説明

表示装置、制御方法、及びプログラム

【課題】利用者に対向している面に設けられた表示部をメインディスプレイとして動作させる。
【解決手段】筐体が据え置かれているか否かを判定する据え置き判定部51と、据え置き判定部51により、筐体が据え置かれていると判定された場合に、複数の表示部の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定する視認判定部52と、少なくとも視認判定部52によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、所定の表示情報を表示させる表示制御部54とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末には、前面に設けられたメインディスプレイに加えて、背面に設けられたサブディスプレイを備えるものがある。通常、サブディスプレイは、メインディスプレイより小さい画面であり、着信の有無や電子メールの受信有無などを示す報知情報が表示される画面である。
【0003】
ところで、特許文献1には、携帯端末の前面と背面とのそれぞれに、略同じ表示面積の表示部を設け、照度センサや姿勢センサの検出結果に従い、一方の表示部をメインディスプレイとして、他方の表示部をサブディスプレイとして用いる技術が開示されている。
これにより、利用者が携帯端末を手に取ったとき、携帯端末は、上を向いているほうをメインディスプレイとして動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−71735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の携帯端末を用いた場合、例えば寝転びながら携帯端末を操作するなど、携帯端末の表示部のうち下を向いている方が利用者に対向している場合にも、上を向いているほうの表示部をメインディスプレイとしてしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、利用者に対向している面に設けられた表示部をメインディスプレイとして動作させることができる表示装置(携帯端末)、制御方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、それぞれが筐体の異なる面に設けられた複数の表示部と、前記筐体が据え置かれているか否かを判定する据え置き判定部と、前記据え置き判定部により、前記筐体が据え置かれていると判定された場合に、前記複数の表示部の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定する視認判定部と、少なくとも前記視認判定部によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、所定の表示情報を表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、それぞれが筐体の異なる面に設けられた複数の表示部を備える表示装置の制御方法であって、据え置き判定部は、前記筐体が据え置かれているか否かを判定し、視認判定部は、前記据え置き判定部により、前記筐体が据え置かれていると判定された場合に、前記複数の表示部の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定し、表示制御部は、少なくとも前記視認判定部によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、所定の表示情報を表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、それぞれが筐体の異なる面に設けられた複数の表示部を備える表示装置の制御方法であって、前記筐体が据え置かれているか否かを判定する据え置き判定部、前記据え置き判定部により、前記筐体が据え置かれていると判定された場合に、前記複数の表示部の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定する視認判定部、少なくとも前記視認判定部によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、所定の表示情報を表示させる表示制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示装置が操作されず、筐体が机や充電スタンドなどに据え置かれている場合に、利用者に視認され得る状態にある表示部に、メインディスプレイとしての所定の表示情報を表示させる。これにより、利用者に対向している面に設けられた表示部をメインディスプレイとして動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態による表示装置の外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による表示装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】第1の実施形態による表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態による表示装置の外観図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による表示装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】第2の実施形態による表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による表示装置の外観図である。
第1の実施形態による表示装置は、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末である。
表示装置は、外郭をなす筐体1と、筐体1の一方の面(以下、前面と呼ぶ:図1(A))に設けられた前面表示部2−1と、前面の反対側の面(以下、背面と呼ぶ:図1(B))に設けられた背面表示部2−2と、筐体1の前面・背面にそれぞれ設けられたボタン3−1、3−2と、加速度センサ4と、CPU(Central Processing Unit)やメモリから構成されるコンピュータシステム(図示せず)と、各構成要素に電力を供給する二次電池(図示せず)を備える。
【0012】
前面表示部2−1と背面表示部2−2はそれぞれ略同じ表示面積を有する。なお、前面表示部2−1、背面表示部2−2には、ともにタッチパネルが重畳されている。
ボタン3−1、3−2は、筐体1の長手方向の一方の端に設けられる。
加速度センサ4は、筐体1のX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向成分における加速度の大きさを検出する。なお、本実施形態においてX軸正方向は、筐体1の前面を正面とし、ボタン3−1、3−2が設けられた端を下側に向けたときに、幅方向左から右へ向く方向である。また、Y軸正方向は、筐体1の前面を正面とし、ボタン3−1、3−2が設けられた端を下側に向けたときに、長手方向上から下へ向く方向である。また、Z軸正方向は、筐体1の前面から背面へ向く方向である。
【0013】
図2は、本発明の第1の実施形態による表示装置の構成を示す概略ブロック図である。
表示装置が備えるコンピュータシステムが、所定のプログラムを実行すると、表示装置は、据え置き判定部51、視認判定部52、供給電力制御部53、表示制御部54、報知取得部55を備える。
据え置き判定部51は、加速度センサ4の出力に基づいて、筐体1が据え置かれているか否かを判定する。具体的には、据え置き判定部51は、加速度センサ4が出力する加速度の変化が所定の時間の間なかった場合に、筐体1が据え置かれていると判定する。これは、利用者によって筐体1が把持されている場合、利用者の身体の動きが筐体1に伝わり、微小な加速度の変化が発生する一方、机などに据え置かれた場合、重力加速度以外の加速度が発生しないためである。
【0014】
視認判定部52は、据え置き判定部51によって筐体1が据え置かれていると判定された場合に、加速度センサ4の出力に基づいて、前面表示部2−1・背面表示部2−2の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定する。具体的には、視認判定部52は、加速度センサ4が検知するZ軸方向の加速度が正数である場合、前面表示部2−1が利用者に視認されうる状態にあり、背面表示部2−2が利用者に視認され得る状態にないと判定する。他方、視認判定部52は、加速度センサ4が検知するZ軸方向の加速度が負数である場合、背面表示部2−2が利用者に視認されうる状態にあり、前面表示部2−1が利用者に視認され得る状態にないと判定する。これは、筐体1が据え置かれている場合、下を向いている側に設けられた表示部が机などに面している可能性が高いためである。
【0015】
供給電力制御部53は、二次電池が供給する電力の、前面表示部2−1、背面表示部2−2への供給を制御する。
表示制御部54は、前面表示部2−1または背面表示部2−2に、メインディスプレイとしての画面を表示させる。また、表示制御部54は、図1(A)に示すように、前面表示部2−1または背面表示部2−2のうちメインディスプレイとして動作させる表示部に報知取得部55が取得した報知情報を表示させる。
報知取得部55は、サーバ装置などの外部装置から、着信の有無や電子メールの受信の有無を示す報知情報を取得する。
【0016】
次に、第1の実施形態による表示装置の動作について説明する。
図3は、第1の実施形態による表示装置の動作を示すフローチャートである。
まず、表示装置が起動すると、据え置き判定部51は、現在時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS1)。据え置き判定部51及び視認判定部52は、加速度センサ4が検出した各座標方向の加速度を取得する(ステップS2)。次に、据え置き判定部51は、取得した各座標方向の加速度と、前回取得した各座標方向の加速度(なお、前回取得した加速度は、据え置き判定部51の内部メモリに記録される)との差を算出し、X軸、Y軸、Z軸の方向における加速度の差がゼロであるか否かを判定する(ステップS3)。
【0017】
据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の少なくとも何れかの方向における加速度の差がゼロでないと判定した場合(ステップS3:NO)、ステップS1に戻り、再度現在時刻からの経過時間の計時を開始する。また、ステップS2で取得した加速度は、内部メモリに記録する。
他方、据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の何れの方向における加速度の差もゼロであると判定した場合(ステップS3:YES)、ステップS1で計時を開始した経過時間が所定時間に達したか否かを判定する(ステップS4)。
【0018】
据え置き判定部51は、経過時間が所定時間に達していないと判定した場合(ステップS4:NO)、ステップS2に戻り、次の加速度を取得する。また、ステップS2で取得した加速度は、内部メモリに記録する。
他方、据え置き判定部51が、経過時間が所定時間に達したと判定した場合(ステップS4:YES)、視認判定部52は、ステップS2で取得したZ軸の加速度が、正の値を示すか否かを判定する(ステップS5)。
【0019】
視認判定部52は、Z軸の加速度が、正の値を示すと判定した場合(ステップS5:YES)、前面表示部2−1が視認され得る状態にあると判定する。この場合、表示制御部54は、前面表示部2−1にメインディスプレイとしての所定の表示情報を表示させ(ステップS6)、供給電力制御部53は、背面表示部2−2への電力供給を停止する(ステップS7)。
他方、視認判定部52は、Z軸の加速度が、負の値を示すと判定した場合(ステップS5:NO)、背面表示部2−2が視認され得る状態にあると判定する。この場合、表示制御部54は、背面表示部2−2にメインディスプレイとしての所定の表示情報を表示させ(ステップS8)、供給電力制御部53は、前面表示部2−1への電力供給を停止する(ステップS9)。
これにより、利用者によって視認されうる側の表示部をメインディスプレイとすることができる。また、他方の表示部への電力供給を停止することで、二次電池の消費電力量を減らすことができる。
【0020】
ステップS7またはステップS9で背面表示部2−2または前面表示部2−1への電力供給を停止すると、据え置き判定部51は、加速度センサ4が検出した各座標方向の加速度を取得する(ステップS10)。次に、据え置き判定部51は、取得した各座標方向の加速度と、前回取得した各座標方向の加速度との差を算出し、X軸、Y軸、Z軸の方向における加速度の差がゼロであるか否かを判定する(ステップS11)。据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の何れの方向における加速度の差もゼロであると判定した場合(ステップS11:YES)、筐体1が据え置かれたままであると判定し、ステップS10に戻り、次の加速度を取得する。
他方、据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の少なくとも何れかの方向における加速度の差がゼロでないと判定した場合(ステップS11:NO)、筐体1が動かされたと判定し、ステップS1に戻り、再度現在時刻からの経過時間の計時を開始する。
【0021】
このように、第1の実施形態によれば、筐体1が据え置かれた際に、メインディスプレイとする表示部を決定し、筐体1が利用者によって手に取られた場合、次に据え置かれるまで、据え置かれたときに決定した側の表示部を、メインディスプレイとして制御する。
上述の特許文献1に記載の携帯端末を持ったまま利用者が寝転がると、当該携帯端末のメインディスプレイが切り替わってしまうという問題があった。そもそも、利用者が手に持っている限りは、利用者が端末を裏返した時、利用者はサブディスプレイを見たいことは明らかであり、メインディスプレイの切り替わりが起こらないことが好ましい。他方、携帯端末を置く時は、利用者がどちらの向きに置いたとしても、上を向いている方をメインディスプレイとすることが好ましい。
【0022】
そこで、第1の実施形態による携帯端末は、利用者が手に持っている間はメインディスプレイを切り替える制御を行わない。つまり、携帯端末は、据え置かれる度にメインディスプレイを決定している。これにより、筐体1が据え置かれた状態から利用者によって手に取られると、以降、例えば寝転びながら携帯端末を操作するなど、携帯端末の表示部のうち下を向いている方が利用者に対向したとしても、据え置かれたときに決定した側の表示部が、メインディスプレイとして動作する。つまり、利用者が携帯端末を手に持っている場合、当該携帯端末は、裏返されたとしてもメインディスプレイの切り替えをせず、さらに当該携帯端末が据え置かれた場合は、利用者がどちらの向きに置いたとしても、上を向いている方をメインディスプレイとすることができる。
【0023】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による表示装置の外観図である。
第2の実施形態による表示装置は、第1の実施形態による表示部に加え、更に筐体1の前面・背面にそれぞれ設けられた照度センサ6−1、6−2を備える。
照度センサ6−1、6−2は、それぞれ筐体1の前面・背面に入射される光の強度(照度)の大きさを検出する。
【0024】
図5は、本発明の第2の実施形態による表示装置の構成を示す概略ブロック図である。
表示装置が備えるコンピュータシステムが、所定のプログラムを実行すると、表示装置は、据え置き判定部51、視認判定部52、表示制御部54、報知取得部55を備える。なお、第1の実施形態の表示装置とは、視認判定部52及び表示制御部54の動作が異なる。
【0025】
視認判定部52は、据え置き判定部51によって筐体1が据え置かれていると判定された場合に、加速度センサ4の出力に基づいて、前面表示部2−1・背面表示部2−2の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定する。具体的には、視認判定部52は、照度センサ6−1が検知する照度が照度センサ6−2が検知する照度より大きい場合、前面表示部2−1が利用者に視認されうる状態にあり、背面表示部2−2が利用者に視認され得る状態にないと判定する。他方、視認判定部52は、照度センサ6−1が検知する照度が照度センサ6−2が検知する照度より大きい場合、背面表示部2−2が利用者に視認されうる状態にあり、前面表示部2−1が利用者に視認され得る状態にないと判定する。これは、筐体1が据え置かれている場合、下を向いている側に設けられた表示部が机などに面しているために照度が低い可能性が高いためである。
【0026】
表示制御部54は、前面表示部2−1または背面表示部2−2に、メインディスプレイとしての画面またはサブディスプレイとしての画面を表示させる。また、表示制御部54は、図4(A)に示すように、前面表示部2−1または背面表示部2−2のうちメインディスプレイとして動作させる表示部に報知取得部55が取得した報知情報を表示させる。
【0027】
次に、第2の実施形態による表示装置の動作について説明する。
図6は、第2の実施形態による表示装置の動作を示すフローチャートである。
まず、表示装置が起動すると、据え置き判定部51は、現在時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS101)。据え置き判定部51は、加速度センサ4が検出した各座標方向の加速度を取得する(ステップS102)。次に、据え置き判定部51は、取得した各座標方向の加速度と、前回取得した各座標方向の加速度との差を算出し、X軸、Y軸、Z軸の方向における加速度の差がゼロであるか否かを判定する(ステップS103)。
【0028】
据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の少なくとも何れかの方向における加速度の差がゼロでないと判定した場合(ステップS103:NO)、ステップS101に戻り、再度現在時刻からの経過時間の計時を開始する。また、ステップS102で取得した加速度は、内部メモリに記録する。
他方、据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の何れの方向における加速度の差もゼロであると判定した場合(ステップS103:YES)、ステップS101で計時を開始した経過時間が所定時間に達したか否かを判定する(ステップS104)。
【0029】
据え置き判定部51は、経過時間が所定時間に達していないと判定した場合(ステップS104:NO)、ステップS102に戻り、次の加速度を取得する。また、ステップS102で取得した加速度は、内部メモリに記録する。
他方、据え置き判定部51が、経過時間が所定時間に達したと判定した場合(ステップS104:YES)、視認判定部52は、照度センサ6−1、6−2それぞれから、筐体1の前面の照度及び背面の照度を取得する(ステップS105)。次に、視認判定部52は、筐体1の前面の照度が、筐体1の背面の照度より大きいか否かを判定する(ステップS106)。
【0030】
視認判定部52は、筐体1の前面の照度が背面の照度より大きいと判定した場合(ステップS106:YES)、前面表示部2−1が視認され得る状態にあると判定する。この場合、表示制御部54は、前面表示部2−1にメインディスプレイとしての所定の表示情報を表示させ(ステップS107)、背面表示部2−2にサブディスプレイとしての所定の表示情報を表示させる(ステップS108)。
他方、視認判定部52は、筐体1の背面の照度が前面の照度より大きいと判定した場合(ステップS106:NO)、背面表示部2−2が視認され得る状態にあると判定する。この場合、表示制御部54は、背面表示部2−2にメインディスプレイとしての所定の表示情報を表示させ(ステップS109)、前面表示部2−1にサブディスプレイとしての所定の表示情報を表示させる(ステップS110)。
これにより、利用者によって視認されうる側の表示部をメインディスプレイとすることができる。
【0031】
ステップS108またはステップS110で背面表示部2−2または前面表示部2−1にサブディスプレイとしての表示情報を表示させると、据え置き判定部51は、加速度センサ4が検出した各座標方向の加速度を取得する(ステップS111)。次に、据え置き判定部51は、取得した各座標方向の加速度と、前回取得した各座標方向の加速度との差を算出し、X軸、Y軸、Z軸の方向における加速度の差がゼロであるか否かを判定する(ステップS112)。据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の何れの方向における加速度の差もゼロであると判定した場合(ステップS112:YES)、筐体1が据え置かれたままであると判定し、ステップS111に戻り、次の加速度を取得する。
他方、据え置き判定部51は、X軸、Y軸、Z軸の少なくとも何れかの方向における加速度の差がゼロでないと判定した場合(ステップS112:NO)、筐体1が動かされたと判定し、ステップS101に戻り、再度現在時刻からの経過時間の計時を開始する。
【0032】
このように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、筐体1が据え置かれた際に、メインディスプレイとする表示部を決定し、筐体1が利用者によって手に取られた場合、次に据え置かれるまで、据え置かれたときに決定した側の表示部を、メインディスプレイとして制御する。
これにより、筐体1が据え置かれた状態から利用者によって手に取られると、以降、例えば寝転びながら携帯端末を操作するなど、携帯端末の表示部のうち下を向いている方が利用者に対向したとしても、据え置かれたときに決定した側の表示部が、メインディスプレイとして動作する。
【0033】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1の実施形態では、加速度センサ4によって視認され得る表示部を特定し、視認されない側の表示部への電源供給を停止する場合を説明し、第2の実施形態では、照度センサ6−1、6−2によって視認され得る表示部を特定し、視認されない側の表示部にサブディスプレイとしての表示情報を表示させる場合を説明した。しかし、これに限られず、例えば、加速度センサ4によって視認され得る表示部を特定し、視認されない側の表示部にサブディスプレイとしての表示情報を表示させる構成としても良い。また例えば、照度センサ6−1、6−2によって視認され得る表示部を特定し、視認されない側の表示部への電源供給を停止する構成としても良い。
【0034】
また、本実施形態では、据え置かれていない状態では、視認され得る表示部の判定を行わない場合を説明したが、これに限られず、何らかの手段によって視認され得る表示部の判定を行い、適宜メインディスプレイを変更するよう制御しても良い。
【0035】
また、本実施形態では、筐体の前面と背面との2面に表示部を設ける場合を説明したが、これに限られず、3面以上の表示部を設ける構成としても良い。
【0036】
なお、上述の表示装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0037】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0038】
1…筐体 2−1…前面表示部 2−2…背面表示部 3−1、3−2…ボタン 4…加速度センサ 51…据え置き判定部 52…視認判定部 53…供給電力制御部 54…表示制御部 55…報知取得部 6−1、6−2…照度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが筐体の異なる面に設けられた複数の表示部と、
前記筐体が据え置かれているか否かを判定する据え置き判定部と、
前記据え置き判定部により、前記筐体が据え置かれていると判定された場合に、前記複数の表示部の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定する視認判定部と、
少なくとも前記視認判定部によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、所定の表示情報を表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
外部から報知情報を取得する報知取得部を備え、
前記表示制御部は、前記視認判定部によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、前記報知取得部が取得した報知情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記視認判定部によって視認され得る状態にないと判定された表示部への供給電力を減少させる供給電力制御部
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
筐体にかかる加速度を検知する加速度センサを備え、
前記据え置き部は、前記加速度センサが検知する加速度の変化が無い状態が所定時間継続した場合に、前記筐体が据え置かれていると判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記視認判定部は、前記筐体の面のうち、前記加速度センサが加速度を検知している方向を向く面が、利用者に視認され得る状態にないと判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部が設けられた各面に設けられ、設けられた面に入射される光の強度を検知する照度センサを備え、
前記筐体の面のうち、前記照度センサが検知した照度が所定の照度閾値以上である面が、利用者に視認され得る状態にあると判定する
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
それぞれが筐体の異なる面に設けられた複数の表示部を備える表示装置の制御方法であって、
据え置き判定部は、前記筐体が据え置かれているか否かを判定し、
視認判定部は、前記据え置き判定部により、前記筐体が据え置かれていると判定された場合に、前記複数の表示部の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定し、
表示制御部は、少なくとも前記視認判定部によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、所定の表示情報を表示させる
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
それぞれが筐体の異なる面に設けられた複数の表示部を備える表示装置の制御方法であって、
前記筐体が据え置かれているか否かを判定する据え置き判定部、
前記据え置き判定部により、前記筐体が据え置かれていると判定された場合に、前記複数の表示部の何れが利用者に視認され得る状態にあるかを判定する視認判定部、
少なくとも前記視認判定部によって視認され得る状態にあると判定された表示部に、所定の表示情報を表示させる表示制御部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−48331(P2013−48331A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185660(P2011−185660)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】