説明

表示装置、表示システム、及び表示方法

【課題】複数のユーザが単一の機器を使用してコンテンツを視聴する場合に、視聴環境の優劣を実現する。
【解決手段】本開示に係る表示装置は、複数のユーザから送られたコンテンツの選択コマンドを取得するコマンド取得部と、前記複数のユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、コンテンツの表示領域を拡大する表示処理部と、を備える。これにより、複数のユーザが単一の機器を使用してコンテンツを視聴する場合に、視聴環境の優劣を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、表示システム、及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビ受像機(TV)などの表示機器を利用して、複数のユーザーが異なるコンテンツを視聴したい場合に、複数の画面を表示する方法が知られている。例えば、特許文献1には、複数の画面のうちのいずれかの画面の選択及び選択された画面に対する表示処理の操作を入力すると、表示部における画面の表示サイズを変更することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−55476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、テレビ受像機などの1つの機器に複数の映像を表示する場合、2画面視聴や Picture in Picture などの従来機能では、最大2種類のコンテンツのみしか同時に視聴できないという問題がある。
【0005】
また、2画面視聴では、それぞれのコンテンツ表示領域のサイズは同じであり、表示サイズを変更できる上記従来例においても、複数のユーザーが同じコンテンツを視聴したい場合や、権限の強いユーザーが存在する状況下でも、視聴環境の優劣を実現することができなかった。
【0006】
このため、複数のユーザが単一の機器を使用してコンテンツを視聴する場合に、視聴環境の優劣を実現することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、複数の制御機器から送られたコンテンツの選択コマンドを取得するコマンド取得部と、前記複数の制御機器を使用するユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、コンテンツの表示領域を拡大する表示処理部と、を備える、表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数のユーザが単一の機器を使用してコンテンツを視聴する場合に、視聴環境の優劣を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の一実施形態に係るリモートコントローラを含むリモートコントローラシステムを示す図である。
【図2】リモートコントローラおよびテレビの機能構成を示すブロック図である。
【図3】4人のユーザがリモートコントローラでテレビを操作している様子を示す模式図である。
【図4】ユーザ2とユーザ4が同じコンテンツ2を視聴している状態を示す模式図である。
【図5】ディスプレイの空き領域に、最も権限の大きいコンテンツに対応する関連情報などを表示した例を示す模式図である。
【図6】最も大きく表示されているコンテンツ2の音声をテレビから発音させ、その他のコンテンツ1,3についてはリモートコントローラから発音させている例を示す模式図である。
【図7】本実施形態のシステムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.リモートコントローラシステムの概要
2.システムの構成例
3.システムの動作の例
4.システムの動作フロー
【0012】
[1.リモートコントローラシステムの概要]
以下では、本開示の一実施形態に係る、リモートコントローラ(リモートコマンダー(遠隔操作入力装置)100とテレビ10からなるシステムについて説明する。ただし、本開示は、リモートコントローラ100に限らず、タッチパネルディスプレイ101を搭載した携帯情報端末(PDA)、携帯電話等、携帯型の情報処理装置にも同様に適用することができる。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係るリモートコントローラ100を含むシステムを示す図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、例えばタッチパネルディスプレイ101を搭載したリモートコントローラ100、およびリモートコントローラ100を通じて操作されるテレビ(制御装置)10を含む。なお、テレビ10は、制御装置の一例であり、リモートコントローラ100を通じて操作される電子機器の一例であるが、制御装置は、パーソナルコンピュータ(PC)など、表示機能を備えた他の表示装置であっても良い。また、制御装置は、モニタを接続して使用する電子機器(セットトップボックス(STB)等)であっても良い。
【0014】
本実施形態のシステムでは、少なくともリモートコントローラ100からテレビ10の方向に有線通信または無線通信が行われる。リモートコントローラ100−テレビ10間の通信は、直接的に行われてもよく、不図示のネットワーク等を介して間接的に行われてもよい。
【0015】
リモートコントローラ100は、テレビ10を操作するための操作用アイコン等をタッチパネルディスプレイ101に表示する。アイコン選択等の操作入力が行われると、リモートコントローラ100は、操作入力に応じて所定の操作コマンドCをテレビ10に送信する。テレビ10は、操作コマンドCを受信し、操作コマンドCに応じて所定の動作を行う。なお、リモートコントローラ100とテレビ11との間の通信方式としては、例えば、赤外線(IR)を使用した方式、RF、Bluetooth等を使用した方式、IPネットワークを使用した方式等を用いることができる。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るシステムでは、複数のユーザがリモートコントローラ100を使用して同時にテレビ10を視聴することができる。このため、テレビ10のディスプレイ11には、複数のコンテンツ表示領域が設定される。コンテンツ表示領域の大きさは可変であり、それぞれのコンテンツ表示領域には異なるコンテンツが表示される。図1の例では、4人のユーザのそれぞれがリモートコントローラ100を使用して異なるコンテンツ1〜4を視聴する例を示している。このように、本実施形態に係るシステムでは、1台のテレビ10を使用して、各ユーザが異なるコンテンツを視聴することができる。また、各ユーザは、リモートコントローラ100を使用して、テレビ10を個々に操作することができる。
【0017】
[2.システムの構成例]
図2には、リモートコントローラ100およびテレビ10の機能構成が示されている。リモートコントローラ100は、タッチパネルディスプレイ101、制御部103、メモリ105、通信部107、アンテナ108、スピーカ109、コンテンツ取得部110を含む。テレビ10は、ディスプレイ11、制御部13、メモリ15、通信部17、アンテナ18、放送波受信部19を含む。なお、図2には、本開示の一実施形態に係る主要な機能構成のみが示されている。
【0018】
まず、リモートコントローラ100の機能構成について説明する。タッチパネルディスプレイ101は、表示パネル101aにタッチパネル101b(検出部)が積層された構成を有する。表示パネル101aとしては、液晶ディスプレイ(LCD)等が利用される。タッチパネル101bとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、赤外線方式等のパネルが利用される。
【0019】
タッチパネル101bは、パネル面に対する指の接触状態を検出する。なお、接触状態に代えてまたは接触状態に加えて、指の近接状態を検出してもよい。タッチパネル101bは、タッチパネル101bに指が接触した時点で接触信号を制御部103に供給し、タッチパネル101bから指が離れた時点で解除信号を制御部103に供給する。
【0020】
また、タッチパネル101bは、タッチパネル101bに指が接触している間、接触位置に対応した座標信号を制御部103に供給する。ここで、座標信号は、タッチパネル101bに対する接触位置のX−Y座標を表している。
【0021】
制御部103は、CPU、RAM、ROM等を含み、CPUは、RAMを作業メモリとして用いて、ROMに格納されているプログラムを実行し、リモートコントローラ100の各部を制御する。制御部103は、プログラムにより、タッチパネル101b上での操作入力情報を取得して処理する操作情報処理部103a、テレビ10へ送信するコマンドに関する処理を行うコマンド処理部103b、表示パネル101aの表示を制御する表示処理部103bとして機能する。
【0022】
メモリ105は、EEPROM等の不揮発性メモリであり、アイコンデータ、コマンド情報、リモートコントローラ100の権限に関する情報等を格納している。通信部107は、ユーザーによる操作入力に応じて、所定の操作コマンドCをアンテナ108を介してテレビ10に送信する。
【0023】
制御部103の操作情報処理部103aは、タッチパネル101bから供給された座標信号をデコードして座標データを生成し、座標データおよび接触/解除信号に基づいて、リモートコントローラ100の各部を制御する。制御部103のコマンド処理部103bは、ユーザによる操作入力に応じて、操作入力情報に応じたコマンド情報を通信部107に供給する。この際、コマンド処理部103bは、必要に応じて操作入力情報に応じたコマンド情報をメモリ105から読み出す。コマンド情報には、コンテンツを選択するための選択コマンドの情報が含まれる。また、コマンド処理部103bは、リモートコントローラ100の権限に関する情報をメモリ105から読出し、権限に関する情報をコマンド情報に含めて通信部107に供給する。通信部107は、コマンド情報に基づいて、所定の操作コマンドCをアンテナ108からテレビ10に送信する。操作コマンドCには、テレビ10のディスプレイ11に表示されるコンテンツの選択コマンドを含む。
【0024】
制御部103の表示処理部103cは、メモリ105に記憶されているアイコンデータを読出してGUI画面の表示データを生成し、表示データを表示パネル101aに供給する。表示パネル101aは、表示データに基づいてGUI画面を表示する。
【0025】
コンテンツ取得部110は、インターネットなどのネットワークからコンテンツを取得する。また、スピーカ109は音声を発音する。
【0026】
次に、テレビ10の機能構成について説明する。ディスプレイ11は、操作画面、コンテンツ等を表示する。コンテンツには、放送波受信部19が受信した、映画、ニュース、バラエティ番組など、通常のテレビが表示するコンテンツが含まれる。制御部13は、CPU、RAM、ROM等を含み、テレビ10の各部を制御する。CPUは、RAMを作業メモリとして用いて、ROMに格納されているプログラムを実行し、テレビ10の各部を制御する。制御部13は、プログラムにより、リモートコントローラ100から受信した操作コマンドCを取得する処理を行うコマンド処理部13a、操作コマンドCに基づいてコンテンツ表示領域に関する権限についての演算を行う権限演算部13b、ディスプレイ11上の表示の処理を行う表示処理部13cとして機能する。また、表示処理部13cは、権限に応じてコンテンツ表示領域の大きさを可変する処理を行う。メモリ15は、EEPROM等の不揮発性メモリであり、操作画面情報、操作コマンド情報等を格納している。
【0027】
通信部17は、アンテナ18を介して、操作コマンドCをリモートコントローラ100から受信する。なお、通信部17は、操作コマンドCの受信以外に、テレビ10に対応する操作画面情報、操作コマンド情報、テレビ10の状態を示すステータス情報等をリモートコントローラ100に送信することもできる。また、通信部17は、ディスプレイ11上に表示されるコンテンツをリモートコントローラ100の表示パネル101aに表示するため、コンテンツに係る情報をリモートコントローラ100へ送信する。
【0028】
制御部13のコマンド処理部13aは、リモートコントローラ100から操作コマンドCを取得すると、コマンド情報に基づいて、操作コマンドCに対応する処理を実行するように、テレビ11の各部を制御する。
【0029】
[3.システムの動作の例]
次に、本実施形態のシステムにおける動作について説明する。図3〜図5は、本実施形態のシステムにおける動作を説明するための模式図である。ここで、図3は、4人のユーザが異なるリモートコントローラ100を使用して、1つのテレビ10で異なるコンテンツを視聴している様子を示す模式図である。図3に示す状態では、4人のユーザ1〜4が異なるコンテンツ1〜4をそれぞれ視聴し、同一の権限でテレビ10を視聴している状態を示している。後で詳細に説明するが、図3に示すように、権限が同一の場合、ディスプレイ11が4分割されて、各ユーザが視聴する4つのコンテンツ1〜4が同じ大きさでディスプレイ11に表示される。
【0030】
図4は、ユーザ1がコンテンツ1を視聴し、ユーザ3がコンテンツ3を視聴している点は図3と同様であるが、ユーザ2とユーザ4が同じコンテンツ2を視聴している状態を示している。この場合、コンテンツ2は、2名のユーザによって視聴されているため、2名のコンテンツ表示領域が統合された状態となり、より大きな領域で表示される。一方、1名のユーザのみによって視聴されているコンテンツ1,3の表示領域は小さくなる。従って、コンテンツ2は、1名のユーザのみによって視聴されているコンテンツ1,3と比較すると、より大きく表示される。このように、本実施形態では、コンテンツに係る権限に応じて表示画面の大きさが決定され、視聴者数(視聴率)の高いコンテンツほど、そのコンテンツに係る権限が大きくなり、ディスプレイ11上での表示領域が大きく設定される。従って、権限に応じて、視聴者数が多いコンテンツなどをより大きな範囲で表示することができる。
【0031】
図5は、各ユーザが異なる権限を備えたリモートコントローラ100を使用している場合の例を示す模式図である。この場合、権限の強いリモートコントローラ100を使用しているユーザが選択したコンテンツほど、表示領域が大きくなる。図5の例では、ユーザ1〜4がコンテンツ1〜4をそれぞれ視聴しているが、ユーザ4が使用しているリモートコントローラ100の権限は“3”で最も大きいため、ユーザ4が視聴しているコンテンツ4の表示領域が最も大きくなる。ユーザ3が使用しているリモートコントローラ100の権限は“2”であるため、ユーザ3が視聴しているコンテンツ3の表示領域は、コンテンツ4よりも小さくなる。また、ユーザ1,2が使用しているリモートコントローラ100の権限は“1”であるため、ユーザ1,2が視聴しているコンテンツ1,2の表示領域は、最も小さくなる。
【0032】
ここで、例えば権限が“1”のリモートコントローラ100を使用しているユーザ2名が同じコンテンツを視聴する場合は、2名のコンテンツ表示領域が統合され、権限が加算されて“2(=1+1)”となる。従って、2名分のコンテンツ表示領域は、統合の結果、権限が“2”のリモートコントローラ100を使用しているユーザと同じ大きさのコンテンツ表示領域となる。
【0033】
また、コンテンツ表示領域の大きさを可変とすることで、テレビ10のディスプレイ11に、どのコンテンツの表示にも利用されない空き領域が発生する場合がある。この場合、空き領域に視聴中のコンテンツの関連情報等を表示しても良い。図5に示す例では、最も権限の大きいユーザ4が視聴するコンテンツ4の表示領域を最大にして表示するとともに、ディスプレイ11に発生した空き領域に、最も権限の大きいコンテンツ4に対応する関連情報などを表示した例を示している。このように、コンテンツの大きさを変化させた際に、ディスプレイ11に空きスペースが生じた場合は、コンテンツに係る関連情報、詳細情報等を表示することもできる。
【0034】
また、コンテンツ表示領域で複数のコンテンツが表示されている場合、テレビ10からは最も権限の大きなコンテンツ表示領域のコンテンツの音声を再生してもよい。また、その他のコンテンツの音声は、リモートコントローラ100から再生してもよい。図6は、最も権限が大きく、最も大きく表示されているコンテンツ2の音声をテレビ10から発音させ、その他のコンテンツ1,3については、コンテンツ1,3を視聴しているユーザ1,3のリモートコントローラ100から発音させている例を示す模式図である。これにより、権限の大きなコンテンツを視聴しているユーザは、テレビ10から発音された音声を直接聴くことができるとともに、権限の小さなコンテンツを視聴しているユーザも、自身の視聴しているコンテンツの音声をリモートコントローラ100から確実に聴き取ることができる。この場合、テレビ10からは最も権限の大きいコンテンツの音声のみを発音させ、他のコンテンツの音声は通信部17からリモートコントローラ100へ送信し、リモートコントローラ100のスピーカ109から発音させる。
【0035】
また、各ユーザがリモートコントローラ100を操作してディスプレイ11上でゲーム等を行う場合、各ユーザの得点などの優劣を利用して権限を決定し、コンテンツ表示領域のサイズを変更してもよい。
【0036】
また、リモートコントローラ100がスマートフォンなどのモバイル機器の場合、各リモートコントローラ100は、コンテンツ取得部110によりインターネットなどのネットワークからコンテンツを取得することができる。この場合、各ユーザは、各リモートコントローラ100が個々に取得したコンテンツをテレビ10に送信し、ディスプレイ11上に表示して視聴することもできる。この場合においても、上述した例と同様に、権限に応じてコンテンツ表示領域の大きさを可変することができる。この場合、各リモートコントローラ100から映像、音声のデータをテレビ10に送信して、テレビ10の画面上で表示して視聴する。リモートコントローラ100の制御部103は、コンテンツ取得部110が取得したコンテンツのデータをテレビ10へ送信する。そして、テレビ10の制御部13は、リモートコントローラ100から受信したコンテンツを、リモートコントローラ100の権限に応じた大きさでディスプレイ11に表示する。
【0037】
また、リモートコントローラ100は同一の家庭に存在するものに限定されるものではない。例えば、リモートコントローラ100は異なる家庭に存在してもよい。この場合、各ユーザがテレビ10を共有するわけではないが、テレビ電話やオンラインゲームなどのアプリケーションを利用する際に、上述した場合と同様に権限に応じて表示領域を可変することができる。
【0038】
[4.システムの動作フロー]
次に、図7に基づいて、本実施形態のシステムにおける処理について説明する。図7は、本実施形態のシステムの処理を示すフローチャートである。図7においては、ステップS10で権限ARiを有するリモートコントローラRiから新たにコンテンツCjの選択コマンドを受信すると、ステップS14〜S20において、そのリモートコントローラRiに既に関連付けられているコンテンツがある場合は、そのコンテンツから権限ARiを除く処理(または、そのコンテンツ自体を削除する処理)が行われる。そして、ステップS22〜S26において、新たに選択されたコンテンツCjにリモートコントローラRiの権限ARiを加算し、権限に応じた大きさでコンテンツの表示を行う。
【0039】
先ず、ステップS10では、権限ARiのリモートコントローラRiからコンテンツCjの選択コマンドを受信する。次のステップS12では、リモートコントローラRiの権限ARiに既に関連付けられたコンテンツ表示領域Dkが存在するか否かを判定する。
【0040】
ステップS12で権限ARiに既に関連付けられたコンテンツ表示領域Dkが存在する場合は、ステップS14へ進む。ステップS14では、コンテンツ表示領域Dkが他のリモートコントローラ100にも関連付けられているか否かを判定する。コンテンツ表示領域Dkが他のリモートコントローラ100にも関連付けられている場合は、ステップS16へ進み、コンテンツ表示領域Dkの権限ADkから権限ARiを減算する。これにより、リモートコントローラRiに既に関連付けられていたコンテンツ表示領域Dkに関して、コンテンツCjが新たに選択されたことによって、表示領域Dkの権限から権限ARiが減算される。
【0041】
一方、ステップS14でコンテンツ表示領域Dkが他のリモートコントローラ100にも関連付けられていない場合は、ステップS18へ進む。ステップS18では、コンテンツCjが、他のユーザが視聴中のコンテンツと同じであるか否かを判定する。コンテンツCjが、他のユーザが視聴中のコンテンツと同じである場合は、ステップS20へ進み、既に関連付けられたコンテンツ表示領域Dkを削除する。ステップS20の後はステップS24へ進む。
【0042】
また、ステップS12で権限Riに関連付けられたコンテンツ表示領域Dkが存在しない場合、またはステップS16の後は、ステップS22へ進む。ステップS22では、新規に選択されたコンテンツCjが、他のユーザが視聴中のコンテンツと同じであるか否かを判定する。ステップS22でコンテンツCjが他のユーザが視聴中のコンテンツと同じである場合は、ステップS24へ進む。
【0043】
ステップS24では、新規に選択されたコンテンツCjが表示されているコンテンツ表示領域Dkの権限ADkに対してリモートコントローラRiの権限ARiを加算し、コンテンツ表示領域DkをリモートコントローラRiに関連付ける。
【0044】
また、ステップS22でコンテンツCjが他のユーザが視聴中のコンテンツと同じでない場合は、ステップS26へ進む。ステップS26では、リモートコントローラRiのコンテンツ表示領域DIを新しく追加し、コンテンツ表示領域DIをリモートコントローラRiに関連付ける。コンテンツ表示領域DIの権限ADIは、リモートコントローラRiの権限ARiとする。
【0045】
ステップS24、ステップS26の後はステップS28へ進む。ステップS28では、コンテンツ表示領域D0...Dnの権限AD0...ADnに基づいて、コンテンツ表示領域D0...Dnのサイズを計算し、表示機器(テレビ10)のディスプレイ11に反映させる。ここで、権限AD0...ADnが大きいほど、コンテンツ表示領域D0...Dnのサイズを大きくする。ステップS28の後は処理を終了する。
【0046】
以上説明したように本実施形態によれば、1つのテレビ10に各ユーザが視聴する複数のコンテンツを表示し、各ユーザがリモートコントローラ100でコンテンツの選択をできるようにした。また、各コンテンツの大きさを可変とし、視聴者数が多いコンテンツなど、コンテンツに係る権限が大きい場合は、表示領域を大きくするようにした。従って、権限に応じてコンテンツの大きさを可変することができ、複数のユーザが最適な状況で各コンテンツを視聴することが可能となる。
【0047】
これにより、1つの表示機器(テレビ10)を複数のユーザが共有し、コンテンツ視聴を楽しむことのできるユーザインターフェースを提供することが可能となる。また、表示機器を共有しているユーザのうち、複数のユーザが同じコンテンツを視聴したい場合や、異なる権限のユーザーが存在する状況下で、視聴環境の優劣を最適に実現することが可能となる。
【0048】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0049】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)複数の制御機器から送られたコンテンツの選択コマンドを取得するコマンド取得部と、
前記複数の制御機器を使用するユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、コンテンツの表示領域を拡大する表示処理部と、
を備える、制御装置。
【0050】
(2)前記選択コマンドによって選択された前記コンテンツに関する権限を演算する権限演算部を備え、
前記表示処理部は、演算された前記権限に基づいてコンテンツの表示領域を可変する、前記(1)に記載の制御装置。
【0051】
(3)前記表示処理部は、演算された前記権限の値が大きいほど、前記コンテンツの表示領域を大きくする、前記(2)に記載の制御装置。
【0052】
(4)前記権限は、前記コンテンツを選択する前記制御機器の数が多いほど大きな値とされる、前記(2)に記載の制御装置。
【0053】
(5)前記権限は、前記複数の制御機器に応じて定められた、前記(2)に記載の制御装置。
【0054】
(6)制御機器と、前記制御機器により遠隔操作される制御装置を有し、
前記制御装置は、
複数の制御機器から送られたコンテンツの選択コマンドを取得するコマンド取得部と、
前記複数の制御機器を使用するユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、コンテンツの表示領域を拡大する表示処理部と、
を備える、表示システム。
【0055】
(7)複数の制御機器がコンテンツの選択コマンドを送信することと、
制御装置が、前記複数の制御機器から送られた前記選択コマンドを取得することと、
前記複数の制御機器を使用するユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、制御装置が、コンテンツの表示領域を拡大することと、
を備える、表示方法。
【符号の説明】
【0056】
10 テレビ(表示装置)
13a コマンド取得部
13b 権限演算部
13c 表示処理部
100 リモートコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御機器から送られたコンテンツの選択コマンドを取得するコマンド取得部と、
前記複数の制御機器を使用するユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、コンテンツの表示領域を拡大する表示処理部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記選択コマンドによって選択された前記コンテンツに関する権限を演算する権限演算部を備え、
前記表示処理部は、演算された前記権限に基づいてコンテンツの表示領域を可変する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、演算された前記権限の値が大きいほど、前記コンテンツの表示領域を大きくする、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記権限は、前記コンテンツを選択する前記制御機器の数が多いほど大きな値とされる、請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記権限は、前記複数の制御機器に応じて定められた、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
制御機器と、前記制御機器により遠隔操作される制御装置を有し、
前記制御装置は、
複数の制御機器から送られたコンテンツの選択コマンドを取得するコマンド取得部と、
前記複数の制御機器を使用するユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、コンテンツの表示領域を拡大する表示処理部と、
を備える、表示システム。
【請求項7】
複数の制御機器がコンテンツの選択コマンドを送信することと、
制御装置が、前記複数の制御機器から送られた前記選択コマンドを取得することと、
前記複数の制御機器を使用するユーザの少なくとも一部が同一のコンテンツを視聴する場合、制御装置が、コンテンツの表示領域を拡大することと、
を備える、表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46202(P2013−46202A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182455(P2011−182455)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】