表示装置、表示システム及びプログラム
【課題】顧客にとって最適の表示内容を表示すると共に、顧客にとって最適の店舗情報を出力し、顧客の利便性を高め、商品の購入意欲を喚起して、商品の購入を促進する。
【解決手段】電子棚札1は、通信ネットワークN1,中継器2及び通信ネットワークN2を介して店舗サーバ3に接続され、商品価格等の商品情報を表示部に表示するものであって、電子棚札1は、顧客が所持するICカード4(識別媒体)から顧客属性を読み取ると、読み取った顧客属性に応じて、表示部に表示される商品情報の表示内容を切り換えると共に、電子棚札1は、読み取られた顧客属性を店舗サーバ3に送信し、店舗サーバ3から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信し、受信された店舗イベント情報を音声出力し、且つ店舗イベント情報を表示出力する。
【解決手段】電子棚札1は、通信ネットワークN1,中継器2及び通信ネットワークN2を介して店舗サーバ3に接続され、商品価格等の商品情報を表示部に表示するものであって、電子棚札1は、顧客が所持するICカード4(識別媒体)から顧客属性を読み取ると、読み取った顧客属性に応じて、表示部に表示される商品情報の表示内容を切り換えると共に、電子棚札1は、読み取られた顧客属性を店舗サーバ3に送信し、店舗サーバ3から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信し、受信された店舗イベント情報を音声出力し、且つ店舗イベント情報を表示出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札及び電子棚札システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗では、POSシステムに記憶される商品マスタで商品の売価を管理し、顧客に対しては、商品が陳列された位置に設けた棚札により商品の売価を表示している。しかし、このような棚札の管理は、売価の書き間違い等のミスが発生しやすく、商品マスタとは異なる売価が顧客に提示される可能性がある。このため、最近では電子棚札システムが採用されている。従来の電子棚札システムでは、表示部を備えた電子棚札が各商品の陳列位置に取り付けられ、商品マスタに基づく売価が電子棚札コントローラから各電子棚札に送信されて電子棚札の表示部に表示される。これにより、顧客に正しい売価を提示できるようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−222632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、従来の電子棚札システムでは、商品名と売価とが予め決められた文字種類と文字サイズで電子棚札の表示部に表示されるだけであった。そのため、顧客は、電子棚札の表示によって商品の売価を知ることはできるものの、その商品に対する購入意欲を喚起することにはならなかった。また、高齢者の顧客にとっては、電子棚札に表示された商品名と売価の文字が判読しにくかったり、外国人の顧客にとっては、商品名の文字自体が理解しにくかったりするという不都合がある。
そこで、様々な顧客の利便性を高め、それによって、商品の購入意欲を喚起して、商品の購入を促進することが要望されている。
【0005】
本発明の課題は、顧客が自分に適した店舗イベント情報を自分のペースで充分に確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明の電子棚札は、ネットワークを介してサーバ装置に接続され、商品価格を表示する電子棚札であって、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、前記サーバ装置から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、を具備する。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記読取手段は、近距離通信手段により前記識別媒体と通信し、前記識別媒体から顧客属性を読み取る。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記読取手段は、前記識別媒体に設けられたコード情報を光学的に読み取り、前記識別媒体から顧客属性を読み取る。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記出力手段は、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じた音声モードで音声出力する。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて複数の言語で表現された商品情報を記憶し、前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う言語で表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて前記商品情報を複数の文字サイズで記憶し、前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う文字サイズで表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、前記受信手段は、火災,地震等の災害発生時に前記サーバ装置から送信される前記災害発生信号を受信し、前記切換手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から前記災害報知情報記憶手段に記憶された災害発生報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、前記災害発生報知情報の表示内容を切り換える。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の電子棚札において、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、前記出力手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客の属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる。
【0014】
請求項9記載の発明の電子棚札システムは、電子棚札とサーバ装置とがネットワークを介して接続された電子棚札システムであって、前記サーバ装置は、複数の顧客属性に対応づけて複数の店舗イベント情報を記憶する店舗イベント記憶手段と、前記電子棚札から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を前記店舗イベント記憶手段から読み出し、前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信する送信手段と、を具備し、前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、前記サーバ装置から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、を具備する。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の電子棚札システムにおいて、前記サーバ装置は、火災,地震等の災害発生時に災害発生信号を前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信し、前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、前記受信手段は、前記サーバ装置から送信される前記災害発生信号を受信し、前記切換手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から前記災害発生報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、前記災害発生報知情報の表示内容を切り換える。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の電子棚札システムにおいて、前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、前記出力手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、顧客は自分に適した表示内容で商品情報を確認できると共に、顧客が欲するタイミングで、自分に適した店舗イベント情報を自分のペースで充分に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る電子棚札システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る電子棚札の主要構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る電子棚札の外観構成を示す外観図である。
【図4】本実施形態に係る店舗サーバの主要構成を示すブロック図である。
【図5】電子棚札における記憶部のファイル構成及び各ファイルのレコード構造を示す図である。
【図6】店舗サーバにおける記憶部のファイル構成及び各ファイルのレコード構造を示す図である。
【図7】本実施形態に係る電子棚札で実行される表示切換処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る電子棚札で実行される災害報知処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る店舗サーバで実行される店舗イベント情報配信処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る店舗サーバで実行される災害発生信号送信処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】電子棚札における商品情報の表示例を示す図である。
【図12】電子棚札における店舗イベント情報の表示例を示す図である。
【図13】電子棚札における災害報知情報の表示例を示す図である。
【図14】電子棚札における避難経路情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。まず、本実施形態における構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る電子棚札システム100の全体構成を示す。図1に示すように、電子棚札システム100は、複数の電子棚札1と、複数の中継器2と、店舗サーバ3と、火災報知装置5と、地震感知装置6とにより構成されている。本実施形態に係る電子棚札システム100は、スーパーマーケット,デパート等の店舗内に設置されるものであり、各電子棚札1は店舗内の商品陳列棚に各商品に対応づけて設置される。そして、電子棚札1は、買物のために店舗を訪れた顧客が所持している識別媒体としてのICカード4と近距離通信部により通信し、顧客のICカード4から顧客属性を読み取る。
本実施形態では、店舗サーバ3と複数の中継器2とが有線の通信ネットワークN1を介して接続され、複数の中継器2と複数の電子棚札1とが無線の通信ネットワークN2を介して接続されている。
【0020】
なお、図1では、電子棚札システム100として、便宜上、店舗サーバ3に3台の中継器2が接続され、3台の中継器2と3台の電子棚札1とが接続される例を示しているが、電子棚札1や中継器2の台数は、これに限定されるものではなく、電子棚札1や中継器2の台数は任意である。
通信ネットワークN1は、例えばLAN(Local Area Network;構内通信網)を想定しているが、インターネット等のWAN(Wide Area Network;広域通信網)等を含めてもよく、イントラネット(intranet)、電話回線、専用線、移動体通信網、通信衛星網、CATV(Cable Television)回線、インターネットプロバイダ等を含めてもよい。また、通信ネットワークN1のネットワーク形態は、有線ネットワークに限らず、無線ネットワークでもよく、有線ネットワークと無線ネットワークとを組み合わせたものでもよい。
【0021】
店舗サーバ3は、通信ネットワークN1及び中継器2を介して電子棚札1と接続し、電子棚札1に対して、棚札表示として表示する商品名や価格等の棚札情報と、店舗イベント情報や店舗特売情報等の店舗情報とを設定すると共に、火災報知装置5や地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力された際には、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信するように構成されている。
【0022】
ICカード4は、店舗に買物に来た顧客が所持するポイントカード,会員カード等の識別媒体であり、顧客属性を示す顧客属性情報と、顧客が取得したポイントを示すポイント情報と、顧客を識別するための会員番号,氏名等の顧客識別情報とを内蔵するRFIDチップやICチップに記憶している。この本実施形態において、顧客属性とは、例えば顧客の年齢、性別、国籍(使用言語)等である。電子棚札1は、近距離通信手段によりICカード4に内蔵されたRFIDチップやICチップに記憶された顧客属性を読み取る。
なお、ICカード4は、電子棚札1が顧客属性を読み取るための識別媒体としての一例を示すものであり、RFIDチップやICチップを内蔵するものに限定されない。例えば、識別媒体としては、単なるポイントカードや会員カードの表面に顧客属性を示すバーコードやQRコード(登録商標)等の2次元コード等のデータコードを印刷したものでもよい。この場合、電子棚札1はデータコードを光学的に読み取るためのバーコードスキャナ,2次元コードスキャナ等のコード読取装置を備えるものとする。
また、顧客が所持する識別媒体としては、ICカード4に限定されず、携帯電話,PDA,携帯型ゲーム機等の携帯型電子機器であってもよく、これら携帯型電子機器には顧客属性を記憶したRFIDチップやICチップを内蔵し、電子棚札1が顧客属性を読み取ることができるように構成してもよい。
【0023】
火災報知装置5は、店舗内における火災の発生を報知する装置であり、店舗で火災が発生した場合、火災報知信号を店舗サーバ3に出力する。
地震感知装置6は、地震の発生を感知する装置であり、地震が発生した場合、地震感知信号を店舗サーバ3に出力する。
なお、図1では、電子棚札システム100として、便宜上、店舗サーバ3に1台の火災報知装置5と1台の地震感知装置6が接続されている例を示したが、火災報知装置5や地震感知装置6の台数は、これに限定されるものではなく、火災報知装置5や地震感知装置6は店舗内の複数の場所に設置してもよく、火災報知装置5や地震感知装置6の台数は任意である。
【0024】
図2は、電子棚札1の主要構成を示すブロック図である。図2に示すように、電子棚札1は、CPU(Central Processing Unit)10と、入力部11と、表示部12と、無線通信部13と、RAM(Random Access Memory)14と、記憶部15と、近距離通信部16とを備えて構成され、各部はバス17を介して接続される。なお、電子棚札1は、図示しない電池を電源部として、この電池電源部から各部に電源が供給されている。
また、電源部は電池に限らず、電灯線から供給されるようにしてもよく、あるいは店舗サーバ3から電源ラインを介して電源が供給されるようにしてもよい。
【0025】
CPU10は、記憶部15に記憶された制御プログラムを読み出してRAM14に展開し、RAM14に展開したプログラムに基づいて各種の処理を実行する。具体的にCPU10は、電子棚札1が棚札情報を表示したり、ICカード4に記憶された顧客属性を近距離通信部16により読み取る場合、記憶部15の図示しないメモリから、表示プログラムや通信プログラムを読み出し、表示部12によって棚札情報を表示したり、近距離通信部16とICカード4との近距離通信によって、ICカード4から顧客属性を読み取る。
【0026】
音声出力部11は、スピーカー等の音響発生器、増幅器等を有し、CPU10から入力される音声出力信号に従って、音声出力処理を行う。音声出力部11は、記憶部15に記憶された店舗イベント情報、避難経路情報を音声出力する。
【0027】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを有し、CPU10から入力される表示制御信号に従って、表示処理を行う。表示部12は、記憶部15に記憶された棚札情報(商品名,価格)、商品情報(商品名,生産地,生産者,収穫日,宣伝メッセージ等)、店舗イベント情報、災害報知情報、避難経路情報を表示出力する。
【0028】
無線通信部13は、中継器2及び無線の通信ネットワークN2を介して店舗サーバ3に通信接続するための制御を行う。無線通信部13は、記憶部15の図示しないメモリ領域に記憶されたIPアドレスに基づいて店舗サーバ3との通信を確立した後、中継器2を介して店舗サーバ3との通信を行う。
【0029】
RAM14は、CPU10により実行される制御プログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM14は、入力データ及び制御プログラムの実行時に生じる処理結果のデータを、ワークエリアに一時的に格納する。また、RAM14の記憶内容は、図示しないバックアップ用電池からの電源供給によって常に記憶保持されている。
【0030】
記憶部15は、HDD(Hard Disc Drive)又は不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU10により実行される制御プログラム及びこの制御プログラムの実行時に必要なデータ等を記憶する。
【0031】
近距離通信部16は、近距離通信装置により構成され、顧客の携帯端末と通信接続し、顧客の携帯端末に対して記憶部15に記憶された商品情報(レシピ情報,トレーサビリティ情報等)を送信する。本実施形態において、近距離通信装置とは、例えば1m以内の近距離で通信を行うことを想定した通信装置であり、例えばRFID(Radio Frequency Identification),Bluetooth(登録商標),赤外線通信装置,IrDA(Infrared Data Association)等の通信装置である。
【0032】
次に、電子棚札1の外観構成を説明する。
図3は、電子棚札1の外観を示す外観図である。図3に示すように、電子棚札1は、長方形のパネル状に構成された装置本体を有するもので、この装置本体の正面側には、表示部12と、近距離通信読取部16aとが設けられている。表示部12は、記憶部15に記憶された棚札情報を表示するものであり、本実施形態では、商品名、生産地、価格等の商品情報や、後述する店舗イベント情報、災害報知情報、避難経路情報を表示するように構成されている。近距離通信読取部16aは、顧客が所持するICカード4に記憶された顧客情報を読み取るためのものであり、近距離通信読取部16aの部分にICカード4を近づけることにより、近距離通信部16がICカード4のRFIDチップやICチップに記憶された顧客属性を読み取ることができるように構成されている。
【0033】
本実施形態において、電子棚札1は、棚札表示を行う商品毎に設置されるものであり、例えばスーパーマーケット,デパート等の野菜売り場において「ほうれん草」が陳列された商品棚に設置される。この場合、図3に示すように、電子棚札1が対応する商品の商品名として「ほうれん草」を表示し、商品の生産地として「埼玉県川越市」を表示し、価格として「198円」を表示する。
なお、本実施形態では、棚札情報として商品名も表示部12に表示するようにしているが、これに限らず、商品名や生産地は表示部12に表示するのではなく、電子棚札1の表示部12近傍に商品名や生産地を印刷したシール等を貼付したり、電子棚札1の装置本体の空きスペースに商品名や生産地を印刷したりすることで、棚札表示を行うようにしてもよい。即ち、表示部12には棚札情報として価格だけを表示するようにしてもよい。
【0034】
次に、店舗サーバ3の構成を説明する。
図4は、店舗サーバ3の主要構成を示すブロック図である。図4に示すように、店舗サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)30と、入力部31と、表示部32と、通信部33と、RAM(Random Access Memory)34と、記憶部35と、を備えており、各部がバス36を介して接続される。
【0035】
CPU30は、店舗サーバ3の各部を中央制御する。CPU30は、記憶部35に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM34に展開し、RAM34に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0036】
CPU30は、後述する店舗イベント情報配信プログラムとの協働で、店舗内に設置された電子棚札1から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6により後述する店舗イベント情報データベース35cから読み出して、電子棚札1に送信する。また、CPU30は、火災報知装置5や地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力された際には、後述する災害発生信号送信プログラムとの協働で、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信する。
【0037】
入力部31は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーボードを含む構成とし、操作者により各キーが押下された操作信号をCPU30に出力する。また、入力部21は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力信号を受け付けてCPU30に送信することとしてもよい。
【0038】
表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成され、CPU30からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
【0039】
通信部33は、モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部33は、接続される通信ネットワークN1,中継器2,及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1と通信を行う。また、通信部33は、火災報知装置5及び地震感知装置6と接続されており、火災報知装置5や地震感知装置6から出力される火災報知信号あるいは地震感知信号を受信すると、受信した火災報知信号,地震感知信号をCPU30に伝達する。これにより、CPU30は、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して、通信ネットワークN1,中継器2,及び通信ネットワークN2を介して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信する。
【0040】
RAM34は、揮発性のメモリである。また、RAM34は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0041】
記憶部35は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成され、各種プログラム及び各種データを記録媒体から読み出し及び書き込み可能に記憶する。記憶部35のファイル構成及び各ファイルのレコード構造は図6により後述する。
【0042】
次に、図5を参照して、電子棚札1における記憶部15のファイル構成と、各ファイルのレコード構造とを説明する。図5(A)は、記憶部15のファイル構成を示す図である。図5(A)に示すように、電子棚札1の記憶部15には、棚札ファイル15aと、商品情報ファイル15bと、災害報知情報ファイル15cと、避難経路情報ファイル15dと、が記憶されている。
【0043】
棚札ファイル15aは、電子棚札1が対応づけられた商品の商品名(商品キャラクタ),価格(単価)等の棚札情報を記憶するファイルである。図5(B)は、棚札ファイル15aのレコード構造を示す図である。図5(B)に示すように、棚札ファイル15aは、棚札情報として、商品名(商品キャラクタ)と、価格が記憶される。図5(B)に示す実施形態では、商品名として「ほうれん草」が記憶され、価格として「198(円)」が記憶されている。なお、棚札情報は、商品名と価格(税込み価格)に限定されるものではなく、メーカー希望価格,本体価格(消費税を含まない価格)等の情報を含めてもよい。また、棚札情報は、価格だけでもよい。
【0044】
商品情報ファイル15bは、商品情報を記憶するファイルである。図5(C)は、商品情報ファイル15bのレコード構造を示す図である。図5(C)に示すように、商品情報ファイル15bは、商品情報として、商品名と、生産地と、生産者と、収穫日とを記憶している。
ここで、商品情報は、例えば野菜等の商品を販売する段階で、商品の生産地、生産者、収穫日等を記録し、保管し、商品とその情報を追跡し、遡ることができるようにするための情報である。なお、商品情報は、図5(C)に示すような生産地、生産者、収穫日等を示す情報に限定されない。例えば、商品が食肉の場合は、牛や豚の個体番号を含むものでもよい。また、商品が魚介類の場合は、魚介類を水揚げした漁港名、漁船名、漁獲地等を含む情報でもよい。
また、商品情報として、商品特長をアピールするための宣伝メッセージを記憶するようにしてもよい。
なお、商品情報ファイル15bは、図5(C)に示す例では、日本語のテキスト情報により商品情報を記憶する例を示しているが、実際には、商品情報として図11に示す表示例を実現できるように、複数の言語で表現されたテキスト情報により商品情報が記憶されている。即ち、図5(C)に示す商品情報ファイル15bの同等の内容が、韓国語、英語、中国語等の複数の言語のテキスト情報により記憶されている。
また、図5(C)に示す商品情報ファイル15bの同等の内容が、複数の文字サイズ、例えば標準用文字サイズとして14ポイントのテキスト情報により記憶されていると共に、拡大用文字サイズとして36ポイントのテキスト情報により記憶されていると共に、縮小用文字サイズとして10ポイントのテキスト情報により記憶されている。
【0045】
災害報知情報ファイル15cは、店舗内にいる顧客に対して災害の発生を報知するための災害報知情報を記憶するファイルである。図5(D)は、災害報知情報ファイル15cのレコード構造を示す図である。図5(D)に示すように、災害報知情報ファイル15cは、火災,地震等の災害に対応づけて、複数の顧客属性に対応する複数の言語で表現された災害報知情報を記憶している。例えば、図5(D)に示すように、災害の種類が「火災」である場合、火災(日本語)の災害報知情報として「火災発生!」が記憶され、火災(韓国語)の災害報知情報として「
」が記憶され、火災(英語)の災害報知情報として「Fire!」が記憶されている。なお、災害報知情報のデータ形式としては、図5(D)に示すようなテキストデータに限定されず、画像データ、音声データ、PDF(Portable Document Format)データ、HTML(Hyper Text Markup Language)データ等を含めてもよく、複数のデータ形式を組み合わせて災害報知情報を構成してもよい。
なお、本実施形態では、商品情報として、商品名と、生産地と、生産者と、収穫日とを示したが、これに限らず、商品情報として、成分情報や原材料情報を記憶部15に記憶し、表示部12に表示するようにしてもよい。
【0046】
避難経路情報ファイル15dは、電子棚札1の近距離通信読取部16aにICカード4を近づけた顧客に対して、店舗の外に避難するための避難経路を知らせるための避難経路情報を記憶するファイルである。図5(E)は、避難経路情報ファイル15dのレコード構造を示す図である。図5(E)に示すように、避難経路情報ファイル15dは、複数の顧客属性(言語)に対応する複数の言語で表現された避難経路情報を記憶している。例えば、図5(E)に示すように、日本語で表現された避難経路情報として「右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。」という情報が記憶され、韓国語で表現された避難経路情報として「
」という情報が記憶され、英語で表現された避難経路情報として「There are stairs in the right direction. It is gone out if you go down the stairs.」という情報が記憶されている。なお、避難経路情報ファイル15dの記憶内容としては、避難経路情報を音声出力部11から音声出力するための音声情報と、避難経路情報を表示部12に表示出力するためのテキスト情報とを含む。なお、図5(E)に示す避難経路情報ファイル15dのレコード構造では、図面の記載内容を簡潔に示すために音声内容のみを表記しているが、この音声内容と同等のテキスト情報が記憶されているものである。
【0047】
次に、図6を参照して、店舗サーバ3における記憶部35のファイル構成と、各ファイルのレコード構造とを説明する。
図6(A)は、記憶部35のファイル構成を示す図である。図6(A)に示すように、店舗サーバ3の記憶部35には、棚札情報データベース35aと、商品情報データベース35bと、店舗イベント情報データベース35cと、が記憶される。
【0048】
棚札情報データベース35aは、棚札番号に対応づけて、商品名、価格等の棚札情報を記憶するデータベースである。
図6(B)は、棚札情報データベース35aのレコード構造を示す図である。図6(B)に示すように、棚札情報データベース35aは、複数の棚札番号毎にレコードが夫々設けられ、棚札番号に対応づけて、棚札情報が記憶される。なお、棚札情報は、図5(B)に示したように、商品名と、価格とにより構成されている。
【0049】
商品情報データベース35bは、バーコード,2次元コード等のコード情報(商品コード)に対応づけて、商品の生産地、生産者、収穫日等の商品情報を記憶するデータベースである。
図6(C)は、商品情報データベース35bのレコード構造を示す図である。図6(C)に示すように、商品情報データベース35bは、複数のコード情報毎にレコードが夫々設けられ、コード情報に対応づけて、商品情報が記憶される。なお、商品情報は、図5(C)に示したように、商品名と、生産地と、生産者と、収穫日とにより構成されている。
【0050】
店舗イベント情報データベース35cは、年齢,性別,国籍等の顧客属性に対応づけて、店舗で開催されるイベントを紹介する店舗イベント情報を記憶するデータベースである。
図6(D)は、店舗イベント情報データベース35cのレコード構造を示す図である。図6(D)に示すように、店舗イベント情報データベース35cは、複数の顧客属性毎にレコードが夫々設けられ、顧客属性に対応づけて、店舗で開催されるイベントを紹介する店舗イベント情報が記憶される。例えば、顧客属性「高齢者」に対応づけて「高齢者のための体操教室」という店舗イベント情報が記憶され、顧客属性「女性」に対応づけて「女性のためのエステ商品キャンペーン」という店舗イベント情報が記憶され、顧客属性「外国人」に対応づけて「外国人のための日本料理教室」という店舗イベント情報が記憶されている。
【0051】
なお、顧客属性「外国人」に対応づけられた店舗イベント情報は、図6(D)に示す例では、日本語によるテキスト情報で表現されているが、実際は、店舗イベント情報は複数の言語(英語、韓国語、中国語等)によるテキスト情報で表現された店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cのレコードに記憶されている。例えば、顧客属性「外国人(韓国人)」に対応づけられた店舗イベント情報としては、図12(C)に示す表示例が表示できるように、韓国語(ハングル)によるテキスト情報で表現された店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cのレコードに記憶されている。
【0052】
また、顧客属性によっては、店舗イベント情報が存在しないものもあるが、この場合、その顧客属性については店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cのレコードに記憶されていない。
さらに、本実施形態では、図6(D)に示すように1つの顧客属性に対応づけて、店舗イベント情報を記憶したが、これに限らず、複数の顧客属性の組み合わせに対応づけて店舗イベント情報を記憶するように構成してもよい。例えば、年齢属性「30歳台」と性別属性「女性」との組み合わせに対応づけて店舗イベント情報を記憶したり、国籍属性「韓国人」と性別属性「女性」との組み合わせに対応づけて店舗イベント情報を記憶したりしてもよい。
【0053】
次に、図7〜図14を参照して、本実施形態における動作を説明する。
まず、図7を参照して、電子棚札1で実行される表示切換処理を説明する。この表示切換処理においては、電子棚札1に設けられた近距離通信読取部16aに顧客が自分のICカード4を近づけることに応じて、電子棚札1のCPU10が近距離通信部16により顧客のICカード4のRFIDチップやICチップに記憶された顧客属性を読み取り、読み取った顧客属性に応じて商品情報を切換表示すると共に、読み取った顧客属性に対応する店舗イベント情報を店舗サーバ3から受信し、店舗イベント情報を音声出力し、且つ、店舗イベント情報を表示部12に切換表示する。そして、ICカード4が近距離通信読取部16aから離されると、切換表示を終了し、元の表示状態に戻る。
【0054】
図7は、表示切換処理の動作を示すフローチャートである。この表示切換処理は、電子棚札1におけるCPU10の制御の下で実行される。
まず、ステップS1において、「カード読取?」が可能か否か、即ち、図3に示すように、電子棚札1に設けられた近距離通信読取部16aに顧客が所持するICカード4が近づけられて、カード読取可能な状態になったか否かが判別される。このステップS1でICカード4が近づけられていないと判別されると(ステップS1;NO)、ステップS1が繰り返し実行される。そして、ステップS1でICカード4が近づけられたと判別されると(ステップS1;YES)、ステップS2に進む。
【0055】
ステップS2では、顧客が所持するICカード4との相互通信が行われる。即ち、電子棚札1のCPU10は、顧客のICカード4に対して顧客属性の送信を要求する要求信号を近距離通信部16から送信し、これに応答してICカード4から送信される顧客属性を近距離通信部16の近距離通信により読み取る。
そして、ステップS3では、近距離通信部16によりICカード4から読み取った顧客属性をRAM14の所定のメモリ領域に格納して顧客属性を取得する。ステップS3の実行後はステップS4に進む。
【0056】
ステップS4では、CPU10がRAM14の所定のメモリ領域に格納された顧客属性を判別し、顧客属性に適合する商品情報を商品情報ファイル15bから読み出し、読み出した商品情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。
次のステップS5では、商品情報ファイル15bから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された商品情報を表示部12に切換表示する。本実施形態においては、顧客属性とは、例えば顧客の年齢または年齢層、顧客の性別、顧客の国籍または顧客が使用する言語(日本語、韓国語、英語、中国語等)等を意味している。そして、本実施形態においては、ステップS3で取得された顧客属性に適合する商品情報を商品情報ファイル15bから読み出して、電子棚札1の表示部12に表示される商品情報を切換表示する。
【0057】
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。即ち、日本語を使用する顧客の場合は、図11(A)に示すように、日本語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示し、韓国語を使用する顧客の場合は、図11(B)に示すように、韓国語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示し、英語を使用する顧客の場合は、図11(C)に示すように、英語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
【0058】
また、顧客属性として、顧客の年齢または年齢層を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、その年齢の顧客にとって最適の表示内容で商品情報を表示部12に切換表示する。即ち、顧客が高齢者の場合は、図11(D)に示すように、拡大された文字サイズで表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。また、顧客が30歳以下の若年層の場合は、図示しないが、図11(A)に示す文字サイズよりも小さい文字サイズで表現された詳細な商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。例えば、商品情報として、商品名、生産地、価格以外に生産者、収穫日、宣伝メッセージ、食品成分表、トレーサビリティ情報等を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
【0059】
更に、顧客属性として、顧客の性別を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、その性別の顧客にとって最適の商品情報を読み出して表示部12に切換表示する。例えば、顧客が女性の場合は、女性向けに構成された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。例えば、商品が「ほうれん草」の場合、商品情報として、女性向けの商品特長をアピールするメッセージ「ビタミンAと鉄分が豊富で、美容と健康に良い ほうれん草をどうぞ」を切換表示する。
ステップS5の実行後はステップS6に進む。
【0060】
ステップS6では、CPU10は無線通信部13を制御し、通信ネットワークN2,中継器2,及び通信ネットワークN1を介して店舗サーバ3に接続する。ステップS6の実行後はステップS7に進む。
ステップS7では、ICカード4から読み取られた顧客属性を無線通信部13から中継器2に対して送信し、通信ネットワークN2,中継器2,及び通信ネットワークN1を介して顧客属性を店舗サーバ3に送信する。
【0061】
次のステップS8では、無線通信部13の受信が有ったか否か、即ち、店舗サーバ3から送信された店舗イベント情報を無線通信部13が受信したか否かが判断される。このステップS8で無線通信部13の受信がないと判断されると(ステップS8;NO)、ステップS8が繰り返し実行される。そして、ステップS8で無線通信部13の受信が有ったと判断されると(ステップS8;YES)、ステップS9に進む。
【0062】
ステップS9では、店舗サーバ3から送信された店舗イベント情報を無線通信部13で受信し、受信した店舗イベント情報がRAM14の図示しない所定のメモリ領域に記憶される。ステップS9の実行後はステップS10に進む。
【0063】
ステップS10では、店舗イベント情報が有ったか否か、電子棚札1が送信した顧客属性に対して店舗サーバ3から店舗イベント情報が送信されたか否かが判断される。
ここで、店舗サーバ3は、図9のフローチャートを参照して後述するが、電子棚札1から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cから検索された場合は、電子棚札1に対して店舗イベント情報を送信するが、顧客属性に対応する店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cに記憶されていない場合は、電子棚札1に対して該当なし信号を送信するように構成されている。従って、電子棚札1は、店舗サーバ3から送信される店舗イベント情報か、該当なし信号のいずれかを受信することになる。このステップS10で店舗イベント情報がなかった、即ち、該当なし信号を受信したと判断されると(ステップS10;NO)、ステップS13に進む。また、ステップS10で店舗イベント情報が有ったと判断されると(ステップS10;YES)、次のステップS11に進む。
【0064】
ステップS11では、ステップS9の処理によりRAM14に記憶された顧客属性に対応する店舗イベント情報を読み出し、読み出した店舗イベント情報を音声出力部11により音声出力する。例えば、顧客属性が「高齢者」の場合は、店舗イベント情報として「高齢者のための体操教室 日時:11月3日午後2時 場所:3階イベントホール」という音声情報が音声出力部11から音声出力される。また、顧客属性が「女性」の場合は、店舗イベント情報として「女性のためのエステ商品キャンペーン!10月20日まで エステ商品10%オフ。」という音声情報が音声出力部11から音声出力される。さらに、顧客属性が「外国人(韓国人)」の場合は、店舗イベント情報として「
(日本語訳:外国人のための日本料理教室 日時:11月20日 午後3時 場所:2階 多目的ホール)」という音声情報が音声出力部11から音声出力される。
ステップS11の実行後はステップS12に進む。
【0065】
ステップS12では、ステップS9の処理によりRAM14に記憶された顧客属性に対応する店舗イベント情報を読み出し、読み出した店舗イベント情報を表示部12に切換表示する。例えば、顧客属性が「高齢者」の場合は、図12(A)に示すように、店舗イベント情報として「高齢者のための体操教室 日時:11月3日午後2時 場所:3階イベントホール」というテキスト情報が表示部12に切換表示される。また、顧客属性が「女性」の場合は、図12(B)に示すように、店舗イベント情報として「女性のためのエステ商品キャンペーン!10月20日まで エステ商品10%オフ。」というテキスト情報が表示部12に切換表示される。さらに、顧客属性が「外国人(韓国人)」の場合は、図12(C)に示すように、店舗イベント情報として「
(日本語訳:外国人のための日本料理教室 日時:11月20日 午後3時 場所:2階 多目的ホール)」というテキスト情報が表示部12に切換表示される。
ステップS12の実行後はステップS13に進む。
【0066】
ステップS13では、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間されることを予め決められた時間待機する。本実施形態では、例えば1秒間の時間間隔でICカード4の離間を待機して、ステップS14に進む。
【0067】
ステップS14では、カードの離間が完了したか否か、即ち、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間したか否かが判断される。具体的には、ICカード4と近距離通信読取部16aとの距離が近距離通信部16による近距離通信が通信不能となる距離に到達し、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったかどうかを判断する。
このステップS14でカードの離間が完了していない、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になっていないと判断されると(ステップS14;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11〜S14の処理が繰り返し実行される。即ち、ICカード4を近距離通信読取部16aに近づけた状態では、店舗イベント情報の音声出力と表示出力が継続して実行される。
そして、ステップS14でカードの離間が完了した、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったと判断されると(ステップS14;YES)、ステップS15に進む。
【0068】
ステップS15では、表示部12による商品情報または店舗イベント情報の表示切換を終了する。即ち、ステップS3の処理により取得された顧客属性に基づいて、表示部12に表示されていた商品情報または店舗イベント情報の切換表示を終了し、元の表示状態に戻る。ステップS15の実行後はステップS16に進む。
【0069】
ステップS16では、音声出力部11による店舗イベント情報の音声出力を停止する。即ち、ステップS3の処理により取得された顧客属性に基づいて、音声出力部11により音声出力されていた店舗イベント情報の音声出力が停止される。ステップS16の実行後は、図7に示す表示切換処理を終了する。
【0070】
次に、図8を参照して、電子棚札1で実行される災害報知処理を説明する。この災害報知処理においては、電子棚札1は店舗サーバ3から送信された災害発生信号を受信すると、表示部12に災害報知情報を表示して店舗内の顧客に災害の発生を知らせると共に、顧客のICカード4から顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を読み出して表示部12に切換表示すると共に、読み取られた顧客属性に対応する避難経路情報を読み出し、避難経路情報を音声出力部11により音声出力すると共に、避難経路情報を表示部12に切換表示する。
【0071】
図8は、災害報知処理の動作を示すフローチャートである。この災害報知処理は、電子棚札1におけるCPU10の制御の下で実行される。
まず、ステップS20において、「災害発生信号受信?」即ち、店舗サーバ3から送信された災害発生信号を無線通信部13が受信したか否かが判別される。このステップS20で災害発生信号が受信されていないと判別されると(ステップS20;NO)、ステップS20が繰り返し実行される。そして、ステップS20で災害発生信号が受信されたと判別されると(ステップS20;YES)、ステップS21に進む。
【0072】
ステップS21では、災害の種類が判別される。即ち、店舗サーバ3から火災発生信号が送信された場合は災害の種類を「火災」と判別し、店舗サーバ3から地震発生信号が送信された場合は災害の種類を「地震」と判別する。
ここで、店舗サーバ3は、図10のフローチャートを参照して後述するが、火災,地震等の災害発生時には、火災報知装置5や地震感知装置6から出力される火災報知信号あるいは地震感知信号によって店舗サーバ3が災害発生を検出し、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信するように構成されている。ステップS21の実行後はステップS22に進む。
【0073】
ステップS22では、ステップS21により判別された災害の種類が火災であるか否かが判断される。このステップS22で災害の種類が火災であると判断されると(ステップS22;YES)、ステップS23に進み、ステップS22で災害の種類が火災ではないと判別されると(ステップS22;NO)、ステップS24に進む。
【0074】
ステップS23では、図5(D)に示す災害報知情報ファイル15cから日本語に対応する火災報知情報「火災発生!」を読み出し、読み出した火災報知情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。ステップS23の実行後はステップS25に進む。
【0075】
また、ステップS24では、図5(D)に示す災害報知情報ファイル15cから日本語に対応する地震報知情報「地震発生!」を読み出し、読み出した地震報知情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。ステップS24の実行後はステップS25に進む。
【0076】
ステップS25では、災害報知情報ファイル15cから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された火災報知情報「火災発生!」または地震報知情報「地震発生!」を表示部12に表示する。例えば、火災が発生した場合は、図13(A)に示すように、電子棚札1の表示部12に火災報知情報「火災発生!」を表示する。ステップS25の実行後はステップS26に進む。
【0077】
ステップS26では、図7のステップS1と同様に、「カード読取?」が可能か否か、即ち、図3に示すように、電子棚札1に設けられた近距離通信読取部16aに顧客が所持するICカード4が近づけられて、カード読取可能な状態になったか否かが判別される。このステップS26でICカード4が近づけられていないと判別されると(ステップS26;NO)、ステップS26が繰り返し実行される。そして、ステップS26でICカード4が近づけられたと判別されると(ステップS26;YES)、ステップS27に進む。
【0078】
ステップS27では、図7のステップS2と同様に、顧客が所持するICカード4との相互通信が行われる。即ち、電子棚札1のCPU10は、顧客のICカード4に対して顧客属性の送信を要求する要求信号を近距離通信部16から送信し、これに応答してICカード4から送信される顧客属性を近距離通信部16の近距離通信により読み取る。
そして、ステップS28では、近距離通信部16によりICカード4から読み取った顧客属性をRAM14の所定のメモリ領域に格納して顧客属性を取得する。ステップS28の実行後はステップS29に進む。
【0079】
ステップS29では、CPU10がRAM14の所定のメモリ領域に記憶された顧客属性を判別し、顧客属性に適合する災害報知情報を図5(D)に示す災害報知情報ファイル15cから読み出し、読み出した災害報知情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。
次のステップS30では、災害報知情報ファイル15cから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された災害報知情報を表示部12に切換表示する。
【0080】
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された災害報知情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
即ち、ICカード4から読み取られた顧客属性が「日本語」または「日本人」であり、顧客が日本語を使用すると判別された場合は、図13(A)に示すように、日本語で表現された災害報知情報「火災発生!」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
また、ICカード4から読み取られた顧客属性が「韓国語」または「韓国人」であり、顧客が韓国語を使用すると判別された場合は、図13(B)に示すように、韓国語のテキスト情報(ハングル)で表現された災害報知情報「
(日本語訳:火災発生!)」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
さらに、ICカード4から読み取られた顧客属性が「英語」または「英国人(英語圏の国家)」であり、顧客が英語を使用すると判別された場合は、図13(C)に示すように、英語のテキスト情報で表現された災害報知情報「Fire!」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
ステップS30の実行後はステップS31に進む。
【0081】
ステップS31では、CPU10がRAM14の所定のメモリ領域に記憶された顧客属性を判別し、顧客属性に適合する避難経路情報を図5(E)に示す避難経路情報ファイル15dから読み出し、読み出した避難経路情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。
【0082】
次のステップS32では、避難経路情報ファイル15dから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された避難経路情報を音声出力部11により音声出力する。
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された避難経路情報を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
即ち、ICカード4から読み取られた顧客属性が「日本語」または「日本人」であり、顧客が日本語を使用すると判別された場合は、図13(A)に示すように、日本語音声で構成された避難経路情報「右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。」を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
また、ICカード4から読み取られた顧客属性が「韓国語」または「韓国人」であり、顧客が韓国語を使用すると判別された場合は、図13(B)に示すように、韓国語音声で構成された避難経路情報「
(日本語訳:右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。)」を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
さらに、ICカード4から読み取られた顧客属性が「英語」または「英国人(英語圏の国家)」であり、顧客が英語を使用すると判別された場合は、図13(C)に示すように、英語音声で構成された避難経路情報「There are stairs in the right direction. It is gone out if you go down the stairs.」を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
ステップS32の実行後はステップS33に進む。
【0083】
ステップS33では、避難経路情報ファイル15dcから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された避難経路情報を表示部12に切換表示する。
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された避難経路情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
即ち、ICカード4から読み取られた顧客属性が「日本語」または「日本人」であり、顧客が日本語を使用すると判別された場合は、図14(A)に示すように、日本語のテキスト情報で表現された避難経路情報「右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
また、ICカード4から読み取られた顧客属性が「韓国語」または「韓国人」であり、顧客が韓国語を使用すると判別された場合は、図14(B)に示すように、韓国語のテキスト情報(ハングル)で表現された避難経路情報「
(日本語訳:右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。)」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
さらに、ICカード4から読み取られた顧客属性が「英語」または「英国人(英語圏の国家)」であり、顧客が英語を使用すると判別された場合は、図14(C)に示すように、英語で表現された避難経路情報「There are stairs in the right direction. It is gone out if you go down the stairs.」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
ステップS33の実行後はステップS34に進む。
【0084】
ステップS34では、図7のステップS13と同様に、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間されることを予め決められた時間待機する。本実施形態では、例えば1秒間の時間間隔でICカード4の離間を待機して、ステップS35に進む。
【0085】
ステップS35では、図7のステップS14と同様に、カードの離間が完了したか否か、即ち、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間したか否かが判断される。具体的には、ICカード4と近距離通信読取部16aとの距離が近距離通信部16による近距離通信が通信不能となる距離に到達し、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったかどうかを判断する。
このステップS35でカードの離間が完了していない、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になっていないと判断されると(ステップS35;NO)、ステップS32に戻り、ステップS32〜S35の処理が繰り返し実行される。即ち、ICカード4を近距離通信読取部16aに近づけた状態では、避難経路情報の音声出力と表示出力とが継続して実行される。
そして、ステップS35でカードの離間が完了した、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったと判断されると(ステップS35;YES)、ステップS36に進む。
【0086】
ステップS36では、表示部12による避難経路情報の表示切換を終了する。即ち、ステップS28の処理により取得された顧客属性に基づいて、表示部12に表示されていた避難経路情報の切換表示を終了し、元の表示状態に戻る。ステップS36の実行後はステップS37に進む。
【0087】
ステップS37では、音声出力部11による店舗イベント情報の音声出力を停止する。即ち、ステップS28の処理により取得された顧客属性に基づいて、音声出力部11により音声出力されていた避難経路情報の音声出力が停止される。ステップS37の実行後は、図8に示す災害報知処理を終了する。
【0088】
次に、図9を参照して、店舗サーバ3で実行される店舗イベント情報配信処理を説明する。この店舗イベント情報配信処理においては、店舗サーバ3は電子棚札1から送信された顧客属性を受信すると、顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6(D)に示す店舗イベント情報データベース35cから検索して読み出し、読み出した店舗イベント情報を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1に送信する。
【0089】
図9は、店舗イベント情報配信処理の動作を示すフローチャートである。この店舗イベント情報配信処理は、店舗サーバ3におけるCPU30の制御の下で実行される。
まず、ステップS41において、「電子棚札接続?」即ち、通信ネットワークN2、中継器2及び通信ネットワークN1を介して電子棚札1が店舗サーバ3に接続したか否かが判別される。このステップS41で電子棚札1が接続していないと判別されると(ステップS41;NO)、ステップS41が繰り返し実行される。そして、ステップS41で電子棚札1が接続したと判別されると(ステップS41;YES)、ステップS42に進む。
【0090】
ステップS42では、通信ネットワークN2、中継器2及び通信ネットワークN1を介して電子棚札1から送信された顧客属性を受信し、受信した顧客属性をRAM34の図示しない所定のメモリ領域に記憶する。ステップS42の実行後はステップS43に進む。
【0091】
ステップS43では、電子棚札1から送信され、RAM34の図示しない所定のメモリ領域に記憶された顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6(D)に示す店舗イベント情報データベース35cから検索し、検索された店舗イベント情報を店舗イベント情報データベース35cから読み出してRAM34の図示しない所定のメモリ領域に記憶する。ステップS43の実行後はステップS44に進む。
【0092】
ステップS44では、店舗イベント情報が有ったか否か、電子棚札1から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6(D)に示す店舗イベント情報データベース35cから検索されたか否かが判断される。このステップS44で店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cから検索されたと判断されると(ステップS44;YES)、ステップS45に進む。また、ステップS44で店舗イベント情報が検索されなかったと判断されると(ステップS44;NO)、ステップS46に進む。
【0093】
ステップS45では、店舗サーバ3のCPU30は、通信部33を制御し、店舗イベント情報データベース35cから検索されて読み出された店舗イベント情報を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1に送信する。このステップS45の実行後は、図9に示す店舗イベント情報配信処理を終了する。
また、顧客属性に対応する店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cに記憶されておらず、ステップS44の処理において店舗イベント情報が検索されなかったと判断されるとステップ46に進み、ステップS46では、通信部33を制御し、顧客属性に対応する店舗イベント情報がないことを示す該当なし信号を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1に送信する。そして、このステップS46の実行後は、図9に示す店舗イベント情報配信処理を終了する。
【0094】
次に、図10を参照して、店舗サーバ3で実行される災害発生信号送信処理を説明する。この災害発生信号送信処理においては、店舗サーバ3は、火災,地震等の災害が発生し、火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されることによって災害発生を検出し、通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信する。
【0095】
図10は、災害発生信号送信処理の動作を示すフローチャートである。この災害発生信号送信処理は、店舗サーバ3におけるCPU30の制御の下で実行される。
まず、ステップS51において、「災害発生?」即ち、火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されたか否かが判別される。このステップS51で火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されていないと判別されると(ステップS51;NO)、ステップS51が繰り返し実行される。そして、ステップS51で災害発生、即ち、火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されたと判別されると(ステップS51;YES)、ステップS52に進む。
【0096】
ステップS52では、災害の種類が判別される。即ち、店舗サーバ3のCPU30は、火災報知装置5から火災報知信号が出力された場合は災害の種類を「火災」と判別し、地震感知装置6から地震感知信号が出力された場合は災害の種類を「地震」と判別する。ステップS52の実行後はステップS53に進む。
【0097】
ステップS53では、ステップS52により判別された災害の種類が火災であるか否かが判断される。このステップS53で災害の種類が火災であると判断されると(ステップS53;YES)、ステップS54に進み、ステップS53で災害の種類が火災ではないと判別されると(ステップS53;NO)、ステップS55に進む。
【0098】
ステップS54では、火災発生信号を電子棚札1に送信する。即ち、店舗サーバ3のCPU30は、通信部33を制御し、火災の発生を知らせる火災発生信号を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して、電子棚札1に送信する。このステップS54の実行後は、図10に示す災害発生信号送信処理を終了する。
【0099】
ステップS55では、地震発生信号を電子棚札1に送信する。即ち、店舗サーバ3のCPU30は、通信部33を制御し、地震の発生を知らせる火災発生信号を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して、電子棚札1に送信する。このステップS54の実行後は、図10に示す災害発生信号送信処理を終了する。
【0100】
以上のように、本実施形態の電子棚札1及び電子棚札システム100によれば、電子棚札1が、顧客が所持するICカード4から顧客属性を読み取ると、読み取った顧客属性に応じて、表示部12に表示される商品情報の表示内容を切り換えると共に、読み取られた顧客属性を店舗サーバ3に送信し、店舗サーバ3から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信し、受信した店舗イベント情報を音声出力部11により音声出力すると共に表示部12により表示出力するように構成したので、顧客にとって最適の表示内容を表示すると共に、顧客にとって最適の店舗情報を出力し、顧客の利便性を高め、商品の購入意欲を喚起して、商品の購入を促進することができる。
【0101】
また、本実施形態の電子棚札1及び電子棚札システム100によれば、火災,地震等の災害発生時には、火災報知装置5や地震感知装置6から出力される火災報知信号あるいは地震感知信号によって店舗サーバ3が災害発生を検出し、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信し、電子棚札1は、店舗サーバ3から送信された災害発生信号を受信すると、表示部12に災害報知情報を表示して店舗内の顧客に災害の発生を知らせると共に、顧客のICカード4から顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を読み出して表示部12に切換表示すると共に、読み取られた顧客属性に対応する避難経路情報を読み出して音声出力部11から音声出力し且つ表示部12に表示出力するように構成したので、店舗内にいる顧客に対して災害の発生を迅速に知らせると共に、店舗外への避難経路を確実に知らせることができ、顧客を迅速に避難させることができる。
この場合、顧客が外国人の場合は、その外国人顧客が理解できる言語で災害報知情報が表示されると共に、その外国人顧客が理解できる言語で避難経路情報が音声出力されると共に、表示出力されるので、外国人顧客に対しても災害の発生を迅速に知らせると共に、店舗外への避難経路を確実に知らせることができ、外国人顧客を迅速に避難させることができる。
【符号の説明】
【0102】
100 電子棚札システム
1 電子棚札
2 中継器
3 店舗サーバ
4 ICカード(識別媒体)
5 火災報知装置
6 地震感知装置
10、30 CPU
11 音声出力部
12、32 表示部
13 無線通信部
14、34 RAM
15、35 記憶部
16 近距離通信部
31 入力部
33 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札及び電子棚札システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗では、POSシステムに記憶される商品マスタで商品の売価を管理し、顧客に対しては、商品が陳列された位置に設けた棚札により商品の売価を表示している。しかし、このような棚札の管理は、売価の書き間違い等のミスが発生しやすく、商品マスタとは異なる売価が顧客に提示される可能性がある。このため、最近では電子棚札システムが採用されている。従来の電子棚札システムでは、表示部を備えた電子棚札が各商品の陳列位置に取り付けられ、商品マスタに基づく売価が電子棚札コントローラから各電子棚札に送信されて電子棚札の表示部に表示される。これにより、顧客に正しい売価を提示できるようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−222632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、従来の電子棚札システムでは、商品名と売価とが予め決められた文字種類と文字サイズで電子棚札の表示部に表示されるだけであった。そのため、顧客は、電子棚札の表示によって商品の売価を知ることはできるものの、その商品に対する購入意欲を喚起することにはならなかった。また、高齢者の顧客にとっては、電子棚札に表示された商品名と売価の文字が判読しにくかったり、外国人の顧客にとっては、商品名の文字自体が理解しにくかったりするという不都合がある。
そこで、様々な顧客の利便性を高め、それによって、商品の購入意欲を喚起して、商品の購入を促進することが要望されている。
【0005】
本発明の課題は、顧客が自分に適した店舗イベント情報を自分のペースで充分に確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明の電子棚札は、ネットワークを介してサーバ装置に接続され、商品価格を表示する電子棚札であって、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、前記サーバ装置から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、を具備する。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記読取手段は、近距離通信手段により前記識別媒体と通信し、前記識別媒体から顧客属性を読み取る。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記読取手段は、前記識別媒体に設けられたコード情報を光学的に読み取り、前記識別媒体から顧客属性を読み取る。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記出力手段は、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じた音声モードで音声出力する。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて複数の言語で表現された商品情報を記憶し、前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う言語で表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて前記商品情報を複数の文字サイズで記憶し、前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う文字サイズで表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の電子棚札において、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、前記受信手段は、火災,地震等の災害発生時に前記サーバ装置から送信される前記災害発生信号を受信し、前記切換手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から前記災害報知情報記憶手段に記憶された災害発生報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、前記災害発生報知情報の表示内容を切り換える。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の電子棚札において、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、前記出力手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客の属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる。
【0014】
請求項9記載の発明の電子棚札システムは、電子棚札とサーバ装置とがネットワークを介して接続された電子棚札システムであって、前記サーバ装置は、複数の顧客属性に対応づけて複数の店舗イベント情報を記憶する店舗イベント記憶手段と、前記電子棚札から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を前記店舗イベント記憶手段から読み出し、前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信する送信手段と、を具備し、前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、前記サーバ装置から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、を具備する。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の電子棚札システムにおいて、前記サーバ装置は、火災,地震等の災害発生時に災害発生信号を前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信し、前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、前記受信手段は、前記サーバ装置から送信される前記災害発生信号を受信し、前記切換手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から前記災害発生報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、前記災害発生報知情報の表示内容を切り換える。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の電子棚札システムにおいて、前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、前記出力手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、顧客は自分に適した表示内容で商品情報を確認できると共に、顧客が欲するタイミングで、自分に適した店舗イベント情報を自分のペースで充分に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る電子棚札システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る電子棚札の主要構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る電子棚札の外観構成を示す外観図である。
【図4】本実施形態に係る店舗サーバの主要構成を示すブロック図である。
【図5】電子棚札における記憶部のファイル構成及び各ファイルのレコード構造を示す図である。
【図6】店舗サーバにおける記憶部のファイル構成及び各ファイルのレコード構造を示す図である。
【図7】本実施形態に係る電子棚札で実行される表示切換処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る電子棚札で実行される災害報知処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る店舗サーバで実行される店舗イベント情報配信処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る店舗サーバで実行される災害発生信号送信処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】電子棚札における商品情報の表示例を示す図である。
【図12】電子棚札における店舗イベント情報の表示例を示す図である。
【図13】電子棚札における災害報知情報の表示例を示す図である。
【図14】電子棚札における避難経路情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。まず、本実施形態における構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る電子棚札システム100の全体構成を示す。図1に示すように、電子棚札システム100は、複数の電子棚札1と、複数の中継器2と、店舗サーバ3と、火災報知装置5と、地震感知装置6とにより構成されている。本実施形態に係る電子棚札システム100は、スーパーマーケット,デパート等の店舗内に設置されるものであり、各電子棚札1は店舗内の商品陳列棚に各商品に対応づけて設置される。そして、電子棚札1は、買物のために店舗を訪れた顧客が所持している識別媒体としてのICカード4と近距離通信部により通信し、顧客のICカード4から顧客属性を読み取る。
本実施形態では、店舗サーバ3と複数の中継器2とが有線の通信ネットワークN1を介して接続され、複数の中継器2と複数の電子棚札1とが無線の通信ネットワークN2を介して接続されている。
【0020】
なお、図1では、電子棚札システム100として、便宜上、店舗サーバ3に3台の中継器2が接続され、3台の中継器2と3台の電子棚札1とが接続される例を示しているが、電子棚札1や中継器2の台数は、これに限定されるものではなく、電子棚札1や中継器2の台数は任意である。
通信ネットワークN1は、例えばLAN(Local Area Network;構内通信網)を想定しているが、インターネット等のWAN(Wide Area Network;広域通信網)等を含めてもよく、イントラネット(intranet)、電話回線、専用線、移動体通信網、通信衛星網、CATV(Cable Television)回線、インターネットプロバイダ等を含めてもよい。また、通信ネットワークN1のネットワーク形態は、有線ネットワークに限らず、無線ネットワークでもよく、有線ネットワークと無線ネットワークとを組み合わせたものでもよい。
【0021】
店舗サーバ3は、通信ネットワークN1及び中継器2を介して電子棚札1と接続し、電子棚札1に対して、棚札表示として表示する商品名や価格等の棚札情報と、店舗イベント情報や店舗特売情報等の店舗情報とを設定すると共に、火災報知装置5や地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力された際には、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信するように構成されている。
【0022】
ICカード4は、店舗に買物に来た顧客が所持するポイントカード,会員カード等の識別媒体であり、顧客属性を示す顧客属性情報と、顧客が取得したポイントを示すポイント情報と、顧客を識別するための会員番号,氏名等の顧客識別情報とを内蔵するRFIDチップやICチップに記憶している。この本実施形態において、顧客属性とは、例えば顧客の年齢、性別、国籍(使用言語)等である。電子棚札1は、近距離通信手段によりICカード4に内蔵されたRFIDチップやICチップに記憶された顧客属性を読み取る。
なお、ICカード4は、電子棚札1が顧客属性を読み取るための識別媒体としての一例を示すものであり、RFIDチップやICチップを内蔵するものに限定されない。例えば、識別媒体としては、単なるポイントカードや会員カードの表面に顧客属性を示すバーコードやQRコード(登録商標)等の2次元コード等のデータコードを印刷したものでもよい。この場合、電子棚札1はデータコードを光学的に読み取るためのバーコードスキャナ,2次元コードスキャナ等のコード読取装置を備えるものとする。
また、顧客が所持する識別媒体としては、ICカード4に限定されず、携帯電話,PDA,携帯型ゲーム機等の携帯型電子機器であってもよく、これら携帯型電子機器には顧客属性を記憶したRFIDチップやICチップを内蔵し、電子棚札1が顧客属性を読み取ることができるように構成してもよい。
【0023】
火災報知装置5は、店舗内における火災の発生を報知する装置であり、店舗で火災が発生した場合、火災報知信号を店舗サーバ3に出力する。
地震感知装置6は、地震の発生を感知する装置であり、地震が発生した場合、地震感知信号を店舗サーバ3に出力する。
なお、図1では、電子棚札システム100として、便宜上、店舗サーバ3に1台の火災報知装置5と1台の地震感知装置6が接続されている例を示したが、火災報知装置5や地震感知装置6の台数は、これに限定されるものではなく、火災報知装置5や地震感知装置6は店舗内の複数の場所に設置してもよく、火災報知装置5や地震感知装置6の台数は任意である。
【0024】
図2は、電子棚札1の主要構成を示すブロック図である。図2に示すように、電子棚札1は、CPU(Central Processing Unit)10と、入力部11と、表示部12と、無線通信部13と、RAM(Random Access Memory)14と、記憶部15と、近距離通信部16とを備えて構成され、各部はバス17を介して接続される。なお、電子棚札1は、図示しない電池を電源部として、この電池電源部から各部に電源が供給されている。
また、電源部は電池に限らず、電灯線から供給されるようにしてもよく、あるいは店舗サーバ3から電源ラインを介して電源が供給されるようにしてもよい。
【0025】
CPU10は、記憶部15に記憶された制御プログラムを読み出してRAM14に展開し、RAM14に展開したプログラムに基づいて各種の処理を実行する。具体的にCPU10は、電子棚札1が棚札情報を表示したり、ICカード4に記憶された顧客属性を近距離通信部16により読み取る場合、記憶部15の図示しないメモリから、表示プログラムや通信プログラムを読み出し、表示部12によって棚札情報を表示したり、近距離通信部16とICカード4との近距離通信によって、ICカード4から顧客属性を読み取る。
【0026】
音声出力部11は、スピーカー等の音響発生器、増幅器等を有し、CPU10から入力される音声出力信号に従って、音声出力処理を行う。音声出力部11は、記憶部15に記憶された店舗イベント情報、避難経路情報を音声出力する。
【0027】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを有し、CPU10から入力される表示制御信号に従って、表示処理を行う。表示部12は、記憶部15に記憶された棚札情報(商品名,価格)、商品情報(商品名,生産地,生産者,収穫日,宣伝メッセージ等)、店舗イベント情報、災害報知情報、避難経路情報を表示出力する。
【0028】
無線通信部13は、中継器2及び無線の通信ネットワークN2を介して店舗サーバ3に通信接続するための制御を行う。無線通信部13は、記憶部15の図示しないメモリ領域に記憶されたIPアドレスに基づいて店舗サーバ3との通信を確立した後、中継器2を介して店舗サーバ3との通信を行う。
【0029】
RAM14は、CPU10により実行される制御プログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM14は、入力データ及び制御プログラムの実行時に生じる処理結果のデータを、ワークエリアに一時的に格納する。また、RAM14の記憶内容は、図示しないバックアップ用電池からの電源供給によって常に記憶保持されている。
【0030】
記憶部15は、HDD(Hard Disc Drive)又は不揮発性の半導体メモリ等により構成され、CPU10により実行される制御プログラム及びこの制御プログラムの実行時に必要なデータ等を記憶する。
【0031】
近距離通信部16は、近距離通信装置により構成され、顧客の携帯端末と通信接続し、顧客の携帯端末に対して記憶部15に記憶された商品情報(レシピ情報,トレーサビリティ情報等)を送信する。本実施形態において、近距離通信装置とは、例えば1m以内の近距離で通信を行うことを想定した通信装置であり、例えばRFID(Radio Frequency Identification),Bluetooth(登録商標),赤外線通信装置,IrDA(Infrared Data Association)等の通信装置である。
【0032】
次に、電子棚札1の外観構成を説明する。
図3は、電子棚札1の外観を示す外観図である。図3に示すように、電子棚札1は、長方形のパネル状に構成された装置本体を有するもので、この装置本体の正面側には、表示部12と、近距離通信読取部16aとが設けられている。表示部12は、記憶部15に記憶された棚札情報を表示するものであり、本実施形態では、商品名、生産地、価格等の商品情報や、後述する店舗イベント情報、災害報知情報、避難経路情報を表示するように構成されている。近距離通信読取部16aは、顧客が所持するICカード4に記憶された顧客情報を読み取るためのものであり、近距離通信読取部16aの部分にICカード4を近づけることにより、近距離通信部16がICカード4のRFIDチップやICチップに記憶された顧客属性を読み取ることができるように構成されている。
【0033】
本実施形態において、電子棚札1は、棚札表示を行う商品毎に設置されるものであり、例えばスーパーマーケット,デパート等の野菜売り場において「ほうれん草」が陳列された商品棚に設置される。この場合、図3に示すように、電子棚札1が対応する商品の商品名として「ほうれん草」を表示し、商品の生産地として「埼玉県川越市」を表示し、価格として「198円」を表示する。
なお、本実施形態では、棚札情報として商品名も表示部12に表示するようにしているが、これに限らず、商品名や生産地は表示部12に表示するのではなく、電子棚札1の表示部12近傍に商品名や生産地を印刷したシール等を貼付したり、電子棚札1の装置本体の空きスペースに商品名や生産地を印刷したりすることで、棚札表示を行うようにしてもよい。即ち、表示部12には棚札情報として価格だけを表示するようにしてもよい。
【0034】
次に、店舗サーバ3の構成を説明する。
図4は、店舗サーバ3の主要構成を示すブロック図である。図4に示すように、店舗サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)30と、入力部31と、表示部32と、通信部33と、RAM(Random Access Memory)34と、記憶部35と、を備えており、各部がバス36を介して接続される。
【0035】
CPU30は、店舗サーバ3の各部を中央制御する。CPU30は、記憶部35に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM34に展開し、RAM34に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0036】
CPU30は、後述する店舗イベント情報配信プログラムとの協働で、店舗内に設置された電子棚札1から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6により後述する店舗イベント情報データベース35cから読み出して、電子棚札1に送信する。また、CPU30は、火災報知装置5や地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力された際には、後述する災害発生信号送信プログラムとの協働で、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信する。
【0037】
入力部31は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーボードを含む構成とし、操作者により各キーが押下された操作信号をCPU30に出力する。また、入力部21は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力信号を受け付けてCPU30に送信することとしてもよい。
【0038】
表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成され、CPU30からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
【0039】
通信部33は、モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部33は、接続される通信ネットワークN1,中継器2,及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1と通信を行う。また、通信部33は、火災報知装置5及び地震感知装置6と接続されており、火災報知装置5や地震感知装置6から出力される火災報知信号あるいは地震感知信号を受信すると、受信した火災報知信号,地震感知信号をCPU30に伝達する。これにより、CPU30は、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して、通信ネットワークN1,中継器2,及び通信ネットワークN2を介して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信する。
【0040】
RAM34は、揮発性のメモリである。また、RAM34は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0041】
記憶部35は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成され、各種プログラム及び各種データを記録媒体から読み出し及び書き込み可能に記憶する。記憶部35のファイル構成及び各ファイルのレコード構造は図6により後述する。
【0042】
次に、図5を参照して、電子棚札1における記憶部15のファイル構成と、各ファイルのレコード構造とを説明する。図5(A)は、記憶部15のファイル構成を示す図である。図5(A)に示すように、電子棚札1の記憶部15には、棚札ファイル15aと、商品情報ファイル15bと、災害報知情報ファイル15cと、避難経路情報ファイル15dと、が記憶されている。
【0043】
棚札ファイル15aは、電子棚札1が対応づけられた商品の商品名(商品キャラクタ),価格(単価)等の棚札情報を記憶するファイルである。図5(B)は、棚札ファイル15aのレコード構造を示す図である。図5(B)に示すように、棚札ファイル15aは、棚札情報として、商品名(商品キャラクタ)と、価格が記憶される。図5(B)に示す実施形態では、商品名として「ほうれん草」が記憶され、価格として「198(円)」が記憶されている。なお、棚札情報は、商品名と価格(税込み価格)に限定されるものではなく、メーカー希望価格,本体価格(消費税を含まない価格)等の情報を含めてもよい。また、棚札情報は、価格だけでもよい。
【0044】
商品情報ファイル15bは、商品情報を記憶するファイルである。図5(C)は、商品情報ファイル15bのレコード構造を示す図である。図5(C)に示すように、商品情報ファイル15bは、商品情報として、商品名と、生産地と、生産者と、収穫日とを記憶している。
ここで、商品情報は、例えば野菜等の商品を販売する段階で、商品の生産地、生産者、収穫日等を記録し、保管し、商品とその情報を追跡し、遡ることができるようにするための情報である。なお、商品情報は、図5(C)に示すような生産地、生産者、収穫日等を示す情報に限定されない。例えば、商品が食肉の場合は、牛や豚の個体番号を含むものでもよい。また、商品が魚介類の場合は、魚介類を水揚げした漁港名、漁船名、漁獲地等を含む情報でもよい。
また、商品情報として、商品特長をアピールするための宣伝メッセージを記憶するようにしてもよい。
なお、商品情報ファイル15bは、図5(C)に示す例では、日本語のテキスト情報により商品情報を記憶する例を示しているが、実際には、商品情報として図11に示す表示例を実現できるように、複数の言語で表現されたテキスト情報により商品情報が記憶されている。即ち、図5(C)に示す商品情報ファイル15bの同等の内容が、韓国語、英語、中国語等の複数の言語のテキスト情報により記憶されている。
また、図5(C)に示す商品情報ファイル15bの同等の内容が、複数の文字サイズ、例えば標準用文字サイズとして14ポイントのテキスト情報により記憶されていると共に、拡大用文字サイズとして36ポイントのテキスト情報により記憶されていると共に、縮小用文字サイズとして10ポイントのテキスト情報により記憶されている。
【0045】
災害報知情報ファイル15cは、店舗内にいる顧客に対して災害の発生を報知するための災害報知情報を記憶するファイルである。図5(D)は、災害報知情報ファイル15cのレコード構造を示す図である。図5(D)に示すように、災害報知情報ファイル15cは、火災,地震等の災害に対応づけて、複数の顧客属性に対応する複数の言語で表現された災害報知情報を記憶している。例えば、図5(D)に示すように、災害の種類が「火災」である場合、火災(日本語)の災害報知情報として「火災発生!」が記憶され、火災(韓国語)の災害報知情報として「
」が記憶され、火災(英語)の災害報知情報として「Fire!」が記憶されている。なお、災害報知情報のデータ形式としては、図5(D)に示すようなテキストデータに限定されず、画像データ、音声データ、PDF(Portable Document Format)データ、HTML(Hyper Text Markup Language)データ等を含めてもよく、複数のデータ形式を組み合わせて災害報知情報を構成してもよい。
なお、本実施形態では、商品情報として、商品名と、生産地と、生産者と、収穫日とを示したが、これに限らず、商品情報として、成分情報や原材料情報を記憶部15に記憶し、表示部12に表示するようにしてもよい。
【0046】
避難経路情報ファイル15dは、電子棚札1の近距離通信読取部16aにICカード4を近づけた顧客に対して、店舗の外に避難するための避難経路を知らせるための避難経路情報を記憶するファイルである。図5(E)は、避難経路情報ファイル15dのレコード構造を示す図である。図5(E)に示すように、避難経路情報ファイル15dは、複数の顧客属性(言語)に対応する複数の言語で表現された避難経路情報を記憶している。例えば、図5(E)に示すように、日本語で表現された避難経路情報として「右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。」という情報が記憶され、韓国語で表現された避難経路情報として「
」という情報が記憶され、英語で表現された避難経路情報として「There are stairs in the right direction. It is gone out if you go down the stairs.」という情報が記憶されている。なお、避難経路情報ファイル15dの記憶内容としては、避難経路情報を音声出力部11から音声出力するための音声情報と、避難経路情報を表示部12に表示出力するためのテキスト情報とを含む。なお、図5(E)に示す避難経路情報ファイル15dのレコード構造では、図面の記載内容を簡潔に示すために音声内容のみを表記しているが、この音声内容と同等のテキスト情報が記憶されているものである。
【0047】
次に、図6を参照して、店舗サーバ3における記憶部35のファイル構成と、各ファイルのレコード構造とを説明する。
図6(A)は、記憶部35のファイル構成を示す図である。図6(A)に示すように、店舗サーバ3の記憶部35には、棚札情報データベース35aと、商品情報データベース35bと、店舗イベント情報データベース35cと、が記憶される。
【0048】
棚札情報データベース35aは、棚札番号に対応づけて、商品名、価格等の棚札情報を記憶するデータベースである。
図6(B)は、棚札情報データベース35aのレコード構造を示す図である。図6(B)に示すように、棚札情報データベース35aは、複数の棚札番号毎にレコードが夫々設けられ、棚札番号に対応づけて、棚札情報が記憶される。なお、棚札情報は、図5(B)に示したように、商品名と、価格とにより構成されている。
【0049】
商品情報データベース35bは、バーコード,2次元コード等のコード情報(商品コード)に対応づけて、商品の生産地、生産者、収穫日等の商品情報を記憶するデータベースである。
図6(C)は、商品情報データベース35bのレコード構造を示す図である。図6(C)に示すように、商品情報データベース35bは、複数のコード情報毎にレコードが夫々設けられ、コード情報に対応づけて、商品情報が記憶される。なお、商品情報は、図5(C)に示したように、商品名と、生産地と、生産者と、収穫日とにより構成されている。
【0050】
店舗イベント情報データベース35cは、年齢,性別,国籍等の顧客属性に対応づけて、店舗で開催されるイベントを紹介する店舗イベント情報を記憶するデータベースである。
図6(D)は、店舗イベント情報データベース35cのレコード構造を示す図である。図6(D)に示すように、店舗イベント情報データベース35cは、複数の顧客属性毎にレコードが夫々設けられ、顧客属性に対応づけて、店舗で開催されるイベントを紹介する店舗イベント情報が記憶される。例えば、顧客属性「高齢者」に対応づけて「高齢者のための体操教室」という店舗イベント情報が記憶され、顧客属性「女性」に対応づけて「女性のためのエステ商品キャンペーン」という店舗イベント情報が記憶され、顧客属性「外国人」に対応づけて「外国人のための日本料理教室」という店舗イベント情報が記憶されている。
【0051】
なお、顧客属性「外国人」に対応づけられた店舗イベント情報は、図6(D)に示す例では、日本語によるテキスト情報で表現されているが、実際は、店舗イベント情報は複数の言語(英語、韓国語、中国語等)によるテキスト情報で表現された店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cのレコードに記憶されている。例えば、顧客属性「外国人(韓国人)」に対応づけられた店舗イベント情報としては、図12(C)に示す表示例が表示できるように、韓国語(ハングル)によるテキスト情報で表現された店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cのレコードに記憶されている。
【0052】
また、顧客属性によっては、店舗イベント情報が存在しないものもあるが、この場合、その顧客属性については店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cのレコードに記憶されていない。
さらに、本実施形態では、図6(D)に示すように1つの顧客属性に対応づけて、店舗イベント情報を記憶したが、これに限らず、複数の顧客属性の組み合わせに対応づけて店舗イベント情報を記憶するように構成してもよい。例えば、年齢属性「30歳台」と性別属性「女性」との組み合わせに対応づけて店舗イベント情報を記憶したり、国籍属性「韓国人」と性別属性「女性」との組み合わせに対応づけて店舗イベント情報を記憶したりしてもよい。
【0053】
次に、図7〜図14を参照して、本実施形態における動作を説明する。
まず、図7を参照して、電子棚札1で実行される表示切換処理を説明する。この表示切換処理においては、電子棚札1に設けられた近距離通信読取部16aに顧客が自分のICカード4を近づけることに応じて、電子棚札1のCPU10が近距離通信部16により顧客のICカード4のRFIDチップやICチップに記憶された顧客属性を読み取り、読み取った顧客属性に応じて商品情報を切換表示すると共に、読み取った顧客属性に対応する店舗イベント情報を店舗サーバ3から受信し、店舗イベント情報を音声出力し、且つ、店舗イベント情報を表示部12に切換表示する。そして、ICカード4が近距離通信読取部16aから離されると、切換表示を終了し、元の表示状態に戻る。
【0054】
図7は、表示切換処理の動作を示すフローチャートである。この表示切換処理は、電子棚札1におけるCPU10の制御の下で実行される。
まず、ステップS1において、「カード読取?」が可能か否か、即ち、図3に示すように、電子棚札1に設けられた近距離通信読取部16aに顧客が所持するICカード4が近づけられて、カード読取可能な状態になったか否かが判別される。このステップS1でICカード4が近づけられていないと判別されると(ステップS1;NO)、ステップS1が繰り返し実行される。そして、ステップS1でICカード4が近づけられたと判別されると(ステップS1;YES)、ステップS2に進む。
【0055】
ステップS2では、顧客が所持するICカード4との相互通信が行われる。即ち、電子棚札1のCPU10は、顧客のICカード4に対して顧客属性の送信を要求する要求信号を近距離通信部16から送信し、これに応答してICカード4から送信される顧客属性を近距離通信部16の近距離通信により読み取る。
そして、ステップS3では、近距離通信部16によりICカード4から読み取った顧客属性をRAM14の所定のメモリ領域に格納して顧客属性を取得する。ステップS3の実行後はステップS4に進む。
【0056】
ステップS4では、CPU10がRAM14の所定のメモリ領域に格納された顧客属性を判別し、顧客属性に適合する商品情報を商品情報ファイル15bから読み出し、読み出した商品情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。
次のステップS5では、商品情報ファイル15bから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された商品情報を表示部12に切換表示する。本実施形態においては、顧客属性とは、例えば顧客の年齢または年齢層、顧客の性別、顧客の国籍または顧客が使用する言語(日本語、韓国語、英語、中国語等)等を意味している。そして、本実施形態においては、ステップS3で取得された顧客属性に適合する商品情報を商品情報ファイル15bから読み出して、電子棚札1の表示部12に表示される商品情報を切換表示する。
【0057】
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。即ち、日本語を使用する顧客の場合は、図11(A)に示すように、日本語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示し、韓国語を使用する顧客の場合は、図11(B)に示すように、韓国語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示し、英語を使用する顧客の場合は、図11(C)に示すように、英語で表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
【0058】
また、顧客属性として、顧客の年齢または年齢層を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、その年齢の顧客にとって最適の表示内容で商品情報を表示部12に切換表示する。即ち、顧客が高齢者の場合は、図11(D)に示すように、拡大された文字サイズで表現された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。また、顧客が30歳以下の若年層の場合は、図示しないが、図11(A)に示す文字サイズよりも小さい文字サイズで表現された詳細な商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。例えば、商品情報として、商品名、生産地、価格以外に生産者、収穫日、宣伝メッセージ、食品成分表、トレーサビリティ情報等を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
【0059】
更に、顧客属性として、顧客の性別を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、その性別の顧客にとって最適の商品情報を読み出して表示部12に切換表示する。例えば、顧客が女性の場合は、女性向けに構成された商品情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。例えば、商品が「ほうれん草」の場合、商品情報として、女性向けの商品特長をアピールするメッセージ「ビタミンAと鉄分が豊富で、美容と健康に良い ほうれん草をどうぞ」を切換表示する。
ステップS5の実行後はステップS6に進む。
【0060】
ステップS6では、CPU10は無線通信部13を制御し、通信ネットワークN2,中継器2,及び通信ネットワークN1を介して店舗サーバ3に接続する。ステップS6の実行後はステップS7に進む。
ステップS7では、ICカード4から読み取られた顧客属性を無線通信部13から中継器2に対して送信し、通信ネットワークN2,中継器2,及び通信ネットワークN1を介して顧客属性を店舗サーバ3に送信する。
【0061】
次のステップS8では、無線通信部13の受信が有ったか否か、即ち、店舗サーバ3から送信された店舗イベント情報を無線通信部13が受信したか否かが判断される。このステップS8で無線通信部13の受信がないと判断されると(ステップS8;NO)、ステップS8が繰り返し実行される。そして、ステップS8で無線通信部13の受信が有ったと判断されると(ステップS8;YES)、ステップS9に進む。
【0062】
ステップS9では、店舗サーバ3から送信された店舗イベント情報を無線通信部13で受信し、受信した店舗イベント情報がRAM14の図示しない所定のメモリ領域に記憶される。ステップS9の実行後はステップS10に進む。
【0063】
ステップS10では、店舗イベント情報が有ったか否か、電子棚札1が送信した顧客属性に対して店舗サーバ3から店舗イベント情報が送信されたか否かが判断される。
ここで、店舗サーバ3は、図9のフローチャートを参照して後述するが、電子棚札1から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cから検索された場合は、電子棚札1に対して店舗イベント情報を送信するが、顧客属性に対応する店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cに記憶されていない場合は、電子棚札1に対して該当なし信号を送信するように構成されている。従って、電子棚札1は、店舗サーバ3から送信される店舗イベント情報か、該当なし信号のいずれかを受信することになる。このステップS10で店舗イベント情報がなかった、即ち、該当なし信号を受信したと判断されると(ステップS10;NO)、ステップS13に進む。また、ステップS10で店舗イベント情報が有ったと判断されると(ステップS10;YES)、次のステップS11に進む。
【0064】
ステップS11では、ステップS9の処理によりRAM14に記憶された顧客属性に対応する店舗イベント情報を読み出し、読み出した店舗イベント情報を音声出力部11により音声出力する。例えば、顧客属性が「高齢者」の場合は、店舗イベント情報として「高齢者のための体操教室 日時:11月3日午後2時 場所:3階イベントホール」という音声情報が音声出力部11から音声出力される。また、顧客属性が「女性」の場合は、店舗イベント情報として「女性のためのエステ商品キャンペーン!10月20日まで エステ商品10%オフ。」という音声情報が音声出力部11から音声出力される。さらに、顧客属性が「外国人(韓国人)」の場合は、店舗イベント情報として「
(日本語訳:外国人のための日本料理教室 日時:11月20日 午後3時 場所:2階 多目的ホール)」という音声情報が音声出力部11から音声出力される。
ステップS11の実行後はステップS12に進む。
【0065】
ステップS12では、ステップS9の処理によりRAM14に記憶された顧客属性に対応する店舗イベント情報を読み出し、読み出した店舗イベント情報を表示部12に切換表示する。例えば、顧客属性が「高齢者」の場合は、図12(A)に示すように、店舗イベント情報として「高齢者のための体操教室 日時:11月3日午後2時 場所:3階イベントホール」というテキスト情報が表示部12に切換表示される。また、顧客属性が「女性」の場合は、図12(B)に示すように、店舗イベント情報として「女性のためのエステ商品キャンペーン!10月20日まで エステ商品10%オフ。」というテキスト情報が表示部12に切換表示される。さらに、顧客属性が「外国人(韓国人)」の場合は、図12(C)に示すように、店舗イベント情報として「
(日本語訳:外国人のための日本料理教室 日時:11月20日 午後3時 場所:2階 多目的ホール)」というテキスト情報が表示部12に切換表示される。
ステップS12の実行後はステップS13に進む。
【0066】
ステップS13では、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間されることを予め決められた時間待機する。本実施形態では、例えば1秒間の時間間隔でICカード4の離間を待機して、ステップS14に進む。
【0067】
ステップS14では、カードの離間が完了したか否か、即ち、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間したか否かが判断される。具体的には、ICカード4と近距離通信読取部16aとの距離が近距離通信部16による近距離通信が通信不能となる距離に到達し、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったかどうかを判断する。
このステップS14でカードの離間が完了していない、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になっていないと判断されると(ステップS14;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11〜S14の処理が繰り返し実行される。即ち、ICカード4を近距離通信読取部16aに近づけた状態では、店舗イベント情報の音声出力と表示出力が継続して実行される。
そして、ステップS14でカードの離間が完了した、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったと判断されると(ステップS14;YES)、ステップS15に進む。
【0068】
ステップS15では、表示部12による商品情報または店舗イベント情報の表示切換を終了する。即ち、ステップS3の処理により取得された顧客属性に基づいて、表示部12に表示されていた商品情報または店舗イベント情報の切換表示を終了し、元の表示状態に戻る。ステップS15の実行後はステップS16に進む。
【0069】
ステップS16では、音声出力部11による店舗イベント情報の音声出力を停止する。即ち、ステップS3の処理により取得された顧客属性に基づいて、音声出力部11により音声出力されていた店舗イベント情報の音声出力が停止される。ステップS16の実行後は、図7に示す表示切換処理を終了する。
【0070】
次に、図8を参照して、電子棚札1で実行される災害報知処理を説明する。この災害報知処理においては、電子棚札1は店舗サーバ3から送信された災害発生信号を受信すると、表示部12に災害報知情報を表示して店舗内の顧客に災害の発生を知らせると共に、顧客のICカード4から顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を読み出して表示部12に切換表示すると共に、読み取られた顧客属性に対応する避難経路情報を読み出し、避難経路情報を音声出力部11により音声出力すると共に、避難経路情報を表示部12に切換表示する。
【0071】
図8は、災害報知処理の動作を示すフローチャートである。この災害報知処理は、電子棚札1におけるCPU10の制御の下で実行される。
まず、ステップS20において、「災害発生信号受信?」即ち、店舗サーバ3から送信された災害発生信号を無線通信部13が受信したか否かが判別される。このステップS20で災害発生信号が受信されていないと判別されると(ステップS20;NO)、ステップS20が繰り返し実行される。そして、ステップS20で災害発生信号が受信されたと判別されると(ステップS20;YES)、ステップS21に進む。
【0072】
ステップS21では、災害の種類が判別される。即ち、店舗サーバ3から火災発生信号が送信された場合は災害の種類を「火災」と判別し、店舗サーバ3から地震発生信号が送信された場合は災害の種類を「地震」と判別する。
ここで、店舗サーバ3は、図10のフローチャートを参照して後述するが、火災,地震等の災害発生時には、火災報知装置5や地震感知装置6から出力される火災報知信号あるいは地震感知信号によって店舗サーバ3が災害発生を検出し、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信するように構成されている。ステップS21の実行後はステップS22に進む。
【0073】
ステップS22では、ステップS21により判別された災害の種類が火災であるか否かが判断される。このステップS22で災害の種類が火災であると判断されると(ステップS22;YES)、ステップS23に進み、ステップS22で災害の種類が火災ではないと判別されると(ステップS22;NO)、ステップS24に進む。
【0074】
ステップS23では、図5(D)に示す災害報知情報ファイル15cから日本語に対応する火災報知情報「火災発生!」を読み出し、読み出した火災報知情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。ステップS23の実行後はステップS25に進む。
【0075】
また、ステップS24では、図5(D)に示す災害報知情報ファイル15cから日本語に対応する地震報知情報「地震発生!」を読み出し、読み出した地震報知情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。ステップS24の実行後はステップS25に進む。
【0076】
ステップS25では、災害報知情報ファイル15cから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された火災報知情報「火災発生!」または地震報知情報「地震発生!」を表示部12に表示する。例えば、火災が発生した場合は、図13(A)に示すように、電子棚札1の表示部12に火災報知情報「火災発生!」を表示する。ステップS25の実行後はステップS26に進む。
【0077】
ステップS26では、図7のステップS1と同様に、「カード読取?」が可能か否か、即ち、図3に示すように、電子棚札1に設けられた近距離通信読取部16aに顧客が所持するICカード4が近づけられて、カード読取可能な状態になったか否かが判別される。このステップS26でICカード4が近づけられていないと判別されると(ステップS26;NO)、ステップS26が繰り返し実行される。そして、ステップS26でICカード4が近づけられたと判別されると(ステップS26;YES)、ステップS27に進む。
【0078】
ステップS27では、図7のステップS2と同様に、顧客が所持するICカード4との相互通信が行われる。即ち、電子棚札1のCPU10は、顧客のICカード4に対して顧客属性の送信を要求する要求信号を近距離通信部16から送信し、これに応答してICカード4から送信される顧客属性を近距離通信部16の近距離通信により読み取る。
そして、ステップS28では、近距離通信部16によりICカード4から読み取った顧客属性をRAM14の所定のメモリ領域に格納して顧客属性を取得する。ステップS28の実行後はステップS29に進む。
【0079】
ステップS29では、CPU10がRAM14の所定のメモリ領域に記憶された顧客属性を判別し、顧客属性に適合する災害報知情報を図5(D)に示す災害報知情報ファイル15cから読み出し、読み出した災害報知情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。
次のステップS30では、災害報知情報ファイル15cから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された災害報知情報を表示部12に切換表示する。
【0080】
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された災害報知情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
即ち、ICカード4から読み取られた顧客属性が「日本語」または「日本人」であり、顧客が日本語を使用すると判別された場合は、図13(A)に示すように、日本語で表現された災害報知情報「火災発生!」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
また、ICカード4から読み取られた顧客属性が「韓国語」または「韓国人」であり、顧客が韓国語を使用すると判別された場合は、図13(B)に示すように、韓国語のテキスト情報(ハングル)で表現された災害報知情報「
(日本語訳:火災発生!)」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
さらに、ICカード4から読み取られた顧客属性が「英語」または「英国人(英語圏の国家)」であり、顧客が英語を使用すると判別された場合は、図13(C)に示すように、英語のテキスト情報で表現された災害報知情報「Fire!」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
ステップS30の実行後はステップS31に進む。
【0081】
ステップS31では、CPU10がRAM14の所定のメモリ領域に記憶された顧客属性を判別し、顧客属性に適合する避難経路情報を図5(E)に示す避難経路情報ファイル15dから読み出し、読み出した避難経路情報をRAM14の所定のメモリ領域に記憶する。
【0082】
次のステップS32では、避難経路情報ファイル15dから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された避難経路情報を音声出力部11により音声出力する。
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された避難経路情報を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
即ち、ICカード4から読み取られた顧客属性が「日本語」または「日本人」であり、顧客が日本語を使用すると判別された場合は、図13(A)に示すように、日本語音声で構成された避難経路情報「右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。」を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
また、ICカード4から読み取られた顧客属性が「韓国語」または「韓国人」であり、顧客が韓国語を使用すると判別された場合は、図13(B)に示すように、韓国語音声で構成された避難経路情報「
(日本語訳:右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。)」を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
さらに、ICカード4から読み取られた顧客属性が「英語」または「英国人(英語圏の国家)」であり、顧客が英語を使用すると判別された場合は、図13(C)に示すように、英語音声で構成された避難経路情報「There are stairs in the right direction. It is gone out if you go down the stairs.」を電子棚札1の音声出力部11により音声出力する。
ステップS32の実行後はステップS33に進む。
【0083】
ステップS33では、避難経路情報ファイル15dcから読み出され、RAM14の所定のメモリ領域に記憶された避難経路情報を表示部12に切換表示する。
例えば、顧客属性として、顧客の国籍あるいは使用言語を示す情報がICカード4から読み取られた場合は、顧客が使用する言語で表現された避難経路情報を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
即ち、ICカード4から読み取られた顧客属性が「日本語」または「日本人」であり、顧客が日本語を使用すると判別された場合は、図14(A)に示すように、日本語のテキスト情報で表現された避難経路情報「右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
また、ICカード4から読み取られた顧客属性が「韓国語」または「韓国人」であり、顧客が韓国語を使用すると判別された場合は、図14(B)に示すように、韓国語のテキスト情報(ハングル)で表現された避難経路情報「
(日本語訳:右方向に階段があります。階段を下りれば、外へ出られます。)」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
さらに、ICカード4から読み取られた顧客属性が「英語」または「英国人(英語圏の国家)」であり、顧客が英語を使用すると判別された場合は、図14(C)に示すように、英語で表現された避難経路情報「There are stairs in the right direction. It is gone out if you go down the stairs.」を電子棚札1の表示部12に切換表示する。
ステップS33の実行後はステップS34に進む。
【0084】
ステップS34では、図7のステップS13と同様に、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間されることを予め決められた時間待機する。本実施形態では、例えば1秒間の時間間隔でICカード4の離間を待機して、ステップS35に進む。
【0085】
ステップS35では、図7のステップS14と同様に、カードの離間が完了したか否か、即ち、電子棚札1の近距離通信読取部16aからICカード4が離間したか否かが判断される。具体的には、ICカード4と近距離通信読取部16aとの距離が近距離通信部16による近距離通信が通信不能となる距離に到達し、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったかどうかを判断する。
このステップS35でカードの離間が完了していない、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になっていないと判断されると(ステップS35;NO)、ステップS32に戻り、ステップS32〜S35の処理が繰り返し実行される。即ち、ICカード4を近距離通信読取部16aに近づけた状態では、避難経路情報の音声出力と表示出力とが継続して実行される。
そして、ステップS35でカードの離間が完了した、即ち、近距離通信部16によるICカード4の読取が不能になったと判断されると(ステップS35;YES)、ステップS36に進む。
【0086】
ステップS36では、表示部12による避難経路情報の表示切換を終了する。即ち、ステップS28の処理により取得された顧客属性に基づいて、表示部12に表示されていた避難経路情報の切換表示を終了し、元の表示状態に戻る。ステップS36の実行後はステップS37に進む。
【0087】
ステップS37では、音声出力部11による店舗イベント情報の音声出力を停止する。即ち、ステップS28の処理により取得された顧客属性に基づいて、音声出力部11により音声出力されていた避難経路情報の音声出力が停止される。ステップS37の実行後は、図8に示す災害報知処理を終了する。
【0088】
次に、図9を参照して、店舗サーバ3で実行される店舗イベント情報配信処理を説明する。この店舗イベント情報配信処理においては、店舗サーバ3は電子棚札1から送信された顧客属性を受信すると、顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6(D)に示す店舗イベント情報データベース35cから検索して読み出し、読み出した店舗イベント情報を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1に送信する。
【0089】
図9は、店舗イベント情報配信処理の動作を示すフローチャートである。この店舗イベント情報配信処理は、店舗サーバ3におけるCPU30の制御の下で実行される。
まず、ステップS41において、「電子棚札接続?」即ち、通信ネットワークN2、中継器2及び通信ネットワークN1を介して電子棚札1が店舗サーバ3に接続したか否かが判別される。このステップS41で電子棚札1が接続していないと判別されると(ステップS41;NO)、ステップS41が繰り返し実行される。そして、ステップS41で電子棚札1が接続したと判別されると(ステップS41;YES)、ステップS42に進む。
【0090】
ステップS42では、通信ネットワークN2、中継器2及び通信ネットワークN1を介して電子棚札1から送信された顧客属性を受信し、受信した顧客属性をRAM34の図示しない所定のメモリ領域に記憶する。ステップS42の実行後はステップS43に進む。
【0091】
ステップS43では、電子棚札1から送信され、RAM34の図示しない所定のメモリ領域に記憶された顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6(D)に示す店舗イベント情報データベース35cから検索し、検索された店舗イベント情報を店舗イベント情報データベース35cから読み出してRAM34の図示しない所定のメモリ領域に記憶する。ステップS43の実行後はステップS44に進む。
【0092】
ステップS44では、店舗イベント情報が有ったか否か、電子棚札1から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を図6(D)に示す店舗イベント情報データベース35cから検索されたか否かが判断される。このステップS44で店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cから検索されたと判断されると(ステップS44;YES)、ステップS45に進む。また、ステップS44で店舗イベント情報が検索されなかったと判断されると(ステップS44;NO)、ステップS46に進む。
【0093】
ステップS45では、店舗サーバ3のCPU30は、通信部33を制御し、店舗イベント情報データベース35cから検索されて読み出された店舗イベント情報を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1に送信する。このステップS45の実行後は、図9に示す店舗イベント情報配信処理を終了する。
また、顧客属性に対応する店舗イベント情報が店舗イベント情報データベース35cに記憶されておらず、ステップS44の処理において店舗イベント情報が検索されなかったと判断されるとステップ46に進み、ステップS46では、通信部33を制御し、顧客属性に対応する店舗イベント情報がないことを示す該当なし信号を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して電子棚札1に送信する。そして、このステップS46の実行後は、図9に示す店舗イベント情報配信処理を終了する。
【0094】
次に、図10を参照して、店舗サーバ3で実行される災害発生信号送信処理を説明する。この災害発生信号送信処理においては、店舗サーバ3は、火災,地震等の災害が発生し、火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されることによって災害発生を検出し、通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信する。
【0095】
図10は、災害発生信号送信処理の動作を示すフローチャートである。この災害発生信号送信処理は、店舗サーバ3におけるCPU30の制御の下で実行される。
まず、ステップS51において、「災害発生?」即ち、火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されたか否かが判別される。このステップS51で火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されていないと判別されると(ステップS51;NO)、ステップS51が繰り返し実行される。そして、ステップS51で災害発生、即ち、火災報知装置5あるいは地震感知装置6から火災報知信号あるいは地震感知信号が出力されたと判別されると(ステップS51;YES)、ステップS52に進む。
【0096】
ステップS52では、災害の種類が判別される。即ち、店舗サーバ3のCPU30は、火災報知装置5から火災報知信号が出力された場合は災害の種類を「火災」と判別し、地震感知装置6から地震感知信号が出力された場合は災害の種類を「地震」と判別する。ステップS52の実行後はステップS53に進む。
【0097】
ステップS53では、ステップS52により判別された災害の種類が火災であるか否かが判断される。このステップS53で災害の種類が火災であると判断されると(ステップS53;YES)、ステップS54に進み、ステップS53で災害の種類が火災ではないと判別されると(ステップS53;NO)、ステップS55に進む。
【0098】
ステップS54では、火災発生信号を電子棚札1に送信する。即ち、店舗サーバ3のCPU30は、通信部33を制御し、火災の発生を知らせる火災発生信号を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して、電子棚札1に送信する。このステップS54の実行後は、図10に示す災害発生信号送信処理を終了する。
【0099】
ステップS55では、地震発生信号を電子棚札1に送信する。即ち、店舗サーバ3のCPU30は、通信部33を制御し、地震の発生を知らせる火災発生信号を通信ネットワークN1、中継器2及び通信ネットワークN2を介して、電子棚札1に送信する。このステップS54の実行後は、図10に示す災害発生信号送信処理を終了する。
【0100】
以上のように、本実施形態の電子棚札1及び電子棚札システム100によれば、電子棚札1が、顧客が所持するICカード4から顧客属性を読み取ると、読み取った顧客属性に応じて、表示部12に表示される商品情報の表示内容を切り換えると共に、読み取られた顧客属性を店舗サーバ3に送信し、店舗サーバ3から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信し、受信した店舗イベント情報を音声出力部11により音声出力すると共に表示部12により表示出力するように構成したので、顧客にとって最適の表示内容を表示すると共に、顧客にとって最適の店舗情報を出力し、顧客の利便性を高め、商品の購入意欲を喚起して、商品の購入を促進することができる。
【0101】
また、本実施形態の電子棚札1及び電子棚札システム100によれば、火災,地震等の災害発生時には、火災報知装置5や地震感知装置6から出力される火災報知信号あるいは地震感知信号によって店舗サーバ3が災害発生を検出し、店舗内に設置されたすべての電子棚札1に対して火災発生信号あるいは地震発生信号を送信し、電子棚札1は、店舗サーバ3から送信された災害発生信号を受信すると、表示部12に災害報知情報を表示して店舗内の顧客に災害の発生を知らせると共に、顧客のICカード4から顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を読み出して表示部12に切換表示すると共に、読み取られた顧客属性に対応する避難経路情報を読み出して音声出力部11から音声出力し且つ表示部12に表示出力するように構成したので、店舗内にいる顧客に対して災害の発生を迅速に知らせると共に、店舗外への避難経路を確実に知らせることができ、顧客を迅速に避難させることができる。
この場合、顧客が外国人の場合は、その外国人顧客が理解できる言語で災害報知情報が表示されると共に、その外国人顧客が理解できる言語で避難経路情報が音声出力されると共に、表示出力されるので、外国人顧客に対しても災害の発生を迅速に知らせると共に、店舗外への避難経路を確実に知らせることができ、外国人顧客を迅速に避難させることができる。
【符号の説明】
【0102】
100 電子棚札システム
1 電子棚札
2 中継器
3 店舗サーバ
4 ICカード(識別媒体)
5 火災報知装置
6 地震感知装置
10、30 CPU
11 音声出力部
12、32 表示部
13 無線通信部
14、34 RAM
15、35 記憶部
16 近距離通信部
31 入力部
33 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してサーバ装置に接続され、商品価格を表示する電子棚札であって、
複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、
前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、
顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記サーバ装置から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、
前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、
前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、
を具備する電子棚札。
【請求項2】
前記読取手段は、近距離通信手段により前記識別媒体と通信し、前記識別媒体から顧客属性を読み取る請求項1記載の電子棚札。
【請求項3】
前記読取手段は、前記識別媒体に設けられたコード情報を光学的に読み取り、前記識別媒体から顧客属性を読み取る請求項1記載の電子棚札。
【請求項4】
前記出力手段は、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じた音声モードで音声出力する請求項1記載の電子棚札。
【請求項5】
前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて複数の言語で表現された商品情報を記憶し、
前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う言語で表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える請求項1記載の電子棚札。
【請求項6】
前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて前記商品情報を複数の文字サイズで記憶し、
前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う文字サイズで表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える請求項1記載の電子棚札。
【請求項7】
複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、
前記受信手段は、火災,地震等の災害発生時に前記サーバ装置から送信される災害発生信号を受信し、
前記切換手段は、前記受信手段が災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から前記災害報知情報記憶手段に記憶された災害発生報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、前記災害発生報知情報の表示内容を切り換える請求項1記載の電子棚札。
【請求項8】
複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、
前記出力手段は、前記受信手段が災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客の属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、
前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる請求項7記載の電子棚札。
【請求項9】
電子棚札とサーバ装置とがネットワークを介して接続された電子棚札システムであって、
前記サーバ装置は、複数の顧客属性に対応づけて複数の店舗イベント情報を記憶する店舗イベント記憶手段と、前記電子棚札から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を前記店舗イベント記憶手段から読み出し、前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信する送信手段と、を具備し、
前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、
前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、
顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記サーバ装置から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、
前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、
前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、
を具備する電子棚札システム。
【請求項10】
前記サーバ装置は、火災,地震等の災害発生時に災害発生信号を前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信し、
前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、
前記受信手段は、前記サーバ装置から送信される前記災害発生信号を受信し、
前記切換手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から災害報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、災害報知情報の表示内容を切り換える請求項9記載の電子棚札システム。
【請求項11】
前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、
前記出力手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、
前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる請求項10記載の電子棚札システム。
【請求項1】
ネットワークを介してサーバ装置に接続され、商品価格を表示する電子棚札であって、
複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、
前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、
顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記サーバ装置から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、
前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、
前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、
を具備する電子棚札。
【請求項2】
前記読取手段は、近距離通信手段により前記識別媒体と通信し、前記識別媒体から顧客属性を読み取る請求項1記載の電子棚札。
【請求項3】
前記読取手段は、前記識別媒体に設けられたコード情報を光学的に読み取り、前記識別媒体から顧客属性を読み取る請求項1記載の電子棚札。
【請求項4】
前記出力手段は、前記受信手段により受信された店舗イベント情報を前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じた音声モードで音声出力する請求項1記載の電子棚札。
【請求項5】
前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて複数の言語で表現された商品情報を記憶し、
前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う言語で表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える請求項1記載の電子棚札。
【請求項6】
前記商品情報記憶手段は、複数の顧客属性に対応づけて前記商品情報を複数の文字サイズで記憶し、
前記切換手段は、前記読取手段により読み取られた顧客属性に応じて、前記顧客属性に合う文字サイズで表現された商品情報を前記商品情報記憶手段から読み出して、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える請求項1記載の電子棚札。
【請求項7】
複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、
前記受信手段は、火災,地震等の災害発生時に前記サーバ装置から送信される災害発生信号を受信し、
前記切換手段は、前記受信手段が災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から前記災害報知情報記憶手段に記憶された災害発生報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、前記災害発生報知情報の表示内容を切り換える請求項1記載の電子棚札。
【請求項8】
複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、
前記出力手段は、前記受信手段が災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客の属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、
前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる請求項7記載の電子棚札。
【請求項9】
電子棚札とサーバ装置とがネットワークを介して接続された電子棚札システムであって、
前記サーバ装置は、複数の顧客属性に対応づけて複数の店舗イベント情報を記憶する店舗イベント記憶手段と、前記電子棚札から送信される顧客属性に対応する店舗イベント情報を前記店舗イベント記憶手段から読み出し、前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信する送信手段と、を具備し、
前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により商品情報を記憶する商品情報記憶手段と、
前記商品情報記憶手段に記憶された商品情報を表示する表示手段と、
顧客が所持する識別媒体が近づけられて読取可能な状態になった否かを判別し、前記識別媒体が近づけられて読取可能な状態になったと判別した場合は、前記識別媒体から顧客属性を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性に対応する表示内容を前記商品情報記憶手段から読み出し、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を切り換える切換手段と、
前記読取手段により読み取られた顧客属性を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
前記サーバ装置から送信された顧客属性に対応する店舗イベント情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された店舗イベント情報を出力する出力手段と、
前記識別媒体が前記読取手段から離間したか否か判別する判別手段と、
前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記店舗イベント情報を繰り返し出力させる制御手段と、
を具備する電子棚札システム。
【請求項10】
前記サーバ装置は、火災,地震等の災害発生時に災害発生信号を前記ネットワークを介して前記電子棚札に送信し、
前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により災害報知情報を記憶する災害報知情報記憶手段を具備し、
前記受信手段は、前記サーバ装置から送信される前記災害発生信号を受信し、
前記切換手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信すると、前記表示手段に表示される商品情報の表示内容を商品価格から災害報知情報に切り換えると共に、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する災害報知情報を前記災害報知情報記憶手段から読み出し、災害報知情報の表示内容を切り換える請求項9記載の電子棚札システム。
【請求項11】
前記電子棚札は、複数の顧客属性に対応づけて複数の表示内容により店舗外への避難経路を示す避難経路情報を記憶する避難経路情報記憶手段を具備し、
前記出力手段は、前記受信手段が前記災害発生信号を受信し、前記読取手段により顧客属性が読み取られた場合は、読み取られた顧客属性に対応する前記避難経路情報を前記避難経路情報記憶手段から読み出して出力し、
前記制御手段は、前記判別手段により前記識別媒体が前記読取手段から離間していないと判別される間は、前記出力手段に前記避難経路情報を繰り返し出力させる請求項10記載の電子棚札システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−101647(P2013−101647A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−281904(P2012−281904)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2007−259329(P2007−259329)の分割
【原出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2007−259329(P2007−259329)の分割
【原出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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