説明

表示装置を用いた運転者頭部位置検出方法

【課題】自動車等の車両には、運転者が快適且つ安全に運転を行うための車内設備が備えられているが、これらの車内設備は運転者の身長又は体型によって最適な設定が異なるため、運転中の運転者が最適な設定を得るために車内設備を操作すると安全運転の妨げになるといった問題が生じる。
【解決手段】車両内に備えられた複数の点のうち、基準点を移動させて前記複数の点を重ね合わせることで運転者の頭部の位置を検出する頭部位置検出方法において、前記頭部位置検出方法はナビゲーション又はエアコン、オーディオ、車両状態等の少なくとも1つの情報の表示を行うディスプレイを有した表示装置を用いて行われ、前記表示装置によって検出された前記運転者の頭部の位置に基づいて車内設備の設定変更を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション又はエアコン、オーディオ、車両状態等の情報の表示を行う表示装置を用いて運転者の頭部の位置を検出する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より自動車等の車両には、運転者が快適且つ安全に運転を行うための車内設備が備えられている。しかし、これらの車内設備は運転者の身長又は体型によって最適な設定が異なるため、運転中の運転者が最適な設定を得るために車内設備を操作すると安全運転の妨げになるといった問題が生じてしまう。このような状況において、運転者の頭部の位置を検出し、検出した頭部の位置に基づいて車内設備を最適な設定へ変更を行うものが知られている。代表的な例として、例えば特開平10−176928号公報(以下「特許文献1」)ような構成とすることが知られている。
【0003】
上記特許文献1の実施例1では、指示に応じて移動する、車両のフロントガラス上に表示された基準点の表示位置と、前記車両のフロントガラスを透して観察される、車両のボンネットにあらかじめ備えられた目標の位置とから、それらが重なって見える視点の位置を求める視点位置測定方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献1の実施例2では、車両のルームミラーおよび/またはサイドミラーの角度をもとに、該車両の運転者の視点位置を求める視点位置測定方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−176928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の視点位置測定方法では次のような問題が生じている。即ち、特許文献1の実施例1の視点位置測定方法では、車両のフロントガラス上に表示された基準点の表示位置と、前記車両のフロントガラスを透して観察される車両のボンネットにあらかじめ備えられた目標の位置とから、それらが重なって見える視点の位置を求めているが、フロントガラス及びボンネットの形状や角度は車種によって異なることから、車種ごとに視点位置測定装置を細かく設定する必要がある。
【0007】
また、特許文献1の実施例2の視点位置測定方法では、車両のルームミラーおよび/またはサイドミラーの角度をもとに、該車両の運転者の視点位置を求めているが、ルームミラー及びサイドミラーの位置や角度は車種によって異なることから、車種ごとに視点位置測定装置を細かく設定する必要がある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、異なる車種においても、精度よく運転者の頭部の位置を検出し、検出した頭部の位置に基づいて運転者に最適な車内設備の設定変更を行う運転者頭部位置検出方法を提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は次のような構成とする。即ち、請求項1の発明においては、車両内に備えられた複数の点のうち、基準点を移動させて前記複数の点を重ね合わせることで運転者の頭部の位置を検出する頭部位置検出方法において、前記頭部位置検出方法はナビゲーション又はエアコン、オーディオ、車両状態等の少なくとも1つの情報の表示を行うディスプレイを有した表示装置を用いて行われ、前記表示装置によって検出された前記運転者の頭部の位置に基づいて車内設備の設定変更を行うことを特徴とする頭部位置検出方法とする。
【0010】
上記構成においては、前記表示装置によって検出された前記運転者の頭部の位置に基づいてエアコン吹出口の向き及びルームミラーの角度、サイドミラーの角度、ステアリングの位置調整の少なくとも1つの設定変更を行ってもよい。また、前記ディスプレイの表面上にはプレートを有しており、前記ディスプレイに第1の目印を表示し、前記プレートの表面上に第2の目印を備え、前記第1の目印と前記第2の目印のうち、どちらか一方を移動させて重ね合わせてもよい。さらに、前記車両内には前記第1の目印又は前記第2の目印のどちらか一方の位置を調節する為のスイッチを備えてもよいし、前記車両内には前記ディスプレイ又は前記パネルのどちらか一方の位置を調節する為のスイッチを備えてもよい。
【0011】
また、前記ディスプレイの表面上に前記パネルの換わりにタッチパネルを有してもよいし、前記スイッチの換わりに前記タッチパネルによって指示を入力してもよい。さらに、前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の垂直方向から見た前記第1の目印と前記第2の目印の水平距離をLx、前記ディスプレイと前記タッチパネルまでの鉛直距離をLpとする時の運転者の視線と前記ディスプレイのなす角度θ1が数式1を満たし、前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の垂直方向から見た前記θ1、前記第2の目印と前記ステアリングの中心軸との水平距離をLsとする時の前記タッチパネルから前記運転者までの鉛直距離Lmが数式2を満たし、前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の水平方向から見た前記Lp、前記第1の目印と前記第2の目印の鉛直距離をLzとする時の前記運転者の視線と前記ディスプレイのなす角度θ2が数式3を満たし、前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の水平方向から見た前記Lm、前記θ2とする時の前記第2の目印と前記運転者までの垂直距離Lhが数式4を満たし、前記第2の目印の中心の座標を(0,0,0)とした時の前記運転者の頭部までの座標が(Ls,Lm,Lh)を満たしてもよい。
【0012】
【数1】

【0013】
【数2】

【0014】
【数3】

【0015】
【数4】

【発明の効果】
【0016】
上記の通り、車両内に備えられた複数の点のうち、基準点を移動させて前記複数の点を重ね合わせることで運転者の頭部の位置を検出する頭部位置検出方法において、前記頭部位置検出方法はナビゲーション又はエアコン、オーディオ、車両状態等の少なくとも1つの情報の表示を行うディスプレイを有した表示装置を用いて行われ、前記表示装置によって検出された前記運転者の頭部の位置に基づいて車内設備の設定変更を行うことで、異なる車種でも、車内に表示装置を設置すれば特別に設定を変更する必要もなく、精度よく運転者の頭部の位置を検出し、検出した頭部の位置に基づいて運転者に最適な車内設備の設定変更を行う運転者頭部位置検出方法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例とする車両のインストルメント・パネルの正面図である。
【図2】本発明の実施例とする表示装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施例とする運転者頭部位置検出方法のブロック図である。
【図4】垂直方向から見た運転者の頭部の位置を検出する原理を説明するための図である。
【図5】水平方向から見た運転者の頭部の位置を検出する原理を説明するための図である。
【図6】垂直方向から見たルームミラーの角度調整を説明するための図である。
【図7】水平方向から見たルームミラーの角度調整を説明するための図である。
【図8】垂直方向から見た右サイドミラーの角度調整を説明するための図である。
【図9】水平方向から見た右サイドミラーの角度調整を説明するための図である。
【図10】垂直方向から見た左サイドミラーの角度調整を説明するための図である。
【図11】水平方向から見た左サイドミラーの角度調整を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を示す実施例を図1乃至図11に基づいて説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例とする車両のインストルメント・パネルの正面図を図1に、本発明の実施例とする表示装置の斜視図を図2に示す。
【0020】
図1において、本実施例では、自動車などの車内には運転者70の身長又は体型に応じてステアリングポジションを上下に調節できるチルト機能と、前後方向の調整ができるテレスコピック機能を有したステアリング60を備え、前記車内には前記運転者70が車両後方の確認をするためのルームミラー40が備えられ、車外の運転席側のドアに前記運転者70が車両右側後方の確認をするための右側サイドミラー42を備え、前記車外の助手席側ドアに前記運転者70が車両左側後方の確認をするための左側サイドミラー44を備えている。また、前記車内にはエアコン吹出口50が設置されている。さらに、前記車内のセンターコンソールにはナビゲーション及びエアコン、オーディオ、燃費、時計、メンテナンスの情報を表示する表示装置12が備えられている。
【0021】
図2において、前記表示装置12は4.3インチの液晶ディスプレイ10を有しており、当該ディスプレイ10の表面上にタッチパネル30を備え、当該タッチパネル30に触れることで前記ナビゲーション及び前記エアコン、オーディオの操作を行う。また、当該ディスプレイ10上には第1の目印20を表示させ、当該タッチパネル30の表面上に第2の目印22を形成している。さらに、当該ディスプレイ10上に当該第1の目印20を上下左右に動かすためのスイッチ14が表示され、当該タッチパネル30越しに当該スイッチ14に触れることで当該第1の目印20の位置を調節することができる。
【0022】
次に、垂直方向から見た運転者の頭部の位置を検出する原理を説明するための図を図3に、水平方向から見た運転者の頭部の位置を検出する原理を説明するための図を図4に、本発明の実施例とする運転者頭部位置検出方法のブロック図を図5に示す。
【0023】
図3乃至図5において、前記表示装置12には前記第1の目印20を移動させて前記第2の目印22に重ね合わせることで前記運転者70の頭部の位置を検出する制御部82を有した頭部位置検出装置80が備えられている。また、当該制御部82はLx,Lz検出部及びθ1,θ2演算部、Lm演算部、Lh演算部によって構成されている。さらに、当該制御部82の後段にはルームミラー制御部及び右サイドミラー制御部、左サイドミラー制御部、ルームミラー駆動部、右サイドミラー駆動部、左サイドミラー駆動部が備えられ、検出された前記運転者70の頭部の位置に基づいて前記ルームミラー40及び前記右サイドミラー42、前記左サイドミラー44を前記運転者70に最適な角度に設定している。
【0024】
また、前記Lx,Lz検出部は前記第1の目印20と前記第2の目印22が重なって見える時の垂直方向から見た前記第1の目印20と前記第2の目印22の水平距離Lxを検出し、当該θ1,θ2演算部は前記Lx,Lz検出部が検出した当該Lxと既値である前記ディスプレイ10表面から前記タッチパネル30の表面までの鉛直距離Lpとから、前記ディスプレイ10と運転者の視線72とのなす角度θ1を算出する。さらに、当該θ1は当該Lxと当該Lpによって数式1より求められる。
【0025】
【数1】

【0026】
また、前記Lm演算部は前記θ1,θ2演算部によって算出された前記θ1と既値である前記第2の目印22の中心から前記ステアリング60の中心軸との水平距離Lsとから、前記タッチパネル30の表面から前記運転者70の中心軸までの鉛直距離Lmを算出する。さらに、当該Lmは前記θ1と当該Lsによって数式2より求められる。
【0027】
【数2】

【0028】
また、前記Lx,Lz検出部は前記第1の目印20と前記第2の目印22が重なって見える時の水平方向から見た前記第1の目印20と前記第2の目印22の垂直距離Lzを検出し、前記θ1,θ2演算部は前記Lx,Lz検出部が検出した当該Lzと既値である前記ディスプレイ10表面から前記タッチパネル30の表面までの鉛直距離の前記Lpとから、前記ディスプレイ10と前記運転者の視線72とのなす角度θ2を算出する。さらに、当該θ2は当該Lzと前記Lpによって数式3より求められる。
【0029】
【数3】

【0030】
また、前記Lh演算部は前記θ1,θ2演算部によって算出された前記θ2と前記Lm演算部によって算出された前記Lmとから、前記第2の目印の中心から前記運転者70の視点の高さまでの垂直距離Lhを算出する。さらに、当該Lhは前記θ2と前記Lmによって数式4より求められる。
【0031】
【数4】

【0032】
また、前記車両の全幅方向をX軸、全長方向をY軸、全高方向をZ軸として前記第2の目印の中心の座標を(0,0,0)とした時の前記運転者70の頭部の座標は(Ls,Lm,Lh)によって求められる。
【0033】
次に、垂直方向から見たルームミラーの角度調整を説明するための図を図6に、水平方向から見たルームミラーの角度調整を説明するための図を図7に示す。
【0034】
図6及び図7において、前記頭部位置検出装置80によって検出された前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)に基づいて前記車両の全幅方向をX軸、全長方向をY軸、全高方向をZ軸として前記第2の目印の中心の座標を(0,0,0)とした時の前記運転者70の頭部の座標を(Ls,Lm,Lh)、前記ルームミラー40の回転軸の中心座標を(a,b,c)、前記ルームミラー40越しに見る車両後方の座標を(j,k,l)で表す。また、前記ルームミラー40を前記運転者70に最適な位置にするために必要な水平方向に回転させる角度をθ3とすると、当該θ3は前記ルームミラー40を見る前記運転者の視線72と前記ルームミラー40から前記車両後方までのルームミラー越しの視線41のなす角度の1/2の角度となる。さらに、当該θ3は前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)と前記ルームミラー40の回転軸の中心座標(a,b,c)、前記ルームミラー40越しに見る車両後方の座標(j,k,l)によって数式5より求められる。
【0035】
【数5】

【0036】
また、前記ルームミラー40を前記運転者70に最適な位置にするために必要な垂直方向に回転させる角度をθ4とすると、当該θ4は前記ルームミラー40を見る前記運転者の視線72と前記ルームミラー40から前記車両後方までの前記ルームミラー越しの視線41のなす角度の1/2の角度となる。さらに、当該θ4は前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)と前記ルームミラー40の回転軸の中心座標(a,b,c)、前記ルームミラー40越しに見る車両後方の座標(j,k,l)によって数式6より求められる。
【0037】
【数6】

【0038】
次に、垂直方向から見た右サイドミラーの角度調整を説明するための図を図8に、水平方向から見た右サイドミラーの角度調整を説明するための図を図9に示す。
【0039】
図8及び図9において、前記頭部位置検出装置80によって検出された前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)に基づいて前記車両の全幅方向をX軸、全長方向をY軸、全高方向をZ軸として前記第2の目印の中心の座標を(0,0,0)とした時の前記運転者70の頭部の座標を(Ls,Lm,Lh)、前記右サイドミラー42の回転軸の中心座標を(d,e,f)、前記右サイドミラー42越しに見る車両右側後方の座標を(m,n,o)で表す。また、前記右サイドミラー42を前記運転者70に最適な位置にするために必要な水平方向に回転させる角度をθ5とすると、当該θ5は前記右サイドミラー42を見る前記運転者の視線72と前記右サイドミラー42から前記車両右側後方までの右サイドミラー越しの視線43のなす角度の1/2の角度となる。さらに、当該θ5は前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)と前記右サイドミラー42の回転軸の中心座標(d,e,f)、前記右サイドミラー42越しに見る車両右側後方の座標(m,n,o)によって数式7より求められる。
【0040】
【数7】

【0041】
また、前記右サイドミラー42を前記運転者70に最適な位置にするために必要な垂直方向に回転させる角度をθ6とすると、当該θ6は前記右サイドミラー42を見る前記運転者の視線72と前記右サイドミラー42から前記車両右側後方までの前記右サイドミラー越しの視線43のなす角度の1/2の角度となる。さらに、当該θ6は前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)と前記右サイドミラー42の回転軸の中心座標(d,e,f)、前記右サイドミラー42越しに見る車両右側後方の座標(m,n,o)によって数式8より求められる。
【0042】
【数8】

【0043】
次に、垂直方向から見た左サイドミラーの角度調整を説明するための図を図10に、水平方向から見た左サイドミラーの角度調整を説明するための図を図11に示す。
【0044】
図10及び図11において、前記頭部位置検出装置80によって検出された前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)に基づいて前記車両の全幅方向をX軸、全長方向をY軸、全高方向をZ軸として前記第2の目印の中心の座標を(0,0,0)とした時の前記運転者70の頭部の座標を(Ls,Lm,Lh)、前記左サイドミラー44の回転軸の中心座標を(g,h,i)、前記左サイドミラー44越しに見る車両左側後方の座標を(p,q,r)で表す。また、前記左サイドミラー44を前記運転者70に最適な位置にするために必要な水平方向に回転させる角度をθ7とすると、当該θ7は前記左サイドミラー44を見る前記運転者の視線72と前記左サイドミラー44から前記車両左側後方までの左サイドミラー越しの視線45のなす角度の1/2の角度となる。さらに、当該θ7は前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)と前記左サイドミラー44の回転軸の中心座標(g,h,i)、前記左サイドミラー44越しに見る車両左側後方の座標(p,q,r)によって数式9より求められる。
【0045】
【数9】

【0046】
また、前記左サイドミラー44を前記運転者70に最適な位置にするために必要な垂直方向に回転させる角度をθ8とすると、当該θ8は前記左サイドミラー44を見る前記運転者の視線72と前記左サイドミラー44から前記車両左側後方までの前記左サイドミラー越しの視線45のなす角度の1/2の角度となる。さらに、当該θ8は前記運転者70の頭部の座標(Ls,Lm,Lh)と前記左サイドミラー44の回転軸の中心座標(g,h,i)、前記左サイドミラー44越しに見る車両左側後方の座標(p,q,r)によって数式10より求められる。
【0047】
【数10】

【0048】
なお、上記実施例1の変形例として、前記頭部位置検出装置80を備える前記表示装置12は車内設備及び車両情報、通信情報などを表示するものであれば任意に変更してもよいし、前記表示装置12の設置場所及び前記表示装置12に備えられる前記ディスプレイ10の大きさは設計事情によって任意に変更してもよいし、前記タッチパネル30の換わりに透明のプレートを用いてもよい。また、前記第1の目印20の位置を移動させるための手段は、例えば前記車内に備えたスイッチによって行ってもよいし、前記第2の目印22の位置を移動させる構成としてもよい。さらに、前記ディスプレイ10又は前記表示装置12、前記タッチパネル30を移動させて前記第1の目印20と前記第2の目印22を重ね合わせる構成としてもよい。
【0049】
また、前記運転者70の頭部を検出する演算をCPU又はマイコンで行ってもよいし、前記ルームミラー40及び前記右サイドミラー42、前記左サイドミラー44の制御をCPU又はマイコンで行ってもよい。さらに、前記頭部位置検出装置80によって検出された前記運転者70の頭部の位置に基づいて前記運転者70に対して最適な設定を行なわれる車内設備は、例えば、前記ステアリング60の上下前後の位置、前記エアコン吹出口50のルーバーの角度、オーディオの設定など車内に備えられた設備であれば適用してよい。
【0050】
また、前記第2の目印22の中心を基準点として座標(0,0,0)としたが、設計事情によって任意の基準点に変更してもよいし、前記ルームミラー40の座標及び前記右サイドミラー42の座標、前記左サイドミラー44の座標は車両によって異なるので任意の座標に変更してよい。さらに、前記車両後方の座標及び前記車両右側後方の座標、前記車両左側後方の座標は車両によって異なるので任意の座標に変更してもよいし、前記ディスプレイ10表面から前記タッチパネル30の表面までの鉛直距離は設計事情によって任意の値に変更してもよいが長い距離となる方が前記運転者70の頭部をより精密に検出できる。
【0051】
また、前記頭部位置検出装置80及び前記ルームミラー40、前記右サイドミラー42、前記左サイドミラー44の構成は前記数式1乃至前記数式10の範囲内で満たされる構成であれば設計事情によって任意に変更してもよい。
【符号の説明】
【0052】
10:ディスプレイ
12:表示装置
14:スイッチ
20:第1の目印
22:第2の目印
30:タッチパネル
40:ルームミラー
41:ルームミラー越しの視線
42:右サイドミラー
43:右サイドミラー越しの視線
44:左サイドミラー
45:左サイドミラー越しの視線
50:エアコン吹出口
60:ステアリング
70:運転者
72:運転者の視線
80:頭部位置検出装置
82:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に備えられた複数の点のうち、基準点を移動させて前記複数の点を重ね合わせることで運転者の頭部の位置を検出する頭部位置検出方法において、
前記頭部位置検出方法はナビゲーション又はエアコン、オーディオ、車両状態等の少なくとも1つの情報の表示を行うディスプレイを有した表示装置を用いて行われ、
前記表示装置によって検出された前記運転者の頭部の位置に基づいて車内設備の設定変更を行うことを特徴とする頭部位置検出方法。
【請求項2】
前記表示装置によって検出された前記運転者の頭部の位置に基づいてエアコン吹出口の向き及びルームミラーの角度、サイドミラーの角度、ステアリングの位置調整の少なくとも1つの設定変更を行うことを特徴とする請求項1に記載の頭部位置検出方法。
【請求項3】
前記ディスプレイの表面上にはプレートを有しており、
前記ディスプレイに第1の目印を表示し、
前記プレートの表面上に第2の目印を備え、
前記第1の目印と前記第2の目印のうち、どちらか一方を移動させて重ね合わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭部位置検出方法。
【請求項4】
前記車両内には前記第1の目印又は前記第2の目印のどちらか一方の位置を調節する為のスイッチを備えたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の頭部位置検出方法。
【請求項5】
前記車両内には前記ディスプレイ又は前記パネルのどちらか一方の位置を調節する為のスイッチを備えたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の頭部位置検出方法。
【請求項6】
前記ディスプレイの表面上に前記パネルの換わりにタッチパネルを有していることを特徴とする請求項1乃至5に記載の頭部位置検出方法。
【請求項7】
前記スイッチの換わりに前記タッチパネルによって指示を入力することを特徴とする請求項4乃至6に記載の頭部位置検出方法。
【請求項8】
前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の垂直方向から見た前記第1の目印と前記第2の目印の水平距離をLx、前記ディスプレイと前記タッチパネルまでの鉛直距離をLpとする時の運転者の視線と前記ディスプレイのなす角度θ1が数式1を満たし、
前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の垂直方向から見た前記θ1、前記第2の目印と前記ステアリングの中心軸との水平距離をLsとする時の前記タッチパネルから前記運転者までの鉛直距離Lmが数式2を満たし、
前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の水平方向から見た前記Lp、前記第1の目印と前記第2の目印の鉛直距離をLzとする時の前記運転者の視線と前記ディスプレイのなす角度θ2が数式3を満たし、
前記第1の目印と前記第2の目印が重なって見える時の水平方向から見た前記Lm、前記θ2とする時の前記第2の目印と前記運転者までの垂直距離Lhが数式4を満たし、
前記第2の目印の中心の座標を(0,0,0)とした時の前記運転者の頭部までの座標が(Ls,Lm,Lh)を満たすことを特徴とする請求項1乃至7に記載の視点検出方法。
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−66736(P2012−66736A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214326(P2010−214326)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000109093)ダイヤモンド電機株式会社 (387)
【Fターム(参考)】