説明

表示装置および表示装置の制御方法

【課題】コンテンツの先頭が切れて表示されるのを防止する。
【解決手段】映像コンテンツを再生する外部映像機器2と接続されて用いられるプロジェクター3であって、外部映像機器2から入力された映像コンテンツの映像信号の種別を判別する信号判別部58と、判別した種別に基づいて、表示設定を行う投射設定部59と、設定した表示設定に基づいて、映像コンテンツを表示する映像投射部61と、外部映像機器2に対し映像コンテンツの再生を開始させるための再生コマンドを送信し、投射設定部59による表示設定後、映像コンテンツを先頭から再生させるための巻戻しコマンドを送信する制御コマンド送信部53と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを再生する外部映像機器と接続されて用いられ、外部映像機器によるコンテンツの再生に伴って当該コンテンツを表示する表示装置および表示装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置として、アナログ映像信号を供給するコンピューターに接続され、コンピューターから入力されるアナログ映像信号を、液晶シャッターの各画素に対応してサンプリングした画像をスクリーン上に投射表示する液晶プロジェクターが知られている(特許文献1参照)。この液晶プロジェクターは、入力されたアナログ映像信号に基づいて、解像度の設定等の表示設定(サンプリングパラメーターの設定)を行い、この表示設定に基づいて、画像を投射表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開番号WO98/20476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、コンピューターに代えて、映像のコンテンツを記憶した携帯端末(スマートフォン、PDAやポータブルレコーダー等)をプロジェクターに接続し、プロジェクターを用いてこのコンテンツを表示するものが知られている。すなわち、携帯端末は、コンテンツの映像信号をプロジェクターに入力し、プロジェクターは、入力された映像信号をスクリーンに投射表示する。そして、このように携帯端末に接続されて用いられるプロジェクターに対しても、上記従来の表示設定を自動設定する構成を適用することが考えられる。
しかしながら、携帯端末を接続した場合、コンテンツを再生する前に、映像信号が得られないことが一般的である。そのため、入力された映像信号に基づいて表示設定を行っている間に、コンテンツが進行してしまい、表示設定に基づいて表示するころには、コンテンツが先まで進んでしまう。ゆえに、コンテンツの先頭が切れて表示されてしまう(いわゆる頭切れ)という問題があった。
【0005】
本発明は、コンテンツの先頭が切れて表示されるのを防止することができる表示装置および表示装置の制御方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、コンテンツを再生する外部映像機器と接続されて用いられる表示装置であって、外部映像機器から入力されたコンテンツの映像信号の種別を判別する信号判別部と、判別した種別に基づいて、表示設定を行う表示設定部と、設定した表示設定に基づいて、コンテンツを表示する表示部と、外部映像機器に対しコンテンツの再生を開始させるための第1の要求信号を送信し、表示設定部による表示設定後、コンテンツを先頭から再生させるための第2の要求信号を送信する要求信号送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の表示装置の制御方法は、コンテンツを再生する外部映像機器と接続されて用いられる表示装置の制御方法であって、表示装置が、外部映像機器から入力されたコンテンツの映像信号の種別を判別する信号判別ステップと、判別した種別に基づいて、表示設定を行う表示設定ステップと、設定した表示設定に基づいて、コンテンツを表示する表示ステップと、外部映像機器に対しコンテンツの再生を開始させるための第1の要求信号を送信し、表示設定ステップの後、コンテンツを先頭から再生させるための第2の要求信号を送信する要求信号送信ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、表示設定を行った後に、改めてコンテンツを先頭から再生させるための要求信号(第2の要求信号)を送信するため、第2の要求信号により、コンテンツの進行を先頭に戻すことができる。よって、コンテンツの先頭が切れて表示されることがなく、コンテンツの先頭から表示することができる。なお、ここにいう「再生」とは、厳密には、コンテンツの映像信号を、コンテンツの進行にあわせて順次出力する処理である。
【0009】
上記の表示装置において、表示部は、第1の要求信号の送信前から第2の要求信号の送信後コンテンツの再生が開始されるまでの間、映像表示禁止状態を維持することを特徴とすることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、映像信号に合った表示設定が行われていない状態で、映像信号が表示されるのを防止することができる。
【0011】
また、コンテンツの再生開始位置を判別する再生位置判別部を、さらに備え、要求信号送信部は、第1の要求信号を送信し、判別した再生開始位置がコンテンツの先頭である場合、第2の要求信号を送信し、コンテンツの先頭ではない場合、再生開始位置の判別後、コンテンツの再生を一時停止させるための一時停止要求信号を送信し、表示設定部による表示設定後、コンテンツの再生を再開させるための再開要求信号を送信することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、コンテンツの再生開始位置が先頭でない場合に、表示設定を行うまでの間、コンテンツの再生を一時停止しておくことで、表示していない状態で映像コンテンツが進行してしまうのを極力抑えることができる。
【0013】
一方、表示部は、コンテンツをスクリーンに投射することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、スクリーンや壁、ホワイトボード等上にコンテンツを表示させることができる。
【0015】
また、映像信号には、音声信号が付加されており、コンテンツは、映像および音声を含むコンテンツであることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、映像と共に再生される音声についても、先頭から再生されるので、音声についても、先頭が切れて出力されるのを防止することができる。
【0017】
さらに、表示設定は、表示部の画面表示サイズ設定、リフレッシュレート設定および画面アスペクト比設定の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、画面表示サイズ設定、リフレッシュレート設定や画面アスペクト比設定を、コンテンツの映像信号の種別に基づいて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係る映像表示システムのシステム構成図である。
【図2】映像表示システムの機能ブロック図である。
【図3】映像表示システムによる映像表示動作の前半(S1〜S17)を示したフローチャートである。
【図4】映像表示システムによる映像表示動作の後半における一方の分岐フロー(S18〜S26)を示したフローチャートである。
【図5】映像表示システムによる映像表示動作の後半における他方の分岐フロー(S27〜S38)を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態に係る表示装置および表示装置の制御方法について説明する。本実施形態では、表示装置であるプロジェクターを構成要素とする映像表示システムを例示する。図1に示すように、映像表示システム1は、映像コンテンツ(コンテンツ)を再生する外部映像機器2と、外部映像機器2にケーブル4を介して接続されて用いられるプロジェクター3とにより、構成されている。すなわち、外部映像機器2に記憶されている映像コンテンツを、プロジェクター3を用いてスクリーンSに投射表示する。
【0021】
外部映像機器2は、スマートフォンやPDA、ポータブルレコーダー等の、映像コンテンツ再生前に信号種別の判別ができない所定の外部映像機器(以下、「携帯端末」と称する)と、DVDレコーダー等の、映像コンテンツ再生前に信号種別の判別ができる上記所定の外部映像機器以外の外部映像機器とを利用可能であり、いずれも通信部11、制御部12および記憶部13を有している。通信部11は、ケーブル4が接続されプロジェクター3との通信を行う。制御部12は、外部映像機器2を統括制御する。記憶部13は、映像コンテンツを含む各種情報を記憶する。
【0022】
プロジェクター3は、ケーブル4が接続され外部映像機器2との通信を行う通信部21と、スクリーンSに映像を投射する投射光学系22と、音声を出力するスピーカー23と、これらを制御する制御部24と、を備えている。また、プロジェクター3には、表示パネル25および各種操作子26を有した操作パネル27が配設されており、ユーザーによって各種設定操作が可能な構成となっている。
【0023】
投射光学系22は、スクリーンS上に画像を投射するものであり、光源ランプ31、液晶ライトバルブ32、投射レンズ33、ランプ駆動部34およびライトバルブ駆動部35を有している。
【0024】
光源ランプ31としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプまたは高圧水銀ランプを適用可能である。また、光源ランプ31に代えて、レーザーやLEDなどの固体光源を用いても良い。液晶ライトバルブ32は、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成され、各透明基板の内面には、液晶に対して微小領域毎に駆動電圧を印加可能な透明電極が、画素としてマトリクス状に形成されている。ランプ駆動部34は、制御部24からの点灯指令に基づいて、光源ランプ31を点灯させる。ライトバルブ駆動部35は、液晶ライトバルブ32の各画素に、投射画像に応じた駆動電圧を印加することにより、各画素の光透過率を設定する。
【0025】
上記の構成により、投射光学系22では、光源ランプ31から射出された照明光が、液晶ライトバルブ32を透過することによって変調される。また、変調された画像光は、不図示の光合成光学系(ダイクロイックプリズムなど)により画素毎に合成され、投射レンズ33によってスクリーンS上に投射される。
【0026】
制御部24は、CPU36、ROM37およびRAM38等により構成される。CPU36は、各種演算処理を行う中央処理装置であり、各部との信号の入出力を行うことによりプロジェクター3を統括制御する。ROM37は、CPU36が各種演算処理を行うために用いられる制御プログラムおよび制御データを記憶している。また、ROM37には、基本ソフトウェアであるOS(Operating System)も記憶されている。RAM38は、CPU36が各種演算処理を行う際の作業領域として用いられる。
【0027】
ここで図2の機能ブロック図を参照して、外部映像機器2およびプロジェクター3の機能構成について説明する。図2に示すように、外部映像機器2は、コンテンツ記憶部41と、コンテンツリスト作成部42と、制御コマンド受信部43と、映像再生部44と、を備えている。
【0028】
コンテンツ記憶部41は、記憶部13を主要部とし、映像コンテンツを1以上記憶する。なお、映像コンテンツは、相互に同期する映像および音声を含んでいる。コンテンツリスト作成部42は、コンテンツ記憶部41に記憶された映像コンテンツのリストであるコンテンツリストを作成する。
【0029】
制御コマンド受信部43は、通信部11を主要部とし、プロジェクター3からの制御コマンド(要求信号)を受信する。制御コマンドとしては、映像コンテンツの再生を開始させるための再生コマンドと、映像コンテンツを先頭から再生させるための巻戻しコマンドと、映像コンテンツの再生を一時停止させるための一時停止コマンドと、一時停止を解除して映像コンテンツの再生を再開させるための再開コマンド、などがある。なお、再生コマンドでは、外部映像機器2に予め記憶された再生位置から、映像コンテンツを再生させる。すなわち、再生位置として、映像コンテンツの先頭が記憶されている場合、先頭から映像コンテンツを再生させる。一方、映像コンテンツの再生を一度中断すると、外部映像機器2に映像コンテンツの途中を示す再生位置が記憶されるが、かかる場合、映像コンテンツの途中から再生を開始させる。
【0030】
映像再生部44は、通信部11を主要部とし、プロジェクター3からの制御コマンドを受けて、映像コンテンツの再生を制御する。映像再生部44による映像コンテンツの再生では、映像コンテンツの進行に伴って、順次当該映像コンテンツの映像信号をプロジェクター3に出力(送信)する。なお、映像信号には、音声信号が付加されており、映像信号と共に、音声信号を順次出力する。
【0031】
プロジェクター3は、コンテンツリスト表示部51と、再生操作部52と、制御コマンド送信部(要求信号送信部)53と、信号入力部54と、音声出力部55と、映像機器判別部56と、再生位置判別部57と、信号判別部58と、投射設定部(表示設定部)59と、投射画像生成部60と、映像投射部61と、を備えている。なお、請求項にいう表示部は、投射画像生成部60および映像投射部61により構成されている。
【0032】
コンテンツリスト表示部51は、通信部21および表示パネル25を主要部とし、外部映像機器2から上記コンテンツリストを取得すると共に、当該コンテンツリストを表示パネル25上で表示する。再生操作部52は、各種操作子26を主要部とし、表示したコンテンツリスト中から、再生する映像コンテンツを選択操作するためのものである。
【0033】
制御コマンド送信部53は、通信部21を主要部とし、上記制御コマンド(再生コマンド、巻戻しコマンド、一時停止コマンドおよび再開コマンド)を外部映像機器2に送信する。すなわち、プロジェクター3は、制御コマンドの適宜送信することによって、外部映像機器2での映像コンテンツの再生制御を要求する。
【0034】
信号入力部54は、通信部21を主要部とし、外部映像機器2からの映像コンテンツの映像信号を順次プロジェクター3に入力する。かかる際、映像信号を、これに付加した音声信号と共に入力する。音声出力部55は、スピーカー23を主要部とし、入力された音声信号を順次、音声出力する。
【0035】
映像機器判別部56は、外部映像機器2を接続した際、接続した外部映像機器2の種別を判別する。厳密には、映像機器判別部56は、接続した外部映像機器2が携帯端末であるか否かを判別する。再生位置判別部57は、入力された映像信号に基づいて、映像コンテンツの再生開始位置を判別する。厳密には、再生位置判別部57は、映像コンテンツの再生開始位置が、映像コンテンツの先頭であるか否かを判別する。
【0036】
信号判別部58は、入力された映像信号に基づいて、映像コンテンツの映像信号の種別を判別する。ここにいう種別とは、画面表示サイズ、リフレッシュレート、画面アスペクト比および映像信号方式(RGB信号、コンポーネント信号もしくはコンポジット信号等)を定めた映像信号の規格である。投射設定部59は、判別した種別に基づいて、入力された映像信号に対する投射設定(表示設定:デバイス設定)を行う。投射設定には、投射画像生成部60の画面表示サイズ設定、リフレッシュレート設定、および画面アスペクト比設定等が含まれており、これらの設定を、判別した種別に応じた最適な設定値に設定する。なお、その他、映像信号の種別に合わせて、信号変換方式の設定を行う構成であっても良い。
【0037】
投射画像生成部60は、投射設定部59による投射設定に基づいて、入力された映像信号から投射画像を生成する。すなわち、投射設定部59により設定した画面表示サイズ、リフレッシュレートおよび画面アスペクト比により、投射画像を生成する。
【0038】
映像投射部61は、投射光学系22を主要部とし、生成された投射画像をスクリーンS上に投射表示する。すなわち、映像コンテンツの映像信号が順次入力されるので、これに基づく投射画像を順次スクリーンSに投射表示していく。これにより、映像コンテンツの映像信号をスクリーンSに投射表示する。なお、映像投射部61による映像の投射表示と、音声出力部55による音声の出力とは同期して行われる。
【0039】
次に図3ないし図5を参照して、映像表示システム1による映像表示動作について説明する。本映像表示動作は、外部映像機器2をプロジェクター3に接続するのに起因して開始する。
【0040】
図3に示すように、外部映像機器2がプロジェクター3に接続されると(S1:Yes)、プロジェクター3は、映像機器判別部56により、接続した外部映像機器2が携帯端末であるか否かを判別する(S2)。
【0041】
外部映像機器2が携帯端末ではない場合(S3:No)には、映像コンテンツ再生前に映像信号の種別を判別可能な外部映像機器であるため、プロジェクター3は、まず、信号判別部58により、映像信号の種別を判別し(S4)、投射設定部59により、判別した種別に基づいて当該映像信号に対する投射設定を行う(S5)。これによって、最適な各設定値で映像信号を投射可能な状態になる。その後、外部映像機器2から映像コンテンツの映像信号が順次出力されるので、信号入力部54により、これをプロジェクター3自身に入力する(S6)。そして、投射画像生成部60により、投射設定部59による投射設定(設定結果)に基づいて、映像信号から投射画像を順次生成し(S7)、映像投射部61により生成した投射画像を投射表示していく(S8)。これにより本映像表示動作を終了する。
【0042】
一方、外部映像機器2が携帯端末である場合(S3:Yes)には、プロジェクター3は、コンテンツリスト表示部51により、コンテンツリストを表示する(S9)。具体的には、外部映像機器2からコンテンツリストを取得し、これを表示パネル25上に表示する。コンテンツリストを表示したら、ユーザーによる選択操作待ちの状態に移行する(S10)。
【0043】
ユーザーによって映像コンテンツが選択されたら(S10:Yes)、投射画像生成部60を映像表示禁止状態(ブラックアウト化)に移行し(S11)、その後、制御コマンド送信部53により、選択された映像コンテンツを再生させるための再生コマンド(第1の要求信号)を外部映像機器2に送信する(S12:要求信号送信ステップ)。なお、映像表示禁止状態とは、映像信号による投射表示を拒否する状態であり、いわゆる映像ミュート(AVミュート)の状態である。
【0044】
これに対し、外部映像機器2は、制御コマンド受信部43により、再生コマンドを受信し(S13)、映像再生部44により、再生コマンドに従って、選択された映像コンテンツを再生する(S14)。すなわち、選択された映像コンテンツの映像信号を順次出力する。
【0045】
映像信号が出力されたら、プロジェクター3は、信号入力部54により、これをプロジェクター3自身に入力する(S15)。そして、再生位置判別部57により、入力された映像信号に基づいて、再生コマンドに伴う映像コンテンツの再生開始位置を判別する(S16)。判別した再生開始位置が映像コンテンツの先頭である場合(S17:Yes)には、図4に示すように、映像機器判別部56により、入力された映像信号に基づいて、映像信号の種別を判別し(S18:信号判別ステップ)、投射設定部59により、判別した種別に基づいて当該映像信号に対する投射設定を行う(S19:表示設定ステップ)。これによって、最適な各設定値で映像信号を投射可能な状態になる。そして、投射設定部59による設定後、制御コマンド送信部53により、巻戻しコマンド(第2の要求信号)を送信し(S20:要求信号送信ステップ)、その後、投射画像生成部60の映像表示禁止状態を解除する(S21)。すなわち、投射画像生成部60は、本ケースでは、再生コマンドの送信前から巻戻しコマンドの送信後、映像コンテンツの再生が開始されるまでの間、映像表示禁止状態を維持する。
【0046】
これに対し、外部映像機器2は、制御コマンド受信部43により、巻戻しコマンドを受信し(S22)、映像再生部44により、巻戻しコマンドに従って、再生中の映像コンテンツを先頭から再生する(S23)。すなわち、先頭から映像コンテンツの映像信号を順次出力する。
【0047】
映像信号が順次出力されたら、信号入力部54により、これをプロジェクター3自身に入力する(S24)。そして、投射画像生成部60により、投射設定部59による投射設定(設定結果)に基づいて、映像信号から投射画像を順次生成し(S25)、映像投射部61により生成した投射画像を投射表示していく(S26:表示ステップ)。これにより本映像表示動作を終了する。
【0048】
また、判別した再生開始位置が映像コンテンツの先頭ではない場合(S17:No)には、再生開始位置の判別後、図5に示すように、制御コマンド送信部53により、一時停止コマンド(一時停止要求信号)を外部映像機器2に送信する(S27)。これに対し、外部映像機器2は、制御コマンド受信部43により、一時停止コマンドを受信し(S28)、映像再生部44により、一時停止コマンドに従って、映像コンテンツの再生を一時停止する(S29)。その後、プロジェクター3は、映像機器判別部56により、入力された映像信号に基づいて、当該映像信号の種別を判別し(S30)、投射設定部59により、判別した種別に基づいて当該映像信号に対する投射設定を行う(S31)。これによって、最適な各設定値で映像信号を投射可能な状態になる。そして、投射設定部59による設定後、制御コマンド送信部53により、再開コマンド(再開要求信号)を送信し(S32)、その後、投射画像生成部60の映像表示禁止状態を解除する(S33)。すなわち、投射画像生成部60は、本ケースでは、再生コマンドの送信前から再開コマンドの送信後、映像コンテンツの再生が再開されるまでの間、映像表示禁止状態を維持する。
【0049】
これに対し、外部映像機器2は、制御コマンド受信部43により、再開コマンドを受信し(S34)、映像再生部44により、再開コマンドに従って、一時停止中の映像コンテンツの再生を再開する(S35)。すなわち、一時停止位置から映像コンテンツの映像信号を順次出力する。
【0050】
映像信号が順次出力されたら、信号入力部54により、これをプロジェクター3自身に入力する(S36)。そして、投射画像生成部60により、投射設定部59による投射設定(設定結果)に基づいて、映像信号から投射画像を順次生成し(S37)、映像投射部61により生成した投射画像を投射表示していく(S38)。これにより本映像表示動作を終了する。
【0051】
なお、図示省略したが、映像信号の入力(S6、S15、S24およびS36)に伴って、信号入力部54により、映像信号に付加された音声信号を入力し、音声出力部55により、投射画像の投射(S8、S26およびS38)と同期して音声信号を音声出力する。また、投射画像生成部60が映像表示禁止状態の際には、音声出力部55をミュート状態(無音声状態)にする。
【0052】
以上のような構成によれば、判別した再生開始位置が映像コンテンツの先頭である場合、投射設定を行った後に、改めてコンテンツを先頭から再生させるための巻戻しコマンドを送信するため、巻戻しコマンドにより、コンテンツの進行を先頭に戻すことができる。よって、コンテンツの先頭が切れて表示されることがなく、コンテンツの先頭から表示することができる。
【0053】
また、再生コマンドの送信前から巻戻しコマンドの送信後、コンテンツの再生が開始されるまでの間、映像表示禁止状態を維持することで、映像信号に合った投射設定が行われていない状態で、映像信号が表示されるのを防止することができる。
【0054】
さらに、コンテンツの再生開始位置が先頭でない場合に、投射設定を行うまでの間、コンテンツの再生を一時停止しておくことで、表示していない状態で、映像コンテンツが進行してしまうのを極力抑えることができる。
【0055】
またさらに、巻戻しコマンドにより、映像と共に再生される音声についても、先頭から再生されるので、音声についても、先頭が切れて出力されるのを防止することができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、投射設定が、投射画像生成部60の画面表示サイズ設定、リフレッシュレート設定、および画面アスペクト比設定等が含む構成であったが、これらのうち少なくとも1つを含む構成であれば良く、例えば、映像信号の種別に基づいて、これらのうち1つの設定のみを行う構成であっても良い。
【0057】
また、本実施形態においては、再生コマンドを送信した場合に、外部映像機器2に映像コンテンツの再生位置が記憶されているとき、記憶されている再生位置に応じて、映像コンテンツの再生開始位置を決定する構成であったが、プロジェクター3側で、映像コンテンツの再生開始位置を選択する構成であっても良い。
【0058】
さらに、本実施形態においては、映像および音声を含む映像コンテンツに本発明を適用したが、映像のみの映像コンテンツに本発明を適用しても良いし、音声のみの音声コンテンツに本発明を適用しても良い。
【符号の説明】
【0059】
2:外部映像機器、 3:プロジェクター、 53:制御コマンド送信部、 57:再生位置判別部、 58:信号判別部、 59:投射設定部、 60:投射画像生成部、 61:映像投射部、 S:スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生する外部映像機器と接続されて用いられる表示装置であって、
前記外部映像機器から入力された前記コンテンツの映像信号の種別を判別する信号判別部と、
判別した前記種別に基づいて、表示設定を行う表示設定部と、
設定した表示設定に基づいて、前記コンテンツを表示する表示部と、
前記外部映像機器に対し前記コンテンツの再生を開始させるための第1の要求信号を送信し、前記表示設定部による表示設定後、前記コンテンツを先頭から再生させるための第2の要求信号を送信する要求信号送信部と、を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記第1の要求信号の送信前から前記第2の要求信号の送信後前記コンテンツの再生が開始されるまでの間、映像表示禁止状態を維持することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記コンテンツの再生開始位置を判別する再生位置判別部を、さらに備え、
前記要求信号送信部は、
前記第1の要求信号を送信し、
判別した前記再生開始位置が前記コンテンツの先頭である場合、前記第2の要求信号を送信し、
前記コンテンツの先頭ではない場合、再生開始位置の判別後、前記コンテンツの再生を一時停止させるための一時停止要求信号を送信し、前記表示設定部による表示設定後、前記コンテンツの再生を再開させるための再開要求信号を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記コンテンツをスクリーンに投射することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記映像信号には、音声信号が付加されており、
前記コンテンツは、映像および音声を含むコンテンツであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示設定は、前記表示部の画面表示サイズ設定、リフレッシュレート設定、および画面アスペクト比設定の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
コンテンツを再生する外部映像機器と接続されて用いられる表示装置の制御方法であって、
前記表示装置が、
前記外部映像機器から入力された前記コンテンツの映像信号の種別を判別する信号判別ステップと、
判別した前記種別に基づいて、表示設定を行う表示設定ステップと、
設定した表示設定に基づいて、前記コンテンツを表示する表示ステップと、
前記外部映像機器に対し前記コンテンツの再生を開始させるための第1の要求信号を送信し、前記表示設定ステップの後、前記コンテンツを先頭から再生させるための第2の要求信号を送信する要求信号送信ステップと、を実行することを特徴とする表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−98631(P2013−98631A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237384(P2011−237384)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】