説明

表示装置および表示方法、並びにプログラム

【課題】ユーザがタッチパネル上で操作を行う場合において、ユーザの操作性を向上させる。
【解決手段】ID認識部71は、タッチパネル上に設置される操作子を識別するための操作子IDを認識する。割当部72は、操作子に所定の機能を割り当てる。割当部72は、操作子の操作子IDと、その操作子に割り当てられた機能を表す名前とを対応付けて記録させる。指令部74は、ユーザによる操作子の操作に応じて、その操作子の操作子IDに対応する機能を表す名前を記録部から読み出し、読み出した名前が表す機能に対応する処理を実行させる。本発明は、例えば、ユーザの編集に関する操作を受け付ける編集装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示方法、並びにプログラムに関し、特に、ユーザがタッチパネル上で操作を行う場合において、ユーザの操作性を向上させることができるようにした表示装置および表示方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザからの操作を受け付ける操作ボタンは、装置の筐体に配置され、操作ボタンの配置を変更することは困難であった。しかしながら、ユーザの利き手などの身体的条件、ユーザが必要とする機能の数や内容などによって、使い勝手の良い操作ボタンの配置は異なるため、操作ボタンの配置を変更したいという要望があった。
【0003】
そこで、ユーザが指先などで直接画面に触れることにより操作可能なタッチパネルを用いたタッチスクリーン上に、ユーザからの操作を受け付ける操作ボタンを表示させる装置が考案されている。このような装置では、操作ボタンの表示位置を変更することにより、操作ボタンの配置を容易に変更することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−103735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、タッチスクリーンは、基本的に平面であり、手掛かりがないため、ディスプレイに表示されている操作ボタンを操作しにくかった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザがタッチパネル上で操作を行う場合において、ユーザの操作性を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の表示装置は、タッチパネルを有する表示装置において、前記タッチパネル上に設置される操作子と、前記操作子を識別するための識別情報を認識する認識手段と、前記操作子に所定の機能を割り当てる割当手段と、前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録する記録手段と、ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を前記記録手段から読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させる実行制御手段とを備える。
【0008】
前記操作子には、前記識別情報に対応する位置にピンが配置され、前記ピンは、前記操作子が押下されたとき前記タッチパネルに接触し、前記認識手段は、前記タッチパネルに接触した操作子のピンの配置に応じて前記識別情報を認識することができる。
【0009】
前記操作子には、前記識別情報に対応する形状のピンが設置され、前記ピンは、前記操作子が押下されたとき前記タッチパネルに接触し、前記認識手段は、前記タッチパネルに接触した操作子のピンの形状に応じて前記識別情報を認識することができる。
【0010】
前記実行制御手段により読み出された前記機能情報に対応する処理を実行する実行手段をさらに設け、前記操作子は、長方形の枠を有し、前記実行手段は、前記ユーザによる前記操作子の前記枠内の直線方向のスライド操作に応じて、前記機能情報に対応する処理を実行することができる。
【0011】
前記実行制御手段により読み出された前記機能情報に対応する処理を実行する実行手段をさらに設け、前記操作子は、円形の枠を有し、前記実行手段は、前記ユーザによる前記操作子の前記枠内の円周方向のスライド操作に応じて、前記機能情報に対応する処理を実行することができる。
【0012】
前記タッチパネルが積層される、画像を表示する表示手段と、前記操作子の識別情報に対応する機能情報に基づいて、前記操作子に割り当てられた機能を表す文字またはマークを、その操作子の近傍に対応する前記表示手段の位置に表示させる表示制御手段とをさらに設けることができる。
【0013】
本発明の一側面の表示方法は、操作子が上部に設置されるタッチパネルを有する表示装置の表示方法において、前記操作子を識別するための識別情報を認識し、前記操作子に所定の機能を割り当て、前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録させ、ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させるステップを含む。
【0014】
本発明の一側面のプログラムは、操作子が上部に設置されるタッチパネルを有する表示装置を制御するコンピュータに行わせるプログラムにおいて、前記操作子を識別するための識別情報を認識し、前記操作子に所定の機能を割り当て、前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録させ、ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させるステップを含む。
【0015】
本発明の一側面においては、操作子を識別するための識別情報が認識され、前記操作子に所定の機能が割り当てられ、前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とが対応付けて記録され、ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報が読み出され、読み出された前記機能情報に対応する処理が実行される。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の一側面によれば、ユーザは操作を行うことができる。
【0017】
また、本発明の一側面によれば、ユーザがタッチパネル上で操作を行う場合において、ユーザの操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0019】
本発明の一側面の表示装置は、
タッチパネル(例えば、図1のタッチパネル21)を有する表示装置(例えば、図1の編集装置10)において、
前記タッチパネル上に設置される操作子(例えば、図1の操作子41)と、
前記操作子を識別するための識別情報を認識する認識手段(例えば、図3のID認識部71)と、
前記操作子に所定の機能を割り当てる割当手段(例えば、図3の割当部72)と、
前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録する記録手段(例えば、図2の記録部58)と、
ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を前記記録手段から読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させる実行制御手段(例えば、図3の指令部74)と
を備える。
【0020】
本発明の一側面の表示装置は、
前記操作子には、前記識別情報に対応する位置にピン(例えば、図8のピン114−1乃至114−16)が配置され、
前記ピンは、前記操作子が押下されたとき前記タッチパネルに接触し、
前記認識手段は、前記タッチパネルに接触した操作子のピンの配置に応じて前記識別情報を認識する。
【0021】
本発明の一側面の表示装置は、
前記実行制御手段により読み出された前記機能情報に対応する処理を実行する実行手段(例えば、図3の編集部75)
をさらに備え、
前記操作子は、長方形の枠を有し、
前記実行手段は、前記ユーザによる前記操作子の前記枠内の直線方向のスライド操作に応じて、前記機能情報に対応する処理を実行する。
【0022】
本発明の一側面の表示装置は、
前記実行制御手段により読み出された前記機能情報に対応する処理を実行する実行手段(例えば、図3の編集部75)
をさらに備え、
前記操作子は、円形の枠を有し、
前記実行手段は、前記ユーザによる前記操作子の前記枠内の円周方向のスライド操作に応じて、前記機能情報に対応する処理を実行する。
【0023】
本発明の一側面の表示装置は、
前記タッチパネルが積層される、画像を表示する表示手段(例えば、図1のディスプレイ22)と、
前記操作子の識別情報に対応する機能情報に基づいて、前記操作子に割り当てられた機能を表す文字またはマークを、その操作子の近傍に対応する前記表示手段の位置に表示させる表示制御手段(例えば、図3の表示制御部73)と
をさらに備える。
【0024】
本発明の一側面の表示方法は、
操作子(例えば、図1の操作子41)が上部に設置されるタッチパネル(例えば、図1のタッチパネル21)を有する表示装置(例えば、図1の編集装置10)の表示方法において、
前記操作子を識別するための識別情報を認識し(例えば、図15のステップS2)、
前記操作子に所定の機能を割り当て(例えば、図15のステップS11)、
前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録させ(例えば、図15のステップS12)、
ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させる(例えば、図17のステップS34)
ステップを含む。
【0025】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明を適用した編集装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0027】
図1の編集装置10の筐体20の上面の中央には、タッチパネル21が積層されたディスプレイ22が設けられている。このディスプレイ22には、図中奥側に、編集対象とする画像などを表示する領域である画像領域31が設けられ、図中手前側に、編集に関する機能が割り当てられる操作子41が配置されるタッチパネル21の上の領域に対応する領域である操作子領域32が設けられている。
【0028】
なお、画像領域31と操作子領域32の詳細については、図4と図14で後述する。また、操作子41は、タッチパネル21の上の操作子領域32に対応する領域に配置される全ての操作子の総称である。操作子41は、タッチパネル21の上に配置されるので、手掛かりがあり、ユーザは操作子41を容易に操作することができる。
【0029】
筐体20の上面の右手前側には、操作子41への機能の割り当てを指示するための設定ボタン23が設けられている。ユーザは、設定ボタン23を押下しながら、操作子41を操作することにより、操作子41への機能の割り当てを指示する。
【0030】
編集装置10は、操作子41に対する操作を検知し、その操作に応じてノンリニア編集を行う。
【0031】
図2は、図1の編集装置10の構成例を示すブロック図である。
【0032】
図2のCPU(Central Processing Unit)51は、ROM(Read Only Memory)52、または記録部58に記憶されているプログラムにしたがって各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)53には、CPU51が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU51、ROM52、およびRAM53は、バス54により相互に接続されている。なお、CPU51、ROM52、およびRAM53は、マイクロコンピュータにより構成されるようにしてもよい。
【0033】
CPU51にはまた、バス54を介して入出力インターフェース55が接続されている。入出力インターフェース55には、図1のタッチパネル21、設定ボタン23などよりなる入力部56、ディスプレイ22などよりなる出力部57が接続されている。
【0034】
タッチパネル21は、ユーザの操作による接触を検知し、その接触を検知した位置を表す操作位置情報をCPU51に入力する。なお、タッチパネル21は、複数の位置における接触を同時に検知することができる。このようなタッチパネルについては、例えば、特開2004-138416号公報に開示されている。設定ボタン23は、ユーザによる押下を検出し、その検出の有無を表す設定ボタン情報をCPU51に入力する。
【0035】
CPU51は、例えば、入力部56からの入力に対応して各種の処理を実行し、処理の結果を出力部57に出力する。
【0036】
例えば、CPU51は、タッチパネル21から入力される操作位置情報に対応して、操作子41のID(以下、操作子IDという)を認識する。そして、CPU51は、認識した操作子IDに基づいて、操作子41に機能を割り当てる。なお、操作子IDは、操作子41の種類を識別するための識別情報であり、操作子41に予め付与されている。
【0037】
また、CPU51は、タッチパネル21から入力される操作位置情報に対応して、後述する記録部58に記録されている画像や音声のデータである素材データをノンリニア編集する編集処理を行う。具体的には、CPU51は、タッチパネル21から入力される操作位置情報に対応して、素材データの編集結果に関する情報であるエディットリストを作成し、記録部58に記録させる。CPU51は、エディットリストにしたがって、記録部58に記録に記録されている画像を再生することにより、編集結果に対応する画像を出力部57のディスプレイ22に表示させる。
【0038】
入出力インターフェース55に接続されている記録部58は、例えばハードディスクからなり、CPU51が実行するプログラムや各種のデータを記録する。例えば、記録部58は、クリップ単位の素材データと、各編集処理で作成されるエディットリストをファイルとして記録する。なお、クリップとは、1回の撮影処理(撮影開始から撮影終了までの撮影処理)により得られた素材データを指す。
【0039】
通信部59は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。例えば、通信部59は、ネットワークを介して外部の装置から、各操作子41に割り当て可能な機能を表す操作子情報を取得し、記録部58に記録させる。
【0040】
入出力インターフェース55に接続されているドライブ60は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア61が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部58に転送され、記録される。なお、プログラムは、通信部59を介して取得され、記録部58に記録されてもよい。
【0041】
図3は、図2のCPU51の機能的構成例を示すブロック図である。
【0042】
図3のCPU51は、ID認識部71、割当部72、表示制御部73、指令部74、および編集部75により構成される。
【0043】
ID認識部71は、タッチパネル21から入力される操作位置情報に基づいて、タッチパネル21の上に配置された操作子41の操作子IDを認識する。ID認識部71は、設定ボタン23から入力される設定ボタン情報に基づいて、操作子IDを割当部72または指令部74に供給する。
【0044】
割当部72は、ID認識部71から供給される操作子IDに基づいて、その操作子IDに対応する操作子情報を記録部58(図2)から読み出し、その操作子情報が表す機能を操作子41に割り当てる。そして、割当部72は、タッチパネル21の上の各操作子41に割り当てられた機能を表す割当情報を記録部58に記録させる。
【0045】
表示制御部73は、記録部58に記録されている割当情報に基づいて、操作子41の近傍に対応するディスプレイ22の位置に、その操作子41の機能を表す文字やマークなどの情報を表示させる。
【0046】
指令部74は、ID認識部71から供給される操作子IDと、記録部58に記録されている割当情報とに基づいて、編集部75に各種の指令を供給する。
【0047】
編集部75は、タッチパネル21から入力される操作位置情報と、指令部74から供給される指令とに基づいて、編集に関する処理を行う。例えば、編集部75は、記録部58に記録されている素材データをノンリニア編集する。これにより、記録部58には、エディットリストが記録される。また、編集部75は、記録部58から素材データを読み出し、その素材データに対応する画像を画像領域31に表示させる。
【0048】
図4は、図1の画像領域31に表示される画面の例を示している。
【0049】
図4の画像領域31は、画像表示領域81および82、タイムコード表示領域83および84、並びにタイムライン表示領域85により構成される。
【0050】
画像表示領域81には、素材データの再生が指示されたとき、その素材データに対応する画像が表示される。画像表示領域82には、エディットリストにしたがう編集結果の再生が指示されたとき、その編集結果に対応する画像が表示される。
【0051】
タイムコード表示領域83には、画像表示領域81に表示されている画像のFTC(File Time Code)が左側に表示され、その画像に対応するクリップの終端のFTCが右側に表示される。なお、このFTCは、各ファイルの先頭フレームの番号を「0」とし、その先頭フレームから順番に、各フレームに割り当てられる相対的な位置情報である。
【0052】
タイムコード表示領域84には、画像表示領域82に表示されている画像の、編集結果を1ファイルとしたときのFTCが左側に表示される。また、タイムコード表示領域84には、画像表示領域82に表示されている画像に対応する編集結果を1ファイルとしたときの終端のFTCが右側に表示される。
【0053】
タイムライン表示領域85には、画像表示領域82に表示されている画像に対応する編集結果のうちの画像データの時系列の情報を表示する画像ライン領域91、その編集結果のうちの音声データの時系列の情報を表示する音声ライン領域92、およびポインタ93が表示される。
【0054】
画像ライン領域91には、画像を表す「ビデオ」という文字が左側に表示され、画像ライン91Aが右側に表示される。画像ライン91Aは、横軸が編集結果を1ファイルとしたときのFTCを表す四角形であり、クリップ単位の編集結果の各先頭位置のFTCに対応する位置で区切られている。
【0055】
なお、画像ライン91Aにおいて、クリップ単位の編集結果の各先頭位置に対応する位置で区切られることにより形成される四角形は、クリップ単位の編集結果のうちの画像データを表しており、その四角形の中には、その画像データに対応するサムネイル画像が表示されてもよい。
【0056】
音声ライン領域92には、音声を表す「オーディオ」という文字が左側に表示され、音声ライン92Aが右側に表示される。音声ライン92Aは、横軸が編集結果を1ファイルとしたときのFTCを表す四角形であり、編集結果として出力可能な音声データのチャネルの数に縦方向に分割されている。図4の例では、編集結果として出力可能な音声データのチャネルの数は2つであり、音声ライン92Aは、縦方向に2つに分割されている。2つに分割された四角形のそれぞれには、対応するチャネルの音声の信号のレベルが表示される。
【0057】
ポインタ93は、編集結果における、画像表示領域82に表示されている画像の位置を表している。ポインタ93は、画像ライン領域91と音声ライン領域92上の、画像表示領域82に表示されている画像のFTCに対応する位置に表示される。
【0058】
次に、図5乃至図12を参照して、操作子41の構成について説明する。
【0059】
まず最初に、図5乃至図9を参照して、ユーザによる押下を受け付ける操作子(以下、押下操作子という)について説明する。
【0060】
図5は、押下操作子101の外観を示す斜視図である。
【0061】
図5の押下操作子101は、直方体の形状の操作部111、操作部111が上面に設置される操作台112、操作部111とピン台115を接続する接続部113、16個のピン114−1乃至114−16(詳細は図8で後述する)、ピン114−1乃至114−16が設置されるピン台115により構成される。
【0062】
操作部111は、ユーザによる押下を受け付ける。操作台112は、台部121と、台部121の底面の四隅に設置される4つの脚部122−1乃至122−4とにより構成される。台部121の形状は、操作部111より大きい直方体であり、台部121の上面の中央には操作部111が設置される。4つの脚部122−1乃至122−4は、操作子領域32に対応するタッチパネル21上の領域に設置される。
【0063】
接続部113は操作台112の台部121を貫通しており、接続部113の一端は操作部111に接続され、他端は操作台112の下側のピン台115に接続される。ピン114−1乃至114−16は、図5中左右方向に並ぶ数が4つとなり、図5中手前奥方向に並ぶ数が4つとなるように、等間隔で配置される。
【0064】
図6と図7は、押下操作子101の図5のA方向から見た側面図である。
【0065】
図6に示すように、ユーザにより操作部111が押下された場合、操作部111は、図6中下方向に移動する。これにより、操作部111と接続部113を介して接続されているピン台115は、図6中下方向に移動し、ピン台115に設置されているピン114−1乃至114−16が、脚部122−1乃至122−4が設置されているタッチパネル21に接触する。従って、タッチパネル21は、ピン114−1乃至114−16の接触を検知する。
【0066】
この後、ユーザが操作部111の押下を止めると、図7に示すように、操作部111は、図示せぬバネの付勢力を利用して、図7中上方向に移動し、元の位置に戻る。これにより、操作部111と接続部113を介して接続されているピン台115は、図7中上方向に移動し、ピン台115に設置されているピン114−1乃至114−16は、脚部122−1乃至122−4が設置されているタッチパネル21に接触しなくなる。
【0067】
次に、図8を参照して、ピン114−1乃至114−16について説明する。
【0068】
図8は、押下操作子101を図6や図7の下方向から見た図である。
【0069】
なお、押下操作子101の設置方向は、図8中上側が筐体20の操作子領域32側に、図8中下側が筐体20の画像領域31側になるように決定されている。このことは、後述する図9においても同様である。
【0070】
図8に示すように、ピン台115の底面には、16個のピン114−1乃至114−16が、図8中左右方向に並ぶ数が4つとなり、図8中上下方向に並ぶ数が4つとなるように、等間隔で配置される。ピン114−1乃至114−16の配置は、押下操作子101の12ビットの操作子ID、即ち0から4095までの値である操作子IDを表している。
【0071】
具体的には、四隅のピン114-1,114−4,114−13、および114−16は、他のピンの位置を検出するために設置されたものであり、他の各ピンは操作子IDの各ビットに対応している。即ち、四隅以外に配置される12個のピン114-2,114-3,114-5乃至114−12,114−14、および114−15は、対応するビットが1である場合に設けられ、ビットが0である場合には設けられない。従って、図5乃至図8に示した押下操作子101の操作子IDを表す全てのビットは1である。
【0072】
操作部111が押下される場合、上述したように、タッチパネル21は、ピン台115に配置されている16個のピン114−1乃至114−16の接触を検知するので、ID認識部71は、まず最初に、タッチパネル21から供給される操作位置情報が表す位置のうち、位置どうしの間隔が、四隅のピン114-1,114−4,114−13、および114−16どうしの間隔と同一である4つの位置を検出する。
【0073】
その後、ID認識部71は、操作位置情報が表す位置のうち、四隅のピン114-1,114−4,114−13、および114−16に対応する位置以外の位置に基づいて、12個のピン114-2,114-3,114-5乃至114−12,114−14、および114−15の存在を認識する。これにより、ID認識部71は、押下操作子101の操作子IDを表す全てのビットが1であることを認識する。
【0074】
なお、図8において、ピン114-2,114-3,114-5乃至114−12,114−14、および114−15に記載されている数字は、対応するビットのビット番号を表している。このビット番号は、最下位ビットのビット番号を0としたときのビット番号である。
【0075】
次に、図9を参照して、押下操作子101の操作子IDを表す、ビット番号が0,2、および11であるビットが1であり、その他のビットが0である場合、即ち操作子IDが「100000000101」である場合の押下操作子101について説明する。
【0076】
図9は、この場合の押下操作子101を図6や図7の下方向から見た図である。
【0077】
図9の例では、操作子IDを表す、ビット番号が0,2、および11であるビットが1であり、その他のビットが0であるので、ピン台115の底面には、図9に示すように、12個のピン114-2,114-3,114-5乃至114−12,114−14、および114−15のうちのビット番号が0,2、および11であるビットに対応するピン114−15,114−12、および114−2、並びに、他のピンの位置を検出するために設置される四隅のピン114-1,114−4,114−13,および114−16の計7個のピンが設置されている。
【0078】
操作部111が押下される場合、タッチパネル21は、ピン台115に設置されている7個のピン114−1,114−2,114−4,114−12,114−13,114−15、および114−16の接触を検知する。その結果、ID認識部71は、3個のピン114−1,114−12、および114−15の存在を認識する。これにより、ID認識部71は、押下操作子101の操作子IDを表すビット番号が0,2、および11であるビットが1であり、その他のビットが0であることを認識する。
【0079】
次に、図10を参照して、ユーザによる直線方向のスライド操作を受け付ける操作子(以下、直線スライド操作子という)について説明する。
【0080】
図10は、直線スライド操作子131の外観を示す斜視図である。
【0081】
なお、直線スライド操作子131の設置方向は、図10中右側が筐体20の画像領域31側に、図10中左側が筐体20の操作子領域32側になるように決定されている。
【0082】
図10の直線スライド操作子131は、押下操作子101と、ユーザによる直線方向のスライド操作を補助するガイド部141により構成される。なお、図10において、図5乃至図8と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は繰り返しになるので省略する。
【0083】
ガイド部141は、長方形の枠であり、中央に、図10中上下方向に貫通する四角形の穴部142が設けられている。ユーザは、穴部142内に置いた指などを、ガイド部141に沿ってタッチパネル21上を移動させることにより、直線方向のスライド操作を容易に行うことができる。
【0084】
なお、ガイド部141は透明な素材により構成され、これにより、ユーザは、ガイド部141とタッチパネル21を介して、操作子領域32に表示される文字などを視認することができる。
【0085】
次に、図11と図12を参照して、ユーザによる円周方向のスライド操作を受け付ける操作子(以下、円周スライド操作子という)について説明する。
【0086】
図11は、円周スライド操作子151の外観を示す斜視図であり、図12は、図11のA−A´断面図である。
【0087】
なお、円周スライド操作子151の設置方向は、図11中左側が筐体20の画像領域31側に、図11中右側が筐体20の操作子領域32側になるように決定されている。
【0088】
図11の円周スライド操作子151は、押下操作子101と、ユーザによる円周方向のスライド操作を補助するガイド部161により構成される。なお、図11において、図5乃至図8と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は繰り返しになるので省略する。
【0089】
ガイド部161は、円形の枠であり、中央に、図11中上下方向に貫通する円形の穴部162が設けられている。穴部162は、図12に示すように、タッチパネル21と接する底面から上面に向かって大きくなるように設けられている。なお、ガイド部161は、ガイド部141と同様に、透明な素材により構成される。
【0090】
図12に示すように、ユーザは、穴部162に置いた指171などを、ガイド部141に沿ってタッチパネル21上を移動させることにより、円周方向のスライド操作を容易に行うことができる。
【0091】
図13は、図2の記録部58に記録される割当情報の例を示している。
【0092】
図13の割当情報では、操作子IDである12ビットの値「100000000001」、「100000000010」、「100000000011」、「100000000100」、「100000000101」、・・・に、操作子41の機能を表す名前である「VIDEO SOURCE BUTTON」、「VIDEO DESTINATION BUTTON」、「VIDEO REWIND BUTTON」、「VIDEO STOP BUTTON」、「VIDEO PLAY BUTTON」、・・・が対応付けられている。
【0093】
名前「VIDEO SOURCE BUTTON」は、ユーザからの操作に応じて、後に行う再生に関する指示の対象として、編集元である素材データを指示する機能を表している。名前「VIDEO DESTINATION BUTTON」は、ユーザからの操作に応じて、後に行う再生に関する指示の対象として、編集先である編集結果を指示する機能を表している。
【0094】
名前「VIDEO REWIND BUTTON」は、ユーザからの操作に応じて、素材データまたは編集結果の巻き戻し再生を指示する機能を表しており、名前「VIDEO STOP BUTTON」は、ユーザからの操作に応じて、素材データまたは編集結果の再生の停止を指示する機能を表している。名前「VIDEO PLAY BUTTON」は、ユーザからの操作に応じて、素材データまたは編集結果の再生を指示する機能を表している。
【0095】
図14は、図1の筐体20の操作子領域32に対応する領域の上面図である。
【0096】
なお、図14において、記録部58には図13の割当情報が記録されているものとする。
【0097】
図14の操作子211は、押下操作子101により構成され、操作子領域32に対応するタッチパネル21上の領域の右上側に配置されている。図14の例では、操作子211の操作子IDは「100000000001」である。従って、操作子211には、図13に示した割当情報の操作子ID「100000000001」に対応する名前「VIDEO SOURCE BUTTON」が表す、ユーザからの操作に応じて、後に行う再生に関する指示の対象として、編集元である素材データを指示する機能が割り当てられている。
【0098】
即ち、操作子211は、編集元である素材データの再生に関する指示を行うときに操作される。ユーザは、操作子211を操作した後、後述する操作子213乃至221を操作することにより、素材データの再生に関する各種の指示を行うことができる。また、操作子211の下側には、編集元(SOURCE)を表す「SRC」という文字が表示される。
【0099】
操作子212は、押下操作子101により構成され、操作子211の右側に配置されている。図14の例では、操作子212の操作子IDは「100000000010」である。従って、操作子212には、図13に示した割当情報の操作子ID「100000000010」に対応する名前「VIDEO DESTINATION BUTTON」が表す、ユーザからの操作に応じて、後に行う再生に関する指示の対象として、編集先である編集結果を指示する機能が割り当てられている。
【0100】
即ち、操作子212は、編集先である編集結果の再生に関する指示を行うときに操作される。ユーザは、操作子212を操作した後、後述する操作子213乃至221を操作することにより、編集結果の再生に関する各種の指示を行うことができる。また、操作子212の下側には、編集先(DESTINATION)を表す「DST」という文字が表示される。さらに、操作子211と212の上側には、操作子211乃至221の全体の機能である再生制御の指示を表す「PLAYBACK CONTROL」という文字が表示される。
【0101】
操作子213は、操作部が円柱である押下操作子により構成され、操作子211の左下側に配置されている。図14の例では、操作子213の操作子IDは「100000000011」である。従って、操作子213には、図13に示した割当情報の操作子ID「100000000011」に対応する名前「VIDEO REWIND BUTTON」が表す、ユーザからの操作に応じて、素材データまたは編集結果の巻き戻し再生を指示する機能が割り当てられている。また、操作子213の左下側には、巻き戻し(REWIND)を表すマークが表示される。
【0102】
操作子214は、操作部が円柱である押下操作子により構成され、操作子211の下側かつ操作子213の右上側に配置されている。図14の例では、操作子214の操作子IDは「100000000100」である。従って、操作子214には、図13に示した割当情報の操作子ID「100000000100」に対応する名前「VIDEO STOP BUTTON」が表す、ユーザからの操作に応じて、素材データまたは編集結果の再生の停止を指示する機能が割り当てられている。また、操作子214の左下側には、停止(STOP)を表すマークが表示される。
【0103】
操作子215は、操作部が円柱である押下操作子により構成され、操作子214の右側に配置されている。図14の例では、操作子215の操作子IDは「100000000101」である。従って、操作子215には、図13に示した割当情報の操作子ID「100000000101」に対応する名前「VIDEO PLAY BUTTON」が表す、ユーザからの操作に応じて、素材データまたは編集結果の再生を指示する機能が割り当てられている。また、操作子215の右下側には、再生(PLAY)を表すマークが表示される。
【0104】
他の操作子216乃至238についても同様に、割当情報が表す機能が割り当てられている。具体的には、操作子216は、操作部が円柱である押下操作子により構成され、操作子215の右下側に配置されている。操作子216には、素材データまたは編集結果の早送り再生を指示する機能が割り当てられている。また、操作子216の右下側には早送りを表すマークが表示される。
【0105】
操作子217は、円周スライド操作子151により構成され、操作子213乃至216の下側に配置されている。操作子217には、ジョグモードまたはシャトルモードでの素材データまたは編集結果の再生位置の移動を指示する機能が割り当てられている。
【0106】
例えば、ユーザは、操作子217の押下操作子101を操作した後、穴部162内を円周に沿って時計回りに操作することにより、ジョグモードまたはシャトルモードでの再生位置の後方への移動を指示したり、穴部162内を円周に沿って半時計周りに操作することにより、ジョグモードまたはシャトルモードでの再生位置の前方への移動を指示する。
【0107】
なお、ジョグモードとは、操作位置の移動に応じて再生位置を移動させるモードであり、シャトルモードとは、操作位置の移動に応じて再生速度を変化させるモードである。また、操作子217の押下操作子101の下側には、ジョグモードとシャトルモードを表す「JOG/SHUTTLE」という文字が表示される。
【0108】
操作子218は、押下操作子101により構成され、操作子217の左側に配置されている。操作子218には、1つ前のクリップの先頭位置への再生位置の移動を指示する機能が割り当てられる。また、操作子218の下側には、前(PREVIOUS)を表す「PREV」という文字が表示される。操作子219は、押下操作子101により構成され、操作子218の右側かつ操作子217の左側に配置されている。操作子219には、1つ次のクリップの先頭位置への再生位置の移動を指示する機能が割り当てられる。また、操作子219の下側には、次(NEXT)を表す「NEXT」という文字が表示される。
【0109】
操作子220は、押下操作子101により構成され、操作子218の下側に配置されている。操作子220には、1つ前のフレームへの再生位置の移動を指示する機能が割り当てられる。操作子220の下側には、1つ前を表す「−1」という文字が表示された正方形で表示される。操作子221は、押下操作子101により構成され、操作子219の下側に配置されている。操作子221には、1つ次のフレームへの再生位置の移動を指示する機能が割り当てられる。また、操作子221の下側には、1つ次を表す「+1」という文字が表示される。
【0110】
操作子222は、押下操作子101により構成され、操作子218の上側に配置されている。操作子222には、いまの再生位置を音声のイン点として指示する機能が割り当てられ、操作子222の下側には、イン点を表す「IN」という文字が表示される。なお、操作子222の左上側には、音声を表す「AUDIO」という文字が表示される。
【0111】
操作子223は、押下操作子101により構成され、操作子222の右側に配置されている。操作子223には、いまの再生位置を音声のアウト点として指示する機能が割り当てられ、操作子223の下側にはアウト点を表す「OUT」という文字が表示される。
【0112】
操作子224は、押下操作子101により構成され、操作子218の上側かつ操作子222の下側に配置される。操作子224には、いまの再生位置を画像のイン点として指示する機能が割り当てられ、操作子224の下側にはイン点を表す「IN」という文字が表示される。なお、操作子224の左下側には、画像を表す「VIDEO」という文字が表示される。
【0113】
操作子225は、押下操作子101により構成され、操作子219の上側かつ操作子223の下側に配置されている。操作子225には、いまの再生位置を画像のアウト点として指示する機能が割り当てられ、操作子225の下側には、アウト点を表す「OUT」という文字が表示される。
【0114】
操作子226は、押下操作子101により構成され、操作子222の右上側かつ操作子223の左上側に配置されている。操作子226には、操作子222乃至225により指示された素材データのイン点からアウト点までを、いまの編集結果の再生位置に挿入するための指示を行う機能が割り当てられ、操作子226の下側には、編集を表す「EDIT」という文字が表示される。なお、操作子226の左側には、操作子222乃至227の全体の機能である編集の指示を表す「EDIT」という文字が表示される。
【0115】
操作子227は、押下操作子101により構成され、操作子222の左下側かつ操作子224の左上側に配置されている。操作子227には、操作子222乃至225により指示された編集結果のイン点またはアウト点を消去するための指示を行う機能が割り当てられ、操作子227の下側には、消去を表す「DELETE」という文字が表示される。
【0116】
操作子228は、押下操作子101により構成され、操作子領域32に対応するタッチパネル21上の領域の左上側に配置されている。操作子228には、画像表示領域82(図4)に表示されている画像に対するズームイン効果の付加を指示する機能が割り当てられ、操作子228の下側には、ズームイン効果を表す「ZOOM IN」が表示される。
【0117】
操作子229は、押下操作子101により構成され、操作子228の右側に配置されている。操作子229には、画像表示領域82に表示されている画像に対するズームアウト効果の付加を指示する機能が割り当てられ、操作子229の下側には、ズームアウト効果を表す「ZOOM OUT」が表示される。また、操作子228と229の上側には、操作子228乃至233の全体の機能である画像効果を付加するための指示を表す「VIDEO EFFECT」という文字が表示される。
【0118】
操作子230は、押下操作子101により構成され、操作子228の下側に配置されている。操作子230には、画像表示領域82に表示されている画像に対するフェードイン効果の付加を指示する機能が割り当てられ、操作子230の下側には、フェードイン効果を表す「FADE IN」が表示される。
【0119】
操作子231は、押下操作子101により構成され、操作子229の下側に配置されている。操作子231には、画像表示領域82に表示されている画像に対するフェードアウト効果の付加を指示する機能が割り当てられ、操作子231の下側には、フェードアウト効果を表す「FADE OUT」が表示される。
【0120】
操作子232は、押下操作子101により構成され、操作子230の下側に配置されている。操作子232には、画像表示領域82に表示されている画像に対するディゾルブ効果の付加を指示する機能が割り当てられ、操作子232の下側には、ディゾルブ効果を表す「DISSOLVE」が表示される。
【0121】
操作子233は、押下操作子101により構成され、操作子231の下側に配置されている。操作子233には、画像表示領域82に表示されている画像に対するワイプ効果の付加を指示する機能が割り当てられ、操作子233の下側には、ワイプ効果を表す「WIPE」が表示される。
【0122】
操作子234は、直線スライド操作子131により構成され、操作子229と231の右側に配置されている。操作子234には、1チャネルの音声の音量の変更を指示する機能が割り当てられている。また、操作子235は、直線スライド操作子131により構成され、操作子234の右側に配置されている。操作子235には、2チャネルの音声の音量の変更を指示する機能が割り当てられている。
【0123】
ユーザは、所望のチャネルの音量を大きくする場合、操作子234または235の押下操作子101を操作した後、そのチャネルに対応する操作子234または235の穴部142(図10)内を、指などでガイド部141に沿って音量の変更量に対応する分だけ上方向に操作する。一方、ユーザは、所望のチャネルの音量を小さくする場合、操作子234または235の押下操作子101を操作した後、そのチャネルに対応する操作子234または235の穴部142内を、指などでガイド部141に沿って音量の変更量に対応する分だけ下方向に操作する。
【0124】
また、操作子234と235の押下操作子101は、操作子234または235に機能を割り当てるときに押下される。操作子234と235の上側には、操作子234と235の全体の機能である音量調節の指示を表す「AUDIO MIXER」という文字が表示される。
【0125】
操作子236は、直線スライド操作子131により構成され、操作子235の右側に配置されている。操作子236には、マスタボリュームの変更を指示する機能が割り当てられ、ユーザは、操作子236を操作子234や235と同様に操作することができる。また、操作子236の上側には、操作子236の機能であるマスタボリュームの変更の指示を表す「MASTER VOLUME」という文字が表示される。
【0126】
操作子237は、押下操作子101により構成され、操作子234の下側に配置されている。操作子237には、1チャネルの音声データを編集結果に含めるかどうかの選択を指示する機能が割り当てられ、操作子237の下側には、1チャネルを表す「CH-1」が表示される。
【0127】
操作子238は、押下操作子101により構成され、操作子235の下側に配置されている。操作子238には、2チャネルの音声データを編集結果に含めるかどうかの選択を指示する機能が割り当てられ、操作子238の下側には、2チャネルを表す「CH-2」が表示される。また、操作子237と238の上側には、操作子237と238の全体の機能である音声の選択の指示を表す「AUDIO SELECT」という文字が表示される。
【0128】
以上のように、操作子211乃至238の近傍に対応する操作子領域32の位置には、操作子211乃至238の機能を表す文字やマークが表示されるので、ユーザは、操作子211乃至238に割り当てられた機能を容易に認識することができる。
【0129】
次に、図15を参照して、編集装置10が操作子41に機能を割り当てる割当処理について説明する。この割当処理は、例えば、ユーザによる操作子41の操作が検知されたとき、開始される。
【0130】
ステップS1において、ID認識部71は、設定ボタン23から入力される設定ボタン情報に基づいて、ユーザにより設定ボタン23が押下されているかどうかを判定し、設定ボタン23が押下されていないと判定された場合、処理を終了する。
【0131】
一方、ステップS1において、設定ボタン23が押下されていると判定された場合、ステップS2において、編集装置10は、操作子41の操作子IDを認識する認識処理を行う。この認識処理の詳細については、図16で後述する。
【0132】
ステップS3において、割当部72は、ID認識部71により認識された操作子IDに基づいて、その操作子IDが、記録部58に割当情報(図13)として記録されている操作子IDであるかどうか、即ち操作子IDに対応する操作子41に既に機能が割り当てられているかどうかを判定する。
【0133】
ステップS3において、認識された操作子IDが、割当情報として記録されている操作子IDであると判定された場合、ステップS4において、表示制御部73は、記録部58に記憶されている割当情報から、認識された操作子IDに対応付けられている操作子41の機能を表す名前を読み出す。
【0134】
ステップS5において、表示制御部73は、ステップS4で読み出した操作子41の機能を表す名前を、ディスプレイ22に表示させる。ここで、ユーザは、指などを用いて、ディスプレイ22に表示されている名前に対する操作を行うことにより、機能の変更の有無を指示する。
【0135】
ステップS6において、割当部72は、指令部74から供給される指令に応じて、機能を変更するかどうか、即ち、ユーザにより機能の変更の有が指示されたかどうかを判定し、機能を変更しないと判定した場合、処理はステップS13に進む。
【0136】
一方、ステップS3において、認識された操作子IDが、割当情報として記録されている操作子IDではないと判定された場合、ステップS7において、表示制御部73は、認識された操作子IDに対応する操作子41への機能の新規割当の有無をユーザに確認するための画面をディスプレイ22に表示させる。ここで、ユーザは、指などを用いて、ディスプレイ22に表示される画面に対する操作を行うことにより、操作子41への機能の新規割当の有無を指示する。
【0137】
ステップS8において、指令部74は、操作子41への機能の新規割当を行うかどうか、即ち、ユーザが操作子41への機能の新規割当の有を指示したかどうかを判定する。ステップS8において、操作子41への機能の新規割当を行わないと判定された場合、処理は終了する。
【0138】
また、ステップS6で機能を変更すると判定された場合、または、ステップS8で操作子41への機能の新規割当を行うと判定された場合、ステップS9において、表示制御部73は、ID認識部71により認識された操作子IDに対応する操作子情報を記録部58から読み出し、その操作子情報が表す機能の一覧をディスプレイ22に表示させる。
【0139】
ここで、ユーザは、ディスプレイ22に表示されている機能の一覧を見ながら、所望の機能に対応する位置を指などで操作することにより、所望の機能を選択する。
【0140】
ステップS10において、指令部74は、ユーザにより機能が選択されたかどうかを判定し、機能が選択されていないと判定した場合、機能が選択されるまで待機する。一方、ステップS10において、ユーザにより機能が選択されたと判定された場合、ステップS11において、割当部72は、ユーザにより選択された機能を、認識された操作子IDに対応する操作子41に割り当てる。
【0141】
ステップS12において、割当部72は、認識された操作子IDと、ステップS11で割り当てられた機能を表す名前とを対応付けて、割当情報として記録部58に記録させ、処理はステップS13に進む。
【0142】
ステップS13において、表示制御部73は、記録部58に記録されている割当情報に基づいて、操作子41の近傍に対応するディスプレイ22の位置に、その操作子41の機能を表す文字やマークなどの情報を表示させ、処理を終了する。
【0143】
以上のように、編集装置10は、各操作子41の操作子IDを認識し、その操作子IDに対応する操作子情報に基づいて、操作子41に機能を割り当てるので、ユーザは、所望の操作子情報に対応する操作子41を、タッチパネル21上の操作子領域32に対応する領域内の所望の位置に配置させることにより、所望の機能が割り当てられた操作子41を所望の位置に配置させることができる。これにより、ユーザの操作性を向上させることができる。その結果、ユーザの編集作業の効率を向上させることができる。
【0144】
次に、図16を参照して、図15のステップS2の認識処理について説明する。
【0145】
ステップS21において、タッチパネル21は、ユーザの操作による接触を検知し、操作位置情報をCPU51に入力する。ステップS22において、ID認識部71は、タッチパネル21から入力される操作位置情報に基づいて、タッチパネル21の上に配置された操作子41の操作子IDを認識し、処理は図15のステップS2に戻る。
【0146】
次に、図17を参照して、編集装置10が編集を行う編集処理について説明する。この編集処理は、例えば、ユーザによる操作子41の操作が検知されたとき、開始される。
【0147】
ステップS31において、ID認識部71は、設定ボタン23から入力される設定ボタン情報に基づいて、ユーザにより設定ボタン23が押下されているかどうかを判定し、設定ボタン23が押下されていると判定された場合、処理を終了する。
【0148】
一方、ステップS31において、設定ボタン23が押下されていないと判定された場合、ステップS32において、編集装置10は、上述した図16の認識処理を行う。
【0149】
ステップS33において、指令部74は、ID認識部71により認識された操作子IDと、記録部58に記録されている割当情報とに基づいて、その操作子IDが記録部58に記録されている割当情報に含まれているかどうかを判定する。
【0150】
ステップS33において、操作子IDが割当情報に含まれていると判定された場合、ステップS34において、指令部74は、割当情報に含まれている操作子IDに対応する機能に応じて、その機能に対応する指令を編集部75に供給し、その機能に対応する処理を編集部75に実行させる。
【0151】
ステップS35において、編集部75は、タッチパネル21から入力される操作位置情報と、指令部74から供給される指令とに基づいて、編集に関する処理を行う。例えば、編集部75は、タッチパネル21から入力される、ユーザによる操作子234に対するスライド操作に対応する操作位置情報と、指令部74から供給される、1チャネルの音声の音量の変更を指示する機能に対応する指令とに基づいて、1チャネルの音声の音量を、スライド操作の操作位置の移動量に対応する量だけ変更する。そして、処理は終了する。
【0152】
一方、ステップS33において、操作子IDが割当情報に含まれていないと判定された場合、ステップS36において、表示制御部73は、操作子41が無効である旨のメッセージをディスプレイ22に表示させ、処理を終了する。
【0153】
なお、上述した説明では、操作子IDのビット数が12であるものとしたが、操作子IDのビット数は、これに限定されるものではない。例えば、操作子IDのビット数が5である場合、即ち操作子IDが0から31までの値である場合、操作子41のピンの配置は図18に示すようになる。
【0154】
図18は、押下操作子101を図6や図7の下方向から見た図である。
【0155】
図18の例では、操作子IDのビット数が5であるので、ピン台115の底面には、9個のピン251−1乃至251−9が、図18中左右方向に並ぶ数が3つとなり、図18中上下方向に並ぶ数が3つとなるように、等間隔で配置されている。図8の場合と同様に、四隅のピン251-1,251−3,251−7、および251−9は、他のピンの位置を検出するために設けられたものであり、他の各ピンは操作子IDの各ビットに対応している。
【0156】
従って、図18の例では、押下操作子101の操作子IDを表す全てのビットが1である。なお、図18において、ピン251-2,251-4乃至251−6、および251−8に記載されている数字は、対応するビットのビット番号を表している。
【0157】
図19は、本発明を適用した編集装置の他の実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0158】
図19の編集装置300は、筐体20とディスプレイ301により構成され、画像領域31をディスプレイ301に設け、操作子領域32を筐体20のディスプレイ22に設ける。即ち、図19の編集装置300は、2つのディスプレイ22と301を設け、画像領域31と操作子領域302を、異なるディスプレイに表示する。
【0159】
なお、上述した説明では、設定ボタン23は、筐体20の上面に設けられたが、タッチパネル21上に設けられるようにしてもよい。この場合、ID認識部71(図3)が、ユーザによる設定ボタン23の押下を検知する。
【0160】
また、上述した説明では、編集装置10は、通信部59を介して外部の装置から操作子情報を取得したが、リムーバブルメディア61(図2)から操作子情報を取得するようにしてもよい。
【0161】
さらに、上述した説明では、操作子41の設置方向が予め決められていたが、四隅のピンどうしの間隔が異なるようにピンを配置する場合、ID認識部71は、四隅のピンどうしの間隔によって、操作子41の設置方向を認識することができるので、操作子41の設置方向は予め決められていなくてもよい。
【0162】
また、上述した説明では、ピンの配置が操作子IDを表すようにしたが、ピンの形状が操作子IDを表すようにしてもよい。
【0163】
さらに、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0164】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明を適用した編集装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【図2】編集装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】CPUの機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】画像領域に表示される画面の例を示す図である。
【図5】押下操作子の外観構成例を示す斜視図である。
【図6】押下されたときの押下操作子を説明する図である。
【図7】押下が止められたときの押下操作子を説明する図である。
【図8】ピンの配置を説明する図である。
【図9】ピンの配置を説明する図である。
【図10】直線スライド操作子の外観構成例を示す斜視図である。
【図11】円周スライド操作子の外観構成例を示す斜視図である。
【図12】穴部を説明する図である。
【図13】割当情報の例を示す図である。
【図14】筐体の操作子領域に対応する領域の上面図である。
【図15】割当処理を説明するフローチャートである。
【図16】認識処理を説明するフローチャートである。
【図17】編集処理を説明するフローチャートである。
【図18】ピンの他の配置を説明する図である。
【図19】本発明を適用した編集装置の他の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0166】
10 編集装置, 21 タッチパネル, 22 ディスプレイ, 41 操作子, 51 CPU, 52 ROM, 53 RAM, 58 記録部, 61 リムーバブルメディア, 71 ID認識部, 72 割当部, 73 表示制御部, 74 指令部, 75 編集部, 114−1乃至114−16 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを有する表示装置において、
前記タッチパネル上に設置される操作子と、
前記操作子を識別するための識別情報を認識する認識手段と、
前記操作子に所定の機能を割り当てる割当手段と、
前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録する記録手段と、
ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を前記記録手段から読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させる実行制御手段と
を備える表示装置。
【請求項2】
前記操作子には、前記識別情報に対応する位置にピンが配置され、
前記ピンは、前記操作子が押下されたとき前記タッチパネルに接触し、
前記認識手段は、前記タッチパネルに接触した操作子のピンの配置に応じて前記識別情報を認識する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記操作子には、前記識別情報に対応する形状のピンが設置され、
前記ピンは、前記操作子が押下されたとき前記タッチパネルに接触し、
前記認識手段は、前記タッチパネルに接触した操作子のピンの形状に応じて前記識別情報を認識する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記実行制御手段により読み出された前記機能情報に対応する処理を実行する実行手段
をさらに備え、
前記操作子は、長方形の枠を有し、
前記実行手段は、前記ユーザによる前記操作子の前記枠内の直線方向のスライド操作に応じて、前記機能情報に対応する処理を実行する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記実行制御手段により読み出された前記機能情報に対応する処理を実行する実行手段
をさらに備え、
前記操作子は、円形の枠を有し、
前記実行手段は、前記ユーザによる前記操作子の前記枠内の円周方向のスライド操作に応じて、前記機能情報に対応する処理を実行する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記タッチパネルが積層される、画像を表示する表示手段と、
前記操作子の識別情報に対応する機能情報に基づいて、前記操作子に割り当てられた機能を表す文字またはマークを、その操作子の近傍に対応する前記表示手段の位置に表示させる表示制御手段と
をさらに備える
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
操作子が上部に設置されるタッチパネルを有する表示装置の表示方法において、
前記操作子を識別するための識別情報を認識し、
前記操作子に所定の機能を割り当て、
前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録させ、
ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させる
ステップを含む表示方法。
【請求項8】
操作子が上部に設置されるタッチパネルを有する表示装置を制御するコンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記操作子を識別するための識別情報を認識し、
前記操作子に所定の機能を割り当て、
前記操作子の識別情報と、その操作子に割り当てられた機能を表す機能情報とを対応付けて記録させ、
ユーザによる前記操作子の操作に応じて、その操作子の識別情報に対応する機能情報を読み出し、読み出した前記機能情報に対応する処理を実行させる
ステップを含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−123164(P2008−123164A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−304877(P2006−304877)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】