説明

表示装置および電子機器

【課題】 自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力に優れた表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明の表示装置は、赤、緑、青、シアンからなる4原色の色光の加法混色によって色再現を行うものであり、xy色度図において、赤の座標がx≧0.643(yは任意)、緑の座標がy≧0.606(xは任意)、青の座標がy≦0.056(xは任意)、シアンの座標がx≦0.164(yは任意)の範囲にある。あるいは、u’v’色度図において、赤の座標がu’≧0.450(v’は任意)、緑の座標がv’≧0.569(u’は任意)、青の座標がv’≦0.149(u’は任意)、シアンの座標がu’≦0.076(v’は任意)の範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関し、特に表示の色再現性を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(Electro-Luminescence, 以下、ELと略記する)ディスプレイ等のカラー画像表示装置では、通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の加法混色により様々な色を再現している。この場合、画像表示において再現可能な色の範囲(色再現範囲)は、3次元の色空間で3原色の色ベクトルの和として表される領域に限られる。近年、画像表示装置においては用途の多様化に伴って画像の表現力が向上しており、例えば微妙な色合いの表現が求められている。つまり、色再現範囲の拡大が要求されている。色再現範囲を拡大する手段の一つに原色の彩度を高める方法がある。ところが、原色の彩度を高めるためには原色の波長域を狭め、単色光に近づける必要があるため、レーザー光などの特殊な光源を用いない限り、光の利用効率が低下してしまう。
【0003】
そこで、表示に用いる原色の数を増やすことによって色再現範囲を拡大する試みがなされている。例えば、下記の特許文献1には4つの原色を用いた映像表示装置が開示されている。この映像表示装置においては、4原色のうちのR,G,Bの原色を標準色空間の一つであるsRGB色度に一致させており、シアン(C)色を追加することによって色再現範囲を拡大している。
【特許文献1】特開2003−228360号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の映像表示装置においては、4原色のうちのR,G,Bの色度をsRGBの色度に一致させているため、自然界に存在する色、例えばPointerGamutと呼ばれる色域を十分に含まない。シアン色を追加しているので、色再現範囲が4角形で囲まれる領域となり、sRGBそのものよりも良いのは勿論であるが、例えばRed−Yellow−Greenの領域やRed−Magenta−Blueの領域ではPointerGamutを含んでいない。
【0005】
図24は、特許文献1に記載の映像表示装置の色再現範囲を示すu'v'色度図である。この図では、この映像表示装置の色再現範囲に加えて、自然界に存在する色のデータベースであるPointerGamutと、標準色空間sRGBの色再現範囲を示す。sRGBの色域は元々PointerGamutを含んでいないため、シアン色を追加している。よって、追加したシアン色の周辺ではPointerGamutを含むようになる。一方、R,G,BはsRGBの原色としているため、Red−Yellow−Greenの領域やRed−Magenta−Blueの領域ではPointerGamutを含まない。このため、これらの領域で鮮やかな色を再現することができず、また、PointerGamutに規定された色を忠実に再現することができない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、特に自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力に優れた表示装置、及びこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明者らは、カラーフィルターとバックライトとを備えた液晶表示装置、あるいはカラーフィルターと有機EL装置とを組み合わせたものを想定し、種々の異なる分光特性を有するカラーフィルターとバックライトの組み合わせについて表現可能な色再現域をシミュレーションにより求めた。その結果、赤、緑、青、シアンの4原色の座標を結ぶ四角形で囲まれる色域が、PointerGamutと呼ばれる自然界に存在する色のデータベース(M.R.Pointer, The Gamut of Real Surface Colours, COLOR Research and Application, Vol.5 Num.3, pp.145-155, 1980)を含むように各原色の座標を限定した。ここで、PointerGamutとは、色票(色見本)等を測定し、彩度が高いものについて色相毎にまとめたデータベースである。彩度が高いものが集められているため、色再現域の評価などでしばしば用いられる。
【0008】
すなわち、本発明の表示装置は、赤、青、第1及び第2の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、xy色度図において、前記第1の色の座標が0.257≦x≦0.357、0.606≦y≦0.653の範囲にあり、前記第2の色の座標が0.098≦x≦0.164、0.453≦y≦0.494の範囲にあることを特徴とする。
詳細は具体例として後述するが、この構成によれば、この表示装置における色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。
【0009】
また、本発明の表示装置は、赤、青、第1及び第2の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、u'v'色度図において、前記第1の色の座標が0.100≦u’≦0.150、0.569≦v’≦0.574、前記第2の色の座標が0.046≦u’≦0.076、0.499≦v’≦0.517の範囲にあることを特徴とする。
上記の構成がxy色度図で表現したものであるのに対し、本構成はu’v’色度図で表現したものである。この構成においても、この表示装置における色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。なお、本構成のu’v’色度図における座標の上限または下限は、後述する5つの具体例から求めたものであり、上記のxy色度図系で表現したときの上限または下限の値をそのままu'v'色度図系に変換したものではない。
【0010】
本発明の表示装置は、異なる波長選択特性の色材層を有するカラーフィルターと、複数のピーク波長を持つ照明光を射出するバックライトと、前記カラーフィルターを透過する前記照明光を制御する液晶セルと、を備えても良い。
この構成によれば、色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力のより高い液晶表示装置を実現することができる。
【0011】
また、カラーフィルターとバックライトとを備えた液晶表示装置において、前記カラーフィルターが、青色透過光に対するピーク波長が400〜490nm、シアン色透過光に対するピーク波長が490〜520nm、緑色透過光に対するピーク波長が520〜570nm、赤色透過光に対するピーク波長が600nm以上の分光特性を有するとともに、前記バックライトが、3色の発光ダイオードを備え、460nm、540nm、640nmのピーク波長を含む分光特性を有するものとしても良い。
【0012】
あるいは、前記カラーフィルターが、青色透過光に対するピーク波長が400〜490nm、シアン色透過光に対するピーク波長が490〜520nm、緑色透過光に対するピーク波長が520〜570nm、赤色透過光に対するピーク波長が600nm以上の分光特性を有するとともに、前記バックライトが、3色波長蛍光管を備え、435nm、545nm、630nmのピーク波長を含む分光特性を有するものとしても良い。
【0013】
あるいは、前記カラーフィルターが、青色透過光に対するピーク波長が400〜490nm、シアン色透過光に対するピーク波長が490〜520nm、緑色透過光に対するピーク波長が520〜570nm、赤色透過光に対するピーク波長が600nm以上の分光特性を有するとともに、前記バックライトが、3色の発光ダイオードを備え、465nm、520nm、635nmのピーク波長を含む分光特性を有するものとしても良い。
【0014】
あるいは、前記カラーフィルターが、青色透過光に対するピーク波長が400〜490nm、シアン色透過光に対するピーク波長が490〜520nm、緑色透過光に対するピーク波長が520〜570nm、赤色透過光に対するピーク波長が600nm以上の分光特性を有するとともに、前記バックライトが、3色波長蛍光管を備え、435nm、545nm、610nmのピーク波長を含む分光特性を有するものであれば良い。
【0015】
本発明の表示装置は、異なる波長選択特性の色材層を有するカラーフィルターと、複数のピーク波長を持つ光を射出する有機エレクトロルミネッセンス装置とを備えても良い。さらに、前記有機エレクトロルミネッセンス装置の発光部が白色の光を発光する白色発光層を有し、前記カラーフィルターの前記赤に対応する着色部、前記青に対応する着色部、前記第1の色に対応する着色部、前記第2の色に対応する着色部のそれぞれと前記白色発光層との組み合わせで前記色光を得るものとしても良い。あるいは、前記有機エレクトロルミネッセンス装置の発光部が、赤色の光を発光する赤色発光層と緑色の光を発光する緑色発光層と青色の光を発光する青色発光層とを有し、前記カラーフィルターの前記赤に対応する着色部と前記発光部の赤色発光層との組み合わせ、前記カラーフィルターの前記青に対応する着色部と前記発光部の青色発光層との組み合わせ、前記カラーフィルターの前記第1の色に対応する着色部と前記発光部の緑色発光層との組み合わせ、前記カラーフィルターの前記第2の色に対応する着色部と前記発光部の緑色発光層との組み合わせで前記色光を得るものとしても良い。
この構成によれば、色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力のより高い有機EL装置を実現することができる。
【0016】
本発明の電子機器は、上記本発明の表示装置、あるいは上記本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、本発明の表示装置、あるいは上記本発明の液晶表示装置を備えたことにより色再現性に優れた表示部を有する電子機器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態では、TFT(Thin-Film Transistor)素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス型の半透過反射型液晶表示装置への本発明の適用例を示す。図1は本実施形態の半透過反射型液晶表示装置の全体構成を示す分解概略斜視図である。
本実施形態の液晶表示装置3は、図1に示すように、液晶層(図示略)を挟持して対向配置されたカラーフィルター基板80と素子基板(対向基板)90とから構成された液晶パネルと、液晶パネルの視認側と反対側に配置されたバックライト(図示略)とを具備して構成されている。
【0018】
素子基板90は、基板本体91の液晶層側表面に、TFT素子94、画素電極95等が形成され、これらの液晶層側に配向膜(図示略)が形成されて概略構成されている。より詳細には、素子基板90において、基板本体91表面に、多数のデータ線92と多数の走査線93とが互いに交差するように格子状に設けられている。各データ線92と各走査線93の交差点の近傍にはTFT素子94が形成されており、各データ線92に各TFT素子94を介して画素電極95が接続されている。素子基板90の液晶層側表面全体を見れば、多数の画素電極95がマトリクス状に配列されており、液晶表示装置3において各画素電極95が形成された領域が個々のドットとなっている。一方、カラーフィルター基板80は、基板本体11の液晶層側表面に、半透過反射層12と、着色部13R,13G,13B,13Cを有するカラーフィルター13と、遮光層15と、オーバーコート層(図示略)と、共通電極81と、配向膜(図示略)とが形成されて概略構成されている。
【0019】
本実施形態においては、カラーフィルター13が、赤色着色部13R,緑色着色部13G,青色着色部13B,シアン色着色部13Cの4色の着色部を有しており、R,G,B,Cの4つのドットで1つの画素を構成している。すなわち、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)からなる4原色の色光の加法混色によってカラー表示の色再現を行うものである。したがって、本実施形態の液晶表示装置は、R,G,Bの3色でカラー表示を行うものに比べて色再現範囲の広いものとなっている。
【0020】
図2は本実施形態の液晶表示装置の色再現域をxy色度図で示したものである。R,G,B,Cの各原色の取り得るxy座標値は、図2中に破線の4角形で囲まれる範囲である。すなわち、下記の[表1]に示すように、Rの座標が0.643≦x≦0.690、0.299≦y≦0.333、Gの座標が0.257≦x≦0.357、0.606≦y≦0.653、Cの座標が0.098≦x≦0.164、0.453≦y≦0.494、Bの座標が0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.056の色度範囲にある。
【0021】
【表1】

【0022】
同様に、図3は本実施形態の液晶表示装置の色再現域をu’v’色度図で示したものである。R,G,B,Cの各原色の取り得るu’v’座標値は、図3中に破線の4角形で囲まれる範囲である。すなわち、下記の[表2]に示すように、Rの座標が0.450≦u’≦0.530、0.517≦v’≦0.525、Gの座標が0.100≦u’≦0.150、0.569≦v’≦0.574、Cの座標が0.046≦u’≦0.076、0.499≦v’≦0.517、Bの座標が0.158≦u’≦0.194、0.099≦v’≦0.149の色度範囲にある。
【0023】
【表2】

【0024】
図2,図3にはsRGBの3原色の座標によって表現可能な色再現域を破線の3角形で示した。これに対して、本実施形態の液晶表示装置におけるRGBの3原色の座標は、sRGBの3原色の座標よりも色度図上の外側に位置し、しかもC色が追加されていることにより表現可能な色再現域が実線の4角形で囲まれる領域となる。この4角形は、各原色の取り得る座標範囲において代表的な原色を設定し、その代表的な原色を結ぶ4角形である。よって、この4角形で囲まれる色再現域はあくまでも一例であるが、図3に示したように、sRGBの3角形はPointerGamutの一部を含まないのに対し、本実施形態の色再現域の4角形はPointerGamutを含むことになる。そのため、本実施形態の液晶表示装置は、PointerGamutで規定された色の全てを再現できる、すなわち自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。
【0025】
sRGBの色再現範囲について詳しく見ると、PointerGamutを含まない領域は、大きく(1)Red-Yellow-Green領域(u’v’色度図における逆三角形の上辺部)、(2)Red-Magenta-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の右辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u’v’色度図における逆三角形の左辺部)、の3つに分けられる。ここで、上記特許文献1の映像表示装置を見ると、図24に示したように、シアンを追加することによって上記(3)の領域を含むようになっている。ところが、シアン以外のR、G、Bの原色をsRGBと同じに設定してあるため、上記(1)および(2)の領域は含まない。一方、本実施形態の液晶表示装置の色再現範囲は、上述の通り、PointerGamutの上記(1)および(2)の領域も含んでいるため、特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現できるのである。
【0026】
ただし、本実施形態では、xy色度図上のx座標、y座標の上限および下限、u’v’色度図上のu’座標、v’座標の上限および下限を全て規定し、各原色の座標値を図2、図3中の破線の4角形で囲まれる範囲とした。しかしながら、これら全てを規定しなくとも、xy色度図において、少なくともRの座標がx≧0.643、Gの座標がy≧0.606、Bの座標がy≦0.056、Cの座標がx≦0.164を満足しさえすれば、PointerGamutを含むことになり、上記の効果が得られる。同様に、u’v’色度図において、少なくともRの座標がu’≧0.450、Gの座標がv’≧0.569、Bの座標がv’≦0.149、Cの座標がu’≦0.076を満足しさえすれば、PointerGamutを含むことになり、上記の効果が得られる。
【0027】
なお、PointerGamutは、u’v’色度図の図3でのみ図示し、xy色度図の図2では図示しなかった。その理由は、xy色度図は図上の距離が人間の知覚による差と一致しないことが知られており、色の包含関係を評価する場合には適さないからである。一方、u’v’色度図は、色度図の不均等性を改善するために定義されたものであって、色の包含関係を評価する場合に好適なものである。このため、PointerGamutはu'v'色度図上でのみ示した。PointerGamutについて記載した論文での元データは、各色相について明度に応じた彩度が与えられているが、図3においては、各色相について、明度に関係なく最大彩度をプロットしている。また、u’座標、v’座標は、下の(1)式、(2)式に基づいてx座標、y座標から求めることができる。
u’=4x/(−2x+12y+3) …(1)
v’=9y/(−2x+12y+3) …(2)
【0028】
図2,図3において、R,G,B,Cの各原色について、範囲を規定してxy色度あるいはu’v’色度を示した理由は、液晶表示装置を構成するカラーフィルターやバックライトの分光特性によって、各原色のxy色度あるいはu’v’色度にある程度の自由度があるからである。そこで、以下では実施例として種々のカラーフィルター、バックライトの具体例を挙げ、そのカラーフィルター、バックライトの組み合わせを用いたときのxy色度およびu’v’色度を示すことにする。上記の範囲(下限、上限)は以下の5つの実施例に基づく値である。
【0029】
[実施例1]
実施例1のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図4〜図7に示す。図4はカラーフィルターの分光特性、図5はバックライトの分光特性、図6はxy色度図、図7はu’v’色度図をそれぞれ示している。図6,図7では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図7にはPointerGamutについても示した。周知の通り、液晶表示装置は、カラーフィルター、バックライト以外にも多くの部材から構成されているが、色再現性に大きく寄与するのはカラーフィルターとバックライトである。このため、ここではカラーフィルターとバックライトの分光特性のみを示した。
【0030】
実施例1では、カラーフィルターとして、図4に示すように、B光に対するピーク波長が400〜490nm、C光に対するピーク波長が490〜520nm、G光に対するピーク波長が520〜570nm、R光に対するピーク波長が600nm以上の分光特性を有するものを用いた。また、バックライトとしては3色のLEDを備えたものを用い、図5に示すように、各LEDのピーク波長は、青が460nm、緑が540nm、赤が640nmであるものを用いた。
【0031】
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図6、図7で示したように、各原色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表3]、[表4]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形に示される色再現域が得られた。特に図7に示したように、実施例1の色再現域はPointerGamutのほぼ全てを含んでいる。このことから、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現することができる。
【0032】
【表3】

【0033】
【表4】

【0034】
[実施例2]
実施例2のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図8〜図11に示す。図8はカラーフィルターの分光特性、図9はバックライトの分光特性、図10はxy色度図、図11はu’v’色度図をそれぞれ示している。図10,図11では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図11にはPointerGamutについても示した。
【0035】
実施例2では、カラーフィルターは、図8に示すように、実施例1と同一のものを用いた。一方、バックライトは、実施例1と異なり、3色のピーク波長を有する蛍光管を備えたものを用いた。図9に示すように、各ピーク波長は、青色が435nm、緑色が545nm、赤色が630nmであるものを用いた。
【0036】
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図10、図11で示したように、各原色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表5]、[表6]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形に示される色再現域が得られた。特に図11に示したように、実施例2の色再現域はPointerGamutのほぼ全てを含んでいる。このことから、3色波長蛍光管タイプのバックライトを用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現することができる。
【0037】
【表5】

【0038】
【表6】

【0039】
[実施例3]
実施例3のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図12〜図15に示す。図12はカラーフィルターの分光特性、図13はバックライトの分光特性、図14はxy色度図、図15はu’v’色度図をそれぞれ示している。図14,図15では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図15にはPointerGamutについても示した。
【0040】
実施例3では、カラーフィルターは、図12に示すように、実施例1と同一のものを用いた。一方、バックライトは、実施例1と同様、3色のLEDを備えたものを用いたが、実施例1とはピーク波長が異なるものを用いた。すなわち、図13に示すように、各LEDのピーク波長は、青色が465nm、緑色が520nm、赤色が635nmであるものを用いた(実施例1では460nm、540nm、640nm)。
【0041】
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図14、図15で示したように、各原色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表7]、[表8]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形に示される色再現域が得られた。特に図15に示したように、実施例3の色再現域は、実施例1,2と比べて(1)Red-Yellow-Green領域(u'v'色度図における逆三角形の上辺部)が若干狭くなっている。しかしながら、sRGBの色再現域と比べると、依然として(2)Red-Magenta-Blue領域(u’v’色度図における逆三角形の右辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の左辺部)については、PointerGamutをより多く含んでいる。これらのことから、ピーク波長の異なる3色LEDタイプのバックライトを用いる(単体LEDを変更する)場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現することができる。
【0042】
【表7】

【0043】
【表8】

【0044】
[実施例4]
実施例4のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図16〜図19に示す。図16はカラーフィルターの分光特性、図17はバックライトの分光特性、図18はxy色度図、図19はu'v'色度図をそれぞれ示している。図18,図19では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図19にはPointerGamutについても示した。
【0045】
実施例4では、カラーフィルターは、図16に示すように、実施例1と同一のものを用いた。一方、バックライトは、実施例2と同様、3色波長蛍光管タイプのものを用いたが、実施例2とはピーク波長が異なるものを用いた。すなわち、図17に示すように、各ピーク波長は、青色が435nm、緑色が545nmである点は実施例2と同様であるが、赤色が610nmであるものを用いた(実施例2では赤色が630nmであった)。
【0046】
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図18、図19で示したように、各原色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表9]、[表10]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図19に示したように、実施例4の色再現域は、実施例1,2と比べて(2)Red-Magenta-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の右辺部)が若干狭くなっている。また、Greenの原色を見ると、sRGBのGreenを含んでいない。これらは、実施例4において設定したカラーフィルターとバックライトの分光特性に起因する。しかしながら、PointerGamutを含むか否かという視点で見ると、(1)Red-Yellow-Green領域(u’v’色度図における逆三角形の上辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u’v’色度図における逆三角形の左辺部)のいずれについても、sRGBの色再現域に比べて、PointerGamutをより多く含んでいる。これらのことから、ピーク波長の異なる3色波長蛍光管タイプのバックライトを用いる(蛍光材料を変更する)場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
【0047】
【表9】

【0048】
【表10】

【0049】
[実施例5]
実施例5のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図20〜図23に示す。図20はカラーフィルターの分光特性、図21はバックライトの分光特性、図22はxy色度図、図23はu’v’色度図をそれぞれ示している。図22,図23では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図23にはPointerGamutについても示した。
【0050】
実施例5では、バックライトは、図21に示すように、実施例4と同一のものを用いた。一方、カラーフィルターについては、実施例1〜4とは異なるものを用いた。すなわち、図20に示すように、青色のカラーフィルターの特性が実施例1〜4と異なっており、ピークが長波長側(460nm程度)にシフトするとともに、透過率が向上している。カラーフィルターの特性が異なるのは、添加色材が異なることによる。
【0051】
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図22、図23で示したように、各原色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表11]、[表12]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図23に示したように、実施例5の色再現域は、実施例1,2と比べて(2)Red-Magenta-Blue領域(u’v’色度図における逆三角形の右辺部)がsRGBと同等となっている。また、Greenの原色を見ると、sRGBのGreenを含んでいない。これらは、実施例5において設定したカラーフィルターとバックライトの分光特性に起因する。しかしながら、PointerGamutを含むか否かという視点で見ると、(2)Red-Magenta-Blue領域がsRGBと同等となっているものの、(1)Red-Yellow-Green領域(u'v'色度図における逆三角形の上辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u’v’色度図における逆三角形の左辺部)については、sRGBの色再現域に比べて、PointerGamutをより多く含んでいる。これらのことから、カラーフィルターを変更した場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
【0052】
【表11】

【0053】
【表12】

【0054】
[実施例6]
実施例6のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図26〜図29に示す。図26はカラーフィルターの分光特性、図27はバックライトの分光特性、図28はxy色度図、図29はu'v'色度図をそれぞれ示している。図28,図29では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図29にはPointerGamutについても示した。
【0055】
実施例6では、バックライトとして波長変換を伴うものを用いた。すなわち、図27に示すように、元々のピーク波長が450nmである光を蛍光体に照射することによって、ピーク波長450nmの光の一部をピーク波長565nmの比較的ブロードな輝度分布の光に変換したものである。結果的には、変換前の450nmのピーク波長と変換後の565nmのピーク波長の双方を持つことになる。一方、カラーフィルターについては、実施例1〜5とは異なるものを用いた。すなわち、図26に示すように、青色のカラーフィルターの透過率が他の実施例より高く、シアンとほぼ同等となっている。カラーフィルターの特性が異なるのは添加色材が異なることによる。
【0056】
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図28、図29で示したように、各原色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表13]、[表14]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図29に示したように、実施例6の色再現域は、sRGBを含み、さらにRed-Magenta-Blue領域のわずかな部分を除いてPointerGamutをほぼ含んでいる。これらのことから、波長変換を伴うバックライトを用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
【0057】
【表13】

【0058】
【表14】

【0059】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を図30を参照して説明する。
本実施形態では、TFT素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式のボトムエミッション型の有機EL装置への本発明の適用例を示す。
図30は本実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図である。
【0060】
本実施形態の有機EL装置20は、図30に示すように、ガラス基板21と、ガラス基板21上に形成されたTFT素子22および発光部23と、封止基板24とから概略構成されている。具体的には、ガラス基板21上にTFT素子22が形成され、TFT素子22が絶縁膜25で覆われている。絶縁膜25上には無機絶縁膜からなる第1隔壁層26、有機絶縁膜からなる第2隔壁層27がドット間に積層されており、ガラス基板21上には、これら第1,第2隔壁層26,27によってカラー画素を構成する複数のドットがマトリクス状に区画されている。これら第1,第2隔壁層26,27は、後述する正孔注入/輸送層、白色発光層等の有機機能層をインクジェット法等の液滴吐出法で形成するのに好適である。
【0061】
各ドット内においては、カラーフィルターを構成する異なる色の着色部が形成されている。本実施形態においては、カラーフィルター28が、赤色着色部28R,緑色着色部28G,青色着色部28B,シアン色着色部28Cの4色の着色部を各ドット毎に有しており、R,G,B,Cの4つのドットで1つの画素を構成している。すなわち、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)からなる4原色の色光の加法混色によってカラー表示の色再現を行っている。したがって、本実施形態の有機EL装置20は、R,G,Bの3色でカラー表示を行うものに比べて色再現範囲の広いものとなっている。そして、絶縁膜25およびカラーフィルター28を貫通するコンタクトホールによってTFT素子22と電気的に接続された画素電極29(陽極)が形成されている。
【0062】
各画素電極29上には、ともに有機材料からなる正孔注入/輸送層30、白色発光層31が順次積層され、さらに白色発光層31の上部にはアルミニウム等の金属膜からなる共通電極32(陰極)が形成されている。本実施形態の場合、全てのドットの白色発光層31が白色光を発光可能な同一の有機材料によって形成されている。正孔注入/輸送層30の形成材料としては、ポリチオフェン、ポリスチレンスルホン酸、ポリピロール、ポリアニリンおよびこの誘導体などの高分子材料を好適に用いることができる。白色発光層31の形成材料(発光材料)としては、高分子発光体や低分子の有機発光色素、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質などの発光物質が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中では、アリーレンビニレンまたはポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。白色発光層31をインクジェット法(液滴吐出法)で形成する場合、発光材料として高分子材料を用いることが望ましく、例えばポリジオクチルフルオレン(PFO)とMEH−PPVとを9:1の割合で混合したものを好適に用いることができる。なお、本実施形態では発光部23を上記2層の積層構造としたが、発光層の上に必要に応じて電子輸送層や電子注入層等を設けてもよい。
【0063】
このように構成されたガラス基板21の表面が封止層33によって覆われ、さらに封止基板24によって封止されている。封止層33の材料としてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化物、あるいはシリコン酸窒化物を好適に用いることができる。封止基板24にはガラス等を用いることができる。
【0064】
なお、本実施形態における白色発光層31として別々の有機材料を形成することも勿論可能であり、さらには発光層の厚みを各ドット毎に変化させるとともに画素電極29(陽極)を半透過構造とし、画素電極29(陽極)−共通電極32(陰極)間の光共振器構造を利用して、光路長差による発光特性制御を行う構成を採用してもよい。また、本実施形態には図示しなかったが、カラーフィルターおよび発光層を用いた同様の構成に関して、アクティブマトリクス方式のトップエミッション型の有機EL装置において実現することも勿論可能である。
【0065】
[実施例7]
実施例7のカラーフィルター、有機EL装置の分光特性、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図31〜図34に示す。図31はカラーフィルターの分光特性、図32は有機EL装置(白色発光層)の分光特性、図33はxy色度図、図34はu’v’色度図をそれぞれ示している。図33,図34では比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図34にはPointerGamutについても示した。
【0066】
上記のカラーフィルターと白色発光層を用いる設定でシミュレーションを行った結果、図33、図34で示したように、各原色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表15]、[表16]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図34に示したように、実施例7の色再現域は、液晶を用いた実施例1〜6に比べて十分に広く、sRGBを含み、さらにPointerGamutをも含んでいる。これらのことから、有機EL装置を用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
【0067】
【表15】

【0068】
【表16】

【0069】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態を図35を参照して説明する。
本実施形態も第2の実施形態と同様、TFT素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式のボトムエミッション型の有機EL装置への本発明の適用例である。
図35は本実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図である。本実施形態の有機EL装置の基本構成は第2の実施形態と同様であるが、全てのドットに白色発光層を設ける構成に代えて、各ドット毎に異なる色の光を発光する発光層を設けた点のみが第2の実施形態と異なっている。したがって、図35において図30と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0070】
本実施形態の有機EL装置40の場合、図35に示すように、各ドット毎に異なる色の光を発光する発光層が形成されている。例えば図35の左側のドットから右側のドットに向けて、赤色発光層31R,緑色発光層31G,青色発光層31B,緑色発光層31Gの4色の着色部が形成されている。2番目と4番目の緑色発光層31Gは、材料や膜厚等が同じものでもよいし、違うものでもよい。例えば各発光層の材料としては、赤色発光層31Rにシアノピリフェニレンビニレン、緑色発光層31Gおよび青色発光層31Bにポリフェニレンビニレンなどを用いることができる。そして、各ドット内においては、カラーフィルターを構成する異なる色の着色部が形成されている。カラーフィルター側は第2の実施形態と同様である。すなわち、図35の左側のドットから右側のドットに向けて、赤色着色部28R,緑色着色部28G,青色着色部28B,シアン色着色部28Cの4色の着色部を各ドット毎に有しており、R,G,B,Cの4つのドットで1つの画素を構成している。
【0071】
すなわち、図35の左側から、発光部23の赤色発光層31Rにカラーフィルター28の赤色着色部28Rが、緑色発光層31Gに緑色着色部28Gが、青色発光層31Bに青色着色部28Bが、緑色発光層31Gにシアン色着色部28Cがそれぞれ対応しており、結果的には赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)からなる4原色の色光の加法混色によってカラー表示の色再現を行っている。したがって、本実施形態の有機EL装置40は、R,G,Bの3色でカラー表示を行うものに比べて色再現範囲の広いものとなっている。
【0072】
[実施例8]
実施例8のカラーフィルター、有機EL装置の分光特性、およびこれらを用いたときのR,G,B,Cの各原色のxy色度、u’v’色度について図36〜図39に示す。図36はカラーフィルターの分光特性、図37は有機EL装置(各色発光層)の分光特性、図38はxy色度図、図39はu'v'色度図をそれぞれ示している。図38,図39では比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図39にはPointerGamutについても示した。
【0073】
実施例8では、図37に示すように、青色発光層から発光される光のピーク波長が455nm、緑色発光層から発光される光のピーク波長が530nm、赤色発光層から発光される光のピーク波長が650nmであるものを用いた。4つのドットで構成される1つの単位画素全体で見ると、破線のような輝度分布を示している。全体の輝度分布について、他の色に比べて緑色光のピーク輝度が大きくなっているのは、上記実施形態で述べたように、1つの単位画素の中に2つの緑色発光層を持っているからである。一方、カラーフィルターについては、実施例7と同じものを用いた。
【0074】
上記のカラーフィルターと各色発光層を用いる設定でシミュレーションを行った結果、図38、図39で示したように、各原色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表17]、[表18]を参照のこと)、各原色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図39に示したように、実施例8の色再現域は、液晶を用いた実施例1〜6に比べて十分に広く、sRGBを含み、さらにPointerGamutをも含んでいる。これらのことから、有機EL装置を用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
【0075】
【表17】

【0076】
【表18】

【0077】
[電子機器]
上記実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図25は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図25において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図25に示す電子機器は、上記実施形態の液晶表示装置を備えているので、色再現性にに優れた液晶表示部を備えた携帯型電子機器を実現することができる。
【0078】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態ではTFT素子を用いたアクティブマトリクス型の半透過反射型液晶表示装置や有機EL装置に本発明を適用した例を示したが、これに限ることはなく、TFD素子を用いたアクティブマトリクス型、パッシブマトリクス型、透過型、反射型等の液晶表示装置に本発明を適用することも可能である。あるいは、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス装置のみならず、プラズマディスプレイ等の種々の表示装置に適用が可能である。さらに、本発明の電子機器としては、携帯電話の他、携帯情報端末(PDA)、フォトビューワ等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1実施形態である液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】同、液晶表示装置の色再現範囲を示すxy色度図である。
【図3】同、液晶表示装置の色再現範囲を示すu’v’色度図である。
【図4】実施例1のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図5】実施例1のバックライトの分光特性を示す図である。
【図6】実施例1のxy色度図である。
【図7】実施例1のu’v’色度図である。
【図8】実施例2のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図9】実施例2のバックライトの分光特性を示す図である。
【図10】実施例2のxy色度図である。
【図11】実施例2のu’v’色度図である。
【図12】実施例3のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図13】実施例3のバックライトの分光特性を示す図である。
【図14】実施例3のxy色度図である。
【図15】実施例3のu’v’色度図である。
【図16】実施例4のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図17】実施例4のバックライトの分光特性を示す図である。
【図18】実施例4のxy色度図である。
【図19】実施例4のu’v’色度図である。
【図20】実施例5のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図21】実施例5のバックライトの分光特性を示す図である。
【図22】実施例5のxy色度図である。
【図23】実施例5のu’v’色度図である。
【図24】特許文献1の映像表示装置の色再現範囲を示すu’v’色度図である。
【図25】本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
【図26】実施例6のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図27】実施例6のバックライトの分光特性を示す図である。
【図28】実施例6のxy色度図である。
【図29】実施例6のu’v’色度図である。
【図30】本発明の第2実施形態である有機EL装置の概略構成を示す断面図である。
【図31】実施例7のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図32】実施例7のバックライトの分光特性を示す図である。
【図33】実施例7のxy色度図である。
【図34】実施例7のu’v’色度図である。
【図35】本発明の第3実施形態である有機EL装置の概略構成を示す断面図である。
【図36】実施例8のカラーフィルターの分光特性を示す図である。
【図37】実施例8のバックライトの分光特性を示す図である。
【図38】実施例8のxy色度図である。
【図39】実施例8のu’v’色度図である。
【符号の説明】
【0080】
3…液晶表示装置、13,28…カラーフィルター、13R,28R…赤色着色部、13G,28G…緑色着色部、13B,28B…青色着色部、13C,28C…シアン色着色部、20,40…有機EL装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤、青、第1及び第2の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、
xy色度図において、前記第1の色の座標が0.257≦x≦0.357、0.606≦y≦0.653の範囲にあり、前記第2の色の座標が0.098≦x≦0.164、0.453≦y≦0.494の範囲にあることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
xy色度図において、前記赤の座標がx≧0.643(yは任意)、前記青の座標がy≦0.056(xは任意)の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
赤、青、第1及び第2の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、
u’v’色度図において、前記第1の色の座標が0.100≦u’≦0.150、0.569≦v’≦0.574、前記第2の色の座標が0.046≦u’≦0.076、0.499≦v’≦0.517の範囲にあることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
u’v'色度図において、前記赤の座標がu’≧0.450(v’は任意)、前記青の座標がv’≦0.149(u'は任意)の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
異なる波長選択特性の色材層を有するカラーフィルターと、複数のピーク波長を持つ光を射出する有機エレクトロルミネッセンス装置とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記有機エレクトロルミネッセンス装置の発光部が白色の光を発光する白色発光層を有し、前記カラーフィルターの前記赤に対応する着色部、前記青に対応する着色部、前記第1の色に対応する着色部、前記第2の色に対応する着色部のそれぞれと前記白色発光層との組み合わせで前記色光を得ることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機エレクトロルミネッセンス装置の発光部が、赤色の光を発光する赤色発光層と緑色の光を発光する緑色発光層と青色の光を発光する青色発光層とを有し、前記カラーフィルターの前記赤に対応する着色部と前記発光部の赤色発光層との組み合わせ、前記カラーフィルターの前記青に対応する着色部と前記発光部の青色発光層との組み合わせ、前記カラーフィルターの前記第1の色に対応する着色部と前記発光部の緑色発光層との組み合わせ、前記カラーフィルターの前記第2の色に対応する着色部と前記発光部の緑色発光層との組み合わせで前記色光を得ることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2006−163425(P2006−163425A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364444(P2005−364444)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【分割の表示】特願2005−85678(P2005−85678)の分割
【原出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】