説明

表示装置および表示方法

【課題】 光を照射する指示装置によって画面に照射された光に応じた制御を行うことができる表示装置および表示方法を提供する。
【解決手段】 受光部形状判定部21は、発光指示装置30によって画面に照射される光の形状を判定する。中央演算部15は、受光部形状判定部21によって判定された形状が、サークル形状であると拡大コマンド、横線形状であると横スクロールコマンド、縦線形状であると縦スクロールコマンドを、シリアル通信処理部22によって映像生成装置50に送信する。映像生成装置中央演算部53は、ディスプレイ装置10から受信したコマンドが拡大コマンドであると、拡大処理部57によって拡大した画像情報の映像信号を、そして受信したコマンドが横スクロールまたは縦スクロールであると、スクロール処理部56によってスクロールした画像情報の映像信号を、映像信号生成部52によってディスプレイ装置10に送信して表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザポインタなどの指示装置によって画面に照射された光を利用する表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の画面を用いてプレゼンテーションを行う発表者は、レーザポインタなどの光を照射して、画面に表示される映像内の位置を指し示し、画面を見る人は、画面に照射されたレーザポインタなどの光の位置によって、発表者が指し示したい位置を認識する。
【0003】
特許文献1に記載されているポインティングデバイスは、レーザポインタによって指示ポインタが指示されている画面をCCDカメラで撮像し、CCDカメラによって撮像された画像の中の画面の辺を認識し、認識した画面の辺の位置から指示ポインタの座標位置を特定するものである。したがって、画面に対して斜めの位置から指示してもレーザポインタによって指示される位置を特定することができる。
【0004】
特許文献2に記載されている指示情報入力装置は、プロジェクタによって画像が表示された投影スクリーンをビデオカメラによって撮影し、ビデオカメラによって撮影された映像信号と、表示している映像信号との差分を抽出することによって、レーザポインタによって投射されている光の位置を特定する。さらに、指示情報入力装置は、レーザポインタによって投射されている光の色あるいは輝度が変化したとき、マウスと同様な入力操作をレーザポインタを用いて行うことが可能となる。
【0005】
特許文献3に記載されている視野角制御表示装置は、見る人と画面との角度に応じて異なる画面を表示装置に表示するものであり、画面を構成する各発光素子に対応して、その発光素子による画面を見ることのできる角度内からきた光のみを選択受光する受光素子を備える。視野角制御表示装置は、この受光素子によって、レーザポインタなどから照射される光を受光する。
【0006】
【特許文献1】特開2001−236181号公報
【特許文献2】特開平9−62444号公報
【特許文献3】特開平6−230896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、液晶ディスプレイなど表示装置自体が発光する画面にレーザポインタなどで光を照射した場合、画面を見る人は、レーザポインタからの光が液晶ディスプレイに吸収されて、光が照射されている位置を判別し難い場合がある。特許文献3に記載されている視野角制御表示装置は、発光素子ごとに受光素子が設けられており、レーザポインタによって光が照射された位置の受光素子が光を受光するので、光が照射された位置を正確に把握することはできるが、画面を見る人に光が照射されている位置をわかりやすくすることはできない。
【0008】
特許文献2には、指示情報入力装置は、レーザポインタによって投射されている光の色あるいは輝度の変化によって、マウスと同様な入力操作をレーザポインタを用いて行うことが可能となると記載されているが、具体的にどのようにしてマウスと同様の操作を行うかについては開示されていない。
【0009】
本発明の目的は、光を照射する指示装置によって画面に照射された光に応じた制御を行うことができる表示装置および表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する検出部とを備える表示手段と、
前記検出部によって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状を判別する形状判別手段と、
前記形状判別手段によって判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御を行う制御手段とを含むことを特徴とする表示装置である。
【0011】
また本発明は、画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する検出部とを備える表示装置に画像を表示する表示方法であって、
前記検出部によって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状を判別する形状判別ステップと、
前記形状判別ステップで判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御を行う制御ステップとを含むことを特徴とする表示方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表示手段によって、画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する検出部とが備えられ、形状判別手段によって、前記検出部によって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状が判別され、制御手段によって、前記形状判別手段によって判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御が行われる。
【0013】
したがって、光を照射する指示装置によって画面に照射された光、たとえば光によって画面に形成される形状に応じた制御を行うことができる。
【0014】
また本発明によれば、画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する検出部とを備える表示装置に画像を表示するにあたって、形状判別ステップでは、前記検出部によって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状を判別する。制御ステップでは、前記形状判別ステップで判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御を行う。
【0015】
したがって、本発明に係る表示方法を適用すれば、光を照射する指示装置によって画面に照射された光、たとえば光によって画面に形成される形状に応じた制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の実施の一形態である表示装置1の構成を示す図である。表示装置1は、ディスプレイ装置10、発光指示装置30および映像生成装置50を含んで構成される。本発明に係る表示方法は、表示装置1によって処理される。
【0017】
ディスプレイ装置10は、N個の映像入力端子11、表示用・表示処理用一時記憶部12、光センサ内蔵表示用デバイス13、表示処理部14、中央演算部15、内部記憶部16、リモートコントロール(以下「リモコン」という)受光部17、リモコン処理部18、受光箇所判定部19、指示ポインタ表示データ作成部20、受光部形状判定部21およびシリアル通信処理部22を含んで構成され、映像生成装置50に接続されている。
【0018】
映像入力端子11は、映像生成装置50などから出力される映像信号が入力される端子であり、N個の入力端子が設けられている。Nは、自然数である。各映像入力端子11から入力された映像信号は、表示用・表示処理用一時記憶部12に送られる。表示用・表示処理用一時記憶部12は、半導体メモリあるいはハードディスク装置などによって構成される書き込みおよび読み出し可能な記憶装置であり、映像入力端子11から受け取る映像信号を表す画像情報、および中央演算部15によって表示処理および表示用加工処理が行われる画像情報を記憶する。表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報は、表示処理部14および中央演算部15から読み出し可能である。
【0019】
表示手段である光センサ内蔵表示用デバイス13は、表示画像を構成する複数の画素、および受光する光の強さおよび色を検出する検出部である光センサを画素ごとに内蔵する液晶ディスプレイである。さらに、光センサ内蔵表示用デバイス13は、各画素を構成する赤、緑および青のサブピクセルごとに光センサが設けられ、受光した光の色も画素ごとに検出することができる。光センサ内蔵表示用デバイス13は、表示処理部14から受け取る画像情報を表示し、各光センサが画素ごとに検出する光の強さ(以下「受光の強さ」という)および色(以下「受光色」という)を中央演算部15に送る。
【0020】
表示処理部14は、表示用・表示処理用一時記憶部12から読み出した画像情報を、中央演算部15から指示される形式、たとえば光センサ内蔵表示用デバイス13が表示可能な形式に変換して光センサ内蔵表示用デバイス13に送り表示させる。
【0021】
中央演算部15は、中央処理装置(以下「CPU」という)およびディスプレイ装置10を制御するための制御プログラムを記憶するメモリを含んで構成され、CPUがメモリに記憶される制御プログラムを実行することによって、光センサ内蔵表示用デバイス13、表示処理部14、リモコン処理部18およびシリアル通信処理部22を制御する。中央演算部15は、CPUおよびメモリの代わりに、プログラミングすることができるLSI( Large Scale Integration)であるFPGA(Field Programmable Gate Array)、特定の用途のために設計、製造される集積回路であるASIC(Application Specific
Integrated Circuit)、あるいはその他の演算機能を有する回路によって構成してもよい。
【0022】
内部記憶部16は、たとえば書き込みおよび読み出し可能な半導体メモリなどの記憶装置によって構成され、中央演算部15が制御プログラムを実行するときに用いる制御情報161を記憶する。制御情報161は、たとえば受光した光の色を表す受光色、受光した光の強さを表す受光の強さ、受光した光の数を表す受光数、指示ポインタの色を表すポインタ表示色および指示ポインタ表示の中心位置を表すポインタ表示位置などの情報を含む。
【0023】
受光数は、光を受光している受光箇所の数であり、光が重なっていなければ、光を照射している発光指示装置30の数に一致する数である。受光箇所は、発光指示装置30によって光が照射されている少なくとも1つの画素からなる画素群である。指示ポインタは、発光指示装置30によって光が照射されている位置を明示するための画像であり、受光箇所の代表点の位置を示す。
【0024】
リモコン受光部17は、表示装置1を操作するための情報を表示装置1に送信する図示しないリモコンからの光を受光し、受光した光を電気信号に変換して、リモコン処理部18に送る。リモコン処理部18は、リモコン受光部17から受け取る電気信号をリモコンから指示された情報に変換して、中央演算部15に送る。
【0025】
受光箇所判定部19、指示ポインタ表示データ作成部20および受光部形状判定部21は、中央演算部15が制御プログラムを実行することによって実現される機能である。受光箇所判定部19は、光センサ内蔵表示用デバイス13に照射されている光の箇所を判定する。具体的には、受光箇所判定部19は、光センサ内蔵表示用デバイス13の光センサから受け取る受光の強さが、予め定める基準強さ以上、たとえば0〜255の256段階で128以上の画素またはそれらの複数の画素が隣接している範囲を、発光指示装置30から照射されている光を受光している受光箇所と判定する。
【0026】
指示ポインタ表示データ作成部20は、受光箇所判定部19によって光を受光していると判定された受光箇所について、指示ポインタを表示する位置を決定して、指示ポインタを表す指示ポインタデータを作成するとともに、受光部形状判定部21によって判定された形状に応じたコマンドを映像生成装置50に送信する。形状判別手段である受光部形状判定部21は、指示ポインタ表示データ作成部20から呼び出され、発光指示装置30によって画面に照射される光の形状を判定する。具体的には、受光部形状判定部21は、光センサ内蔵表示用デバイス13の光センサから受け取る受光の強さが、予め定める基準強度以上である画素によって形成される形状を判定する。
【0027】
シリアル通信処理部22は、映像生成装置50の映像生成装置シリアル通信処理部55とシリアルインタフェースによって接続され、映像生成装置シリアル通信処理部55と情報を送受信する。シリアル通信処理部22は、中央演算部15から指示される表示画像に対する制御を行うコマンドを映像生成装置50に送信する。表示画像に対する制御を行うコマンドは、たとえば表示している画像情報をX軸方向に移動する横スクロールコマンド、表示している画像情報をY軸方向に移動する縦スクロールコマンド、表示している画像情報を拡大する拡大コマンド、および表示している画像情報を縮小する縮小コマンドなどのコマンドである。
【0028】
発光指示装置30は、レーザポインタなど光を画面に照射して位置を指示する指示装置である。発光指示装置30は、光、たとえばレーザ光線を発光する発光部31、および光を照射して画面に形成する光の形状を切り換える発光形状切換部32を含む。
【0029】
映像生成装置50は、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)などによって構成され、表示用データ記憶部51、映像信号生成部52、映像生成装置中央演算部53、映像生成装置内部記憶部54、映像生成装置シリアル通信処理部55、スクロール処理部56および拡大処理部57を含む。
【0030】
表示用データ記憶部51は、ディスプレイ装置10に表示させるための画像情報を記憶する半導体メモリあるいはハードディスク装置などによって構成される記憶装置である。映像信号生成部52は、表示用データ記憶部51に記憶される画像情報のうち、映像生成装置中央演算部53によって指示される画像情報を表示用データ記憶部51から読み出し、読み出した画像情報を映像信号に変換して出力する。映像信号生成部52によって出力される映像信号は、ディスプレイ装置10の映像入力端子11のうちいずれか1つの映像入力端子に入力される。
【0031】
映像生成装置中央演算部53は、CPUと映像生成装置50を制御するための映像生成装置制御プログラムを記憶するメモリとを含んで構成され、CPUがメモリに記憶される映像生成装置制御プログラムを実行することによって、映像信号生成部52および映像生成装置シリアル通信処理部55を制御する。映像生成装置中央演算部53は、CPUおよびメモリの代わりに、プログラミングすることができるLSI(Large Scale
Integration)であるFPGA(Field Programmable Gate Array)、特定の用途のために設計、製造される集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)、あるいはその他の演算機能を有する回路によって構成してもよい。
【0032】
映像生成装置内部記憶部54は、たとえば書き込みおよび読み出し可能な半導体メモリなどの記憶装置によって構成され、映像生成装置中央演算部53が映像生成装置制御プログラムを実行するときに用いる制御情報541を記憶する。制御情報541は、たとえば表示領域などの情報を含む。表示領域は、1ページ分の画像情報の全体の中でディスプレイ装置10に表示させる部分の領域を表す情報であり、たとえばその領域にある画素のうち画面に向かって左上の位置にある画素のXY座標(Ppos_xs,Ppos_ys)および右下の位置にある画素のXY座標(Ppos_xe,Ppos_ye)によって表す。XY座標は、たとえば表示される1ページ分の全体画像に向かって左上の画素の位置を原点とする座標である。
【0033】
映像生成装置シリアル通信処理部55は、ディスプレイ装置10のシリアル通信処理部22とシリアルインタフェースによって接続され、シリアル通信処理部22と情報を送受信する。映像生成装置シリアル通信処理部55は、ディスプレイ装置10から送信される表示画像に対する制御を行うコマンド、たとえば横スクロールコマンド、縦スクロールコマンド、拡大コマンドおよび縮小コマンドなどのコマンドを受信し、受信したコマンドを映像生成装置中央演算部53に送る。
【0034】
スクロール処理部56および拡大処理部57は、映像生成装置中央演算部53が映像生成装置制御プログラムを実行することによって実現される機能である。スクロール処理部56は、1ページ分の画像情報のうちディスプレイ装置10の画面に表示させる画像情報を横スクロールあるいは縦スクロールする処理を行う。横スクロールは、1ページ分の画像情報のうち表示する画像情報をXY座標のX軸方向に移動する処理であり、縦スクロールはY軸方向に移動する処理である。拡大処理部57は、1ページ分の画像情報のうちディスプレイ装置10の画面に表示させる画像情報を拡大する処理を行う。中央演算部15および映像生成装置中央演算部53は、制御手段である。
【0035】
図2は、発光指示装置30の光が照射された画面40の例を示す図である。図2に示す発光指示装置30は、レーザポインタなど焦点の広がりが小さい指示装置であり、発光指示装置30からのレーザ光線39が画面40のうち、人物画像が表示されている領域41に照射されている。画面40の右側に引き出した画面41は、画素42の1つ1つがわかるように拡大した画面であり、画面41には、人物の表示画像43およびレーザ光線39が照射されているレーザポインタ照射箇所44が示されている。
【0036】
各画素42は、赤色のサブピクセル421、緑色のサブピクセル422および青色のサブピクセル423によって構成され、さらに各画素42には光センサ46が設けられる。光センサ46は、色を検出する3つの光センサ461〜463および光の強さを検出する図示しない光センサを含む。光センサ461は赤色を検出し、光センサ462は緑色を検出し、光センサ463は青色を検出する。
【0037】
図3は、発光指示装置30によって照射される光の形状の例を示す図である。図3(a)は、発光指示装置30によって照射される光の形状がサークル形状61の場合の一例である。サークル形状61は、中心部に光が照射されない予め定める形状、たとえば円形の形状である。図3(b)は、発光指示装置30によって照射される光の形状がドット形状62の場合の一例である。ドット形状62は、中心部に光が照射される予め定める形状、たとえば円形の形状である。図3(c)は、発光指示装置30によって照射される光の形状が横長形状63の場合の一例である。横長形状63は、傾きが予め定める角度以下の横方向の線分の形状である。図3(d)は、発光指示装置30によって照射される光の形状が縦長形状64の場合の一例である。縦長形状64は、傾きが予め定める角度以下の縦方向の線分の形状である。以下、横長形状のことを横線形状、縦長形状のことを縦線形状ともいう。
【0038】
図4は、ドット形状62の光がパネル13に照射されている表示画像の一例を示す図である。画像情報70は、表示用データ記憶部51に記憶される1ページ分の画像情報であり、1ページ分の画像情報のうち領域71にある画像情報が光センサ内蔵表示用デバイス(以下「パネル」ともいう)13に表示される。画面72は、パネル13の画面であり、表示用データ記憶部51に記憶される1ページ分の画像情報70のうち領域71にある画像情報が表示されている。画面74は、画面72のうち発光指示装置30からのレーザ光線が照射されている周辺の部分を拡大した部分画面であり、ドット形状62の光が照射されている。
【0039】
図5は、光の形状が横長形状63のときに表示される表示画像の一例を示す図である。表示装置1は、発光指示装置30によって横長形状63の光が画面75に照射されていると、表示する画像情報の領域を、表示している画像情報の領域の右方向に移動することによって、パネル13の画面に表示する画像情報を横スクロールする。図5に示した例は、表示する画像情報の領域を、領域71から横スクロールさせ、つまり右方向に移動させ、領域71aの画像情報を画面75に表示した状態である。
【0040】
図6は、光の形状が縦長形状64のときに表示される表示画像の一例を示す図である。表示装置1は、発光指示装置30によって縦長形状64の光が画面76に照射されていると、表示する画像情報の領域を、表示している画像情報の領域の下方向に移動することによって、パネル13の画面に表示する画像情報を縦スクロールする。図6に示した例は、表示する画像情報の領域を、領域71aから縦スクロールさせ、つまり下方向に移動させ、領域71bの画像情報を画面76に表示した状態である。
【0041】
図7は、光の形状がサークル形状61のときに表示される表示画像の一例を示す図である。表示装置1は、発光指示装置30によってサークル形状61の光が画面77に照射されていると、サークル形状61が照射されている画素を中心にして画面77に表示されている画像情報を拡大した画像情報をパネル13の画面に表示する。表示装置1は、発光指示装置30によってサークル形状61の光が画面77に照射されている間、画面77に表示されている画像情報を徐々に拡大して、画面77に表示する。このとき、パネル13の画面に表示されている画像情報の領域は、領域71bから領域71cになっている。
【0042】
図8〜図12のフローチャートで用いる変数には、受光数Lcount、受光色PixelColor、受光の強さPixelValue、受光箇所の座標データLpos、および指示ポインタデータPointInfの変数がある。
【0043】
受光数Lcountは、光を受光している受光箇所の数であり、光が照射されている箇所が隣接する複数の画素から構成される場合は、その1つのまとまりを1箇所として数える。変数Lcountは、0からLMAXまでの整数であり、LMAXは、受光色の数の最大数、たとえば「3」である。
【0044】
受光色PixelColorおよび受光の強さPixelValueは、受光した光についての受光色および受光の強さをそれぞれ画素ごとに表す画素データである。受光色PixelColorは、赤色のサブピクセル、緑色のサブピクセルおよび青色のサブピクセルに対応する3つの要素から構成され、それぞれ「0」〜「255」の256段階の階調で表わされる。各画素の画素データは、赤色のサブピクセルの階調、緑色のサブピクセルの階調、青色のサブピクセルの階調および受光の強さの4つの要素から構成される。4つの要素のうち、赤色のサブピクセルの階調、緑色のサブピクセルの階調および青色のサブピクセルの階調は、受光色PixelColorの画素データであり、受光の強さは、受光の強さPixelValueの画素データである。
【0045】
光センサ内蔵表示用デバイス13の画面は、横M個および縦N個の画素から構成され、画面に向かって左上の画素を原点とするXY座標で各画素の位置を表す。たとえばXY座標が(0,0)の画素の画素データは、(255,255,255,255)であり、XY座標が(0,1)の画素の画素データは、(255,250,255,252)であり、XY座標が(100,200)の画素の画素データは、(120,100,200,180)であり、XY座標が(100,201)の画素の画素データは、(122,98,210,190)であり、XY座標が(M−1,N−2)の画素の画素データは、(0,0,0,0)であり、XY座標が(M−1,N−1)の画素の画素データは、(0,0,0,0)である。各画素の受光色および受光の強さを表すときは、各画素のXY座標を用いて、それぞれPixelColor[x,y]およびPixelValue[x,y]と表す。
【0046】
受光箇所の座標データ(以下「受光データ」ともいう)Lposは、受光箇所に含まれる各画素のXY座標を、受光箇所ごとに表す。指示ポインタデータPointInfは、指示ポインタを表示する座標、色、大きさおよび形状を、受光箇所ごとに表すデータである。
【0047】
図8は、中央演算部15が行う表示処理の一例を示すフローチャートである。表示処理は、光を受光した受光箇所の位置に、予め設定されている色および形状の指示ポインタを表示する処理である。中央演算部15が表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報をパネル13に表示するように表示処理部14に指示した後、ステップA1に移る。
【0048】
ステップA1では、パネル13から各光センサが検出した画素ごとのデータ、具体的には受光色および受光の強さのデータを取得し、それぞれ画素ごとに受光色PixelColorおよび受光の強さPixelValueにセットする。ステップA2では、受光箇所検索処理を行う。ステップA3では、指示ポインタデータ作成コマンド送信処理を行う。ステップA4では、指示ポインタ表示処理を行って、ステップA1に戻る。
【0049】
図9は、表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。受光箇所検索処理は、受光箇所判定部19によって実行され、受光箇所判定部19は、図8に示した表示処理から呼び出されると、ステップB1に移る。
【0050】
ステップB1では、変数X,Yおよび受光数の変数Lcountに「0」を代入して初期化する。ステップB2では、変数Yの値がパネル13の垂直解像度、すなわち画面の縦方向の画素数未満であるか否かを判定する。Yの値がパネル13の垂直解像度未満であると、ステップB3に進み、Yの値がパネル13の垂直解像度以上であると、受光箇所検索処理を終了する。ステップB3では、変数Xに「0」を代入して初期化する。ステップB4では、変数Xの値がパネル13の水平解像度、すなわち画面の横方向の画素数未満であるか否かを判定する。変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であると、ステップB5に進み、変数Xの値がパネル13の水平解像度以上であると、ステップB13に進む。
【0051】
ステップB5では、座標(X,Y)の画素のPixelValueつまり受光の強さとPixelColorつまり受光色とを取得する。ステップB6では、取得したPixelValueの値が、所定の値、つまり前記予め定める基準強さより大きいか否か、すなわち光が照射されているか否かを判定する。PixelValueの値が所定の値より大きいと、ステップB7に進み、PixelValueの値が所定の値より大きくないと、ステップB11に進む。ステップB7では、受光データカウンタである変数Nに「0」を代入して初期化する。
【0052】
ステップB8では、変数Nの値がLcountの値つまりすでに検出されている受光数未満であるか否かを判定する。変数Nの値がLcountの値未満であると、ステップB9に進み、変数Nの値がLcountの値以上であると、ステップB14に進む。ステップB9では、N番目の受光データLposに、すでに光が照射されているとして検出された隣接する画素の座標(以下「隣接座標」という)があるか否かを判定する。N番目の受光データLposに隣接座標があると、ステップB10に進み、N番目の受光データLposに隣接座標がないと、ステップB12に進む。
【0053】
ステップB10では、座標(X,Y)の値を、N番目の受光データLposに追加する。ステップB11では、変数Xに「1」を加算して、ステップB4に戻る。ステップB12では、変数Nに「1」を加算して、ステップB8に戻る。ステップB13では、変数Yに「1」を加算して、ステップB2に戻る。ステップB14では、変数Lcountに「1」を加算、すなわち受光数をカウントアップして、ステップB10に進む。
【0054】
図10は、表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成コマンド送信処理の一例を示すフローチャートである。指示ポインタデータ作成コマンド送信処理は、指示ポインタ表示データ作成部20によって実行され、指示ポインタ表示データ作成部20は、図8に示した表示処理から呼び出されると、ステップC1に移る。
【0055】
ステップC1では、変数Nに「0」を代入して初期化する。ステップC2では、変数Nが受光数Lcount未満であるか否かを判定する。変数Nが受光数Lcount未満であると、ステップC3に進み、変数Nが受光数Lcount以上であると、指示ポインタデータ作成コマンド送信処理を終了する。
【0056】
ステップC3では、N番目の受光データLposの座標を、N番目の指示ポインタデータPointInfの座標データにコピーする。ステップC4では、N番目の指示ポインタデータPointInfの各座標の色データを、受光色PixelColorのデータから取り出して、コピーする。ステップC5では、受光部形状判定部21を呼び出して、照射箇所つまり受光箇所の形状を判別する。ステップC6では、受光部形状判定部21によって判定された形状が何かを判定する。判定された形状がドット形状であると、具体的には変数Aが「0」であると、ステップC8に進み、サークル形状であると、具体的には変数Aが「3」であると、ステップC7に進み、横線形状であると、具体的には変数Aが「1」であると、ステップC9に進み、縦線形状であると、具体的には変数Aが「2」であると、ステップC10に進む。
【0057】
ステップC7では、「拡大」コマンドをシリアル通信処理部22によって映像生成装置50に送信する。ステップC8では、変数Nに「1」を加算して、ステップC2に戻る。ステップC9では、「横スクロール」コマンドをシリアル通信処理部22によって映像生成装置50に送信して、ステップC8に進む。ステップC10では、「縦スクロール」コマンドをシリアル通信処理部22によって映像生成装置50に送信して、ステップC8に進む。
【0058】
図11は、表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。中央演算部15は、図8に示した表示処理のステップB4を実行すると、ステップD1に移る。
【0059】
ステップD1では、変数X,Y,Zに「0」を代入して初期化する。ステップD2では、変数Yの値がパネル13の垂直解像度未満であるか否かを判定する。Yの値がパネル13の垂直解像度未満であると、ステップD3に進み、Yの値がパネル13の垂直解像度以上であると、指示ポインタ表示処理を終了する。ステップD3では、変数Xに「0」を代入して初期化する。ステップD4では、変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であるか否かを判定する。変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であると、ステップD5に進み、変数Xの値がパネル13の水平解像度以上であると、ステップD9に進む。
【0060】
ステップD5では、座標(X,Y)とZ番目のPointInfのデータの座標とが同じであるか否かを判定する。座標(X,Y)とZ番目のPointInfのデータの座標とが同じであると、ステップD6に進み、座標(X,Y)とZ番目のPointInfのデータの座標とが同じでないと、ステップD8に進む。
【0061】
ステップD6では、座標(X,Y)の画素を、Z番目のPointInfのデータの色で表示する。具体的には、中央演算部15は、表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報のうち、座標(X,Y)の画素の色を、Z番目のPointInfのデータの色に置き換える。表示処理部14は、座標(X,Y)の画素の色が書き換えられた画像情報を表示用・表示処理用一時記憶部12から読み出し、所定の形式に変換してパネル13に表示させる。ステップD7では、変数Zに「1」を加算する。ステップD8では、変数Xに「1」を加算して、ステップD4に戻る。ステップD9では、変数Yに「1」を加算して、ステップD2に戻る。
【0062】
図12は、指示ポインタデータ作成コマンド送信処理から呼び出される形状判定処理の一例を示すフローチャートである。形状判定処理は、受光部形状判定部21によって実行され、図10に示した指示ポインタデータ作成コマンド送信処理から呼び出されると、ステップE1に移る。
【0063】
ステップE1では、注目する画素のX座標を受光箇所のX座標のうち最小のX座標Xminとする。ステップE2では、注目する画素のX座標の値が、受光箇所のX座標のうち最大のX座標Xmaxの値以下であるか否かを判定する。注目する画素のX座標の値がX座標Xmaxの値以下であると、ステップE3に進み、注目する画素のX座標の値がX座標Xmaxの値よりも大きいと、ステップE12に進む。ステップE3では、X軸方向の傾きが許容範囲内であるか否かを判定する。具体的には、座標XのY座標の範囲が5未満であるか否か、すなわち注目する画素のY座標と座標Xminの画素のY座標との差が5未満であるか否かを判定する。座標XのY座標の範囲が5未満であると、ステップE4に進み、座標XのY座標の範囲が5以上であると、ステップE5に進む。ステップE4では、変数Xに「1」を加算して、ステップE2に戻る。
【0064】
ステップE5では、注目する画素のY座標を受光箇所のY座標のうち最小のY座標Yminとする。ステップE6では、注目する画素のY座標の値が、受光箇所のY座標のうち最大のY座標Ymaxの値以下であるか否かを判定する。注目する画素のY座標の値がY座標Ymaxの値以下であると、ステップE7に進み、注目する画素のY座標の値がY座標Ymaxの値よりも大きいと、ステップE13に進む。ステップE87では、Y軸方向の傾きが許容範囲内か否かを判定する。具体的には、座標YのX座標の範囲が5未満であるか否か、すなわち注目する画素のX座標と座標Yminの画素のX座標との差が5未満であるか否かを判定する。座標YのX座標の範囲が5未満であると、ステップE8に進み、座標YのX座標の範囲が5以上であると、ステップE9に進む。ステップE8では、変数Yに「1」を加算して、ステップE6に戻る。
【0065】
ステップE9では、受光箇所の中心座標(Xm,Ym)を求める。具体的には、式Xm=(Xmin+Xmax)/2、および式Ym=(Ymin+Ymax)/2によって求める。ステップE10では、中心部に光が照射されているか否かを判定する。具体的には、受光箇所データLposに含まれる画素のうち、左上の位置が座標(Xm−2,Ym−2)と右下の位置が座標(Xm+2,Ym+2)とで決まる範囲内に、XY座標がある画素が2つ以上あるか否かを判定する。2つ以上あると、ステップE11に進み、2つ以上ないと、ステップE14に進む。
【0066】
ステップE11では、変数Aにドット形状であることを表す値「0」を代入して、形状判定処理を終了する。ステップE12では、変数Aに横線形状であることを表す値「1」を代入して、形状判定処理を終了する。ステップE13では、変数Aに縦線形状であることを表す値「2」を代入して、形状判定処理を終了する。ステップE14では、変数Aにサークル形状であることを表す値「3」を代入して、形状判定処理を終了する。図12に示したステップE1〜E14は、形状判別ステップである。
【0067】
図13は、映像生成装置中央演算部53が行うコマンド処理の一例を示すフローチャートである。コマンド処理は、ディスプレイ像置10から受信した表示画像に対する制御を行うコマンド、たとえば横スクロールコマンド、縦スクロールコマンド、拡大コマンドおよび縮小コマンドなどのコマンドを実行する処理である。映像生成装置中央演算部53が表示用データ記憶部51に記憶される画像情報をディスプレイ装置10に出力するように映像信号生成部52に指示した後、ステップF1に移る。
【0068】
ステップF1では、コマンドを受信したか否かを判定する。コマンドを受信していないと、ステップF5に進む。コマンドを受信し、受信したコマンドが横スクロールコマンドであると、ステップF8に進み、受信したコマンドが縦スクロールコマンドであると、ステップF2に進み、受信したコマンドが拡大コマンドであると、ステップF13に進む。ステップF2では、表示領域が表示データの最下端であるか否かを判定する。具体的には、表示領域が1ページ分の画素情報の画素のうち最下端の画素を含んでいるか否かを判定する。表示領域が表示データの最下端であると、ステップF7に進み、表示領域が表示データの最下端でないと、ステップF3に進む。
【0069】
ステップF3では、表示領域の最下端と表示データの最下端との差が1画素(以下「ドット」ともいう)であるか否かを判定する。表示領域の最下端と表示データの最下端との差が1ドットであると、ステップF6に進み、表示領域の最下端と表示データの最下端との差が1ドットでないと、ステップF4に進む。ステップF4では、表示領域のY座標に「2」を加える。具体的には、Y座標Ppos_ys,Ppos_yeに「2」を加算する。
【0070】
ステップF5では、表示領域部分、すなわち左上の位置にある画素のXY座標(Ppos_xs,Ppos_ys)および右下の位置にある画素のXY座標(Ppos_xe,Ppos_ye)によって定まる領域部分の映像信号を映像信号生成部52によって生成して出力し、ステップF1に戻る。ステップF6では、表示領域を最下端にして、ステップF5に進む。すなわち、X座標は変えずに、表示領域の最下端の画素が1ページ分の画像情報の最下端の画素になるようにして、ステップF5に進む。ステップF7では、表示領域を最上端にして、ステップF5に進む。すなわち、X座標は変えずに、表示領域の最上端の画素が1ページ分の画像情報の最上端の画素になるようにして、ステップF5に進む。
【0071】
ステップF8では、表示領域が表示データの最右端であるか否かを判定する。具体的には、表示領域が1ページ分の画素情報の画素のうち最右端の画素を含んでいるか否かを判定する。表示領域が表示データの最右端であると、ステップF12に進み、表示領域が表示データの最右端でないと、ステップF9に進む。ステップF9では、表示領域の最右端と表示データの最右端との差が1ドットであるか否かを判定する。表示領域の最右端と表示データの最右端との差が1ドットであると、ステップF11に進み、表示領域の最右端と表示データの最右端との差が1ドットでないと、ステップF10に進む。
【0072】
ステップF10では、表示領域のX座標に「2」を加える。具体的には、X座標Ppos_xs,Ppos_xeに2を加算して、ステップF5に進む。ステップF11では、表示領域を最右端にして、ステップF5に進む。すなわち、Y座標は変えずに、表示領域の最右端の画素が1ページ分の画像情報の最右端の画素になるようにして、ステップF5に進む。ステップF12では、表示領域を最左端にして、ステップF5に進む。すなわち、Y座標は変えずに、表示領域の最左端の画素が1ページ分の画像情報の最左端の画素になるようにして、ステップF5に進む。
【0073】
ステップF13では、表示領域の幅つまりX軸方向の画素の数が10ドット以内であるか否かを判定する。表示領域の幅が10ドット以内であると、ステップF16に進み、表示領域の幅が10ドット以内でないと、ステップF14に進む。ステップF14では、表示領域の高さつまりY軸方向の画素の数が10ドット以内であるか否かを判定する。表示領域の高さが10ドット以内であると、ステップF16に進み、表示領域の高さが10ドット以内でないと、ステップF15に進む。
【0074】
ステップF15では、表示領域の左上の画素のX座標およびY座標のそれぞれに「2」を加算し、右下の画素のX座標およびY座標のそれぞれから「2」を減算して、ステップF5に進む。ステップF16では、表示領域を標準のサイズ、すなわち非拡大のサイズにして、ステップF5に進む。
【0075】
映像生成装置中央演算部53は、ステップF2〜F7およびステップF8〜F12をスクロール処理部56によって実行し、ステップF13〜F16を拡大処理部57によって実行する。図8に示したステップA1〜A4および図13に示したステップF1〜F16は、制御ステップである。
【0076】
上述したフローチャートでは、画像情報を縮小する処理を記載していないが、ドット形状、横長形状、縦長形状およびサークル形状以外の形状を、縮小コマンドに割り当てることによって、同様に処理することができる。さらに他の形状を、拡大した画像情報または縮小した画像情報を元に戻すコマンドに割り当てることによって、拡大した画像情報または縮小した画像情報を元に戻すことができるようにしてもよい。
【0077】
このように、光センサ内蔵表示用デバイス13によって、画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する光センサとが備えられ、受光部形状判定部21によって、光センサによって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状が判別され、中央演算部15および映像生成装置中央演算部53によって、受光部形状判定部21によって判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御が行われる。
【0078】
したがって、光を照射する指示装置によって画面に照射された光、たとえば光によって画面に形成される形状に応じて表示画像に対する制御を行うことができる。
【0079】
さらに、前記予め定める制御は、前記表示画像をスクロールさせて表示する制御であるので、画面に照射する光の形状によって、画面に入らない画像情報をスクロールして表示することができる。
【0080】
さらに、前記予め定める制御は、前記表示画像を拡大もしくは縮小して、または拡大した表示画像もしくは縮小した表示画像を元に戻して表示する制御であるので、画面に照射する光の形状によって、画像情報を拡大もしくは縮小して、あるいは元の大きさで表示することができる。
【0081】
さらに、画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する光センサとを備える表示装置1に画像を表示するにあたって、図12に示したステップE1〜E14では、光センサによって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状を判別する。図8に示したステップA1〜A4および図13に示したステップF1〜F16では、図12に示したステップE1〜E14で判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御を行う。
【0082】
したがって、本発明に係る表示方法を適用すれば、光を照射する指示装置によって画面に照射された光、たとえば光によって画面に形成される形状に応じて表示画像に対する制御を行うことができる。
【0083】
さらに、前記予め定める制御は、前記表示画像をスクロールさせて表示する制御であるので、本発明に係る表示方法を適用すれば、画面に入らない画像情報をスクロールして表示することができる。
【0084】
さらに、前記予め定める制御は、前記表示画像を拡大もしくは縮小して、または拡大した表示画像もしくは縮小した表示画像を元に戻して表示する制御であるので、本発明に係る表示方法を適用すれば、画像情報を拡大あるいは縮小して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の一形態である表示装置1の構成を示す図である。
【図2】発光指示装置30の光が照射された画面40の例を示す図である。
【図3】発光指示装置30によって照射される光の形状の例を示す図である。
【図4】ドット形状62の光がパネル13に照射されている表示画像の一例を示す図である。
【図5】光の形状が横長形状63のときに表示される表示画像の一例を示す図である。
【図6】光の形状が縦長形状64のときに表示される表示画像の一例を示す図である。
【図7】光の形状がサークル形状61のときに表示される表示画像の一例を示す図である。
【図8】中央演算部15が行う表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成コマンド送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】指示ポインタデータ作成コマンド送信処理から呼び出される形状判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】映像生成装置中央演算部53が行うコマンド処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1 表示装置
10 ディスプレイ装置
11 映像入力端子
12 表示用・表示処理用一時記憶部
13 光センサ内蔵表示用デバイス
14 表示処理部
15 中央演算部
16 内部記憶部
17 リモコン受光部
18 リモコン処理部
19 受光箇所判定部
20 指示ポインタ表示データ作成部
21 受光部形状判定部
22 シリアル通信処理部
30 発光指示装置
31 発光部
32 間欠駆動部
33 ボタン
40,41 画面
42 画素
43 表示画像
44 レーザポインタ照射箇所
45 指示ポインタ
50 映像生成装置
51 表示用データ記憶部
52 映像信号生成部
53 映像生成装置中央演算部
54 映像生成装置内部記憶部
55 映像生成装置シリアル通信処理部
56 スクロール処理部
57 拡大処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する検出部とを備える表示手段と、
前記検出部によって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状を判別する形状判別手段と、
前記形状判別手段によって判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御を行う制御手段とを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記予め定める制御は、前記表示画像をスクロールさせて表示する制御であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記予め定める制御は、前記表示画像を拡大もしくは縮小して、または拡大した表示画像もしくは縮小した表示画像を元に戻して表示する制御であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する検出部とを備える表示装置に画像を表示する表示方法であって、
前記検出部によって検出された光の強さが予め定める基準強さ以上として検出された基準位置によって形成される形状を判別する形状判別ステップと、
前記形状判別ステップで判別された形状に応じて、前記表示画像に対して予め定める制御を行う制御ステップとを含むことを特徴とする表示方法。
【請求項5】
前記予め定める制御は、前記表示画像をスクロールさせて表示する制御であることを特徴とする請求項4に記載の表示方法。
【請求項6】
前記予め定める制御は、前記表示画像を拡大もしくは縮小して、または拡大した表示画像もしくは縮小した表示画像を元に戻して表示する制御であることを特徴とする請求項4に記載の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−265440(P2009−265440A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116234(P2008−116234)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】