説明

表示画面変換装置、表示画面変換システム、表示画面変換方法、およびプログラム

【課題】開発コストや開発工期の増加を防止するとともにユーザの習熟度に応じた画面を表示する。
【解決手段】表示画面変換装置100は、アプリケーションサーバ300とクライアント端末200とにネットワークを介して相互に通信可能に接続される。表示画面変換装置100は、操作履歴情報がクライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって習熟度を判定する判定部と、入力画面がアプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び習熟度にしたがって入力画面を変換する画面変換部と、変換された入力画面をクライアント端末に送信する変換画面送信部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面変換装置、表示画面変換システム、表示画面変換方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータの多機能化に伴ってコンピュータに対する操作内容は多岐に亘り、その入力項目も増加している。コンピュータは、ユーザが操作する入力デバイスの操作内容を液晶ディスプレイ等の表示手段に表示して、ユーザはその表示画面を見ながら必要事項を入力する。
【0003】
ここで、データ入力の精度は入力者の習熟度によって異なる。そこで、入力の精度を高めるため、近年では予め定められた所定のルールに基づいて入力者の習熟度を計測し、この習熟度に応じて予め準備した複数の画面のうちから入力者の習熟度に適合した画面に切り替えて表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−44193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザの習熟度に応じて複数の画面を作成する必要があり、開発コストや開発工期が増加していた。
【0006】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、開発コストや開発工期の増加を防止するとともにユーザの習熟度に応じた画面を表示する表示画面変換装置、表示画面変換システム、表示画面変換方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る表示画面変換装置は、
アプリケーションサーバとクライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続される表示画面変換装置であって、
ユーザの入力操作を記録した操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定部と、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定部で判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換部と、
前記画面変換部で変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記表示画面変換装置は、
前記画面変換部で変換された入力画面に含まれる入力項目に対してユーザにより入力された入力情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶された基準にしたがって該入力情報を変換前の入力画面に含まれる入力項目に対応する情報へ統合する統合部と、
前記統合部で統合された入力情報を前記アプリケーションサーバに送信する統合情報送信部と、
を更に備えるようにしてもよい。
【0009】
また、前記習熟度判定部は、
判定された前記ユーザに対応する習熟度を、前記ユーザを識別する識別情報に対応付けて記憶する習熟度記憶部と、
前記習熟度記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する習熟度と、今回判定された前記ユーザに対応する習熟度と、を比較する習熟度比較部と、を備え、
前記習熟度比較部は、今回判定された前記ユーザに対応する習熟度が前記習熟度記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する習熟度よりも高い場合に、今回判定された前記ユーザに対応する習熟度を前記習熟度記憶部に記憶し、
前記画面変換部は、予め記憶されている基準及び前記習熟度記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する習熟度にしたがって、前記入力画面を変換するようにしてもよい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る表示画面変換システムは、
入力画面の送信を要求する入力画面送信要求に応じて入力画面の送信を行うアプリケーションサーバと、
前記入力画面送信要求を送信するクライアント端末と、
前記アプリケーションサーバと前記クライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続される表示画面変換装置と、を備え、
前記クライアント端末は、
ユーザによる入力操作を前記ユーザ毎に記録する操作履歴情報を取得する操作履歴情報取得部と、
前記操作履歴情報取得部で取得した前記ユーザ毎の操作履歴情報を、前記入力画面とともに前記表示画面変換装置へ送信する操作履歴情報送信部と、を備え、
前記表示画面変換装置は、
前記操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定部と、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定部で判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換部と、
前記画面変換部で変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る表示画面変換方法は、
アプリケーションサーバとクライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続される表示画面変換装置による表示画面変換方法であって、
ユーザの入力操作を記録した操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定ステップと、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定ステップで判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換ステップと、
前記画面変換ステップで変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
アプリケーションサーバとクライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続されるコンピュータを、
ユーザの入力操作を記録した操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定部、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定部で判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換部、
前記画面変換部で変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信部、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、開発コストや開発工期の増加を防止するとともにユーザの習熟度に応じた画面を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る表示画面変換システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の表示画面変換システムにおけるクライアント端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の表示画面変換システムにおける表示画面変換装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の表示画面変換システムにおける表示画面変換装置が備える習熟度判定ルールの一例を示す図である。
【図5】図1の表示画面変換システムにおける表示画面変換装置が備える判定結果テーブルの一例を示す図である。
【図6】図1の表示画面変換システムにおける表示画面変換装置が備える画面変換ルールの一例を示す図である。
【図7】図1の表示画面変換システムにおける表示画面変換装置が記憶するユーザ識別情報と習熟度の対応関係の一例を示す図である。
【図8】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置における画面分割処理の一例を示す図である。
【図9】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置における画面分割処理の一例を示す図である。
【図10】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置における画面分割処理の一例を示す図である。
【図11】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置における画面分割処理の一例を示す図である。
【図12】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置における画面分割処理の一例を示す図である。
【図13】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置における画面分割処理の一例を示す図である。
【図14】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置が記憶する分割情報の一例を示す図である。
【図15】図1の表示画面変換システムの表示画面変換装置における画面統合処理の一例を示す図である。
【図16】図1の表示画面変換システムにおけるアプリケーションサーバの構成を示すブロック図である。
【図17】図1の表示画面変換システムにおける処理の一手順を示すフローチャートである。
【図18】図1の表示画面変換システムにおける計測処理の一手順を示すフローチャートである。
【図19】図1の表示画面変換システムにおける習熟度判定処理の一手順を示すフローチャートである。
【図20】図1の表示画面変換システムにおける画面分割処理の一手順を示すフローチャートである。
【図21】図1の表示画面変換システムにおける画面統合処理の一手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態では、本発明に係る表示画面変換装置を表示画面変換システムに適用した例を示す。
【0016】
表示画面変換システムについて図面を参照して説明する。図1に示すように、表示画面変換システム1は、複数のクライアント端末200と、表示画面変換装置100と、アプリケーションサーバ300と、を備えている。表示画面システム1は、クライアント端末200を操作するユーザの入力操作を計測する計測処理と、計測した入力操作の内容に応じてそのユーザの習熟度を判定する習熟度判定処理と、習熟度に応じて、アプリケーションサーバ300から受信した入力画面を分割してユーザに提供する画面分割処理と、クライアント端末200から受信した分割後の画面を統合する画面統合処理を行う。
【0017】
各クライアント端末200は、パーソナルコンピュータや携帯電話、スマートフォン等の端末から構成され、ネットワーク170を介して表示画面変換装置100と相互に通信可能に接続されている。各クライアント端末200は、主に、ユーザがデータ入力を行う端末である。
【0018】
クライアント端末200は、図2に示すように、入力部210と、表示部220と、記憶部230と、制御部240と、通信部250と、上記各部を相互に接続するシステムバス260を備えている。
を備えている。
【0019】
入力部210は、例えば、キーボードやマウス等であり、表示部220は、例えば、入力画面やユーザにより入力された情報を後述する制御部240を介して表示するモニター等である。
【0020】
記憶部230は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリから構成され、プログラム231が格納される。
【0021】
制御部240は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部240は、入力部210からのユーザによる入力操作に応じて、入力画面の送信を要求するページ送信指示情報を、ユーザを識別するユーザ識別情報とともに表示画面変換装置100を介してアプリケーションサーバ300に送信する。
【0022】
また、制御部240は、後述するアプリケーションサーバ300から表示画面変換装置100及び通信部250を介して表示画面(htmlファイル)を受信し、表示部220に表示する。このhtmlファイルにはユーザの操作情報を監視する監視プログラムが組み込まれており、ユーザは表示部220に表示された画面に従って必要項目を入力する。制御部240は、監視プログラムに基づいて、ユーザによる入力操作の操作ログを取得し、取得した操作ログを記憶部230へ格納する。
【0023】
また、制御部240は、入力部210からユーザの入力操作により受け取るページ遷移指示情報にしたがって、記憶部230に格納された操作ログを、通信部250を介して後述する表示画面変換装置100に送信する。なお、操作ログには、ユーザ識別情報、htmlファイルを識別するファイルID、及び、分割後のhtmlファイルのファイル名等が含まれる。ファイルIDはhtmlファイルの分割前と分割後で同じものを示し、分割前のhtmlファイル毎にユニークなものとなっている。
【0024】
また、制御部240は、入力部210からユーザの操作により受け取るページ遷移指示情報にしたがって、ユーザにより入力された内容を、HTTPのPOSTメソッドあるいはGETメソッド等に付加されたパラメータとして、ページ遷移指示情報と操作ログとともに、表示画面変換装置100に送信する。ここで、ページ遷移指示情報には、現在表示されている画面の次の画面に相当するhtmlファイルの送信を要求する情報や、入力操作を終了する旨を示す終了指示が含まれる。
【0025】
監視プログラムは、例えばキーロガー(key logger)のよう、にユーザによる入力部210の操作の操作ログを取得するプログラムである。監視プログラムは、例えば、htmlファイルを受信してからユーザがページ遷移ボタンを押下するまでの間(つまり、一画面単位)の、ユーザにより押下されたキーを特定するキー情報と、そのキーが押下された時間を示す時間情報とを対応付けて取得し、記憶部230へ格納する。時間情報は、図示しない内部時計により計測される。
【0026】
通信部250は、シリアルインタフェース、或いはアナログ信号を受信するためのアナログインタフェースを有している。表示画面変換装置100から送信される情報は、通信部250によって受信され、制御部240へ送信される。
【0027】
表示画面変換装置100は、一般的なコンピュータから構成される。表示画面変換装置100は、クライアント端末200から送信された操作ログを分析することにより、各ユーザの習熟度を判別する。また、表示画面変換装置100は、アプリケーションサーバ300から送信されるhtmlファイルを分割してクライアント端末200へ送信する。さらに、表示画面変換装置100は、クライアント端末200から送信されたパラメータが、分割されたhtmlファイルについての入力内容を示している場合、そのパラメータを統合し、アプリケーションサーバ300へ送信する。
【0028】
表示画面変換装置100は、図3に示すように、入力部110と、表示部120と、記憶部130と、制御部140と、通信部150と、上記各部を相互に接続するシステムバス160を備えている。
【0029】
入力部110は、例えば、キーボードやマウス等であり、表示部120は、例えば、ユーザにより入力された情報を、後述する制御部140を介して表示するモニター等である。
【0030】
記憶部130は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリから構成され、クライアント端末200から送信されるログや後述する習熟度判定ルール131、判定結果テーブル132、画面変換ルール133、及び、プログラム134等が格納される。
【0031】
習熟度判定ルール131は、ユーザ毎の習熟度を判定する基準を示すテーブルである。習熟度判定ルール131は、例えば、管理者等から入力部110を介して入力され、記憶部130へ格納される。
【0032】
習熟度判定ルール131は、例えば、図4に示すように、計測対象となる項目毎に、受信した操作ログ中に含まれる各キーの押下回数に応じてそれぞれ点数が付けられている。本実施形態では、入力速度、修正回数、入力方法、選択方法が計測対象となっており、それぞれ、1秒間に英数字キーが押下された回数、バックスぺースが押下された回数、ショートカットキーが押下された回数、タブキーが押下された回数に基づいて点数付けされている。
【0033】
判定結果テーブル132は、判定結果を導き出すためのテーブルであり、習熟度判定ルールに基づいて集計される合計点数毎に、対応する習熟度が分類されている。本実施形態における判定結果テーブル132は、図5に示すように、合計点数に応じて低、中、高の3段階の習熟度に分類されている。判定結果テーブル132は、管理者等が入力部110を介して入力することで作成される。
【0034】
画面変換ルール133は、変換対象項目毎の、各習熟度に対応するhtmlファイルの変換内容を示すテーブルである。画面変換ルール133は、管理者等が入力部110を介して入力することで作成される。本実施形態における画面変換ルール133は、図6に示すように、住所、電話番号、メールアドレス、文字サイズ、画面項目数が変換対象項目となっており、変換対象項目毎に、習熟度に応じた変換内容が定められている。なお、上述したように本実施形態における表示画面は、htmlファイルであり、画面変換ルール133は、このhtmlファイルの変換内容を示している。
【0035】
プログラム134は、クライアント端末200から受信した操作ログを分析してユーザの習熟度を判定する習熟度判定処理や、アプリケーションサーバ300から受信したhtmlファイルを分割してクライアント端末200に提供する画面分割処理、及び、分割したhtmlファイルに入力されたパラメータを統合してアプリケーションサーバ300に提供する画面統合処理等が記述されたプログラムである。
【0036】
制御部140は、CPU等から構成される。制御部140は、プログラム134に従って動作し、習熟度判定処理や画面分割処理、及び、画面統合処理に必要な機能を提供する。制御部140は、プログラム134により提供される主要な機能部として、図3に示すように、点数集計部141と、習熟度判定部142と、表示画面分割部143と、分割画面統合部144を備えている。
【0037】
点数集計部141は、クライアント端末200から通信部150を介して受信した操作ログを取得し、記憶部130に格納されている習熟度判定ルール131に基づいてユーザ毎に点数を集計する。具体的には、点数集計部141は、操作ログに含まれるユーザ識別情報に基づいて、ユーザ毎に、記憶部130に格納されている習熟度判定ルール131の各計測対象項目に対応するキーの押下回数等を、操作ログ中からカウントする。そして点数集計部141は、カウント値に対応する点数を習熟度判定ルール131から導いて集計する。
【0038】
例えば、計測対象項目が入力速度の場合、点数集計部141は、英数字キーの押下数を、取得した操作ログからユーザ毎にカウントする。そして、そのカウント値を操作ログの取得開始時間から終了時間までの入力時間で除算して、英数字のキーが1秒間に何回押下されているのか(入力速度)を算出する。そして点数集計部141は、算出した入力速度に対応する点数を、習熟度判定ルール131より導き出す。例えば、あるユーザの操作ログ中における英数字キーの押下数が100で、入力時間が25秒であった場合、1秒当たりの英数字押下数は4となる。この値は、図4に示す習熟度判定ルール131において1点に対応するため、このユーザの入力速度についての点数は1点となる。
【0039】
計測対象が修正回数の場合、点数集計部141は、バックスペースキーの押下数を、取得した操作ログからユーザ毎にカウントする。そしてそのカウント値に対応する点数を、習熟度判定ルール131から導き出す。
同様に、点数集計部141は、計測対象が入力方法の場合はショートカットキー、計測対象が選択方法の場合はタブキー、の押下数を、取得した操作ログからユーザ毎にカウントし、そのカウント値に対応する点数を、習熟度判定ルール131から導き出す。
【0040】
点数集計部141は、計測対象項目毎に導き出した点数をユーザ毎に集計し、記憶部230へ格納する。
【0041】
習熟度判定部142は、点数集計部141がユーザ毎に記憶部230に格納した集計点数から、記憶部230に格納されている判定結果テーブル132に基づいて、ユーザ毎の習熟度を判定する。そして習熟度判定部142は、判定した習熟度と、以前に記憶部130に格納した習熟度とを比較する。今回判定した習熟度が、以前記憶部130に格納した習熟度よりも高い習熟度であった場合や、習熟度が記憶部130に格納されていない場合、習熟度判定部142は、今回判定した習熟度を、図7に示すように、ユーザ識別情報と対応付けて記憶部130に格納(更新)する。一方、今回判定した習熟度が以前記憶部130に格納した習熟度と同じであるか、それより低い場合、習熟度判定部142は、今回判定した習熟度を消去する。
【0042】
例えば、判定結果テーブル132が図5に示すような内容で定められている場合において、点数集計部141によって集計されたあるユーザの合計点数が5点の場合、習熟度判定部142は、習熟度を「低」と判定する。そして、以前記憶部130に格納した習熟度が「中」である場合、習熟度判定部142は、判定した習熟度(「低」)を消去する。一方、点数集計部141によって集計された合計点数が11点の場合、習熟度判定部142は、習熟度を「高」と判定する。そして、以前記憶部130に格納した習熟度が「中」である場合、習熟度判定部142は、判定した習熟度(「高」)で記憶部130内の習熟度を更新する。
【0043】
図3に戻り、表示画面分割部143は、記憶部230に格納されている画面変換ルール133と、記憶部130に格納されている習熟度に基づいて、アプリケーションサーバ300から受信した画面(htmlファイル)を分割する。具体的には、表示画面分割部143は、アプリケーションサーバ300から受信したhtmlファイルのソースコード中から、画面変換ルール133の判断基準となる文字列を検索し、検索した文字列毎に、画面変換ルール133中の、記憶部130に格納されている習熟度に対応する変更内容に従って、この文字列に対応するhtmlファイルのソースコードを編集する。なお、記憶部130に習熟度が格納されていない場合、表示画面分割部143は、アプリケーションサーバ300から受信したhtmlファイルを、分割せずにクライアント端末200へ送信する。
【0044】
例えば、記憶部130に格納されている習熟度が「低」であった場合、表示画面分割部143は、アプリケーションサーバ300から受信したhtmlファイルのソースコード中から、「住所」の文字列を検索する。そして、画面変換ルール133中の、変換対象が「住所」で、習熟度が「低」に対応する変更内容で、検索した文字列に対応するソースコードを編集する。この例では、図8に示すように、都道府県、市区町村〜番地、建物名〜号室、毎にテキストボックスを配置するようにhtmlファイルのソースコードを編集する。なお、ソースコードを編集する際には、例えば、属性名の末尾に「_(アンダースコア)+数字」を付加したname属性もしくはid属性を含める。その他の変換対象についても同様である。この例では、図示するように、「address」タグを「address_1」、「address_2」、「address_3」に編集する。
【0045】
その他の変換対象については、受信したhtmlファイルのソースコード中から、「電話番号」、「メールアドレス」、及び、「font size = "」の文字列をそれぞれ検索し、画面変換ルール133の対応する習熟度に応じた変換内容に従って、各文字列に対応するソースコードを編集する。例えば、記憶部130に格納されている習熟度が「低」であった場合、表示画面分割部143は、受信したhtmlファイルのソースコードから上記それぞれの文字列を検索し、図9〜図11に示すようにソースコードを編集する。
【0046】
また、表示画面分割部143は、画面変換ルール133の変換対象の「画面項目数」に応じて、一つのhtmlファイル中のinputタグの数を調整する。具体的には、表示画面分割部143は、受信したhtmlファイルのソースコード中に含まれるinputタグを順にカウントし、画面変換ルール133中の対応するinputタグ数となった箇所でこのhtmlファイルを分割し、htmlタグやheadタグ等を挿入する。そして表示画面分割部143は、分割したhtmlファイルのファイル名に分割した順に番号を付加し、記憶部130へ格納する。
【0047】
例えば、記憶部130に格納されている習熟度が「低」であり、アプリケーションサーバ300から受信したhtmlファイル中のinputタグ数が15個である場合において、画面変換ルール133が図6に示すような内容で定められている場合、表示画面分割部143は、画面変換ルール133の変換対象が「画面項目数」で習熟度が「低」で示される内容に対応するよう、つまり、inputタグが5個以下になるように、受信したhtmlファイルのソースコードを3分割する。そして表示画面分割部143は、分割した3つそれぞれのソースコードにhtmlタグ、headタグ、bodyタグを挿入するとともに、図12に示す「戻るボタン」や「次へボタン」を付加して、図13に示すような3つのhtmlファイルを生成する。
【0048】
ここで、分割後のhtmlファイルのうち、最初のページを示すhtmlファイルのソースコードには、「戻るボタン」が付加されず、「次へボタン」のみが付加され、最後のページを示すhtmlファイルのソースコードには、「次へボタン」が付加されず、「戻るボタン」のみ付加される。なお、「戻るボタン」は、前のページへ遷移する要求を示すページ遷移指示情報を生成するものであり、「次へボタン」は、次のページへ遷移する要求を示すページ遷移指示情報を生成するものである。これらのボタンがユーザの入力操作により押下されることで、ページ遷移指示情報がクライアント端末200から送信されることとなる。
【0049】
さらに、表示画面分割部143は、上記の処理の内容(挿入ログ)を記憶部130へ格納する。表示画面分割部143は、ユーザ識別情報、htmlファイルのファイルID、及び、3つのhtmlファイルに分割したことを示す「3」をそれぞれ対応付け、図14に示すように、分割情報として記憶部130へ格納する。図示は省略するが、例えば、「address」タグを「address_1」、「address_2」、「address_3」に分割した場合には、その分割数を分割情報として記憶する。つまり、分割情報には、分割した各タグの分割数も含まれることとなる。なお、分割したソースコード中に既にhtmlタグ、headタグ、bodyタグが含まれている場合には、上記タグの挿入は行わない。また、表示画面分割部143は、分割後のhtmlファイルのうち、クライアント端末200から送信されるページ遷移指示情報に従って、対応する分割後のhtmlファイルを抽出し、通信部150を介してクライアント端末200に送信する。
【0050】
分割画面統合部144は、クライアント端末200から受信したパラメータが、分割されたhtmlファイルに入力されたパラメータであるか否かを判定する。そして分割されたファイルに入力されたものであると判定した場合、受信したパラメータを統合する。具体的には、分割画面統合部144は、パラメータとして受信したname属性の情報を、分割前のhtmlファイルに対応する形に統合する。
【0051】
具体的には、分割画面統合部144は、クライアント端末200から通信部150を介して受信したパラメータが、分割されたhtmlファイルに入力されたものであるか否かを、受信した操作ログに含まれるユーザ識別情報とファイルIDに対応する分割情報に基づいて判定する。そして、受信したパラメータが分割されたファイルに入力されたものであると判定した場合、分割画面統合部144は、クライアント端末200から受信したパラメータ(name属性)に付加されている数字が、記憶部130に格納されている分割情報に含まれる受信したパラメータの分割数と等しいか否かを判定する。Name属性に付加されている数字と当該分割数とが等しい場合には、分割されたhtmlファイルに入力されたname属性を全て受信したこととなるため、分割画面統合部144は、このname属性同士を統合する画面統合処理を行う。例えば、表示画面分割部143において「address」タグを「address_1」、「address_2」、「address_3」に分割した場合、分割画面統合部144は、クライアント端末200から「address_1」〜「address_3」に対応するパラメータを全て受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合には、これらを統合して「address」を生成する。
【0052】
name属性に付加されている数字と分割数とが異なる場合、分割画面統合部144は、画面統合処理を実行せず、記憶部130に格納されている分割後のhtmlファイルのうち、クライアント端末200から受信したページ遷移指示情報にしたがって、受信したhtmlファイルの次のページを示すhtmlファイルを、クライアント端末200へ送信する。例えば、表示画面分割部143において「address」タグを「address_1」、「address_2」、「address_3」に分割した場合において、「address_3」に対応するパラメータを受信していない場合、次ページに「address_3」に対応する入力項目が存在することから、分割画面統合部144は、これらを統合せず、次のページを示すhtmlファイルを、クライアント端末200へ送信し、「address_3」に対応するパラメータを受信するまで待機する。そして、「address_3」に対応するパラメータを受信した後、上記の処理と同様に「address_1」〜「address_3」に対応するパラメータを統合して「address」を生成する。
【0053】
一方、分割情報が記憶部130に格納されていない場合、分割画面統合部144は画面統合処理を行わず、クライアント端末200から受信したパラメータを出力部145へ供給する。
【0054】
分割画面統合部144は、name属性等に基づいて、編集したパラメータ(タグ)を検索し、検索したそれぞれのタグを分割前のタグになるよう統合する。
【0055】
記憶部130に格納されている習熟度が「低」である場合、図15に示すように、分割後のhtmlファイルのソースコードには、「address_1」、「address_2」、「address_3」のタグが含まれている。分割画面統合部144は、name属性に基づいてこれらのタグを検索し、編集されているタグを元のタグへと編集する。例えば、図示するように、「address_1」、「address_2」、「address_3」に、「東京都」、「品川区」、「豊洲」とそれぞれ入力されていた場合、分割画面統合部144は、「address_1の文字列」+「address_2の文字列」+「address_3の文字列」となるように、つまり、「address:東京都品川区豊洲」となるように、それぞれのタグを統合する。
【0056】
分割画面統合部144は、画面変換ルール133の全ての変換対象について上記のような処理を行い、統合したタグを通信部150を介してアプリケーションサーバ300へ送信する。
【0057】
通信部150は、シリアルインタフェース、或いはアナログ信号を受信するためのアナログインタフェースを有している。クライアント端末200やアプリケーションサーバ300から送信される情報は、通信部150によって受信され、制御部140へ送信される。
【0058】
アプリケーションサーバ300は、一般的なコンピュータから構成される。アプリケーションサーバ300は、クライアントサーバ200から表示画面変換装置100を介して送信される要求に応じて表示画面を表示画面変換装置100に送信する。上述したように、この表示画面(htmlファイル)には、例えば、JavaScript(登録商標)が組み込まれており、これが上記監視プログラムとして機能する。また、アプリケーションサーバ300は、クライアント端末200から表示画面変換装置100を介して送信される必要項目が入力された画面を受信し、入力事項に応じた処理を行う。
【0059】
アプリケーションサーバ300は、図16に示すように、入力部310と、表示部320と、記憶部330と、制御部340と、通信部350と、上記各部を相互に接続するシステムバス360を備えている。
【0060】
入力部310は、例えば、キーボードやマウス等であり、表示部320は、例えば、情後述する制御部140から提供される情報を表示するモニター等である。
【0061】
記憶部330は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリから構成され、サーバプログラム331や複数のhtmlファイルが格納されている。
【0062】
制御部340は、CPU等から構成される。制御部340は、サーバプログラム331に従って動作し、後述する通信部350を介して受信したクライアント端末200からの要求に応じて、この要求に対応するhtmlファイルを、表示画面変換装置100に送信する。また、制御部340は、クライアント端末200でユーザにより入力された入力項目に応じて、アプリケーションの処理を実行する。
【0063】
通信部350は、シリアルインタフェース、或いはアナログ信号を受信するためのアナログインタフェースを有している。表示画面変換装置100から送信される情報は、通信部350によって受信され、制御部340へ送信される。
【0064】
以上が、表示画面変換システム1の構成である。続いて、表示画面変換システム1の全体的な動作について、図17を参照して説明する。
【0065】
クライアント端末200の制御部240は、ユーザからの入力操作に応じて、入力画面の送信を要求するページ送信指示情報を、ユーザ識別情報とともに通信部250を介して表示画面変換装置100へ送信する(ステップS101)。
【0066】
表示画面変換装置100の制御部140は、クライアント端末200から送信されたページ送信指示情報とユーザ識別情報を取得すると、ページ送信指示情報をアプリケーションサーバ300に送信する。アプリケーションサーバ300の制御部340は、ページ送信指示情報を取得すると、このページ送信指示情報に対応するhtmlファイルを、表示画面変換装置100に送信する(ステップS102)。
【0067】
表示画面変換装置100の制御部140は、クライアント端末200から送信されたユーザ識別情報により特定されるユーザの習熟度が、記憶部130に格納されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0068】
クライアント端末200から送信されたユーザ識別情報により特定されるユーザの習熟度が記憶部130に格納されていると判定された場合(ステップS103;Yes)、制御部140は、表示画面分割部143の機能により、アプリケーションサーバ300から受信したhtmlファイルを、その習熟度に応じて分割する画面分割処理を実行してhtmlファイルを分割する(ステップS104)。画面分割処理の詳細については後述する。
【0069】
続いて制御部140は、画面分割処理により分割したhtmlファイルのうち、最初のページに対応するhtmlファイルを、通信部150を介してクライアント端末200へ送信する(ステップS105)。
【0070】
一方、ユーザ識別情報により特定されるユーザの習熟度が記憶部130に格納されていないと判定された場合(ステップS103;No)、制御部140は、アプリケーションサーバ300から取得したhtmlファイルを、通信部150を介してクライアント端末200へ送信する(ステップS106)。
【0071】
クライアント端末200の制御部240は、表示画面変換装置100からステップS105又はS106で送信されたhtmlファイルを取得する度に、計測処理を実行して操作ログを取得する(ステップS107)。計測処理の詳細については後述する。
【0072】
続いて制御部240は、ページ遷移指示情報、入力された情報を示すパラメータ、計測処理により取得された操作ログ、及び、分割されたファイルを示すファイル情報を、表示画面変換装置100へ送信する(ステップS108)。なお、ファイル情報には、分割されたhtmlファイルのファイル名等が含まれている。
【0073】
次に、表示画面変換装置100の制御部140は、クライアント端末200からページ遷移指示情報、パラメータ、操作ログ、及び、ファイル情報を取得すると、点数集計部141と習熟度判定部142の機能により、習熟度判定処理を実行し、習熟度を判定する(ステップS109)。習熟度判定処理の詳細については後述する。
【0074】
習熟度が判定されると、制御部140は、受信したパラメータに付加されている数字が、分割情報により示される分割数と等しいか否かを判定する(ステップS111)。これにより、分割されたhtmlファイル全てにつき、入力されたパラメータを受信したか否かを判定することができる。
【0075】
上記ステップS111において、パラメータに付加された数字と分割数が等しいと判定した場合(ステップS111;Yes)、制御部140は、分割画面統合部144の機能により、画面統合処理を実行して分割されたパラメータを統合し(ステップS112)、統合したパラメータをアプリケーションサーバ300へ送信する(ステップS113)。なお、画面統合処理の詳細については後述する。
【0076】
上記ステップS111において受信したパラメータに付加されている数字が、分割情報により示される分割数と異なると判定した場合(ステップS111;No)、制御部140は、記憶部130に格納されている分割後のhtmlファイルのうち、クライアント端末200から受信したページ遷移指示情報にしたがって、受信したhtmlファイルの次のページを示すhtmlファイルを、クライアント端末200へ送信し(ステップS114)、処理を終了する。
【0077】
アプリケーションサーバ300の制御部340は、表示画面変換装置100からページ遷移指示情報とhtmlファイルを受信すると、制御部340は、受信したページ遷移指示情報が入力操作を終了する旨を示す終了指示であるか否かを判定する(ステップS115)。
【0078】
終了指示であると判定された場合(ステップS115;Yes)、制御部340は処理を終了する。一方、終了指示ではないと判定された場合(ステップ115;No)、制御部340は、受信したページ遷移指示情報に対応するhtmlファイルを表示画面変換装置100に送信する。そして表示画面変換装置100は、上記ステップS103以降の処理を繰り返す。
【0079】
以上が、表示画面変換システム1の全体的な動作である。このように、クライアント端末200は、表示画面変換装置100からhtmlファイルが送信される度に、ステップS107及びS108の処理を繰り返す。また、表示画面変換装置100は、アプリケーションサーバ300からhtmlファイルが送信される度に、ステップS103〜S106の処理を繰り返す。そしてクライアント端末200からパラメータ等が送信される度に、ステップS109〜S114の処理を繰り返す。アプリケーションサーバ300は、表示画面変換装置100からページ遷移指示情報が送信される度にステップS115及びS116の処理を繰り返す。
【0080】
続いて、表示画面変換システム1における各種処理の詳細について、図面を参照して説明する。まず、クライアント端末200における計測処理について、図18を参照して説明する。
【0081】
上述したように、計測処理は、表示画面変換装置100からhtmlファイルが送信される度に実行される。htmlファイルを受信すると、このhtmlファイルに組み込まれている監視プログラムが起動され、制御部240は、ユーザによる入力操作の操作ログを取得する(ステップS201)。
【0082】
次に、制御部240は、入力部210からページ遷移指示情報を取得したか否かを判定する(ステップS202)。ページ遷移指示情報を取得したと判定した場合(ステップS202;Yes)、制御部240は計測処理を終了する。一方、ページ遷移指示情報を取得していないと判定した場合(ステップS202;No)、制御部240は、ステップS201に戻り、ページ遷移指示情報を取得するまで操作ログの取得を行う。
【0083】
次に、表示画面変換装置100における習熟度判定処理の詳細について、図19を参照して説明する。上述したように、習熟度判定処理は、クライアント端末200から、パラメータ、ページ遷移指示情報、操作ログ、及びファイル情報を受信する度に実行される。
【0084】
制御部140は、点数集計部141の機能により、記憶部130に格納されている習熟度判定ルール131から、その計測対象項目毎に、受信した操作ログに基づいて点数を導き出し、それぞれの点数を集計する(ステップS301)。
【0085】
続いて制御部140は、習熟度判定部142の機能により、記憶部130に格納されている判定結果テーブル132に基づいて習熟度を判定する(ステップS302)。
【0086】
次に、制御部140は、記憶部130に習熟度が格納されているか否かを判定する(ステップS303)。記憶部130に習熟度が格納されていると判定した場合(ステップS303;Yes)、制御部140は、ステップS302で判定した習熟度を、記憶部130に格納されている習熟度と比較し、判定した習熟度が、記憶部130に格納されている習熟度よりも高い習熟度であるか否かを判定する(ステップS304)。
【0087】
記憶部130に習熟度が格納されていないと判定した場合(ステップS303;No)、又は、判定した習熟度が、記憶部130に格納されている習熟度よりも高い習熟度であると判定した場合(ステップS304;Yes)、制御部140は、判定した習熟度を記憶部130に格納し(ステップS305)、処理を終了する。一方、判定した習熟度が記憶部130に格納されている習熟度以下である場合、制御部140は、判定した習熟度を削除し(ステップS306)、処理を終了する。なお、習熟度判定部は、以前判定した利用者の習熟度の代わりに、利用者の点数の履歴を記憶し、今回集計した点数と平均値を算出することによって習熟度を判定してもよい。これによれば、一定期間操作から離れていた利用者が操作を一時的に忘れてしまった場合に、低い習熟度に合わせることが可能となる。
【0088】
次に、表示画面変換装置100における画面分割処理の詳細について、図20を参照して説明する。画面分割処理は、アプリケーションサーバ300からhtmlファイルが送信され、このhtmlファイルの送信を要求したユーザの習熟度が記憶部130に記憶されていると判定される度に実行される。
【0089】
制御部140は、表示画面分割部143の機能により、受信したhtmlファイルのソースコード中から画面変換ルール133の判断対象項目により示される文字列を検索する(ステップS401)。
【0090】
続いて制御部140は、検索した文字列が「input」タグであるか否かを判定する(ステップS402)。検索中の文字列が「input」タグでないと判定した場合(ステップS402;No)、制御部140は、記憶部130に格納されている習熟度に従って、画面変換ルール133からソースコードの変換内容を特定し、検索した文字列に対応するソースコードを変換する(ステップS403)。そして制御部140は、ステップS401に戻り、次の文字列を検索する。
【0091】
一方、検索した文字列が「input」タグである場合(ステップS402;Yes)、制御部140は、受信したhtmlファイルのソースコード中の「input」タグの数を順にカウントする(ステップS404)。
【0092】
そして制御部140は、画面変換ルール133の画面項目数により特定される「input」タグの数の制限値のうち、記憶部130に格納されている習熟度に対応する制限値と、カウント数とを比較し、カウント値と制限値が同じ数であるか否かを判定する(ステップS405)。カウント値が制限値と同じ数ではないと判定した場合(ステップS405;No)、制御部140は、ステップS404に戻り、引き続き「input」タグの数をカウントする。
【0093】
一方、カウント値と制限値が同じ数であると判定した場合(ステップS405;Yes)、制御部140は、カウント値をクリアするとともに、その「input」タグの箇所でソースコードを分割する(ステップS406)。そして制御部140は、htmlファイルとして必要なタグやページ遷移指示情報を生成するボタン等に該当するタグを挿入し、htmlファイルとして記憶部130に記憶する(ステップS407)。
【0094】
次に、制御部140は、ソースコード中の検索対象となる全ての文字列について検索が行われたか否かを判定する(ステップS408)。全ての文字列について検索が行われたと判定した場合(ステップS408;Yes)、制御部140は、分割したhtmlファイルの数を、ユーザ識別情報及びファイルIDに対応付けて記憶部130に格納する(ステップS409)。そしてソースコードを編集したログを挿入ログとして記憶部130へ格納し(ステップS410)、処理を終了する。
【0095】
一方、全ての文字列について検索が行われていないと判定した場合(ステップS408;No)、制御部140は、ステップS401に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0096】
次に、表示画面変換装置100における画面統合処理の詳細について、図21を参照して説明する。画面統合処理は、パラメータがクライアント端末200から受信されることにより実行される。
【0097】
制御部140は、クライアント端末200から受信した各パラメータの中から、name属性等に基づいて、編集したタグを検索し(ステップS504)、検索したそれぞれのタグのうち、編集前の同一のタグを示すタグ同士を統合する(ステップS505)。
【0098】
続いて制御部140は、name属性に基づいて特定されるタグが全て検索されたか否かを判定する(ステップS506)。全て検索されたと判定した場合(ステップS506;Yes)、制御部140は、処理を終了する。一方、全て検索されていないと判定した場合(ステップS506;No)、制御部140は、ステップS504に戻り、name属性等に基づいて、変更したタグを検索する。
【0099】
このように、本実施形態における画面分割処理が実行されることにより、アプリケーションサーバ300から送信されるhtmlファイルが、ユーザの習熟度に応じて編集されてクライアント端末200に提供される。また、画面統合処理が実行されることにより、入力された情報(パラメータ)が統合され、分割前のタグに編集されてアプリケーションサーバ300に提供される。
【0100】
したがって、ユーザの習熟度に応じた画面を予め作成しておく必要はなく、開発コストや開発工期の増加を防ぐとともに、ユーザの習熟度に応じた画面を提供することができる。さらに、画面変換ルール133の内容を変更することで、ユーザに提供する画面の内容を簡単に変更することができるため、仕様変更等にも柔軟に対応することが可能となる。
【0101】
(変形例)
この発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。上記実施形態では、習熟度が3段階である例を示したが、これは一例である。習熟度を何段階にするかは任意であり、例えば、5段階であっても10段階であってもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、クライアント端末200からパラメータ等が送信される度に習熟度判定処理が行われる例を示したが、これは一例である。習熟度判定処理が行われる条件は任意であり、例えば、パラメータ等が10回送信される度に行っても、1日に1回行ってもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、習熟度判定ルール131、判定結果テーブル132、及び、画面変換ルール133が管理者の入力操作によって作成される例を示したが、これらは、任意の方法で記憶部130に格納されればよく、例えば、ネットワークを介して配信してもよい。また、上記実施形態で示した習熟度判定ルール131、判定結果テーブル132、及び、画面変換ルール133の内容は、一例であり、これらの内容は任意である。
【0104】
上記実施形態では、画面分割処理において、htmlファイルのソースコード中の「input」タグの数をカウントしてソースコードを分割する例を示したが、これは一例である。カウントするタグは任意であり、例えば、「h」タグ、「select」タグ等であってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
【0105】
同様に、上記実施形態では、画面分割処理において、「住所」等の文字列を検索して対応するタグを変更する例を示したが、検索する文字列は任意である。例えば、生年月日等の個人情報を検索する文字列として追加してもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、画面統合処理において、name属性等により編集されているタグを検索して統合する例を示したが、これは一例である。例えば、タグを編集する際にそのログを取得しておき、画面変換ルール133とログに基づいて編集されているタグを特定し、統合するようにしてもよい。
【0107】
なお、本発明の実施形態にかかるクライアント端末200や表示画面変換装置100、及び、アプリケーションサーバ300を実現するための情報処理装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラム231やプログラム134やサーバプログラム331を格納した媒体(CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する各種の情報処理装置を構成することができる。また、本実施形態における表示画面変換装置100は、例えば、クライアント端末200又はアプリケーションサーバ300に含まれていてもよい。
【0108】
また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納してもよい。
【0109】
また、搬送波にプログラム231やプログラム134やサーバプログラム331を重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS、Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、オペレーティングシステムの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 表示画面変換システム
100 表示画面変換装置
110 入力部
120 表示部
130 記憶部
131 習熟度判定ルール
132 判定結果テーブル
133 画面変換ルール
134 プログラム
140 制御部
141 点数集計部
142 習熟度判定部
143 表示画面分割部
144 分割画面統合部
150 通信部
160 システムバス
200 クライアント端末
210 入力部
220 表示部
230 記憶部
240 制御部
250 通信部
260 システムバス
300 アプリケーションサーバ
310 入力部
320 表示部
330 記憶部
340 制御部
350 通信部
360 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションサーバとクライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続される表示画面変換装置であって、
ユーザの入力操作を記録した操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定部と、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定部で判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換部と、
前記画面変換部で変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信部と、
を備えることを特徴とする表示画面変換装置。
【請求項2】
前記画面変換部で変換された入力画面に含まれる入力項目に対してユーザにより入力された入力情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶された基準にしたがって該入力情報を変換前の入力画面に含まれる入力項目に対応する情報へ統合する統合部と、
前記統合部で統合された入力情報を前記アプリケーションサーバに送信する統合情報送信部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の表示画面変換装置。
【請求項3】
前記習熟度判定部は、
判定された前記ユーザに対応する習熟度を、前記ユーザを識別する識別情報に対応付けて記憶する習熟度記憶部と、
前記習熟度記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する習熟度と、今回判定された前記ユーザに対応する習熟度と、を比較する習熟度比較部と、を備え、
前記習熟度比較部は、今回判定された前記ユーザに対応する習熟度が前記習熟度記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する習熟度よりも高い場合に、今回判定された前記ユーザに対応する習熟度を前記習熟度記憶部に記憶し、
前記画面変換部は、予め記憶されている基準及び前記習熟度記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する習熟度にしたがって、前記入力画面を変換する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示画面変換装置。
【請求項4】
入力画面の送信を要求する入力画面送信要求に応じて入力画面の送信を行うアプリケーションサーバと、
前記入力画面送信要求を送信するクライアント端末と、
前記アプリケーションサーバと前記クライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続される表示画面変換装置と、を備え、
前記クライアント端末は、
ユーザによる入力操作を前記ユーザ毎に記録する操作履歴情報を取得する操作履歴情報取得部と、
前記操作履歴情報取得部で取得した前記ユーザ毎の操作履歴情報を、前記入力画面とともに前記表示画面変換装置へ送信する操作履歴情報送信部と、を備え、
前記表示画面変換装置は、
前記操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定部と、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定部で判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換部と、
前記画面変換部で変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信部と、
を備えることを特徴とする表示画面変換システム。
【請求項5】
アプリケーションサーバとクライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続される表示画面変換装置による表示画面変換方法であって、
ユーザの入力操作を記録した操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定ステップと、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定ステップで判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換ステップと、
前記画面変換ステップで変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信ステップと、
を備えることを特徴とする表示画面変換方法。
【請求項6】
アプリケーションサーバとクライアント端末とにネットワークを介して相互に通信可能に接続されるコンピュータを、
ユーザの入力操作を記録した操作履歴情報が前記クライアント端末から送信される度に、予め記憶されている基準にしたがって、入力操作の習熟度であって前記ユーザに対応する習熟度を判定する習熟度判定部、
前記クライアント端末に表示される入力画面が前記アプリケーションサーバから送信される度に、予め記憶されている基準及び前記習熟度判定部で判定された習熟度にしたがって前記入力画面を変換する画面変換部、
前記画面変換部で変換された入力画面を前記クライアント端末に送信する変換画面送信部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−54424(P2013−54424A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190421(P2011−190421)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】