説明

表示装置および撮像装置

【課題】 両面発光型の表示手段において、素子構造が耐熱性の低いものであったとしても、両表示面での安定した表示が可能で、かつ寿命特性の良好な表示装置を提供する。
【解決手段】 放熱体42を、表示面52側の各画素47間に対応する領域に配置し、各有機EL素子40から発生した熱を放出する。両面発光型の有機ELパネル41において、両表示面51,52での映像の表示を妨げることなく、有機ELパネル41からの放熱をすることができる。よって、良好な映像表示を保ちつつ、有機EL素子40の温度上昇を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向する第1および第2の表示面を有する表示装置、およびそのような表示手段を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モニタなどの表示手段を備えたビデオカメラやデジタルスチルカメラなどには一般に、撮像の際に被写体側でも映像の認識を可能とする対面撮影モードが設けられており、表示手段を被写体側へ向けることで実現されている。また、これらの機器における表示手段としては、一般に液晶表示装置が用いられている。
【0003】
しかしながら、この液晶表示装置は片面発光型の表示装置であることから、このような対面撮影モードの際には、撮影者自身が被写体ではない場合、撮影者が被写体像を認識するための別の表示手段が必要となる。そこで従来は、これらの機器に備えられたビューファインダを点灯させ、撮影者がこれを覗くことによって、被写体像の認識を行っていた。
【0004】
液晶表示装置以外の他の表示手段としては、有機EL(ElectroLuminescence)素子を用いた有機EL表示装置が考えられる。有機EL素子は陽極と陰極との間に有機層を積層させた発光素子であり、この有機EL素子を複数配列してなる有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる次世代フラットパネルディスプレイとして有望視されている。
【0005】
ここで、この有機EL表示装置もまた、基本的には片面発光型の表示装置である。この片面発光の方式としては、上面発光(トップエミッション)方式および下面発光(ボトムエミッション)方式が挙げられる。これらの発光方式における素子構造の違いは、陽極と陰極とのいずれを光透過性材料により構成するかという点である。
【0006】
また、最近ではこれら上面発光方式および下面発行方式を組み合わせた両面発光型のものも開発されている。例えば特許文献1には、不透明カソード電極(陰極)と透明アノード電極(陽極)との間に有機層を積層させた有機EL素子において、この不透明カソード電極の一部分に透明な導光部を形成するようにした両面発光型の有機EL表示装置が開示されている。
【0007】
このような両面発光型の有機EL表示装置を用いれば、被写体側および撮影者側に対して同時に被写体像を表示することができ、利便よく対面撮影モードを実現することが可能となる。また、各画素が両表示面で共通化されている構成であることから、特に画像処理などを行わずとも、被写体側にとって認識しやすい左右反転した映像が被写体側に表示されるという利点がある。
【特許文献1】特開2001−332392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、この有機EL素子は電流駆動による発光素子であることから、電圧駆動による表示素子である液晶素子と比べて消費電流が多くなり、発光領域での発熱が大きくなる。そして有機EL素子では、この発熱に起因した温度上昇によって、素子を構成する有機層の劣化が加速してしまう。そのため、各有機EL素子の発光輝度が低下したり、部分的に輝度差が生じて表示にむらが発生したり、発光が不安定になるなど、経時的な安定性が低く、かつ寿命が短いという問題があった。
【0009】
そこで、このような有機EL素子を備えた有機EL表示装置では、放熱を十分に考慮し、各有機EL素子における温度上昇を防止する必要が生じる。従来より、片面発光型の有機EL表示装置においては、表示面とは反対側に、このような温度上昇を抑える放熱機構を配置することで対応していた。
【0010】
しかしながら、両面発光型の有機EL表示装置は、互いに対向する2つの表示面を有する構造であることから、一方の表示面での映像表示を妨げることなく、そのような位置に放熱機構を配置することはできない。そこで従来は素子の温度上昇対策として、直接の外気冷却を施すしかなく、両表示面での良好な表示を保ちつつ十分な放熱対策をとることはできなかった。
【0011】
一方、有機EL素子は発光効率が十分ではないことなどから、液晶素子と比べて消費電力が大きくなってしまうという問題もあった。そこで従来より片面発光型の有機EL表示装置では、表示面とは反対側に反射体を配置して発光効率を高め、輝度を向上させることで、消費電力を抑えるようにしていた。しかしながら両面発光型の有機EL表示装置では、やはりその構造に起因して、そのような位置に反射体を配置することはできない。したがって発光効率が低下し、輝度も低下もしまうことから、表示映像の視認性を確保するためには、有機EL素子に流す電流を片面発光型のものよりも増加させるなどして、輝度を向上させる必要が生じる。
【0012】
ところが、そのようにして有機EL素子に流す電流を増加させた場合、上記したような発熱に起因した素子の劣化をより増長させてしまうこととなる。したがって、両面発光型の有機EL表示装置では、片面発光型のものと比べてより一層の放熱対策をとる必要があった。
【0013】
このように、両表示面での良好な表示を保ちつつ十分な放熱対策をとることができない従来の両面発光型の有機EL表示装置では、安定した表示が可能でかつ寿命特性の良好な表示装置を得るのが困難であった。
【0014】
この対策として、素子自体の構造を温度上昇に耐えうるものとすることが考えられる。しかしながら、現状は発光効率が高くかつ耐熱性が高い素材がないことから、その場合、開発には相当な期間およびコストがかかるなどの問題がある。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、両面発光型の表示手段において、素子構造が耐熱性の低いものであったとしても、両表示面での安定した表示が可能で、かつ寿命特性の良好な表示装置およびそのような表示手段を備えた撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の表示装置は、互いに対向する第1および第2の表示面を有すると共に各画素を構成する複数の発光素子を含んだ表示パネルと、これら第1および第2の表示面のうちの少なくとも一方の面側において上記画素間に対応する領域に配置され、発光素子から発生した熱を放出する放熱体とを備えたものである。
【0017】
本発明の撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された被写体像を表示する表示手段とを備え、この表示手段が、互いに対向する第1および第2の表示面を有すると共に各画素を構成する複数の発光素子を含んだ表示パネルと、これら第1および第2の表示面のうちの少なくとも一方の面側において上記画素間に対応する領域に配置され、発光素子から発生した熱を放出する放熱体とを有するものである。
【0018】
本発明の表示装置および撮像装置では、各発光素子からの出射光に基づく映像が、第1および第2の表示面において表示される。また、これら表示面のうちの少なくとも一方の面側に放熱体が配置されていることで、各発光素子から発生した熱が放出される。この放熱体はまた、各発光素子がなす画素間に対応する領域に配置されていることから、各発光素子からの出射光は、放熱体に遮られることなく出射される。すなわち、両表示面における映像の表示がいずれも妨げられることなく、表示パネルからの放熱がなされる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の表示装置または撮像装置によれば、放熱体を画素間に対応する領域に配置し、各発光素子から発生した熱を放出するようにしたので、両表示面における映像の表示をいずれも妨げることなく表示パネルからの放熱をすることができ、良好な映像表示を保ちつつ発光素子の温度上昇を抑制することができる。よって、発熱による温度上昇に起因した発光素子の劣化を防止し、信頼性を向上させることができるので、両表示面での安定した表示が可能で、かつ寿命特性の良好な表示手段を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置(ビデオカメラ1)による被写体8の撮影状況を表すものであり、撮像の際に被写体8側でも映像の認識を可能とする対面撮影モードを用いて、表示部4の表示面51に被写体像P1を表示している状況を表している。また、図2(A),(B)は、図1において、被写体8側から見た(図1,2に示した矢印Xの視線方向での)ビデオカメラ1の状況を表したものである。
【0022】
このビデオカメラ1は、本体2に、被写体8を撮像するレンズ部3と、矢印Yで示した方向に開閉可能な表示部4と、被写体像を観察可能なビューファインダ6と、バッテリーパック7とを備えている。ここで、レンズ部3は本発明における「撮像手段」の一具体例に対応し、表示部4は本発明における「表示装置」および「表示手段」の一具体例に対応する。
【0023】
表示部4は、その表示面51に撮像する際の映像(例えば、被写体像P1)やすでに撮像した映像を表示するものであり、ビデオカメラ1におけるモニタとして機能している。この表示部4は後述するように、複数の有機EL素子40がなす画素がマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス型の有機ELパネル41から構成されておいる。
【0024】
また、この表示部4は、図2(A)に示したように、撮影者側の表示面51に加え、この表示面51と対向する被写体8側の表示面52を有しており、この表示面52にも映像(例えば、被写体像P2)が表示されるようになっている。すなわち、この表示部4は、表示面51および表示面52の両表示面に映像を表示することが可能な両面発光型のものである。なお、後述するように、この表示部4には、表示部51,52に映像を表示する両面表示状態と、表示部51のみに映像を表示する片面表示状態とがある。
【0025】
このようにして、撮影者および被写体8は両面表示状態の表示面51,52を利用することで、対面撮影モードを用いた撮像ができるようになっている。なお、後述するように、この有機EL素子40では、両表示面51,52を構成する画素が、これら両表示面51,52で共通化された構成であることから、被写体8側の表示面52には特に画像処理などを行わずとも、認識しやすい左右反転した映像(例えば、被写体像P1に対して被写体像P2は左右反転している)が被写体8側に表示されるようになっている。
【0026】
また、詳細は後述するが、図2(B)に示したように、このビデオカメラ1には、撮像の際に撮影者側の表示面51のみに映像を表示する通常撮影モードも設けられている。この通常撮影モードでは、表示面51のみに映像が表示される(片面表示状態)ようになっている。このように撮影者は撮像の際に、表示面51,52に映像が表示される対面撮影モードと、表示面51のみに映像が表示される通常撮影モードとを任意に選択することができる。
【0027】
また、このビデオカメラ1は、撮像した映像を図示しない記憶手段に記憶可能となっている。この記憶手段としては、例えば、ビデオカメラ1に内蔵の記憶媒体(半導体メモリ等)や、着脱可能な記憶媒体(半導体メモリカード、記録可能なDVD(Digital Versatile Disc)や記憶可能なCD(Compact Disc)などの光ディスク媒体等)が挙げられる。そしてこのビデオカメラ1は、上記記憶手段に記憶した撮影映像を再生し、表示部4に表示することが可能となっている。なお、再生する映像は撮影者自身で撮影したものに限らず、別の手段で記憶された映像であってもよい。また、図示しない有線もしくは無線インタフェース(USB(Universal Serial Bus)、無線LAN(Local Area Network)等)を介して外部の記憶手段(PC(Personal Computer)等)に記憶した撮影映像を再生し、表示部4に表示することも可能である。
【0028】
なお、表示面51,52はそれぞれ、本発明における「第1の表示面」および「第2の表示面」の一具体例に対応する。
【0029】
図3は、表示部4の断面構成を模式的に表したものであり、図1におけるA−A部分の矢視断面図に対応するものである。この表示部4は、有機ELパネル41と、この有機ELパネル41の裏面に設けられた複数の放熱体42と、この放熱体42を覆うように設けられた熱伝導シート43と、有機ELパネル41の両端にそれぞれ設けられた熱発散体44A,44Bとを有している。
【0030】
有機ELパネル41は上記のように両面発光型のものであり、上面出射光L1および下面出射光L2がそれぞれ、表示領域Dにおいて表示面51,52から出射されるようになっている。この有機ELパネル4は、本発明における「表示パネル」の一具体例に対応する。また、放熱体42は、各有機EL素子から発生した熱を放出するものであり、有機ELパネル41の各画素間に対応する領域に設けられている。熱伝導シート43は、この放熱体42から放出された熱を熱発散体44A,44Bへ伝導するものである。なお、放熱体42および熱伝導シート43についての詳細は後述する。
【0031】
熱発散体44A,44Bはそれぞれ、熱伝導シート43を介して放熱体42と熱的に接続されており、この放熱体42から伝導された熱を、有機ELパネル41の外部へ発散するものである。この熱発散体44A,44Bは、例えば、熱伝導性に優れた金属や樹脂などにより構成される。
【0032】
次に図4を参照して、有機ELパネル41、放熱体42および熱伝導シート43の断面構成の詳細について説明する。図4は、これらの断面構成の一例を表したものである。
【0033】
有機ELパネル41は、ガラス基板401上に多層膜が形成された積層構造となっている。この多層膜は具体的には、ガラス基板401側から、ゲート電極402と、ゲート絶縁層403と、p−Si(ポリ−シリコン)層404と、絶縁層405と、配線406と、ソース(ドレイン)電極407と、平坦化層408と、コンタクト部409と、アノード電極410と、有機材料からなる発光層411と、カソード電極412と、隔壁413と、保護層414と、透明シール415とから構成されている。ここで、ガラス基板401は本発明における「透明基板」の一具体例に対応し、保護層414および透明シール415は、本発明における「保護層」の一具体例に対応する。
【0034】
なお、これらのうち、アノード電極410と、発光層411と、カソード電極412とにより、有機EL素子40が構成されている。この有機EL素子40は、本発明における「発光素子」の一具体例に対応する。
【0035】
ガラス基板401は、上記のような多層膜を積層するための基板である。ただし、有機EL素子40からの下面出射光L2を透過させることができるものであれば、例えば光透過性のプラスチック基板などにより構成してもよい。
【0036】
ゲート電極402、ゲート絶縁層403、p−Si層404、絶縁層405、配線層406およびソース(ドレイン)電極407は、各有機EL素子40を発光駆動するためのスイッチング素子Sを構成している。このスイッチング素子Sは、例えば薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などから構成される。また、配線406は、例えば各有機EL素子40を駆動するための信号線やデータ線などから構成され、図示しない有機ELパネル41の駆動回路に接続されている。これらスイッチング素子Sおよび配線406は、いずれも各画素間に対応する領域に配置されており、コンタクト部409を介して、各有機EL素子40のアノード電極410と電気的に接続されている。
【0037】
平坦化層408は、例えば酸化シリコン(SiO2)などの絶縁性材料により構成されており、上記したスイッチング素子Sや配線406の上部を覆い、平坦化するためのものである。また、アノード電極410およびカソード電極412は、それぞれ有機EL素子40における陽極および陰極として機能するものである。アノード電極410は、上記のようにコンタクト部409を介してスイッチング素子Sや配線406と電気的に接続されている一方、カソード電極412は、各画素に対する共通電極として機能している。なお、この有機ELパネル41は上記のように両面発光型のものであることから、アノード電極410およびカソード電極412はいずれも、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)などの透明材料、または半透明材料により構成される。
【0038】
発光層411は、有機材料からなる層を堆積させたものであり、上記のように陽極(アノード電極410)および陰極(カソード電極412)によって挟持された構造となっている。そして、これら陽極と陰極との間に順方向バイアス電圧を印加することにより、陽極および陰極から正孔および電子がそれぞれ発光層内に注入され、この注入された正負のキャリア再結合によって発光が得られる(例えば、図中の上面出射光L1および下面出射光L2)ようになっている。
【0039】
隔壁413は、各画素を分離するためのものであり、例えば酸化シリコン(SiO2)などの絶縁性材料により構成される。また、保護層414および透明シール415は、有機ELパネル41の表面を保護すると共に、各有機EL素子を外部から封止し、水分の混入を防止するためのものである。なお、保護層414は例えば酸化シリコン(SiO2)などの絶縁性材料により構成され、透明シール415は透明材料により構成される。
【0040】
ここで本実施の形態の表示部4では、前述のようにガラス基板401の裏面、すなわち表示面52側に、放熱体42および熱伝導シート43が設けられており、各有機EL素子40から発生した熱を放出できるようになっている。なお、この熱伝導シート43は、放熱体42上を平坦化する役割も果たしている。
【0041】
図5は、放熱体42と有機EL素子40が配置された各画素47との位置関係を、有機ELパネル41における表示面52側からの平面図で模式的に表したものである。このように放熱体42は、表示面52側において、各画素47の間に対応する領域に配置されている。また、各画素47がマトリクス状に配置されていることから、放熱体42は各画素47の配置に対応して格子状に配置されている。したがって、図4に示したような両面表示(上面出射光L1および下面出射光L2が出射されている)状態のときでも、表示面52側への出射光(下面出射光L2)が妨げられることはない。なお、この表示面52側における各画素間47に対応する領域とは、例えば図4に示した断面構成の場合、ガラス基板401の裏面におけるスイッチング素子Sまたは配線406に対応する領域となる。
【0042】
放熱体42は、熱伝導性に優れた金属や樹脂、またはこれらの組み合わせなどにより構成され、各有機EL素子40から発生した熱を効率よく放出できるようになっている。このような金属材料としては、例えばAl(アルミニウム)やAl合金、Cu(銅)などが挙げられ、このような樹脂材料としては、例えばグラファイトなどが挙げられる。
【0043】
また、図4に示したように、この放熱体42における有機ELパネル41側の表面には、光反射機能を有する光反射層45が形成されている。この光反射層45は、反射率の高い金属や樹脂、またはこれらの組み合わせなどにより構成され、後述するように片面表示状態のとき、各有機EL素子40からの下面出射光L2を効率的に反射できるようになっている。このような金属材料としては、例えばAl(アルミニウム)やAl合金、Cu(銅)などが挙げられる。また、この光反射層45を構成する材料は、無彩色のものであることが好ましい。上記のように下面出射光L2を反射する際に、反射光が有色のものとなるのを防ぐことができるからである。
【0044】
これら放熱体42および光反射層45の組み合わせの具体例としては、以下の(A)〜(D)のものが挙げられる。
(A)Cuなどの熱伝導性に優れた金属(放熱体42)と、AlもしくはAl合金などの反射色が可能な限り無彩色であり熱伝導性に優れた金属(光反射層45)との組み合わせ
(B)Cuなどの熱伝導性に優れた金属(放熱体42)と、反射色が可能な限り無彩色であり熱伝導性に優れた樹脂材料(光反射層45)との組み合わせ
(C)熱伝導性に優れた樹脂材料(放熱体42)と、反射色が可能な限り無彩色であり熱伝導性に優れた樹脂材料(光反射層45)との組み合わせ
(D)熱伝導性に優れた樹脂材料(放熱体42)と、AlもしくはAl合金などの反射色が可能な限り無彩色であり熱伝導性に優れた金属(光反射層45)との組み合わせ
【0045】
なお、これら放熱体42および光反射層45は、例えば張り合わせやめっき、コーティングなどにより形成することができる。また、このような光反射層45を放熱体42上に形成する代わりに、放熱体42自身が光反射機能を有するように構成してもよい。
【0046】
一方、熱伝導シート43は、例えば空気やシリコンオイル、樹脂などにより構成され、放熱体42から放出された熱を効率よく熱発散体44A,44Bへ伝導すると共に、後述する放熱体42のスライド移動に対して、滑らかに変形できるようになっている。
【0047】
また、図4に示したように、有機ELパネル41の表示面52側にはさらに、熱伝導シート43上に、表面保護シート46が設けられている。この表面保護シート46は、放熱体42および熱伝導シート43を外部から保護するためのものである。なお、この表面保護シート46を、例えば特定の方向に偏光した光のみを透過する偏光板により構成するようにしてもよい。そのように構成した場合、後述するように片面表示状態のとき、下面出射光L2が表示面52側へ漏れるのをより十分に防止することができる。
【0048】
なお、これら熱伝導シート43および表面保護シート46は下面出射光L2を透過するものであることから、これらを構成する材料は上記の光反射層45と同様に、無彩色のものであることが好ましい。
【0049】
ここで図6に示したように、この放熱体42は、その延在面方向(表示面52の面内方向)へスライドできるように構成されている。そして後述する切換部48によって、例えば有機ELパネル41を両面表示(上面出射光L1および下面出射光L2が出射される)状態に設定するときには、放熱体42がスライド収納されて各画素47の間に対応する領域に配置(図4,図5の配置)される一方、有機ELパネル41を片面表示(上面出射光L1のみが出射される)状態に設定する場合には、放熱体42がスライド展開されて各画素47に対応する領域に配置(図6の配置)されるようになっている。このようにして、有機ELパネル41の両面表示状態と片面表示状態とが切り換えられる。なお、片面表示状態の際に上面出射光L1のみが出射されるように設定しているのは、図4および図6に示したように、表示面52側にはスイッチング素子Sや配線406などが配置されていることから、表示面51側のほうが表示面52側よりも開口率を大きくすることができるからである。また、対面撮影モードの方が使用頻度が低いので、通常撮影モードで使用する表示面側の輝度を向上させることができるからである。
【0050】
また、上記のように、放熱体42における有機ELパネル41側の表面に光反射層45が形成されていることで、図6に示したように片面表示状態のときには、下面出射光L2が光反射層45で反射され、表示面51側へ出射される。したがって、各有機EL素子40からの上面出射光L1および下面出射光L2がいずれも表示面51側へ出射され、発光効率が向上する。
【0051】
また、図7(A),(B)に示したように、本実施の形態のビデオカメラ1では、この放熱体42に対するスライド駆動を、例えばビデオカメラ1内または表示部4内に設けられたマイコン22などによって制御するように構成してもよい。ここで図7(A),(B)は、表示部52側から見た有機ELパネル41を模式的に表したものであり、(A)は有機ELパネル41が両面表示状態である場合を、(B)は有機ELパネル41が片面表示状態である場合をそれぞれ示している。
【0052】
図7の構成では、撮影者が例えば例えばビデオカメラ1に備えられた操作部21を介して操作すると、マイコン22によって切換部48に対する制御がなされ、放熱体42に対する駆動動作(図7(B)に示したZ方向への移動動作)は、マイコン22からの制御信号221によって行われる。このように切換部48の駆動動作をマイコン22により制御することで、撮影者は利便よく両面表示状態と片面表示状態との切換を行うことができる。
【0053】
次に、図8〜図10および図11を参照して、このような構成からなるビデオカメラ1において、各モードを決定する処理について説明する。図8〜図10は、各モード決定処理を表したものであり、図11は、表示部4における表示状況の一例を表したものである。
【0054】
このビデオカメラ1は、撮影を行うための撮影モードと、記憶した映像を再生する再生モードとを有している。そしてこのビデオカメラ1では、表示部4の開閉状態と撮影・再生モードの違いとに応じて、表示部4の表示状態(表示モード)が種々変化するようになっている。この表示モードとしては、前述のように両面表示モード(両面表示状態)と、片面表示モード(片面表示状態)とが存在する。したがって、ここでいう撮影モードまたは再生モードを決定する処理とは、有機ELパネル41の両面表示モードまたは片面表示モードを決定する処理をも意味する。
【0055】
まず、撮影者は前述の操作部21などによって、撮影モードおよび再生モードのいずれを使用するかを選択する(図8のステップS11)。撮影モードを選択した場合(ステップS11:“撮影モード”)、次に、具体的にどのような撮影モードを使用するかを選択する撮影モード決定処理を行う(ステップS12)。一方、再生モードを選択した場合(ステップS11:“再生モード”)、次に、具体的にどのような再生モードを使用するかを選択する再生モード決定処理を行う(ステップS13)。
【0056】
撮影モード決定処理では、まず、撮影者は操作部21などによって、表示部4を開いた状態で使用するか、あるいは閉じた状態で使用するかを選択する(図9のステップS121)。閉じた状態で使用することを選択した場合(ステップS121:N)、表示部4における映像の表示は、表示面51,52ともにオフ状態となる(ステップS122)。なお、このときは例えばビューファインダ6における被写体像の表示がオン状態となり、撮影者は、表示部4の代わりにこのビューファインダ6を利用することで、被写体像を撮像することとなる。
【0057】
一方、ステップS121において、表示部4を開いた状態で使用することを選択した場合(ステップS121:Y)、表示部4における表示面51(撮影者側の表示面)での表示がオン状態となる(ステップS123)。なお、このときは、例えばビューファインダ6における被写体像の表示はオフ状態となる。次に、撮影者は操作部21などによって、放熱体42をスライド移動させるか否かを選択する(ステップS124)。スライド移動させないことを選択した場合(ステップS124:N)、放熱体42は各画素47に対応する領域に配置されたままとなることから、表示部4もそのまま表示面51のみの片面表示モードとなり、ビデオカメラ1は通常撮影モードとなる(ステップS125)。なお、このように放熱体42をスライド駆動する手法としては、前述のようにマイコン22による制御によるものでもよく、あるいは撮影者による手動によるものであってもよい。
【0058】
一方、ステップS124において、放熱体42をスライド移動させることを選択した場合(ステップS124:Y)、切換部48が、放熱体42を各画素47間に対応する領域へ移動させる(ステップS126)。したがって、表示部4は表示面51,52に映像が表示される両面表示モードとなり、ビデオカメラ1は、対面撮影モードとなる(ステップS127)。なお、この対面撮影モードのときには、前述のように特に画像処理を行わずとも、被写体8側の表示面52には、左右反転した映像が表示されることとなる。このようにして、撮影モード時における具体的なモード決定処理(両面表示モードまたは片面表示モードの決定処理)がなされ、モード決定処理全体が終了する。
【0059】
一方、再生モード決定処理でも、まず、撮影者が操作部21などによって、表示部4を開いた状態で使用するか、あるいは閉じた状態で使用するかを選択する(図10のステップS131)。開いた状態で使用することを選択した場合(ステップS131:Y)、前述の撮影モード決定処理の場合と同様に、表示面51での表示がオン状態となる(ステップS132)。なおこのときも、例えばビューファインダ6における被写体像の表示はオフ状態となる。次に、撮影者は放熱体42をスライド移動させるか否かを選択し(ステップS133)、スライド移動させないことを選択した場合(ステップS133:N)には、前述のように表示面51のみの片面表示モードとなり、ビデオカメラ1は通常再生モードAとなる(ステップS134)。一方、放熱体42をスライド移動させることを選択した場合(ステップS133:Y)には、前述のように切換部48が放熱体42を移動させる(ステップS135)ことで、表示面51,52に映像が表示される両面表示モードとなり、ビデオカメラ1は対面再生モードとなる(ステップS136)。
【0060】
一方、ステップS131において、表示部4を閉じた状態で使用することを選択した場合(ステップS131:N)、次に、撮影者はやはり放熱体42をスライド移動させるか否かを選択する(ステップS137)。スライド移動させることを選択した場合(ステップS137:Y)、表示面52での表示がオン状態となり(ステップS138)、前述のように切換部48が放熱体42を移動させることで(ステップS139)、例えば図11(A)に示したような通常再生モードBとなる(ステップS140)。なお、このときは表示面51,52に映像が表示される両面表示モードであり、図示しない表示面51側にも映像が表示されている。また、この通常再生モードBのときには、前述の対面撮影モードのときとは異なり、表示面52には画像処理によって左右反転した映像(すなわち、元の状態の映像)が表示される。一方、ステップS137において、放熱体42をスライド移動させないことを選択した場合(ステップS137:N)には、例えば図11(B)に示したように、表示部4における映像の表示は、表示面51,52ともにオフ状態となる(ステップS141)。なお、このときも、例えばビューファインダ6における映像の表示がオン状態となる。このようにして、再生モード時における具体的なモード決定処理(両面表示モードまたは片面表示モードの決定処理)がなされ、モード決定処理全体が終了する。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、放熱体42を表示面52側の各画素47間に対応する領域に配置し、各有機EL素子40から発生した熱を放出するようにしたので、両面発光型の有機ELパネル41においても、両表示面51,52における映像の表示をいずれも妨げることなく有機ELパネル41からの放熱をすることができ、良好な映像表示を保ちつつ有機EL素子40の温度上昇を抑制することができる。よって、発熱による温度上昇に起因した有機EL素子40の劣化を防止し、信頼性を向上させることができるので、両表示面51,52での安定した表示が可能で、かつ寿命特性の良好な表示手段(表示部4)を得ることができる。
【0062】
また、各放熱体42から放出された熱を、熱伝導シート43を介して熱発散体44A,44Bにより外部へ発散させるようにしたので、有機ELパネル4全体での発熱を抑制することができる。よって、有機ELパネル41の表示領域Dにおける部分的な発熱の不均衡状態を抑えることができ、表示映像にむらが発生するのを抑制することができる。
【0063】
また、切換部48によって、放熱体42をスライド移動させるようにしたので、両面発光型の有機ELパネル41において片面表示状態を構成することができ、表示面52側への下面出射光L2の漏れを防止することができる。また、例えば表面保護シート46を偏光板により構成した場合には、この下面出射光L2の漏れを完全に防止することができる。
【0064】
また、放熱体42における有機ELパネル41側の表面に光反射層45を形成するように(あるいは、放熱体42自身が光反射機能を有するように)したので、片面表示状態のときに下面出射光L2を反射して表示面51側へ出射させることができ、発光効率を向上させることができる。よって、発光輝度を高めることができることから、より低い電流でも発光輝度を確保することができ、消費電力を低減することができる。また、有機EL素子40へ流す電流を低減することができることから、素子の劣化をさらに抑えることができ、より長寿命化を図ることができる。
【0065】
さらに、これら放熱体42、熱伝導シート43および熱発散体44A,44Bから構成される放熱機構は、いずれも有機ELパネル41の外部に配置することができるので、従来の有機ELパネルに対しても、簡易に形成することができる。
【0066】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の撮像装置(ビデオカメラ1)は、基本的には第1の実施の形態のビデオカメラ1と同様であり、第1の実施の形態と異なるのは、有機ELパネル41における放熱体42の構成である。したがって、ビデオカメラ1の全体構成(第1の実施の形態における図1に対応する)および表示部4の全体構成(第1の実施の形態における図3に対応する)については、その説明を省略する。
【0067】
図12は、本実施の形態に係る有機ELパネル41、放熱体および熱伝導シート43の断面構成を表すものであり、第1の実施の形態における図4に対応する。なお、この図において、図4に示した第1の実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0068】
本実施の形態の放熱体は、第1の実施の形態における放熱体42を複数段構造としたものであり、具体的には2段構成(放熱体42A,42B)となっている。また、これら放熱体42A,42Bにおける有機ELパネル41側の表面にはそれぞれ、第1の実施の形態における放熱体42と同様に、光反射層45A,45Bが形成されている。さらに、第1の実施の形態と同様に、例えば図13に示したように、切換部48によって、これら放熱体42A,42B(および光反射層45A,45B)を、その延在面方向にそれぞれ独立してスライド駆動することができるようになっている。
【0069】
この表示部4では、放熱体42A,42Bが切換部48によってそれぞれ独立してスライド駆動され、各画素47に対応する領域に配置されることで、有機ELパネル41が片面表示状態となる。このとき、放熱体が2段構造となっていることから、第1の実施の形態における1段構成の場合と比べ、放熱体42A,42Bが下面出射光L2を遮る領域の面積が大きくなる。また、逆に1段構成のときと同程度の面積となるようにした場合には、各画素47間の領域が狭くなる。
【0070】
以上のように、本実施の形態によれば、放熱体を2段構成(放熱体42A,42B)にしたので、片面表示状態のときに下面出射光L2を遮る領域の面積を大きくすることができ、第1の実施の形態における効果に加え、表示面52側への下面出射光L2の漏れをより防止することができる。
【0071】
また、逆にこの放熱体42A,42Bによって下面出射光L2を遮る領域の面積を、1段構成のときと同程度の面積となるようにした場合には、各画素47間の領域を狭く構成することができ、有機ELパネル41の開口率を高めることが可能となる。よって、表示部4の発光輝度を向上させることが可能となる。
【0072】
なお、図12,図13に示した例では、この放熱体を2段構成としているが、この放熱体の構成はこれには限られず、例えば3段以上の任意の構成とすることが可能である。
【0073】
以上、第1および第2の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0074】
例えば、上記実施の形態では、例えば図5に示したように、各有機EL素子40が構成する画素47がマトリクス状に配置され、放熱体42もそれに合わせて格子状に配置されている場合の例について説明してきたが、放熱体42の配置は格子状には限られず、例えば図14(A)および図14(B)にそれぞれ示したように、各画素47間の垂直ライン方向または水平ライン方向のいずれか一方のみに沿って配置するように構成してもよい。
【0075】
またこの際、これら垂直ライン方向および水平ライン方向のうち、各画素47間に対応する領域がより広い方向のみに沿って配置することが好ましい。そのように配置した場合、より狭い方向のみに沿って配置した場合と比べ、放熱する効果をより高めることができる。なお、同様の理由から、例えば図14(C)に示したように、放熱体42を格子状に配置した場合、各画素47間に対応する領域がより広い方向(この場合、水平ライン方向)に沿った部分の幅を、より狭い方向(この場合、垂直ライン方向)に沿った部分の幅よりも広くするように構成することが好ましい。
【0076】
また、上記実施の形態では、放熱体42を有機ELパネル41における表示面52側に配置した場合の例について説明してきたが、例えば図15に示したように、放熱体42に加えてさらに表示面51側にも放熱体(放熱体49)を配置するように構成してもよく、また、放熱体42の代わりに放熱体49のみを配置するように構成してもよい。表示面51,52の両表示面側に放熱体42,49を配置するように構成した場合、各有機EL素子40における温度上昇をさらに抑制することで素子の劣化もさらに抑え、より長寿命化を図ることができる。なお、表示面51側における各画素間47に対応する領域は、例えば図15に示した断面構成の場合、透明シート415の表面における隔壁413に対応する領域となる。
【0077】
また、上記実施の形態では、有機ELパネル41が片面表示状態のときに上面発光(上面出射光L1のみを出射する)となる場合の例について説明してきたが、逆に片面表示状態のときに下面発光(下面出射光L2のみを出射する)となるように構成してもよく、さらに上記のように放熱体を表示面51,52の両表示面側に配置した場合には、各撮影モードや再生モードの使用状況などに応じて、上面発光となる場合と下面発光となる場合とを切り換えられるように構成してもよい。
【0078】
また、上記実施の形態において説明した各構成要素の材料および構成などは限定されるものではなく、他の材料としてもよく、また他の構成としてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、ビデオカメラ1、表示部4および有機ELパネル41の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素または全ての層を備える必要はなく、また、他の構成要素または他の層を備えていてもよい。
【0080】
さらに、本発明が適用される発光素子は有機EL素子には限られず、発熱に起因した素子の劣化を簡易に防止することが好ましい発光素子を有する全ての表示装置全般に適用することが可能である。またその場合において、各画素47が両表示面51,52で共通化されているとは限られず、表示面51,52でそれぞれ別個に設けるように構成してもよい。
【0081】
なお、上記実施の形態では、撮像素子としてビデオカメラ1の場合について説明してきたが、本発明は、表示手段を備えた他の撮像装置、例えばデジタルスチルカメラなどに適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置による被写体の撮影状況を表す斜視図である。
【図2】対面撮影モードおよび通常撮影モードを説明するための斜視図である。
【図3】図1に示した表示部の構成を表す断面図である。
【図4】図3に示した有機ELパネルおよび放熱機構の構成を表す断面図である。
【図5】図5に示した有機ELパネルにおける放熱体の配置を説明するための平面図である。
【図6】片面表示状態のときの有機ELパネルおよび放熱機構の構成を表す断面図である。
【図7】マイコン制御による放熱体の駆動方法を説明するための模式図である。
【図8】モード決定処理の全体構成を表す流れ図である。
【図9】図8に示した撮影モード決定処理を表す流れ図である。
【図10】図8に示した再生モード決定処理を表す流れ図である。
【図11】再生モードのときの表示状態を説明するための斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る有機ELパネルおよび放熱機構の構成を表す断面図である。
【図13】図12において片面表示状態のときの有機ELパネルおよび放熱機構の構成を表す断面図である。
【図14】変形例に係る放熱体の配置を説明するための平面図である。
【図15】変形例に係る有機ELパネルおよび放熱機構の構成を表す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1…ビデオカメラ、2…本体、21…操作部、22…マイコン、221…制御信号、3…レンズ部、4…表示部、51,52…表示面、6…ビューファインダ、7…バッテリーパック、8…被写体、40…有機EL素子、41…有機ELパネル、42,42A,42B,49…放熱体、43…熱伝導シート、44A,44B…熱発散体、45,45A,45B…光反射層、46…表面保護シート、47…画素、48…切換部、401…ガラス基板、402…ゲート電極、403…ゲート絶縁層、404…p−Si層、405…絶縁層、406…配線、407…ソース(ドレイン)電極、408…平坦化層、409…コンタクト部、410…アノード電極、411…発光層、412…カソード電極、413…隔壁、414…保護層、415…透明シール、X…被写体視線方向、Y…表示部開閉方向、P1,P2…被写体像、L1…上面出射光、L2…下面出射光、D…表示領域、S…スイッチング素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1および第2の表示面を有すると共に各画素を構成する複数の発光素子を含んだ表示パネルと、
前記第1および第2の表示面のうちの少なくとも一方の面側において前記画素間に対応する領域に配置され、前記発光素子から発生した熱を放出する放熱体と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の発光素子はそれぞれ、前記第1および第2の表示面の双方の面側に光を出射するようになされ、
前記第1および第2の表示面を構成する画素が、前記第1および第2の表示面で共通化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記出射光を前記第1の表示面のみに出射する片面表示状態と、前記出射光を前記第1および第2の表示面に出射する両面表示状態とを切り換える切換手段をさらに備え、
前記放熱体は、少なくとも前記第2の表示面側に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の表示面側の放熱体は、第2の表示面の面内方向へ移動可能であり、
前記切換手段は、前記片面表示状態のときに前記第2の表示面側の放熱体が第2の表示面側の前記画素に対応する領域へ移動するように駆動することにより、前記片面表示状態と前記両面表示状態とを切り換える
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2の表示面側の放熱体における前記表示パネル側の表面に、光反射機能を有する光反射層をさらに備え、
前記切換手段は、前記片面表示状態のときに、前記光反射層が第2の表示面側への前記出射光を反射して前記第1の表示面側へと導くように、前記第2の表示面側の放熱体および前記光反射層を駆動する
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2の表示面側の放熱体は光反射機能をさらに有し、
前記切換手段は、前記片面表示状態のときに、前記第2の表示面側の放熱体が第2の表示面側への前記出射光を反射して前記第1の表示面側へと導くように、第2の表示面側の放熱体を駆動する
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の表示面側の放熱体は、第2の表示面と直交する方向へ複数段に分割して設けられ、
前記切換手段は、これら複数段からなる放熱体をそれぞれ独立して駆動する
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記切換手段の動作を制御する制御手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルの近傍に、前記放熱体と熱的に接続されると共に放熱体によって放出された熱を外部へ発散させる熱発散体をさらに備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記放熱体は、前記第1および第2の表示面側に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項11】
前記発光素子は、有機EL素子である
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項12】
各画素は前記表示パネルにおいてマトリクス状に配置され、
前記放熱体は、各画素の配置に対応した格子状に配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
各画素は前記表示パネルにおいてマトリクス状に配置され、
前記放熱体は、前記表示パネルの水平ライン方向および垂直ライン方向のうちのいずれか一方向のみに沿って配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
各画素は前記表示パネルにおいてマトリクス状に配置され、
前記放熱体は、前記表示パネルの水平ライン方向および垂直ライン方向のうち、前記画素間に対応する領域がより広い方向のみに沿って配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示パネルは、
前記第2の表示面を構成する透明基板と、
前記透明基板上における前記画素間に対応する領域に形成されたスイッチング素子および配線と、
前記スイッチング素子および配線が接続された複数の前記有機EL素子と、
各有機EL素子を分離する隔壁と、
前記複数の有機EL素子および前記隔壁上に形成され、前記第1の表示面を構成する光透過性の保護層と
を有し、
前記放熱体は、前記保護層の表面側における前記隔壁に対応する領域、ならびに前記透明基板の裏面側における前記スイッチング素子または前記配線に対応する領域うちの少なくとも一方に配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項16】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された被写体像を表示する表示手段と
を備え、
前記表示手段は、
互いに対向する第1および第2の表示面を有すると共に各画素を構成する複数の発光素子を含んだ表示パネルと、
前記第1および第2の表示面のうちの少なくとも一方の面側において前記画素間に対応する領域に配置され、前記発光素子から発生した熱を放出する放熱体と
を有することを特徴とする撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−259307(P2006−259307A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77347(P2005−77347)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】