説明

表示装置、その機能制限方法、及びその機能制限プログラム

【課題】解除キーを忘れにくい表示装置を提供する。
【解決手段】表示部11を備え、コンテンツ表示制御部51により表示部11に表示したコンテンツのコンテンツ名称を制限の解除キーとして設定する解除キー設定部54と、コンテンツの表示後に制限の解除操作が開始された場合、解除キーとして設定されたコンテンツのコンテンツ名称を少なくとも含むコンテンツ名称の一覧を表示部11に表示する一覧表示制御部51と、表示されたコンテンツ名称一覧からコンテンツ名称を選択する選択部55と、解除キーのコンテンツ名称が選択された場合に制限を解除し、解除キー以外のコンテンツ名称が選択された場合に制限を維持する解除制御部56とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を備えた装置において制限された機能を解除する方法に関し、特に表示機能の制限を解除する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示部を備えた装置(以下、表示装置と記載)で表示されるコンテンツにパスワードを設定しておき、コンテンツを開く前にパスワードの入力を要求することで、第三者によるコンテンツの閲覧を防止する機能が知られている。しかし、パスワードによる方法は文字及び/又は数字で入力されるため、一般的にキーボードを備えない表示装置では実施が困難である。又、パスワードは日常的に使用していないと忘却しやすく、長期間が経過した後に正当な使用者が表示装置で当該コンテンツを閲覧しようとしても、パスワードが思い出せないで閲覧できないことがある。
【0003】
又、表示装置の中には、表示部の画面上のカーソルを移動させる方向キーとカーソル位置の表示内容に決定する決定キーは備えるが、文字及び/又は数字の入力キーを備えていないものがある。そのような表示装置でパスワード等を入力する場合には、例えば、画面上に仮想キーボードを表示し、方向キーと決定キーで一文字ずつ入力することで文字入力は可能になる。しかし、仮想キーボードで入力する方法は、実際のキーボードによる入力方法と比較して入力時間が多く必要である。
【0004】
そのような表示装置として、例えば、表示部と方向キーと決定キーを有するデジタルカメラが知られている。そのようなデジタルカメラには、一般的にテンキー及び又は文字入力キーは設けられず、撮影された画像コンテンツが記憶される。記憶された画像コンテンツの中の一つが、予め表示制限を解除するために画像コンテンツとして設定される。その後、撮影した画像コンテンツを表示部に表示させる際には、当該デジタルカメラは、解除用を含む各画像コンテンツをサムネイル等に縮小して一覧表示し、その中から解除用の画像コンテンツが選択された場合に、画像コンテンツの表示制限を解除して閲覧を可能にするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−32542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたデジタルカメラでは、表示制限の解除用の画像コンテンツを予め設定しておく必要があり、使用頻度が低い場合には、装置の使用者が解除用の画像コンテンツを忘れやすいという問題があった。そこで本発明は、上記の課題を解決するために、解除用のコンテンツを忘れにくい表示装置とその制限方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る表示装置は、表示部を備えた表示装置であって、表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を、表示装置の所定機能の制限を解除できる解除用固有文字列として設定する解除用文字列設定部と、解除用固有文字列と、解除用固有文字列と異なり前記制限を解除できない解除不能固有文字列と、を列挙した制限解除用一覧を前記表示部に表示させる表示制御部と、表示部に表示された制限解除用一覧から少なくとも一つの固有文字列を選択する選択部と、制限解除用一覧から解除用固有文字列が選択された場合には、所定機能の制限を解除し、解除不能固有文字列が選択された場合には、所定機能の制限を解除しない解除制御部とを有する。
本実施態様では、表示部に表示されたコンテンツのコンテンツ対応固有文字列を制限解除用のコンテンツとして設定できるので、制限解除用のコンテンツを表示装置の使用者が忘れにくくすることができる。
【0008】
本実施態様では、表示部に、例えば最近表示されたコンテンツに対応する固有文字列を解除用固有文字列として、その解除用固有文字列を含む複数の固有文字列が列挙された制限解除用一覧を表示し、そこから解除用固有文字列が選択された場合に機能制限を解除する。この場合、一覧中の解除用固有文字列以外は、最近表示されていないコンテンツに対応する固有文字列である。表示装置の使用者の記憶は、表示されていたコンテンツに無関係な固有文字列よりも、表示されていたコンテンツに関係のある内容の方が関連して記憶できるため忘れにくくなっている。従って、表示装置の使用者は、制限解除用一覧から自分の最近の記憶で表示されていたコンテンツの固有文字列を選択すればよい。このように本実施態様では、制限解除用のコンテンツが表示されていたコンテンツに無関係な文字列である場合に比べて、使用者の制限解除用のコンテンツについての記憶を忘れにくくすることができる効果が得られる。
【0009】
それに対して例えば特許文献1に記載されたデジタルカメラでは、一覧表示される各画像コンテンツは全て使用者により撮影された画像であるので、使用者の記憶中では、撮影時の記憶は全画像について同様であり、制限解除用に選択された画像のみが忘れにくくなっているわけではない。また、解除キーは定期的な変更が望ましいが、制限解除用に選択された画像のみとする場合には、定期的な変更が必要となり、記憶から忘れやすい。従って、特許文献1のデジタルカメラでは、何れの画像が制限解除用の画像であるかを忘れにくくできるわけではない。
【0010】
本明細書で用いる「コンテンツ」とは、本発明の表示装置に表示される内容の総称を示す。表示される内容が画像である場合には画像コンテンツとなる。表示される内容が文字を含む文書である場合には文書コンテンツとなる。表示装置内の記憶部に、各コンテンツは個別に記憶される。
【0011】
各コンテンツには、各々を識別するために各コンテンツに対応する一文字以上の固有文字列が設定される。このコンテンツに対応する「固有文字列」は、例えば「名称」である。表示装置は、一つのコンテンツが固有文字列により指定されると、そのコンテンツを記憶部から読み出して表示する。表示装置においてコンテンツを指定する場合は、例えば、コンテンツ対応固有文字列を一覧表示させ、その中から指定する。
【0012】
フォルダは、例えば複数のコンテンツをまとめて入れて管理できる入れ物と考えることができる。尚、フォルダは、複数のコンテンツを格納できるが、コンテンツが1個や全く無い場合もある。表示装置でコンテンツを指定する場合、フォルダ内の各コンテンツの対応固有文字列が一覧表示される。その際に、各コンテンツ対応固有文字列としてその各コンテンツの入れ物の各コンテンツ対応固有文字列を一覧表示してもよい。
【0013】
好ましくは、請求項2に係る本発明のように、解除用文字列設定部は、表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を解除用固有文字列として設定するようにしてもよい。
本実施態様では、所定のタイミングで表示されたコンテンツを解除用固有文字列に設定できるので、表示装置の使用者が解除用固有文字列をより忘れにくいようにできる。
【0014】
好ましくは、請求項3に係る本発明のように、表示装置が、表示部にコンテンツが表示されてからの時間を計測するタイマを有し、タイマで所定時間が経過した場合に、表示部への電力供給の遮断を含んで表示装置を省電力動作させる機能、又は、表示部を保護するスクリーンセーバー機能を有している場合、表示制御部は、省電力動作の機能又はスクリーンセーバー機能が開始される前に、表示画像から少なくともコンテンツ対応固有文字列の表示を削除するようにしてもよい。
本実施態様では、表示装置が省電力動作機能又はスクリーンセーバー機能を備えている場合でも、当該機能が開始される前にコンテンツ対応固有文字列を削除することで、当該機能の実施状態から復帰したときにコンテンツ対応固有文字列が表示されないようにできるので、第三者によるコンテンツの閲覧を防止することができる。
【0015】
好ましくは、請求項4に係る本発明のように、表示装置が、電源供給が遮断されても表示画像を保持する不揮発性の表示装置である場合、表示制御部は、電源供給が遮断される前に、表示画像からコンテンツ対応固有文字列の表示を削除するようにしてもよい。
本実施態様では、表示装置が不揮発性の表示装置でも、電源供給が遮断される前にコンテンツ対応固有文字列を削除することで、電源供給が再開されてもコンテンツ対応固有文字列が表示されていないようにできるので、本発明のセキュリティ機能を得ることができる。
【0016】
好ましくは、請求項5に係る本発明のように、所定機能の制限は、コンテンツを表示部に表示する機能を制限するようにしてもよい。
本実施態様では、コンテンツデータの内容は表示により出力される比率が高いことから、コンテンツの表示機能を制限することにより、充分なセキュリティ効果を得ることができる。
【0017】
所定機能の制限とは、例えば表示装置において選択されたコンテンツの内容を表示させる機能の制限である。この制限を解除することにより、表示装置は、選択されたコンテンツを表示することができる。尚、制限される所定機能としては、表示機能に限らず、一覧表示機能とその一覧表示から選択入力する機能が制限されなければ、他の表示機能、他の入力機能、音声出力機能等を制限してもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の請求項6に係る表示装置の機能制限方法は、表示部を備えた表示装置の機能を制限する機能制限方法であって、表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を、表示装置の所定機能の制限を解除できる解除用固有文字列として設定する解除用文字列設定工程と、解除用固有文字列と、解除用固有文字列と異なり制限を解除できない解除不能固有文字列と、を列挙した制限解除用一覧を表示部に表示させる表示制御工程と、表示部に表示された制限解除用一覧から少なくとも一つの固有文字列を選択する選択工程と、制限解除用一覧から解除用固有文字列が選択された場合には、所定機能の制限を解除し、解除不能固有文字列が選択された場合には、所定機能の制限を解除しない解除制御工程とを有する。
本実施態様の機能制限解除方法は、本発明の請求項1と同様な効果が得られる。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の請求項7に係る表示装置の機能制限プログラムは、表示部を備えた表示装置の機能を制限する機能制限プログラムであって、表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を、表示装置の所定機能の制限を解除できる解除用固有文字列として設定する解除用文字列設定プログラムと、解除用固有文字列と、解除用固有文字列と異なり制限を解除できない解除不能固有文字列と、を列挙した制限解除用一覧を表示部に表示させる表示制御プログラムと、表示部に表示された制限解除用一覧から少なくとも一つの固有文字列を選択する選択プログラムと、制限解除用一覧から解除用固有文字列が選択された場合には、所定機能の制限を解除し、解除不能固有文字列が選択された場合には、所定機能の制限を解除しない解除制御プログラムとを含む。
本実施態様の機能制限プログラムは、本発明の請求項1と同様な効果が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の表示装置によれば、表示部に表示したコンテンツのコンテンツ対応固有文字列を、前記制限の解除用固有文字列として設定するので、表示装置の使用者が解除用固有文字列を忘れにくいようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態の表示装置の外観及び表示部の画面を示す図である。
【図2】本実施形態の表示装置の概略のハードウエア構成と記憶部内の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の表示装置における主制御部内の概略の機能ブロック構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態の表示装置1の全体的な動作を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS4のコンテンツを選択する処理の詳細フローチャートである。
【図6】図5のフローチャートの一部のステップにおける表示画面の一例を示す図である。
【図7】図4のステップS6において選択されたコンテンツに解除用コンテンツ名称を設定する処理をより詳しく示すフローチャートである。
【図8】図4のステップS7における制限解除方法を設定する処理をより詳しく示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の表示装置の実施の形態について、以下に図面を用いながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態の表示装置の外観及び表示部の画面を示す図である。以下、本実施形態は、固有文字列が名称の場合であり、コンテンツを指定するために表示部の画面上のコンテンツ名称一覧からコンテンツ名称が選択される場合について説明する。
【0024】
表示装置1は、少なくとも表示装置1で実行する内容のメニュー画面、コンテンツ名称一覧及びコンテンツの内容を画面に表示できる表示部11と、表示部11上の表示から選択した内容を入力できる入力部12を備えている。
【0025】
表示部11は、コンテンツ名称一覧を表示する際には、例えば、装置内部に記憶された複数のコンテンツの名称を選択して一覧表示する。記憶されているコンテンツ名称が一覧に表示される数よりも多い場合は、表示部11は、コンテンツ名称を選択して一覧表示する。コンテンツ名称一覧としては、コンテンツの通常の選択に用いられる通常選択用コンテンツ名称一覧と、表示装置の機能制限を解除する際に用いられる制限解除用コンテンツ名称一覧が用いられる。
【0026】
表示部11としては、例えば電気泳動式の表示パネル等の不揮発性の表示パネル、又は液晶等の揮発性の表示パネルを用いることができる。不揮発性の表示パネルの場合は、電源供給が遮断されても最後の表示が維持されるが、揮発性の表示パネルの場合は、電源供給が遮断されると表示が消失する。
【0027】
表示装置1が表示スクリーンセーバー機能又は省電力動作機能、自動的に電源OFFになるオート電源OFF機能等(以下の本明細書の記載では、省電力動作機能にオート電源OFF機能等の電源関係の省エネルギ機能を含むこととする)を有している場合には、表示部11にコンテンツ等の一画面の表示がされてからの時間が後述するタイマ25等で計時される。そして、表示スクリーンセーバー機能又は省電力動作機能に予め設定された所定時間が経過すると、表示スクリーンセーバー機能では、表示されていた画面とは異なる画面保護用の設定画面が表示され、省電力動作機能では電源が遮断され、表示部11がLCD等の揮発性の場合、画面表示が消える。しかし、表示装置1が省電力動作機能を有していて、表示部11が電気泳動式の表示パネル等の不揮発性の場合、最後の表示画面が維持される。
【0028】
入力部12は、少なくとも表示部11の画面上に表示されたカーソルを上下左右方向に移動させる方向キー15〜18と、カーソル位置の表示内容を入力する決定キー19を有している。上方向キー15はカーソルを上方向に移動させ、右方向キー16はカーソルを右方向に移動させ、下方向キー17はカーソルを下方向に移動させ、左方向キー18はカーソルを左方向に移動させる。例えば、表示部11の画面上に制限解除用コンテンツ名称一覧が表示されている場合には、方向キー15〜18によりカーソルを解除用コンテンツ名称に合わせてから決定キー19を押すことにより、解除用コンテンツ名称を選択することができる。
【0029】
図1に示された制限解除用コンテンツ名称一覧61は、表示装置1の制限を解除するために表示部11に表示されるコンテンツ名称一覧の一例である。本実施形態で制限される機能は、選択されたコンテンツ名称でコンテンツの内容を表示する機能である。制限解除用コンテンツ名称一覧61では、例えば、1個のコンテンツ名称が表示制限を解除できる解除用コンテンツ名称であり、残りのコンテンツ名称が表示制限を解除できないダミーコンテンツ名称である。尚、解除用コンテンツ名称は1個に限らず、複数のコンテンツ名称を解除用コンテンツ名称として用いてもよい。
【0030】
制限解除用コンテンツ名称一覧61におけるコンテンツ名称の表示数Pは、第三者が偶然に解除用コンテンツ名称を選択する確率が低くなる数に設定される。表示数Pが多くなれば第三者による選択確率は低下するのでセキュリティ効果のレベルは上がり、逆に表示数Pが少なくなればセキュリティ効果のレベルは下がる。
【0031】
図1に示したように制限解除用コンテンツ名称一覧61中のコンテンツ名称の表示数Pが30個である場合、解除用コンテンツ名称を第三者が偶然に選択する確率は1/30(約3.3%)である。セキュリティ効果のレベルを向上させるために表示数Pを100にした場合、解除用コンテンツ名称を第三者が偶然に選択する確率は1/100(1%)である。要求されるセキュリティ効果のレベルは、表示装置が使用される状況等により個々に異なるが、例えば要求されるセキュリティのレベルが高くなく簡易的なセキュリティでよい等の場合には、偶然の選択確率が1/30、及び、1/100というレベルは、実用的に充分なセキュリティ効果が得られるレベルと考えられる。逆に、表示数Pを5にした場合の、偶然の選択確率が1/5(20%)というレベルは、充分なセキュリティ効果を得るには難しいレベルと考えられる。
【0032】
図2は、本実施形態の表示装置の概略のハードウエア構成と記憶部内の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
表示装置1の中には、ハードウエア構成として上記した表示部11及び入力部12の他に、主制御部21、外部記憶部22、外部記憶インターフェース(I/F)23、タイマ25、電源部26を有している。
【0033】
主制御部21は、外部記憶部22へのコンテンツのデータの格納を制御し、外部記憶部22に格納されたコンテンツの表示部11への出力を制御する。主制御部21は、例えば、内部バスにより接続されたCPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33を有する。
【0034】
CPU31は、表示装置1で用いられる各種処理プログラムに基づいて演算処理等を実行する演算素子である。ROM32は、表示装置1で用いられる各種処理プログラム等のソフトウエア及び処理に用いられるデータ等を記憶する記憶素子である。RAM33は、表示装置1で用いられる各種処理プログラムの作業領域であると共に、各種処理に用いられるデータ等を一時的に保持する記憶素子である。尚、主制御部21としては、上記したCPU等に限られるものではなく、本実施形態の処理を実行可能である他の集積回路を用いてもよい。
【0035】
外部記憶部22は、例えばメモリーカードのように書き換え可能である不揮発性のフラッシュメモリ等を内蔵する記憶装置であり、表示装置1に表示されるコンテンツのデータ及び名称、及び、表示装置1のセキュリティに関係するデータ等を記憶する。
【0036】
外部記憶I/F23は、表示装置1に外部記憶部22を機械的及び電気的に接続するインターフェースであり、外部記憶部22に記憶されたコンテンツのデータを表示装置1への読み出し等を可能にする。
【0037】
タイマ25は、表示部11に一つの画面が表示されてからの表示時間を計測し、計測した時間を主制御部21に出力する。タイマ25は、例えば、タイマ計時に連動して表示部11の画面を変更又は非表示にする機能を有している場合、又は、画面表示されてから所定時間をタイマ計時しても次の入力が無く初期画面に戻す機能を有している場合等に用いられる。
【0038】
電源部26は、例えば、電池、充電池、商用電源等からの電圧を表示装置1内の各部に適した電圧に変換して供給する。尚、電源部26に充電池を用いる場合には、充電効率を上げると共に充電池の寿命を延ばすために充電電流を制御する充電コントローラを設けてもよい。
【0039】
図3は、本実施形態の表示装置における主制御部内の概略の機能ブロック構成の一例を示すブロック図である。
図3の外部記憶部22の中には、内部の記憶ブロックとしてコンテンツ記憶部42と、解除用コンテンツ名称記憶部43と、パスワード記憶部45を有している。
【0040】
図3は、本実施形態の表示装置における主制御部内の概略の機能ブロック構成の一例を示すブロック図である。
図3の外部記憶部22の中には、内部の記憶ブロックとしてコンテンツ記憶部42と、解除用コンテンツ名称記憶部43と、パスワード記憶部45を有している。
【0041】
コンテンツ記憶部42は、外部から入力されたコンテンツのデータを記憶する。コンテンツ記憶部42に格納されるコンテンツのデータには、少なくともコンテンツの内容(コンテンツ内容記憶部93)とコンテンツ名称(コンテンツ名称記憶部91)が含まれる。コンテンツ記憶部42の各コンテンツのデータ中には、表示制限の有無のデータ又は解除用コンテンツ名称記憶部43を参照するか否かのデータを含ませても良い。
【0042】
解除用コンテンツ名称記憶部43は、後述する解除用コンテンツ名称設定部54によりコンテンツの表示制限を解除する解除用コンテンツ名称として設定されたコンテンツ名称を、表示制限されたコンテンツと対応させて記憶する。
【0043】
パスワード記憶部45は、表示制限の解除方法がパスワード入力に切り替わった場合の、第1セキュリティレベルのコンテンツに対応する表示制限を解除するためのパスワードを記憶する。
【0044】
パスワード記憶部45は、表示制限の解除方法がパスワード入力に切り替わった場合のパスワードを記憶する。
【0045】
図3の主制御部21内の各機能ブロックは、例えば、図2に示した主制御部21で各種の処理プログラムが実行されることにより達成される機能を示すブロックである。
【0046】
表示制御部51は、表示部11に表示する内容を制御し、例えば表示制限を解除する前には制限解除用コンテンツ名称一覧61を表示し、表示制限が解除された後にはコンテンツの内容又は通常選択用コンテンツ名称一覧を表示する。尚、何れのコンテンツ名称一覧も、文字の表示であるので画像の表示と比較して迅速に表示することができる。
【0047】
又、表示制御部51は、コンテンツ記憶部42に記憶されたコンテンツの内、表示制限の設定されているコンテンツについては、当該コンテンツが選択されても、解除用コンテンツ名称の選択入力を受けるまでは表示を制限し、制限が解除されているコンテンツについては、コンテンツ記憶部42から当該コンテンツを読み出して、表示部11に表示する。
【0048】
又、表示制御部51は、例えば表示部11が不揮発性の場合で直前に表示されていたコンテンツを再表示させる場合の表示機能の制限をする前に、表示部11の画面からコンテンツ名称と当該コンテンツが収容された場所を示す情報を削除する。これにより、不揮発性の表示部11の画面上にコンテンツ名称が残存することから解除用コンテンツ名称が第三者に判別しやすくなる事態を避けることができる。
【0049】
一覧生成部52は、外部記憶部22に記憶されたコンテンツ等のデータからコンテンツ名称の一覧を生成し、例えば表示制限を解除する時に制限解除用コンテンツ名称一覧61を生成し、表示制限が解除された後に通常選択用コンテンツ名称一覧を生成する。制限解除用コンテンツ名称一覧を生成する時には、一覧生成部52は、コンテンツ記憶部42に記憶されている実際のコンテンツ名称から選択する。
【0050】
本実施形態では、制限解除方法を、(a)「表示部11に表示されたコンテンツのコンテンツ名称を一覧から選択して制限解除する方法」と、(b)「パスワードの入力が予め決定された解除用パスワードと一致した場合に表示制限を解除する方法」とから、選択して設定することができる。そして、解除用コンテンツ名称設定部54は、表示部11に最後に表示されたコンテンツ名称を、その最後の表示が終了する前に、解除用コンテンツ名称に設定して、解除用コンテンツ名称記憶部43に格納する。これにより、表示画面の電源オフ時に最後に表示されていたコンテンツ名称を制限解除用のキー(解除用コンテンツ名称)とすることができる。ここで、表示画面の電源オフ時には、通常の電源スイッチを切ることのほかに、省電力機能により、画面部分への電力供給が無くなる場合と、スクリーンセーバー等の画面保護機能により、表示画面が一旦閉じられて保護用の画面に切り替わる場合を含むこととする。
【0051】
本実施形態の解除用コンテンツ名称設定部54は、上記した表示画面の電源オフ時に最後に表示されていたコンテンツ名称を解除用コンテンツ名称として設定するほかに、最近、表示されたコンテンツ名称を一覧生成部52により一覧表示させて、その中から選んだ一つのコンテンツ名称を解除用コンテンツ名称として設定してもよい。解除用コンテンツ名称は、表示制限の設定されたコンテンツと対応させて解除用コンテンツ名称記憶部43に記憶される。その際に解除用コンテンツ名称設定部54は、コンテンツ記憶部42内の各コンテンツのデータ中に、表示制限の有無のデータ又は解除用コンテンツ名称記憶部43を参照するデータを含ませるようにしてもよい。
【0052】
尚、本実施形態では、表示されたコンテンツの名称を解除用コンテンツ名称として設定する所定のタイミングとして、表示画面の電源オフ時に最後に表示されていたものを設定したが、その他のタイミングで表示されるコンテンツの名称を用いてもよい。例えば、予め使用者が認知していれば、その日の最初に表示したコンテンツ名称を解除用コンテンツ名称として用いるようにしてもよい。あるいは、最初又は最後に表示されたコンテンツではなく、使用者が指定した順番で表示されたコンテンツの名称を解除用コンテンツ名称として用いてもよい。
【0053】
選択部55は、入力部12により、表示部11に表示された制限解除用コンテンツ名称一覧61から一つのコンテンツ名称を選択する。又、選択部55は、制限解除用コンテンツ名称一覧61から上限が定められた複数回、コンテンツ名称を選択できるようにしてもよい。
【0054】
解除制御部56は、表示制御部51と一覧生成部52により制限解除用コンテンツ名称一覧61を表示させ、その中から選択部55により選択されたコンテンツ名称が解除用コンテンツ名称か否かを判断する。選択されたコンテンツ名称が解除用コンテンツ名称である場合、解除制御部56は、表示制限が設定されたコンテンツの制限を解除する。選択されたコンテンツ名称が解除用コンテンツ名称以外である場合、解除制御部56は、コンテンツの表示制限を維持し、解除方法を後述するパスワード制御部111によるパスワード入力で解除する方法に変更する。
【0055】
また、解除制御部56は、この解除処理を後述するカウント部58で計数された回数が所定値N(Nは正の整数で例えば「3」等)に達するまで繰り返すことができるようにしてもよい。さらに解除制御部56は、カウント部58で計数された回数が所定値Nに達した場合に、解除方法をパスワード入力で解除する方法に変更してもよい。
【0056】
処理プログラム記憶部57は、表示装置1の各種の処理プログラムを記憶し、少なくとも上記した表示制御部51、一覧生成部52、解除用コンテンツ名称設定部54、選択部55、及び、解除制御部56の処理を主制御部21で実行させるプログラムと、表示装置1にコンテンツの内容を表示させるプログラムを格納している。
【0057】
カウント部58は、制限解除用コンテンツ名称一覧61から選択部55で解除用コンテンツ名称の選択に失敗した回数を計数する。カウント部58が計数した選択回数を通知することで、解除制御部56では、制限解除用コンテンツ名称一覧から選択する回数を所定値Nに達するまでに上限を制限できる。これにより表示装置1では、セキュリティ効果が必要以上に低減することを抑制でき、所定値Nに達した場合のパスワード入力による解除方法への変更を可能にできる。
【0058】
パスワード制御部111は、表示制御部51により表示部11へパスワード入力画面を表示させて、入力部12からパスワードを入力させ、入力されたパスワードとパスワード記憶部45に予め記憶されている解除用のパスワードとを照合し、一致した場合に機能制限を解除する。これにより表示装置1では、正当な使用者が忘却又は選択ミスにより選択回数が所定値N以上になった場合に、パスワード入力により救済することができる。
【0059】
パスワード解除制御部111は、カウント部58でパスワード入力回数を計数するようにしてもよい。その場合のパスワード解除制御部111は、カウント部で計数された回数が所定値M(Mは正の整数:例えば「3」等である)を超えた場合には制限を維持して解除処理を終了する。又、パスワード解除制御部111は、解除制御部56内に設けられても良い。その場合の表示装置1では、所定値M回まで再入力できることで、正当な使用者のパスワードの単純な入力エラーを救済することができる。
【0060】
このように本実施形態の表示装置1では、表示部に表示したコンテンツのコンテンツ名称、特に最後(又は所定のタイミング)に表示したコンテンツのコンテンツ名称を、表示制限の解除用固有文字列として設定できるので、表示されていたコンテンツに無関係な文字列を制限解除用のコンテンツに設定する場合と比較して、表示装置1の使用者が解除用コンテンツ名称を忘れにくいようにすることができる。
又、表示装置が省電力動作機能又はスクリーンセーバー機能を備えている場合でも、本実施形態では、当該機能が開始される前にコンテンツ対応固有文字列を削除できるので、当該機能の実施状態から復帰したときの表示画像にコンテンツ名称が表示されないようにできる。これにより、本実施形態では、第三者によるコンテンツの閲覧を防止することができる。
又、本実施態様では、表示装置が不揮発性の表示装置でも、電源供給が遮断される前にコンテンツ対応固有文字列を削除するので、電源供給が再開されたときにコンテンツ名称が表示されていないようにできる。これにより本実施形態では、第三者によるコンテンツの閲覧に対して、高いセキュリティ効果を得ることができる。
又、本実施態様では、コンテンツデータの内容は表示により出力される比率が高いことから、コンテンツの表示機能を制限することにより、充分なセキュリティ効果を得ることができる。
【0061】
図4は、本実施形態の表示装置1の全体的な動作を示すフローチャートである。
表示装置1は、不図示の電源スイッチを使用者によりオンされると、各部に異常があるか否かの自己診断を行い、異常がなければ起動させ(S1)、最初のメニュー画面を表示部11に表示する(S2)。メニュー画面には、選択可能な項目として「1.コンテンツ選択(及び、解除用コンテンツ名称の設定)」、「2.制限解除方法の設定」、「3.その他」の3項目が表示される。入力部12によりメニュー画面から一項目が選択され(S3)、選択された処理が実行される。以下、上述した3つの項目に対応する処理を、各項目に分けて説明する。
【0062】
(1)「1.コンテンツ選択」が選択された場合には、コンテンツの選択処理が実行されて表示部11に通常選択用コンテンツ名称一覧画面が表示され、その中から表示させるコンテンツが選択される(S4)。しかし、選択されたコンテンツに表示制限が設定されている場合には、先に解除用コンテンツ名称の一覧画面が表示され、解除用コンテンツ名称が選択されることにより制限が解除されてコンテンツの内容を表示することができる(S5)。コンテンツの表示が終了する場合には、例えば、その表示されているコンテンツのコンテンツ名称が、次に表示する場合の表示制限を解除するための解除用コンテンツ名称として設定される(S6)。その際に、解除用コンテンツ名称が前回表示されていたコンテンツの名称であることを示すためにフラグ等を利用してもよい。解除用コンテンツ名称が設定されると、再度、そのコンテンツに対する表示が制限され、ステップS2に戻ってメニュー画面が表示される。
【0063】
又、コンテンツの表示を終了させる場合のうちで、タイマ連動のスクリーンセーバー機能により表示を終了させる場合には、表示から所定時間後にスクリーンセーバー機能の保護画面に変更され表示が終了する。又、省電力動作機能により表示を終了させる場合には、表示装置1中の表示部11への電源供給が遮断されて表示が終了する。
【0064】
(2)「2.制限解除方法の設定」が選択された場合には、主制御部21に、使用者にとってより制限を解除しやすい方法を選択して設定することができる(S7)。制限解除方法としては、(a)「表示部11に表示されたコンテンツのコンテンツ名称を一覧から選択して制限解除する方法」と、(b)「パスワードの入力が予め決定された解除用パスワードと一致した場合に表示制限を解除する方法」と、から何れかが選択されて設定される。設定内容は、外部記憶部22に格納される。
【0065】
解除方法が(a)に設定されている場合は、まず解除用コンテンツ名称が決定され、それを含む解除用のコンテンツ名称一覧を表示させる。そして、そこから解除用コンテンツ名称が選択された場合に、その解除用コンテンツ名称のコンテンツを表示部11に表示する。そこから解除用コンテンツ名称が選択されなかった場合には、例えば、解除用のコンテンツ名称一覧を表示させて再選択させることも可能であるが、本実施形態では(b)のパスワードによる方法に変更する。
【0066】
又、上記の解除用コンテンツ名称の決定は、例えば、表示部11に最後(又は所定のタイミング)に表示されたコンテンツのコンテンツ名称を解除用コンテンツ名称に設定すればよい。あるいは、最近表示されたコンテンツのコンテンツ名称を一覧表示し、そこから一つのコンテンツ名称を解除用コンテンツ名称に設定してもよい。
【0067】
解除方法が(b)に設定されている場合は、パスワード一致の確認後、表示部11に最後に表示されていたコンテンツを再表示させるか、通常選択用コンテンツ名称一覧を表示させ、そこから選択されたコンテンツを表示部11に表示させる。
【0068】
(3)「3.その他」が選択された場合には、データ転送等のその他の処理が実施される(S8)。外部機器からコンテンツのデータを表示装置1に転送する場合、表示装置1は、外部機器に対してコンテンツの転送を要求し、コンテンツが転送されてきたら受信して外部記憶部22に格納する。なお、図4のフローチャートでは最初にメニュー画面を表示させて(S2)選択させる(S3)が、本発明はそれに限らず、電源起動(S1)の直後に予め設定された設定の処理が実施されても良い。
【0069】
図5は、図4のステップS4のコンテンツを選択する処理の詳細フローチャートである。図6は、図5のフローチャートの一部のステップにおける表示画面の一例を示す図である。
解除制御部56は、解除用コンテンツ名称記憶部43に格納されている解除用コンテンツ名称が、前回の最後(又は所定のタイミング)に表示されたコンテンツのコンテンツ名称であることを確認する。解除用コンテンツ名称記憶部43に前回の最後(又は所定のタイミング)に表示されたコンテンツ名称が格納されるのは、ステップS6に示されるようにコンテンツが表示中に電源オフされる場合である。これにより、解除制御部56は、前回の電源オフ時にコンテンツが表示中であるか否かを判断する(S11)。
【0070】
前回の電源オフ時にコンテンツが表示中であった場合(S11:YES)には、解除制御部56は、表示制御部51により、解除用コンテンツ名称記憶部43から解除用コンテンツ名称を読み出すと共に、コンテンツ名称記憶部91からその他のコンテンツ名称を読み出し(S12)、制限解除用のコンテンツ名称一覧を作成して、表示部11に表示する(S13)。
その後、解除制御部56では、表示された制限解除用コンテンツ名称一覧から一つのコンテンツ名称が選択部55で選択された(S14)ことを受けて、その選択されたコンテンツ名称が解除用コンテンツ名称であるか否かを判断する(S15)。
【0071】
選択されたコンテンツ名称が解除用コンテンツと一致する場合(S15:YES)には、表示制御部51は、解除用コンテンツの表示制限を解除し(S21)、その内容をコンテンツ内容記憶部93から読み出して表示部11に解除用コンテンツの内容画面81(図6最下図:S5の画面参照)を表示する(S5)。
【0072】
選択されたコンテンツ名称が解除用コンテンツと一致しない場合(S15:NO)には、解除制御部56は、表示制御部51によりパスワード入力画面71を表示させる(S16)(図6の上から2番目の図:S16の画面参照)。
【0073】
パスワード入力画面71においては、中央のパスワード入力枠72内に、下側のソフトウエアキーボード73と選択部55とによりパスワードの入力が可能である。パスワード制御部111は、入力されたパスワードが予めパスワード記憶部45に記憶されているパスワードと一致するか否かを判断する(S17)。
【0074】
入力されたパスワードが予め記憶されているパスワードと一致する場合(S17:YES)には、パスワード制御部111は、ステップ(S18)に進んで選択されたコンテンツの表示制限を解除し、表示制御部51により通常選択用コンテンツ名称一覧62を生成して表示部11に表示させる(S19)。その後、パスワード制御部111では、表示された通常選択用コンテンツ名称一覧62から一つのコンテンツ名称が選択部55で選択された(S20)ことを受けて、選択されたコンテンツの内容をコンテンツ記憶部42から読み出して表示部11に表示する(S5)。
【0075】
入力されたパスワードが予め記憶されているパスワードと一致しない場合(S17:NO)には、パスワード制御部111は、選択されたコンテンツの表示制限を解除しないで処理を終了する。その際に、実際の使用者であっても、パスワード入力にエラーが発生する可能性があるので、パスワードの入力回数を、ステップS23と同様に制限することで複数回の入力を可能としてもよい。
【0076】
解除用コンテンツ名称により制限解除をした場合には、再表示されるコンテンツは、前回の最後(又は所定のタイミング)に表示されたコンテンツになるが、使用者の都合により、他のコンテンツを表示させたい場合がある。そのため、ステップS5で表示部11に解除用コンテンツの内容画面81を表示した後に、選択可能な他のコンテンツ名を一覧表示するか否かを判断する(S22)。他のコンテンツ名を一覧表示する場合(S22:YES)には、ステップS19に戻って、通常選択用コンテンツ名称一覧62を生成して表示部11に表示させる。他のコンテンツ名を一覧表示させない場合(S22:NO)には、処理を終了する。
【0077】
図7は、図4のステップS6において選択されたコンテンツに解除用コンテンツ名称を設定する処理をより詳しく示すフローチャートである。
【0078】
解除用コンテンツ名称設定部54は、コンテンツが表示部11に表示された状態で、電源がオフされるか否かを判断する(S31)。次に、解除用コンテンツ名称設定部54は、コンテンツ表示中に電源オフされない場合(S31:NO)には、処理を終了し、コンテンツ表示中に電源オフされる場合(S31:YES)には、表示部11が不揮発性の表示装置であるか否かを判断する(S32)。
【0079】
解除用コンテンツ名称設定部54は、表示部11が不揮発性の表示装置である場合(S32:YES)には、表示を終了させるコンテンツのコンテンツ名称を、解除用コンテンツ名称記憶部43に格納する(S34)。解除用コンテンツ名称設定部54は、表示部11が不揮発性の表示装置ではない場合(S32:NO)には、表示された画面中からコンテンツ名称と、コンテンツの保管場所を示す情報を消去し(S33)、ステップS34に進んで、表示を終了させるコンテンツのコンテンツ名称を、解除用コンテンツ名称記憶部43に格納する。このステップS34の処理では、そのコンテンツ名称を記憶する記憶部に、「最後に表示されているコンテンツ名称であること」を示すフラグ等の何らかの情報を追加して、「最後に表示されているコンテンツ名称であること」がわかるようにしてもよい。又、最後以外の所定のタイミングで表示されているコンテンツ名称を用いる場合は、そのコンテンツの表示を終了させる際に、当該コンテンツ名称を解除用コンテンツ名称記憶部43に格納すればよい。
【0080】
尚、本実施形態では、コンテンツ記憶部42から読み出されるコンテンツは、既に表示制限が設定されているものとしているが、表示制限が設定されていないコンテンツに表示制限を設定する場合にも、ステップS19及びS20と同様に一覧画面からコンテンツ名称を選択し、そのコンテンツ名称で選択したコンテンツに対して表示制限を設定することができる。
【0081】
又、外部記憶部22へのコンテンツ及びコンテンツ名称の入力方法は、例えば、外部記憶装置2をパーソナルコンピュータ等に接続して入力した後、表示装置1の外部記憶I/F23に接続すればよい。あるいは、不図示の通信インターフェースに接続して外部機器から入力させてもよい。
【0082】
このように本実施形態の表示装置1では、電源遮断時に表示が維持される不揮発性の表示装置であっても、電源オフ時にコンテンツの表示部11の画面からコンテンツ名称を削除するので、本発明のセキュリティ効果を得ることができる。
【0083】
図8は、図4のステップS7における制限解除方法を設定する処理をより詳しく示すフローチャートである。
解除制御部56は、解除用コンテンツ名称を用いる(a)の方法か、解除用コンテンツ名称を用いないでパスワードによる(b)の方法に設定するのかを判断する(S41)。(b)の方法に設定する場合(S41:NO)には、解除制御部56は、デフォルトの制限解除方法を(b)の方法に設定する(S47)。この場合は、制限を解除する全ての場合が(b)の方法になる。
【0084】
(a)の方法に設定する場合(S41:YES)には、解除制御部56は、更に、解除用コンテンツ名称を、前回の最終電源オフ時に表示されていたコンテンツのコンテンツ名称にするか否かを判断する。
【0085】
前回の最終電源オフ時に表示されていたコンテンツ名称にする場合(S41:YES)には、解除用コンテンツ名称設定部54は、表示部11に表示されたコンテンツのコンテンツ名称を解除用コンテンツ記憶部43に格納する(S45)。
【0086】
前回の最終電源オフ時に表示されていたコンテンツ名称にしない場合(S41:NO)には、解除用コンテンツ名称設定部54は、最終電源オフ時よりも以前に表示されていた複数のコンテンツ名称を、表示制御部51により一覧表示させ(S43)、その中から1個のコンテンツ名称を解除用コンテンツ名称として選択し(S44)、そのコンテンツ名称を解除用コンテンツ記憶部43に格納する(S45)。その後、解除制御部56は、デフォルトの制限解除方法を(a)の方法に設定する(S46)。この場合は、前回電源オフ時にコンテンツが表示されていた場合の制限解除が(a)の方法になり、前回電源オフ時にコンテンツが表示されていなかった場合の制限解除が(b)の方法になる。
【0087】
本実施形態では、本発明を選択されたコンテンツの内容表示についての制限とその解除に用いているが、パスワード画面が適用可能な用途であれば、他の用途にも適用することができる。例えば、電源オン時の初期画面から次の表示部11の画面に変わる場合、パーソナルコンピュータ等の外部の装置と通信接続する画面を表示させる場合、メモリーカード等の外部記憶装置にコンテンツを転送する画面を表示させる場合等である。
【0088】
又、本実施形態は、本発明を電気泳動式の表示パネル等を備える不揮発性の表示装置に適用できるが、その他にも通常選択用コンテンツ名称一覧62を表示可能な装置であれば、他の表示方式の表示装置、あるいは、表示画面を備える他の装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 表示装置、
2 外部記憶装置、
3 外部機器、
11 表示部、
12 入力部、
15 上方向キー、
16 右方向キー、
17 下方向キー、
18 左方向キー、
19 決定キー、
21 主制御部、
22 外部記憶部、
23 外部記憶インターフェース(I/F)、
25 タイマ、
26 電源部、
31 中央演算素子(CPU)、
32 読み出し専用メモリ(ROM)、
33 ランダムアクセスメモリ(RAM)、
42 コンテンツ記憶部、
43 解除用コンテンツ名称記憶部、
45 パスワード記憶部、
51 表示制御部、
52 一覧生成部、
54 解除用コンテンツ名称設定部、
55 選択部、
56 解除制御部、
57 処理プログラム記憶部、
58 カウント部、
61 制限解除用コンテンツ名称一覧、
62 制限解除用コンテンツ名称一覧、
71 パスワード入力画面、
72 パスワード入力枠、
73 ソフトウエアキーボード、
81 選択されたコンテンツの内容画面、
91 コンテンツ名称記憶部、
93 コンテンツ内容記憶部、
111 パスワード制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備えた表示装置であって、
前記表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を、前記表示装置の所定機能の制限を解除できる解除用固有文字列として設定する解除用文字列設定部と、
前記解除用固有文字列と、前記解除用固有文字列と異なり前記制限を解除できない解除不能固有文字列と、を列挙した制限解除用一覧を前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示された前記制限解除用一覧から少なくとも一つの固有文字列を選択する選択部と、
前記制限解除用一覧から前記解除用固有文字列が選択された場合には、前記所定機能の制限を解除し、前記解除不能固有文字列が選択された場合には、前記所定機能の制限を解除しない解除制御部と
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記解除用文字列設定部は、前記表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を前記解除用固有文字列として設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示装置が、前記表示部にコンテンツが表示されてからの時間を計測するタイマを有し、前記タイマで所定時間が経過した場合に、表示部への電力供給の遮断を含んで前記表示装置を省電力動作させる機能、又は、前記表示部を保護するスクリーンセーバー機能を有している場合、
前記表示制御部は、前記省電力動作の機能又はスクリーンセーバー機能が開始される前に、前記表示画像から少なくともコンテンツ対応固有文字列の表示を削除する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示装置が、電源供給が遮断されても表示画像を保持する不揮発性の表示装置である場合、
前記表示制御部は、前記電源供給が遮断される前に、前記表示画像からコンテンツ対応固有文字列の表示を削除する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記所定機能の制限は、前記コンテンツを前記表示部に表示する機能を制限する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
表示部を備えた表示装置の機能を制限する機能制限方法であって、
前記表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を、前記表示装置の所定機能の制限を解除できる解除用固有文字列として設定する解除用文字列設定工程と、
前記解除用固有文字列と、前記解除用固有文字列と異なり前記制限を解除できない解除不能固有文字列と、を列挙した制限解除用一覧を前記表示部に表示させる表示制御工程と、
前記表示部に表示された前記制限解除用一覧から少なくとも一つの固有文字列を選択する選択工程と、
前記制限解除用一覧から前記解除用固有文字列が選択された場合には、前記所定機能の制限を解除し、前記解除不能固有文字列が選択された場合には、前記所定機能の制限を解除しない解除制御工程と
を有することを特徴とする表示装置の機能制限方法。
【請求項7】
表示部を備えた表示装置の機能を制限する機能制限プログラムであって、
前記表示部に所定のタイミングで表示されたコンテンツに対応するコンテンツ対応固有文字列を、前記表示装置の所定機能の制限を解除できる解除用固有文字列として設定する解除用文字列設定プログラムと、
前記解除用固有文字列と、前記解除用固有文字列と異なり前記制限を解除できない解除不能固有文字列と、を列挙した制限解除用一覧を前記表示部に表示させる表示制御プログラムと、
前記表示部に表示された前記制限解除用一覧から少なくとも一つの固有文字列を選択する選択プログラムと、
前記制限解除用一覧から前記解除用固有文字列が選択された場合には、前記所定機能の制限を解除し、前記解除不能固有文字列が選択された場合には、前記所定機能の制限を解除しない解除制御プログラムと
を含むことを特徴とする表示装置の機能制限プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−160664(P2010−160664A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2137(P2009−2137)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】