説明

表示装置及びこれを備えるスイッチ

【課題】1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる表示装置を提供する。
【解決手段】本表示装置1は、光源5と、光源の光を導光する導光体7a(7b)と、を備える表示装置であって、光源に対して導光体が相対的に移動することにより、導光体に光源の光が導光されて所定の内容が表示される状態と、導光体に光源の光が導光されず所定の内容が表示されない状態と、が切り換えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びこれを備えるスイッチに関し、さらに詳しくは、1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる表示装置及びこれを備えるスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用表示装置として、操作ノブの表面側に所定の内容を表示可能なスイッチを複数並設してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記スイッチとしては、例えば、内気/外気の切換スイッチ、空調装置のオン/オフの切換スイッチ等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−309983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の車両用表示装置では、1つのスイッチ(表示領域)で1つの表示内容のみが表示されるため、複数の表示内容を表示させる場合には、その表示数に相当する個数のスイッチが必要となり、省スペース化が図れず、また部品点数が多くなる。さらに、多数のスイッチの存在により、それぞれの表示内容を把握し難い。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる表示装置及びこれを備えるスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光源と、該光源の光を導光する導光体と、を備える表示装置であって、前記光源に対して前記導光体が相対的に移動することにより、該導光体に該光源の光が導光されて所定の内容が表示される状態と、該導光体に該光源の光が導光されず所定の内容が表示されない状態と、が切り換えられることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記導光体は、互いに積層される第1導光体及び第2導光体を備え、前記光源に対して前記第1導光体及び前記第2導光体が相対的に移動することにより、該第1導光体に該光源の光が導光されて所定の第1表示内容が表示される状態と、該第2導光体に該光源の光が導光されて所定の第2表示内容が表示される状態と、が切り換えられることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載において、前記第1導光体の所定の第1表示内容及び前記第2導光体の所定の第2表示内容を表示する共通の表示部を更に備えることを要旨とする。
上記問題を解決するために、請求項4に記載の発明は、スイッチであって、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置を備えることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載において、操作ノブと、該操作ノブを移動可能に支持するスイッチ構造と、を更に備え、前記操作ノブには前記導光体が設けられ、前記スイッチ構造には前記光源が設けられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の表示装置によると、光源に対して導光体が相対的に移動することにより、導光体に光源の光が導光されて所定の内容が表示される状態と、導光体に光源の光が導光されず所定の内容が表示されない状態と、が切り換えられる。これにより、1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる。その結果、省スペース化及び部品点数の低減を図ることができる。さらに、表示内容を容易に把握することができる。
また、前記導光体が、互いに積層される第1導光体及び第2導光体を備える場合は、光源に対して第1及び第2導光体が相対的に移動することにより、第1導光体に光源の光が導光されて所定の第1表示内容が表示される状態と、第2導光体に光源の光が導光されて所定の第2表示内容が表示される状態と、が切り換えられる。
また、共通の表示部を更に備える場合は、第1導光体の所定の第1表示内容及び第2導光体の所定の第2表示内容を共通の表示部に表示することができる。
本発明のスイッチによると、上記表示装置を備えるので、1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる。その結果、省スペース化及び部品点数の低減を図ることができる。さらに、表示内容を容易に把握することができる。
さらに、操作ノブと、スイッチ構造と、を更に備え、前記操作ノブには前記導光体が設けられ、前記スイッチ構造には前記光源が設けられている場合は、操作ノブを操作することにより、光源に対して導光体が相対的に移動されて表示内容が切り換えられる。これにより、簡易且つ小型な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1に係るスイッチの斜視図である。
【図2】上記スイッチの分解斜視図である。
【図3】上記スイッチの平面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】上記スイッチの作用を説明するための説明図であり、(a)は第1導光体に光源の光が導光される状態を示し、(b)は第2導光体に光源の光が導光される状態を示す。
【図6】上記スイッチの作用を説明するための説明図であり、(a)は第1表示内を示し、(b)は第2表示内容を示す。
【図7】実施例2に係るスイッチの斜視図である。
【図8】上記スイッチの分解斜視図である。
【図9】上記スイッチの平面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】図9のXI−XI線断面図である。
【図12】上記スイッチの作用を説明するための説明図であり、(a)は第1導光体に光源の光が導光される状態を示し、(b)は第2導光体に光源の光が導光される状態を示し、(c)は第3導光体に光源の光が導光される状態を示す。
【図13】実施例3に係るスイッチの斜視図である。
【図14】上記スイッチの分解斜視図である。
【図15】上記スイッチの平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線断面図である。
【図17】図15のXVII−XVII線断面図である。
【図18】上記スイッチの配設構造を説明するための説明図である。
【図19】その他の形態のスイッチを説明するための説明図である。
【図20】更にその他の形態のスイッチを説明するための説明図である。
【図21】更にその他の形態のスイッチを説明するための説明図である。
【図22】更にその他の形態のスイッチを説明するための説明図である。
【図23】更にその他の形態のスイッチを説明するための説明図である。
【図24】更にその他の形態のスイッチを説明するための説明図である。
【図25】更にその他の形態のスイッチを説明するための説明図であり、(a)は導光体に光源の光が導光される状態を示し、(b)は導光体に光源の光が導光されない状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.表示装置
本実施形態1.に係る表示装置は、光源(5、25、45)と、光源の光を導光する導光体(7a,7b、27a〜27c、47a〜47d、71)と、を備える表示装置であって、光源に対して導光体が相対的に移動することにより、導光体に光源の光が導光されて所定の内容が表示される状態と、導光体に光源の光が導光されず所定の内容が表示されない状態と、が切り換えられることを特徴とする(例えば、図2、図8、図14及び図25等参照)。
【0011】
上記実施形態1.に係る表示装置としては、例えば、前記導光体は、互いに積層される第1導光体及び第2導光体(7a,7b、27a,27b、47a,47b)を備え、光源に対して第1導光体及び第2導光体が相対的に移動することにより、第1導光体に光源の光が導光されて所定の第1表示内容が表示される状態と、第2導光体に光源の光が導光されて所定の第2表示内容が表示される状態と、が切り換えられる形態を挙げることができる(例えば、図2、図8及び図14等参照)。この場合、通常、光源に対して第1導光体及び第2導光体が相対的に移動することにより、第1導光体に光源の光が導光されて所定の第1表示内容が表示され且つ第2導光体に光源の光が導光されず所定の第2表示内容が表示されない状態と、第1導光体に光源の光が導光されず所定の第1表示内容が表示されず且つ第2導光体に光源の光が導光されて所定の第2表示内容が表示される状態と、が切り換えられる。
【0012】
上記実施形態1.に係る表示装置としては、例えば、上記第1導光体の所定の第1表示内容及び第2導光体の所定の第2表示内容を表示する共通の表示部(3a、23a、43a)を更に備える形態を挙げることができる(例えば、図2、図8及び図14等参照)。
【0013】
ここで、上記実施形態1.の表示装置としては、例えば、導光体には、導光体の端部から入射する光源の光を導光体の表面側に向かって反射する反射面を有する複数の凹部(8、28、48)が設けられている形態を挙げることができる(例えば、図4、図11、図17及び図25等参照)。これにより、導光体の表示内容を鮮明に表示させることができる。なお、上記「表示内容」としては、例えば、図柄、文字、記号、模様、色等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0014】
2.スイッチ
本実施形態2.に係るスイッチは、上記実施形態1.の表示装置を備えることを特徴とする。このスイッチとしては、例えば、プッシュスイッチ(タクトスイッチ、押しボタンスイッチなども含む。)、スライドスイッチ、ロータリースイッチ等を挙げることができる。
【0015】
上記実施形態2.のスイッチとしては、例えば、操作ノブ(3、23、43)と、操作ノブを移動可能に支持するスイッチ構造(4、24、44)と、を更に備え、操作ノブには導光体が設けられ、スイッチ構造には光源が設けられている形態を挙げることができる(例えば、図2、図8、図14及び図25等参照)。この場合、操作ノブに導光体が直接的に設けられていてもよいし、他の部材を介して設けられていてもよい。また、スイッチ構造に光源が直接的に設けられていてもよいし、他の部材(例えば、基板等)を介して設けられていてもよい。
【0016】
上述の形態の場合、例えば、上記スイッチ構造は、固定接点及び可動接点を内蔵する本体(13、33、53)と、各接点を接触・離反させるように本体に対して移動可能に支持された操作部(14、34、54)と、を有し、カバー状の上記操作ノブに設けられた表示部(3a、23a、43a)の裏面側に平板状の導光体が設けられ、この最裏側の導光体の裏面側に操作部に係合する係合部(9a、29a、49a)を有する係合部材(9、29、49)が設けられていることができる(例えば、図2、図8、図14及び図25等参照)。これにより、更に簡易且つ小型な構造とすることができる。
【0017】
なお、上記実施形態2.のスイッチの配設構造としては、例えば、複数のスイッチが並設されており、各スイッチと光源との間には、一端側が光源に連なり且つ他端側が分岐して延びて各スイッチの導光体に連なる分岐導光棒(60)が設けられている形態を挙げることができる(例えば、図18等参照)。これにより、1つの光源で複数のスイッチでの表示を実現でき、更なる省スペース化及び部品点数の低減化を図ることができる。
【実施例】
【0018】
以下、図面を用いて実施例1〜3により本発明を具体的に説明する。
【0019】
<実施例1>
(1)スイッチの構成
本実施例1に係るスイッチ1は、図1〜図4に示すように、プッシュ式のスイッチであり、表示装置2(図2参照)、操作ノブ3及びスイッチ構造4を備えている。
【0020】
上記表示装置2は、発光ダイオードである光源5と、この光源5の光を導光し且つ互いに積層された第1導光体7a及び第2導光体7bと、を備えている。これら各導光体7a,7bは、透明又は半透明樹脂製であり、平板状に形成されている。また、各導光体7a,7bには、各導光体7a,7bの表面側に向かって各表示内容A1,A2(図6(a)(b)参照)を照明するように、各導光体7a,7bの端部から入射する光源5の光を各導光体7a,7bの表面側に向かって反射する反射面を有する複数の凹部8が設けられている(図4参照)。なお、各導光体7a,7bの板厚は、スイッチ構造4の後述する操作部の移動ストロークに応じた寸法に設定されている。
【0021】
上記操作ノブ3は、透明又は半透明樹脂製であり、カバー状に形成されている。この操作ノブ3の表面側には、各導光体7a,7bの表面側に向かって照明される各表示内容A1,A2を表示可能な表示部3aが設けられている。この操作ノブ3の表示部3aの裏面側には第1及び第2導光体7a,7bが積層されている。この最裏側の第1導光体7aの裏面側には、スイッチ構造4の後述する操作部に係合する係合部9aを有する板状の係合部材9が積層されている。また、操作ノブ3の側壁には、後述する導光棒17の光を各導光体7a,7bに導光するための一対のスリット10a,10bが形成されている。
【0022】
上記スイッチ構造4は、基板12上に実装されている。このスイッチ構造4は、固定接点及び可動接点(図示省略)を内蔵する本体13と、各接点を接触・離反させるように本体13に対して各導光体7a,7bの積層方向に移動可能に支持される操作部14と、を有している。この基板12上には本体13の近傍に上記光源5が実装されている。また、基板12上には、本体13の周囲を覆うように操作部14のガイド機能を発揮するカバー15が取り付けられている。また、本体13には、操作部14が押圧された位置でその状態を保持するロック機構(図示省略)が内蔵されている。そして、操作ノブ3は、第1位置P1(図5(a)参照)と、この第1位置P1に対して各導光体7a,7bの積層方向に離間した第2位置P2(図5(b)参照)と、の間で移動され各位置P1,P2で位置保持されるようになっている。
【0023】
上記基板12上には、光源5の光を各導光体7a,7bに導光させるための導光棒17が取り付けられている。この導光棒17の一端側は、光源5に連なり、導光棒17の他端側は、操作ノブ3が第1位置P1に位置するときにスリット10aを介して第1導光体7aの端部に対向し、操作ノブ3が第2位置P2に位置するときにスリット10bを介して第2導光体7bの端部に対向するようになっている。
【0024】
(2)スイッチの作用
次に、上記構成のスイッチ1の作用について説明する。操作ノブ3が第1位置P1に位置する状態では、図5(a)に示すように、導光棒17を介して光源5の光が第1導光体7aに導光され、凹部8の反射作用により操作ノブ3の表示部3aに第1の表示内容A1(図6(a)参照)が表示される。また、操作ノブ3の押圧操作により、操作ノブ3が第1位置P1から第2位置P2に移動すると、図5(b)に示すように、導光棒17を介して光源5の光が第2導光体7bに導光され、凹部8の反射作用により操作ノブ3の表示部3aに第2の表示内容A2(図6(b)参照)が表示される。
【0025】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のスイッチ1によると、光源5に対して第1及び第2導光体7a,7bが相対的に移動することにより、第1導光体7aに光源5の光が導光されて所定の第1表示内容A1が表示される状態と、第2導光体7bに光源5の光が導光されて所定の第2表示内容A2が表示される状態と、が切り換えられる。これにより、1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる。その結果、省スペース化及び部品点数の低減を図ることができる。さらに、表示内容を把握し易い。特に、本実施例では、1つの光源5で複数の表示内容を表示するようにしたので、更なる省スペース化及び部品点数の低減化を図ることができる。
【0026】
また、本実施例では、プッシュスイッチ1を、表示装置2と、操作ノブ3と、スイッチ構造4と、を備えて構成し、操作ノブ3に各導光体7a,7bを設け、スイッチ構造4に光源5を設けたので、操作ノブ3を押圧操作することにより、光源5に対して導光体7a,7bが移動されて表示内容が切り換えられる。これにより、簡易且つ小型な構造とすることができる。
【0027】
さらに、本実施例では、スイッチ構造4を、固定接点及び可動接点を内蔵する本体13と、各接点を接触・離反させるように本体13に対して移動可能に支持された操作部14と、を有して構成し、カバー状の操作ノブ3に設けられる表示部3aの裏面側に平板状の第1及び第2導光体7a,7bを積層して設け、この最裏側の第1導光体7aの裏面側に操作部14に係合する係合部9aを有する係合部材9を設けたので、更に簡易且つ小型な構造とすることができる。
【0028】
<実施例2>
(1)スイッチの構成
本実施例2に係るスイッチ21は、図7〜図11に示すように、スライド式のスイッチであり、表示装置22(図8参照)、操作ノブ23及びスイッチ構造24を備えている。
【0029】
上記表示装置22は、発光ダイオードである光源25と、この光源25の光を導光し且つ互いに積層される第1〜第3導光体27a〜27cと、を備えている。これら各導光体27a〜27cは、透明又は半透明樹脂製であり、平板状に形成されている。また、各導光体27a〜27cには、各導光体27a〜27cの表面側に向かって各表示内容を照明するように、各導光体27a〜27cの端部から入射する光源25の光を各導光体27a〜27cの表面側に向かって反射する反射面を有する複数の凹部28が設けられている(図11参照)。
【0030】
上記操作ノブ23は、透明又は半透明樹脂製であり、カバー状に形成されている。この操作ノブ23の表面側には、各導光体27a〜27cの表面側に向かって照明される各表示内容を表示可能な表示部23aが設けられている。この操作ノブ23の表示部23aの裏面側には第1〜第3導光体27a〜27cが積層されている。この最裏側の第1導光体27aの裏面側には、スイッチ構造24の後述する操作部34に係合する係合部29aを有する板状の係合部材29が積層されている。
【0031】
上記スイッチ構造24は、基板32上に実装されている。このスイッチ構造24は、固定接点及び可動接点(図示省略)を内蔵する本体33と、各接点を接触・離反させるように本体33に対して各導光体27a〜27cの積層方向と略直交する方向にスライド可能に支持された操作部34と、を有している。この基板32上には本体33の近傍に上記光源25が実装されている。また、本体33には、操作部34がスライドされた所定の3位置でその状態を保持するロック機構(図示省略)が設けられている。そして、操作ノブ23は、第1位置Q1(図12(a)参照)と、この第1位置Q1に対して各導光体27a〜27cの積層方向と直交する方向に離間した第2位置Q2(図12(b)参照)と、第2位置Q2に対して各導光体27a〜27cの積層方向と直交する方向に離間した第3位置Q3(図12(c)参照)と、の間で移動され各位置Q1〜Q3で位置保持されるようになっている。
【0032】
上記各導光体27a〜27cの側縁側には、光源25の光を各導光体27a〜27cに導光させるための棒状の導光部35a〜35cが基板32側に向かって延設されている。そして、操作ノブ23が第1位置Q1に位置するときに第1導光体27aの導光部35aの一端側が光源25に連なり、操作ノブ23が第2位置Q2に位置するときに第2導光体27bの導光部35bの一端側が光源25に連なり、操作ノブ23が第3位置Q3に位置するときに第3導光体27cの導光部35cの一端側が光源25に連なるようになっている。
【0033】
(2)スイッチの作用
次に、上記構成のスイッチ21の作用について説明する。操作ノブ23が第1位置Q1に位置する状態では、図12(a)に示すように、導光部35aを介して光源25の光が第1導光体27aに導光され、凹部28の反射作用により操作ノブ23の表示部23aに第1の表示内容が表示される。また、操作ノブ23のスライド操作により、操作ノブ23が第1位置Q1から第2位置Q2に移動すると、図12(b)に示すように、導光部35bを介して光源25の光が第2導光体27bに導光され、凹部28の反射作用により操作ノブ23の表示部23aに第2の表示内容が表示される。さらに、操作ノブ23のスライド操作により、操作ノブ23が第2位置Q2から第3位置Q3に移動すると、図12(c)に示すように、導光部35cを介して光源25の光が第3導光体27cに導光され、凹部28の反射作用により操作ノブ23の表示部23aに第3の表示内容が表示される。
【0034】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のスイッチ21によると、光源25に対して第1〜第3導光体27a〜27cが相対的に移動することにより、第1導光体27aに光源25の光が導光されて所定の第1表示内容が表示される状態と、第2導光体27bに光源25の光が導光されて所定の第2表示内容が表示される状態と、第3導光体27cに光源25の光が導光されて所定の第3表示内容が表示される状態と、が切り換えられる。これにより、1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる。その結果、省スペース化及び部品点数の低減を図ることができる。さらに、表示内容を把握し易い。特に、本実施例では、1つの光源25で複数の表示内容を表示するようにしたので、更なる省スペース化及び部品点数の低減化を図ることができる。
【0035】
また、本実施例では、スライドスイッチ21を、表示装置22と、操作ノブ23と、スイッチ構造24と、を備えて構成し、操作ノブ23に各導光体27a〜27cを設け、スイッチ構造24に光源25を設けたので、操作ノブ23をスライド操作することにより、光源25に対して導光体27a〜27cが移動されて表示内容が切り換えられる。これにより、簡易且つ小型な構造とすることができる。
【0036】
さらに、本実施例では、スイッチ構造24を、固定接点及び可動接点を内蔵する本体33と、各接点を接触・離反させるように本体33に対して移動可能に支持された操作部34と、を有して構成し、カバー状の操作ノブ23に設けられる表示部23aの裏面側に平板状の第1〜第3導光体27a〜27cを積層して設け、この最裏側の第1導光体27aの裏面側に操作部34に係合する係合部29aを有する係合部材29を設けたので、更に簡易且つ小型な構造とすることができる。
【0037】
<実施例3>
(1)スイッチの構成
本実施例3に係るスイッチ41は、図13〜図17に示すように、ロータリー式のスイッチであり、表示装置42(図14参照)、操作ノブ43及びスイッチ構造44を備えている。
【0038】
上記表示装置42は、発光ダイオードである光源45と、この光源45の光を導光し且つ互いに積層される第1〜第4導光体47a〜47dと、を備えている。これら各導光体47a〜47dは、透明又は半透明樹脂製であり、平板状に形成されている。また、各導光体47a〜47dには、各導光体47a〜47dの表面側に向かって各表示内容を照明するように、各導光体47a〜47dの端部から入射する光源45の光を各導光体47a〜47dの表面側に向かって反射する反射面を有する複数の凹部48が設けられている(図17参照)。
【0039】
上記操作ノブ43は、透明又は半透明樹脂製であり、カバー状に形成されている。この操作ノブ43の表面側には、各導光体47a〜47dの表面側に向かって照明される各表示内容を表示可能な表示部43aが設けられている。この操作ノブ43の表示部43aの裏面側には第1〜第4導光体47a〜47dが積層されている。この最裏側の第1導光体47aの裏面側には、スイッチ構造44の後述する操作部に係合する係合部49aを有する板状の係合部材49が積層されている。
【0040】
上記スイッチ構造44は、基板52上に実装されている。このスイッチ構造44は、固定接点及び可動接点(図示省略)を内蔵する本体53と、各接点を接触・離反させるように本体53に対して各導光体47a〜47dの積層方向に沿う軸回りに回動可能に支持される操作部54と、を有している。この基板52上には本体53の近傍に上記光源45が実装されている。また、本体53には、操作部54が回動された所定の4位置でその状態を保持するロック機構(図示省略)が設けられている。そして、操作ノブ43は、第1位置と、この第1位置から反時計回りに略90度回転された第2位置と、第2位置から反時計回りに略90度回転された第3位置と、第3位置から反時計回りに略90度回転された第4位置と、の間で回動され各位置で位置保持されるようになっている。
【0041】
上記各導光体47a〜47dの側縁側には、光源45の光を各導光体47a〜47dに導光させるための棒状の導光部55a〜55dが基板52側に向かって延設されている。そして、操作ノブ43が第1位置に位置するときに第1導光体47aの導光部55aの一端側が光源45に連なり、操作ノブ43が第2位置に位置するときに第2導光体47bの導光部55bの一端側が光源45に連なり、操作ノブ43が第3位置に位置するときに第3導光体47cの導光部55cの一端側が光源45に連なり、操作ノブ43が第4位置に位置するときに第4導光体47dの導光部55dの一端側が光源45に連なるようになっている。
【0042】
(2)スイッチの作用
次に、上記構成のスイッチ41の作用について説明する。操作ノブ43が第1位置に位置する状態では、導光部55aを介して光源45の光が第1導光体47aに導光され、凹部48の反射作用により操作ノブ43の表示部43aに第1の表示内容が表示される。また、操作ノブ43の回動操作により、操作ノブ43が第1位置から第2位置に回動すると、導光部55bを介して光源45の光が第2導光体47bに導光され、凹部48の反射作用により操作ノブ43の表示部43aに第2の表示内容が表示される。
【0043】
また、操作ノブ43の回動操作により、操作ノブ43が第2位置から第3位置に回動すると、導光部55cを介して光源45の光が第3導光体47cに導光され、凹部48の反射作用により操作ノブ43の表示部43aに第3の表示内容が表示される。さらに、操作ノブ43の回動操作により、操作ノブ43が第3位置から第4位置に回動すると、導光部55dを介して光源45の光が第4導光体47dに導光され、凹部48の反射作用により操作ノブ43の表示部43aに第4の表示内容が表示される。
【0044】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のスイッチ41によると、光源45に対して第1〜第4導光体47a〜47dが相対的に移動することにより、第1導光体47aに光源45の光が導光されて所定の第1表示内容が表示される状態と、第2導光体47bに光源45の光が導光されて所定の第2表示内容が表示される状態と、第3導光体47cに光源45の光が導光されて所定の第3表示内容が表示される状態と、第4導光体47dに光源45の光が導光されて所定の第4表示内容が表示される状態と、が切り換えられる。これにより、1つの表示領域で複数の表示内容を表示することができる。その結果、省スペース化及び部品点数の低減を図ることができる。さらに、表示内容を把握し易い。特に、本実施例では、1つの光源45で複数の表示内容を表示するようにしたので、更なる省スペース化及び部品点数の低減化を図ることができる。
【0045】
また、本実施例では、ロータリースイッチ41を、表示装置42と、操作ノブ43と、スイッチ構造44と、を備えて構成し、操作ノブ43に各導光体47a〜47dを設け、スイッチ構造44に光源45を設けたので、操作ノブ43を回動操作することにより、光源45に対して導光体47a〜47dが移動されて表示内容が切り換えられる。これにより、簡易且つ小型な構造とすることができる。
【0046】
さらに、本実施例では、スイッチ構造44を、固定接点及び可動接点を内蔵する本体53と、各接点を接触・離反させるように本体53に対して移動可能に支持された操作部54と、を有して構成し、カバー状の操作ノブ43に設けられる表示部43aの裏面側に平板状の第1〜第4導光体47a〜47dを積層して設け、この最裏側の第1導光体47aの裏面側に操作部54に係合する係合部49aを有する係合部材49を設けたので、更に簡易且つ小型な構造とすることができる。
【0047】
尚、本発明においては、上記実施例1〜3に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例1〜3において、例えば、図18に示すように、複数のスイッチ1(21、41)を並設し、各スイッチと光源5(25、45)との間に、一端側が光源に連なり且つ他端側が分岐して延びて各スイッチの導光体7a,7b(27a〜27c、47a〜47d)に連なる分岐導光棒60を設けるようにしてもよい。なお、この場合、同種のスイッチを並設してもよいし、異種のスイッチを並設してもよい。
【0048】
また、上記実施例1では、透明又は半透明樹脂製の操作ノブ3の表面側を表示部3aとする形態を例示したが、これに限定されず、例えば、図19に示すように、操作ノブ3の表面側に孔部61を形成し、その孔部61に透明又は半透明樹脂製の表示板62(表示部)を設けるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施例1〜3において、例えば、図20に示すように、操作ノブ3(23、43)の表示部3a(23a、43a)の表面側又は裏面側に、入射光の一部を反射して残りの光を透過させるハーフミラー層63を設けるようにしてもよい。これにより、非表示状態において導光体等の内部構造が見えてしまうことを抑制できる。
【0050】
また、上記実施例1〜3では、各導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dを直接的に積層するようにしたが、これに限定されず、例えば、図21に示すように、各導光体7a,7b(27a〜27c、47a〜47d)を枠状のスペーサ64を介して積層するようにしてもよい。これにより、各導光体を離間させることにより、各導光体の表示内容の混ざりを抑制できる。
【0051】
また、上記実施例1では、操作ノブ3の側壁に一対のスリット10a,10bを形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図22に示すように、操作ノブ3の側壁に孔部65aを設け、各導光体7a,7bの側面に、各導光体の表示内容の混ざりを抑制する塗装層又はシール層65bを設けるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施例1では、導光棒17を介して基板12上の光源5の光を導光体7a,7bに導光するようにしたが、これに限定されず、例えば、図23に示すように、基板12とは別に設けた基板66上に光源5を設け、この光源5の光を直接的に各導光体7a,7bに導光するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施例1〜3では、基板12、32、52上に光源5、25、45を実装するようにしたが、これに限定されず、例えば、図24に示すように、基板12(32、52)上にベース部材67を設け、このベース部材67に光源5(25、45)を取り付けるようにしてもよい。これにより、ベース部材67で光源の取り付け位置が底上げされるため、導光棒68の長さを短くして輝度を高めることができる。
【0054】
また、上記実施例1〜3では、複数の導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dを備える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、図25に示すように、操作ノブ3(23、43)の表示部3a(23a、43a)の裏面側に単一の導光体71のみを設け、操作ノブ3(23、43)の操作により光源5(25、45)に対して導光体71が相対的に移動され、導光体71に光源5(25、45)の光が導光されて所定の内容が表示される状態(図25(a)参照)と、導光体71に光源5(25、45)の光が導光されず所定の内容が表示されない状態(図25(b)参照)と、が切り換えられるように構成してもよい。この場合、例えば、操作ノブ3(23、43)の表示部3a(23a、43a)の表面側又は裏面側に、入射光の一部を反射して残りの光を透過させるハーフミラー層72を設けることができる。これにより、表示内容が出現するスイッチを構成できる。なお、上記形態において実施例1〜3の構成部位と略同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略する。
【0055】
また、上記実施例1〜3において、各導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dに異なる色(例えば、乳白色、青、赤、緑等)を加色して構成すれば、操作ノブ3、23、43の操作により照明色を変えることができ、1つの光源5、25、45で多彩な表示照明を実現できる。
【0056】
また、上記実施例1〜3において、表示内容の異なる導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dを予め複数用意しておけば、仕様等に応じて導光体を変えることで、多彩な表示照明に対応できる。
【0057】
また、上記実施例1〜3では、操作ノブ3、23、43に導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dを設け、スイッチ構造4、24、44に光源5、25、45を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、操作ノブに光源を設け、スイッチ構造に導光体を設けるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施例1〜3では、1つの光源5、25、45の光を1つの導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dに導光させるようにしたが、これに限定されず、例えば、複数の光源の光を同時に1つの導光体に導光させるようにしてもよい。
【0059】
また、上記実施例1〜3では、表示装置2、22、42を備えるスイッチ1、21、41を例示したが、これに限定されず、例えば、表示装置2、22、42を備える車両室内灯やダッシュボード構造としたり、表示装置2、22、42を備えるインサイドハンドルのロック表示構造としたりしてもよい。これらの場合、例えば、支持部及び支持部に支持される可動部材のうちの一方側に光源5、25、45を設け、他方側に導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dを設けることができる。
【0060】
また、上記実施例1〜3では、光源として発光ダイオードを例示したが、これに限定されず、例えば、白熱電球等のバルブ、蛍光灯、エレクトロルミネセンスライト等を採用してもよい。
【0061】
また、上記実施例1〜3では、平板状の導光体7a,7b、27a〜27c、47a〜47dを例示したが、これに限定されず、例えば、棒状の導光体としてもよい。また、導光体の材質としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、シクロポリオレフィン樹脂などの合成樹脂の他に、ガラスなどを挙げることができる。
【0062】
さらに、上記実施例1では、2つの導光体7a,7bを備えるプッシュスイッチ1を例示したが、これに限定されず、例えば、3つ以上の導光体を備えるプッシュスイッチとしてもよい。また、上記実施例2では、3つの導光体27a〜27cを備えるスライドスイッチ21を例示したが、これに限定されず、例えば、2つの導光体を備えたり、4つ以上の導光体を備えたりするスライドスイッチとしてもよい。さらに、上記実施例3では、4つの導光体47a〜47dを備えるロータリースイッチ41を例示したが、これに限定されず、例えば、2又は3つの導光体を備えたり、5つ以上の導光体を備えたりするロータリースイッチとしてもよい。
【0063】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0064】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
表示内容を表示する技術として広く利用される。特に、乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車両室内で用いられる表示技術として好適に利用される。
【符号の説明】
【0066】
1,21,41;スイッチ、2,22,42;表示装置、3,23,43;操作ノブ、4,24,44;スイッチ構造、5,25,45;光源、7a,7b、27a〜27c、47a〜47d;導光体、A1;第1表示内容、A2;第2表示内容。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源の光を導光する導光体と、を備える表示装置であって、
前記光源に対して前記導光体が相対的に移動することにより、該導光体に該光源の光が導光されて所定の内容が表示される状態と、該導光体に該光源の光が導光されず所定の内容が表示されない状態と、が切り換えられることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記導光体は、互いに積層される第1導光体及び第2導光体を備え、
前記光源に対して前記第1導光体及び前記第2導光体が相対的に移動することにより、該第1導光体に該光源の光が導光されて所定の第1表示内容が表示される状態と、該第2導光体に該光源の光が導光されて所定の第2表示内容が表示される状態と、が切り換えられる請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1導光体の所定の第1表示内容及び前記第2導光体の所定の第2表示内容を表示する共通の表示部を更に備える請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置を備えることを特徴とするスイッチ。
【請求項5】
操作ノブと、該操作ノブを移動可能に支持するスイッチ構造と、を更に備え、
前記操作ノブには前記導光体が設けられ、前記スイッチ構造には前記光源が設けられている請求項4記載のスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−113001(P2012−113001A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259447(P2010−259447)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】