説明

表示装置および表示制御プログラム

【課題】ユーザが書き込んだ文字等を、視認し易く表示することが可能な表示装置および表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】ディスプレイ22は、最も黒色の濃度が高い第一階調値、第一階調値より黒色の濃度が低い第二階調値、第二階調値より黒色の濃度が低い第三階調値、および黒色を表示しない第四階調値の4つの階調値を表示することができる。文字等の書き込み入力が行われていない場合、ディスプレイ22には、領域221が第一階調値、領域222が第二階調値、領域223が第三階調値、および領域224が第四階調値である画像が表示される。ユーザが、領域221,222,223,224にそれぞれ文字「C」「D」「E」「F」を書き込むと、文字「C」「D」「E」「F」は第一階調値で表示される。このとき、領域221が文字「C」「D」「E」「F」の階調値とは異なる第二階調値で表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの表示の階調値を調整することが可能な表示装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイの表示の階調値を調整することが可能な表示装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のタッチ入力装置付き小型電子機器では、タッチペンが透明タッチパネルに接触しながら移動した場合に、その移動方向および移動量を検出する。そして、検出した移動方向および移動量に基づいて画面全体の表示の階調値を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−305497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表示装置において、単色表示のディスプレイを使用した場合、ディスプレイの階調数が限られており、書き込みと表示画像との階調値が同じになる確率が高くなる。このため、ユーザがディスプレイに書き込んだ文字等が、ディスプレイに表示される他の画像と同じ階調値、且つ同じ色で表示され、書き込んだ文字等を視認し難い場合があるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザが書き込んだ文字等を、視認し易く表示することが可能な表示装置および表示制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る表示装置は、ピクセル毎に単色を複数の階調値で表示して、記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を表示可能な表示手段を備えた表示装置であって、前記表示手段に表示された前記画像に対してユーザによって入力される書き込み入力に対応する書き込み入力データを取得する入力取得手段と、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことを検出する入力検出手段と、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記入力取得手段によって取得された前記書き込み入力データに基づく前記書き込み入力に対応するピクセルである書き込みピクセル以外の前記画像のピクセルである画像ピクセルを、予め設定された前記画像ピクセルの階調値である画像階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを予め設定された所定の階調値である書き込み階調値で前記表示手段に表示させる第一表示制御手段とを備えている。
【0007】
この場合、画像ピクセルの階調値が予め設定された画像階調値とは異なる階調値になるように調整されて表示されると共に、書き込みピクセルが表示される。書込み画像以外の画像の階調値を調整することが可能なので、ユーザが書き込んだ文字等を、視認し易く表示することできる。
【0008】
前記表示装置において、前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを、前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させてもよい。この場合において、入力取得手段によって書き込み入力が取得された場合に、画像ピクセルと書き込みピクセルとを異なる階調値で表示することができる。このため、ユーザが書き込んだ文字等を、視認し易く表示することができる。
【0009】
前記表示装置において、前記記憶手段に記憶された前記画像データにおいて、前記各ピクセルについてのデータは、前記画像の前記ピクセル毎の階調値を表す複数のビットである第一ビットと、前記第一ビットに対応付けられる少なくとも1のビットである第二ビットとを含み、前記書き込みピクセルにおける前記第二ビットを、前記入力取得手段によって取得されたことを示す値に設定するビット設定手段を備え、前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを、前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記入力取得手段によって取得されたことを示す値に、前記ビット設定手段によって前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させてもよい。
【0010】
この場合、画像データにおける各ピクセルのデータにおける第二ビットを、入力取得手段によって取得されたことを示す値に設定し、この値に基づいて、画像ピクセルと書き込みピクセルとを異なる階調値で表示することができる。このため、ユーザが書き込んだ文字等を、視認し易く表示することができる。
【0011】
前記表示装置は、前記書き込み入力を行うユーザを識別するための情報である識別情報を取得して、取得した前記識別情報に基づいてユーザを識別する識別手段を備え、前記ビット設定手段は、前記書き込みピクセルにおける前記第二ビットを、前記識別手段によって識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に設定し、前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記ビット設定手段によって前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを、前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させてもよい。
【0012】
この場合、識別手段によって識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に第二ビットを設定することができる。言い換えると、書き込みを行ったユーザ毎に異なる値に第二ビットを設定することができる。そして、設定された値に基づいて、画像ピクセルと書き込みピクセルとを異なる階調値で表示することができる。このため、ユーザが書き込んだ文字等を、視認し易く表示することができる。
【0013】
前記表示装置において、前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記ビット設定手段によって前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを、識別されたユーザ毎にそれぞれ異なる前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させてもよい。この場合、ユーザ毎に異なる値に第二ビットを設定されているため、ユーザ毎に、書き込んだ文字等を異なる階調値で表示することができる。
【0014】
前記表示装置は、識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルのうち、特定のユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを、ユーザの指示に従って選択する選択手段を備え、前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記選択手段によって選択された前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させる第二表示制御手段とを備えてもよい。この場合、ユーザが選択した特定のユーザによって書き込まれた表示と、画像とを異なる階調値で表示することができるため、ユーザは特定のユーザが書き込んだ文字等を視認し易くなる。
【0015】
前記表示装置は、前記画像ピクセルと前記書き込みピクセルとを異なる階調値で前記表示手段に表示させるか否かについてのユーザの指示を検出する表示指示検出手段を備え、前記第一表示制御手段は、前記表示指示検出手段によって前記画像ピクセルと前記書き込みピクセルとを異なる階調値で前記表示手段に表示する指示が検出された場合、且つ、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させ、前記表示指示検出手段によって前記画像ピクセルと前記書き込みピクセルとを異なる階調値で前記表示手段に表示させない指示が検出された場合、且つ、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記画像階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させてもよい。この場合、ユーザに、画像ピクセルと書き込みピクセルとを異なる階調値で表示するか否かを選択させることができる。
【0016】
前記表示装置において、前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルのうち、前記書き込みピクセルから所定の範囲の前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させてもよい。この場合、書き込みピクセルの周囲の画像ピクセルの階調値を変更して、ユーザが書き込んだ表示を視認し易くすることができる。また、書き込みピクセルから所定の範囲以外のピクセルの階調値は、変更されないため、書き込みされた範囲をユーザが認識しやすくなる。
【0017】
本発明の第2の態様に係る表示制御プログラムは、ピクセル毎に単色を複数の階調値で表示して、記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を表示可能な表示手段を備えた表示装置において実行される表示制御プログラムであって、前記表示装置のCPUに、前記表示手段に表示された前記画像に対してユーザによって入力される書き込み入力に対応する書き込み入力データを取得する入力取得ステップと、前記入力取得ステップによって前記書き込み入力データが取得されたことを検出する入力検出ステップと、前記入力取得ステップによって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出ステップによって検出された場合に、前記入力取得ステップによって取得された前記書き込み入力データに基づく前記書き込み入力に対応するピクセルである書き込みピクセル以外の前記画像のピクセルである画像ピクセルを、予め設定された前記画像ピクセルの階調値である画像階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを予め設定された所定の階調値である書き込み階調値で前記表示手段に表示させる第一表示制御ステップとを実行させる。
【0018】
この場合、画像ピクセルの階調値が所定の階調値とは異なる階調値になるように調整されて表示されると共に、書き込みピクセルが表示される。画像の階調値を調整することが可能なので、ユーザが書き込んだ文字等を、視認し易く表示することできる。このため、ユーザは、文字等が視認し易い状態で、書き込み入力をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】表示装置1の物理的構成を示す正面図である。
【図2】ディスプレイ22に表示される画像の一例を説明するための表示装置1の正面図である。
【図3】表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第一階調値データテーブル51を示す模式図である。
【図5】第二階調値データテーブル52を示す模式図である。
【図6】第三階調値データテーブル53を示す模式図である。
【図7】メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】例示画像データテーブル54を示す模式図である。
【図9】例示画像データテーブル54を示す模式図である。
【図10】ディスプレイ22に表示される画像の一例を説明するための表示装置1の正面図である。
【図11】ディスプレイ22に表示される画像の一例を説明するための表示装置1の正面図である。
【図12】ディスプレイ22に表示される画像の一例を説明するための表示装置1の正面図である。
【図13】第二階調値データテーブル52を示す模式図である。
【図14】ディスプレイ22に表示される画像の一例を説明するための表示装置1の正面図である。
【図15】第二階調値データテーブル52を示す模式図である。
【図16】例示画像データテーブル54を示す模式図である。
【図17】ディスプレイ22に表示される画像の一例を説明するための表示装置1の正面図である。
【図18】選択処理を示すフローチャートである。
【図19】ディスプレイ22に表示される画像の一例を説明するための表示装置1の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る表示装置及び制御プログラムを具現化した表示装置1について、図面を参照して説明する。なおこれらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている表示装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0021】
図1および図2を参照し、表示装置1の概要について説明する。表示装置1は、正面視略長方形状を有している。表示装置1は、略長方形状のディスプレイ22を正面側に備えている。ディスプレイ22は、不揮発性の表示素子から構成されている。不揮発性の表示素子は、表示中の像を書き換える場合にのみ電力を必要とし、電力の供給が断たれても表示中の像を保持することが可能であるという特性を有している。ディスプレイ22としては、従来周知の様々な不揮発性の表示素子が使用可能である。例えば、マイクロカプセル方式や電気泳動式等の不揮発性の表示素子が使用可能である。
【0022】
ディスプレイ22は、ピクセル毎に単色を複数の階調値で表示して、画像を表示することが可能である。例えば、図2におけるディスプレイ22には、後述する例示画像が表示されている。本実施形態では、ピクセル毎に黒色単色で4つの階調値を表示することができるとする。つまり、ディスプレイ22の階調数は4である。詳細には、ディスプレイ22は、最も黒色の濃度が高い第一階調値、第一階調値より黒色の濃度が低い第二階調値、第二階調値より黒色の濃度が低い第三階調値、および黒色を表示しない階調値である第四階調値を表示することができる。なお、黒色を表示しない第四階調値である場合には、ディスプレイ22は白色になる。なお、図2等において、第一階調値で表示される領域は、黒色で塗り潰して表わし、第二階調値で表示される領域は、格子状の模様で表している。また、第三階調値で表示される領域は左右方向の点線で表し、第四階調値で表示される領域は、白色(図2等の紙面の色)で表している。
【0023】
ユーザは、ディスプレイ22に表示される画像に対して、後述する入力部34やタッチパネル36を使用して、種々の書き込み入力をすることができる。ユーザによって入力される書き込み入力に対応する書き込み入力データは、S105の処理(図7参照、後述)において取得される。以下の説明では、S105の処理(図7参照、後述)において取得された書き込み入力データに基づく書き込み入力に対応するピクセルを「書き込みピクセル」という。また、書き込みピクセル以外の、画像データに基づく画像のピクセルを、「画像ピクセル」という。また、書き込みピクセルがディスプレイ22に表示される場合の階調値を「書き込み階調値」という。また、ユーザによる書き込み入力によって、ディスプレイ22に表示される文字等を「書き込み表示」という。
【0024】
表示装置1は、ディスプレイ22の右側に、上下方向に一列に並んだ複数の選択ボタン15を備えている。選択ボタン15は、ディスプレイ22のうち選択ボタン15の左側部分に表示される選択メニューのうちいずれかを選択する場合に使用される。
【0025】
表示装置1は、選択ボタン15の右側に、電源スイッチ33と設定ボタン13と操作ボタン14とを備えている。上から順に、電源スイッチ33、設定ボタン13、操作ボタン14の順で並んでいる。電源スイッチ33は、表示装置1の電源のオン・オフを切り替える場合に、ユーザによって押下される。設定ボタン13と操作ボタン14とは、ディスプレイ22上に表示される画像に対する設定や操作等を行う場合に、ユーザによって押下される。
【0026】
表示装置1は、内部に電池31(図3参照)を備えている。表示装置1は、電池31を電源として動作する。電池31としては、例えば、従来周知のリチウムイオン電池やニッケル水素電池等が使用可能である。
【0027】
次に、図3を参照し、表示装置1の電気的構成について説明する。表示装置1は、CPU21とROM24とRAM25とフラッシュメモリ27を備えている。CPU21は、ディスプレイ22の表示制御等を司る。CPU21は、ROM24とRAM25とフラッシュメモリ27とに電気的に接続され、記憶領域にアクセスできる。ROM24は、プログラム記憶領域241を少なくとも備えている。プログラム記憶領域241には、CPU21が各種の処理等を実行するために必要なプログラムデータが記憶されている。
【0028】
RAM25は、第一モード設定記憶領域251と第二モード設定記憶領域252とを少なくとも備えている。第一モード設定記憶領域251には、階調値調整モードに設定されているか否かを示すデータが記憶される。第二モード設定記憶領域252には、範囲モードに設定されているか否かを示すデータが記憶される。
【0029】
階調値調整モードは、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易いように表示するために、画像の階調値を調整するモードである。ユーザは入力部34またはタッチパネル36を介して、階調値調整モードに設定するか否かの指示を表示装置1に入力する。ユーザによって階調値調整モードに設定する指示が入力されている場合、第一モード設定記憶領域251には、階調値調整モードが設定されていることを示すデータが記憶される。ユーザによって階調値調整モードに設定する指示が入力されていない場合、第一モード設定記憶領域251には、階調値調整モードが設定されていないことを示すデータが記憶される。
【0030】
範囲モードは、書き込みピクセルから所定数の範囲の画像ピクセルを、書き込みピクセルとは異なる階調値でディスプレイ22に表示させるモードである。ユーザは、入力部34またはタッチパネル36を介して、範囲モードに設定するか否かの指示を表示装置1に入力する。ユーザによって範囲モードを設定する指示が入力されている場合、第二モード設定記憶領域252には、範囲モードが設定されていることを示すデータが記憶される。ユーザによって範囲モードを設定する指示が入力されていない場合、第二モード設定記憶領域252には、範囲モードが設定されていないことを示すデータが記憶される。
【0031】
フラッシュメモリ27は、画像データ記憶領域271と第一階調値データテーブル記憶領域272と第二階調値データテーブル記憶領域273と第三階調値データテーブル記憶領域274とを少なくとも備えている。画像データ記憶領域271には、ディスプレイ22に表示される画像の画像データが記憶されている。第一階調値データテーブル記憶領域272には、後述する第一階調値データテーブル51が記憶されている。第二階調値データテーブル記憶領域273には、後述する第二階調値データテーブル52が記憶されている。第三階調値データテーブル記憶領域274には、後述する第三階調値データテーブル53が記憶されている。
【0032】
表示装置1は、メモリカードスロット26を備えている。メモリカードスロット26には、メモリカード35が挿入される。メモリカード35は、画像データ記憶領域351を少なくとも備えている。画像データ記憶領域351には、ディスプレイ22に表示される画像の画像データが記憶されている。CPU21はメモリカードスロット26を介してメモリカード35と電気的に接続する。CPU21は、メモリカード35の記憶領域にアクセスできる。
【0033】
表示装置1は、ディスプレイ22と表示制御部23とを備えている。表示制御部23は、ディスプレイ22の駆動制御を行う。CPU21は表示制御部23と電気的に接続されている。表示制御部23はディスプレイ22と電気的に接続されている。CPU21は、表示制御部23を介してディスプレイ22に所望の画像を表示させることができる。
【0034】
表示装置1は、電源スイッチ33を備えている。CPU21は電源スイッチ33と電気的に接続されている。CPU21は、ユーザによって電源スイッチ33が押下されたことを検出できる。表示装置1は、選択ボタン15と設定ボタン13と操作ボタン14と(以下、これらを総称して「入力部34」という。)を備えている。CPU21は入力部34と電気的に接続されている。CPU21は、ユーザによって入力部34が操作されたことを検出できる。
【0035】
表示装置1は、ディスプレイ22の前面に透明なタッチパネル36を備えている。CPU21は、タッチパネル36と電気的に接続されている。ユーザは、指または入力用のタッチペンで、タッチパネル36に触れることによって、ディスプレイ22の表示された画像に対して書き込み入力をしたり、種々の指示の入力をしたりすることができる。
【0036】
表示装置1は、電池31と電源制御部30とを備えている。CPU21は、電源制御部30と電気的に接続されている。電池31は電源制御部30と電気的に接続されている。CPU21やその他のデバイスは、電池31から電源制御部30を介して供給される電力によって駆動する。なお、図示しないが、表示装置1には、USB(Universal Serial Bus)ケーブルが接続されるUSBコネクタとACアダプタが接続されるACコネクタが設けられている。また、電池31の充電を行う充電回路が設けられている。充電回路は、USBコネクタ又はACコネクタから供給される電流により、電池31を充電することができる。
【0037】
次に、図4の第一階調値データテーブル51を参照して、画像データにおけるピクセルの階調値について説明する。第一階調値データテーブル51は、第一階調値データテーブル記憶領域272に記憶されている。第一階調値データテーブル51は、画像データに含まれる各ピクセルのデータ(以下、「ピクセルデータ」という。)の第一ビット7と第二ビット8との設定に基づいて、ピクセルの階調値を決定してディスプレイ22に表示するためのデータテーブルである。第一階調値データテーブル51は、S104の処理(図7参照)および階調値調整モードに設定されていない場合に実行されるS111の処理(図7参照、後述)において参照される。第一階調値データテーブル51を参照して画像を表示する場合とは、階調値を調整することなく、予め定められた所定の階調値で画像をディスプレイ22に表示する場合である。
【0038】
図4に示すように、画像データ記憶領域271,351に記憶されている画像データにおける各ピクセルデータは、画像のピクセル毎の階調値を表す第一ビット7と、第一ビット7に対応付けられる第二ビット8とを含んでいる。
【0039】
第一ビット7は、2つのビット71,72で構成されている。第二ビット8は2つのビット81,82で構成されている。各ビット71,72,81,82には、「1」または「0」のデータが設定される。なお、第二ビットが2つのビット81,82であるのは例示であり、ビットの数は限定されない。例えば、第二ビットが1つのビットでもよいし、2以上の複数のビットであってもよい。また、第一ビットが2つのビット71,72であるのは例示であり、ビットの数は限定されず、例えば、2以上の複数のビットであってもよい。
【0040】
図4に示すように、第一ビット7のビット71,72、および第二ビット8のビット81,82の値が「1100」(つまり、ビット71が「1」、ビット72が「1」、ビット81が「0」、ビット82が「0」。以下同様)である画像ピクセルは、第一階調値に対応付けられている。同様に、ビット71,72,81,82の値が「1000」である画像ピクセルは、第二階調値に対応付けられ、ビット71,72,81,82の値が「0100」である画像ピクセルは、第三階調値に対応付けられている。ビット71,72、81,82の値が「0000」である画像ピクセルは、第四階調値に対応付けられている。画像ピクセルの第二ビット8のビット81,82はすべて「00」である。つまり、画像ピクセルの階調値は、第一ビット7の値によって決定されている。
【0041】
ユーザによって画像に対して書き込み入力が行われた場合、S109の処理(図7参照、後述)において、第二ビット8が所定の値に設定される。つまり、書き込み入力が行われれば、第二ビット8のビット81,82が「11」(つまり、ビット81が「1」、ビット82が「1」。以下同様)、「10」、「01」のいずれかに設定される。詳細には、書き込み入力が行われた場合、第二ビット8のビット81,82は、それぞれ、S102の処理(図7参照、後述)で識別されるユーザ毎に割り当てられて「1」に設定される(図7のS109、後述)。例えば、ユーザ「Mike」が書き込み入力を行ったピクセルでは、ビット81が「1」に設定され、ユーザ「Jane」が書き込み入力を行ったピクセルでは、ビット82が「1」に設定される。言い換えると、第二ビット8は、S102の処理(図7参照)において識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に設定される。このため、第二ビット8の値を参照することで、書き込み入力を行ったユーザを特定することができる。
【0042】
図4に示すように、書き込みピクセルは、第一階調値に対応付けられている。つまり、第一ビット7の値に関わらず、第二ビット8のビット81,82が示す値が「11」、「10」、「01」である場合、ピクセルは第一階調値で表示される。なお、書き込みピクセルの階調値は、第一ビット7の値に影響されないため、図4において、ビット71,72は空欄で示している。また、書き込みピクセルに対応付けられている第一階調値が、書き込み階調値である。
【0043】
次に、図5を参照して、第二階調値データテーブル52について説明する。第二階調値データテーブル52は、階調値調整モードが設定されおり、範囲モードが設定されていない場合に、後述するS113の処理(図7参照)において参照される。
【0044】
図5に示すように、ビット71,72,81,82の値が「1100」である画像ピクセルは、第一階調値データテーブル51(図4参照)の場合と異なり、第二階調値に対応付けられている。また、他の画像ピクセルと書き込みピクセルは、第一階調値データテーブル51(図4参照)と同じ階調値に対応付けられている。この結果、すべての画像ピクセルは、書き込み階調値である第一階調値とは異なる階調値に対応付けられている。このため、第二階調値データテーブル52を参照して画像を表示した場合、画像ピクセルを書き込み階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示すると共に、書き込みピクセルを書き込み階調値でディスプレイ22に表示することができる。これによって、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易いように表示することができる。詳細については、後述する。
【0045】
次に、図6を参照して、第三階調値データテーブル53について説明する。第三階調値データテーブル53は、階調値調整モードが設定されており、範囲モードが設定されている場合に、後述するS114の処理(図7参照)において参照される。
【0046】
図6に示すように、ビット71,72,81,82の値が「1100」である画像ピクセルのうち、書き込みピクセルから所定数の範囲の画像ピクセルは第二階調値に対応付けられ、書き込みピクセルから所定数の範囲以外の画像ピクセルは、第一階調値に対応付けられている。また、他の画像ピクセルと書き込みピクセルとは、第一階調値データテーブル51(図4参照)と同じ階調値に対応付けられている。このため、第三階調値データテーブル53を参照して画像を表示した場合、書き込みピクセルから所定数の範囲の画像ピクセルを書き込み階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示すると共に、書き込みピクセルを書き込み階調値でディスプレイ22に表示することができる。これによって、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易いように表示することができる。詳細については、後述する。
【0047】
次に、具体例を示しながら、図7に示すフローチャートを参照して、本実施形態のCPU21によるメイン処理について説明する。メイン処理は、表示装置1の電源がオンされることを契機に開始される。
【0048】
図7に示すように、本実施形態のCPU21によるメイン処理では、まず、ユーザIDの入力画像がディスプレイ22に表示される(S101)。次いで、ユーザによって、ユーザIDが入力されたか否かが判断される(S102)。CPU21は、S102の処理において、ユーザIDを取得して、取得したユーザIDに基づいて表示装置1を操作するユーザを識別することができる。なお、ユーザは、入力部34またはタッチパネル36を使用して、S101の処理で表示された入力画面にユーザIDを入力する。ユーザIDが入力されていない場合には(S102:NO)、S102に戻り、処理が繰り返される。ユーザIDが入力された場合には(S102:YES)、ユーザによって、入力部34またはタッチパネル36を介して、画像の表示の指示が入力されたか否かが判断される(S103)。なお、ユーザは、ディスプレイ22に表示させる画像を選択することで、画像の表示の指示を入力する。
【0049】
画像の表示の指示が入力されていない場合には(S103:NO)、S103に戻り、処理が繰り返される。画像の表示の指示が入力された場合には(S103:YES)、画像データ記憶領域271または画像データ記憶領域351に記憶されている画像データに基づく画像がディスプレイ22に表示される(S104)。このとき、画像データと、第一階調値データテーブル51とが参照されて、画像がディスプレイ22に表示される。次に、S105の処理が行われる。
【0050】
例えば、ユーザ「Mike」が、書き込み入力を行う場合について述べる。画像データ記憶領域271に記憶されている画像データは、図8に示す例示画像データテーブル54のデータを含んでいるとする。また、図8に示す例示画像データテーブル54のデータを含む画像データを、例示画像データといい、例示画像データに基づいて表示される画像を例示画像という。以下、この例示を「第一具体例」という、図8において、領域221は、ディスプレイ22の左上部の領域であり、領域222は、ディスプレイ22の右上部の領域である(図2参照)。領域223は、ディスプレイ22の左下部の領域であり、領域224は、ディスプレイ22の右下部の領域である(図2参照)。
【0051】
図8に示すように、例示画像データテーブル54において、領域221に存在するピクセルのビット71,72,81,82は「1100」であり、領域222に存在するピクセルのビット71,72,81,82は「1000」である。領域223に存在するピクセルのビット71,72,81,82は、「0100」であり、領域224に存在するピクセルのビット71,72,81,82は「0000」である。
【0052】
第一具体例において、ユーザ「Mike」は、ユーザID「Mike」を入力する。ユーザIDが入力され(S102:YES)、例示画像データに基づく例示画像の表示の指示が入力されると(S103:YES)、例示画像データと第一階調値データテーブル51とに基づいて、図2に示す例示画像がディスプレイ22に表示される(S104)。
【0053】
例示画像データテーブル54(図8参照)において、領域221のビット71,72,81,82は、「1100」である。そして、第一階調値データテーブル51(図4参照)において、「1100」は、第一階調値に対応付けられている。このため、S103の処理では、図2に示すように、領域221が、第一階調値で表示される。同様に、領域222は第二階調値で表示され、領域223は第三階調値で表示され、領域224は第四階調値で表示される。次いで、S105の処理が行われる。
【0054】
S105の処理では、ディスプレイ22に表示された画像に対してユーザによって入力される書き込み入力に対応する書き込み入力データが取得される(S105)。なお、ユーザは、入力部34またはタッチパネル36を使用して書き込み入力を行う。次いで、S105の処理において書き込み入力データが取得されたか否かが判断される(S106)。これによって、S105の処理において書き込み入力データが取得されたことが検出される。ユーザが書き込み入力を行っておらず、書き込み入力データが取得されていないと判断された場合には(S106:NO)、ユーザによって、過去にユーザが書き込んだ書き込み表示をディスプレイ22に表示する指示(以下、「書き込み表示指示」という。)が入力されたか否かが判断される。書き込み表示指示が入力されていない場合には(S107:NO)、S105に戻り、処理が繰り返される。
【0055】
ユーザが書き込み入力を行い、S106の処理において、書き込み入力データが取得されたと判断された場合には(S106:YES)、S105の処理において取得された書き込み入力データに基づいて、書き込みピクセルが特定される(S108)。
【0056】
次いで、画像データ記憶領域271,351に記憶されている画像データにおいて、S108の処理で特定された書き込みピクセルの第二ビット8が、S102の処理において識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に設定される(S109)。S109の処理では、第二ビット8のビット81,82のうちの一のビットが「1」に設定される。詳細には、第二ビット8のビット81,82は、それぞれ、S102の処理で識別されたユーザ毎に割り当てられて「1」に設定される。
【0057】
次いで、第一モード設定記憶領域251が参照され、階調値調整モードの設定がされているか否かが判断される(S110)。なお、S107の処理において、書き込み表示指示が入力されたと判断された場合にも(S107:YES)、S110の処理が行われる。階調値調整モードの設定がされていない場合には(S110:NO)、画像データと第一階調値データテーブル51とが参照されて、画像と書き込み表示とがディスプレイ22に表示される(S111)。次いで、S105に戻り、処理が繰り返される。
【0058】
例えば、第一具体例の場合、ユーザ「Mike」が、タッチパネル36を介して、領域221に、文字「C」を書き込み、領域222に文字「D」を書き込むとする。また、領域223に文字「E」を書き込み、領域224に文字「F」を書き込むとする。文字を記載する順序は、「C」「D」「E」「F」の順であるとする。以下、文字「C」、文字「D」、文字「E」、文字「F」を、単に「C」、「D」、「E」、「F」と表わす。また、ユーザ「Mike」は、階調値調整モードを設定していないとする。
【0059】
この場合、ユーザ「Mike」が領域221に「C」を書き込み始めると、表示装置1のCPU21によって、書き込み入力データが取得され(S105)、書き込み入力データが取得されたと判断される(S106:YES)。そして、書き込みピクセルが特定され(S108)、領域221の書き込みピクセルの第二ビット8の値が設定される(S109)。S109の処理では、第二ビット8のビット81が、S102の処理で識別されたユーザ「Mike」に割り当てられて「1」に設定されるとする。これによって、第二ビット8が、S102の処理において識別されたユーザ「Mike」によって書き込まれたことを示す値に設定される。
【0060】
そして、階調値調整モードの設定ではないと判断され(S110:NO)、画像データと第一階調値データテーブル51とが参照されて、画像と書き込み表示とがディスプレイ22に表示される(S111)。そして、ユーザ「Mike」が「C」「D」「E」「F」の書き込み入力を継続すると、S106、S108〜S111の処理が繰り返されて、ユーザ「Mike」による書き込み表示が逐次ディスプレイ22に表示される。
【0061】
ユーザ「Mike」が「C」「D」「E」「F」をすべて書き込んだ場合、S109の処理によって、例示画像データテーブル54は図9に示すように設定される。領域221のビット71,72,81,82は「1100」であるため、ユーザ「Mike」によって領域221に「C」が書き込まれると、「C」に対応する書き込みピクセルは、「1110」となる。つまり、ビット81が「1」に設定される。同様に、「D」に対応する書き込みピクセルは「1010」となり、「E」に対応する書き込みピクセルは「0110」となり、「F」に対応する書き込みピクセルは「0010」となる。
【0062】
そして、S111の処理によって逐次ディスプレイ22に表示され、「C」「D」「E」「F」がすべて書き込まれた場合、ディスプレイ22に表示される例示画像は、図10に示す画像となる。例示画像データテーブル54(図9参照)において、「C」に対応する書き込みピクセルのビット71,72,81,82は、「1110」である。そして、第一階調値データテーブル51(図4参照)において、「1110」は、第一階調値に対応付けられている。このため、S209の処理では、「C」は第一階調値で表示される。しかし、領域221の階調値も第一階調値であるため、図10において、領域221と「C」とが重なってしまい、「C」が視認できない状態となっている。
【0063】
同様に、「D」「E」「F」は、すべて第一階調値で表示される。領域222,223,224の階調値は、それぞれ、書き込み階調値とは異なる第二階調値、第三階調値、第四階調値で表示される。このため、図10に示すように、「D」「E」「F」は、視認可能な状態となっている。
【0064】
図7のS110の処理において、階調値調整モードの設定であると判断された場合には(S110:YES)、第二モード設定記憶領域252が参照され、範囲モードに設定されているか否かが判断される(S112)。範囲モードに設定されていない場合には(S112:NO)、画像データと第二階調値データテーブル52とが参照されて、画像と書き込み表示とがディスプレイ22に表示される(S113)。次いで、S105に戻り、処理が繰り返される。
【0065】
例えば、ユーザ「Mike」は、階調値調整モードを設定しており、範囲モードを設定していないとする。その他の条件は、第一具体例の場合と同様であるとする。以下、この例示を第二具体例という。第二具体例の場合、S110の処理において、階調値調整モードに設定されていると判断され(S110:YES)、範囲モードに設定されていないと判断され(S112:NO)、S113の処理において、画像と書き込み表示とがディスプレイ22に表示される。
【0066】
第一具体例の場合と同様に、第二具体例では、ユーザ「Mike」が「C」「D」「E」「F」を書き込むと、図9に示す例示画像データテーブル54のように設定される(S109)。そして、S113の処理によって、「C」「D」「E」「F」が逐次ディスプレイ22に表示される。「C」「D」「E」「F」がすべて書き込まれた場合、ディスプレイ22に表示される例示画像は、図11に示す画像となる。
【0067】
例示画像データテーブル54(図9参照)において、領域221のビット71,72,81,82は「1100」である。そして、第二階調値データテーブル52(図5参照)において、「1100」は、第二階調値に対応付けられている。このため、S113の処理では、領域221の画像ピクセルは第二階調値で表示される(図11参照)。
【0068】
また、例示画像データテーブル54(図9参照)において、「C」に対応する書き込みピクセルのビット71,72,81,82は、「1110」である。そして、第二階調値データテーブル52(図5参照)において、「1110」は、第一階調値に対応付けられている。このため、S113の処理では、「C」に対応する書き込みピクセルは第一階調値で表示される(図11参照)。同様に、「D」「E」「F」に対応する書き込みピクセルは、すべて第一階調値で表示される。領域222,223,224の画像ピクセルは、それぞれ、書き込み階調値とは異なる第二階調値、第三階調値、第四階調値で表示される。
【0069】
以上、第二具体例の場合、画像ピクセルを、書き込み階調値である第一階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示すると共に、「C」「D」「E」「F」に対応する書き込みピクセルを書き込み階調値である第一階調値で、ディスプレイ22に表示することができる。画像ピクセルと書き込みピクセルとの階調値が異なるので、図10の「C」の場合と異なり、ユーザが書き込んだ文字を視認し易いように表示することができる。また、ユーザ「Mike」は、書き込んだ文字等を視認し易い状態で、「C」「D」「E」「F」を逐次書き込むことができる。
【0070】
図7に示すように、S112の処理において、範囲モードに設定されていると判断された場合には(S112:YES)、画像データと第三階調値データテーブル53(図6参照)とが参照されて、画像と書き込み表示とがディスプレイ22に表示される(S114)。次いで、S105に戻り、処理が繰り返される。
【0071】
例えば、ユーザ「Mike」は、階調値調整モードを設定しており、範囲モードを設定しているとする。その他の条件は、第一具体例の場合と同様であるとする。以下、この例示を第三具体例という。第三具体例の場合、階調値調整モードに設定されていると判断され(S110:YES)、範囲モードに設定されていると判断され(S112:YES)、S114の処理において、画像と書き込み表示とがディスプレイ22に表示される。
【0072】
第三具体例では、第一、第二具体例の場合と同様に、ユーザ「Mike」が「C」「D」「E」「F」を書き込むと、図9に示す例示画像データテーブル54のように設定される(S109)。そして、S114の処理によって、「C」「D」「E」「F」が逐次ディスプレイ22に表示される。「C」「D」「E」「F」がすべて書き込まれた場合、ディスプレイ22に表示されている例示画像は、図12に示す画像となる。
【0073】
例示画像データテーブル54(図9参照)において、領域221のビット71,72,81,82は、「1100」である。そして、第三階調値データテーブル53(図6参照)において、書き込みピクセルから所定数の範囲の、ビット71,72,81,82が「1100」である画像ピクセルは、第二階調値に対応付けられている。また、書き込みピクセルから所定数の範囲以外の、ビット71,72,81,82が「1100」である画像ピクセルは、第一階調値に対応付けられている。第三具体例の場合、所定数は、10ピクセルであるとする。また、例示画像データテーブル54(図9参照)において、「C」に対応する書き込みピクセルのビット71,72,81,82は、「1110」に対応付けられている。そして、第三階調値データテーブル53において、「1110」は、第一階調値に対応付けられている。
【0074】
このため、S114の処理では、「C」が第一階調値で表示され、領域221における「C」から10ピクセルの範囲の画像ピクセルは、第二階調値で表示され、「C」から10ピクセルの範囲以外の画像ピクセルは第一階調値で表示される(図12参照)。同様に「D」「E」「F」はすべて第一階調値で表示される。領域222,223,224の階調値は、それぞれ、書き込み階調値とは異なる第二階調値、第三階調値、第四階調値で表示される。
【0075】
以上、第三具体例の場合、画像ピクセルのうち、「C」に対応する書き込みピクセルから10ピクセルの範囲の画像ピクセルを書き込み階調値である第一階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示すると共に、「C」「D」「E」「F」に対応する書き込みピクセルを書き込み階調値である第一階調値でディスプレイ22に表示することができる。「C」に対応する書き込みピクセルと、「C」の周囲の画像ピクセルとの階調値が異なるので、図10の「C」の場合と異なり、ユーザが書き込んだ文字等が視認し易いように、表示することができる。また、「C」に対応する書き込みピクセルから所定数の範囲以外の画像ピクセルの階調値は、図2の階調値と変更されないため、ユーザによって書き込み入力が行われた範囲をユーザが認識し易くなる。また、広い範囲の画像ピクセルの階調値を、図2と同じ階調値のまま表示することができる。また、ユーザ「Mike」は、書き込んだ文字等を視認し易い状態で、「C」「D」「E」「F」を逐次書き込むことができる。
【0076】
次に、上記第一〜第三具体例において、図9に示すように、「C」「D」「E」「F」のビット71,72,81,82が設定された後、一旦表示装置1の電源をオフし、再度例示画像データに基づく例示画像をディスプレイ22に表示させる場合について述べる。この例示を第四具体例という。
【0077】
第四具体例の場合、S101〜S104の処理は、第一〜第三具体例の場合と同様である。そして、ユーザは書き込み入力をしていないので、書き込み入力データが取得されていないと判断される(S106:NO)。そして、ユーザによって、書き込み表示指示が入力された場合には(S107:YES)、階調値調整モードに設定されているか否かが判断される(S110)。階調値調整モードに設定されていない場合には(S110:NO)、例示画像データテーブル54(図9参照)および第一階調値データテーブル51(図4参照)が参照され、図10に示す例示画像がディスプレイ22に表示される。
【0078】
また、階調値調整モードに設定されており(S110:YES)、範囲モードに設定されていない場合には(S112:NO)、例示画像データテーブル54(図9参照)および第二階調値データテーブル52(図5参照)が参照され、図11に示す例示画像がディスプレイ22に表示される。また、階調値調整モードに設定されており(S110:YES)、範囲モードに設定されている場合には(S112:YES)、例示画像データテーブル54および第三階調値データテーブル53(図6参照)が参照され、図12に示す例示画像がディスプレイ22に表示される。
【0079】
以上、第四具体例の場合、ユーザは、書き込み表示指示を行うか否かを選択することによって、書き込み表示をディスプレイ22に表示するか否かを選択することができる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態におけるメイン処理が行われる。本実施形態では、書き込み入力データが取得され(S106:YES)、階調値調整モードに設定されていなければ(S110:NO)、S111の処理が行われる。S111の処理で表示される画像は、例えば、図10の領域221および「C」のように、画像ピクセルと書き込みピクセルとが同じ階調値で表示される場合がある。一方、階調値調整モードに設定されていれば(S110:YES)、S113またはS114の処理が行われる。S113またはS114の処理で表示される画像は、図11または図12に示すように、画像ピクセルと書き込みピクセルとが異なる階調値で表示される。つまり、ユーザは、階調値調整モードに設定するか否かを選択することによって、画像ピクセルと書き込みピクセルとを異なる階調値で表示するか否かを選択することができる。
【0081】
また、本実施形態では、S102の処理において識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に第二ビット8を設定することができる(S109)。言い換えると、書き込み入力を行ったユーザ毎に異なる値に第二ビット8を設定することができる。そして、設定された第二ビット8の値に基づいて、画像ピクセルと書き込みピクセルとを異なる階調値で表示することができる(S113およびS114)。このため、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易く表示することができる。よって、ユーザは、書きこんだ文字等を視認し易い状態で書き込み入力をすることができる。
【0082】
上記実施形態において、画像データ記憶領域271,351が本発明の「記憶手段」に相当し、ディスプレイ22が本発明の「表示手段」に相当する。図7のS105の処理を行うCPU21が本発明の「入力取得手段」に相当し、図7のS106の処理を行うCPU21が本発明の「入力検出手段」に相当する。第一階調値データテーブル51(図4参照)を参照して、ディスプレイ22に表示される画像ピクセルの階調値が、本発明の「画像階調値」に相当する。図7のS113、S114の処理を行うCPU21が本発明の「第一表示制御手段」に相当し、図7のS109の処理を行うCPU21が本発明の「ビット設定手段」に相当する。図7のS102の処理を行うCPU21が本発明の「識別手段」に相当し、図7のS110の処理を行うCPU21が本発明の「表示指示検出手段」に相当する。図7のS105の処理を行うCPU21が本発明の「入力取得ステップ」に相当し、図7のS106の処理が本発明の「入力検出ステップ」に相当する。図7のS113、S114の処理が本発明の「第一表示制御ステップ」に相当する。
【0083】
なお、本発明の表示装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、4つの階調値で表示可能なディスプレイ22を用いていたが、階調値の数は限定されない。例えば、10の階調値で表示可能なディスプレイ22を用いてもよい。
【0084】
また、S102の処理においてユーザIDを取得してユーザを識別し、S109の処理において、取得したユーザIDに基づいて、第二ビット8の値を設定していたが、これに限定されない。例えば、ユーザIDではなく、複数の表示装置1毎にそれぞれ異なる値に設定された、表示装置1のIDを取得してユーザを識別し、取得した表示装置1のIDに基づいて第二ビット8の値を設定してもよい。このようにすれば、例えば、同一のメモリカード35を複数の表示装置1で使用する場合など、同一の画像データに基づく画像に対して複数の表示装置1において書き込み入力が行われた場合に、書き込み入力が行われた表示装置1を識別することができる。このため、複数の表示装置1がそれぞれ異なるユーザによって使用されている場合、書き込み入力を行ったユーザを識別することができる。
【0085】
また、例示画像は説明のために図2等に示す領域221,222,223,224に分けられているが、これに限定されない。例えば、図2等に示す例示画像よりもさらに詳細に領域が分けられていてもよい。また、領域に分けなくてもよい。例えば、画像データが文章を有する画像のデータであり、文章が最も濃く表示されるように第一階調値で設定され、書き込みピクセルも第一階調値に設定されている場合について述べる。この場合に、ユーザが書き込み入力を行い、階調値調整モードが設定されていない場合(S110:NO、図7参照)、S111の処理(図7参照)で表示される画像は、元の画像の文章と、ユーザが書き込みを行った文字等が同じ第一階調値で表示される。この結果、元の画像の文章と、ユーザが書き込みを行った文字等の双方が視認し難くなる。しかし、S113の処理およびS114の処理(図7参照)を行った場合、元の画像の文章の階調値が調整されて表示されるため、元の画像の文章と、ユーザが書き込みを行った文字等の双方が視認し易くなる。
【0086】
また、S114の処理(図7参照)では、書き込みピクセルから所定数の範囲の画像ピクセルを書き込み階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示していた。「所定数の範囲」であることは例示であり、これに限定されず、「所定の範囲」であればよい。例えば、書き込みピクセルから所定の距離(例えば、5mm)の範囲の画像ピクセルを書き込み階調とは異なる階調でディスプレイ22に表示してもよい。
【0087】
また、第二ビット8は予め第一ビット7に対応付けられていたが、これに限定されない。例えば、最初は第二ビット8が第一ビット7に対応付けられておらず、S109の処理(図7参照)において第二ビット8の値を設定する場合に、第二ビット8を第一ビット7に新たに対応付けてもよい。
【0088】
また、第二ビット8は画像データ記憶領域271,351に記憶されていたが、これに限定されない。例えば、第二ビット8はRAM25に記憶し、画像データ記憶領域271,351に記憶されている画像データにおける第一ビット7に対応付けてもよい。また、画像データ記憶領域271,351に記憶されている画像データをRAM25に記憶し、RAM25に記憶された第一ビット7に第二ビット8を対応付けてもよい。
【0089】
また、S113の処理において、すべての画像ピクセルが書き込み階調値とは異なる階調値で表示されていた。また、S114の処理において、書き込みピクセルから所定数の範囲のすべての画像ピクセルが書き込み階調値とは異なる階調値で表示されていた。しかし、これに限定されない。例えば、書き込みピクセルに隣接する一部の画像ピクセルが書き込み階調値と同一の階調値であってもよい。この場合でも、他の画像ピクセルの階調値を調整して、文字等を視認し易く表示すればよい。つまり、予め設定された画像ピクセルの階調値とは異なる階調値で、画像ピクセルをディスプレイ22に表示すると共に、書き込みピクセルを書き込み階調値でディスプレイ22に表示させてもよい。この場合、画像ピクセルの階調値を調整することで、書き込み表示以外の画像の階調値を調整することが可能なので、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易いように表示することができる。このため、ユーザは、文字等が視認し易い状態で書き込み入力をすることができる。
【0090】
また、S109の処理では、第二ビット8がS102の処理において識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に設定されていたが、これに限定されない。例えば、書き込んだユーザを識別せず、S105の処理で書き込み入力データが取得された場合に、任意の値に第二ビット8を設定してもよい。言い換えると、S105の処理で取得されたことを示す値に第二ビット8を設定してもよい。このようにしても、第二ビット8の値を参照することで、CPU21は、画像ピクセルと書き込みピクセルとを区別することができる。このため、S113およびS114の処理において、画像ピクセルを書き込み階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示すると共に、S105の処理で取得されたことを示す値に第二ビット8が設定されている書き込みピクセルを書き込み階調値でディスプレイ22に表示することができる。よって、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易く表示することができる。また、ユーザは、視認し易い状態で書き込み入力を行うことができる。
【0091】
また、書き込み階調値が第一階調値であったが、これに限定されない。例えば、書き込み階調値が第二階調値でもよい。例えば、第二階調値データテーブル52(図5参照)を図13に示すように変更することで、S113の処理における書き込み階調値を第二階調値にすることができる。
【0092】
図13に示す第二階調値データテーブル52において、書き込みピクセルは、第二階調値に対応付けられている。つまり、第二階調値が書き込み階調値である。また、ビット71,72,81,82が「1100」、「1000」である画像ピクセルは、第一階調値に対応付けられている。その他の画像ピクセルの階調値は、図5の場合と同じ階調値に対応付けられている。
【0093】
S113の処理(図7参照)において図13に示す第二階調値データテーブル52を参照すること以外の条件は、第二具体例と同様の条件である場合について述べる。この例示を第五具体例という。第五具体例の場合において、S113の処理が実行されると、例示画像データテーブル54(図9参照)と第二階調値データテーブル52(図13参照)とが参照され、図14に示す例示画像がディスプレイ22に表示される。
【0094】
例示画像データテーブル54(図9参照)において、領域221のビット71,72,81,82は「1100」である。そして、第二階調値データテーブル52(図13参照)において、「1100」は第一階調値に対応付けられている。このため、第二具体例の場合における例示画像(図11参照)とは異なり、領域221の画像ピクセルは、第一階調値で表示される(図14参照)。同様に、第二具体例の場合における例示画像(図11参照)とは異なり、領域222の画像ピクセルは第一階調値で表示され、「C」「D」「E」「F」に対応する書き込みピクセルは第二階調値で表示される(図14参照)。また、領域223および領域224は、第二階調値ではない。
【0095】
以上、第五具体例の場合、画像ピクセルを書き込み階調値である第二階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示すると共に、「C」「D」「E」「F」に対応する書き込みピクセルを書き込み階調値である第二階調値で、ディスプレイ22に表示することができる。画像ピクセルと書き込みピクセルとの階調値が異なるので、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易いように表示することができる。
【0096】
また、書き込み階調値は第一階調値の一の階調値のみであったが、これに限定されない。例えば、書き込み階調値を複数の階調値にしてもよい。また、ユーザ毎にそれぞれ異なる書き込み階調値でディスプレイ22できるようにしてもよい。この場合、例えば、S113の処理において参照される、第二階調値データテーブル52(図5参照)を図15に示すように変更すればよい。
【0097】
図15に示すように、画像ピクセルのうち、ビット71,72,81,82が「1100」、「1000」、「0100」である画像ピクセルは第三階調値に対応付けられている。「0000」である画像ピクセルは第四階調値に対応付けられている。また、書き込みピクセルのうち、ビット81,82が「11」、「10」である書き込みピクセルは、第一階調値に対応付けられ、「01」である画像ピクセルは、第二階調値で対応付けられている。ビット81,82が「11」、「10」、「01」である書き込みピクセルに対応付けられた第一階調値および第二階調値が、書き込み階調値である。画像ピクセルは、書き込み階調値とは異なる第三階調値または第四階調値に対応付けられている。
【0098】
ここで、ユーザ「Mike」が「C」を、例示画像の領域221に書き込み、「E」を領域223に書き込んだとする。また、ユーザ「Jane」が「D」を領域222に書き込み、「F」を領域224に書き込んだとする。また、ユーザ「Mike」が書き込み入力を行った書き込みピクセルでは、S109の処理においてビット81が「1」に設定され、ユーザ「Jane」が書き込み入力を行った書き込みピクセルでは、S109の処理においてビット82が「1」に設定されるとする。以下、この例示を、第六具体例という。
【0099】
第六具体例の場合、S109の処理によって例示画像データテーブル54は、図16にように設定される。「C」「E」は、ユーザ「Mike」が入力しているため、ビット81が「1」と設定され、「D」「F」は、ユーザ「Jane」が入力しているため、ビット82が「1」と設定されている。そして、階調値調整モードが設定され(S110:YES)、範囲モードが設定されていない場合(S112:NO)、例示画像データテーブル54(図16参照)と第二階調値データテーブル52(図15参照)とが参照され、図17に示す例示画像が、ディスプレイ22に表示される(S113)。
【0100】
例示画像データテーブル54(図16参照)において、「D」「F」に対応する画像ピクセルのビット81,82は「01」である。そして、第二階調値データテーブル52(図15参照)において、「01」は第二階調値に対応付けられている。このため、S113の処理では、ユーザ「Jane」が書き込んだ「D」「F」に対応する書き込みピクセルは、第二階調値で表示される(図17参照)。同様に、ユーザ「Mike」が書き込んだ「C」「E」に対応する書き込みピクセルは、第一階調値で表示される。また、領域221,222,223は、第三階調値で表示され、領域224は、第四階調値で表示される。
【0101】
以上、第六具体例の場合、ユーザ毎に異なる階調値で、書き込み表示をディスプレイ22に表示することができる。このため、ユーザは、書き込み入力を行ったユーザがそれぞれ異なることを容易に視認することができる。また、画像ピクセルを書き込み階調値とは異なる階調値でディスプレイ22に表示することができる。このため、ユーザが書き込んだ文字等を視認し易いように表示することができる。
【0102】
また、ユーザの指示に従って、特定のユーザによって書き込まれた文字等を表示できるようにしてもよい。この場合、図7に示すメイン処理に加えて、図18に示す選択処理が行われる。メイン処理が実行されている間、選択処理も実行されている。選択処理は、CPU21によって実行される。
【0103】
図18に示す選択処理では、まず、S102の処理(図7参照)で識別されたユーザによる書き込み表示のうち、ユーザによって、特定のユーザによる書き込み表示が選択されたか否かが判断される(S201)。なお、CPU21は、書き込みを行ったユーザのユーザIDをディスプレイ22に表示することが可能である。ユーザは、表示されたユーザIDを、入力部34またはタッチパネル36を使用して選択することで、特定のユーザによる書き込み表示を選択する。
【0104】
特定のユーザによる書き込み表示が選択されていない場合には(S201:NO)、S201に戻り、処理が繰り返される。特定のユーザによる書き込み表示が選択された場合には(S201:YES)、選択されたユーザのユーザIDがRAM25に記憶される(S301)。次いで、S201に戻り、処理が繰り返される。
【0105】
CPU21は、図7に示すS111、S113、およびS114の処理において、S301の処理でRAM25に記憶されたユーザIDを参照する。そして、CPU21は、記憶されたユーザIDに対応する書き込みピクセルを、第二ビット8の値に基づいて選択し、画像ピクセルと選択した書き込みピクセルとをディスプレイ22に表示する(S111、S113、およびS114)。
【0106】
例えば、例示画像データテーブル54が図16に示すように設定され、第二階調値データテーブル52が図5に示すように設定されている場合について説明する。なお、階調値調整モードが設定されており、範囲モードが設定されていないとする。また、ユーザは、ユーザ「Mike」が書き込み入力を行った書き込み表示をディスプレイ22に表示させるとする。この例示を第七具体例という。
【0107】
第七具体例の場合において、ユーザによって、ユーザ「Mike」による書き込み表示が選択されると(S201:YES)、選択されたユーザのユーザID「Mike」がRAM25に記憶される(S301)。図7に示すように、書き込み表示指示が検出され(S107)、階調値調整モードが設定されており(S110:YES)、範囲モードが設定されていない場合(S112:NO)、S113の処理が行われる。
【0108】
例示画像データテーブル54(図16参照)において、ユーザ「Mike」が入力した書き込みピクセルは、ビット81が「1」である「C」「E」に対応する書き込みピクセルである。このため、S301の処理においてRAM25に記憶されたユーザID「Mike」が参照され、ユーザID「Mike」に対応する書き込みピクセルが、第二ビット8の値に基づいて選択される(S113)。つまり、ビット81が「1」である「C」「E」に対応する書き込みピクセルが選択される(S113)。そして、画像ピクセルと、選択された書き込みピクセルとが、ディスプレイ22に表示される(S113)。これによって、図19に示す例示画像がディスプレイ22に表示される。
【0109】
図19に示すように、例示画像データテーブル54(図16参照)においてビット81が「1」である「C」「E」が、第一階調値でディスプレイ22に表示されている。一方、ビット81が「0」である「D」「F」に対応する書き込むピクセルは、ディスプレイ22には表示されない。つまり、S201の処理において選択されたユーザ「Mike」が入力した書き込み表示がディスプレイ22に表示され、選択されていないユーザ「Jane」が入力した書き込み表示は、表示されていない。また、領域221,222,223,224は、「C」「E」の書き込み階調値である第一階調値とは異なる階調値で表示されている。このように、ユーザが選択した特定のユーザ「Mike」による書き込み表示と、画像とを異なる階調値で表示することができるため、ユーザは、特定のユーザが書き込んだ文字等を視認し易くなる。
【0110】
なお、本変形例において、S111、S113、およびS114の処理において、書き込みピクセルを選択する処理を行うCPU21が本発明の「選択手段」に相当する。S113およびS114の処理において、選択した書き込みピクセルと画像ピクセルとをディスプレイ22に表示する処理を行うCPU21が本発明の「第二表示制御手段」に相当する。
【符号の説明】
【0111】
1 表示装置
7 第一ビット
8 第二ビット
21 CPU
22 ディスプレイ
25 RAM
34 入力部
36 タッチパネル
51 第一階調値データテーブル
52 第二階調値データテーブル
53 第三階調値データテーブル
71,72,81,82 ビット
241 プログラム記憶領域
271,351 画像データ記憶領域
272 第一階調値データテーブル記憶領域
273 第二階調値データテーブル記憶領域
274 第三階調値データテーブル記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセル毎に単色を複数の階調値で表示して、記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を表示可能な表示手段を備えた表示装置であって、
前記表示手段に表示された前記画像に対してユーザによって入力される書き込み入力に対応する書き込み入力データを取得する入力取得手段と、
前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことを検出する入力検出手段と、
前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記入力取得手段によって取得された前記書き込み入力データに基づく前記書き込み入力に対応するピクセルである書き込みピクセル以外の前記画像のピクセルである画像ピクセルを、予め設定された前記画像ピクセルの階調値である画像階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを予め設定された所定の階調値である書き込み階調値で前記表示手段に表示させる第一表示制御手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを、前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶された前記画像データにおいて、前記各ピクセルについてのデータは、前記画像の前記ピクセル毎の階調値を表す複数のビットである第一ビットと、前記第一ビットに対応付けられる少なくとも1のビットである第二ビットとを含み、
前記書き込みピクセルにおける前記第二ビットを、前記入力取得手段によって取得されたことを示す値に設定するビット設定手段を備え、
前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを、前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記入力取得手段によって取得されたことを示す値に、前記ビット設定手段によって前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記書き込み入力を行うユーザを識別するための情報である識別情報を取得して、取得した前記識別情報に基づいてユーザを識別する識別手段を備え、
前記ビット設定手段は、前記書き込みピクセルにおける前記第二ビットを、前記識別手段によって識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に設定し、
前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記ビット設定手段によって前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを、前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記ビット設定手段によって前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを、識別されたユーザ毎にそれぞれ異なる前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
識別されたユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルのうち、特定のユーザによって書き込まれたことを示す値に、前記第二ビットが設定されている前記書き込みピクセルを、ユーザの指示に従って選択する選択手段を備え、
前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記選択手段によって選択された前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させる第二表示制御手段とを備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記画像ピクセルと前記書き込みピクセルとを異なる階調値で前記表示手段に表示させるか否かについてのユーザの指示を検出する表示指示検出手段を備え、
前記第一表示制御手段は、
前記表示指示検出手段によって前記画像ピクセルと前記書き込みピクセルとを異なる階調値で前記表示手段に表示する指示が検出された場合、且つ、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させ、
前記表示指示検出手段によって前記画像ピクセルと前記書き込みピクセルとを異なる階調値で前記表示手段に表示させない指示が検出された場合、且つ、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルを前記画像階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第一表示制御手段は、前記入力取得手段によって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出手段によって検出された場合に、前記画像ピクセルのうち、前記書き込みピクセルから所定の範囲の前記画像ピクセルを前記書き込み階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを前記書き込み階調値で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
ピクセル毎に単色を複数の階調値で表示して、記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を表示可能な表示手段を備えた表示装置において実行される表示制御プログラムであって、
前記表示装置のCPUに、
前記表示手段に表示された前記画像に対してユーザによって入力される書き込み入力に対応する書き込み入力データを取得する入力取得ステップと、
前記入力取得ステップによって前記書き込み入力データが取得されたことを検出する入力検出ステップと、
前記入力取得ステップによって前記書き込み入力データが取得されたことが、前記入力検出ステップによって検出された場合に、前記入力取得ステップによって取得された前記書き込み入力データに基づく前記書き込み入力に対応するピクセルである書き込みピクセル以外の前記画像のピクセルである画像ピクセルを、予め設定された前記画像ピクセルの階調値である画像階調値とは異なる階調値で前記表示手段に表示させると共に、前記書き込みピクセルを予め設定された所定の階調値である書き込み階調値で前記表示手段に表示させる第一表示制御ステップと
を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−53541(P2012−53541A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193791(P2010−193791)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】