説明

表示装置、表示システム、及び表示制御方法

【課題】 通信装置から容易にデータを取得して表示することができる表示装置を提供すること。
【解決手段】 画像を表示する投影面(202)と、投影面に接触したデジタルカメラ(701)を検出する検出手段(401、309b)と、デジタルカメラと通信を行う通信手段(306、401)と、投影面に表示された画像に対する操作を行うための操作手段(341、342、343)と、検出されたデジタルカメラを表す画像を表示すると共に、操作手段によりデジタルカメラを表す画像への操作が行われたことに応じて、デジタルカメラに関連付けられたメニュー画像を表示するように、投影面を制御する制御手段(303)と、操作手段により前記メニュー画像が操作された場合に、該操作されたメニュー画像に関連付けられた処理を実行するために必要なデータを、通信手段を介してデジタルカメラから取得する取得手段(303)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、特に、通信機器からその通信機器が有する情報を取得して表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置により処理された表示データに基づいて、画像を表示する表示装置がある。これらの表示装置では、情報処理装置と映像伝送ケーブルによって接続され、映像伝送ケーブルを介して情報処理装置から伝送される画像を表示面に表示するのが一般的である。このような表示装置には、情報処理装置と一体的に構成されたものや、情報処理装置とは別に構成されたものがある。
【0003】
これらの表示装置に、例えばデジタルカメラに挿入されている記録媒体に格納された画像データ等を表示する場合、表示装置または情報処理装置にデジタルカメラを有線または無線接続し、記録媒体に記録された画像データを読出して表示している。または、デジタルカメラの記録媒体を表示装置または情報処理装置に直接挿入したり、記録媒体のドライブ装置を介するなどして、記録媒体に記録された画像データを読出すことも行われている。更に、記録媒体に記録された画像データを別の記録媒体に転送し、その転送した記録媒体から画像データを読み出すことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−123476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したような先行技術によれば、無線接続する場合には、無線接続を行う為の操作を行う必要があり、その操作に時間が掛かることがあった。
【0006】
また、表示装置または情報処理装置にデジタルカメラを有線接続して画像を表示するには、ケーブルを用意したり、表示装置または情報処理装置とデジタルカメラとにケーブルを接続したりしなくてはならず、表示する準備が煩わしかった。
【0007】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、通信装置から容易にデータを取得して表示することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の表示装置は、画像を表示する表示手段と、前記表示手段に接触した通信装置を検出する検出手段と、前記通信装置と通信を行う通信手段と、前記表示手段に表示された画像に対する操作を行うための操作手段と、前記検出手段により検出された前記通信装置を表す画像を表示すると共に、前記操作手段により前記通信装置を表す画像への操作が行われたことに応じて、前記通信装置に関連付けられたメニュー画像を表示するように、前記表示手段を制御する制御手段と、前記操作手段により前記メニュー画像が操作された場合に、該操作された前記メニュー画像に関連付けられた処理を実行するために必要なデータを、前記通信手段を介して前記通信装置から取得する取得手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
通信装置から容易にデータを取得して表示することができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係るプロジェクタを用いたシステムの構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態に係るプロジェクタの構成図。
【図3】第1の実施形態に係る投影面の構成を示す図。
【図4】第1の実施形態に係る投影面の内部で伝送されるデータの構成を示した図。
【図5】第1の実施形態に係るプロジェクタとデジタルカメラ間の通信処理を示したシーケンス図。
【図6】第1の実施形態に係る投影面が保持する、通信素子の位置情報テーブルを示す図。
【図7】第1の実施形態に係る投影面に接地されたデジタルカメラのアイコンが表示された状態、及び、該アイコンを選択したときのメニュー画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
<<システム構成>>
図1は、本第1の実施形態に係る表示装置の一例としてプロジェクタを用いた表示システムの主要な構成を示す図である。図1において、プロジェクタ201はパーソナルコンピュータ204からの映像を投影面202に投影する。
【0013】
投影面202は、近接無線機能を有し、投影面に接触した機器と通信が可能である。また、投影面202とプロジェクタ201はイーサーネットケーブル203で通信可能に接続されている。なお、この通信媒体はイーサーネットケーブルに限るものではなく、通信できればその種別は問わない。
【0014】
次にプロジェクタ201の構成について図2を用いて説明する。図2において、投影処理部301は、映像データを液晶パネル313によって投影する。映像処理部302は投影するための映像データを生成する。CPU303は全体制御を行う。また、プロジェクタ201で行われる通信関連処理をしている。メモリ部304には、CPU303で行われる処理に必要なデータやプログラム等を格納する。
【0015】
操作部305には、プロジェクタ201の制御パネル341や、リモコン343からの赤外線信号を受光するための赤外線受信部342などの入力部材が接続され、接続された入力部材から操作信号を受信する。
【0016】
通信部306は、イーサーネットケーブル203を介した通信制御(第1の通信)と、無線344による通信制御(第2の通信)とを行う。無線通信に関しては、基地局(アクセスポイント)として動作することが可能である。
【0017】
映像入力部307は、パーソナルコンピュータ204からの映像を入力する。オンスクリーンディスプレイ(OSD)制御部308は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)表示を生成する他に、アイコン生成部308aを具備し、それぞれの表示制御を行う。機器検出部309内の設置検出部309aは、無線通信が確立している通信機器があるかの問合わせを、タイマ309cを用いて定期的に投影面202に送信する。そして、投影面202からの応答に基づいて設置検出部309aが投影面上に通信機器が接触したことを検知すると、機器検出部309内の位置検出部309bによって、その通信機器の接触位置を検出する。なお、設置検出部309a及び位置検出部309bによる検出方法については、詳細に後述する。
【0018】
AVデコーダ部310は、圧縮された画像や音声を伸張する。撮像処理部311は、CMOSセンサー等により構成される撮像部312を制御して撮像を行い、画像を取得する。なお、上述した各部は、内部バス330によって接続される。
【0019】
次に投影面202の構成の一例について図3を参照して説明する。図3(a)は、投影面202を正面から見た場合の機能を示す図であり、投影面202には、複数の通信素子401が配置され、イーサーネットケーブル203に接続されたアクセスポイント410が構成されている。
【0020】
図3(b)は、投影面202の断面を概略的に示す図であり、メッシュ層502、誘電層503、シールド層504が表層501、505によって挟まれる構成となっている。シールド層504は、投影背面部に通信伝送波が漏れないようにシールドを施している。また、メッシュ層502に通信素子401が配置される。
【0021】
投影面202に配置される各通信素子401は、接触した通信機器からの通信を受けると図4に示すような構成のデータを生成し、近傍の通信素子401に伝送する。送信元アドレス602には、伝送が開始された通信素子401の識別子が割り当てられており、送信先アドレス603は転送先の通信素子401の識別子が割り当てられる。また、コマンド601はそのデータを転送することを示す識別子が割り当てられる。転送データ604は実際に転送するデータであり、通信機器との通信開始時には、通信機器の種類を示す情報(例えば、ベンダID、プロダクトIDなどの通信機器の固有情報)含む。例えば、IEEE802.11で規定される通信であれば、その通信フレームが図4のパケットの転送データ604として転送される。
【0022】
通信素子401が発する信号は、誘電層503を通り、他の通信素子401に伝播される。具体的には、投影面202に通信機器が接触すると、その近傍の通信素子401がその通信を受けてデータを生成し、メッシュ層502に配置される他の通信素子401が誘電層503を介して生成されたデータをアクセスポイント410まで順次転送する。アクセスポイント410は、送信元アドレスと投影面202のシート上の位置とを関連づけて記憶している。そのため、転送されたデータの送信元アドレスに基づいて、どの位置に通信機器が置かれたかを認識することができる。これにより、プロジェクタ201は投影面202に接地した通信機器とのみ通信ができるようになる。また、送信元アドレス自体が、アクセスポイント410との相対位置を示す情報であっても良い。
【0023】
また、アクセスポイント410は、送信データの中身がIEEE802.11で規定されているフレームであれば、すでに無線通信が確立しているかどうかの確認を行う。通信が確立していなければ、IEEE802.11で規定されているマネージメントパケットによって通信を確立する。そして、その通信がどの通信素子401を基点に開始されているかの通信素子アドレス情報と、通信に必要な情報、例えばMACアドレスを対にして記録保持しておく。
【0024】
アクセスポイント410は、通信素子401から転送されてきたデータが、イーサーネットケーブル203に接続された機器を送信先として示しているのであれば、そのデータをイーサーネットフレームに変換してイーサーネットケーブル203上に送出する。一方、イーサーネットケーブル203より受信したデータは、先に記録したMACアドレスと通信素子401のアドレス情報を元に、送信先通信素子を介して、該当機器に送信する。
【0025】
また、アクセスポイント410は上記通信の情報を管理しており、外部からの問い合わせに対して、応答できるものとする。
【0026】
以上の構成によって、投影面202に接触した通信機器との通信が可能となり、かつ、その位置を特定することができる。
【0027】
なお、上述した投影面202の構成や、通信機器の接触及び位置の検出方法は上述したものに限るものではなく、例えば、種々の方式のタッチパネルを用いるなど、通信機器の接触及び位置を検出できるのであれば、どのような構成、検出方式であっても構わない。
【0028】
<<動作シーケンス>>
次に、本第1の実施形態におけるプロジェクタ201と投影面202の動作について、図5のシーケンス図を用いて説明する。なお、プロジェクタ201の基本動作については公知であるため、ここでは説明を省略する。
【0029】
図5のシーケンスは、図1に示す投影面202に、上述した通信機器として、IEEE802.11で規定される無線機能を搭載したデジタルカメラ701を接触させたときの動作を示している。図5において、まずアクセスポイント410の動作を中心にして説明を進める。
【0030】
アクセスポイント410は、まず、IEEE802.11で規定されるマネージメントフレームの1つであるビーコン信号を定期的に送信する(S801)。このビーコン信号は、アクセスポイント410から、投影面202に配置された通信素子401を介して送出される。
【0031】
ここで、デジタルカメラ701が投影面202に接触すると、デジタルカメラ701は投影面202に配置された通信素子401からビーコン信号を受信する(S802)。ビーコン信号を受信したデジタルカメラ701は、無線接続を要求するアソシエーション要求を、アクセスポイント410に対して通信素子401を介して送信する(S803)。
【0032】
アソシエーション要求を受信したアクセスポイント410は、図4に示すような構成の転送データ604から、送信元(ここではデジタルカメラ701)のMACアドレスと、送信元アドレス602に割り当てられた通信素子401の識別子とを抽出する。そして、これらを組み合わせて記録する(820)。その後、通信の接続を許可するアソシエーション応答を送信する(S804)。この応答によって、アクセスポイント410とデジタルカメラ701間の無線通信が確立する(830)。
【0033】
次に、確立した無線通信に対して、デジタルカメラ701はIPアドレスを取得するために、DHCPサーバに対してIPアドレスの割付を要求する(S805)。ここで、本第1の実施形態においては、アクセスポイント410がDHCPサーバとして動作しているものとするが、プロジェクタ201がDHCPサーバとして動作しても良い。
【0034】
アクセスポイント410は、このDHCPサーバへのIPアドレス要求に対して、IPアドレスを応答する(S806)。同時に割り振ったIPアドレスを、先に記録したMACアドレス及び通信素子401の識別子と組み合わせて記録する(840)。
【0035】
デジタルカメラ701はこのIPアドレスの応答を受信することでIPを取得して、IPによる通信を確立する(850)。
【0036】
次に、プロジェクタ201の動作について説明する。プロジェクタ201は、アクセスポイント410に対して、定期的に無線通信が確立している通信機器があるかどうかの問合せを、通信部306によってイーサーネットケーブル203を介して送信する(S807)。この時の問合せパケットは、機器検出部309の設置検出部309aによって生成され、タイマ309cによって定期的に送信される。
【0037】
アクセスポイント410は問い合わせに対して応答をする(S808)。図5に示すタイミングでは、アクセスポイント410はデジタルカメラ701をまだ検出していないので、応答に含まれる内容は、無線通信が確立している通信機器は無いという情報である。
【0038】
一定時間経過後、機器検出部309の設置検出部309aは、再び問合せを送信する(S809)。このタイミングでは、アクセスポイント410はデジタルカメラ701を検出しているので、アクセスポイント410は、プロジェクタ201に対して無線通信が確立している通信機器があることを通知する(S810)。この通知の中には、通信機器(デジタルカメラ701)のMACアドレスと、通信機器が投影面202のどの通信素子401を基点として通信が行われているかを示す、通信素子401の識別子も含まれる。
【0039】
この応答を受け取ると、機器検出部309は、CPU303に対して割り込み通知を行う。CPU303はこのMACアドレスと通信素子401の識別子情報をメモリ部304に記録保持する。
【0040】
次に、割り込み通知を受け取ったCPU303は通信部306を介してアクセスポイント410に対してIPアドレスを問合せる(S811)。この問合わせに応じて、アクセスポイント410はデジタルカメラ701に割り振ったIPアドレスを返し、CPU303が通信部306を介して受信すると(S812)、CPU303は、先に受け取った情報と合わせてIPアドレスをメモリ部304に記録する。
【0041】
CPU303は、通信部306を介して取得したデジタルカメラ701のIPアドレスに対して、プロトコルの確認を行う。プロトコルの確認は、例えば、FTP、HTTP、SMBなどのプロトコルを順次問合せることで行っても良いし、または、UPnPのようなプロトコルを用いても良い(S813、S814)。その後、プロトコルの判別が完了し、通信が可能であることが判明すると、OSD制御部308のアイコン生成部308bによってアイコンを生成し表示する。
【0042】
ここで、アイコンを生成して表示するために、CPU303は以下の処理を行う。まず検出した機器の位置を特定するために、機器検出部309の設置検出部309aから検出割り込みを受信すると、位置検出部309bを起動する。位置検出部309bは、メモリ部304に記録されている、投影面202のどの通信素子401を基点として通信が行われているかを示す、通信素子401の識別子情報を取り出し、通信機器が投影面202上のどの位置に設置されたかを判別する。
【0043】
投影面202と各通信素子401の位置情報は投影面202の構成から一意に特定されるので、投影面202が保持している図6のような通信素子座標テーブル情報をプロジェクタ201が取得することで、投影面202上の位置を容易に特定することができる。
【0044】
CPU303は位置検出部309bによって位置が特定されると、撮像処理部311にて投影面202の撮影を行う。その後、OSD制御部308のアイコン生成部308aによって、撮影した画像から、通信機器が検出された位置に基づいて画像を切り出す。そして、図7(a)に示すように、通信機器が検出された位置に基づいて、その近傍に、切り出した画像をアイコン1001として表示する(第1の表示)。ここではアイコンを表示するようにしたが、機器が置かれたことを示す情報を表示できればよい。
【0045】
次に、ユーザーが、制御パネル341やリモコン343を操作することで、投影面上のアイコン1001を選択すると、例えば、図7(b)に示されるような、デジタルカメラ701に対して実行可能なメニュー画像1101が表示される(第2の表示)。上述したように、図4に示す転送データ604には通信機器の種類を示す情報が含まれている。そのため、CPU303は、無線通信が確立している通信機器(この場合はデジタルカメラ701)に関連付けられたメニューを選択して、そのメニュー画像をアイコン1001の近傍に表示する。そして、メニュー画像からメニューが選択されると、選択されたメニューに関連付けられた処理を実行するために必要なデータを、S814で取得したプロトコルによりデジタルカメラ701に要求する(S815)。デジタルカメラ701は、データの要求を受けて、該当するデータをプロジェクタ201に送信する(S816)。S815及びS816で行われる通信は、必要に応じて繰り返し行われる。
【0046】
図7(b)に示す例では、例えば、メニュー画像1101から一覧表示1102を選ぶと、プロジェクタ201は通信部306を介して、一覧表示を行うために、デジタルカメラ701が持つ静止画を取得する。そして、AVデコーダ部310によって圧縮された静止画を伸張し、表示する。また、スライドショー1103を選ぶと、スライドショーを行うために、順次画像を読み出して全画面表示を表示していくようなスライドショーを実行する。なお、メニューの選択により必要なデータを取得して表示する技術は公知であるので、ここでは詳細説明を省略する。また、図7(b)に示すメニューは一例であって、本発明は一覧表示やスライドショーなどのメニューに限られるものではなく、表示のために通信機器からデータを読み出させるようなメニューであればよい。
【0047】
上記の通り本第1の実施形態によれば、通信機器を表示装置に接触させ、表示装置に表示された通信機器のアイコンを操作するだけで、容易に、通信機器が供給可能なデータを通信機器から取得して表示装置に表示することができる。
【0048】
なお、デジタルカメラ701を投影面202にいつまでも接触させておくのは現実的ではなく、例えば、アイコン1001が表示されたタイミングなどで、デジタルカメラ701を投影面202から離すことが望ましい。
【0049】
デジタルカメラ701を検出した時点では、投影面202の通信素子401を介して通信をしているが、この通信素子401を介した通信は近接に限られる。そこで、機器検出部309の設置検出部309aが投影面202からデジタルカメラ701が離されたことを検出すると(S860)、通信部306に対して802.11無線(図2の344)での通信を開始するように指示する(S880)。この時、すでに、プロジェクタ201はデジタルカメラ701のMACアドレスをメモリ部304に保持しているので、802.11無線によって、アクセスポイント410を介さずに、デジタルカメラ701と直接通信することができる。つまり、投影面202からデジタルカメラ701が離されたとしても、アイコン1001を選択すれば、デジタルカメラ701との通信を継続することができる。
【0050】
また、802.11無線であっても距離が離れれば、通信はできなくなる。デジタルカメラ701との通信ができない状態になった場合には、OSD制御部308のアイコン生成部308aによって、アイコン1001の態様を変化させるとよい。例えば、50%透過にするなどして、通信状態が変わったことをユーザーが認識できるようにする。また、所定時間以上、通信が途絶えたことをCPU303が検出した場合には、アイコン1001を非表示にする。
【0051】
また、デジタルカメラ701との通信が途絶えた状態で、ユーザーがメニュー画像1101からスライドショー1103を選択した場合には、通信が再開した後に自動でスライドショーを実行するようにしてもよい。あるいは、デジタルカメラ701にデータを書き込むことを意図して、データを書き込む操作が操作部305を介して指示された場合には、通信が再開した後に、自動で、その指示をデジタルカメラ701に送信するようにしても良い。
【0052】
上記の通り本第1の実施形態によれば、投影面に通信機器を接地させるだけで、容易に、通信機器からデータの取得を行うことができる。
【0053】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0054】
上述した第1の実施形態では、通信機器の画像を撮影し、通信機器の画像を切り出してアイコンとして表示していたが、別の方法によりアイコンを生成しても良い。
【0055】
例えば、イーサーネットケーブル203によって、サーバを接続し、サーバに機器情報とその機器を視覚的に認知できるアイコンのアイコンデータを互いに関連付けて予め保持させておく。そして、設置検出部309aによって通信機器が投影面202に接触したことを検出すると、アイコン生成部308aは、検出した通信機器の固有情報をキーとして、通信部306を介してサーバにアイコンデータの取得を依頼する。なお、固有情報としては、例えばベンダID、プロダクトIDなどがある。そして、アイコン生成部308aは、サーバから返送されたアイコンデータに基づいてアイコンを生成し、CPU303は生成したアイコンを投影面に表示する。
【0056】
また、アイコンではなく、機器が置かれた位置を示す印を表示しても良く、その印の形状は、どのようなものであってもよく、例えば、枠を表示したり、文字と組み合わせた表示や、特殊記号を表示する等、様々な形状の画像が考えられる。また、マウス画像などの操作用の表示が、機器の置かれた位置や機器を示す表示に重なったときに、その置かれた機器のデータを処理するためのアイコンを表示しても良い。
【0057】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、プロジェクタを表示装置とした例について説明したが、本発明の表示装置は、プロジェクタに限られるものではない。例えば、LCDやCRTなどのディスプレイ、電子ペーパー、テレビ、ノートPC、PC機能付きテレビなど、画像を表示することができる装置であればよい。その場合、図3に示すような機能を有する透過型のシートを表示画面上に配置したり、表示画面の裏側に配置したりする。そのようにすることで、上述した第1及び第2の実施形態と同様に、通信装置を画面に接触するだけで、その通信装置を示す情報を表示し、その通信装置との通信を行うことができる。
【0058】
そして、ディスプレイ、電子ペーパー、テレビであれば、表示部と図3に示すようなシートとを一体化とすることも、PCとシートを接続することもできる。従って、表示装置と、画像形成装置と、からなるシステムとしても、第1及び第2の実施形態で説明したような動作をすることができる。
【0059】
また、ノートPCやPC機能付きテレビであれば、図3に示すようなシートと、表示部と、PC本体とが一体的に構成されるため、表示装置として単独で、第1及び第2の実施形態で説明したような動作をすることができる。
【0060】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、通信装置として、デジタルカメラを使用した例について説明したが、通信装置は、デジタルカメラに限られるものではない。例えば、携帯電話、PCなどでもよいし、無線通信機能付きのUSBメモリ、SDカード等であってもよい。即ち、無線通信機能を有し、保持したデータを無線通信を介して提供できる通信機器であれば、本発明を適用することが可能である。
【0061】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、検出した通信装置の表示装置上の位置にアイコンを表示する場合について説明したが、アイコンを表示する位置は検出した位置に限るものではなく、表示装置上のどの位置であっても構わない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に接触した通信装置を検出する検出手段と、
前記通信装置と通信を行う通信手段と、
前記表示手段に表示された画像に対する操作を行うための操作手段と、
前記検出手段により検出された前記通信装置を表す画像を表示すると共に、前記操作手段により前記通信装置を表す画像への操作が行われたことに応じて、前記通信装置に関連付けられたメニュー画像を表示するように、前記表示手段を制御する制御手段と、
前記操作手段により前記メニュー画像が操作された場合に、該操作された前記メニュー画像に関連付けられた処理を実行するために必要なデータを、前記通信手段を介して前記通信装置から取得する取得手段と
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記検出手段により検出された前記通信装置の種類を示す情報を、前記通信装置から取得する手段と、
通信装置の種類を示す情報と、該通信装置を表す画像とを関連付けて保持する保持手段とを更に有し、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記通信装置の種類に関連付けられた該通信装置を表す画像を前記保持手段から読み出して表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示手段と接触した通信装置の、前記表示手段における位置を検出する位置検出手段を更に有し、
前記制御手段は、前記位置検出手段により検出された前記位置に、前記通信装置を表す画像を表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記表示手段と接触した通信装置の、前記表示手段における位置を検出し、前記表示装置は、
前記検出された位置を含む前記表示手段の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像から、前記通信装置の画像を抽出し、該抽出した通信装置の画像に基づいて、前記通信装置を表す画像を生成する生成手段とを更に有し、
前記制御手段は、前記生成手段により生成された前記画像を、前記表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記位置に、前記生成手段により生成された前記画像を表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記通信装置と通信可能になった場合に、前記通信装置を表す画像を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記表示手段に配置された複数の通信素子を含み、
前記検出手段は、前記複数の通信素子の内、前記通信装置と通信をしている通信素子の位置を前記通信装置の位置として検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記通信手段は、前記通信装置が前記表示手段に接触した状態で通信を行う第1の通信手段と、前記通信装置が前記表示手段に接触していない状態で通信を行う第2の通信手段とを有し、
前記検出手段によって検出された前記通信装置の前記表示手段に対する接触が検出されなくなると、前記通信手段は、前記第1の通信手段から前記第2の通信手段に切り替えて、前記通信装置と通信を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2の通信手段に切り替えられた後、前記通信装置との通信ができない状態になった場合に、前記通信装置を表す画像の表示の態様を変えることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2の通信手段に切り替えられた後、前記通信装置との通信ができない状態となってから所定時間が経過した場合に、前記通信装置を表す画像を非表示にすることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
表示装置と、該表示装置を制御する制御装置を含む表示システムであって、
前記表示装置は
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に配置され、前記表示手段に接触した通信装置と通信すると共に、前記通信装置からのデータを送信する複数の通信素子と、
前記複数の通信素子から送信されたデータを前記制御装置に転送する転送手段とを有し、
前記制御装置は、
前記表示手段に表示された画像に対する操作を行うための操作手段と、
通信手段と、
前記通信手段を介して前記転送手段から転送されたデータを受信することで、前記表示手段に前記通信装置が接触していることを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記通信装置を表す画像を表示すると共に、前記操作手段により前記通信装置を表す画像への操作が行われたことに応じて、前記通信装置に関連付けられたメニュー画像を表示するように、前記表示手段を制御する制御手段と、
前記操作手段により前記メニュー画像が操作された場合に、該操作された前記メニュー画像に関連付けられた処理を実行するために必要なデータを、前記通信手段を介して前記通信装置から取得する取得手段と
を有することを特徴とする表示システム。
【請求項12】
前記制御手段は、前記通信装置と通信可能になった場合に、前記通信装置を表す画像を表示するよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項11に記載の表示システム。
【請求項13】
前記検出手段は、更に、前記通信装置と通信をしている通信素子の位置を前記通信装置の位置として検出することを特徴とする請求項11または12に記載の表示システム。
【請求項14】
検出手段により、画像を表示する表示手段に接触した通信装置を検出する検出工程と、
通信手段により、前記検出された通信装置と通信を行う通信工程と、
制御手段により、前記検出工程で検出された前記通信装置を表す画像を前記表示手段に表示する第1の表示工程と
前記表示手段に表示された画像に対する操作を行うための操作手段により、前記通信装置を表す画像への操作が行われたことに応じて、制御手段により、前記通信装置に関連付けられたメニュー画像を前記表示手段に表示する第2の表示工程と、
前記操作手段により前記メニュー画像が操作された場合に、該操作された前記メニュー画像に関連付けられた処理を実行するために必要なデータを、取得手段により前記通信手段を介して前記通信装置から取得する取得工程と
を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項15】
前記第1の表示工程では、前記通信装置と通信可能になった場合に、前記通信装置を表す画像を前記表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項14に記載の表示制御方法。
【請求項16】
前記検出手段は、前記表示手段に配置された複数の通信素子を含み、
前記検出手段により、前記複数の通信素子の内、前記通信装置と通信をしている通信素子の位置を前記通信装置の位置として検出する工程を更に有することを特徴とする請求項14または15に記載の表示制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−128563(P2011−128563A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289647(P2009−289647)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】