表示装置およびPOS端末装置
【課題】伸縮機構を備えることなく、容易に高さを変更可能な表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置1は、筐体3と、筐体3に設置して使用する表示部5を有し、筐体3と表示部5は、互いに直結可能に構成されているとともに、筐体3と表示部5とが直結された状態から、中心軸に沿って分割可能な柱状の形状を有する支柱7を筐体3と表示部5の間に装着して、支柱7を介して筐体3と表示部5とが結合された状態に変更可能な構成である。
【解決手段】本発明の表示装置1は、筐体3と、筐体3に設置して使用する表示部5を有し、筐体3と表示部5は、互いに直結可能に構成されているとともに、筐体3と表示部5とが直結された状態から、中心軸に沿って分割可能な柱状の形状を有する支柱7を筐体3と表示部5の間に装着して、支柱7を介して筐体3と表示部5とが結合された状態に変更可能な構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置およびPOS端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
POS(Point Of Sales)端末装置のうち、例えば商店の清算機に用いられるものは、オペレータ(店員)に向けて情報を表示する表示装置に加えて、取引中の顧客に情報を表示する顧客用表示装置を備えるものがある。
【0003】
この顧客用表示装置は、POS端末装置を設置した後に、顧客が見やすい位置に高さを変更する必要が生じる場合がある。
【0004】
この場合、高さを変更する構造としては、顧客用表示装置と、POS端末装置の筐体を支柱で連結し、支柱の一部ないし全部を伸縮(筐体に収容)可能とした構造がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−115058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような構造は、伸縮機構を備えるとコスト高となるという問題があった。
【0007】
また、特許文献1のような構造は、伸縮機構の下部に支柱を収容するスペースが必要となるが、このスペースには、他の部品を実装することができないので、POS端末装置の小型化の障害となっていた。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伸縮機構を備えることなく、容易に高さを変更可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明の第1の態様は、筐体と、前記筐体に設置して使用する表示部と、を有し、前記筐体と前記表示部は、互いに直結可能に構成されているとともに、前記筐体と前記表示部とが直結された状態から、中心軸に沿って分割可能な柱状の形状を有する支柱を前記筐体と前記表示部間に装着して、前記支柱を介して前記筐体と前記表示部とが結合された状態に変更可能な構成であることを特徴とする表示装置である。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の表示装置を有することを特徴とするPOS端末装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、伸縮機構を備えることなく、容易に高さを変更可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】表示装置1を備えたPOS端末装置100の概略構成を示す図であって、表示装置1が支柱7を有する場合を示す図である。
【図2】表示装置1を示す概略図であって、表示部5と筐体3を支柱7で連結した状態を示す図である。
【図3】表示装置1を示す概略図であって、表示部5と筐体3を直結した状態を示す図である。
【図4】表示装置1を備えたPOS端末装置100の概略構成を示す図であって、表示装置1が、表示部5と筐体3を直結した状態である場合を示す図である。
【図5】表示装置1の分解斜視図であって、表示部5は外カバーのみを記載しており、支柱7は記載を省略している。
【図6】片側支柱7aを示す斜視図である。
【図7】片側支柱7bを示す斜視図である。
【図8】片側表示部側連結部9aを示す斜視図である。
【図9】片側表示部側連結部9aを示す底面図である。
【図10】片側表示部側連結部9bを示す斜視図である。
【図11】片側表示部側連結部9bを示す底面図である。
【図12】金属部品23を示す斜視図である。
【図13】中間連結部11を示す斜視図である。
【図14】中間連結部11を示す上面図である。
【図15】表示部側連結部9と中間連結部11を組み合わせた状態を示す正面図である。
【図16】図15のA−A断面図である。
【図17】図15のB−B断面図である。
【図18】筐体3の本体45を示す斜視図である。
【図19】筐体3の筐体カバー47を示す斜視図である。
【図20】表示部5と筐体3を直結した状態を示す斜視図であって、筐体カバー47は記載を省略している。
【図21】図20の中間連結部11および筐体側連結部13付近の拡大図である。
【図22】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図23】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図24】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図25】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図26】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図27】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
【0014】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る表示装置1を備えたPOS端末装置100の概略構成について説明する。
【0015】
ここでは、POS端末装置100として、飲食店のレジ等の清算用のPOS端末装置が例示されている。
【0016】
図1に示すように、POS端末装置100は図示しないマザーボードや電源ユニット等が搭載された箱型の本体101と、本体101に設けられ、客側に商品の料金の表示等を行う表示装置1と、表示装置1が設けられた面と反対側の面に設けられ、店員が清算の際にPOS端末装置100を操作するためのタッチパネル付表示装置103を有している。
【0017】
次に、図2〜4を参照して表示装置1の概略構成について説明する。
【0018】
図2に示すように、表示装置1は、POS端末装置100に連結される筐体3と、筐体3に設けられ、VFD(Vacuum Fluorescent Display:蛍光表示管)等を有する表示部5と、表示部5と筐体3を連結する柱状(ここでは円筒)の支柱7を有している。
【0019】
なお、支柱7は中心軸に沿って片側支柱7a、7bに分割可能であり、支柱7を分割して取り外した状態では、表示装置1は、図3および図4に示すように、表示部5と筐体3を直結することができる。
【0020】
このように、表示装置1は、支柱7を表示部5と筐体3の間に連結するか否かによって、伸縮機構を設けることなく、表示部5の筐体3に対する高さを、少なくとも2通りの高さにできる。
【0021】
次に、図5〜7を参照して表示装置1の構造についてさらに詳細に説明する。
【0022】
図5に示すように、表示装置1は表示部5に保持(ここでは固定)される表示部側連結部9と、表示部側連結部9に回転可能に保持された中間連結部11と、筐体3に設けられ、支柱7または中間連結部11に連結可能な筐体側連結部13を有している。
【0023】
一方、図6および図7にそれぞれ示すように、支柱7は片側支柱7a、7bを有している。片側支柱7a、7bの一方の端部は中間連結部11に連結可能な上部連結部17を有しており、他方の端部は筐体側連結部13に連結(ここでは固定)される下部連結部19を有している。
【0024】
ここで、中間連結部11は表示部側連結部9に対して所定の角度回転可能であり、中間連結部11は、支柱7と連結された状態では支柱7に対して、筐体側連結部13に連結された状態では、筐体側連結部13に対して所定の角度回転可能に構成されている。
【0025】
そのため、上記した回転可能な角度の範囲を合わせると、表示部5は筐体3に対して360度以上回転可能となっている。
【0026】
次に、図5〜21を参照して表示装置1を構成する各構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0027】
表示部5は前述のように、表示用のVFD等を備えており、図5に示すように、その背面(表示面の反対側の面)には表示部側連結部9が連結される凹部21を有している。凹部21には、表示部5に取り付けられた金属部品21aが設けられ、金属部品21aには、表示部側連結部9を結合するための穴が設けられている。
【0028】
表示部側連結部9は、図8および図9に示す片側表示部側連結部9aと、図10および図11に示す、片側表示部側連結部9bと、片側表示部側連結部9a、9bの内部に設けられた板状の金属部品23(図5および図12参照)を有している。
【0029】
片側表示部側連結部9a、9bは、図8〜11に示すように、(組み合わせた状態で)表示部5の凹部21に対応した凸形状を有する凸部25a、25bと、凸部25a、25bに設けられた円筒状のカップ27a、27bを有している。
【0030】
図8および図10に示すように、凸部25aには、インサートナットが埋め込まれたネジ穴28が設けられ、凸部25bには、穴27が設けられ、表示部5に取り付けられた金属部品21aには、穴27と同様の穴が設けられ、片側表示部側連結部9aと片側表示部側連結部9bの間に金属部品21aを挟んで、ネジを穴27と金属部品21aの穴に挿入してネジ穴28にネジ止めすることによって、片側表示部側連結部9aと片側表示部側連結部9bとを結合するとともに、表示部側連結部9を表示部5に固定する。
【0031】
一方、図9に示すように、カップ27aは底面29を有し、底面29には、カップ27aの中心軸から偏心した位置に円弧形状(ここでは楕円状)のスリット31が設けられている。
【0032】
さらに図8に示すように、カップ27aの内周には、底面29に平行に溝33が設けられており、溝33には金属部品23が挿入可能となっている。
【0033】
図12に示すように、金属部品23は、板状の本体23aと、雌ネジが切られたネジ穴23bを有しており、カップ27aの溝33に挿入された状態では、スリット31からネジ穴23bが露出するように構成されている。
【0034】
中間連結部11は図13および図14に示すように、表示部側連結部9のカップ27a、27bを収納可能な円筒状のカップ形状を有しており、底面35を有している。底面35には、中心軸から偏心した位置にピン状のボス37が設けられており、ボス37には中心軸を貫通するようにして貫通孔37aが設けられている。
【0035】
また、図13に示すように、中間連結部11の外周には、中間連結部11を支柱7または筐体側連結部13に連結するためのリング状の溝39が、底面35に平行に設けられている。
【0036】
さらに、底面35の端部には、後述する回転角度を規制するための中間連結部側突起43が設けられている。
【0037】
中間連結部11は、表示部側連結部9のカップ27aを収納した状態で、ボス37が表示部側連結部9のスリット31に挿入されるように構成されている。
【0038】
中間連結部11と表示部側連結部9は、図15〜17に示すように、ボス37がスリット31に挿入された状態で、貫通孔37aおよびスリット31を介して、ボルト40を金属部品23のネジ穴23bにネジ止めすることにより連結される。
【0039】
この状態では、中間連結部11は表示部側連結部9に対して、図17の矢印Lの示す方向に回転可能であるが、前述のように、ボス37がスリット31に挿入されているため、回転可能な角度αはスリット31の形状に規制される。図17に示すスリット31の形状(ここでは楕円形状)では、角度αは10〜15度程度である。
【0040】
図5に示すように、筐体3は、POS端末装置100の本体101の外カバーの一部を構成する本体45と、本体45に設けられ、中間連結部11および支柱7の外周に対応した内周形状を有し、これらと連結可能な円筒状の筐体側連結部13と、筐体側連結部13の外周を覆うように本体45と連結可能な筐体カバー47を有している。
【0041】
図18に示すように、筐体側連結部13の側面には、中間連結部11の溝39の形状に対応したスリット49(貫通孔)が設けられており、中間連結部11を筐体側連結部13に連結した状態では、スリット49から溝39が露出するように構成されている。
【0042】
さらに、筐体側連結部13の側面には、支柱7を固定するためのネジ51(後述)が挿入される穴53が設けられている。
【0043】
また、筐体側連結部13の内周には、中間連結部側突起43と接触可能な位置に筐体側突起54が設けられている(図21参照)。
【0044】
図19に示すように、筐体カバー47は、筐体3に連結した状態でスリット49と対向する側面に、スリット49、片側支柱7aの溝57(後述)および中間連結部11の溝39に挿入可能な板状の挿入板47aが設けられている。また、係合爪47b、係合爪47cが設けられ、筐体45の対応する位置に設けられているリブと係合することによって、筐体カバー47は、筐体45に固定される。
【0045】
支柱7は図6および図7に示すように、円筒を2つに分割した片側支柱7a、7bを組み合わせた形状を有している。
【0046】
片側支柱7a、7bの一方の端部(図6および図7では上端)の内周には、中間連結部11の溝39の形状に対応したリング状の上部連結部17(支柱側連結部)が設けられており、片側支柱7bの上部連結部17の近傍には、上部連結部17を中間連結部11の溝39に挿入した状態で、中間連結部11の中間連結部側突起43と接触可能な位置に支柱側突起58が設けられている。
【0047】
片側支柱7a、7bの他の端部(図6および図7では下端)の外周は、筐体側連結部13に挿入可能な下部連結部19を有している。
【0048】
また、片側支柱7aの下部連結部19にはネジ51(後述)が挿入される穴55が設けられ、片側支柱7bの下部連結部19にはインサートナットを埋め込んだネジ穴64が設けられている。
【0049】
さらに、片側支柱7aの下部連結部19の外周には、筐体カバー47の挿入板47aが挿入される溝57が設けられている。
【0050】
一方、片側支柱7aの内周には、表示部5とPOS端末装置100内の図示しないマザーボード(制御部)とを接続するケーブル59(後述)を保持するための凹形状のケーブル保持部61が設けられている。
【0051】
また、片側支柱7aの内周には、片側支柱7bと連結するための鉤形の連結部63aが設けられており、片側支柱7bの内周には連結部63aと係合可能な連結部63bが設けられている。
【0052】
連結部63aと連結部63bは、軸方向の位置をずらした状態で片側支柱7aと片側支柱7bの端面(円筒の切断面)を合わせ、軸方向に一方をスライドさせることにより係合し、これにより片側支柱7aと片側支柱7bが一体となって支柱7となる。
【0053】
中間連結部11と筐体3は、中間連結部11を筐体側連結部13内に挿入することにより、図20に示すように連結される。
【0054】
さらに、図20では図示していないが、筐体カバー47を筐体3に連結して、筐体側連結部13のスリット49および中間連結部11の溝39に、筐体カバー47の挿入板47a(図20では図示せず)を挿入することにより、挿入板47aが抜け止めとなり、互いに外れないようになる。
【0055】
この状態では、中間連結部11は筐体側連結部13内を図21に示す矢印Mの示す方向に回転可能であるが、図21に示す所定の角度β回転すると、中間連結部側突起43と筐体側突起54が接触して回転を規制する。
【0056】
これは、中間連結部11の回転角度に規制を設けない場合(即ち、回転可能角度を無限にした場合)、回転により、ケーブル59がねじれて損傷する恐れがあるためである。
【0057】
角度βは中間連結部側突起43と筐体側突起54の形状によって異なるが、図21に示す形状では350度程度である。
【0058】
ただし、前述のように、中間連結部11は表示部側連結部9に対して角度α(10〜15度)回転可能であるため、表示部5の筐体3に対する回転可能な角度は、α+βで360度以上となり、回転規制を設けてケーブル59を保護しつつも360度以上の回転が可能となっている。
【0059】
一方、筐体3と表示部5の間に支柱7を設ける場合は、中間連結部11の溝39を片側支柱7a、7bの上部連結部17(図6および図7参照)に挿入して片側支柱7aと片側支柱7bを連結することにより、表示部5と支柱7を連結し、支柱7の下部連結部19を筐体側連結部13に挿入し、ネジ51を穴53および穴55に挿入してインサートナットを埋め込んだネジ穴64にネジ止めすることより、支柱7を筐体3に固定する。
【0060】
この状態では、中間連結部11は上部連結部17内を回転可能(即ち、支柱7に対して回転可能)であるが、所定の角度β回転すると中間連結部側突起43と支柱側突起58(図7参照)が接触して回転を規制する。
【0061】
角度βは中間連結部側突起43と支柱側突起58の形状によって異なるが、図13および図7に示す形状では、角度βは350度程度である。
【0062】
そのため、筐体3と表示部5の間に支柱7を設けた場合でも、表示部5の筐体3に対する回転角度は、α+βで360度以上となり、回転規制を設けてケーブル59を保護しつつも360度以上の回転が可能となっている。
【0063】
以上が表示装置1を構成する各構成要素の説明である。
【0064】
次に、筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順について図22〜図27を参照して説明する。
【0065】
ここでは、図4に示すような、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合について説明する。
【0066】
なお、筐体3に対する表示部5の高さを低くする手順、具体的には筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態から、支柱7を外して筐体3と表示部5を直結する手順は、以下に示す手順の逆であるため、説明を省略する。
【0067】
まず、図22に示すように、筐体3の本体45から筐体カバー47を取り外す。
【0068】
これにより、筐体カバー47の挿入板47aが筐体側連結部13のスリット49および中間連結部11の溝39から外れるため、筐体3に対する中間連結部11(表示部5)の固定が解除される。
【0069】
次に、図23に示すように、表示部5を持ち上げ(N1の向きに移動させ)、ケーブル59をPOS端末装置100の本体101内から引き出す。
【0070】
次に、図24に示すように、片側支柱7aの上部連結部17(図6参照)を中間連結部11の溝39に挿入して片側支柱7aと中間連結部11を組み合わせ、ケーブル59を片側支柱7aのケーブル保持部61(図6参照)に挿入して、ケーブル保持部61にケーブルを保持させる。
【0071】
次に、図25に示すように、連結部63aと連結部63bの軸方向の位置をずらした状態で片側支柱7aの端面に片側支柱7bの端面を合わせ、片側支柱7bをN1の向き(軸方向)にスライドさせることにより、連結部63aと連結部63bを係合させ、これにより片側支柱7aと片側支柱7bを一体化して支柱7にする(図6および図7参照)。
【0072】
次に、図26に示すように、支柱7をN2の向きに移動させ、下部連結部19(図6および図7参照)を筐体側連結部13に挿入する。
【0073】
次に、図27に示すように、ネジ51を穴53(図18参照)および穴55(図6および図7参照)に挿入してインサートナットを埋め込んだネジ穴64にネジ止めすることより、支柱7を筐体3に固定する(矢印N3参照)。
【0074】
最後に、図27に示すように、筐体3の本体45に筐体カバー47を取りつける(矢印N3参照)。
【0075】
以上の手順により、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結される。
【0076】
このように、本実施形態によれば、表示装置1は、筐体3と、筐体3に設けられた表示部5と、表示部5と筐体3を連結する柱状の支柱7を有し、支柱7は中心軸に沿って片側支柱7a、7bに分割可能であり、支柱7を分割して取り外した状態では、表示装置1は、表示部5と筐体3を直結可能である。
【0077】
そのため、表示装置1は、支柱7を表示部5と筐体3の間に連結するか否かによって、表示部5の筐体3に対する高さを、少なくとも2通りの高さにできる。
【0078】
即ち、表示装置1は、伸縮機構を設けることなく、表示部5の筐体3に対する高さを変更できる。
【0079】
また、本実施形態によれば、表示装置1は、支柱7を表示部5と筐体3の間に連結する場合、あるいは支柱7を表示部5と筐体3から取り外して表示部5と筐体3を直結する際の作業は特別な工具を必要としない。そのため、POS端末装置100を所有する客先で上記作業が可能である。
【0080】
さらに、本実施形態によれば、表示装置1は、表示部5に保持される表示部側連結部9と、表示部側連結部9に回転可能に保持された中間連結部11と、筐体3に設けられ、支柱7または中間連結部11に連結可能な筐体側連結部13を有しており、表示部側連結部9は中間連結部11に対して所定の角度αだけ回転可能であり、中間連結部11は、支柱7と連結された状態では支柱7に対して、筐体側連結部13に連結された状態では、筐体側連結部13に対して所定の角度βだけ回転可能に構成されており、回転可能な範囲(角度αと角度β)を合わせると、表示部5は筐体3に対して360度以上回転可能となっている。
【0081】
そのため、表示装置1は、回転規制を設けてケーブル59を保護しつつも表示部5が筐体3に対して360度以上回転可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
上記した実施形態では、本発明を飲食店の清算用のPOS端末装置100に適用した場合について説明したが、本発明は何らこれに限定されることはなく、表示部の高さを変更する必要がある全ての情報機器に適用できる。
【0083】
また、上記した実施形態では、表示部側連結部9のスリット31の形状を楕円としているが、ボス37の移動(即ち、中間連結部11の回転)を規制可能な円弧状の形状であれば、楕円には限られない。
【符号の説明】
【0084】
1 表示装置
3 筐体
5 表示部
7 支柱
7a 片側支柱
7b 片側支柱
9 表示部側連結部
9a 片側表示部側連結部
9b 片側表示部側連結部
11 中間連結部
13 筐体側連結部
17 上部連結部
19 下部連結部
21 凹部
21a 金属部品
23 金属部品
23a 本体
23b ネジ穴
25a 凸部
27 穴
27a カップ
28 ネジ穴
29 底面
31 スリット
33 溝
35 底面
37 ボス
37a 貫通孔
39 溝
40 ボルト
43 中間連結部側突起
45 本体
47 筐体カバー
47a 挿入板
47b 係合爪
47c 係合爪
49 スリット
51 ネジ
53 穴
54 筐体側突起
55 穴
57 溝
58 支柱側突起
59 ケーブル
61 ケーブル保持部
63a 連結部
63b 連結部
64 ネジ穴
100 POS端末装置
101 本体
103 タッチパネル付表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置およびPOS端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
POS(Point Of Sales)端末装置のうち、例えば商店の清算機に用いられるものは、オペレータ(店員)に向けて情報を表示する表示装置に加えて、取引中の顧客に情報を表示する顧客用表示装置を備えるものがある。
【0003】
この顧客用表示装置は、POS端末装置を設置した後に、顧客が見やすい位置に高さを変更する必要が生じる場合がある。
【0004】
この場合、高さを変更する構造としては、顧客用表示装置と、POS端末装置の筐体を支柱で連結し、支柱の一部ないし全部を伸縮(筐体に収容)可能とした構造がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−115058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような構造は、伸縮機構を備えるとコスト高となるという問題があった。
【0007】
また、特許文献1のような構造は、伸縮機構の下部に支柱を収容するスペースが必要となるが、このスペースには、他の部品を実装することができないので、POS端末装置の小型化の障害となっていた。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伸縮機構を備えることなく、容易に高さを変更可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明の第1の態様は、筐体と、前記筐体に設置して使用する表示部と、を有し、前記筐体と前記表示部は、互いに直結可能に構成されているとともに、前記筐体と前記表示部とが直結された状態から、中心軸に沿って分割可能な柱状の形状を有する支柱を前記筐体と前記表示部間に装着して、前記支柱を介して前記筐体と前記表示部とが結合された状態に変更可能な構成であることを特徴とする表示装置である。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の表示装置を有することを特徴とするPOS端末装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、伸縮機構を備えることなく、容易に高さを変更可能な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】表示装置1を備えたPOS端末装置100の概略構成を示す図であって、表示装置1が支柱7を有する場合を示す図である。
【図2】表示装置1を示す概略図であって、表示部5と筐体3を支柱7で連結した状態を示す図である。
【図3】表示装置1を示す概略図であって、表示部5と筐体3を直結した状態を示す図である。
【図4】表示装置1を備えたPOS端末装置100の概略構成を示す図であって、表示装置1が、表示部5と筐体3を直結した状態である場合を示す図である。
【図5】表示装置1の分解斜視図であって、表示部5は外カバーのみを記載しており、支柱7は記載を省略している。
【図6】片側支柱7aを示す斜視図である。
【図7】片側支柱7bを示す斜視図である。
【図8】片側表示部側連結部9aを示す斜視図である。
【図9】片側表示部側連結部9aを示す底面図である。
【図10】片側表示部側連結部9bを示す斜視図である。
【図11】片側表示部側連結部9bを示す底面図である。
【図12】金属部品23を示す斜視図である。
【図13】中間連結部11を示す斜視図である。
【図14】中間連結部11を示す上面図である。
【図15】表示部側連結部9と中間連結部11を組み合わせた状態を示す正面図である。
【図16】図15のA−A断面図である。
【図17】図15のB−B断面図である。
【図18】筐体3の本体45を示す斜視図である。
【図19】筐体3の筐体カバー47を示す斜視図である。
【図20】表示部5と筐体3を直結した状態を示す斜視図であって、筐体カバー47は記載を省略している。
【図21】図20の中間連結部11および筐体側連結部13付近の拡大図である。
【図22】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図23】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図24】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図25】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図26】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【図27】筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順を示す斜視図であって、図4に示すように、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。
【0014】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る表示装置1を備えたPOS端末装置100の概略構成について説明する。
【0015】
ここでは、POS端末装置100として、飲食店のレジ等の清算用のPOS端末装置が例示されている。
【0016】
図1に示すように、POS端末装置100は図示しないマザーボードや電源ユニット等が搭載された箱型の本体101と、本体101に設けられ、客側に商品の料金の表示等を行う表示装置1と、表示装置1が設けられた面と反対側の面に設けられ、店員が清算の際にPOS端末装置100を操作するためのタッチパネル付表示装置103を有している。
【0017】
次に、図2〜4を参照して表示装置1の概略構成について説明する。
【0018】
図2に示すように、表示装置1は、POS端末装置100に連結される筐体3と、筐体3に設けられ、VFD(Vacuum Fluorescent Display:蛍光表示管)等を有する表示部5と、表示部5と筐体3を連結する柱状(ここでは円筒)の支柱7を有している。
【0019】
なお、支柱7は中心軸に沿って片側支柱7a、7bに分割可能であり、支柱7を分割して取り外した状態では、表示装置1は、図3および図4に示すように、表示部5と筐体3を直結することができる。
【0020】
このように、表示装置1は、支柱7を表示部5と筐体3の間に連結するか否かによって、伸縮機構を設けることなく、表示部5の筐体3に対する高さを、少なくとも2通りの高さにできる。
【0021】
次に、図5〜7を参照して表示装置1の構造についてさらに詳細に説明する。
【0022】
図5に示すように、表示装置1は表示部5に保持(ここでは固定)される表示部側連結部9と、表示部側連結部9に回転可能に保持された中間連結部11と、筐体3に設けられ、支柱7または中間連結部11に連結可能な筐体側連結部13を有している。
【0023】
一方、図6および図7にそれぞれ示すように、支柱7は片側支柱7a、7bを有している。片側支柱7a、7bの一方の端部は中間連結部11に連結可能な上部連結部17を有しており、他方の端部は筐体側連結部13に連結(ここでは固定)される下部連結部19を有している。
【0024】
ここで、中間連結部11は表示部側連結部9に対して所定の角度回転可能であり、中間連結部11は、支柱7と連結された状態では支柱7に対して、筐体側連結部13に連結された状態では、筐体側連結部13に対して所定の角度回転可能に構成されている。
【0025】
そのため、上記した回転可能な角度の範囲を合わせると、表示部5は筐体3に対して360度以上回転可能となっている。
【0026】
次に、図5〜21を参照して表示装置1を構成する各構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0027】
表示部5は前述のように、表示用のVFD等を備えており、図5に示すように、その背面(表示面の反対側の面)には表示部側連結部9が連結される凹部21を有している。凹部21には、表示部5に取り付けられた金属部品21aが設けられ、金属部品21aには、表示部側連結部9を結合するための穴が設けられている。
【0028】
表示部側連結部9は、図8および図9に示す片側表示部側連結部9aと、図10および図11に示す、片側表示部側連結部9bと、片側表示部側連結部9a、9bの内部に設けられた板状の金属部品23(図5および図12参照)を有している。
【0029】
片側表示部側連結部9a、9bは、図8〜11に示すように、(組み合わせた状態で)表示部5の凹部21に対応した凸形状を有する凸部25a、25bと、凸部25a、25bに設けられた円筒状のカップ27a、27bを有している。
【0030】
図8および図10に示すように、凸部25aには、インサートナットが埋め込まれたネジ穴28が設けられ、凸部25bには、穴27が設けられ、表示部5に取り付けられた金属部品21aには、穴27と同様の穴が設けられ、片側表示部側連結部9aと片側表示部側連結部9bの間に金属部品21aを挟んで、ネジを穴27と金属部品21aの穴に挿入してネジ穴28にネジ止めすることによって、片側表示部側連結部9aと片側表示部側連結部9bとを結合するとともに、表示部側連結部9を表示部5に固定する。
【0031】
一方、図9に示すように、カップ27aは底面29を有し、底面29には、カップ27aの中心軸から偏心した位置に円弧形状(ここでは楕円状)のスリット31が設けられている。
【0032】
さらに図8に示すように、カップ27aの内周には、底面29に平行に溝33が設けられており、溝33には金属部品23が挿入可能となっている。
【0033】
図12に示すように、金属部品23は、板状の本体23aと、雌ネジが切られたネジ穴23bを有しており、カップ27aの溝33に挿入された状態では、スリット31からネジ穴23bが露出するように構成されている。
【0034】
中間連結部11は図13および図14に示すように、表示部側連結部9のカップ27a、27bを収納可能な円筒状のカップ形状を有しており、底面35を有している。底面35には、中心軸から偏心した位置にピン状のボス37が設けられており、ボス37には中心軸を貫通するようにして貫通孔37aが設けられている。
【0035】
また、図13に示すように、中間連結部11の外周には、中間連結部11を支柱7または筐体側連結部13に連結するためのリング状の溝39が、底面35に平行に設けられている。
【0036】
さらに、底面35の端部には、後述する回転角度を規制するための中間連結部側突起43が設けられている。
【0037】
中間連結部11は、表示部側連結部9のカップ27aを収納した状態で、ボス37が表示部側連結部9のスリット31に挿入されるように構成されている。
【0038】
中間連結部11と表示部側連結部9は、図15〜17に示すように、ボス37がスリット31に挿入された状態で、貫通孔37aおよびスリット31を介して、ボルト40を金属部品23のネジ穴23bにネジ止めすることにより連結される。
【0039】
この状態では、中間連結部11は表示部側連結部9に対して、図17の矢印Lの示す方向に回転可能であるが、前述のように、ボス37がスリット31に挿入されているため、回転可能な角度αはスリット31の形状に規制される。図17に示すスリット31の形状(ここでは楕円形状)では、角度αは10〜15度程度である。
【0040】
図5に示すように、筐体3は、POS端末装置100の本体101の外カバーの一部を構成する本体45と、本体45に設けられ、中間連結部11および支柱7の外周に対応した内周形状を有し、これらと連結可能な円筒状の筐体側連結部13と、筐体側連結部13の外周を覆うように本体45と連結可能な筐体カバー47を有している。
【0041】
図18に示すように、筐体側連結部13の側面には、中間連結部11の溝39の形状に対応したスリット49(貫通孔)が設けられており、中間連結部11を筐体側連結部13に連結した状態では、スリット49から溝39が露出するように構成されている。
【0042】
さらに、筐体側連結部13の側面には、支柱7を固定するためのネジ51(後述)が挿入される穴53が設けられている。
【0043】
また、筐体側連結部13の内周には、中間連結部側突起43と接触可能な位置に筐体側突起54が設けられている(図21参照)。
【0044】
図19に示すように、筐体カバー47は、筐体3に連結した状態でスリット49と対向する側面に、スリット49、片側支柱7aの溝57(後述)および中間連結部11の溝39に挿入可能な板状の挿入板47aが設けられている。また、係合爪47b、係合爪47cが設けられ、筐体45の対応する位置に設けられているリブと係合することによって、筐体カバー47は、筐体45に固定される。
【0045】
支柱7は図6および図7に示すように、円筒を2つに分割した片側支柱7a、7bを組み合わせた形状を有している。
【0046】
片側支柱7a、7bの一方の端部(図6および図7では上端)の内周には、中間連結部11の溝39の形状に対応したリング状の上部連結部17(支柱側連結部)が設けられており、片側支柱7bの上部連結部17の近傍には、上部連結部17を中間連結部11の溝39に挿入した状態で、中間連結部11の中間連結部側突起43と接触可能な位置に支柱側突起58が設けられている。
【0047】
片側支柱7a、7bの他の端部(図6および図7では下端)の外周は、筐体側連結部13に挿入可能な下部連結部19を有している。
【0048】
また、片側支柱7aの下部連結部19にはネジ51(後述)が挿入される穴55が設けられ、片側支柱7bの下部連結部19にはインサートナットを埋め込んだネジ穴64が設けられている。
【0049】
さらに、片側支柱7aの下部連結部19の外周には、筐体カバー47の挿入板47aが挿入される溝57が設けられている。
【0050】
一方、片側支柱7aの内周には、表示部5とPOS端末装置100内の図示しないマザーボード(制御部)とを接続するケーブル59(後述)を保持するための凹形状のケーブル保持部61が設けられている。
【0051】
また、片側支柱7aの内周には、片側支柱7bと連結するための鉤形の連結部63aが設けられており、片側支柱7bの内周には連結部63aと係合可能な連結部63bが設けられている。
【0052】
連結部63aと連結部63bは、軸方向の位置をずらした状態で片側支柱7aと片側支柱7bの端面(円筒の切断面)を合わせ、軸方向に一方をスライドさせることにより係合し、これにより片側支柱7aと片側支柱7bが一体となって支柱7となる。
【0053】
中間連結部11と筐体3は、中間連結部11を筐体側連結部13内に挿入することにより、図20に示すように連結される。
【0054】
さらに、図20では図示していないが、筐体カバー47を筐体3に連結して、筐体側連結部13のスリット49および中間連結部11の溝39に、筐体カバー47の挿入板47a(図20では図示せず)を挿入することにより、挿入板47aが抜け止めとなり、互いに外れないようになる。
【0055】
この状態では、中間連結部11は筐体側連結部13内を図21に示す矢印Mの示す方向に回転可能であるが、図21に示す所定の角度β回転すると、中間連結部側突起43と筐体側突起54が接触して回転を規制する。
【0056】
これは、中間連結部11の回転角度に規制を設けない場合(即ち、回転可能角度を無限にした場合)、回転により、ケーブル59がねじれて損傷する恐れがあるためである。
【0057】
角度βは中間連結部側突起43と筐体側突起54の形状によって異なるが、図21に示す形状では350度程度である。
【0058】
ただし、前述のように、中間連結部11は表示部側連結部9に対して角度α(10〜15度)回転可能であるため、表示部5の筐体3に対する回転可能な角度は、α+βで360度以上となり、回転規制を設けてケーブル59を保護しつつも360度以上の回転が可能となっている。
【0059】
一方、筐体3と表示部5の間に支柱7を設ける場合は、中間連結部11の溝39を片側支柱7a、7bの上部連結部17(図6および図7参照)に挿入して片側支柱7aと片側支柱7bを連結することにより、表示部5と支柱7を連結し、支柱7の下部連結部19を筐体側連結部13に挿入し、ネジ51を穴53および穴55に挿入してインサートナットを埋め込んだネジ穴64にネジ止めすることより、支柱7を筐体3に固定する。
【0060】
この状態では、中間連結部11は上部連結部17内を回転可能(即ち、支柱7に対して回転可能)であるが、所定の角度β回転すると中間連結部側突起43と支柱側突起58(図7参照)が接触して回転を規制する。
【0061】
角度βは中間連結部側突起43と支柱側突起58の形状によって異なるが、図13および図7に示す形状では、角度βは350度程度である。
【0062】
そのため、筐体3と表示部5の間に支柱7を設けた場合でも、表示部5の筐体3に対する回転角度は、α+βで360度以上となり、回転規制を設けてケーブル59を保護しつつも360度以上の回転が可能となっている。
【0063】
以上が表示装置1を構成する各構成要素の説明である。
【0064】
次に、筐体3に対する表示部5の高さを変更する際の手順について図22〜図27を参照して説明する。
【0065】
ここでは、図4に示すような、筐体3と表示部5が直結された状態から、図1に示すような、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態に変更して、筐体3に対する表示部5の高さを高くする場合について説明する。
【0066】
なお、筐体3に対する表示部5の高さを低くする手順、具体的には筐体3と表示部5の間に支柱7が連結された状態から、支柱7を外して筐体3と表示部5を直結する手順は、以下に示す手順の逆であるため、説明を省略する。
【0067】
まず、図22に示すように、筐体3の本体45から筐体カバー47を取り外す。
【0068】
これにより、筐体カバー47の挿入板47aが筐体側連結部13のスリット49および中間連結部11の溝39から外れるため、筐体3に対する中間連結部11(表示部5)の固定が解除される。
【0069】
次に、図23に示すように、表示部5を持ち上げ(N1の向きに移動させ)、ケーブル59をPOS端末装置100の本体101内から引き出す。
【0070】
次に、図24に示すように、片側支柱7aの上部連結部17(図6参照)を中間連結部11の溝39に挿入して片側支柱7aと中間連結部11を組み合わせ、ケーブル59を片側支柱7aのケーブル保持部61(図6参照)に挿入して、ケーブル保持部61にケーブルを保持させる。
【0071】
次に、図25に示すように、連結部63aと連結部63bの軸方向の位置をずらした状態で片側支柱7aの端面に片側支柱7bの端面を合わせ、片側支柱7bをN1の向き(軸方向)にスライドさせることにより、連結部63aと連結部63bを係合させ、これにより片側支柱7aと片側支柱7bを一体化して支柱7にする(図6および図7参照)。
【0072】
次に、図26に示すように、支柱7をN2の向きに移動させ、下部連結部19(図6および図7参照)を筐体側連結部13に挿入する。
【0073】
次に、図27に示すように、ネジ51を穴53(図18参照)および穴55(図6および図7参照)に挿入してインサートナットを埋め込んだネジ穴64にネジ止めすることより、支柱7を筐体3に固定する(矢印N3参照)。
【0074】
最後に、図27に示すように、筐体3の本体45に筐体カバー47を取りつける(矢印N3参照)。
【0075】
以上の手順により、筐体3と表示部5の間に支柱7が連結される。
【0076】
このように、本実施形態によれば、表示装置1は、筐体3と、筐体3に設けられた表示部5と、表示部5と筐体3を連結する柱状の支柱7を有し、支柱7は中心軸に沿って片側支柱7a、7bに分割可能であり、支柱7を分割して取り外した状態では、表示装置1は、表示部5と筐体3を直結可能である。
【0077】
そのため、表示装置1は、支柱7を表示部5と筐体3の間に連結するか否かによって、表示部5の筐体3に対する高さを、少なくとも2通りの高さにできる。
【0078】
即ち、表示装置1は、伸縮機構を設けることなく、表示部5の筐体3に対する高さを変更できる。
【0079】
また、本実施形態によれば、表示装置1は、支柱7を表示部5と筐体3の間に連結する場合、あるいは支柱7を表示部5と筐体3から取り外して表示部5と筐体3を直結する際の作業は特別な工具を必要としない。そのため、POS端末装置100を所有する客先で上記作業が可能である。
【0080】
さらに、本実施形態によれば、表示装置1は、表示部5に保持される表示部側連結部9と、表示部側連結部9に回転可能に保持された中間連結部11と、筐体3に設けられ、支柱7または中間連結部11に連結可能な筐体側連結部13を有しており、表示部側連結部9は中間連結部11に対して所定の角度αだけ回転可能であり、中間連結部11は、支柱7と連結された状態では支柱7に対して、筐体側連結部13に連結された状態では、筐体側連結部13に対して所定の角度βだけ回転可能に構成されており、回転可能な範囲(角度αと角度β)を合わせると、表示部5は筐体3に対して360度以上回転可能となっている。
【0081】
そのため、表示装置1は、回転規制を設けてケーブル59を保護しつつも表示部5が筐体3に対して360度以上回転可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
上記した実施形態では、本発明を飲食店の清算用のPOS端末装置100に適用した場合について説明したが、本発明は何らこれに限定されることはなく、表示部の高さを変更する必要がある全ての情報機器に適用できる。
【0083】
また、上記した実施形態では、表示部側連結部9のスリット31の形状を楕円としているが、ボス37の移動(即ち、中間連結部11の回転)を規制可能な円弧状の形状であれば、楕円には限られない。
【符号の説明】
【0084】
1 表示装置
3 筐体
5 表示部
7 支柱
7a 片側支柱
7b 片側支柱
9 表示部側連結部
9a 片側表示部側連結部
9b 片側表示部側連結部
11 中間連結部
13 筐体側連結部
17 上部連結部
19 下部連結部
21 凹部
21a 金属部品
23 金属部品
23a 本体
23b ネジ穴
25a 凸部
27 穴
27a カップ
28 ネジ穴
29 底面
31 スリット
33 溝
35 底面
37 ボス
37a 貫通孔
39 溝
40 ボルト
43 中間連結部側突起
45 本体
47 筐体カバー
47a 挿入板
47b 係合爪
47c 係合爪
49 スリット
51 ネジ
53 穴
54 筐体側突起
55 穴
57 溝
58 支柱側突起
59 ケーブル
61 ケーブル保持部
63a 連結部
63b 連結部
64 ネジ穴
100 POS端末装置
101 本体
103 タッチパネル付表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設置して使用する表示部と、
を有し、
前記筐体と前記表示部は、互いに直結可能に構成されているとともに、前記筐体と前記表示部とが直結された状態から、中心軸に沿って分割可能な柱状の形状を有する支柱を前記筐体と前記表示部間に装着して、前記支柱を介して前記筐体と前記表示部とが結合された状態に変更可能な構成であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記筐体と前記表示部とが直結された状態、および前記支柱を介して前記筐体と前記表示部とが結合された状態のいずれの状態においても、前記筐体に対して回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部に保持された表示部側連結部と、
前記表示部側連結部に回転可能に保持された中間連結部と、
前記筐体に設けられ、前記支柱または前記中間連結部に連結可能な筐体側連結部と、
を有し、
前記支柱は、一方の端部が中間連結部に回転可能に連結可能であり、他方の端部が前記筐体側連結部に連結可能であり、
前記中間連結部は前記筐体側連結部または前記支柱に対して回転可能に連結可能であることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部側連結部は、円筒状で底面を有するカップを有し、前記底面には、円弧形状を有するスリットが設けられ、
前記中間連結部は、前記表示部側連結部の前記カップを収納可能な、底面を有する円筒状の形状を有し、前記底面には中心軸から偏心した位置に、前記スリットに挿入されるピン状のボスが設けられ、
前記中間連結部は、前記表示側連結部に対して回転可能であり、かつ前記スリットに回転角を規制されることを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記中間連結部は、外周に中間連結部側突出部を有し、
前記支柱の一方の端部の内周は、前記中間連結部側突出部と接触可能な支柱側突出部を有し、
前記筐体側連結部の内周は、前記中間連結部側突出部と接触可能な筐体側突出部を有し、
前記中間連結部は、前記中間連結部側突出部と前記支柱側突出部または前記筐体側突出部が接触することにより回転角度を規制されることを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記スリット、前記ボス、前記中間連結部側突出部、前記支柱側突出部、および前記筐体側突出部は、
前記中間連結部が前記表示部側連結部に対して回転可能な範囲と、前記中間連結部が前記支柱または前記筐体側連結部に対して回転可能な範囲を併せて、前記表示部を前記筐体に対して360度以上回転可能な形状であることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記中間連結部は、外周にリング状の溝部を有し、
前記支柱は円筒形状を有し、かつ前記一方の端部の内周に、前記溝部に挿入可能なリング状の支柱側連結部を有し、
前記支柱側連結部を前記溝部に挿入することにより、前記中間連結部が前記支柱に回転可能に保持されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記スリットは、楕円形状を有することを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記支柱は、円筒を中心軸に沿って2つに分割した構造を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の表示装置を有することを特徴とするPOS端末装置。
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設置して使用する表示部と、
を有し、
前記筐体と前記表示部は、互いに直結可能に構成されているとともに、前記筐体と前記表示部とが直結された状態から、中心軸に沿って分割可能な柱状の形状を有する支柱を前記筐体と前記表示部間に装着して、前記支柱を介して前記筐体と前記表示部とが結合された状態に変更可能な構成であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記筐体と前記表示部とが直結された状態、および前記支柱を介して前記筐体と前記表示部とが結合された状態のいずれの状態においても、前記筐体に対して回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部に保持された表示部側連結部と、
前記表示部側連結部に回転可能に保持された中間連結部と、
前記筐体に設けられ、前記支柱または前記中間連結部に連結可能な筐体側連結部と、
を有し、
前記支柱は、一方の端部が中間連結部に回転可能に連結可能であり、他方の端部が前記筐体側連結部に連結可能であり、
前記中間連結部は前記筐体側連結部または前記支柱に対して回転可能に連結可能であることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部側連結部は、円筒状で底面を有するカップを有し、前記底面には、円弧形状を有するスリットが設けられ、
前記中間連結部は、前記表示部側連結部の前記カップを収納可能な、底面を有する円筒状の形状を有し、前記底面には中心軸から偏心した位置に、前記スリットに挿入されるピン状のボスが設けられ、
前記中間連結部は、前記表示側連結部に対して回転可能であり、かつ前記スリットに回転角を規制されることを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記中間連結部は、外周に中間連結部側突出部を有し、
前記支柱の一方の端部の内周は、前記中間連結部側突出部と接触可能な支柱側突出部を有し、
前記筐体側連結部の内周は、前記中間連結部側突出部と接触可能な筐体側突出部を有し、
前記中間連結部は、前記中間連結部側突出部と前記支柱側突出部または前記筐体側突出部が接触することにより回転角度を規制されることを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記スリット、前記ボス、前記中間連結部側突出部、前記支柱側突出部、および前記筐体側突出部は、
前記中間連結部が前記表示部側連結部に対して回転可能な範囲と、前記中間連結部が前記支柱または前記筐体側連結部に対して回転可能な範囲を併せて、前記表示部を前記筐体に対して360度以上回転可能な形状であることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記中間連結部は、外周にリング状の溝部を有し、
前記支柱は円筒形状を有し、かつ前記一方の端部の内周に、前記溝部に挿入可能なリング状の支柱側連結部を有し、
前記支柱側連結部を前記溝部に挿入することにより、前記中間連結部が前記支柱に回転可能に保持されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記スリットは、楕円形状を有することを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記支柱は、円筒を中心軸に沿って2つに分割した構造を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の表示装置を有することを特徴とするPOS端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−97430(P2013−97430A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237161(P2011−237161)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]