説明

表示窓パネルおよび表示窓パネルの製造方法

【課題】所望の反射防止効果を容易に得ることができるとともに、製造コストを抑えることのできる表示窓パネルおよび表示窓パネルの製造方法を提供すること。
【解決手段】電子機器の表示窓パネルであって、前記表示窓パネルは、一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成され高透明性を有する板状の基板と、前記基板の他方面に粘着材を介して貼着された反射防止シートと、から少なくとも構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高透明性を有する合成樹脂製の基板の一方面と他方面に反射防止処理を施してなる電子機器の表示窓パネルおよび表示窓パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フラットパネルディスプレイ,デジタルカメラ,デジタルビデオカメラ,携帯電話,携帯用ゲーム機に代表される電子機器などにおいて、その表示部分に反射防止処理がなされた表示窓パネルを配設することで、表示部分を良好に保護しつつ、視認性も良好に維持できるようにしている。
【0003】
このような表示窓パネルは、例えば高透明性を有する基板の一方面と他方面に反射防止層が形成されてなるものであり、その製造方法は、例えば図9(a)に示したように、まず高透明性を有するとともに硬さの異なる2種類のシート(シート102,104)を押出成形機で成形し、これを重ね合わせる。この時、重ね合わせられたシートは、最終形態である表示窓パネルを複数個取り可能な大きさであり、ここでは説明の便宜上、大判基板106と称する。
【0004】
次いで図9(b)に示したように、この大判基板106の両面にディップ(浸漬)成形法で紫外線(UV)硬化性樹脂からなるハードコート層108a,108bを形成する。
【0005】
さらに図9(c)に示したように、大判基板106の両面に形成されたハードコート層108a,108bの上にディップ(浸漬)成形法で、今度は反射防止層110a,110bを成形する。
【0006】
なお、反射防止層110a,110bは、例えば屈折率が低・高・低の順で異なる3層からなるものであって、このように3層からなる場合にはディップ(浸漬)成形を3回行うことで反射防止層110a,110bがそれぞれ成形されるようになっている。また各層の成形毎には、熱硬化処理がなされている。
【0007】
次いで、図10(a)に示したように両面の反射防止層110a,110bの上にディップ(浸漬)成形法で撥水層112a,112bを形成した後、図10(b)に示したように片面の撥水層112bを除去する。
【0008】
さらに図10(c)に示したように、コロナ放電により片側の撥水層112bが除去され露出された一方面の反射防止層110bの上に、シルク印刷法で印刷層114を形成し、これにて大判パネル200が完成される。
【0009】
次いで図11(a)に示したように、この大判パネル200を各表示窓パネル100の大きさに切削加工することにより、図11(b)に示したような複数の表示窓パネル100が得られることとなる。なお、従来技術として使用する大判基板106は、硬さの異なる2種類のシート(シート102,104)から構成されると上記で説明したが、1種類のシートで構成される場合もある。その場合の製造方法についても上記した方法と同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来の表示窓パネル100は、ディップ(浸漬)成形法で反
射防止層110a,110bが形成されるため、表示窓パネル100の上面と下面の反射防止層110a,110bが全く同じものであり共に光学特性(所定の波長帯域における光線透過率および光線反射率)が同じであった。
【0011】
近年、特に電子機器の表示窓パネル100においては、更なる反射防止効果が求められているが、反射防止層110a,110bの2層共が同じ光学特性、言い換えると1種類の光学特性のみであると、反射防止効果として求められる製品スペックをクリアすることが非常に困難であり、このため最適な厚みや材質などの選定に多大な時間を要し、場合によっては製品開発を遅らせてしまうおそれがあった。
【0012】
さらに、モスアイ構造による反射防止技術の開発が現在進んでいるが、従来のディップ(浸漬)による反射防止層110a,110bの成形では、表示窓パネル100の両面への成形はもとより、表示窓パネル100の片面への適用もできない状態となっていた。
【0013】
その理由としては、ディップ(浸漬)による反射防止層110a,110bの成形は、製造上両面に反射防止層110a,110bが付いてしまうことを回避できないこと,およびモスアイ構造の極小パターン(モスアイパターン)がサブミクロンのパターンのため、ディップ成形する層厚のオーダーと、モスアイパターンのオーダーが近く、モスアイパターンを覆いモスアイパターンの反射防止効果を奪ってしまうためであった。
【0014】
また、上記した従来の製造方法では、表示窓パネル100を多数個取り可能な大判基板106のままの状態で製造工程が進められ、またこの大判基板106に対して複数の工程でディップ(浸漬)成形が行われるために製造装置が大型化して製造コストが嵩んでしまうものであった。
【0015】
本発明は、このような現状に鑑み、所望の反射防止効果を容易に得ることができるとともに、製造コストを抑えることのできる表示窓パネルおよび表示窓パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、前述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明されたものであって、
本発明の表示窓パネルは、
電子機器の表示窓パネルであって、
前記表示窓パネルは、
一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成され高透明性を有する板状の基板と、
前記基板の他方面に粘着材を介して貼着された反射防止シートと、
から少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0017】
このように構成されていれば、構造が極めて簡素であるため、製造が容易であり、製造コストを抑えることができる。また、基板の一方面と他方面とが異なる構造であるため、2つの光学特性を組み合わせることで、所望の反射防止効果を従来よりも簡単に得ることができる。
【0018】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記基板の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターン上に、部分的に印刷層が形成されていることを特徴とする。
【0019】
このように印刷層が設けられていれば、例えば電子機器のメーカー名や商品名などを印刷することで、商品の識別を容易にすることができる。
【0020】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記基板のモスアイ構造の極小パターンが形成された一方面の光学特性と、基板の他方面に貼着された反射防止シートの光学特性とが、異なることを特徴とする。
【0021】
このように構成されていれば、2つの光学特性を組み合わせることで所望の反射防止効果を簡単に得ることができる。
【0022】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記光学特性が、所定の波長帯域における光線透過率であることを特徴とする。
【0023】
このように所定の波長帯域における光線透過率であれば、反射防止効果がどの程度であるか知る上で明確な指標となり好ましい。
【0024】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記基板のモスアイ構造の極小パターンの光学特性が、波長帯域450〜750nmでブロードな光線透過率であること、
および前記反射防止シートの光学特性が波長帯域450〜750nmで明確な光線透過率のピークを持つこと、であることを特徴とする。
【0025】
このように設定されていれば、2つの光学特性を組み合わせることで所望の反射防止効果を簡単に得ることができる。
【0026】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記光学特性が、所定の波長帯域における光線反射率であることを特徴とする。
【0027】
このように所定の波長帯域における光線反射率であれば、反射防止効果がどの程度であるか知る上で明確な指標となり好ましい。
【0028】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記基板のモスアイ構造の極小パターンの光学特性が、波長帯域450〜750nmで明確な光線反射率のボトムを持たないこと、
および前記反射防止シートの光学特性が波長帯域450〜750nmで明確な光線反射率のボトムを持つこと、であることを特徴とする。
【0029】
このように設定されていれば、2つの光学特性を組み合わせることで所望の反射防止効果を簡単に得ることができる。
【0030】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記基板の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターンは、凸状または凹状に形成されたものであって、
凸部または凹部の高さ(深さ)が100〜500nmの範囲内、凸部または凹部の幅が100〜500nmの範囲内、ピッチが100〜500nmの範囲内で形成されていることを特徴とする。
【0031】
このようにモスアイ構造の極小パターンが構成されていれば、厚み方向の屈折率を連続的に変化させることができ、所望の反射防止効果を得ることができる。
【0032】
特にモスアイ構造の極小パターンが凹状に形成されていると、製造過程においてモスアイ構造の極小パターンの損傷を最小限に抑えることができる。
【0033】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記反射防止シートが、反射防止層とハードコート層と基材層とを積層してなることを特徴とする。
【0034】
このように3層から構成されていれば、反射防止の機能に加えて、耐擦傷性や耐衝撃性を加えることができる。
【0035】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記反射防止シートが、撥水性を有することを特徴とする。
【0036】
このように撥水性を有していれば、例えば水滴が飛散した際においても拭き取りが容易であり、視認性を早急に回復させることができる。
【0037】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記基板の他方面に反射防止シートを貼着するための粘着材の厚みが、5〜20μmの範囲内であることを特徴とする。
【0038】
このような厚みであれば、反射防止シートを安定して基板の他方面へ貼着させることができ、且つ耐擦傷性を向上させることができる。
【0039】
また、本発明の表示窓パネルは、
前記基板の他方面に形成された反射防止シートが、前記表示窓パネルの最表面に配置されていることを特徴とする。
【0040】
このように耐擦傷性を向上させた反射防止シートを表示窓パネルの最表面に配置すれば、表示窓パネルの傷付きを防止できる。
【0041】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
電子機器の表示窓パネルの製造方法であって、
前記表示窓パネルの製造方法は、
板状のタブ付き基板を射出成形で作成するため、内部にタブ付き基板成形用空間を有する金型を準備する工程と、
前記金型内のタブ付き基板成形用空間の一方面に、モスアイ構造の極小パターンの反転パターンが形成されたスタンパを装着する工程と、
前記金型内に溶融樹脂を射出し、一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成された高透明性を有する板状のタブ付き基板を成形する工程と、
前記タブ付き基板の他方面に、粘着材を介して反射防止シートを貼着する工程と、
前記タブ付き基板からタブをカットする工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
【0042】
このような製造方法であれば、従来のディップ(浸漬)成形では不可能だった反射防止用の構造であるモスアイ構造を一方面に使用することができる。また少ない工程で表示窓パネルを得ることができ、製造装置も小型化できるため、製造コストを抑えることができる。
【0043】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記金型内に溶融樹脂を射出し、一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成された高透明性を有する板状のタブ付き基板を成形する工程の後、
さらに前記タブ付き基板の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターン上に、部分
的に印刷層を形成する工程を有することを特徴とする。
【0044】
このように印刷層が設けられていれば、例えば電子機器のメーカー名や商品名などを印刷することで、商品の識別性を向上させることができる。
【0045】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記印刷層を形成する工程の後、さらに熱処理またはUV照射処理を加える工程を有することを特徴とする。
【0046】
このように熱処理またはUV照射処理を加えれば、印刷層の定着を良好にすることができる。
【0047】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記タブ付き基板に、粘着材を介して反射防止シートを貼着する工程における前記反射防止シートが、
前記タブ付き基板のタブを除いた基板より大きなサイズであって、
前記タブ付き基板の他方面に反射防止シートを貼着した後、前記反射防止シートを前記基板の形状に合わせてカットすることを特徴とする。
【0048】
このように反射防止シートのサイズが設定されていれば、基板への貼着時に多少ズレが生じても、問題なく基板全面に反射防止シートを貼着できる。したがって表示窓パネルの製造の迅速化を図る上で、反射防止シートのサイズをタブ付き基板のタブを除いた基板よりも大きくすることは非常に重要である。
【0049】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記反射防止シートが、ロール状であることを特徴とする。
【0050】
このように反射防止シートのサイズを大きくすることで、反射防止シートを貼着する工程での反射防止シートの位置ズレに対して、許容マージンを大きくすることができ、且つ前もって反射防止シートを大きいサイズに加工する工程を減らすことができる。
【0051】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記反射防止シートのカットに、レーザーを使用することを特徴とする。
【0052】
このように反射防止シートのカットにレーザーを用いることで、非接触でカットが行え、シート端面の剥離を起こす残留応力を低減できるとともに機械的なカットで発生し易いシート表面への傷を防止することができる。
【0053】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記反射防止シートのカットが、複数回に分けて行われることを特徴とする。
【0054】
このように反射防止シートのカットを複数回に分けて行うようにすれば、装置構成のフレキシビリティーを増し、且つ反射防止シートのカットを精度良く行うことができる。
【0055】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記反射防止シートをカットした後、
前記反射防止シートが、所定の位置で正確にカットされているか否かを画像検査にて判断する工程を有することを特徴とする。
【0056】
このように検査されていれば、不良品を間違って出荷してしまう心配がないため、製品
の信頼性を高めることができる。
【0057】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法は、
前記反射防止シートをカットした後、
前記反射防止シートが貼着された基板をオートクレーブ内に入れて気泡除去を行う工程を有することを特徴とする。
【0058】
このように気泡除去を行えば、表示窓パネルの光透過性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明の表示窓パネルによれば、表示窓パネルを、一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成され高透明性を有する板状の基板と、この基板の他方面に粘着材を介して貼着された反射防止シートと、から構成したので、従来のディップ成形では不可能だったモスアイ構造を用いた光学特性と、反射防止シートによる光学特性の2つを組み合わせて、所望の反射防止効果を容易に得ることができる。
【0060】
また、本発明の表示窓パネルの製造方法によれば、少ない工程で表示窓パネルを得ることができ、また従来のようにディップ(浸漬)成形を行わないため、製造装置も小型化でき製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明の表示窓パネルを説明する概略図である。
【図2】図2は、本発明の表示窓パネルのモスアイ構造の微小パターンについて説明する概略図である。
【図3】図3(a)は所定の波長帯域における光線透過率のグラフ、図3(b)は所定の波長帯域における光線反射率のグラフである。
【図4】図4は、本発明の表示窓パネルの実施例1において、所定の波長帯域における光線透過率・光線反射率のグラフである。
【図5】図5は、本発明の表示窓パネルの実施例2において、所定の波長帯域における光線透過率・光線反射率のグラフである。
【図6】図6は、本発明の表示窓パネルの製造方法を説明する工程図である。
【図7】図7は、本発明の表示窓パネルの製造方法を説明する工程図である。
【図8】図8は、タブ付き表示窓パネルを説明する概略図である。
【図9】図9は、従来の表示窓パネルの製造方法を説明する工程図である。
【図10】図10は、従来の表示窓パネルの製造方法を説明する工程図である。
【図11】図11は、従来の表示窓パネルの製造方法を説明する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
本発明は、例えば合成樹脂製の基板の一方面と他方面に反射防止処理を施してなる電子機器の表示窓パネルおよび表示窓パネルの製造方法である。
【0063】
<表示窓パネル10>
本実施例における表示窓パネル10は、図1に示したように、一方面にモスアイ構造の極小パターン14が形成され高透明性を有する板状の基板12を基材とし、この基板12の他方面に粘着材16を介して反射防止シート18が貼着されている。
【0064】
また、モスアイ構造の極小パターン14上には、部分的に印刷層20が形成されている。
【0065】
ここで、基板12の材質としては、高透明性を有する合成樹脂を用いることができ、例えばポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタクリレイト(PMMA)またはシクロオレフィンポリマーを用いることが好ましい。
【0066】
なお、高透明性を有する合成樹脂の選定については、製品として求められるスペックに合わせて適宜選択すれば良いものであるが、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計U−3010を用いた1mm厚みの基板測定(波長帯域400〜800nm)で、光線透過率80%以上のものであれば、視認性を良好に維持するうえでも好ましい。
【0067】
また、基板12の他方面に貼着された反射防止シート18は、製品として求められるスペックに合わせて適宜市販品の中から選択して使用することが好ましく、例えば反射防止層(図示せず)とハードコート層(図示せず)と基材層(図示せず)とが積層され、片面に粘着材層を有する日油株式会社製のARシート,日本化薬株式会社製のARシートなどを用いることができる。
【0068】
また、基板12の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターン14は、図2に示したように規則的に円錐状の微細孔が配列されたものであり、凹部の深さHが100〜500nmの範囲内、凹部の幅Lが100〜500nmの範囲内、ピッチPが100〜500nmの範囲内に設定されたものである。ここでH/Lの値は1≦H/L≦3であることが好ましい。
【0069】
このようなモスアイ構造は、規則的な円錐状の微細孔を有する従来より公知の構造であって、このような構造を有する基板12は、厚み方向の屈折率が連続的に変化するため、基板12に光が当たっても、この光をほとんど反射させないという特性を有している。
【0070】
なお、モスアイ構造の極小パターン14は凸状に形成されていても良く、その場合にも凹部の場合と同様、凸部の高さHが100〜500nmの範囲内、凸部の幅Lが100〜500nmの範囲内、ピッチPが100〜500nmの範囲内に設定されることが好ましい。
【0071】
このような表示窓パネル10は、この基板12のモスアイ構造の極小パターン14が形成された一方面の光学特性と、基板12の他方面に貼着された反射防止シート18の光学特性とが異なるように設定されることが好ましい。
【0072】
本発明のおいては、基板12の一方面と他方面の2つの光学特性を変え、この2つを組み合わせることで、図3(a)に示した所定の波長帯域における光線透過率のグラフに記載された従来の1つの光線透過率の曲線(A)を、本発明の表示窓パネル10における一方面のモスアイ構造の光線透過率の曲線(B)と、他方面の反射防止シート18の光線透過率の曲線(C)との組み合わせで表現できる。
【0073】
また、図3(b)に示した所定の波長帯域における光線反射率のグラフに記載された従来の1つの光線反射率の曲線(a)についても、本発明の表示窓パネル10における一方面のモスアイ構造の光線反射率の曲線(b)と、他方面の反射防止シート18の光線反射率の曲線(c)との組み合わせで表現できる。
【0074】
このため、所望の反射防止効果を従来よりも容易に得ることができる。
【0075】
所定の波長帯域において要求される光線透過率および光線反射率は、表示窓パネル10の設計の考え方により求められる曲線に違いがある。
【0076】
光線透過率は設定波長に対してブロードな曲線が求められるが、光線反射率については求められる色目が青の場合には、ボトム波長を長波長側にすること、また求められる色目が赤色の場合には、短波長側にすることが求められる。
【0077】
光線反射率のボトム波長が存在しない光学特性の場合、求められる色目が青の場合には、青色の波長成分が赤色の波長成分より相対的に多く反射すること、求められる色目が赤の場合には、赤色の波長成分が青色の波長成分より相対的に多く反射することが求められる。
【0078】
そのため、所定の波長帯域における光線透過率・光線反射率を、モスアイ構造の極小パターン14と反射防止シート18の両方で、あえて変えることが好ましい。
【0079】
また、基板12の他方面に貼着された反射防止シート18は、反射防止層(図示せず)とハードコート層(図示せず)と基材層(図示せず)を積層したものであることが好ましい。
【0080】
このように構成されていれば、反射防止の機能に加えて、耐擦傷性や耐衝撃性を加えることができるため、特にデジタルカメラや携帯電話など、表示窓パネル10に直接触れたり、他の物品と衝突し易い環境下での使用であっても、表示窓パネル10を破損や傷などから保護することができる。
【0081】
さらに反射防止シート18に撥水性を持たせておけば、例えば水滴が飛散した際においても拭き取りが容易であり、視認性を早急に回復させることができる。
【0082】
反射防止シート18の撥水処理は、反射防止シートに撥水材を混合させるか、または撥水材を希釈した溶液を従来より公知の方法で塗布処理すれば良い。
【0083】
なお、反射防止シート18を基板12に貼着する粘着材16の厚みは、5〜30μmの範囲内に設定することが好ましく、このとき反射防止シート18の鉛筆硬度は3H〜Hである。鉛筆硬度は、粘着材16の厚みが薄いほど、HBから3Hに向かって硬度を増すこととなる。
【0084】
このように設定されていれば、基板12に対して安定して反射防止シート18が貼着され、且つ反射防止シート18の耐擦傷性を向上させることができるため好ましい。
【0085】
このように本発明の表示窓パネル10は、一方面にモスアイ構造の極小パターン14が形成され高透明性を有する板状の基板12と、この基板12の他方面に粘着材16を介して貼着された反射防止シート18の、2面それぞれが反射防止効果を得ることのできる構造および層であるため、2つの光学特性を組み合わせることで所望の反射防止効果を従来よりも容易に得ることができるものである。
【実施例】
【0086】
(実施例1)
本実施例における表示窓パネル10は、図1に示したように一方面にモスアイ構造の極小パターン14が形成され高透明性を有する板状の基板12を基材とし、この基板12の他方側面に粘着材16を介して反射防止シート18が貼着されている。この反射防止シート18には撥水性を持たせている。なお、反射防止シート18を基板12に貼着する粘着材16の厚みは10μmであり、この場合の反射防止シート18の鉛筆硬度は3Hであった。
【0087】
また、モスアイ構造の極小パターン14上には、部分的に印刷層20が形成されている。
【0088】
基板12の材質はPC(ポリカーボネート)である。
【0089】
モスアイ構造の極小パターン14は、図2に示したように規則的に凹みが配列されたものであり、凹みの深さHが100〜500nmの範囲内、凹みの幅Lが100〜500nmの範囲内、ピッチPが100〜500nmの範囲内である。反射防止シート18には日油株式会社製のARシートを用いた。
【0090】
本実施例における一方面のモスアイ構造の光学特性については、図4に示した所定の波長帯域における光線透過率・光線反射率のグラフから明らかなように、まず光線透過率は波長帯域450〜750nmでブロードである。また光線反射率は明確なボトム値を持っていない。
【0091】
他方面の反射防止シート18の光学特性について、光線透過率は波長帯域450〜750nmで明確なピークを持ち、波長564nmのとき光線透過率97.1%のピーク値をとる。また光線反射率については波長550nm近傍で光線反射率1.91%のボトム値をとる。
【0092】
上記のモスアイ構造および反射防止シート18を有する表示窓パネル10の光学特性として、光線透過率および光線反射率を株式会社日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計U−3010を用いて実測した。
【0093】
結果、反射防止シート18のピーク値を挟んだ領域がブロードな曲線となり、光線透過率については波長560nmのとき光線透過率97.3%のピーク値となった。
また光線反射率については波長560nm近傍で光線反射率0.9%のボトム値となった。
【0094】
したがって、モスアイ構造および反射防止シート18の2つを組み合わせて得られた表示窓パネル10の光学特性は、図4に示した従来の一つの光線透過率曲線および光線反射率曲線と略同等であり、2つの光学特性を組み合わせることで、所望の反射防止効果を得ることができることが確認できた。
【0095】
(実施例2)
本実施例における表示窓パネル10は、図5に示したように他方面の反射防止シート18について、光学特性が波長帯域450〜750nmで明確な光線透過率のピークを持ち、波長586nmのとき光線透過率97.7%のピーク値をとること、また光線反射率について、波長590nm近傍で光線反射率0.68%のボトム値をとること、さらに反射防止シート18を基板12に貼着する粘着材16の厚みを25μmとし、その場合の反射防止シート18の鉛筆硬度が2H〜Hであること以外については、実施例1と同様とし、表示窓パネル10の光線透過率および光線反射率を実測した。
【0096】
結果、反射防止シート18のピーク値を挟んだ領域がブロードな曲線となり、光線透過率は波長596nmのとき光線透過率96.0%のピーク値となった。
【0097】
また光線反射率については、波長555nm近傍で光線反射率1.9%のボトム値となった。
【0098】
したがって、2つの光学特性を組み合わせて得られた表示窓パネル10の光学特性は、
図5に示した従来の一つの光線透過率曲線および光線反射率曲線と略同等であり、2つの光学特性を組み合わせることで、所望の反射防止効果を得ることができることが確認できた。
【0099】
<表示窓パネル10の製造方法>
次に上記した表示窓パネル10の製造方法について説明する。
まず、図6(a)に示したように、タブ32が付いた板状の基板(タブ付き基板30)を射出成形で得るため、内部にタブ付き基板成形用空間を有し、上型22と下型24からなる金型26を準備する。
【0100】
次いで、図6(b)に示したように、金型26内のタブ付き基板成形用空間の一側面(図6(b)では下型24の底面)に、予めモスアイ構造の極小パターンの反転パターンが形成されたスタンパ28を装着する。
【0101】
このスタンパ28のモスアイ構造の極小パターンの反転パターンは、公知の技術により形成されたものであるが、例えばシリコンウエハからなるスタンパ基材の上に、φ100〜500nm程度のパウダーを並べ、この状態でパウダーの上からドライエッチング処理をすることで、モスアイ構造の極小パターンの反転パターンを形成する方法、φ100〜500nm程度の微粒子を真空成膜しその後真空成膜された微粒子の上からドライエッチング処理をすることでモスアイ構造の極小パターンの反転パターンを形成する方法、または電子ビームによるモスアイ構造の極小パターンの反転パターンを形成する方法、レジストのレーザーカッティングによりモスアイ構造の極小パターンの反転パターンを形成する方法など、公知の手法とスタンパ28の複製技術の応用で得ることができる。
【0102】
スタンパ28は、成形で樹脂が微細パターンに入り易いよう、凸状にモスアイ構造の極小パターンが形成されていることが好ましい。
【0103】
そしてこの状態で金型26を閉じ、図6(c)に示したように、金型26内に溶融された高透明性を有する合成樹脂、例えばポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタクリレイト(PMMA)またはシクロオレフィンポリマーを射出することで、一方面にモスアイ構造の極小パターン14が転写された高透明性を有する板状のタブ付き基板30を得る。
【0104】
なお、成形されたタブ付き基板30は、図8に示したような形状を有し、基板12の向かい合う両側端にタブ32,32がそれぞれ形成されたものである。このタブ32,32は、この後の製造工程において、タブ32,32を把持して工程を進めるために使用される箇所であり、製造を迅速化する上で非常に重要な部分である。
【0105】
タブ32,32の両側端の厚み方向の位置、およびタブ32,32の寸法は、使用する製造装置のハンドリング形態により最良の位置および寸法が決められるものである。
【0106】
また、射出成形で用いられる金型26においては、1ショットでタブ付き基板30を一つ成形可能な一個取りタイプであっても、一度に複数得られる多数個取りタイプであっても良いものである。
【0107】
次いでこのように射出成形により得られたタブ付き基板30は、図7(a)に示したように、その他方面に粘着材16を介して反射防止シート18が貼着されるが、この反射防止シート18の貼着前に、タブ付き基板30の他方面を既知の表面処理方法で、反射防止シート18の貼着性を促進させるようにしておくことが好ましい。
【0108】
なお、表面処理後にタブ付き基板30の他方面に貼着される反射防止シート18は、基板12よりも大きなサイズに設定されていることが好ましい。これはタブ付き基板30へ反射防止シート18を貼着する際に多少ズレが生じても、基板12全面に反射防止シート18が貼着されるからである。また反射防止シート18は、工程数低減のため、ロール状で基板12よりも大きなサイズで供給される。
【0109】
タブ付き基板30に反射防止シート18を貼着した後には、図7(b)に示したように基板の形状に合わせて反射防止シート18を、レーザーを用いてカットする。使用するレーザーは、紫外波長の短波長レーザーでもグリーンレーザーでも使用可能だが、コストパフォーマンスを考えるとCO2レーザーが好ましい。
【0110】
この反射防止シート18のカットの際には、まず荒切りを行い、次いで仕上げ切りを行うようにすることが好ましい。このように分けて行えば、反射防止シート18のカットを精度良く行うことができる。
【0111】
なお、回数については1回であってもまた2回以上であっても良く、最終形態である表示窓パネル10の大きさに合わせて精度よくカットができれば良いのでカットタクトおよび装置構成から考えて適宜回数を設定することが好ましい。
【0112】
次いで、この反射防止シート18を貼着したタブ付き基板30を画像検査し、シートのはみ出しなどが無く、カットが正しく行われているか否かを判断する。
【0113】
そして、この画像検査にて問題ないとされた、反射防止シート18を貼着したタブ付き基板30は、次いで図7(c)に示したように、タブ付き基板30の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターン14上に、部分的に印刷層20が形成される。印刷方法は特に限定されるものではないが、オフセット印刷法またはシルク印刷法またはインクジェット法およびそれらの方法を併用することで、細かなデザインであっても確実に印刷可能である。
【0114】
さらに、この印刷層20を定着させるために熱処理またはUV照射処置を施した後、これをオートクレーブ(図示せず)内に入れ、高圧処理することで目視不可能な微小気泡の除去を行う。
【0115】
最後にタブ付き基板30からタブ32をカットすることで、図1に示した表示窓パネル10が完成される。また外観品質の観点より基板30の稜線部についてさらに綺麗さを求められる場合には、レーザーカットで仕上げた稜線部をさらに機械加工でより綺麗に仕上げる場合もある。
【0116】
このような表示窓パネル10は、実際の出荷時には別途両面に保護シート(図示せず)を貼着して梱包され、この形態で出荷されるようになっている。
【0117】
このように、本発明の表示窓パネル10の製造方法は、少ない工程で表示窓パネル10を得ることができ、また従来のようにディップ(浸漬)成形を一度も行う必要がないため、製造装置も小型化可能で製造コストを抑えることができる。
【0118】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、種々の変更や追加が可能なものである。
【符号の説明】
【0119】
10・・・表示窓パネル
12・・・基板
14・・・モスアイ構造の極小パターン
16・・・粘着材
18・・・反射防止シート
20・・・印刷層
22・・・上型
24・・・下型
26・・・金型
28・・・スタンパ
30・・・タブ付き基板
32・・・タブ
H・・・凹部の深さ(凸部の高さ)
L・・・凹部の幅(凸部の幅)
P・・・ピッチ
100・・・表示窓パネル
102・・・シート
104・・・シート
106・・・大判基板
108a・・ハードコート層
108b・・ハードコート層
110a・・反射防止層
110b・・反射防止層
112a・・撥水層
112b・・撥水層
114・・・印刷層
200・・・大判パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の表示窓パネルであって、
前記表示窓パネルは、
一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成され高透明性を有する板状の基板と、
前記基板の他方面に粘着材を介して貼着された反射防止シートと、
から少なくとも構成されていることを特徴とする表示窓パネル。
【請求項2】
前記基板の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターン上に、部分的に印刷層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示窓パネル。
【請求項3】
前記基板のモスアイ構造の極小パターンが形成された一方面の光学特性と、基板の他方面に貼着された反射防止シートの光学特性とが、異なることを特徴とする請求項1または2に記載の表示窓パネル。
【請求項4】
前記光学特性が、所定の波長帯域における光線透過率であることを特徴とする請求項3に記載の表示窓パネル。
【請求項5】
前記基板のモスアイ構造の極小パターンの光学特性が、波長帯域450〜750nmでブロードな光線透過率であること、
および前記反射防止シートの光学特性が、波長帯域450〜750nmで明確な光線透過率のピークを持つこと、であることを特徴とする請求項4に記載の表示窓パネル。
【請求項6】
前記光学特性が、所定の波長帯域における光線反射率であることを特徴とする請求項3に記載の表示窓パネル。
【請求項7】
前記基板のモスアイ構造の極小パターンの光学特性が、波長帯域450〜750nmで明確な光線反射率のボトムを持たないこと、
および前記反射防止シートの光学特性が、波長帯域450〜750nmで明確な光線反射率のボトムを持つこと、であることを特徴とする請求項6に記載の表示窓パネル。
【請求項8】
前記基板の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターンは、凸状または凹状に形成されたものであって、
凸部の高さまたは凹部の深さが100〜500nmの範囲内、凸部または凹部の幅が100〜500nmの範囲内、ピッチが100〜500nmの範囲内で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示窓パネル。
【請求項9】
前記反射防止シートが、反射防止層とハードコート層と基材層とを積層してなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の表示窓パネル。
【請求項10】
前記反射防止シートが、撥水性を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示窓パネル。
【請求項11】
前記基板の他方面に反射防止シートを貼着するための粘着材の厚みが、5〜20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の表示窓パネル。
【請求項12】
前記基板の他方面に形成された反射防止シートが、前記表示窓パネルの最表面に配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の表示窓パネル。
【請求項13】
電子機器の表示窓パネルの製造方法であって、
前記表示窓パネルの製造方法は、
板状のタブ付き基板を射出成形で作成するため、内部にタブ付き基板成形用空間を有する金型を準備する工程と、
前記金型内のタブ付き基板成形用空間の一方面に、モスアイ構造の極小パターンの反転パターンが形成されたスタンパを装着する工程と、
前記金型内に溶融樹脂を射出し、一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成された高透明性を有する板状のタブ付き基板を成形する工程と、
前記タブ付き基板の他方面に、粘着材を介して反射防止シートを貼着する工程と、
前記タブ付き基板からタブをカットする工程と、
を少なくとも有することを特徴とする表示窓パネルの製造方法。
【請求項14】
前記金型内に溶融樹脂を射出し、一方面にモスアイ構造の極小パターンが形成された高透明性を有する板状のタブ付き基板を成形する工程の後、
さらに前記タブ付き基板の一方面に形成されたモスアイ構造の極小パターン上に、部分的に印刷層を形成する工程を有することを特徴とする請求項13に記載の表示窓パネルの製造方法。
【請求項15】
前記印刷層を形成する工程の後、さらに熱処理またはUV照射処理を加える工程を有することを特徴とする請求項14に記載の表示窓パネルの製造方法。
【請求項16】
前記タブ付き基板に、粘着材を介して反射防止シートを貼着する工程における前記反射防止シートが、
前記タブ付き基板のタブを除いた基板より大きなサイズであって、
前記タブ付き基板の他方面に反射防止シートを貼着した後、前記反射防止シートを前記基板の形状に合わせてカットすることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の表示窓パネルの製造方法。
【請求項17】
前記反射防止シートが、ロール状であることを特徴とする請求項16に記載の表示窓パネルの製造方法。
【請求項18】
前記反射防止シートのカットに、レーザーを使用することを特徴とする請求項16または17に記載の表示窓パネルの製造方法。
【請求項19】
前記反射防止シートのカットが、複数回に分けて行われることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の表示窓パネルの製造方法。
【請求項20】
前記反射防止シートをカットした後、
前記反射防止シートが、所定の位置で正確にカットされているか否かを画像検査にて判断する工程を有することを特徴とする請求項16から19のいずれかに記載の表示窓パネルの製造方法。
【請求項21】
前記反射防止シートに対する最終カット工程の後、前記反射防止シートが貼着された基板をオートクレーブ内に入れて気泡除去を行う工程を有することを特徴とする請求項16から20のいずれかに記載の表示窓パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−79987(P2013−79987A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28982(P2010−28982)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(597060427)中谷産業株式会社 (7)
【Fターム(参考)】