説明

表示装置、表示方法およびプログラム

【課題】互いに異なる表示媒体に表示された画面に、同じ情報を容易に表示する。
【解決手段】表示部110−1〜110−3にそれぞれ配置されたセンサ120−1〜120−3が、表示部110−1〜110−3の表示面への押圧を検知し、制御部130が、センサ120−1〜120−3のうち、押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、その表示部の下層に位置する表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を表示するディスプレイが搭載された電子機器(以下、表示装置と称する)には、多種多様な情報が表示される。このような表示装置の中には、複数の薄い表示媒体から構成され、書籍のように利用することができるものも考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−58081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような装置においては、互いに異なる表示媒体に表示された画面に、同じ情報を表示したい場合、それぞれの表示媒体に当該情報をそれぞれ表示する必要があり、その手間がかかってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を解決する表示装置、表示方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、
互いに重ね合わされた複数の表示部と、
前記複数の表示部のそれぞれの一辺を保持する保持部と、
前記複数の表示部にそれぞれ配置された、該表示部の表示面への押圧を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサのうち、前記押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として該下層に位置する表示部に表示させる制御部とを有する。
【0007】
また、本発明の表示方法は、
互いに重ね合わされた複数の表示部それぞれにて、該表示部の表示面への押圧を検知する処理と、
前記押圧を検知した表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として該下層に位置する表示部に表示させる処理とを行う。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
互いに重ね合わされた複数の表示部を具備する表示装置に実行させるためのプログラムであって、
前記複数の表示部それぞれにて、該表示部の表示面への押圧を検知する手順と、
前記押圧を検知した表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として該下層に位置する表示部に表示させる手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明においては、互いに異なる表示媒体に表示された画面に、同じ情報を容易に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の表示装置の実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した記憶部にあらかじめ記憶されている押圧の強さとコピー数との対応付けの一例を示す図である。
【図3】図1に示した表示装置の外観の一例を示す図である。
【図4】図1に示した表示部それぞれにアプリケーション画面が表示されており、最前面に位置する表示部に表示されているアプリケーション画面の所定の欄に、所定の情報が入力されて表示されている様子の一例を示す図である。
【図5】図1に示した表示装置における表示方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【図6】操作者が、表示部に表示されているアプリケーション画面の中で、電子メールアドレスが表示されている部分に対して指を押し付けている様子を示す図である。
【図7】ステップS3にて決定されたコピー数が「1」である場合のステップS4における表示部の表示の一例を示す図である。
【図8】ステップS3にて決定されたコピー数が「2」である場合のステップS4における表示部の表示の一例を示す図である。
【図9】図1に示した表示装置における表示方法の第2の例を説明するためのフローチャートである。
【図10】操作者が、表示部に表示されているアプリケーション画面の中で、電子メールアドレスが表示されている部分の周囲に触れている様子を示す図である。
【図11】決定された範囲が表示部に表示された例を示す図である。
【図12】図1に示した表示装置における表示方法の第3の例を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1に示した表示部に表示された押圧情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の表示装置の実施の一形態を示す図である。
【0013】
本形態における表示装置100には図1に示すように、複数の表示部110−1〜110−3と、制御部130と、記憶部140とが設けられている。また、表示部110−1〜110−3それぞれには、センサ120−1〜120−3が配置されている。なお、図1においては、表示装置100が具備する構成要素のうち、本発明に関わるもののみを示した。また、図1において、表示部およびセンサがそれぞれ3つずつである場合を例に挙げて示しているが、2つ、もしくは4つ以上であっても良い。
【0014】
表示部110−1〜110−3は、画像や文字等の情報を表示する。また、表示部110−1〜110−3は、物理的に分離され、互いに重ね合わされた表示媒体に含まれるものであり、表示媒体の表面のみ、または表面と裏面に設けられているものであっても良い。また、表示部110−1〜110−3は、薄い表示媒体である電子ペーパーであっても良いし、液晶表示など任意の表示媒体であっても良い。
【0015】
センサ120−1〜120−3は、表示部110−1〜110−3の表示面への接触あるいは押圧位置を検知する。例えば、操作者が、指を表示部110−1〜110−3の表示面へ所定の時間以上押しつけると、センサ120−1〜120−3が押圧を検知する。また、センサ120−1〜120−3が取り付けられる位置は、表示部110−1〜110−3の表示面への接触および押圧を検知できる位置である。
【0016】
制御部130は、センサ120−1〜120−3のうち、押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、その表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として表示させる。このとき、制御部130は、背面、つまり下層に位置する表示部のうち、センサが検知した押圧の強さに応じた数の表示部に、その表示部に応じた情報を表示させる。この押圧の強さに応じた数は、記憶部140に記憶されている情報を用いる。すなわち、制御部130は、特定の表示部に対する所定値以上の押圧力を検知すると、その押圧を、他の表示部への表示指示とみなし、指定された表示情報を、この押圧力に応じた枚数の他の表示部に対して表示指示を行う。また、制御部130は、センサ120−1〜120−3が、領域を指定する旨の接触を検知すると、その指定された範囲に応じた情報を、表示部の下層に位置する表示部に表示させる。
【0017】
また、制御部130は、センサが検知した押圧の強さに応じた押圧情報を、その押圧を検知したセンサが配置された表示部に表示させる。
【0018】
なお、表示部自体が押圧により変形するため、指やスタイラスペン等、入力用部材の接触を直接受ける表示部以外の表示部に対応するセンサにおいても、当該変形による押圧を検知する可能性もある。その場合、制御部130は、センサから出力される入力部材による接触有無情報に基いて、いずれに起因する押圧であるかを判断しても良い。
【0019】
また、制御部130は、押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、その表示部の下層に位置する表示部が表示しているアプリケーション画面の所定の位置に表示させる。
【0020】
記憶部140は、押圧の強さとコピー数との対応付けをあらかじめ記憶する。ここで、コピー数とは、指定した情報に対応する情報を表示可能とさせる表示部の数である。なお、上述したように、指定した情報と同じ情報としても良いが、表示部の表示態様に応じて、適宜表示サイズが色変更等の加工を行った情報である、対応する情報として表示処理を行っても良い。
【0021】
図2は、図1に示した記憶部140にあらかじめ記憶されている押圧の強さとコピー数との対応付けの一例を示す図である。
【0022】
図1に示した記憶部140には図2に示すように、センサ120−1〜120−3が検知する押圧の強さと、押圧を検知したセンサが搭載されている表示部が表示している情報を、その表示部の下層に位置する表示部のうちのいくつの表示部に表示させるかを示すコピー数とが対応付けられて記憶されている。
【0023】
例えば、図2に示すように、押圧の強さ「0〜1」と、コピー数「0」とが対応付けられている。これは、例えば、表示部110−1に搭載されたセンサ120−1が押圧を検知した場合、その押圧の強さが0から1であるときは、制御部130は、表示部110−2〜110−3には、表示部110−1に表示されている情報を表示(コピー)させないことを示している。また、押圧の強さ「1〜3」と、コピー数「1」とが対応付けられている。これは、例えば、表示部110−1に搭載されたセンサ120−1が押圧を検知した場合、その押圧の強さが1から3であるときは、制御部130は、表示部110−2のみに、表示部110−1に表示されている情報を表示(コピー)させることを示している。また、押圧の強さ「3〜5」と、コピー数「2」とが対応付けられている。これは、例えば、表示部110−1に搭載されたセンサ120−1が押圧を検知した場合、その押圧の強さが3から5であるときは、制御部130は、表示部110−2〜110−3に、表示部110−1に表示されている情報を表示(コピー)させることを示している。
【0024】
なお、図2において、押圧の強さを示した数値は、説明の便宜上の数値であり、実際の押圧の強さを示す数値とは異なる。
【0025】
図3は、図1に示した表示装置100の外観の一例を示す図である。
【0026】
図1に示した表示装置100は図3に示すように、3つの表示部110−1〜110−3が、物理的に分離された電子ペーパー等の表示デバイスを階層的に並べたものであり、書籍のページのように一辺を保持部150で固定して位置されている。保持部150は、表示部を完全に固定しても良いし、表示部を着脱可能に固定しても良い。表示部110〜1〜110−3は、所定の変形量を許容する構造を取り、保持部150を中心にたわみ変形を起こすことが可能である。
【0027】
以下に、図1に示した表示装置100における表示方法について説明する。以下の説明においては、押圧を検知した表示部に表示されている情報を、当該表示部の下層に位置する表示部に表示させる処理を「コピーする」という表現を使う。また、表示部110−1〜110−3には、それぞれ互いに異なるアプリケーションの処理によるアプリケーション画面が表示されており、表示部110−1に表示されているアプリケーション画面の所定の欄に、所定の情報が入力されて表示されている場合を例に挙げて説明する。
【0028】
図4は、図1に示した表示部110−1〜110−3それぞれにアプリケーション画面が表示されており、表示部110−1に表示されているアプリケーション画面の所定の欄に、所定の情報が入力されて表示されている様子の一例を示す図である。
【0029】
図4に示すように、表示部110−1〜110−3それぞれに互いに異なるアプリケーションの処理によりアプリケーション画面が表示されている。また、表示部110−1〜110−3に表示されているアプリケーション画面には、電子メールアドレスとパスワードとを入力するための入力欄が表示されている。また、表示部110−1に表示されている入力欄には、電子メールアドレスとパスワードが入力されて表示されている。
【0030】
図5は、図1に示した表示装置100における表示方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【0031】
表示部110−1が最前面であり、表示部110−1に所定の情報が表示されている場合、センサ120−1が押圧を検知したかどうかを判別する(ステップS1)。
【0032】
センサ120−1が押圧を検知すると、制御部130が、その押圧を検知した部分に応じてコピー範囲を決定する(ステップS2)。この範囲の決定方法は、押圧を検知した部分に表示されているテキストデータや画像データであって、1つの意味を持つものを含む範囲をコピー範囲として決定するものであっても良いし、操作者がコピー範囲を囲むように表示部に触れ、センサがその接触を検知した範囲をコピー範囲として決定するものであっても良い。操作者の接触によって、コピー範囲を決定する方法については、後述する。
【0033】
なお、このとき、制御部130は、押圧を検知した部分に表示されている情報の属性を判別する。属性の判別方法は、情報が表示されている入力欄に基づいて判別する方法でも良いし、情報そのものを解析して属性を判別する方法でも良い。情報を解析して属性を判別する方法は、例えば、文字列などのテキスト情報を解析して、電話番号、電子メールアドレス、住所、氏名などの属性を判別する方法などのように公知の方法で良い。なお、この本形態では、電子メールアドレスの入力欄に表示されている情報であるため、情報の属性は電子メールアドレスであると判別している。
【0034】
また、制御部130が、センサ120−1が検知した押圧の強さと、記憶部140に記憶されている対応付けとに基づいて、コピー数を決定する(ステップS3)。上述したように、図2に示した対応付けが記憶部140に記憶されている場合、例えば、センサ120−1が検知した押圧の強さが「2」であれば、制御部130はコピー数を「1」と決定する。
【0035】
コピー範囲とコピー数とが決定されると、制御部130は、決定されたコピー範囲に表示されている情報を、表示部110−1の下層に位置する表示部110−2〜110−3のうちの決定されたコピー数の表示部の所定の場所に表示させる(ステップS4)。このとき、制御部130は、その情報を、下層に位置する表示部に対応する第2の情報として、その下層に位置する表示部に表示させる
図6は、操作者が、表示部110−1に表示されているアプリケーション画面の中で、電子メールアドレスが表示されている部分に対して指を押し付けている様子を示す図である。
【0036】
図6に示すように、表示部110−1に表示されているアプリケーション画面のうち、メールアドレス入力欄の電子メールアドレスがすでに入力されて表示されている部分に指を押し付けると、センサ120−1がその部分で押圧を検知する。
【0037】
図7は、ステップS3にて決定されたコピー数が「1」である場合のステップS4における表示部110−1〜110−3の表示の一例を示す図である。
【0038】
ステップS3にて決定されたコピー数が「1」である場合、図7に示すように、表示部110−1の下層に位置する表示部110−2〜110−3のうち、1つの表示部110−2へ、表示部110−1に表示されている電子メールアドレスのコピーが行われる。このとき、制御部130は、センサ120−1が押圧を検知した部分には、テキストデータとして1つの意味を持つものである電子メールアドレスが表示されていることを認識している。また、制御部130は、表示部110−2に表示されているアプリケーション画面の中で、テキストデータや、あるいは電子メールアドレスを入力したり、表示したりすることができる入力用欄となる領域部分を認識している。そのため、制御部130は、センサ120−1が押圧を検知した部分に表示されている電子メールアドレスを表示部110−2に表示させるときには、表示部110−2に表示されているアプリケーション画面の中で、テキストデータや電子メールアドレスを入力することができる入力欄に表示させる。また、決定されたコピー数が1であるため、当該電子メールアドレスは、表示部110−3にはコピーされない。なお、表示部110−1の下層に位置する表示部の数よりもコピー数の方が少ない場合、表示部110−1に近い表示部から優先的に表示のコピーが行われるものであっても良い。
【0039】
図8は、ステップS3にて決定されたコピー数が「2」である場合のステップS4における表示部110−1〜110−3の表示の一例を示す図である。
【0040】
ステップS3にて決定されたコピー数が「2」である場合、図8に示すように、表示部110−1の下層に位置する表示部110−2〜110−3へ、表示部110−1に表示されている電子メールアドレスのコピーが行われる。このとき、制御部130は、センサ120−1が押圧を検知した部分には、電子メールアドレスが表示されていることを認識している。また、制御部130は、表示部110−2〜110−3それぞれに表示されているアプリケーション画面の中で、それぞれが電子メールアドレスを表示する部分を認識している。そのため、制御部130は、センサ120−1が押圧を検知した部分に表示されている電子メールアドレスを表示部110−2〜110−3に表示させるときには、表示部110−2〜110−3に表示されているアプリケーション画面の中で、電子メールアドレスを入力する入力欄に表示させる。
【0041】
また、センサ120−1〜120−3のいずれかにおいて領域を示す旨の接触を検知した場合、その接触を検知したセンサに対応する表示部上にて指定された範囲内の表示情報を、他の表示部へ表示させる情報としても良い。
【0042】
図9は、図1に示した表示装置100における表示方法の第2の例を説明するためのフローチャートである。
【0043】
表示部110−1が最前面であり、表示部110−1に所定の情報が表示されている場合、センサ120−1が接触を検知したかどうかを判別する(ステップS11)。
【0044】
センサ120−1が接触を検知した場合、制御部130は、その検知した範囲をコピー範囲として決定する(ステップS12)。
【0045】
図10は、操作者が、表示部110−1に表示されているアプリケーション画面の中で、電子メールアドレスが表示されている部分の周囲に触れている様子を示す図である。
【0046】
図10に示すように、表示部110−1に表示されているアプリケーション画面のうち、メールアドレス入力欄の電子メールアドレスがすでに入力されて表示されている部分を囲むように(図中矢印付き円で示す)指を触れると、センサ120−1が当該接触した領域を示す位置情報を検知する。
【0047】
その後、制御部130は、接触した領域を示す位置情報を元に、認識した囲み領域として、決定された範囲を示す旨の表示を表示部110−1に表示させても良い。
【0048】
図11は、決定された範囲が表示部110−1に表示された例を示す図である。
【0049】
図11に示すように、図10にて矢印付き円で示した接触した範囲が表示部110−1に表示される。
【0050】
その後、センサ120−1が押圧を検知したかどうかを判別する(ステップS13)。
【0051】
センサ120−1が押圧を検知すると、制御部130が、センサ120−1が検知した押圧の強さと、記憶部140に記憶されている対応付けとに基づいて、コピー数を決定する(ステップS14)。上述したように、図2に示した対応付けが記憶部140に記憶されている場合、例えば、センサ120−1が検知した押圧の強さが「2」であれば、制御部130はコピー数を「1」と決定する。
【0052】
コピー範囲とコピー数とが決定されると、制御部130は、決定されたコピー範囲に表示されている情報を、表示部110−1の下層に位置する表示部110−2〜110−3のうちの決定されたコピー数の表示部の所定の場所に表示させる(ステップS15)。
【0053】
なお、コピー範囲を決定するために、コピー範囲を囲むのではなく、その部分を指で接触し続ける(例えば、電子メールアドレスの先頭の文字から最後尾の文字まで、指を接触させたままで動かす)ものであっても良い。また、コピー範囲の表示は、その部分の表示色を変えたりして、他の部分から識別できる表示であれば良い。
【0054】
また、制御部130が、押圧力や押圧時間に応じたコピー数を押圧情報として表示部110−1に表示させるものであっても良い。
【0055】
図12は、図1に示した表示装置100における表示方法の第3の例を説明するためのフローチャートである。
【0056】
表示部110−1が最前面であり、表示部110−1に所定の情報が表示されている場合、センサ120−1が押圧を検知したかどうかを判別する(ステップS21)。
【0057】
センサ120−1が押圧を検知すると、制御部130が、その押圧を検知した部分に応じてコピー範囲を決定する(ステップS22)。この範囲の決定方法は、上述した通りである。
【0058】
また、制御部130が、センサ120−1が検知した押圧の強さと、記憶部140に記憶されている対応付けとに基づいて、コピー数を決定する(ステップS23)。上述したように、図2に示した対応付けが記憶部140に記憶されている場合、例えば、センサ120−1が検知した押圧の強さが「2」であれば、制御部130はコピー数を「1」と決定する。
【0059】
すると、決定されたコピー数を押圧情報として、制御部130が表示部110−1に表示させる(ステップS24)。
【0060】
図13は、図1に示した表示部110−1に表示された押圧情報の一例を示す図である。
【0061】
図13に示すように、決定されたコピー数が「2」である(表示部110−2〜110−3に表示させる)場合、そのコピー数「2」が押圧情報160として表示部110−1に表示される。
【0062】
また、コピー先とする下層に位置する表示部の数指定であったが、事前設定により、コピー先として指定する表示部を、何枚先の下層に位置する表示部とするかの指定としてもよい。この場合、一度に複数の表示部に情報を反映させることはできないが、途中に反映させる必要のない表示部が介在する場合であっても、必要とする表示部に情報を反映させることが可能となる。
【0063】
なお、押圧情報として、コピー数ではなく、押圧の強さを示すものであっても良い。また、押圧情報は、文字ではなく、例えば色(コピー数が多い時は青、少ない時は赤)を施した図形等であっても良い。
【0064】
続いて、制御部130は、決定されたコピー範囲に表示されている情報を、表示部110−1の下層に位置する表示部110−2〜110−3のうちの決定されたコピー数の表示部の所定の場所に表示させる(ステップS25)。
【0065】
なお、上述した例では、コピーする情報が電子メールアドレスである場合を例に挙げて説明したが、ログインID(Identification)、パスワード、何かを検索するための検索キーワード、URL(Uniform Resource Locator)、氏名、住所、電話番号、投稿サイトへ投稿する文章等のテキストデータや、写真、絵、イラストなどの画像データ等、様々な情報に適用することができる。
【0066】
また、上述した押圧力とコピーする枚数との関係のように、押圧力とコピー先の表示位置との関係に基づいた処理を行うものであっても良い。例えば、押圧力が小さければ、下層へのコピーは、押圧を検知した位置から短い距離にある範囲へしか行われず、また、押圧力が大きければ、下層へのコピーは、押圧を検知した位置から長い距離にある範囲にも行われるものであっても良い。
【0067】
このように、互いに異なる表示媒体に表示された画面に、同じ情報を入力する際、同じ情報を異なる表示媒体の数だけ表示する手間を要することなく、最前面の表示媒体へ押圧を与えるだけで、複数の表示媒体に同じ情報を表示することができる。また、その押圧の強さに応じて、同じ情報を表示する表示媒体の数を調整することができる。
【0068】
上述した表示装置100に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を表示装置100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを表示装置100に読み込ませ、実行するものであっても良い。表示装置100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、表示装置100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、表示装置100に設けられた制御部130にて読み込まれ、制御部130の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、制御部130は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【0069】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0070】
(付記1)互いに重ね合わされた複数の表示部と、
前記複数の表示部のそれぞれの一辺を保持する保持部と、
前記複数の表示部にそれぞれ配置された、該表示部の表示面への押圧を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサのうち、前記押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として該下層に位置する表示部に表示させる制御部とを有する表示装置。
【0071】
(付記2)付記1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記下層に位置する表示部のうち、前記押圧の強さに応じた数の表示部に前記情報を表示させることを特徴とする表示装置。
【0072】
(付記3)付記2に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記押圧の強さに応じた押圧情報を、前記押圧を検知したセンサが配置された表示部に表示させることを特徴とする表示装置。
【0073】
(付記4)付記1から3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記センサは、前記表示部の表示面への接触を検知し、
前記制御部は、前記センサが接触を検知した範囲に応じた情報を、該表示部の下層に位置する表示部に表示させることを特徴とする表示装置。
【0074】
(付記5)付記1から4のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部の、該表示部が表示しているアプリケーション画面の所定の位置に表示させることを特徴とする表示装置。
【0075】
(付記6)付記5に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記所定の範囲に表示されている情報の属性を判別し、判別された属性に基づいて、該表示部の下層に位置する表示部の、該表示部が表示しているアプリケーション画面の所定の位置に表示させることを特徴とする表示装置。
【0076】
(付記7)付記1から6のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示部は、電子ペーパーであることを特徴とする表示装置。
【符号の説明】
【0077】
100 表示装置
110−1〜110−3 表示部
120−1〜120−3 センサ
130 制御部
140 記憶部
150 保持部
160 押圧情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重ね合わされた複数の表示部と、
前記複数の表示部のそれぞれの一辺を保持する保持部と、
前記複数の表示部にそれぞれ配置された、該表示部の表示面への押圧を検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサのうち、前記押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として該下層に位置する表示部に表示させる制御部とを有する表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記下層に位置する表示部のうち、前記押圧の強さに応じた数の表示部に前記情報を表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記押圧の強さに応じた押圧情報を、前記押圧を検知したセンサが配置された表示部に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記センサは、前記表示部の表示面への接触を検知し、
前記制御部は、前記センサが接触を検知した範囲に応じた情報を、該表示部の下層に位置する表示部に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記押圧を検知したセンサが配置された表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部の、該表示部が表示しているアプリケーション画面の所定の位置に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記所定の範囲に表示されている情報の属性を判別し、判別された属性に基づいて、該表示部の下層に位置する表示部の、該表示部が表示しているアプリケーション画面の所定の位置に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
互いに重ね合わされた複数の表示部それぞれにて、該表示部の表示面への押圧を検知する処理と、
前記押圧を検知した表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として該下層に位置する表示部に表示させる処理とを行う表示方法。
【請求項8】
請求項7に記載の表示方法において、
前記下層に位置する表示部のうち、前記押圧の強さに応じた数の表示部に前記情報を表示させる処理を行うことを特徴とする表示方法。
【請求項9】
互いに重ね合わされた複数の表示部を具備する表示装置に、
前記複数の表示部それぞれにて、該表示部の表示面への押圧を検知する手順と、
前記押圧を検知した表示部の所定の範囲に表示されている情報を、該表示部の下層に位置する表示部に対応する第2の情報として該下層に位置する表示部に表示させる手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記下層に位置する表示部のうち、前記押圧の強さに応じた数の表示部に前記情報を表示させる手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−68877(P2013−68877A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208677(P2011−208677)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】