説明

表示装置、駆動回路、駆動方法、および電子機器

【課題】表示の自由度を高めることができる表示装置を得る。
【解決手段】複数の表示画素を含む表示部と、駆動すべき水平ラインを指示するためのアドレス情報を生成する制御部と、アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動する駆動部とを備える。上記制御部は、単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像を表示する表示装置、その表示装置の駆動回路および駆動方法、ならびにそのような表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は、様々な電子機器に搭載されている。表示装置は、画質や消費電力などの観点から、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置などの様々な種類のものが開発されており、それらの特性に応じて、据置型のテレビジョン装置の他、携帯電話、携帯型情報端末など、様々な電子機器に適用されている。
【0003】
表示装置の駆動方法としては、アナログ駆動方式と、デジタル駆動方式とがある。アナログ駆動方式は、例えば、アナログの画素電圧を各画素に供給するものであり、液晶表示装置や有機EL表示装置などに、しばしば用いられている。デジタル駆動方式は、例えば、パルス幅変調(PWM;Pulse Width Modulation)されたデジタル信号を各画素に供給するものである。例えば、特許文献1には、表示データ(コード)の各ビットの重みに応じた時間間隔(サブフィールド期間)で、各ビットに対応した駆動電圧を各画素に供給することにより、画素の電気光学素子をオンオフ制御して表示を行う、デジタル駆動方式の表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−343609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、表示装置は、一般に画質が高いことが望まれる。画質は、例えば、表示画像の分解能や、階調の細かさなどによって左右され、表示画像が動画である場合には、例えば、リフレッシュレートもまた画質にとって重要な要素である。表示装置は、例えば、パーソナルコンピュータでは主に静止画を表示し、テレビジョン装置では主に動画を表示するなど、用途等に応じて表示する画像の特徴が異なるため、望まれる特性もまた異なる。よって、表示装置では、様々な用途に対応できるように、高い自由度を有することが望まれる。
【0006】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表示の自由度を高めることができる表示装置、駆動回路、駆動方法、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の表示装置は、表示部と、制御部と、駆動部とを備えている。表示部は、複数の表示画素を含むものである。制御部は、駆動すべき水平ラインを指示するためのアドレス情報を生成するものである。駆動部は、アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動するものである。上記制御部は、単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定するものである。
【0008】
本開示の駆動回路は、制御部と、駆動部とを備えている。制御部は、複数の表示画素を含む表示部における、駆動すべき水平ラインを指定するためのアドレス情報を生成するものである。駆動部は、アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動するものである。上記制御部は、単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定するものである。
【0009】
本開示の駆動方法は、複数の表示画素を含む表示部における、駆動すべき水平ラインを指定し、そのアドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動し、単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定するものである。
【0010】
本開示の電子機器は、上記表示装置を備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置、プロジェクタなどが該当する。
【0011】
本開示の表示装置、駆動回路、駆動方法、および電子機器では、アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、表示画素は、階調コードに応じて駆動される。その際、単位駆動期間の開始タイミングは任意に設定される。
【発明の効果】
【0012】
本開示の表示装置、駆動回路、駆動方法、および電子機器によれば、単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定するようにしたので、表示の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した表示装置に係る階調コードを表す模式図である。
【図3】図1に示した変換回路の一構成例を表すブロック図である。
【図4】図1に示した表示装置の一動作例を表すタイミング図である。
【図5】図1に示した表示装置の他の動作例を表す模式図である。
【図6】図1に示した表示装置の他の動作例を表すタイミング図である。
【図7】図1に示した表示装置の他の動作例を表す模式図である。
【図8】図1に示した表示装置の他の動作例を表すタイミング図である。
【図9】図1に示した周辺回路の一動作例を表すタイミング図である。
【図10】他の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図11】図10に示した変換回路の一構成例を表すブロック図である。
【図12】図10に示した周辺回路の一動作例を表すタイミング図である。
【図13】他の実施の形態に係る表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図14】図13に示した表示装置の一動作例を表す模式図である。
【図15】図13に示した表示装置の効果の一例を説明するための説明図である。
【図16】図13に示した表示装置に係る周辺回路の一動作例を表すタイミング図である。
【図17】図13に示した表示装置に係る周辺回路の他の動作例を表すタイミング図である。
【図18】実施の形態に係る表示装置を適用したテレビジョン装置の外観構成を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.適用例
【0015】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置の一構成例を表すものである。表示装置1は、パルス幅変調で階調表示を行う、デジタル駆動方式の表示装置である。なお、本開示の実施の形態に係る表示方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。この表示装置1は、表示パネル10と、周辺回路20とを備えている。
【0016】
表示パネル10は、この例では、いわゆる2K1K(1920ピクセル×1080ピクセル)のHD(High Definition)映像が表示可能な表示パネルである。表示パネル10には、図1に示したように、複数の画素11がマトリックス状に配置されている。画素11は、表示パネル10上の表示画面を構成する最小単位の点に対応するものである。画素11は、表示パネル10がカラー表示パネルである場合には、例えば赤、緑または青などの単色の光を発する副画素に相当し、表示パネル10がモノクロ表示パネルである場合には、画素11は、単色光(例えば白色光)を発する画素に相当する。
【0017】
画素11は、図示しないが、この例では、電気光学素子を含むメモリ内蔵の画素である。電気光学素子の種類としては、例えば、液晶セルや、有機EL(Electro Luminescence)セルなどが挙げられる。メモリの種類としては、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などが挙げられる。
【0018】
表示パネル10は、行方向に延伸する複数の走査線WSLと、列方向に延伸する複数のデータ線DTLとを有している。これらの走査線WSLおよびデータ線DTLの一端は、周辺回路20に接続されている。上記した各画素11は、走査線WSLとデータ線DTLとが互いに交差する箇所に配置されている。
【0019】
この構成により、各画素11には、1フレーム期間(1F)と同じ時間幅を有する駆動期間Dにおいて、データ線DTLを介して、階調コードCの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値が書き込まれる。この各ビットの値は、発光状態もしくは消光状態に対応するものである。そして、画素11は、次に書き込まれるまでの時間、その状態(発光状態または消光状態)を維持する。
【0020】
図2は、画素11の動作を模式的に表すものである。図2において、左側の数字は階調コードCを示し、右側の図は、その階調コードCが供給されたときの画素11の表示を示している。この右側の図において、白部分は“1”を示し、ハッチ部分は“0”を示す。この例では、階調コードCは、12ビットの階調データb1〜b12を有する4096階調のコードである。
【0021】
画素11には、階調コードCの各ビットの値が、階調コードCの各ビットの重みに応じた駆動間隔で書き込まれる。この例では、画素11には、各ビットの値が、下位ビットb1から順に書き込まれる。そして、画素11は、その書き込まれた各ビットの値を、そのビットの重みに応じた期間(ビットプレーンBP)の間、維持する。すなわち、ビットプレーンBPの時間幅は、そのビットの重みに応じて、1(BP1):2(BP2):4(BP3):8(BP4):〜:1024(BP11):2048(BP12)の比率になっている。画素11は、例えばビットの値が“1”である場合には発光し、ビットの値が“0”である場合には消光する。これにより、画素11は、発光状態になっている期間(発光期間)、または消光状態になっている期間(消光期間)の1フレーム期間における割合が変化することにより、階調表示を行う。すなわち、画素11は、パルス幅変調により階調表示を行うようになっている。
【0022】
周辺回路20は、供給された映像信号Sdispおよび同期信号Ssyncに基づいて、表示パネル10を駆動する回路である。映像信号Sdispは、階調コードCを含むものである。また、同期信号Ssyncは、例えば、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、ドットクロック信号などである。
【0023】
周辺回路20は、コントローラ21と、変換回路30と、垂直駆動回路22と、水平駆動回路23とを有している。
【0024】
コントローラ21は、同期信号Ssyncに基づいて、変換回路30、水平駆動回路23、および垂直駆動回路22に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。具体的には、コントローラ21は、変換回路30に対して制御信号CTLAを供給し、水平駆動回路27に対して制御信号CTLBを供給し、垂直駆動回路26に対して制御信号CTLCを供給する。制御信号CTLA,CTLB,CTLCとしては、例えば、クロック信号CLK、ラッチ信号、フレーム開始信号などが挙げられる。
【0025】
また、コントローラ21は、表示パネル10における、階調コードCに基づく書込動作を行う行を1水平期間ごとに設定し、それに基づいてアドレス信号ADRを生成し、垂直駆動回路22に対して供給する。アドレス信号ADRは、この例では、12ビットのアドレスデータa0〜a11を含むものである。すなわち、アドレス信号ADRは、最大で2048のアドレスを指定することができるものであり、表示パネル10がいわゆる2K1Kのパネル(走査線数:1080)の他、4K2Kのパネル(走査線数:2160)を用いた場合であっても使用することができる。
【0026】
このように、表示装置1では、コントローラ21が、書込動作を行う行を1水平期間ごとに任意に設定するようにしたので、後述するように、表示パネル10に対していわゆるランダムアクセスをすることができるようになり、表示の自由度を高めることができる。
【0027】
変換回路30は、同期信号Ssyncに同期した映像信号Sdispを、表示パネル10の駆動に適した映像信号Sigに変換する回路である。映像信号Sigは、この例では、16本のパラレル信号である。
【0028】
図3は、変換回路30の一構成例を表すものである。変換回路30は、フレームメモリ31と、書込回路32と、読出回路33と、デコーダ34とを有している。フレームメモリ31は、表示パネル10の解像度よりも多い記憶容量を有する映像表示用メモリであり、例えば、行アドレスと、列アドレスと、行アドレスおよび列アドレスと関連付けられた各画素11の階調コードCの各階調データとを記憶することができるようになっている。書込回路32は、同期信号Ssyncに基づいて、フレームメモリ31に対する階調データの書込アドレスWadを生成するとともに、この書込アドレスWadを、同期信号Ssyncに同期してフレームメモリ31に出力するようになっている。書込アドレスWadは、例えば、行アドレスおよび列アドレスを含むものである。読出回路33は、制御信号CTLAに基づいて、読出アドレスRadを生成し、フレームメモリ31に出力するようになっている。デコーダ34は、フレームメモリ31から出力された階調データを信号データSigとして出力するようになっている。
【0029】
垂直駆動回路22は、制御信号CTLCおよびアドレス信号ADRに基づいて、各画素11を行単位で選択するための走査パルスを含む走査線信号WSを生成し、走査線WSLに出力する機能を有している。
【0030】
水平駆動回路23は、制御信号CTLBおよび信号データSigに基づいて、各画素11の階調データを含むデータ線信号DTを生成し、データ線DTLに出力するものである。
【0031】
ここで、表示パネル10は、本開示における「表示部」の一具体例に対応する。コントローラ21および変換回路30は、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。垂直駆動回路22および水平駆動回路23は、本開示における「駆動部」の一具体例に対応する。駆動期間Dは、本開示における「単位駆動期間」の一具体例に対応する。ビットプレーンBPは、本開示における「駆動間隔」の一具体例に対応する。
【0032】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示装置1の動作および作用について説明する。
【0033】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、立体表示装置1の全体動作概要を説明する。コントローラ24は、同期信号Ssyncに基づいて、変換回路30、水平駆動回路23、および垂直駆動回路22の動作タイミングを制御する制御信号CTLA,CTLB,CTLCをそれぞれ生成するとともに、表示パネル10における、階調コードCに基づく書込み動作を行う行を設定し、それに基づいてアドレス信号ADRを生成する。変換回路30は、同期信号Ssyncに同期した映像信号Sdispを映像信号Sigに変換する。垂直駆動回路22は、制御信号CTLCおよびアドレス信号ADRに基づいて、走査線信号WSを生成する。水平駆動回路27は、制御信号CTLBおよび信号データSigに基づいて、データ線信号DTを生成する。表示パネル10の各画素11は、データ線信号DTおよび走査線信号WSに基づいて、パルス幅変調により階調表示を行う。
【0034】
(詳細動作)
次に、いくつかの動作例を用いて、表示装置1の詳細動作を説明する。
【0035】
図4は、第1の例における表示動作のタイミング図を表すものである。この例は、説明の便宜上、走査線WSLが8本の場合を示している。また、階調コードCは、3ビットの階調データb1〜b3を有する8階調の階調コードとしている。図3において、(A),(C),(E),(G),(I),(K),(M),(O)は、それぞれ8本分の走査線信号WS(1)〜WS(8)を示し、(B),(D),(F),(H),(J),(L),(N),(P)は、それぞれ8行分の画素11(1)〜(8)における表示を示している。
【0036】
図4に示したように、この例では、1フレーム期間(1F)は、互いに等しい時間幅を有する8つのサブフレーム期間SF(SF1〜8)に分割され、各サブフレーム期間SFはさらに3つの水平期間(1H)に分割されている。すなわち、この例では、1フレーム期間は、走査線WSLの本数と同じ数のサブフレーム期間SFに分割され、また各サブフレーム期間SFは、階調コードCのビット数と同じ数の水平期間に分割されている。
【0037】
まず、表示パネル10における1行目の画素11の動作について説明する。
【0038】
表示装置1では、サブフレームSF1内の最初の水平期間において、水平駆動回路23が、階調コードCのビットb1に対応する電圧をデータ線DTLに印加するとともに、垂直駆動回路22が、1行目の走査線WSL(1)に走査パルスを印加する(図4(A))。これにより、1行目の画素11には、ビットb1の値が書き込まれ、この画素11は、次に書き込まれるまでの期間(ビットプレーンBP1)、その値を維持する(図4(B))。
【0039】
次に、サブフレームSF2内の2番目の水平期間において、同様に、水平駆動回路23が、階調コードCのビットb2に対応する電圧をデータ線DTLに印加するとともに、垂直駆動回路22が、1行目の走査線WSL(1)に走査パルスを印加する(図4(A))。これにより、1行目の画素11には、ビットb1の値が書き込まれ、この画素11は、次に書き込まれるまでの期間(ビットプレーンBP2)、その値を維持する(図4(B))。
【0040】
次に、サブフレームSF4内の3番目の水平期間において、水平駆動回路23が、階調コードCのビットb2に対応する電圧をデータ線DTLに印加するとともに、垂直駆動回路22が、1行目の走査線WSL(1)に走査パルスを印加する(図4(A))。これにより、1行目の画素11には、ビットb1の値が書き込まれ、この画素11は、次に書き込まれるまでの期間(ビットプレーンBP3)、その値を維持する(図4(B))。
【0041】
このようにして、1行目の画素11は3つのビットブレーンBP1〜BP3からなる駆動期間Dにおいて、階調表示を行う。
【0042】
表示装置1は、この駆動期間Dの開始タイミングを行ごとにずらすことにより、1フレーム分の表示動作を行う。具体的には、駆動期間Dは、例えば、1行目の画素11では、サブフレームSF1の最初の水平期間から開始し、2行目の画素11では、サブフレームSF2の最初の水平期間から開始し、3行目の画素11では、サブフレームSF3の最初の水平期間から開始する。その際、垂直駆動回路22は、互いに異なる行に同時に走査パルスを印加しないように動作する。これにより、各行の画素11は、互いに独立して表示を行うことができる。
【0043】
このような表示動作を行うために、垂直駆動回路22は、いわゆる飛び越し走査を行う。具体的には、例えば、垂直駆動回路22は、サブフレーム期間SF1の最初の水平期間において、1行目の走査線WSL(1)に対して走査パルスを印加し、2番目の水平期間において、8行目の走査線WSL(8)に対して走査パルスを印加し、3番目の水平期間において、6行目の走査線WSL(6)に対して走査パルスを印加する。次に、垂直駆動回路22は、続くサブフレーム期間SF2の最初の水平期間において、2行目の走査線WSL(2)に対して走査パルスを印加し、2番目の水平期間において、1行目の走査線WSL(1)に対して走査パルスを印加し、3番目の水平期間において、7行目の走査線WSL(7)に対して走査パルスを印加する。そして、それぞれのタイミングにおいて、水平駆動回路23が、対応する階調データをデータ線DTLに印加する。これにより、垂直駆動回路22によって選択された行の画素11に、階調データが書き込まれる。
【0044】
表示装置1では、コントローラ21が、階調データを書き込む行を水平期間ごとに設定して、アドレス信号ADRを生成する。そして、垂直駆動回路22は、このアドレス信号ADRに基づいて、上述したような飛び越し走査を行う。
【0045】
コントローラ21は、階調データを書き込む行を任意に設定することができるように構成されている。これにより、上述した表示動作の他にも、例えば以下に示すような表示を行うことができる。
【0046】
図5は、表示動作の第2の例を模式的に表すものである。この例では、表示装置1は、表示画面の上半分と下半分とで別々に走査するように表示を行う。
【0047】
図6は、この第2の例における表示動作のタイミング図を表すものである。この例では、駆動期間Dは、1行目の画素11では、サブフレームSF1の最初の水平期間から開始し、2行目の画素11では、サブフレームSF3の最初の水平期間から開始し、3行目の画素11では、サブフレームSF5の最初の水平期間から開始し、4行目の画素11では、サブフレームSF7の最初の水平期間から開始する。同様に、駆動期間Dは、5行目の画素11では、サブフレームSF2の最初の水平期間から開始し、6行目の画素11では、サブフレームSF4の最初の水平期間から開始し、7行目の画素11では、サブフレームSF6の最初の水平期間から開始し、8行目の画素11では、サブフレームSF8の最初の水平期間から開始する。
【0048】
図7は、表示動作の第3の例を模式的に表すものである。この例では、表示装置1は、いわゆるインターレース表示を行う。
【0049】
図8は、この第3の例における表示動作のタイミング図を表すものである。この例では、駆動期間Dは、1行目の画素11では、サブフレームSF1の最初の水平期間から開始し、3行目の画素11では、サブフレームSF2の最初の水平期間から開始し、5行目の画素11では、サブフレームSF3の最初の水平期間から開始し、7行目の画素11では、サブフレームSF4の最初の水平期間から開始する。同様に、駆動期間Dは、2行目の画素11では、サブフレームSF5の最初の水平期間から開始し、4行目の画素11では、サブフレームSF6の最初の水平期間から開始し、6行目の画素11では、サブフレームSF7の最初の水平期間から開始し、8行目の画素11では、サブフレームSF8の最初の水平期間から開始する。
【0050】
次に、周辺回路20におけるアドレス信号ADRのやりとりについて説明する。以下の説明では、表示装置1は、HD映像(1920ピクセル×1080ピクセル)を扱うこととする。
【0051】
図9は、周辺回路20の回路動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号Hsyncの波形を示し、(B)はクロック信号CLKの波形を示し、(C)はアドレス信号ADRの波形を示し、(D)は映像信号Sig(1)〜Sig(16)の波形を示す。この例では、1フレーム期間(1F)は、1080のサブフレーム期間SF(SF1〜1080)に分割され、各サブフレーム期間SFはさらに12の水平期間(1H)に分割されている。
【0052】
図9に示したように、各水平期間(1H)において、変換回路30は、水平駆動回路23に対して、16本のパラレル信号である映像信号Sig(Sig(1)〜Sig(16))を、クロック信号CLKに同期して供給する(図9(D))。その際、変換回路30は、各映像信号Sigが、120ビットのデータを伝えることにより、各水平期間において1920ビット分(120×16)のデータを供給する。そして、水平駆動回路23は、これらの映像信号Sigに基づいてデータ線信号DTを生成し、次の水平期間にデータ線DTLに出力する。
【0053】
これと同時に、コントローラ21は、垂直駆動回路22に対して、12ビットのアドレスデータ(a0〜a11)を、クロック信号CLKに同期してアドレス信号ADRとして順次供給する。すなわち、コントローラ21は、12ビットのアドレスデータ(a0〜a11)をシリアル信号として供給する。そして、垂直駆動回路22では、このアドレス信号ADRに基づいて、次の水平期間(1H)における行選択を行う。
【0054】
これにより、表示パネル10では、アドレス信号ADRに基づいて選択された行に係る画素11に、その行に係る階調コードCに基づく階調データが供給されることにより、その選択された行に対する書込みが行われる。
【0055】
このように、表示装置1では、コントローラ21が、書込動作を行う行を設定して、水平期間ごとにアドレス信号ADRを生成し、垂直駆動回路22が、そのアドレス信号ADRに基づいて行選択を行うようにしたので、表示パネル10に対していわゆるランダムアクセスをすることができるようになり、表示の自由度を高めることができる
【0056】
[効果]
以上のように本実施の形態では、コントローラが、書込動作を行う行を設定して、水平期間ごとにアドレス信号を生成したので、表示パネルに対してランダムアクセスをすることができるようになるため、表示の自由度を高めることができる。
【0057】
本実施の形態では、コントローラから垂直駆動回路に対してアドレス信号をシリアル信号として直接供給するようにしたので、比較的シンプルな回路構成を実現できる。
【0058】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、垂直駆動回路22は、アドレス信号ADRが供給された水平期間の次の水平期間において、そのアドレス信号ADRに基づいて行選択を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、アドレス信号ADRが供給された水平期間において、そのアドレス信号ADRに基づいて行選択を行うようにしてもよい。
【0059】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、水平期間ごとに、12ビットのアドレスデータ(a0〜a11)を転送したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、2つの水平期間に1回の割合で、12ビットのアドレスデータ(a0〜a11)を2組転送してもよい。
【0060】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、アドレス信号ADRはシリアル信号としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば2ビットなどのパラレル信号にしてもよい。また、上記実施の形態では、アドレス信号ADRの各ビットa0〜a11の時間幅は、映像信号Sigの各ビットの幅と同じにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、クロックパルス2つ分の時間幅を有するようにしてもよい。
【0061】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る表示装置2について説明する。本実施の形態は、コントローラが、アドレス信号を、映像信号Sigと同じバスを用いて間接的に垂直駆動回路に供給するものである。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0062】
図10は、本実施の形態に係る表示装置2の一構成例を表すものである。表示装置2は、周辺回路40を備えている。周辺回路40は、変換回路50と、水平駆動回路43と、垂直駆動回路42とを有している。
【0063】
変換回路50は、同期信号Ssyncに同期した映像信号Sdispを、表示パネル10の駆動に適した映像信号に変換するとともに、コントローラ21から供給されたアドレス信号ADRをその映像信号に時分割的に多重し、映像信号Sig2として出力する回路である。
【0064】
図11は、変換回路50の一構成例を表すものである。変換回路50は、マルチプレクサ(MUX)55を有している。マルチプレクサ55は、デコーダ34から供給された16ビットのパラレル信号である映像信号Sigに、アドレス信号ADRの各アドレスデータa0〜a11を時分割的に多重して、16ビットのパラレル信号である映像信号Sig2を生成するものである。
【0065】
水平駆動回路43は、上記第1の実施の形態に係る水平駆動回路23と同様に、制御信号CTLBおよび映像信号Sig2に基づいて、各画素11の階調データを含むデータ線信号DTを生成し、データ線DTLに出力するものである。さらに、水平駆動回路43は、映像信号Sig2からアドレスデータa0〜a11を抽出してアドレス信号ADR2を生成し、垂直駆動回路42に供給する機能をも有している。
【0066】
垂直駆動回路42は、上記第1の実施の形態に係る垂直駆動回路22と同様に、制御信号CTLCおよびアドレス信号ADR2に基づいて、各画素11を行単位で選択するための走査パルスを含む走査線信号WSを生成し、走査線WSLに出力するものである。その際、垂直駆動回路42は、アドレス信号ADR2が供給された水平期間において、そのアドレス信号ADR2に基づいて各画素11を行単位で選択するようになっている。
【0067】
ここで、垂直駆動回路22は、本開示における「走査駆動部」の一具体例に対応する。水平駆動回路23は、本開示における「表示駆動部」の一具体例に対応する。
【0068】
図12は、周辺回路40の回路動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号Hsyncの波形を示し、(B)はクロック信号CLKの波形を示し、(C)は映像信号Sig2(1)〜Sig2(16)の波形を示す。
【0069】
図12に示したように、各水平期間(1H)において、変換回路50は、水平駆動回路43に対して、16本のパラレル信号である映像信号Sig2(Sig2(1)〜Sig2(16))を、クロック信号CLKに同期して供給する(図12(C))。その際、変換回路50のマルチプレクサ55は、1920ビット分(120×16)の映像信号Sig(Sig(1)〜Sig(16))のデータの前に、コントローラ21から供給されたアドレス信号ADRのアドレスデータa0〜a11を配置するように時分割多重を行う。なお、この例では、マルチプレクサ55は、16本の映像信号Sig2(1)〜Sig2(16)のうちの、12本(映像信号Sig2(1)〜Sig2(12))に、アドレスデータa0〜a11を配置している。
【0070】
水平駆動回路43は、この映像信号Sig2(Sig2(1)〜Sig2(16))から、映像信号Sigを抽出し、その映像信号Sigに基づいて、表示パネル10を駆動する。また、水平駆動回路43は、この映像信号Sig2からアドレスデータa0〜a11を抽出し、アドレス信号ADR2として垂直駆動回路42に対して供給する。そして、垂直駆動回路42は、このアドレス信号ADR2に基づいて、その水平期間(1H)における行選択を行う。
【0071】
すなわち、本実施の形態に係る表示装置2では、アドレスデータa0〜a11をパラレルデータとしてやりとりしているため、上記第1の実施の形態に係る表示装置1の場合(図9)と比較して、アドレスデータa0〜a11を1水平期間(1H)のうちの早い時期に垂直駆動回路42に対して供給することができる。これにより、垂直駆動回路42では、その水平期間において、アドレスデータa0〜a11が供給されてから行選択を行うまでの時間的な余裕を得ることができる。
【0072】
以上のように本実施の形態では、アドレスデータをパラレルデータとしてやりとりするようにしたので、アドレス信号が供給された水平期間において、そのアドレス信号に基づいて行選択を行うことができる。
【0073】
また、本実施の形態では、アドレスデータをパラレルデータとしてやりとりする際に、映像信号に時分割的に多重したので、バスを新たに追加する必要がないため、シンプルな構成にすることができる。
【0074】
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0075】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、垂直駆動回路42は、アドレス信号ADR2が供給された水平期間において、そのアドレス信号ADR2に基づいて行選択を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、アドレス信号ADR2が供給された水平期間の次の水平期間において、そのアドレス信号ADR2に基づいて行選択を行うようにしてもよい。この場合でも、上記第1の実施の形態の場合と同様に、ランダムアクセスができ、表示の自由度を高めることができる。
【0076】
また、この場合には、例えば、マルチプレクサ55は、映像信号Sig2において、1920ビット分(120×16)の映像信号Sig(Sig(1)〜Sig(16))のデータの後にアドレスデータa0〜a11を配置するように時分割多重を行ってもよい。
【0077】
[変形例2−2]
上記実施の形態では、水平期間ごとに、12ビットのアドレスデータ(a0〜a11)を転送したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、2つの水平期間に1回の割合で、12ビットのアドレスデータ(a0〜a11)を2組転送してもよい。
【0078】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る表示装置3について説明する。本実施の形態は、表示パネル10の画素11を2行ずつ駆動するものである。なお、上記第1の実施の形態に係る表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0079】
図13は、本実施の形態に係る表示装置3の駆動方法を模式的に表すものである。表示装置3は、表示パネル10を、1行(ラインL)ずつではなく、2行(ラインL2)ずつ駆動するものである。具体的には、表示装置3では、垂直駆動回路(例えば上記実施の形態に係る垂直駆動回路22,42)が、2本の走査線WSLに対して同時に走査パルスを印加することにより、2行ずつ画素11を駆動するようになっている。
【0080】
表示装置3では、2行ずつ画素11を駆動することにより、駆動に係る実効的なライン数が半分になるため、様々な効果を得ることができる。以下にいくつかの例を挙げてその効果を説明する。
【0081】
図14は、表示装置3における表示動作の一例を模式的に表すものである。この例では、表示装置3は、1行ごとに駆動した場合(破線)の2倍の速度で走査することができる。言い換えれば、表示装置3は、表示のリフレッシュレートを高めることができる。すなわち、図14に示した例は、実効的なライン数が減る分だけ、早く走査させるものである。
【0082】
また、実効的なライン数が減る分だけ、画素11における階調表示をより細かくすることも可能である。以下にその例を説明する。
【0083】
図15は、階調表示をより細かくする場合の、表示動作のタイミング図を表すものである。この例は、説明の便宜上、走査線WSLが6本の場合を示している。すなわち、図15は、例えば図4に示した場合に比べて、走査線WSLの本数を減らした場合を示している。
【0084】
この例では、図15に示したように、駆動期間Dは、4つのビットプレーンBP1〜BP4により構成されている。すなわち、この例では、階調コードCは、4ビットの階調データb1〜b4を有する16階調の階調コードであり、図4に示した場合に比べ、階調数が2倍になっている。
【0085】
全く同様に、表示装置3は、1行ずつ駆動する場合に比べて実効的なライン数が減るため、画素11における階調表示をより細かくすることができる。
【0086】
なお、本実施の形態では、2行ずつ画素11を駆動することにより実効的なライン数が減るため、表示パネル10の垂直方向の解像度は半分になる。よって、例えば、表示パネル10としていわゆる4K2Kのパネルを使用することにより、その垂直方向の解像度を、HD映像(2K1K)と同等にすることができる。そして、上述したように駆動方法を工夫することにより、その実効的なライン数が減った分を、図14に示したようにリフレッシュレートを高めるように活用し、あるいは、図15に示したように画素11の階調表示を細かくするように活用することができる。
【0087】
次に、本実施の形態に係る周辺回路の回路動作について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態に係る表示装置1(図1)、および上記第2の実施の形態に係る表示装置2(図10)のいずれにも適用することができる。
【0088】
まず最初に、表示装置1(図1)に本実施の形態を適用した場合について説明する。
【0089】
図16は、本実施の形態に係る周辺回路20の回路動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号Hsyncの波形を示し、(B)はクロック信号CLKの波形を示し、(C)はアドレス信号ADRの波形を示し、(D)は映像信号Sig(1)〜Sig(16)の波形を示す。
【0090】
図16に示したように、各水平期間(1H)において、変換回路30は、水平駆動回路23に対して、16本のパラレル信号である映像信号Sig(Sig(1)〜Sig(16))を、クロック信号CLKに同期して供給する(図16(D))。
【0091】
これと同時に、コントローラ21は、垂直駆動回路22に対して、12ビットのアドレスデータ(c0〜c11)とアドレスデータ(d0〜d11)を、クロック信号CLKに同期してアドレス信号ADRとして供給する。そして、垂直駆動回路22では、このアドレス信号ADRに基づいて、次の水平期間(1H)における行選択を行う。
【0092】
これにより、表示パネル10では、アドレス信号ADRに基づいて選択された2行に係る画素11に、階調コードCに基づく階調データが供給されることにより、その選択された行に対する書込みが行われる。
【0093】
次に、表示装置2(図10)に本実施の形態を適用した場合について説明する。この例では、映像信号Sig2を32ビットのパラレル信号としている。
【0094】
図17は、本実施の形態に係る周辺回路40の回路動作のタイミング図を表すものであり、(A)は水平同期信号Hsyncの波形を示し、(B)はクロック信号CLKの波形を示し、(C)は映像信号Sig2(1)〜Sig2(32)の波形を示す。
【0095】
図17に示したように、各水平期間(1H)において、変換回路50は、水平駆動回路43に対して、32本のパラレル信号である映像信号Sig2(Sig2(1)〜Sig2(32))を、クロック信号CLKに同期して供給する(図17(C))。その際、変換回路50のマルチプレクサ55は、1920ビット分(60×32)の映像信号Sig(Sig(1)〜Sig(16))のデータの前に、コントローラ21から供給されたアドレス信号ADRのアドレスデータc0〜c11およびアドレスデータd0〜d11を配置するように時分割多重を行う。なお、この例では、マルチプレクサ55は、32本の映像信号Sig2(1)〜Sig2(32)のうちの、映像信号Sig2(1)〜Sig2(12)にアドレスデータc0〜c11を配置し、映像信号Sig2(13)〜Sig2(24)にアドレスデータd0〜d11を配置している。
【0096】
水平駆動回路43は、この映像信号Sig2(Sig2(1)〜Sig2(32))から、映像信号Sigを抽出し、その映像信号Sigに基づいて、表示パネル10を駆動する。また、水平駆動回路43は、この映像信号Sig2から、アドレスデータc0〜c11およびアドレスデータd0〜d11を抽出し、アドレス信号ADR2として垂直駆動回路42に対して供給する。そして、垂直駆動回路42は、このアドレス信号ADR2に基づいて、その水平期間(1H)における2行分の行選択を行う。
【0097】
これにより、表示パネル10では、アドレス信号ADRに基づいて選択された2行に係る画素11に、階調コードCに基づく階調データが供給されることにより、その選択された行に対する書込みが行われる。
【0098】
以上のように本実施の形態では、水平期間ごとに、2行分のアドレスデータをやり取りするようにしたので、例えば、リフレッシュレートを高め、画素の階調表示を細かくすることができるなど、表示の自由度を高めることができる。その他の効果は、上記第1および第2の実施の形態の場合と同様である。
【0099】
[変形例3−1]
上記実施の形態では、水平期間ごとに、2行分のアドレスデータをやり取りしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば3行分以上のアドレスデータをやり取りしてもよい。
【0100】
[変形例3−2]
また、上記実施の形態では、表示パネル10の隣接する2行を同時に駆動したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、互いに離れた2行を同時に駆動してもよい。
【0101】
<4.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した表示装置の適用例について説明する。
【0102】
図18は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0103】
上記実施の形態等の表示装置は、このようなテレビジョン装置の他、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、携帯型ゲーム機、ビデオカメラ、プロジェクタなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等の表示装置は、映像を表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0104】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0105】
例えば、上記の各実施の形態等では、1フレーム期間を、走査線WSLの本数と同じ数のサブフレーム期間SFに分割したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、走査線WSLの本数よりも多い数のサブフレーム期間SFに分割してもよい。
【0106】
また、例えば、上記の各実施の形態等では、図2に示したように、各画素11に対して、階調コードCの各ビットの値を、下位ビットb1から順に書き込んだが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば上位ビットb12から書き込んでもよい。
【0107】
また、例えば、上記の各実施の形態等では、ビットプレーンBPの時間幅を、そのビットの重みに応じて、1:2:4:8:…の比率にしたが、これに限定されるものではなく、画質に影響がない範囲で、比率を若干変化させてもよい。
【0108】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0109】
(1)複数の表示画素を含む表示部と、
駆動すべき水平ラインを指示するためのアドレス情報を生成する制御部と、
前記アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記制御部は、前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
表示装置。
【0110】
(2)前記制御部は、前記表示部における水平ラインの配列順とは異なる順番で前記単位駆動期間を開始するように開始タイミングを設定する
前記(1)に記載の表示装置。
【0111】
(3)各フレーム期間は、互いに等しい時間幅の複数のサブフレーム期間を含み、
前記制御部は、前記サブフレーム期間を単位として、前記開始タイミングを設定する
前記(2)に記載の表示装置。
【0112】
(4)各サブフレーム期間は、互いに等しい時間幅の複数の水平期間に分割され、
前記駆動部は、前記水平期間を単位として、前記表示画素を駆動する
前記(3)に記載の表示装置。
【0113】
(5)前記制御部は、水平期間ごとに、前記アドレス情報を前記駆動部に供給する
前記(4)に記載の表示装置。
【0114】
(6)前記制御部は、次の水平期間において駆動すべき水平ラインのアドレス情報を前記駆動部に供給する
前記(5)に記載の表示装置。
【0115】
(7)前記制御部は、現在の水平期間において駆動すべき水平ラインのアドレス情報を生成する
前記(5)に記載の表示装置。
【0116】
(8)前記制御部は、前記アドレス情報をシリアル信号として出力する
前記(1)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0117】
(9)前記制御部は、前記階調コードの各ビットを所定のビット幅を有するバスにパラレル信号として出力するとともに、そのバスの少なくとも一部に前記アドレス情報をパラレル信号として出力する
前記(4)から(7)に記載の表示装置。
【0118】
(10)前記制御部は、各水平期間において、前記階調コードの各ビットの前に前記アドレス情報を配置する
前記(9)に記載の表示装置。
【0119】
(11)前記駆動部は、
前記アドレス情報に基づいて、駆動すべき水平ラインを選択する走査駆動部と、
前記階調コードの各ビットの値に対応した電圧を表示画素に供給する表示駆動部と、
を有し、
前記制御部は、前記階調コードおよび前記アドレス情報を前記表示駆動部に供給し、
前記表示駆動部は、前記アドレス情報を前記走査駆動部に供給する
前記(9)に記載の表示装置。
【0120】
(12)前記制御部は、複数の所定数の水平期間ごとに、前記所定数分の水平ラインの前記アドレス情報を前記駆動部に供給する
前記(4)から(11)のいずれかに記載の表示装置。
【0121】
(13)前記制御部は、水平期間ごとに、複数本分の水平ラインの前記アドレス情報を前記駆動部に供給する
前記(4)から(11)のいずれかに記載の表示装置。
【0122】
(14)前記単位駆動期間の時間は、1フレーム期間の時間と等しい
前記(1)から(13)のいずれかに記載の表示装置。
【0123】
(15)複数の表示画素を含む表示部における、駆動すべき水平ラインを指定するためのアドレス情報を生成する制御部と、
前記アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記制御部は、前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
駆動回路。
【0124】
(16)複数の表示画素を含む表示部における、駆動すべき水平ラインを指定し、
そのアドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動し、
前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
駆動方法。
【0125】
(17)表示装置と、
前記表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
複数の表示画素を含む表示部と、
駆動すべき水平ラインを指示するためのアドレス情報を生成する制御部と、
前記アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動する駆動部と
を有し、
前記制御部は、前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
電子機器。
【符号の説明】
【0126】
1,2,3…表示装置、10…表示パネル、11…画素、20,40…周辺回路、21…コントローラ、22,42…垂直駆動回路、23,43…水平駆動回路、30,50…変換回路、31…フレームメモリ、32…書込回路、33…読出回路、34…デコーダ、55…マルチプレクサ、A…表示画面、ADR,ADR2…アドレス信号、a0〜a11,c0〜c11,d0〜d11…アドレスデータ、b1〜b12…階調データ(ビット)、BP1〜BP12…ビットプレーン、C…階調コード、CLK…クロック信号、CTLA,CTLB,CTLC…制御信号、D…駆動期間、DT…データ線信号、DTL…データ線信号、Hsync…水平同期信号、L,L2…ライン、Rad…読出アドレス、Sdisp,Sig,Sig2…映像信号、SF…サブフレーム、Ssync…同期信号、Wad…書込アドレス、WS…走査線信号、WSL…走査線信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示画素を含む表示部と、
駆動すべき水平ラインを指示するためのアドレス情報を生成する制御部と、
前記アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記制御部は、前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部における水平ラインの配列順とは異なる順番で前記単位駆動期間を開始するように開始タイミングを設定する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
各フレーム期間は、互いに等しい時間幅の複数のサブフレーム期間を含み、
前記制御部は、前記サブフレーム期間を単位として、前記開始タイミングを設定する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
各サブフレーム期間は、互いに等しい時間幅の複数の水平期間に分割され、
前記駆動部は、前記水平期間を単位として、前記表示画素を駆動する
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、水平期間ごとに、前記アドレス情報を前記駆動部に供給する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、次の水平期間において駆動すべき水平ラインのアドレス情報を前記駆動部に供給する
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、現在の水平期間において駆動すべき水平ラインのアドレス情報を生成する
請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記アドレス情報をシリアル信号として出力する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記階調コードの各ビットを所定のビット幅を有するバスにパラレル信号として出力するとともに、そのバスの少なくとも一部に前記アドレス情報をパラレル信号として出力する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、各水平期間において、前記階調コードの各ビットの前に前記アドレス情報を配置する
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記駆動部は、
前記アドレス情報に基づいて、駆動すべき水平ラインを選択する走査駆動部と、
前記階調コードの各ビットの値に対応した電圧を表示画素に供給する表示駆動部と、
を有し、
前記制御部は、前記階調コードおよび前記アドレス情報を前記表示駆動部に供給し、
前記表示駆動部は、前記アドレス情報を前記走査駆動部に供給する
請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記制御部は、複数の所定数の水平期間ごとに、前記所定数分の水平ラインの前記アドレス情報を前記駆動部に供給する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項13】
前記制御部は、水平期間ごとに、複数本分の水平ラインの前記アドレス情報を前記駆動部に供給する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項14】
前記単位駆動期間の時間は、1フレーム期間の時間と等しい
請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
複数の表示画素を含む表示部における、駆動すべき水平ラインを指定するためのアドレス情報を生成する制御部と、
前記アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記制御部は、前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
駆動回路。
【請求項16】
複数の表示画素を含む表示部における、駆動すべき水平ラインを指定し、
そのアドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動し、
前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
駆動方法。
【請求項17】
表示装置と、
前記表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
複数の表示画素を含む表示部と、
駆動すべき水平ラインを指示するためのアドレス情報を生成する制御部と、
前記アドレス情報により指定された水平ラインを駆動するために設定された単位駆動期間内に、複数ビットからなる階調コードの各ビットの重みに応じた駆動間隔で、各ビットの値に応じて表示画素を駆動する駆動部と
を有し、
前記制御部は、前記単位駆動期間の開始タイミングを任意に設定する
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−68793(P2013−68793A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207141(P2011−207141)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】