジェクトの内部に移動している場合(ステップS601,Yes)、制御部22は、ステップS602として、所定の物体の速度を算出する。そして、制御部22は、ステップS603として、所定の位置および速度等に基づいて3次元オブジェクトを変化させる。具体的な変化のさせ方は、作用データ24cに従って決定される。
【0119】
続いて、制御部22は、ステップS604として、接触検出からの経過時間が所定時間以上であるかを判定する。経過時間が所定時間よりも短い場合、すなわち、3次元オブジェクトが押す操作の対象として確定していない場合(ステップS604,No)、制御部22は、ステップS605として、所定の物体の3次元オブジェクトの内部方向への移動が継続しているかを判定する。
【0120】
3次元オブジェクトの内部方向への移動が継続している場合(ステップS605,Yes)、制御部22は、ステップS602以降を再実行する。3次元オブジェクトの内部方向への移動が継続していない場合(ステップS605,No)、制御部22は、ステップS606として、3次元オブジェクトを逆変化させて元の状態に戻す。そして、制御部22は、押す操作検出処理を終了させる。
【0121】
また、接触検出からの経過時間が所定時間以上である場合(ステップS604,Yes)、制御部22は、ステップS607として、所定の物体が3次元オブジェクトの外部に移動したかを判定する。所定の物体が3次元オブジェクトの外部に移動していない場合、すなわち、押す操作が継続している場合(ステップS607,No)、制御部22は、ステップS602以降を再実行する。
【0122】
所定の物体が3次元オブジェクトの外部に移動した場合、すなわち、3次元オブジェクトが解放された場合(ステップS607,Yes)、制御部22は、ステップS608として、3次元オブジェクトの変化が継続するかを判定する。例えば、作用データ24cにおいて解放後も振動が所定時間継続することが定義されている場合に、3次元オブジェクトの変化が継続すると判定される。
【0123】
3次元オブジェクトの変化が継続する場合(ステップS608,Yes)、制御部22は、ステップS609として、3次元オブジェクトを変化させ、その後、ステップS608以降を再実行する。3次元オブジェクトの変化が継続しない場合(ステップS608,No)、制御部22は、押す操作検出処理を終了させる。
【0124】
なお、上記の実施例で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、上記の実施例で示した制御プログラム24aは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。また、上記の実施例では、3次元オブジェクトに対して手および指で操作を行うこととしたが、先端に静電気を帯びた棒状の物等を手および指の代わりに用いてもよい。
【0125】
また、上述の実施例では、3次元オブジェクトが利用者側に飛び出す場合について記載したが、表示部よりも奥側に3次元オブジェクトが存在するように見せる場合でも本発明を適用できる。この場合、表示部の裏面側に検出部を配置してもよい。表示機器が携帯電話端末の場合、利用者自身を撮影するためのインカメラと、風景等を撮影するためのアウトカメラとを備えていることが多い。そこで、このアウトカメラを用いることで裏面側における物体の変位を捕捉することができるようにしてもよい。
【0126】
また、上記の実施例では、表示機器が単独で3次元オブジェクトに対する操作を検出することとしたが、表示機器がサーバ装置と協業して3次元オブジェクトに対する操作を検出することとしてもよい。この場合、表示機器は、検出部の検出した情報をサーバ装置へ逐次送信し、サーバ装置が操作を検出して検出結果を表示機器へ通知する。このような構成とすることにより、表示機器の負荷を低減することができる。
【0127】
また、上記実施例では、3次元オブジェクトを操作する物体を検出するために撮影部を検出部として用いる例を示したが、検出部はこれに限られない。例えば、撮影部に代えて、赤外センサ(TOF(Time-of-Flight)法を用いたセンサを含む)を検出部としてもよい。また、視認空間における面方向の移動を検出できる近接センサ等を、物体の移動方向とほぼ水平に配置すると、物体の変位が非接触でも検出できることから、もちろんこれらを用いてもよい。なお、3次元オブジェクトを操作する物体側にセンサ等を配置することなく、物体の変位の検出ができることが好ましい。物体側にセンサ等を配置しないことにより、手および指にわざわざ加速度センサを取り付けたり、加速度を備えた表示機器そのものを移動させたりする必要がないので、コスト低減が図れる。
【0128】
また、3次元オブジェクトを操作する物体を、タッチセンサを用いて検出することとしてもよい。以下に、タッチセンサを、3次元オブジェクトを操作する物体を検出する検出部として活用する例を示す。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分には既に説明した部分と同一の符号を付す。また、重複する説明については、説明を省略することがある。
【0129】
まず、図27および図28を参照しながら、携帯電話端末(表示機器)2の構成について説明する。図27は、携帯電話端末2の外観を示す正面図である。図28は、携帯電話端末2の機能的な構成を示すブロック図である。
【0130】
図27および図28に示すように、携帯電話端末2は、操作部13と、マイク15と、レシーバ16と、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、音声処理部30と、タッチパネル32とを有する。
【0131】
タッチパネル32は、文字、図形、画像等の各種の情報を表示するとともに、表示されたアイコン、ボタン、文字入力領域等の所定領域に対する入力操作を検出する。タッチパネル32は、表示部32aと、タッチセンサ32bとを重畳して構成される。本実施例において、タッチセンサ32bは、静電容量式のタッチセンサである。タッチセンサ32bは、3次元オブジェクトを操作する指を検出する検出部としても機能する。
【0132】
次に、図29を参照しながら、3次元オブジェクトに対する操作の検出について説明する。図29は、3次元オブジェクトに対する操作の検出について説明するための図である。図29では、タッチパネル32によって、視認空間中に、3次元オブジェクトOB1が立体的に表示されている。
【0133】
ここで、利用者が3次元オブジェクトOB1に対して何らかの操作を行いたいものとする。3次元オブジェクトOB1に対して何らかの操作を行うには、まず、操作の対象として3次元オブジェクトOB1を選択する必要がある。3次元オブジェクトOB1を選択するために、利用者は、図20に示すように、指F1と指F2の間に3次元オブジェクトOB1が位置するように指F1および指F2を移動させる。
【0134】
携帯電話端末2は、指F1および指F2の位置を、タッチセンサ32bを用いて検出する。タッチセンサ32bは、感度を高めることで、例えば、指F1および指F2とタッチパネル32の表面からのZ軸方向の距離が10cm程度ある場合でも、指F1および指F2のX軸方向およびY軸方向の位置を検出することができる。また、タッチセンサ32bは、静電容量の大きさに基づいて、指F1のタッチパネル32の表面からのZ軸方向の距離D2および指F2のタッチパネル32の表面からのZ軸方向の距離D3を検出することができる。
【0135】
こうして検出された指F1および指F2の視認空間での位置に基づいて、携帯電話端末2は、指F1および指F2間の距離D1を算出したり、指F1および指F2の間に3次元オブジェクトが表示されているかを判定したりすることができる。指F1および指F2の間に3次元オブジェクトが表示されていることが検出された後の制御については、上述した第1ないし第3の実施例のいずれかにおいて説明した処理手順に従って実行される。
【0136】
上述してきたように、タッチセンサを検出部として用いることにより、撮影部を備えない表示装置であっても、3次元オブジェクトに対する操作を検出することができる。
【0137】
なお、3次元オブジェクトに対する操作を検出するために撮影部およびタッチセンサを併用してもよい。撮影部およびタッチセンサを併用する場合、それぞれの検出結果を平均して指F1および指F2の位置を特定してもよい。また、タッチパネル32と近い領域では、撮影部40は指F1および指F2の画像を取得し難いのでタッチセンサの検出結果の重みづけを大きくし、タッチパネル32と遠い領域では、タッチセンサの検出精度が低くなるので撮影部40の検出結果の重みづけを大きくした加重平均を用いてもよい。
【0138】
また、他の指等が障害となってタッチセンサが指の位置を精度よく検出できないことが生じにくいように、3次元オブジェクトに対する操作を複数のタッチセンサを用いて検出してもよい。図30は、3次元オブジェクトに対する操作を複数のタッチセンサを用いて検出する携帯電話端末3の構成の一例を示す図である。
【0139】
携帯電話端末3は、第1の筐体3aと、第2の筐体3bと、ヒンジ部3cとを有する。ヒンジ部3cは、第1の筐体3aおよび第2の筐体3bを開閉可能に連結する。そして、第1の筐体3aは、タッチセンサ32bを有するタッチパネル32を備え、第2の筐体3bは、タッチセンサ34bを有するタッチパネル34を備える。タッチセンサ32bおよびタッチセンサ34bは、図21に示すように、第1の筐体3aおよび第2の筐体3bが約90度の角度をもって固定された場合に、視認空間に異なる角度で接する。
【0140】
タッチセンサ32bは、指F1および指F2のX軸方向およびY軸方向の位置を検出することができる。また、タッチセンサ32bは、静電容量の大きさに基づいて、指F1のタッチパネル32の表面からのZ軸方向の距離D2および指F2のタッチパネル32の表面からのZ軸方向の距離D3を検出することができる。
【0141】
タッチセンサ34bは、指F1および指F2のX軸方向およびZ軸方向の位置を検出することができる。また、タッチセンサ34bは、静電容量の大きさに基づいて、指F1のタッチパネル34の表面からのY軸方向の距離D4および指F2のタッチパネル34の表面からのY軸方向の距離D5を検出することができる。
【0142】
このように、異なる方向から指F1および指F2を検出することにより、何らかの障害物がある場合でもいずれかの方向から指F1および指F2の位置を検出することができる。なお、異なる方向から指F1および指F2を検出する場合、一方のタッチパネルが3次元オブジェクトを表示し、他方のタッチパネルは非表示とするか、2次元でガイダンス等を表示してもよい。また、3次元オブジェクトを表示しない方のタッチパネルを単なるタッチセンサとしてもよい。
【符号の説明】
【0143】
1、2、3 携帯電話端末
22 制御部
24 記憶部
24a 制御プログラム
24b オブジェクトデータ
24c 作用データ
26 通信部
32、34 タッチパネル
32a 表示部
32b、34b タッチセンサ(検出部)
40、42 撮影部(検出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認空間内の3次元マトリクス状に区分けされた仮想の遊技領域中に、当該区分けされた各区画を1個分或いは複数個分だけ占有する3次元ブロックを立体表示する表示部と、当該表示部を制御する制御部と、前記視認空間中の物体の位置を検出する検出部と、を備え、
前記制御部は、前記表示部を制御して、
前記3次元ブロックを出現させるとともに、
前記検出部により、前記視認空間における前記物体の経時的な変化が検出されたとき、当該検出結果に基づいて、前記3次元ブロックを前記区画単位で移動させ、
移動した当該3次元ブロックにより、前記遊戯領域の一の層の全ての区画が埋めつくされたとき、前記3次元ブロック中の前記一の層に含まれる部分を消去する表示機器。
【請求項2】
前記制御部は、一の前記3次元ブロックが出現してから、所定時間後に次の前記3次元ブロックが出現するように制御する請求項1に記載の表示機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記3次元ブロックを出現させる間隔を時間が経つにつれて短くする請求項2に記載の表示機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記3次元ブロックが、時間の経過にしたがって、前記遊戯領域の第1の面から、当該第1の面に対向する第2の面に向かって移動するように制御する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記検出部が前記第2の面から前記第1の面への前記物体の移動を検出しても、当該第1の側には前記3次元ブロックを移動させないように制御する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の面と対向する面の少なくとも1つが前記第2の面に到達した第1の3次元ブロックを、前記検出部の検出結果にかかわらず移動させないように制御し、
前記第2の面と対向する面の少なくとも1つが前記第1の3次元ブロックが存在する区画に到達した第2の3次元ブロックを、前記検出部の検出結果にかかわらず移動させないように制御する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の3次元ブロックおよび前記第2の3次元ブロックを所定の条件下に限って移動させるように請求項6に記載の表示機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の3次元ブロックの前記第2の面と対向する面の少なくとも1つが、前記第2の面に到達してから所定時間内に前記検出部が前記物体の移動を検出した場合に、前記検出部の検出結果に基づいて前記第1の3次元ブロックを移動させ、
前記第2の3次元ブロックの前記第2の面と対向する面の少なくとも1つが、前記第1の3次元ブロックが存在する区画に到達してから所定時間内に前記検出部が前記物体の移動を検出した場合に、前記検出部の検出結果に基づいて前記第2の3次元ブロックを移動させる請求項7に記載の表示機器。
【請求項9】
表示機器自身に印加される加速度或いは動きを測定する第2の検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2の検出部が所定の加速度或いは動きを検出したことを前記所定の条件とする請求項7に記載の表示機器。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2の検出部の検出結果に基づいて、前記遊戯領域を回転させる請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項11】
前記制御部は、前記遊戯領域を回転させる場合に、移動中の前記3次元ブロックを回転させない請求項10に記載の表示機器。
【請求項12】
前記制御部は、前記遊戯領域を前記表示部の表示面に対して垂直方向に回転させる場合に、前記3次元ブロックを出現させる位置を変更する請求項10または11に記載の表示機器。
【請求項13】
前記制御部は、前記遊戯領域を前記表示部の表示面に対して垂直方向に回転させた後に、前記遊戯領域中の全ての3次元ブロックを、前記遊戯領域の前記表示面に近接する面へ向けて移動させる請求項12に記載の表示機器。
【請求項14】
前記制御部は、前記遊戯領域を前記表示部の表示面に対して垂直方向に回転させた後に、前記遊戯領域中の全ての3次元ブロックのうち移動しないように制御していた3次元ブロックを、区画毎に分割して、前記遊戯領域の前記表示面に近接する面へ向けて移動させる請求項12に記載の表示機器。
【請求項15】
前記検出部は、前記物体が前記3次元ブロックを掴む動作を検出し、
前記制御部は、前記掴む動作を継続する前記物体の移動量に応じた区画分だけ前記3次元ブロックを移動させ、あるいは回転量に対応した所定角度分だけ回転させる請求項1乃至14のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項16】
前記検出部は、複数個所において前記物体が前記3次元ブロックを掴む動作を検出し、
前記制御部は、当該複数個所において前記3次元ブロックを掴む前記物体の移動または回転に応じて、前記3次元ブロックを変形させる、或いは前記3次元ブロックを複数個の新たな3次元ブロックに分離させる請求項15に記載の表示機器。
【請求項17】
前記検出部は、前記物体が前記3次元ブロックを押す動作を検出し、
前記制御部は、前記押す動作における前記物体の移動量に応じた区画分だけ前記3次元ブロックを移動させる請求項1乃至16のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項18】
前記検出部は、前記視認空間における静電容量の変化を検出する静電センサである請求項1乃至17のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項19】
前記検出部は、前記視認空間における物体の形状及びその経時的な変化を検出する撮影部或いは赤外線センサである請求項1乃至17のいずれか1項に記載の表示機器。
【請求項20】
視認空間内の3次元マトリクス状に区分けされた仮想の遊技領域中に、当該区分けされた各区画を1個分或いは複数個分だけ占有する3次元ブロックを立体表示する表示部及び前記視認空間中の物体の位置を検出する検出部を備える端末と、当該端末を制御する制御部を含むシステムであって、
前記制御部は、前記表示部を制御して、
前記3次元ブロックを出現させるとともに、
前記検出部により、前記視認空間における前記物体の時間的な変化が検出されたとき、当該検出結果に基づいて、前記3次元ブロックを前記区画単位で移動させ、
移動した当該3次元ブロックにより、前記遊戯領域の一の層の全ての区画が埋めつくされたとき、前記3次元ブロック中の前記一の層に含まれる部分を消去する制御システム。
【請求項21】
視認空間内で3次元形状を立体表示する表示部及び前記視認空間中の物体の位置を検出する検出部を備える表示機器に、
視認空間内の3次元マトリクス状に区分けされた仮想の遊技領域中に、当該区分けされた各区画を1個分或いは複数個分だけ占有する3次元ブロックを出現させるステップと、
前記視認空間における前記物体の時間的な変化が検出されたときに、前記3次元ブロックを前記区画単位で移動させるステップと、
移動した当該3次元ブロックにより、前記遊戯領域の一の層の全ての区画が埋めつくされたとき、前記3次元ブロック中の前記一の層に含まれる部分を消去するステップと
を実行させる制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−17640(P2013−17640A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153176(P2011−153176)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】