説明

表示装置および電子機器

【課題】ユニットスキャンにおける明暗の筋の発生を抑制することの可能な表示装置および電子機器を提供する。
【解決手段】グループごとに補正パルスを各画素行に一斉に印加し、書込みパルスを各画素行に所定の単位で順次印加するユニットスキャンにおいて、待機期間内で駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスが、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ユニットスキャン方式の表示装置およびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像表示を行う表示装置の分野では、画素の発光素子として、流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の光学素子、例えば有機EL(electro luminescence)素子を用いた表示装置が開発され、商品化が進められている。有機EL素子は、液晶素子などと異なり自発光素子である。そのため、有機EL素子を用いた表示装置(有機EL表示装置)では、光源(バックライト)が必要ないので、光源を必要とする液晶表示装置と比べて、軽量化、薄型化、高輝度化することができる。さらに、有機EL素子の応答速度は、数μm程度と非常に高速であるので、動画表示時の残像が発生しない。そのため、有機EL表示装置は、次世代のフラットパネルディスプレイの主流になると期待されている。
【0003】
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とがある。前者は、構造が単純であるものの、大型かつ高精細の表示装置の実現が難しいなどの問題がある。そのため、現在では、アクティブマトリクス方式の開発が盛んに行なわれている。この方式では、画素ごとに配した有機EL素子に流れる電流が、有機EL素子ごとに設けた画素回路内に設けた駆動トランジスタによって制御される。
【0004】
アクティブマトリックス型の表示装置においては、1水平(1H)期間ごとに各走査線が順次走査されると共に、映像信号に対応する信号電圧がサンプリングされ、保持容量に書き込まれる。即ち、1H周期の線順次走査によって、信号電圧の書込動作が行われる。また、有機EL表示装置では、駆動トランジスタの閾値電圧や移動度が画素ごとに異なる場合には、有機EL素子の発光輝度がばらつき、画面の一様性(ユニフォーミティ)が損なわれてしまう。そこで、アクティブマトリックス型の有機EL表示装置では、駆動トランジスタの閾値電圧や移動度のばらつきに起因する発光輝度のばらつきを低減する補正動作が、1H周期の線順次走査に併せて行われる。
【0005】
図13は、アクティブマトリックス型の有機EL表示装置における駆動波形の一例を表す図である。図13(A)は、信号電圧Vsigの電圧波形の一例であり、図13(B),(C)は、書込電圧WS(N),WS(N+1)の電圧波形の一例である。なお、書込電圧WS(N)は、N番目の画素行に対して印加される選択パルスの電圧波形であり、書込電圧WS(N+1)は、N+1番目の画素行に対して印加される選択パルスの電圧波形である。また、図13(A)中のVsig(N)は、N番目の画素行に対して印加される信号電圧であり、図13(A)中のVsig(N+1)は、N+1番目の画素行に対して印加される信号電圧である。また、図13(A)中のVofsは、信号電圧とは無関係の固定電圧である。図13(B),(C)における最初のパルスは、駆動トランジスタのゲート−ソース間に保持される電圧を、駆動トランジスタの閾値電圧にするためのパルス(Vth補正パルス)である。図13(B),(C)においてVth補正パルスの後に現れるパルスは、駆動トランジスタのゲート−ソース間に保持される電圧を、駆動トランジスタの移動度の大きさに応じて補正すると共に有機EL素子の発光を開始させるためのパルス(書込みパルス)である。図13(A)〜(C)から、1H周期の線順次走査によって、上述の補正動作と、信号電圧Vsigの書込動作とが併せて行われている様子がわかる。
【0006】
しかし、近年、表示装置の高精細化、高密度化、高速駆動化が進み、旧来よりも1H期間が圧縮され、時間的に短くなってきている。そのため、上述の補正動作を1H期間内で完了させることが困難になってきている。そこで、例えば、特許文献1では、各画素を複数の画素行ごとにグルーピングし、グループごとに走査期間を共通化するユニットスキャン方式の駆動方法が提案されている。図14は、ユニットスキャン方式における駆動波形の一例を表す図である。図14(A)は、信号電圧Vsigの電圧波形の一例であり、図14(B),(C)は、書込電圧WS(N),WS(N+1)の電圧波形の一例である。なお、図14中の「合成H」とは、1つのグループに含まれる画素行の数だけ水平期間を合成した期間を指している。図14(A)〜(C)から、合成H期間の前半に、グループ内の全ての画素行に対してVth補正パルスが印加され、合成H期間の後半に、書込みパルスがグループ内の各画素行に対して順次印加されている様子がわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−122352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したように、Vth補正の動作は、Vth補正パルスの印加に同期して行われる。そのため、上述のユニットスキャン方式では、Vth補正パルスが印加された後、書込みパルスが印加されるまでの待機期間が、グループ内の画素行ごとに異なる。例えば、図14(B),(C)に示したように、N+1番目の画素行の待機期間t2は、N番目の画素行の待機期間t1よりも長くなっている。このように、待機期間が画素行ごとに異なると、リーク電流の流れる期間も画素行ごとに異なる。そのため、グループ内で最後に走査された画素行と、次のグループ内で最初に走査された画素行とで、リーク電流の流れる期間が互いに大きく相違する。その結果、グループ同士の境界に明暗の筋が発生してしまうという問題があった。例えば、図15に示したように、1番目のグループU1の最後の画素行L1の輝度が相対的に暗い一方で、2番目のグループU2の最初の画素行L2の輝度が相対的に明るくなり、その結果、グループU1とグループU2との境界に明暗の筋が発生してしまう。同様に、グループU2と、グループU2の次にスキャンされるグループU3との境界にも明暗の筋が発生してしまう。
【0009】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユニットスキャンにおける明暗の筋の発生を抑制することの可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術による表示装置は、複数の画素が行方向および列方向に配列された表示パネルと、各画素を駆動する駆動回路とを備えたものである。各画素は、発光素子と、発光素子を駆動する画素回路とを有している。画素回路は、発光素子を駆動する駆動トランジスタと、駆動トランジスタのゲート−ソース間に信号電圧を書き込む書込回路とを含んで構成されている。駆動回路は、各画素を複数の画素行ごとにグルーピングし、グループ単位で順次走査する第1駆動部を有している。第1駆動部は、さらに、各グループにおいて、補正パルスを各画素行に一斉に印加したのち、書込みパルスを各画素行に所定の単位で順次印加するようになっている。ここで、補正パルスとは、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧の電圧依存性を補正する動作に供するパルスを指しており、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧を補正するためのパルスを指している。また、書込みパルスとは、発光素子の発光を開始させるためのパルスを指している。駆動回路は、さらに、第1駆動部の他に、第2駆動部を備えている。第2駆動部は、補正パルスと書込みパルスとの間の待機期間において駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加するようになっている。
【0011】
ここで、上記の補正パルスは、より詳細には、例えば、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧に保持される電圧を駆動トランジスタの閾値電圧にするためのパルスである。また、上記の書込みパルスは、より詳細には、例えば、駆動トランジスタのゲート−ソース間に保持される電圧を、駆動トランジスタの移動度の大きさに応じて補正すると共に有機EL素子の発光を開始させるためのパルスである。
【0012】
本技術による電子機器は、上記の表示装置を備えている。
【0013】
本技術による表示装置および電子機器では、グループごとに補正パルスを各画素行に一斉に印加し、書込みパルスを各画素行に所定の単位で順次印加するユニットスキャンにおいて、待機期間内で駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスが、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加される。これにより、各グループにおいて、待機期間中にリーク電流が流れる期間のばらつきを低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本技術による表示装置および電子機器によれば、各グループにおいて、待機期間中にリーク電流が流れる期間のばらつきを低減するようにしたので、ユニットスキャンにおける明暗の筋の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本技術による一実施の形態に係る表示装置の構成の一例を表す図である。
【図2】画素の構成の一例を表す図である。
【図3】表示領域のレイアウトの一例を表す図である。
【図4】表示パネルに印加する各種電圧の経時変化の一例を表す図である。
【図5】実施例および比較例における動作点について説明するための特性図である。
【図6】表示パネルに印加する各種電圧の経時変化の一例と、駆動トランジスタのゲート電圧およびソース電圧の経時変化の一例とを表す図である。
【図7】上記実施の形態の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図8】上記実施の形態の発光装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図9】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図10】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図11】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図12】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【図13】従来の表示装置における各種電圧の経時変化の一例を表す図である。
【図14】従来の表示装置における各種電圧の経時変化の他の例を表す図である。
【図15】図14の電圧波形が表示パネルに印加されたときの画面表示の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(表示装置)
待機期間中の電流リーク期間が各画素行でゼロ、
または互いに等しくなっている例
2.適用例(電子機器)
上記実施の形態に係る表示装置が電子機器に適用される例
【0017】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本技術による一実施の形態に係る表示装置1の概略構成を表したものである。表示装置1は、表示パネル10と、表示パネル10を駆動する駆動回路20とを備えている。駆動回路20は、例えば、タイミング生成回路21、映像信号処理回路22、信号線駆動回路23、走査線駆動回路24、および電源線駆動回路25を有している。
【0018】
(表示パネル10)
表示パネル10は、複数の画素11が表示パネル10の表示領域10A全面に渡って2次元配置されたものである。画素11は、表示パネル110上の画面を構成する最小単位の点に対応するものである。表示パネル10がカラー表示パネルである場合には、画素11は、例えば赤、緑または青などの単色の光を発する副画素に相当し、表示パネル10がモノクロ表示パネルである場合には、画素11は、白色光を発する画素に相当する。
【0019】
表示パネル10は、駆動回路20によって各画素11がアクティブマトリクス駆動されることにより、外部から入力された映像信号20Aに基づく画像を表示するものである。図2は、画素11の回路構成の一例を表したものである。画素11は、例えば、図2に示したように、画素回路12と、有機EL素子13とを有している。有機EL素子13は、例えば、アノード電極、有機層およびカソード電極が順に積層された構成を有している。
【0020】
画素回路12は、例えば、図2に示したように、駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタTr2および保持容量Csによって構成されたものであり、2Tr1Cの回路構成となっている。書き込みトランジスタTr2は、後述の信号線DTLの電圧をサンプリングするとともに駆動トランジスタTr1のゲートに書き込むものである。駆動トランジスタTr1は、書き込みトランジスタTr2によって書き込まれた電圧の大きさに応じて有機EL素子13に流れる電流を制御するものである。保持容量Csは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に所定の電圧を保持するものである。なお、画素回路12は、上述の2Tr1Cの回路構成とは異なる回路構成となっていてもよい。
【0021】
駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、例えば、nチャネルMOS型の薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により形成されている。なお、TFTの種類は特に限定されるものではなく、例えば、逆スタガー構造(ボトムゲート型)であってもよいし、スタガー構造(トップゲート型)であってもよい。また、駆動トランジスタTr1または書き込みトランジスタTr2は、pチャネルMOS型のTFTであってもよい。
【0022】
表示パネル10は、図2に示したように、行方向に延在する複数の書込線WSLと、列方向に延在する複数の信号線DTLと、行方向に延在する複数の電源線DSLとを有している。各信号線DTLと各書込線WSLとの交差点近傍には、画素11が設けられている。各信号線DTLは、後述の信号線駆動回路23の出力端(図示せず)と、書き込みトランジスタTr2のソースまたはドレインとに接続されている。各書込線WSLは、後述の書込線駆動回路24の出力端(図示せず)と、書き込みトランジスタTr2のゲートに接続されている。各電源線DSLは、固定の電圧を出力する電源の出力端(図示せず)と、駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインに接続されている。
【0023】
書き込みトランジスタTr2のゲートは、書込線WSLに接続されている。書き込みトランジスタTr2のソースまたはドレインが信号線DTLに接続され、書き込みトランジスタTr2のソースおよびドレインのうち信号線DTLに未接続の端子が駆動トランジスタTr1のゲートに接続されている。駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインが電源線DSLに接続され、駆動トランジスタTr1のソースおよびドレインのうち電源線DSLに未接続の端子が有機EL素子13のアノードに接続されている。保持容量Csの一端が駆動トランジスタTr1のゲートに接続され、保持容量Csの他端が駆動トランジスタTr1のソース(図2では有機EL素子13側の端子)に接続されている。つまり、保持容量Csは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に挿入されている。有機EL素子13のカソードは、グラウンド線GNDに接続されている。グラウンド線GNDは、基準電位(例えばグラウンド電位)となっている外部回路(図示せず)と電気的に接続されるものである。
【0024】
(表示パネル10内のレイアウト)
次に、図3を参照しつつ、表示パネル10内の平面レイアウトについて説明する。図3は、表示領域10Aの平面レイアウトの一例を表したものである。複数の画素11は、例えば、図3に示したように、表示領域10Aにおいて、行方向および列方向に配置されている。行方向に並んで配置された各画素11は、共通の書込線WSLに接続されるとともに、共通の電源線DSLに接続されている。列方向に並んで配置された各画素11は、共通の信号線DTLに接続されている。
【0025】
(駆動回路20)
次に、駆動回路20内の各回路について、図1を参照して説明する。タイミング生成回路21は、信号線駆動回路23、書込線駆動回路24および電源線駆動回路25が連動して動作するように制御するものである。タイミング生成回路21は、例えば、外部から入力された同期信号20Bに応じて(同期して)、上述した各回路に対して制御信号21Aを出力するようになっている。タイミング生成回路21は、例えば、映像信号処理回路22、信号線駆動回路23、書込線駆動回路24、電源線駆動回路25および計測回路26などと共に、例えば、表示パネル10とは別体の制御回路基板(図示せず)上に形成されている。
【0026】
映像信号処理回路22は、例えば、外部から入力されたデジタルの映像信号20Aに対して所定の補正を行うようになっている。所定の補正としては、例えば、ガンマ補正や、オーバードライブ補正などが挙げられる。映像信号処理回路22は、さらに、外部から入力された同期信号20Bに応じて(同期して)、例えば上記の補正をした後の映像信号20Aをアナログに変換して、アナログの表示信号22Aとして信号線駆動回路23に出力するようになっている。
【0027】
信号線駆動回路23は、映像信号処理回路22から入力された表示信号22Aを、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)各信号線DTLに出力し、これにより、選択対象の各画素11への書き込みを行うものである。なお、書き込みとは、駆動トランジスタTr1のゲートに所定の電圧を印加することを指している。信号線駆動回路23は、例えば、表示信号22Aに対応する信号電圧Vsigと、表示信号22Aとは無関係な一定の電圧Vofsとを出力することが可能となっている。ここで、電圧Vofsは、有機EL素子13の閾値電圧よりも低い電圧値(一定値)である。
【0028】
書込線駆動回路24は、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)、複数の走査線WSLの中から複数の走査線WSLに選択パルスを順次印加し、これにより、1または複数の画素行を順次選択するものである。書込線駆動回路24は、例えば、書き込みトランジスタTr2をオンさせるときに印加する電圧Vonと、書き込みトランジスタTr2をオフさせるときに印加する電圧Voffとを出力することが可能となっている。
【0029】
電源線駆動回路25は、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)、複数の電源線DSLの中から複数の電源線DSLに選択パルスを順次印加し、これにより、1または複数の画素行の発光および消光を制御するものである。電源線駆動回路25は、例えば、後述のVth補正や、μ補正、発光の際に印加する電圧VccHと、消光の際に印加する電圧VccL,VccL2とを出力することが可能となっている。なお、VccLは、VccHよりも小さな電圧である。また、VccL2は、VccL以上で、VccHよりも小さな電圧である。
【0030】
[動作]
次に、本実施の形態の表示装置1の動作(消光から発光までの動作)について説明する。本実施の形態では、駆動トランジスタTr1の閾値電圧Vthや移動度μが経時変化したりしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子13の発光輝度を一定に保つようにするために、閾値電圧Vthや移動度μの変動に対する補正動作が組み込まれている。本実施の形態では、さらに、表示パネル10をハイフレームレートで駆動したときに、駆動トランジスタTr1の閾値補正と信号書き込みを行う時間を十分に確保するために、複数ラインの閾値補正をまとめて行い、信号書き込みのみを順番に行う「まとめ駆動」が用いられている。
【0031】
つまり、本実施の形態では、駆動回路20は、各画素11を複数の画素行ごとにグルーピングし、グループ単位で順次走査するようになっている。また、駆動回路20は、各グループにおいて、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間電圧の電圧依存性を補正する動作に供する補正パルスを各画素行に一斉に印加するようになっている。駆動回路20は、補正パルスを各画素行に印加したのち、さらに、有機EL素子13の発光を開始させるための書込みパルスを各画素行に所定の単位で(1画素行ごとに、または複数画素行ごとに)順次印加するようになっている。以下に、複数の書込線WSLが3つの書込線WSLごとに1つのグループに分けられているときの表示装置1の動作の一例について説明する。
【0032】
図4は、表示装置1を駆動したときの各種波形の一例を表したものである。図4(A)には、信号線DTLに電圧Vsig(N),Vsig(N+1),Vsig(N+2),Vofsが周期的に印加されている様子が示されている。なお、図中のVsig(N),Vsig(N+1),Vsig(N+2)は、選択されたN行目、N+1行目、N+2行目の画素行に対して印加される信号電圧である。また、図中のDT(1〜n)は、画素行に含まれるn個の画素11に対して印加される信号電圧である。
【0033】
図4(B)〜(D)には、あるグループ内の3つの書込線WSLに電圧Von,Voffが所定のタイミングで印加されている様子が示されている。なお、図中のWS(N),WS(N+1),WS(N+2)は、N行目、N+1行目、N+2行目の画素行に対して印加される走査電圧である。図4(E)〜(G)には、あるグループ内の3つの電源線DSLに電圧VccL、Vccl2,VccHが所定のタイミングで印加されている様子が示されている。なお、図中のDS(N),DS(N+1),DS(N+2)は、N行目、N+1行目、N+2行目の画素行に対して印加される電源電圧である。図4(B)〜(G)における最初のパルスP1は、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に保持される電圧Vgsを、駆動トランジスタTr1の閾値電圧Vthにするためのパルス(補正パルス)である。図4(B)〜(G)において補正パルスの後に現れるパルスは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に保持される電圧Vgsを、駆動トランジスタTr1の移動度の大きさに応じて補正すると共に有機EL素子13の発光を開始させるためのパルス(書込みパルス)である。
【0034】
図4(H),(I)は、選択されたN行目の画素11に含まれる駆動トランジスタTr1のゲート電圧Vg(N)およびソース電圧Vg(N)の波形図である。図4(J),(K)は、選択されたN+1行目の画素11に含まれる駆動トランジスタTr1のゲート電圧Vg(N+1)およびソース電圧Vg(N+1)の波形図である。なお、選択されたN+2行目の画素11に含まれる駆動トランジスタTr1のゲート電圧およびソース電圧の波形図については省略した。
【0035】
---Vth補正準備期間---
まず、Vth補正(閾値補正)の準備を行う。具体的には、書込線WSLの電圧WS(N),WS(N+1),WS(N+2)がVoffとなっており、電源線DSLの電圧DS(N),DS(N+1),DS(N+2)がVccHとなっている時(つまり有機EL素子13が発光している時)に、電源線駆動回路25が制御信号21Aに応じて電源線DSLの電圧DS(N),DS(N+1),DS(N+2)をVccHからVccLに順次、下げる。すると、ソース電圧Vs(N),Vs(N+1),Vs(N+2)がVccLとなり、有機EL素子13が消光する。
【0036】
---Vth補正期間---
次に、Vth補正を行う。具体的には、まず、信号線駆動回路23が制御信号21Aに応じて信号線DTLの電圧DT(1〜n)をVsig(N−1)からVofsに切り替える(T1)。次に、信号線DTLの電圧がVofsとなっている間に、電源線駆動回路25が制御信号21Aに応じて電源線DSLの電圧DS(N),DS(N+1),DS(N+2)をVccLからVccHに一斉に(例えば同時に)上げる(T2)。すると、駆動トランジスタTr1のドレイン−ソース間に電流が流れ、ソース電圧Vs(N),Vs(N+1),Vs(N+2)が上昇する。
【0037】
このとき、ソース電圧Vs(N),Vs(N+1),Vs(N+2)が(Vofs−Vth)よりも低い場合(閾値補正がまだ完了していない場合)には、駆動トランジスタTr1がカットオフするまで(VgsがVthになるまで)、駆動トランジスタTr1のドレイン−ソース間に電流が流れる。その結果、保持容量CsがVthに充電され、ゲート−ソース間VgsがVthとなる。
【0038】
その後、引き続き、信号線DTLの電圧DT(1〜n)がVofsとなり続けている間に、書込線駆動回路24が書込線WSLの電圧WS(N),WS(N+1),WS(N+2)をVonからVoffに下げる(T3)。すると、駆動トランジスタTr1のゲートがフローティングとなり、Vth補正が停止するので、電位差Vgsを信号線DTLの電圧の大きさに拘わらずVthのままで維持することができる。このように、電位差VgsをVthに設定することにより、駆動トランジスタTr1の閾値電圧Vthが画素回路12ごとにばらついた場合であっても、有機EL素子13の発光輝度がばらつくのをなくすることができる。
【0039】
なお、上記の「Vth補正」と、後述の「Vth補正休止」が交互に繰り返し行われてもよい。ただし、その場合に、後述の待機期間t1,t2,t3の開始点は、最後の「Vth補正」が完了した時点とする。
【0040】
---待機期間---
書込線WSLの電圧WS(N),WS(N+1),WS(N+2)がVoffとなっており、かつ電源線DSLの電圧DS(N),DS(N+1),DS(N+2)がVccHとなっている間は、Vth補正が休止しており、その後の書き込みを待っている待機期間に相当する。この待機期間には、先のVth補正を行ったグループとは異なる他のグループにおいて、Vth補正が行われる。
【0041】
---書き込み・移動度補正期間---
次に、書き込みとμ補正を行う。まずは、グループ内の1行目(全体ではN行目)の画素行について、書き込みとμ補正を行う。具体的には、信号線駆動回路23が制御信号21Aに応じて信号線DTLの電圧DT(1〜n)をVofsからVsig(N)に切り替える。その後、信号線DTLの電圧DT(1〜n)がVsig(N)となっている間に、書込線駆動回路24が制御信号21Aに応じて書込線WSLの電圧WS(N)をVoffからVonに上げ(T4)、駆動トランジスタTr1のゲートを信号線DTLに接続する。すると、駆動トランジスタTr1のゲート電圧Vg(N)が信号線DTLの電圧Vsig(N)となる。このとき、有機EL素子13のアノード電圧はこの段階ではまだ有機EL素子13の閾値電圧よりも小さく、有機EL素子13はカットオフしている。そのため、電流は有機EL素子13の素子容量(図示せず)に流れ、素子容量が充電されるので、ソース電圧Vs(N)がΔV1だけ上昇し、やがてゲートソース間電圧Vgs(N)がVsig(N)+Vth−ΔV1となる。このようにして、書き込みと同時に移動度補正が行われる。ここで、駆動トランジスタTr1の移動度が大きい程、ΔV1も大きくなるので、ゲートソース間電圧Vgs(N)を発光前にΔV1だけ小さくすることにより、画素11ごとの移動度のばらつきを取り除くことができる。
【0042】
---発光期間---
次に、書込線駆動回路24が制御信号21Aに応じて書込線WSLの電圧WS(N)をVonからVoffに下げる(T5)。すると、駆動トランジスタTr1のゲートがフローティングとなり、駆動トランジスタTr1のドレイン−ソース間に電流が流れ、ソース電圧Vs(N)が上昇する。その結果、有機EL素子13に閾値電圧以上の電圧が印加され、有機EL素子13が所望の輝度で発光する。
【0043】
駆動回路20は、上記と同様にして、グループ内の2行目(全体ではN+1行目)の画素行と、3行目(全体ではN+2行目)の画素行について、書き込みとμ補正を順次、行う。以下に、グループ内の2行目(全体ではN+1行目)の画素行についての書き込みとμ補正の説明を行う。
【0044】
---グループ内の2行目の書き込み・移動度補正期間---
まずは、グループ内の2行目の画素行について、書き込みとμ補正を行う。具体的には、信号線駆動回路23が制御信号21Aに応じて信号線DTLの電圧DT(1〜n)をVsig(N)からVsig(N+1)に切り替える。その後、信号線DTLの電圧DT(1〜n)がVsig(N+1)となっている間に、書込線駆動回路24が制御信号21Aに応じて書込線WSLの電圧WS(N+1)をVoffからVonに上げ(T6)、駆動トランジスタTr1のゲートを信号線DTLに接続する。すると、駆動トランジスタTr1のゲート電圧Vg(N+1)が信号線DTLの電圧Vsig(N+1)となる。このとき、有機EL素子13のアノード電圧はこの段階ではまだ有機EL素子13の閾値電圧よりも小さく、有機EL素子13はカットオフしている。そのため、電流は有機EL素子13の素子容量(図示せず)に流れ、素子容量が充電されるので、ソース電圧Vs(N+1)がΔV2だけ上昇し、やがてゲートソース間電圧Vgs(N+1)がVsig(N+1)+Vth−ΔV2となる。このようにして、書き込みと同時に移動度補正が行われる。
【0045】
---グループ内の2行目の発光期間---
次に、書込線駆動回路24が制御信号21Aに応じて書込線WSLの電圧WS(N+1)をVonからVoffに下げる(T7)。すると、駆動トランジスタTr1のゲートがフローティングとなり、駆動トランジスタTr1のドレイン−ソース間に電流が流れ、ソース電圧Vs(N+1)が上昇する。その結果、有機EL素子13に閾値電圧以上の電圧が印加され、有機EL素子13が所望の輝度で発光する。
【0046】
(待機期間中のロー期間について)
ところで、本実施の形態において、駆動回路20は、補正パルスP1と書込みパルスP2との間の待機期間において駆動トランジスタTr1のドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加するようになっている。
【0047】
例えば、グループ内の2行目、3行目の待機期間において、電源線駆動回路25は、電源線DSLの電圧DS(N+1),DS(N+2)を、所定のタイミングでVccHからVccL2に変更する。このとき、電源線駆動回路25は、特に何らの判定も行わずに機械的に、電源線DSLの電圧DS(N+1),DS(N+2)を、所定のタイミングでVccHからVccL2に変更するようにしてもよい。また、電源線駆動回路25は、例えば、グループ内の2行目の待機期間t2、グループ内の3行目の待機期間t3が所定の閾値を超えているか否かを判定し、待機期間t2,t3が所定の閾値を超えていると判定したときに、電源線DSLの電圧DS(N+1),DS(N+2)を、所定のタイミングでVccHからVccL2に変更するようにしてもよい。なお、上記の「所定の閾値」は、例えば、グループ内の各画素行に生じる輝度ムラとして許容される上限に対応する電流リーク量を生じさせる期間である。
【0048】
VccHからVccL2に変更するタイミングは、例えば、以下のようになる。例えば、電源線駆動回路25は、書込線WSLの電圧WS(N)がVoffからVonに上がるタイミング(T4)で、電源線DSLの電圧DS(N+1)をVccHからVccL2に変更し、書込線WSLの電圧WS(N+1)がVoffからVonに上がるタイミング(T6)で、電源線DSLの電圧DS(N+1)をVccL2からVccHに戻す。さらに、電源線駆動回路25は、書込線WSLの電圧WS(N)がVoffからVonに上がるタイミング(T4)で、電源線DSLの電圧DS(N+2)もVccHからVccL2に変更し、書込線WSLの電圧WS(N+2)がVoffからVonに上がるタイミング(T8)で、電源線DSLの電圧DS(N+2)をVccL2からVccHに戻す。
【0049】
ここで、待機期間t1内で電源線DSLの電圧DS(N)をVccL2にしているロー期間をt4、待機期間t2内で電源線DSLの電圧DS(N+1)をVccL2にしているロー期間をt5、待機期間t3内で電源線DSLの電圧DS(N+2)をVccL2にしているロー期間をt6とする。このとき、待機期間t1,t2,t3、ロー期間t4,t5,t6は、以下の関係式を満たしている。
t1<t2<t3
t4=0
t2−t5=t1
t3−t6=t1
【0050】
(t2−t5)は、待機期間t2内で電源線DSLの電圧DS(N+1)がVccHとなっている期間の長さに相当する。また、(t3−t6)は、待機期間t3内で電源線DSLの電圧DS(N+2)がVccHとなっている期間の長さに相当する。
【0051】
ここで、電源線DSLに印加される電圧がVccL2となっている場合、駆動トランジスタTr1のソースドレイン間電圧Vgsは、VccL2と、有機EL素子13のアノード電圧との差分になる。ここで、ソースドレイン間電圧Vgsと、リーク電流Idsとは、例えば、図5に示したような相関関係を有しているので、上述の差分が小さいほど、駆動トランジスタTr1を流れるリーク電流も小さくなる。例えば、図5に示したように、電源線DSLに印加される電圧がVccHとなっている比較例では、大きなリーク電流が流れる。一方、例えば、図5に示したように、電源線DSLに印加される電圧がVccL2となっている実施例では、リーク電流が極めて小さくなる。従って、ロー期間t4,t5,t6は、待機期間t1,t2,t3中で駆動トランジスタTr1にリーク電流がほとんど流れない期間に相当する。一方、t1、(t2−t5)および(t3−t6)は、待機期間t1,t2,t3中で駆動トランジスタTr1にリーク電流の流れる期間に相当する。
【0052】
ところで、本実施の形態では、駆動回路20は、上で例示したように、待機期間t1,t2,t3の一部の期間において、駆動トランジスタTr1のドレイン電圧をローにするようになっている。このときに、駆動回路20は、待機期間t1,t2,t3中でリーク電流の流れる期間の長さが互いに等しくなるように、駆動トランジスタTr1のドレイン電圧をローにする期間を設定することが好ましい。このようにした場合には、グループ内で最後に走査された画素行と、次のグループ内で最初に走査された画素行とで、リーク電流の流れる期間を互いに等しくすることができる。その結果、各グループで、リーク電流の流れる期間を互いに等しくすることができるので、グループ同士の境界に明暗の筋が発生するのをなくすことが可能となる。
【0053】
なお、図示しないが、電源線駆動回路25は、上記のプロセスにおいて、ロー期間t5をなくし、その代わりに、待機期間t2中に、電源線DSLの電圧DS(N+1)をVccHに印加し続けてもよい。また、電源線駆動回路25は、上記のプロセスにおいて、待機期間t3だけが所定の閾値を超えていると判定した場合に、ロー期間t5をなくし、その代わりに、待機期間t2中に、電源線DSLの電圧DS(N+1)をVccHに印加し続けてもよい。
【0054】
また、電源線駆動回路25は、上記のプロセスにおいて、特に何らの判定も行わずに機械的に、待機期間t1内にロー期間t4を設定し、待機期間t2内にロー期間t5を設定し、さらに待機期間t3内にロー期間t6を設定するようにしてもよい。また、図6に示したように、電源線駆動回路25は、待機期間t1内にロー期間t4を設定し、待機期間t2内にロー期間t5を設定し、さらに待機期間t3内にロー期間t6を設定する場合に、ロー期間t4,t5,t6の開始のタイミングをグループ内の全ての画素行で統一化するようにしてもよい。例えば、電源線駆動回路25は、書込線WSLの電圧WS(N),WS(N+1),WS(N+2)がVonからVoffに下がるタイミング(T3)、つまり、Vth補正終了と同時に、電源線DSLの電圧DS(N),DS(N+1),DS(N+2)をVccHからVccL2に変更するようにしてもよい。このとき、待機期間t1,t2,t3、ロー期間t4,t5,t6は、以下の関係式を満たしている。つまり、駆動回路20は、待機期間t1,t2,t3の全期間において、駆動トランジスタTr1のドレイン電圧をローにするようになっている。その結果、ロー期間t4,t5,t6が、待機期間t1,t2,t3と等しくなる。
t1<t2<t3
t1−t4=0
t2−t5=0
t3−t6=0
【0055】
[効果]
次に、本実施の形態の表示装置1の効果について説明する。
【0056】
本実施の形態では、グループごとに補正パルスP1が各画素行に一斉に印加され、書込みパルスP2が各画素行に所定の単位で順次印加される。このようなユニットスキャンにおいて、本実施の形態では、待機期間t1,t2,t3内で駆動トランジスタTr1のドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスが、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加される。これにより、各グループにおいて、待機期間中にリーク電流が流れる期間のばらつきを低減することができる。その結果、ユニットスキャンにおける明暗の筋の発生を抑制することができる。
【0057】
<2.適用例>
以下、上記各実施の形態およびそれらの変形例で説明した表示装置1の適用例について説明する。上述の表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、映像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0058】
(モジュール)
上述の表示装置1は、例えば、図7に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板31の一辺に、封止用基板32から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、駆動回路20の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0059】
(適用例1)
図8は、上述の表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上述の表示装置1により構成されている。
【0060】
(適用例2)
図9は、上述の表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上述の表示装置1により構成されている。
【0061】
(適用例3)
図10は、上述の表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および映像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上述の表示装置1により構成されている。
【0062】
(適用例4)
図11は、上述の表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上述の表示装置1により構成されている。
【0063】
(適用例5)
図12は、上述の表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上述の表示装置1により構成されている。
【0064】
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0065】
例えば、上記実施の形態等では、上述の表示装置1がアクティブマトリクス型である場合について説明したが、アクティブマトリクス駆動のための画素回路12の構成は上記実施の形態等で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを画素回路12に追加してもよい。その場合、画素回路12の変更に応じて、上述した信号線駆動回路23、書込線駆動回路24、電源線駆動回路25のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
【0066】
また、例えば、上記実施の形態等では、映像信号処理回路22、信号線駆動回路23、書込線駆動回路24、電源線駆動回路25の駆動をタイミング生成回路21が制御していたが、他の回路がこれらの駆動を制御するようにしてもよい。また、映像信号処理回路22、信号線駆動回路23、書込線駆動回路24、電源線駆動回路25の制御は、ハードウェア(回路)で行われていてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われていてもよい。
【0067】
また、例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
複数の画素が行方向および列方向に配列された表示パネルと、
各画素を駆動する駆動回路と
を備え、
各画素は、発光素子と、前記発光素子を駆動する画素回路とを有し、
前記画素回路は、前記発光素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間に信号電圧を書き込む書込回路とを含んで構成され、
前記駆動回路は、
各画素を複数の画素行ごとにグルーピングし、グループ単位で順次走査すると共に、各グループにおいて、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧の電圧依存性を補正する動作に供する補正パルスを各画素行に一斉に印加したのち、前記発光素子の発光を開始させるための書込みパルスを各画素行に所定の単位で順次印加する第1駆動部と、
前記補正パルスと前記書込みパルスとの間の待機期間において前記駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加する第2駆動部と
を有する
表示装置。
(2)
前記補正パルスは、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧に保持された電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧にするためのパルスであり、
前記書込みパルスは、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間に保持された電圧を、前記駆動トランジスタの移動度の大きさに応じて補正するパルスでもある
(1)に記載の表示装置。
(3)
前記第2駆動部は、前記待機期間のうち前記所定の閾値を超える期間において、前記駆動トランジスタのドレイン電圧をローにする
(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
前記第2駆動部は、前記待機期間の全期間において、前記駆動トランジスタのドレイン電圧をローにする
(1)または(2)に記載の表示装置。
(5)
前記第2駆動部は、前記待機期間において前記駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて前記待機期間が所定の閾値を超える1または複数の画素行に印加する
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)
表示装置を備え、
前記表示装置は、
複数の画素が行方向および列方向に配列された表示パネルと、
各画素を駆動する駆動回路と
を有し、
各画素は、発光素子と、前記発光素子を駆動する画素回路とを有し、
前記画素回路は、前記発光素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間に信号電圧を書き込む書込回路とを含んで構成され、
前記駆動回路は、
各画素を複数の画素行ごとにグルーピングし、グループ単位で順次走査すると共に、各グループにおいて、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧の電圧依存性を補正する動作に供する補正パルスを各画素行に一斉に印加したのち、前記発光素子の発光を開始させるための書込みパルスを各画素行に所定の単位で順次印加する第1駆動部と、
前記補正パルスと前記書込みパルスとの間の待機期間において前記駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加する第2駆動部と
を有する
電子機器。
【符号の説明】
【0068】
1…表示装置、10…表示パネル、10A…表示領域、11…画素、12…画素回路、13…有機EL素子、20…駆動回路、20A…映像信号、20B…同期信号、21…タイミング生成回路、21A…制御信号、22…映像信号処理回路、23…信号線駆動回路、24…書込線駆動回路、25…電源線駆動回路、31…基板、32…封止用基板、210…領域、220…FPC、300…映像表示画面部、310…フロントパネル、320…フィルターガラス、410…発光部、420,530,640…表示部、430…メニュースイッチ、440…シャッターボタン、510…本体、520…キーボード、610…本体部、620…レンズ、630…スタート/ストップスイッチ、710…上側筐体、720…下側筐体、730…連結部、740…ディスプレイ、750…サブディスプレイ、760…ピクチャーライト、770…カメラ、Cs…保持容量、DTL…信号線、GND…グラウンド線、DSL…電源線、Tr1…駆動トランジスタ、Tr2…書き込みトランジスタ、Vg…ゲート電圧、Vs…ソース電圧、Vgs…ゲート−ソース間電圧、WSL…書込線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が行方向および列方向に配列された表示パネルと、
各画素を駆動する駆動回路と
を備え、
各画素は、発光素子と、前記発光素子を駆動する画素回路とを有し、
前記画素回路は、前記発光素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間に信号電圧を書き込む書込回路とを含んで構成され、
前記駆動回路は、
各画素を複数の画素行ごとにグルーピングし、グループ単位で順次走査すると共に、各グループにおいて、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧の電圧依存性を補正する動作に供する補正パルスを各画素行に一斉に印加したのち、前記発光素子の発光を開始させるための書込みパルスを各画素行に所定の単位で順次印加する第1駆動部と、
前記補正パルスと前記書込みパルスとの間の待機期間において前記駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加する第2駆動部と
を有する
表示装置。
【請求項2】
前記補正パルスは、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧に保持された電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧にするためのパルスであり、
前記書込みパルスは、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間に保持された電圧を、前記駆動トランジスタの移動度の大きさに応じて補正するパルスでもある
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2駆動部は、前記待機期間のうち前記所定の閾値を超える期間において、前記駆動トランジスタのドレイン電圧をローにする
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2駆動部は、前記待機期間の全期間において、前記駆動トランジスタのドレイン電圧をローにする
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2駆動部は、前記待機期間において前記駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて前記待機期間が所定の閾値を超える1または複数の画素行に印加する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
複数の画素が行方向および列方向に配列された表示パネルと、
各画素を駆動する駆動回路と
を有し、
各画素は、発光素子と、前記発光素子を駆動する画素回路とを有し、
前記画素回路は、前記発光素子を駆動する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間に信号電圧を書き込む書込回路とを含んで構成され、
前記駆動回路は、
各画素を複数の画素行ごとにグルーピングし、グループ単位で順次走査すると共に、各グループにおいて、前記駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧の電圧依存性を補正する動作に供する補正パルスを各画素行に一斉に印加したのち、前記発光素子の発光を開始させるための書込みパルスを各画素行に所定の単位で順次印加する第1駆動部と、
前記補正パルスと前記書込みパルスとの間の待機期間において前記駆動トランジスタのドレインに高電圧を印加する期間がゼロ、または互いに等しくなるパルスを、各グループにおいて少なくとも一部の画素行に印加する第2駆動部と
を有する
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−97051(P2013−97051A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237488(P2011−237488)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】