説明

表示装置、表示方法およびプログラム

【課題】表示装置から取り外された表示媒体に表示されている情報を、表示装置側で見えるようにすること。
【解決手段】本発明の表示装置は、階層的に配置した複数の表示媒体と、前記複数の表示媒体を取り外し可能に保持する保持部と、前記複数の表示媒体の各々に表示されている情報を記憶する記憶部と、前記表示媒体の前記保持部への取り付けおよび前記保持部からの取り外しを検出する検出部と、前記複数の表示媒体のうちの第1の表示媒体の取り外しを前記検出部が検出した場合、該第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の表示媒体に表示する制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を表示する表示装置として、複数の薄い表示媒体から構成され、複数の表示媒体の各々に情報を表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、表示媒体を電子ペーパーとするものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2にも開示されているように、最近の電子ペーパーの多くは、情報の書き込み時にのみ電圧の印加が必要で、情報の保持のための電圧は不要である。そのため、電子ペーパーを表示装置から取り外して使用することも可能である。
【0004】
なお、本明細書では、表示装置を閉じた状態で一番上位にある表示媒体、または、操作者に面して一番上位にある表示媒体を最上層とし、逆方向にある表示媒体を下層にあると定義する。また、表示装置を開いた状態で、表示媒体の情報を表示する表示部の全面が操作者から視認可能となる表面上に位置する表示媒体を最前面と定義する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−58081号公報
【特許文献2】特開2006−91226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献2に開示されたような表示装置においては、表示媒体を取り外して使用することが可能である。
【0007】
そのため、例えば、操作者が、表示媒体に表示されている情報を第三者に見せるために、その表示媒体を表示装置から取り外し、第三者に渡す場合もあると考えられる。
【0008】
しかし、この場合、操作者自身は、取り外された表示媒体に表示されている情報が見えなくなってしまうという問題点がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決することができる表示装置、表示方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の表示装置は、
階層的に配置した複数の表示媒体と、
前記複数の表示媒体を取り外し可能に保持する保持部と、
前記複数の表示媒体の各々に表示されている情報を記憶する記憶部と、
前記表示媒体の前記保持部への取り付けおよび前記保持部からの取り外しを検出する検出部と、
前記複数の表示媒体のうちの第1の表示媒体の取り外しを前記検出部が検出した場合、該第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の表示媒体に表示する制御部と、を有する。
【0011】
本発明の表示方法は、
階層的に配置した複数の表示媒体を、保持部にて取り外し可能に保持する表示装置による表示方法であって、
前記表示媒体の前記保持部への取り付けおよび前記保持部からの取り外しを検出し、
前記複数の表示媒体のうちの第1の表示媒体の取り外しが検出された場合、該第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の表示媒体に表示する。
【0012】
本発明のプログラムは、
階層的に配置した複数の表示媒体を、保持部にて取り外し可能に保持する表示装置に、
前記表示媒体の前記保持部への取り付けおよび前記保持部からの取り外しを検出する手順と、
前記複数の表示媒体のうちの第1の表示媒体の取り外しが検出された場合、該第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の表示媒体に表示する手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、操作者は、保持部に保持されていた第1の表示媒体を取り外したとしても、その第1の表示媒体に表示されていた情報を見ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明の一実施形態の表示装置の外観図である。
【図1B】本発明の一実施形態の表示装置の外観図である。
【図2】図1Aおよび図1Bに示した表示装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示した記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【図4】図1Aおよび図1Bに示した表示装置において、表示媒体を取り外す時の動作の流れを説明するフローチャートである。
【図5】図1Aおよび図1Bに示した表示装置において、表示媒体を取り外す時の動作の具体例を説明する図である。
【図6】図1Aおよび図1Bに示した表示装置において、表示媒体を取り付ける時の動作の流れを説明するフローチャートである。
【図7】図1Aおよび図1Bに示した表示装置において、表示媒体を取り付ける時の動作の具体例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(1)本実施形態の構成
図1Aおよび図1Bは、本実施形態の表示装置1の外観図である。
【0016】
図1Aおよび図1Bに示すように、本実施形態の表示装置1は、階層的に重ねた表示媒体10−D1〜10−D4(以下、どの表示媒体か特定しないときは表示媒体10と称す)と、それらの表示媒体10個々の一辺を保持するための保持部20と、を有している。
【0017】
なお、図1Aおよび図1Bにおいては、表示媒体10が4つである場合を例に挙げて示しているが、表示媒体10の数は2つ以上であれば良い。
【0018】
表示媒体10−D1〜10−D4は、画像や文字等の情報を表示する表示部を有する。なお、情報を表示する表示部は、表面、裏面少なくともいずれか一方の面上に実装されていれば良い。
【0019】
また、表示媒体10−D1〜10−D4は、図1Bに示すように、保持部20からの取り外しや、保持部20への取り付けが可能である。
【0020】
また、表示媒体10−D1〜10−D4は、表示部が電子ペーパーである場合、電圧の印加により表示する情報の書き換えが行われ、その情報の保持のための電圧は不要であるという特性を持つ。
【0021】
そのため、表示媒体10−D1〜10−D4は、保持部20から取り外された状態でも、表示している情報を保持することが可能である。
【0022】
なお、表示部が、他の表示デバイスにより表示させられるものである場合であっても、各表示媒体10内に蓄電可能なデバイスや発電機構等、表示処理可能な駆動機構を有していれば、取り外された状態であっても表示状態を維持することが可能である。また、表示情報を一時的に保持する保持手段を有していれば、保持部20や、他の駆動機構を有するデバイスに保持されるなどで、表示媒体10が通電状態になったときに、直ちに保持された表示情報に基づいて再描画処理がなされる。
【0023】
また、表示媒体10−D1〜10−D4は、自身の識別子を内部に保持している。この識別子は、保持部20内に設けられた後述する制御部60にて読み取り可能である。
【0024】
なお、表示媒体10−D1〜10−D4は、マイクロカプセル方式(Gyricon方式)、液晶方式、電気泳動方式等の公知の方式を適用した電子ペーパー等で実現可能である。
【0025】
保持部20は、表示媒体10−D1〜10−D4が着脱可能であり、かつ、見開き可能に表示媒体10−D1〜10−D4を保持することも可能とする。
【0026】
ここでは、保持部20は、表示媒体10が挿入される被挿入部材(スロット等)と、その被挿入部材に挿入された表示媒体10をロック(固定)するロック機構と、の組み合わせを、表示媒体10−D1〜10−D4の各々に対応して設けた構成とする。なお、ここでの表示媒体10を保持する方法は、一例であって、他の方法で表示媒体10を保持することとしても良い。
【0027】
なお、ロック機構の構成は、特に限定はなく、例えば、予め決められた保持位置で、表示媒体10側に設けた孔をロック機構側に設けたピンと係合させるような構成とすることが考えられる。
【0028】
また、被挿入部材は、電極を備えている。保持部20内に設けられた後述する制御部60は、この電極を介して保持部20に保持された表示媒体10と電気的に接続される。特に、表示媒体10の有する表示部が、電子ペーパーである場合、この電極を介して保持部20に保持された表示媒体10に電圧を印加して情報を書き換える。
【0029】
図2は、本実施形態の表示装置1の機能ブロック図である。
【0030】
図2に示すように、本実施形態の表示装置は、表示媒体10−D1〜10−D4と、記憶部30と、検出部40と、通信部50と、制御部60と、を有している。なお、記憶部30、検出部40、通信部50、および制御部60は、図1Aおよび図1Bに示した保持部20の内部に設けられている。
【0031】
記憶部30は、表示媒体10−D1〜10−D4に表示されている情報を記憶する。
【0032】
検出部40は、表示媒体10−D1〜10−D4が保持部20へ取り付けられたことを検出する。なお、検出部40は、表示媒体10が被挿入部材に挿入されたこと、または、表示媒体10が被挿入部材に挿入されかつロック機構で固定されたことをもって、保持部20へ取り付けられたと検出する。
【0033】
また、検出部40は、表示媒体10−D1〜10−D4が保持部20から取り外されることを検出する。なお、検出部40は、ロック機構による表示媒体10のロックが解除されたことをもって、保持部20から取り外されると検出する。言い換えれば、検出部40は、表示媒体10が保持部20から取り外されるトリガを検出していることになる。
【0034】
通信部50は、他の装置との通信を行う。
【0035】
なお、通信部50は、赤外線通信やブルートゥース通信等の近距離無線通信により他の装置と直接通信するものでも良いし、インターネット上のサーバを介して他の装置と通信するものでも良い。
【0036】
制御部60は、保持部20に保持されている表示媒体10から、その表示媒体10の識別子を読み取り可能である。また、制御部60は、その表示媒体10が保持されている被挿入部材を識別可能である。
【0037】
そのため、制御部60は、どの表示媒体10が、保持部20上のどの位置(被挿入部材の位置に対応)に保持されているか判断することが可能である。なお、ここでの表示媒体10の保持部20上の位置を判断する方法は、一例であって、他の方法で表示媒体10の保持部20上の位置を判断しても良い。
【0038】
また、制御部60は、保持部20に保持されている表示媒体10に情報を表示させる。ここで、表示媒体10に表示されている情報を書き換える際には、制御部60は、被挿入部材に備えられた電極を介して表示媒体10に電圧を印加して、情報を書き換える。
【0039】
また、制御部60は、図3に示すように、表示媒体10−D1〜10−D4毎に、その表示媒体10の識別子と、その表示媒体10に表示されている情報の識別子および版数(例えば、表示媒体10−D1の情報は、xが識別子、ver.1が版数を表す。以下、同じ)と、その表示媒体10が保持されている保持部20上の位置(被挿入部材の位置に対応)と、を登録したテーブルを記憶部30に記憶させる。
【0040】
なお、制御部60は、ある情報が更新された場合、その情報の識別子はそのままにして、新たな版数に更新する(例えば、版数を1インクリメントする)。また、図3において、表示媒体10−D3の保持位置は空欄になっているが、これは、その時点で表示媒体10−D3が保持部20から取り外されていることを意味する。
【0041】
また、制御部60は、保持部20に保持されている表示媒体10のいずれか(第1の表示媒体)が取り外される場合、第1の表示媒体10に表示されている情報を、保持部20に保持されている他の表示媒体10に表示する。
【0042】
そのため、操作者は、保持部20に保持されていた第1の表示媒体10を取り外して第三者に渡したとしても、第1の表示媒体10に表示されていた情報を見たり、第1の表示媒体10に表示されていた情報を編集したりすることができる。
【0043】
また、制御部60は、表示媒体10のいずれか(第2の表示媒体)が保持部20に取り付けられた場合、保持部20に保持されている表示媒体10の中に、第2の表示媒体10と識別子が同一で版数が新しい情報が表示されている表示媒体10があれば、その表示媒体10に表示されている情報を第2の表示媒体10に表示する。
【0044】
そのため、操作者は、第2の表示媒体10が取り外されている間に、第2の表示媒体10に表示されていて他の表示媒体10に表示した情報を編集して更新した場合、更新後の情報を元の第2の表示媒体10に表示することができる。
(2)本実施形態の動作
以下、本実施形態の表示装置1の動作について説明する。
(2−1)表示媒体10を取り外す時の動作
図4は、本実施形態の表示装置1において、表示媒体10を取り外す時の動作の流れを説明するフローチャートである。
【0045】
図4に示すように、まず、制御部60は、表示媒体10のいずれか(第1の表示媒体)が保持部20から取り外されることを検出部40が検出したかを判断する(ステップS11)。
【0046】
ステップS11において、第1の表示媒体10が取り外れることが検出された場合(ステップS11のYes)、制御部60は、第1の表示媒体10に表示されている情報を記憶部30から読み出し、保持部20に保持されている他の表示媒体10に表示する(ステップS12)。
【0047】
その後、制御部60は、記憶部30に記憶されたテーブルを更新する(ステップS13)。すなわち、制御部60は、テーブル上で、第1の表示媒体10の保持位置を空欄とし、また、第1の表示媒体10に表示していた情報を表示させた他の表示媒体10には、その情報の識別子と版数を登録する。
【0048】
なお、第1の表示媒体10に表示していた情報を表示させる他の表示媒体10は、第1の表示媒体10の保持位置に応じて決定しても良い。例えば、第1の表示媒体10の下層に位置する表示媒体10に決定することができる。
【0049】
以下、表示媒体10を取り外す時の動作の具体例について説明する。
【0050】
図5は、本実施形態の表示装置1において、表示媒体10を取り外す時の動作の具体例を説明する図である。
【0051】
なお、図5の各状態において、上側の図面は、表示装置1を図1Aおよび図1BのX側から見た場合の概念図であり、下側の図面は、記憶部30に記憶されたテーブルの内容を示す図面である(以下の図7において同じ)。
【0052】
また、図5においては、第1の表示媒体10が取り外された場合、第1の表示媒体10の下層に位置する表示媒体10に、第1の表示媒体10に表示していた情報を表示させるという設定が、予め記憶部30に記憶されているものとする。
【0053】
図5に示すように、状態X1では、保持部20には、最前面から下層に向けて、表示媒体10−D1〜10−D4がこの順に保持されていて、表示媒体10−D2には、情報x−ver.1が表示されている。この状態で、保持部20の保持位置p2にて保持されている表示媒体10−D2が取り外されたとする。
【0054】
すると、続く状態X2では、制御部60は、表示媒体10−D2に表示されている情報x−ver.1を、表示媒体10−D2の下層に位置する表示部10−D3に表示する。また、制御部60は、テーブル上で、表示媒体10−D2の保持位置を空欄にすると共に、表示媒体10−D3には情報x−ver.1を登録する。
(2−2)表示媒体10を取り付ける時の動作
図6は、本実施形態の表示装置1において、表示媒体10を取り付ける時の動作の流れを説明するフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、まず、制御部60は、表示媒体10のいずれか(第2の表示媒体)が保持部20に取り付けられたことを検出部40が検出したかを判断する(ステップS21)。
【0056】
ステップS21において、第2の表示媒体10が取り付けられたことが検出された場合(ステップS21のYes)、制御部60は、第2の表示媒体10から、第2の表示媒体10の識別子を読み出し、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、第2の表示媒体10に表示されている情報の識別子と版数を特定する(ステップS22)。
【0057】
次に、制御部60は、保持部20に保持されている表示媒体10の中に、第2の表示媒体10と識別子が同一で版数が新しい情報が表示されている表示媒体10があるかを判断する(ステップS23)。
【0058】
ステップS23において、該当する表示媒体10がある場合(ステップS23のYes)、制御部60は、該当する表示媒体10に表示されている情報を記憶部30から読み出し、第2の表示媒体10に表示する(ステップS24)。
【0059】
その後、制御部60は、記憶部30に記憶されたテーブルを更新する(ステップS25)。すなわち、制御部60は、テーブル上で、第2の表示媒体10には保持位置を登録すると共に、新たに表示した情報の識別子と版数を登録する。
【0060】
なお、第2の表示媒体10が取り付けられる保持位置に応じて、第2の表示媒体10と識別子が同一で版数が新しい情報を、第2の表示媒体10に表示させるか否を決定しても良い。例えば、第2の表示媒体10と識別子が同一で版数が新しい情報が表示されている表示媒体10が、第2の表示媒体10の上層または下層に位置している場合にのみ表示すると決定したり、または、第2の表示媒体10の下層に位置している場合にのみ表示すると決定したりすることができる。
【0061】
以下、表示媒体10を取り付ける時の動作の具体例について説明する。
【0062】
図7は、本実施形態の表示装置1において、表示媒体10を取り付ける時の動作の具体例を説明する図である。
【0063】
なお、図7においては、第2の表示媒体10と識別子が同一で版数が新しい情報が、第2の表示媒体10の下層に位置している表示媒体10に表示されている場合にのみ、その表示媒体10に表示していた情報を第2の表示媒体10に表示させるという設定が、予め記憶部30に記憶されているものとする。
【0064】
図7に示すように、状態Y1は、図5に示した状態X2において、表示媒体10−D3に表示されていた情報x−ver.1が2回更新され、情報x−ver.3になっている状態である。この状態で、保持部20の保持位置p2に表示媒体10−D2が取り付けられたとする。
【0065】
すると、続く状態Y2では、制御部60は、表示媒体10−D2から、表示媒体10−D2の識別子を読み出し、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、表示媒体10−D2に表示されている情報を情報x−ver.1と特定する。
【0066】
次に、制御部60は、記憶部30に記憶されたテーブルを参照して、表示媒体10−D2が取り付けられる保持位置の下層に位置している表示媒体10−D3に、表示媒体10−D2に表示されている情報x−ver.1と識別子が同一で版数が新しい情報が表示されているかを判断する。
【0067】
ここでは、表示媒体10−D3には、情報x−ver.1と識別子が同一で版数が新しい情報x−ver.3が表示されているので、制御部60は、この情報x−ver.3を表示媒体10−D2に表示する。また、制御部60は、テーブル上で、表示媒体10−D2に、保持位置p2を登録すると共に、情報x−ver.3を登録する。
【0068】
上述したように本実施形態においては、制御部60は、保持部20に保持されている表示媒体10のいずれか(第1の表示媒体)が取り外される場合、第1の表示媒体10に表示されている情報を一時的に記憶部30に記憶する。その後、制御部50より、記憶部30に記憶された当該表示情報の出力先の表示部の指定を受けると、記憶部30から一時的に記憶された表示情報を読み出して、保持部20に保持されている他の表示媒体10に表示する。
【0069】
そのため、操作者は、保持部20に保持されていた第1の表示媒体10を取り外して第三者に渡したとしても、第1の表示媒体10に表示されていた情報を見たり、第1の表示媒体10に表示されていた情報を編集したりすることができる。
【0070】
また、制御部60は、表示媒体10のいずれか(第2の表示媒体)が保持部20に取り付けられた場合、保持部20に保持されている表示媒体10の中に、第2の表示媒体10と識別子が同一で版数が新しい情報が表示されている表示媒体10があれば、その表示媒体10に表示されている情報を第2の表示媒体10に表示する。
【0071】
そのため、操作者は、第2の表示媒体10が取り外されている間に、第2の表示媒体10に表示されていて他の表示媒体10に表示した情報を編集して更新した場合、更新後の情報を元の第2の表示媒体10に表示することができる。
【0072】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0073】
例えば、上記実施形態においては、第1の表示媒体10が1つずつ取り外されることを前提としていたが、複数の第1の表示媒体10が同時に取り外されることも考えられる。そこで、複数の第1の表示媒体10が同時に取り外される場合、制御部60は、それら複数の第1の表示媒体10に表示されている情報を、保持部20に保持されている他の1つの表示媒体10に縮小表示しても良い。
【0074】
また、保持部20に保持されていた第1の表示媒体10を取り外して第三者に渡した場合、その第三者は、その第1の表示媒体10に表示されている情報を、自身が所有する装置(例えば、携帯電話機)にも表示したい場合がある。この要求に対応するため、例えば、以下の構成とすることができる。
【0075】
すなわち、制御部60は、第1の表示媒体10が取り外される場合、その第1の表示媒体10に表示されている情報の識別子(版数を含めても良い)と自身の表示装置1のアドレス等を、その第1の表示媒体10に表示させる。なお、これらは、画像情報(例えば、二次元コード)に符号化した上で表示することが好ましい。
【0076】
ここで、他の装置が、表示されている画像情報を撮影して、その画像情報に符号化されている情報の識別子とアドレスを抽出し、赤外線通信やブルートゥース通信等の近距離無線通信により直接アクセスするか、または、インターネット上のサーバを介して上記のアドレスに従ってアクセスし、上記の情報の識別子を表示装置1に通知してきたとする。
【0077】
その場合、制御部60は、通知された識別子に対応する情報を記憶部30から読み出し、通信部50を介して他の装置に送信する。
【0078】
なお、本発明の表示装置1にて行われる方法は、コンピュータに実行させるためのプログラムに適用してもよい。また、そのプログラムを記憶媒体に格納することも可能であり、ネットワークを介して外部に提供することも可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 表示装置
10−D1〜10−D4 表示媒体
20 保持部
30 記憶部
40 検出部
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層的に配置した複数の表示媒体と、
前記複数の表示媒体を取り外し可能に保持する保持部と、
前記複数の表示媒体の各々に表示されている情報を記憶する記憶部と、
前記表示媒体の前記保持部への取り付けおよび前記保持部からの取り外しを検出する検出部と、
前記複数の表示媒体のうちの第1の表示媒体の取り外しを前記検出部が検出した場合、該第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の表示媒体に表示する制御部と、を有する表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、
複数の第1の表示媒体の取り外しを前記検出部が検出した場合、該複数の第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の1つの表示媒体に縮小表示する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記複数の表示媒体毎に、該表示媒体に表示している情報の識別子と版数を記憶し、
前記制御部は、
前記複数の表示媒体のうちの第2の表示媒体の取り付けを前記検出部が検出した場合、前記保持部に保持されている表示媒体の中に、前記第2の表示媒体と識別子が同一で版数が新しい情報が表示されている表示媒体があれば、該表示媒体に表示されている情報を前記第2の表示媒体に表示する、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記複数の表示媒体毎に、該表示媒体に表示している情報の識別子と版数を記憶すると共に、該表示媒体が前記保持部に保持されていれば、該表示媒体が保持されている前記保持部上の位置の情報を記憶し、
前記制御部は、
前記複数の表示媒体のうちの第2の表示媒体の取り付けを前記検出部が検出した場合、該第2の表示媒体が取り付けられた前記保持部上の位置に応じて決められた位置にて前記保持部に保持されている表示媒体の中に、前記第2の表示媒体と識別子が同一で版数が新しい情報が表示されている表示媒体があれば、該表示媒体に表示されている情報を前記第2の表示媒体に表示する、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
通信部をさらに有し、
前記制御部は、
前記第1の表示媒体の取り外しを前記検出部が検出した場合、該第1の表示媒体に表示されている情報の識別子を該第1の表示媒体に表示し、
前記通信部は、
他の装置から情報の識別子が通知されると、該情報を該他の装置に送信する、請求項3または4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1の表示媒体に表示されている情報の識別子を画像情報に符号化し、該画像情報を該第1の表示媒体に表示する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
階層的に配置した複数の表示媒体を、保持部にて取り外し可能に保持する表示装置による表示方法であって、
前記表示媒体の前記保持部への取り付けおよび前記保持部からの取り外しを検出し、
前記複数の表示媒体のうちの第1の表示媒体の取り外しが検出された場合、該第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の表示媒体に表示する、表示方法。
【請求項8】
階層的に配置した複数の表示媒体を、保持部にて取り外し可能に保持する表示装置に、
前記表示媒体の前記保持部への取り付けおよび前記保持部からの取り外しを検出する手順と、
前記複数の表示媒体のうちの第1の表示媒体の取り外しが検出された場合、該第1の表示媒体に表示されている情報を、前記保持部に保持されている他の表示媒体に表示する手順と、を実行させるためのプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68858(P2013−68858A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208378(P2011−208378)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】