説明

表示装置、表示方法、および、記憶媒体

【課題】記憶装置内の言語表示データの量を削減する技術に関する。
【解決手段】
ユーザの選択に応じて、ディスプレイに同時に表示される複数のコマンドボタンについて、ユーザの言語切替に応じて一部のコマンドボタンを第1言語から第2言語へ切替えて、他のコマンドボタンを標準の第1言語のまま維持する。したがって、記録装置には、一部のコマンドボタンの文字列に関して複数の言語表示データを用意し、他のコマンドボタンの文字列に関しては標準の第1言語の言語表示データのみを用意すればよい。これにより、記録装置内の言語表示データの全体量を削減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載して使用可能な表示装置に表示される言語に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の国際化に伴い、車両に搭載して使用可能な表示装置において表示される文字情報について、複数の言語の中からユーザが任意の言語を選択して表示することが知られている。この場合は同一の情報をそれぞれ異なる言語で示す複数の言語表示データを予め用意しておき、ユーザに選択された言語の文字情報を表示する。このため、予め用意する言語表示のデータ量が多くなり、記録装置の限られた記憶容量のうちの多くを言語表示データが占めることで、他のデータの記録が困難になるという問題があった。
【0003】
また、特許文献1は、ユーザが画面の表示内容を理解する必要のある場合は英語表示データを記録装置に記録し、日本語で表示した画面でその画面を理解する必要性が低い場合は日本語表示データのみを記録装置に記録して表示するというように、一つの画面ごとに英語表示の必要性を考慮し、日本語表示画面のみでよい場合は日本語のみの表示データとすることで記録装置内に記録するデータの削減を図っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−32384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術でも近年の車載用の表示装置の高機能化により記録装置に保存されるデータの種類、および、データ量の増加に伴い、一画面単位に複数の言語表示データを記憶したり単一の言語表示データを記録しておくことは、記録装置に記録するデータ量の増加に伴う製品単価の上昇の要因となり問題となっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、記録装置内の言語データ量を削減できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載して使用可能な表示装置であって、割り当てられた機能を示す文字列が表記された複数のコマンドボタンを同時に表示する表示手段と、前記表示手段の表示に用いる言語表示データを記録した記録装置から前記言語表示データを読み出す読出手段と、前記文字列を標準の第1言語から、第2言語に変更する言語変更指示をユーザから受け付ける受付手段と、前記言語変更指示があった場合は、前記読出手段で読み出した言語表示データを用い、前記複数のコマンドボタンのうち一部の第1コマンドボタンの文字列を前記第2言語に変更しつつ、他の第2コマンドボタンの文字列を前記第1言語のまま維持する変更手段と、を備える。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記変更手段は、前記第1コマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列を前記第2言語に変更し、前記第2コマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列を前記第1言語のまま維持する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の表示装置において、前記表示装置は、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置であり、前記第1コマンドボタンに割り当てられた機能は、経路探索機能である。
【0010】
請求項4の発明は、車両に搭載して使用可能な表示装置における表示方法であって、割り当てられた機能を示す文字列が表記された複数のコマンドボタンを同時に表示する工程と、前記文字列を標準の第1言語から、第2言語に変更する言語変更指示をユーザから受け付ける工程と、前記言語変更指示があった場合は、表示装置の表示に用いる言語表示データを記録した記録装置から読み出した言語表示データを用い、前記複数のコマンドボタンのうち一部の第1コマンドボタンの文字列を前記第2言語に変更しつつ、他の第2コマンドボタンの文字列を前記第1言語のまま維持する工程と、を備える。
【0011】
請求項5の発明は、表示装置の表示に用いるデータを記録し、前記データが選択的に前記表示装置に読み出される記憶媒体であって、前記表示装置に同時に表示される複数のコマンドボタンのうち一部の第1コマンドボタンの文字列に用いる言語表示データが、複数の言語に対応し、他の第2コマンドボタンの文字列に用いる言語表示データが、一の言語のみに対応する構造、を有するデータを記録している。
【発明の効果】
【0012】
請求項1ないし5の発明によれば、コマンドボタンの文字列の言語の変更指示をユーザが行った場合でも、一部のコマンドボタンの文字列のみが第2言語に変更され、他のコマンドボタンの文字列は第1言語のまま維持される。したがって、記録装置には、第1コマンドボタンの文字列に関して複数の言語表示データを用意し、第2コマンドボタンの文字列に関しては標準の第1言語の言語表示データのみを用意すればよい。これにより、記録装置内の言語表示データの全体量を削減できる。
【0013】
また、特に請求項2の発明によれば、文字列が第2言語に変更された第1コマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列についても第2言語に変更するため、第2言語を理解するユーザの利便性を向上できる。一方で、文字列が第1言語のままの第2コマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列は第1言語のままとなるため、記録装置内の言語表示データの全体量をさらに削減できる。
【0014】
また、特に請求項3の発明によれば、表示装置は、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置であり、第1コマンドボタンに割り当てられた機能は、経路探索機能であることで、ユーザは目的地までの経路探索を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の外観図である。
【図2】図2は、ナビゲーション装置の構成図である。
【図3】図3は、各種データを記録したメモリカードである。
【図4】図4は、ナビゲーション装置の表示言語設定の画面遷移図である。
【図5】図5は、ナビゲーション装置の目的地検索のうち電話番号による目的地検索の画面遷移を示した図である。
【図6】図6は、ナビゲーション装置の目的地検索のうちマップコードによる目的地検索の画面遷移を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
<実施の形態1>
<1.構成>
図1は、本実施の形態の表示装置であるナビゲーション装置1の外観図である。なお、以下で説明する技術は、例えば携帯型のナビゲーション機能を有する電子装置(PND)やその他の機能を有する表示装置など、車載して利用できる表示装置であれば適用可能である。
【0018】
本実施形態に係るナビゲーション装置1は、2DIN(Deutsche Industrie Normen)の本体・モニタ一体型カーナビゲーション装置であり、車両の現在地や目的地までの経路の案内等を行うカーナビゲーション機能や、各種オーディオ/ビジュアル(以下、AVという)コンテンツの再生機能、放送波を受信する機能等を有している。ナビゲーション装置1は、運転席や助手席の乗員の手が届きやすいダッシュボードの中央付近に設置された状態で使用されるものであり、メインユニット2とディスプレイユニット3とで構成されている。
【0019】
図2は、ナビゲーション装置1の構成図である。メインユニット2は、電子部品類で構成されており、ブレーキ検知部4、リバース検知部5、携帯式プレーヤインターフェース6、放送波受信部7、外部音声/映像入力部8、GPS情報受信部9、車速検知部10、カメラ映像入力部11、アンプ12、開閉制御部13A、角度制御部13B、角度センサ14、モータ15、CDドライブ16、カードメモリインターフェース17、リセットボタン18、ジャイロセンサ19、制御部20が内蔵されている。ディスプレイユニット3は、主に、車両の乗員に対して各種の情報を映像で表示するとともに、ユーザ操作を受け付ける役割を司るデバイス類で構成されており、ディスプレイ21、表示処理部22、操作受付部23、操作ボタン24、赤外線受/発光部25を備えている。
【0020】
以下、メインユニット2の構成について説明する。ブレーキ検知部4は、車両のパーキングブレーキがかけられているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。ブレーキ検知部4は、パーキングブレーキレバー(あるいはペダル)の動きと連動してオンオフするスイッチの通電状態により、ブレーキの状態を検知する。ブレーキ検知部4は、このスイッチの通電状態を、端子26Aを介して電気的に検知する。
【0021】
リバース検知部5は、車両の変速レバーがリバース(後進)になっているか否かを検知し、これを制御部20に通知する。リバース検知部5は、変速レバーと連動して動くスイッチのオンオフにより、変速レバーの状態を検知する。リバース検知部5は、このスイッチの通電状態を、端子26Bを介して電気的に検知する。
【0022】
携帯式プレーヤインターフェース6は、音楽等を再生する携帯式のプレーヤ(例えば、iPod(登録商標))と双方向通信を行うためのインターフェースである。携帯式プレーヤインターフェース6は、このような携帯式のプレーヤが外部接続されると双方向通信を開始し、プレーヤから送られるオーディオ信号を制御部20へ送り、制御部20から送られる再生開始や曲送り等の制御信号をプレーヤへ送る。携帯式プレーヤインターフェース6は、端子26Cに接続されるコードを介してプレーヤと通信を行う。
【0023】
放送波受信部7は、ワンセグチューナ、AMチューナ(AM:Amplitude Modulation)、及びFMチューナ(FM:Frequency Modulation)で構成される回路である。放送波受信部7は、制御部20からの制御信号に応じてチューナの受信状態を制御し、端子26Dに接続されるアンテナが受信した電波の信号を制御部20へ送る。
【0024】
外部音声/映像入力部8は、端子26Eに接続されるビデオ/オーディオ機器からのコンポジット映像信号や音声信号を受け付け、これを制御部20へ送る回路である。
【0025】
GPS情報受信部9(GPS:Global Positioning System)は、端子26Fに接続されるGPSアンテナが受信したGPS衛星からの電波の信号を受信し、受信した信号を制御部20へ送る。GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からの電波に基づいて車両の位置を測位するシステムである。GPS情報受信部9は、地球を周回するこれらGPS衛星の電波の信号を処理する。GPS情報受信部9によって受信されたGPS衛星からの信号は、カーナビゲーションに用いられる。
【0026】
車速検知部10は、車軸の回転角に応じて発生する車速パルス信号を検知し、これを制御部20へ送る回路である。車速検知部10が検知する車速パルス信号は、車速センサまたは車両のエンジンやブレーキを制御する電子制御ユニットから出力されるステップ状の車速パルス信号であり、単位時間当たりのパルス数から車両速度を割り出す際に用いられる。単位時間当たりのパルス数が増えていれば車両が加速しており、減っていれば車両が減速していることになる。車両の速度と車速パルスとの相関関係は、車両を製造するメーカや車種、装着される車輪の大きさや空気圧等に応じて変化する。このため、制御部20では、GPSによる測位結果に基づいて算出される車両の移動距離とその間を走行する間に検知されたパルス数との相関から、車両の速度と車速パルスとの相関関係が適宜更新される。車速検知部10は、電子制御ユニットから出力される車速パルス信号を、端子26Gを介して電気的に検知する。
【0027】
カメラ映像入力部11は、車両の後方を撮影するビデオカメラであるバックアイカメラからの映像信号を受け付け、制御部20へ送る回路である。すなわち、カメラ映像入力部11は、リバース検知部5が車両のリバースを検知した際、端子26Hに接続されているビデオカメラからの映像信号を制御部20へ送る。
【0028】
アンプ12は、制御部20から車室内に設置されるスピーカへ送られる音声信号を増幅する回路である。アンプ12は、制御部20からの制御信号に応じて増幅率を任意に変更可能である。
【0029】
開閉制御部13Aは、ディスプレイユニット3の開閉動作を行う回路である。開閉制御部13Aは、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3を開閉する。
【0030】
角度制御部13Bは、ディスプレイユニット3の角度調整を行う回路である。角度制御部13Bは、開閉制御部13Aと同様、制御部20からの制御信号に応じてモータ15を制御したり、角度センサ14からの信号を処理したりすることにより、ディスプレイユニット3の角度を調整する。なお、ディスプレイユニット3の角度とは、ナビゲーション装置1の左右方向に伸びる軸を中心とする、メインユニット2の正面とディスプレイユニット3の正面(すなわち、タッチパネル21の表面)との相対的な角度である。
【0031】
角度センサ14は、ディスプレイユニット3の角度を検知するセンサであり、検知した角度を電気信号で開閉制御部13Aへ通知する。
【0032】
モータ15は、ディスプレイユニット3の角度を調整するモータであり、ディスプレイユニット3の上端を上下に動かしたり、ディスプレイユニット3の下端を前後に動かしたりする。
【0033】
開閉制御部13Aおよび角度制御部13Bは、制御部20からの制御信号を受けると、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度と制御信号に基づいて決定される角度の目標値との差を割り出し、角度センサ14で検知されるディスプレイユニット3の角度が制御目標値と一致するようにモータ15をフィードバック制御する。
【0034】
CDドライブ16は、音楽等のオーディオコンテンツが記録されたCDを読み取って再生する光ディスク読取装置であり、光ピックアップレンズや発光素子、ディスク駆動モータ等で構成されている。
【0035】
カードメモリインターフェース17は、記憶保持動作が不要な不揮発性の半導体メモリカードを読み書きするメモリカードリーダライタである。カードメモリインターフェース17に挿入されるメモリカードは、各種データを記憶したメモリカード31であり、8GB程度の記憶容量を有している。
【0036】
図3は、各種データを記録したメモリカードの一例を示す。なお、以下に説明するように、ナビゲーション装置1は、メモリカード31に記録されたデータを読み出して、各種機能の実現や処理を行うが、本実施形態で示すように記録装置であるメモリカードがナビゲーション装置1と別体となってナビゲーション装置1に着脱可能とされてもよいし、ナビゲーション装置1のメインユニット2の内部に内蔵されていてもよい。
【0037】
このメモリカード31には、ディスプレイ21に表示される各種機能などの表示言語のデータである言語表示データ31a、高速道路や一般道等の道路情報、テーマパーク、ガソリンスタンドといった各種施設に関する地点情報等を含む地図データ31b、並びに電話番号や施設名称等のその他のデータが記録されている。制御部20は、メモリカード31に記録されている地図データにアクセスすることでカーナビゲーションのルート検索等の諸機能を実現する。
【0038】
ここで、言語表示データ31aはディスプレイ21に同時に表示され、割り当てられた機能を示す複数のコマンドボタンの文字列に用いる言語データである。また、言語表示データ31aのうち、コマンドボタンの一部のコマンドボタンの文字列に用いる言語表示データは複数の言語(例えば、日本語および英語)に対応し、他のコマンドボタンの文字列に用いる言語表示データは標準の一の言語のみ(例えば日本語のみ)に対応する。
【0039】
そして、ユーザによる言語変更指示によって、コマンドボタンに使用する言語表示データ31aが日本語から英語に変更されたり、日本語のまま維持されたりする。
【0040】
なお、コマンドボタンとは、各種の機能(コマンド)が割り当てられており、表示画面上にその機能を示す文字列または絵とともに表示されるボタンであり、ユーザが操作することで割り当てられた機能(コマンド)が実行されるものをいう。
【0041】
また、複数の言語は日本語および英語の2つの言語だけではなく、それ以上の言語数であってもよい。また、別の種類の言語であるドイツ語やフランス語、および、中国語などの言語であってもよい。
【0042】
これにより、ユーザの理解できる言語が日本語ではなく英語の場合に、コマンドボタンの文字列の言語の変更指示をユーザが行い、一部のコマンドボタンの文字列のみが日本語から英語に変更され、他のコマンドボタンの文字列は日本語のまま維持される。したがって、記録装置には、ユーザの選択に応じて言語を切替えて表示するコマンドボタンの文字列に関して日本語および英語の複数の言語表示データを用意し、単一の言語で表示するコマンドボタンの文字列に関しては標準の日本語の言語表示データのみを用意すればよい。これにより、記録装置内の言語表示データの全体量を削減できる。
【0043】
ジャイロセンサ19は、メインユニット2に内蔵される2軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサ19は、GPS衛星からの電波をGPS情報受信部9が受信できない時でも車両の測位を可能にするためのものである。なお、GPS衛星からの電波を受信できない時の車両の位置は、制御部20により、車速検知部10が検知する車両速度とジャイロセンサ19が検知する車両の進行方向とに基づいて算出される。
【0044】
次に、ディスプレイユニット3を構成する各構成要素について説明する。ディスプレイ21は、カラー液晶ディスプレイとタッチセンサとを組み合わせたGUI(Graphical User Interface)であり、液晶ディスプレイで画面を表示すると共に、画面に表示されたコマンドボタンが押されるとタッチセンサがこれを検知する。ユーザはこのディスプレイ21に指などを接触させてナビゲーション装置1の各種操作を行うことができ、表示する言語の設定も行える。
【0045】
表示処理部22は、ディスプレイ21に表示する画面を描画処理する回路である。表示処理部22は、制御部20から送られる映像信号に基づき、液晶ディスプレイに格子状に均等配列された薄膜トランジスタを駆動することで、ディスプレイ21の画面を描画する。
【0046】
操作受付部23は、ディスプレイ21へのタッチ操作をタッチセンサが感知すると、タッチされた画面上の位置を特定し、操作された位置の情報を制御部20へ送る。
【0047】
操作ボタン24は機械的なボタンであり、図1等に示すように、ディスプレイ21の下に配置される操作用の押しボタン式スイッチである。操作ボタン24は、ディスプレイユニット3の左側から順に、開閉ボタン、現在地ボタン、音量調整ボタンで構成されている。音量調整ボタンは、右側が押されると音量アップ、左側が押されると音量ダウンになるように設定されている。これらのボタンが押されると、押されたボタンの信号が制御部20へ送られる。なお、表示言語の設定お変更をこの操作ボタン24を用いて行うようにしてもよい。
【0048】
赤外線受/発光部25は、ナビゲーション装置1と携帯電話とが赤外線で双方向通信を行うためのインターフェースであり、電気で赤外線を発光する発光素子と、受光した赤外線を電気にする受光素子で構成されている。赤外線受/発光部25は、制御部20から送られる制御信号やデータを携帯電話へ送るとともに、携帯電話から送られる制御信号やデータを制御部20へ送る。
【0049】
<2.動作>
以下、ナビゲーション装置1の動作について説明する。図4はナビゲーション装置1の表示言語設定の画面遷移図である。この図4の日本語表示設定のナビゲーション画面D401の表示言語の設定の標準は日本語である。
【0050】
このD401に表示されている各種コマンドボタンおよびマークについて説明する。なお、ここでマークとは、表示画面上に各種のデータや処理機能を文字列または絵としての表示である。
【0051】
画面D401の方位マーク41aは地図の方角を表示している。GPSマーク41bはGPS衛星からの位置情報を利用している場合に表示される。VICSマーク41cは、VICS情報が提供された場合に表示される。
【0052】
スケール表示マーク41dは、ディスプレイ21に表示させている地図の縮尺が表示される。本実施形態ではスケール表示マーク41dに示されている所定の長さが400mに相当することを示している。また、スケール表示マーク41dの拡大または縮小のボタン部分をユーザが操作することにより地図が拡大または縮小される。
【0053】
ナビ/AV切替ボタン41eは、ディスプレイ21の表示内容をナビゲーションからAV、AVからナビゲーション、または、ナビゲーションおよびAVの混合表示に切替えるコマンドボタンであり、ユーザの操作に応じてディスプレイ21の表示内容が切替わる。
【0054】
自宅ボタン41fは、ユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、現在位置から目的地(自宅や会社などの所定の地点であるユーザが予め登録している地点)までの経路を探索して設定するためのコマンドボタンである。
【0055】
周辺ボタン41gは、ユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、周辺施設を検索する画面に遷移するコマンドボタンである。周辺施設の例としては、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアなどであり、指定されたカテゴリに対応する施設類が自車に近い順にディスプレイ21に表示される。
【0056】
目的地ボタン41hは、経路探索機能が割り当てられたコマンドボタンであり、ユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、自車の現在位置から目的地までの経路を探索する方法を表示する画面に遷移する。目的地までの経路を探索する方法は例えば「50音」、「住所」、「経路探索履歴」などであり、選択された探索方法に応じた入力画面がディスプレイ21に表示される。
【0057】
メニューボタン41iは、ナビゲーション装置1の各種設定を行う場合にユーザにより選択されるコマンドボタンであり、このメニューボタン41iがユーザにより選択された信号を制御部20が受信するとメニュー画面D402がディスプレイ21に表示される。なお、時計マーク41jは現在の時間を表示し、現在地マーク41kは自車の現在位置を表示している。
【0058】
メニュー画面D402には、アイコンや施設表示などのユーザ設定用のコマンドボタンやユーザがお気に入り登録した地点の編集用のコマンドボタンなどが表示されている。これらのアイコンの中で設定ボタン42aがユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、設定画面D403がディスプレイ21に表示される。
【0059】
なお、メニュー画面D402の戻るボタン42bがユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、1つ前の画面であるナビゲーション画面D401がディスプレイ21に表示される。
【0060】
設定画面D403では、ディスプレイ21に表示される表示言語の設定、画面D401に表示されている時計マーク41jを表示するか否かの設定、および、目的地履歴の消去の設定など各種設定処理がユーザの操作により行われる。
【0061】
なお、本実施形態では画面D404の英語ボタン43aをユーザが選択した後、完了ボタン43cがユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、英語表示設定のナビゲーション画面D404がディスプレイ21に表示される。また、画面D403の戻るボタン43bがユーザの操作により選択された信号を制御部20が受信すると、1つ前の画面であるメニュー画面D402がディスプレイ21に表示される。
【0062】
ここで、表示言語の設定を英語に設定変更する前の日本語表示設定の画面D401と比較すると、画面D401の目的地ボタン41hに表記された日本語の文字列“目的地”が目的地の意味を示す英語の“Dest”に変更されている。そして、その他のコマンドボタンであるナビ/AV切替ボタン44e、自宅ボタン44f、周辺ボタン44g、メニューボタン44iの文字列については日本語のまま維持されている。
【0063】
また、地図の地名の表示は画面D401での日本語の表示から画面D404の英語の表示に変更されている。これにより、ユーザは表示言語を英語表示の設定とした状態でナビゲーション装置1の操作を行える。なお、ナビゲーション装置で出力される音声も英語による音声出力とする。
【0064】
次に、表示言語の設定を英語に設定した場合の目的地検索について説明する。図5はナビゲーション装置1の目的地検索のうち電話番号による目的地検索の画面遷移を示した図である。英語表示設定のナビゲーション画面D404の目的地設定を意味する“Dest”と表記されたDestボタン44hをユーザが選択した信号を制御部20が受信すると、目的地設定画面D501がディスプレイ21に表示される。
【0065】
画面D501は、ディスプレイ21の表示言語の設定が日本語から英語に変更されたことにより、目的地を設定するための複数のコマンドボタンのうち一部のコマンドボタンの文字列が英語の言語表示データを用いて英語で表示され、他のコマンドボタンの文字列が日本語のまま維持されている。具体的には、複数のコマンドボタンのうち電話番号検索を示す“Search by Phone Number”と表記されたコマンドボタン51bと“Search by MAPCODE”と表記されたコマンドボタン51cとが英語で表示されており、その他のコマンドボタン(例えば、お気に入りで探す、ジャンルで探すなど)は日本語で表示されている。なお、画面D501の標題マーク51aは英語で表示されている。また、戻るボタンは“Back”と表示されたコマンドボタン51dである。
【0066】
このように、普段は日本語を理解するユーザに利用されるナビゲーション装置1が、日本語ではなく英語を理解するユーザに利用される場合に、割り当てられた機能を示す文字列が表記された複数のコマンドボタンが同時にディスプレイ21に表示されている場合に、ユーザの言語変更指示に応じて、複数のコマンドボタンのうちの一部のコマンドボタンの文字列を英語の文字列とし、その他のコマンドボタンを日本語の文字列のまま表示を維持する。
【0067】
これにより、コマンドボタンの文字列の言語の変更指示をユーザが行った場合でも、一部のコマンドボタンの文字列のみが英語に変更され、他のコマンドボタンの文字列は第日本語のまま維持される。したがって、記録装置には、ユーザの選択に応じて言語を切替えて表示するコマンドボタンの文字列に関して複数の言語表示データ(英語および日本語)を用意し、単一の言語で表示するコマンドボタンの文字列に関しては標準の日本語の言語表示データのみを用意すればよい。これにより、記録装置内の言語表示データの全体量を削減できる。
【0068】
図5の画面D501の説明に戻り、英語で表記された一部のコマンドボタンのうち“Search by Phone Number”と表記されたコマンドボタン51bがユーザに選択された信号を制御部20が受信した場合は、電話番号入力画面502がディスプレイ21に表示される。なお、“Back”と表記されたコマンドボタン51dがユーザに選択された信号を制御部20が受信すると、一つ前の画面である画面D404がディスプレイ21に表示される。
【0069】
この画面502は、複数のコマンドボタンのうち英語で表示されているコマンドボタンをユーザが選択したことで、呼び出される画面であり、この画面D502で表示されている文字列は数字以外は全て英語で表示されている。
【0070】
具体的には、標題マーク52aがPhone Numberと表示され、番号入力欄52bにはユーザの番号ボタン52cの選択により、番号が入力される。ユーザによる番号入力が完了して、検索を行う“Done”と表記されたコマンドボタン52dがユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、目的地設定がなされた英語表示設定のナビゲーション画面D503がディスプレイ21に表示される。なお、“Delete”と表示されたコマンドボタン52eは番号入力欄52bに入力された番号を消去するボタンであり、“Back”と表記されたコマンドボタン52gがユーザにより選択された信号を制御部20が受信すると、一つ前の画面である画面D501がディスプレイ21に表示される。
【0071】
このように、文字列が英語に変更されたコマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列についても日本語から英語に変更するため、日本語ではなく英語を理解するユーザのナビゲーション装置1を操作する利便性が向上する。一方で、文字列が日本語のままのコマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列は日本語のままとなるため、記録装置内の言語表示データ全体量をさらに削減できる。
【0072】
また、日本語ではなく英語を理解するユーザは、日本語で表記された複数のコマンドボタンの中の一部のコマンドボタンが英語で表示されている場合、英語で表示されているコマンドボタンを選択して目的地検索を行うことができることから、ユーザに対する操作ガイドとしての役割も有する。
【0073】
さらに、目的地設定画面D501において、英語で表示されているコマンドボタン以外のコマンドボタン、つまり日本語で表示されているコマンドボタンを画面D501に表示しない、または日本語で表記されたコマンドボタンをユーザが選択しても制御部20への信号が送信されないようにすることで、ユーザが誤って日本語のコマンドボタンを選択することを防止できる。
【0074】
画面D502で目的地に関する電話番号の情報の入力が完了した信号を制御部20が受信すると、目的地が設定された英語表示設定のナビゲーション画面D503が表示される。画面D503では画面D502にて設定された電話番号に基づく目的地までの経路RL1が表示されている。このように、ユーザは言語意味が理解できる限定された選択可能なコマンドを利用することで目的地とする地点の検索を容易に行える。
【0075】
図6は、目的地設定を行うために別のコマンドボタンをユーザが選択した場合であるナビゲーション装置1の目的地検索のうちマップコードによる目的地検索の画面遷移を示した図である。
【0076】
図5に示した電話番号による目的地検索の画面遷移と異なる点は、目的地設定画面D501で“Search by Phone Number”と表記されたコマンドボタン51bではなく、“Search by MAPCODE”と表記されたコマンドボタン51cがユーザに選択された信号を制御部20が受信することに伴い、マップコード入力画面D602がディスプレイ21に表示される点であり、画面D602には数字以外の全ての文字列が英語で表示され、ユーザは目的地に対応したマップコードを入力する。その他の構成は図5を用いて説明した構成と同じである。
【0077】
これにより、文字列が英語に変更されたコマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列についても英語に変更するため、日本語ではなく英語を理解するユーザのナビゲーション装置1を操作する利便性を向上できる。一方で、文字列が日本語のままのコマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列は日本語のままとなるため、記録装置内の言語表示データ全体量をさらに削減できる。
【0078】
図5および図6を用いて述べたように、ディスプレイ21に表示される機能でコマンドボタンに割り当てられた機能の一つの例として経路探索機能があり、これによりユーザのナビゲーション装置1を操作する利便性が向上できる。
【0079】
また、上記実施形態のナビゲーション装置1は、日本国内でレンタカーとして貸し出す車両に搭載することが考えられる。このようなレンタカーの借り手のほとんどが日本語を理解する顧客であるが、少ないながらも日本語ではなく英語のみを理解する観光客などが顧客となる場合がある。そのような場合に、顧客がナビゲーション装置を利用する上で最低限必要である経路探索機能のコマンドボタンについて、日本語とともに英語の表記を可能とする。
【0080】
これにより、レンタカーの貸し手は、日本語を理解する顧客だけではなく、英語などの外国語を理解する顧客に対してもレンタカーの利用を促進できる。また、レンタカーを借りる英語を理解する顧客は、ナビゲーション装置の機能を利用をできる。さらに、ナビゲーション装置の記憶装置内で記憶する言語表示データは経路探索機能に関する言語表示データは日本語と英語の2種類の言語表示データを記録する必要があるが、その他の機能については、日本語の言語表示データのみ記録すればよいため、記録装置に記録する言語表示データの全体量を削減できる。
【符号の説明】
【0081】
1・・・ナビゲーション装置
2・・・メインユニット
3・・・ディスプレイユニット
31・・・メモリカード
41a・・・方位マーク
41b・・・GPSマーク
41c・・・VICSマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載して使用可能な表示装置であって、
割り当てられた機能を示す文字列が表記された複数のコマンドボタンを同時に表示する表示手段と、
前記表示手段の表示に用いる言語表示データを記録した記録装置から前記言語表示データを読み出す読出手段と、
前記文字列を標準の第1言語から、第2言語に変更する言語変更指示をユーザから受け付ける受付手段と、
前記言語変更指示があった場合は、前記読出手段で読み出した言語表示データを用い、前記複数のコマンドボタンのうち一部の第1コマンドボタンの文字列を前記第2言語に変更しつつ、他の第2コマンドボタンの文字列を前記第1言語のまま維持する変更手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記変更手段は、
前記第1コマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列を前記第2言語に変更し、
前記第2コマンドボタンを選択することで呼び出される画面の文字列を前記第1言語のまま維持することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示装置において、
前記表示装置は、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置であり、
前記第1コマンドボタンに割り当てられた機能は、経路探索機能であることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
車両に搭載して使用可能な表示装置における表示方法であって、
割り当てられた機能を示す文字列が表記された複数のコマンドボタンを同時に表示する工程と、
前記文字列を標準の第1言語から、第2言語に変更する言語変更指示をユーザから受け付ける工程と、
前記言語変更指示があった場合は、表示装置の表示に用いる言語表示データを記録した記録装置から読み出した言語表示データを用い、前記複数のコマンドボタンのうち一部の第1コマンドボタンの文字列を前記第2言語に変更しつつ、他の第2コマンドボタンの文字列を前記第1言語のまま維持する工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項5】
表示装置の表示に用いるデータを記録し、前記データが選択的に前記表示装置に読み出される記憶媒体であって、
前記表示装置に同時に表示される複数のコマンドボタンのうち一部の第1コマンドボタンの文字列に用いる言語表示データが、複数の言語に対応し、
他の第2コマンドボタンの文字列に用いる言語表示データが、一の言語のみに対応する構造、
を有するデータを記録したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−191968(P2011−191968A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56958(P2010−56958)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】