説明

表示装置及びその製造方法

【課題】製造プロセスを増やすことなく、オイルに対する耐性の高いバンプを形成することを目的とする。
【解決手段】第3上面68を囲むように樹脂層50を貫通する切れ目76が形成されている。膜52は、切れ目76の内側では樹脂層50の底面を除く全体を覆い、切れ目76の外側では樹脂層50の少なくとも一部が露出するように形成する。切れ目76の内側では膜52に全体的に覆われた樹脂層50を残し、切れ目76の外側では膜52からの露出面から連続する樹脂層50の全体を除去する。切れ目76の内側に樹脂層50及び膜52からバンプ48を形成し、切れ目76の外側に第1基板10から浮いた状態で膜52からシャッタ14と駆動部40の少なくとも一部とを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMSディスプレイ(Micro Electro Mechanical System Display)は、液晶ディスプレイに取って代わると期待されているディスプレイである(特許文献1参照)。このディスプレイは、偏光を利用した液晶シャッタ方式とは異なり、機械シャッタ方式によって光の透過窓を開閉することで画像を表示する。シャッタは薄膜からなり、1画素を構成するシャッタの縦横サイズは数100μmオーダで厚みが数μmオーダである。1シャッタの開閉により、1画素のオンオフ動作が可能となる。シャッタは、静電引力によって動作するようになっている。
【0003】
シャッタは一対の光透過性基板の間にシールで囲まれたスペースに配置され、このスペースはオイルで満たされている。オイルは、シャッタの駆動のためのバネのくっつきを防止し、光透過性基板との光屈折率の差を小さくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−197668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一対の光透過性基板間のギャップは、両者間にバンプを配置することで維持されている。バンプは、シャッタ及びその駆動機構が形成された一方の光透過性基板に形成された台座と、これに対向する他方の光透過性基板に形成された支柱と、を対向させて構成されている。台座は、シャッタと同時に形成することができるので、シャッタを構成する材料で被覆することができ、オイルに対する耐性が高くなる。これに対して、支柱は、樹脂が露出しているため、その成分がオイル中に溶出し重合物が生成されるという問題があった。
【0006】
本発明は、製造プロセスを増やすことなく、オイルに対する耐性の高いバンプを形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る表示装置の製造方法は、第1基板に、バンプ、シャッタ及び前記シャッタを機械的に駆動するための駆動部を含む構造物を形成する工程と、前記第1基板に対向するように第2基板を配置する工程と、前記第1基板及び前記第2基板の間にオイルを充填する工程と、を含み、前記構造物を形成する工程は、パターニングされた樹脂層を前記第1基板に形成する工程と、前記シャッタ及び前記駆動部を形成するための材料であって前記樹脂層よりも前記オイルに対する耐性の高い材料でパターニングされた膜を前記樹脂層上に形成する工程と、前記膜を残して前記樹脂層の一部を除去する工程と、を含み、前記樹脂層は、最も低い第1上面と、前記第1上面よりも高い第2上面と、最も高い第3上面と、前記第1上面から底面に下がる第1側面と、前記第1上面から前記第2上面に上がる第2側面と、を有し、前記第3上面を囲むように前記樹脂層を貫通する切れ目が形成され、前記膜は、前記切れ目の内側では前記樹脂層の前記底面を除く全体を覆い、前記切れ目の外側では前記樹脂層の少なくとも一部が露出するように形成し、前記樹脂層の一部を除去する工程では、前記切れ目の内側では前記膜に全体的に覆われた前記樹脂層を残し、前記切れ目の外側では前記膜からの露出面から連続する前記樹脂層の全体を除去し、前記構造物を形成する工程で、前記切れ目の内側に前記樹脂層及び前記膜によって前記バンプを形成し、前記切れ目の外側に前記膜によって前記シャッタと前記駆動部の少なくとも一部とを形成することを特徴とする。本発明によれば、バンプの内部を構成する樹脂層は、その底面を除く全体が、樹脂層よりもオイルに対する耐性の高い材料からなる膜で覆われているので、オイルに樹脂層の成分が溶出しないようになっている。また、膜は、シャッタ及び駆動部と同時に形成するので、製造プロセスを増やすこともない。
【0008】
(2)(1)に記載された表示装置の製造方法において、パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、前記第1基板上に第1フォトレジスト層を形成する工程と、前記第1フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第1上面を有するようにパターニングする工程と、パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に第2フォトレジスト層を形成する工程と、前記第2フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第2上面を有するようにパターニングする工程と、パターニングされた前記第2フォトレジスト層上に第3フォトレジスト層を形成する工程と、前記第3フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、を含むことを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(1)に記載された表示装置の製造方法において、パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、前記第1基板上に、前記第1上面の高さを超える厚みを有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、前記第1フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第1上面及び前記第1上面よりも高い中間上面を有するようにパターニングする工程と、パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に第2フォトレジスト層を形成する工程と、前記第2フォトレジスト層を、フォトリソグラフィによって、前記第1上面上に前記第2上面を有する部分が配置され、前記中間上面上に前記第3上面を有する部分が配置されるようにパターニングする工程と、を含むことを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(1)に記載された表示装置の製造方法において、パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、前記第1基板上に、前記第3上面の高さの厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、前記第1フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第1上面及び前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に第2フォトレジスト層を形成する工程と、前記第2フォトレジスト層を、フォトリソグラフィによって、前記第2上面を有するようにパターニングする工程と、を含むことを特徴としてもよい。
【0011】
(5)(1)に記載された表示装置の製造方法において、パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、前記第1基板上に、前記第1上面の高さの厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、前記第1フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第1上面を有するようにパターニングする工程と、パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に、前記第3上面の高さに至る厚みを少なくとも有する第2フォトレジスト層を形成する工程と、前記第2フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第2上面及び前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、を含むことを特徴としてもよい。
【0012】
(6)(1)に記載された表示装置の製造方法において、パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、前記第1基板上に、前記第1上面の高さの厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、前記第1フォトレジスト層を、フォトリソグラフィによって、前記第3上面の形成領域を除去して、前記第1上面を有するようにパターニングする工程と、前記第1基板上及びパターニングされた前記第1フォトレジスト層上に、前記第3上面の高さに至る厚みを少なくとも有する第2フォトレジスト層を形成する工程と、前記第2フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第2上面及び前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、を含むことを特徴としてもよい。
【0013】
(7)(1)から(6)のいずれか1項に記載された表示装置の製造方法において、前記第3上面が形成される前記フォトリソグラフィで、前記第3上面の周縁部を形成する領域では、現像液に対する溶解度が、前記第3上面の中央部を形成する領域より高く、前記切れ目を形成する領域よりも低くなるように、多諧調マスクを使用した露光を行い、前記第3上面の前記周縁部を斜めに下がるように形成することを特徴としてもよい。
【0014】
(8)本発明に係る表示装置は、第1基板と、前記第1基板に形成されたシャッタ及び前記シャッタを機械的に駆動するための、前記シャッタと接続された駆動部と、間隔をあけて前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に配置されたバンプと、前記第1基板及び前記第2基板の間に充填されたオイルと、を有し、前記バンプは、前記第1基板に形成された樹脂層と、前記樹脂層の底面を除く全体を覆う膜と、を含み、前記シャッタ及び前記駆動部は、前記膜と同じ材料で形成されていることを特徴とする。前記膜は、前記オイルに対する耐性が、前記樹脂層よりも高いことを特徴としてもよい。本発明によれば、バンプの内部を構成する樹脂層は、その底面を除く全体が、樹脂層よりもオイルに対する耐性の高い材料からなる膜で覆われているので、オイルに樹脂層の成分が溶出しないようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図2】シャッタ及びその駆動部の斜視図である。
【図3A】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3B】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3C】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3D】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3E】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3F】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3G】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3H】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3I】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3J】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3K】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図3L】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図4A】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図4B】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図4C】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図4D】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図4E】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図4F】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図5A】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図5B】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図5C】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図5D】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図5E】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図6A】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図6B】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図6C】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図6D】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図6E】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図7A】本発明の第5の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図7B】本発明の第5の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図7C】本発明の第5の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図7D】本発明の第5の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図7E】本発明の第5の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【図8A】本発明の実施形態の応用例に係る表示装置及びその製造方法を説明する図である。
【図8B】本発明の実施形態の応用例に係る表示装置及びその製造方法を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態の変形例に係る表示装置を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態の他の変形例に係る表示装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置の断面図である。表示装置は、光透過性の第1基板10(例えばガラス基板)と、光透過性の第2基板12(例えばガラス基板)と、を有する。第1基板10及び第2基板12は、間隔をあけて対向するように配置されている。第1基板10は、図示しない薄膜トランジスタや配線などが形成された回路基板又はTFT(Thin Film Transistor)基板である。第1基板10には、複数(多数)のシャッタ14が設けられている。シャッタ14は、図示しない薄膜トランジスタや配線などの上に設けられている。
【0018】
図2は、シャッタ及びその駆動部の斜視図である。シャッタ14は、無機材料からなる。図1に示すシャッタ14は、アモルファスシリコンなどの半導体からなる第1膜16と、アルミニウムなどの金属からなる第2膜18とを含む膜52から構成されている。シャッタ14は、駆動開口20を有するプレートである。また、シャッタ14には、強度を高めるために凹部22が形成されているが、この凹部22は貫通していない。駆動開口20を光が通過し、駆動開口20以外の部分で光を遮断する。駆動開口20は一方向に長い形状になっている。なお、光は、第1基板10に重ねられたバックライト24から供給される。
【0019】
シャッタ14は、第1バネ26に支持されて第1基板10から浮くようになっている。複数(図2では4つ)の第1バネ26によってシャッタ14が支持されている。第1バネ26は、第1アンカー部28で第1基板10に固定されている。
【0020】
第1バネ26は、弾性変形可能な材料からなる。第1バネ26は、厚みの薄い板状をなしており、厚み方向を横方向(第1基板10の板面に平行な方向)に向けて、幅方向を上下方向(第1基板10の板面に垂直な方向)に向けて配置されている。これにより、第1バネ26は、その厚み方向である横方向に変形できるようになっている。
【0021】
第1バネ26は、シャッタ14から離れる方向(駆動開口20の長さ方向に交差(例えば直交)する方向)に延びる第1部30と、駆動開口20の長さ方向に沿った方向であって駆動開口20の長さ方向の中央から外方向に向かって延びる第2部32と、さらにシャッタ14から離れる方向(駆動開口20の長さ方向に交差(例えば直交)する方向)に延びる第3部34と、を有する。そして、シャッタ14は、図2に矢印で示すように、駆動開口20の長さ方向に交差(例えば直交)する方向に移動できるように第1バネ26に支持されている。
【0022】
第1基板10には、第2アンカー部36に支持された第2バネ38が設けられている。第2バネ38も、弾性変形可能な材料からなる。第2バネ38は、厚みの薄い板状をなしており、厚み方向を横方向(第1基板10の板面に平行な方向)に向けて、幅方向を上下方向(第1基板10の板面に垂直な方向)に向けて配置されている。これにより、第2バネ38は、その厚み方向である横方向に変形できるようになっている。また、第2バネ38は、ループ状になっており、第2アンカー部36から延びた帯状部が、屈曲して折り返されて、同じ第2アンカー部36に戻るようになっている。
【0023】
第2バネ38は、第1バネ26の第2部32よりもシャッタ14から離れた側で、この第2部32に対向するようになっている。第2アンカー部36に電圧を印加し、第1バネ26の第2部32との電位差によって生じる静電引力によって、第2部32が第2アンカー部36に引き寄せられるようになっている。第2部32が引き寄せられると、第2部32と一体的な第1部30を介して、シャッタ14も引き寄せられる。つまり、第1バネ26及び第2バネ38は、シャッタ14を機械的に駆動するための駆動部40を構成するためのものである。
【0024】
駆動部40は、シャッタ14の少なくとも一部と同じ材料から形成されている。例えば、第1バネ26及び第2バネ38は、シャッタ14を構成する膜52の一部(例えばアモルファスシリコンなどの半導体からなる第1膜16)から構成されている。駆動部40のその他の部分は、アモルファスシリコンなどの半導体からなる第1膜16と、アルミニウムなどの金属からなる第2膜18とを含む膜から構成してもよい。
【0025】
第2基板12には遮光膜42が形成されている。遮光膜42には、固定開口44が形成されている。シャッタ14の上述した駆動開口20と遮光膜42の固定開口44は、対向する位置に配置されており、両者が連通すれば光が通過し、シャッタ14の移動によって遮光膜42の固定開口44が遮蔽されると光が遮断される。言い換えると、遮光膜42の固定開口44への光の通過及び遮断を制御するように、シャッタ14は機械的に駆動される。対応する1つの駆動開口20及び1つの固定開口44によって1画素が構成され、多数の画素によって画像が表示されるようになっている。そのため、複数(多数)のシャッタ14が設けられている。シャッタ14及び駆動部40は、駆動開口20及び固定開口44を通過する光の有無及び強弱によって画像を表示する表示領域に配置されている。
【0026】
第1基板10及び第2基板12は、図示しないシール材によって間隔をあけて固定されている。シール材は第1基板10及び第2基板12の対向面同士に密着している。第1基板10及び第2基板12の間(図示しないシール材によって封止された空間)にはオイル46(例えばシリコーンオイル)が満たされている。シャッタ14及び駆動部40は、オイル46内に配置されている。オイル46によってシャッタ14及び駆動部40の動きによる振動を抑えることができ、第1バネ26と第2バネ38のくっつきも防止することができる。第1基板10及び第2基板12がガラスからなる場合、ガラスと屈折率の近いオイル46を使用すれば、オイル46を満たすことで、第1基板10及び第2基板12との界面での光の反射を減らすことができる。
【0027】
表示装置は、第1基板10及び第2基板12間の間隔を保持するバンプ48を有する。バンプ48は、第1基板10に形成された樹脂層50を有する。樹脂層50の底面を除く全体は、膜52によって覆われている。膜52は、シャッタ14及び駆動部40を形成するための材料からなる。例えば、膜52は、アモルファスシリコンなどの半導体からなる第1膜16と、アルミニウムなどの金属からなる第2膜18と、を含む。これらの材料は、樹脂層50よりもオイル46に対する耐性が高い。バンプ48もオイル46内に配置されている。図1に示すバンプ48は、第2基板12との間に隙間が形成される高さで形成されており、バンプ48と遮光膜42との間にオイル46が入るようになっている。したがって、バンプ48の上面もオイル46に接触している。第1基板10及び第2基板12が接近するような力が加えられると、バンプ48が遮光膜42に当たって、それ以上両基板が接近しないようになっている。但し、バンプ48は、バンプ48の上面が第2基板12、或いは第2基板12に形成された遮光膜42に接するように形成してもよい。
【0028】
本実施形態によれば、バンプ48の内部を構成する樹脂層50は、その底面(第1基板10に密着する面)を除く全体が、樹脂層50よりもオイル46に対する耐性の高い材料からなる膜52で覆われているので、オイル46に樹脂層50の成分が溶出しないようになっている。
【0029】
次に、本発明の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する。
【0030】
[第1の実施形態]
図3A〜図3Lは、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【0031】
図3Aに示すように、第1基板10上に第1フォトレジスト層54を形成する。第1フォトレジスト層54は、感光性を有する樹脂である。第1フォトレジスト層54は、上述したシャッタ14の浮く高さに対応する厚みを少なくとも有する。すなわち、第1フォトレジスト層54の厚みは、シャッタ14の浮く高さと同じかそれ以上である。また、第1フォトレジスト層54は、駆動部40の第1基板10から浮いた状態の部分(例えば第1バネ26及び第2バネ38)の浮く高さに対応する厚みを少なくとも有する。すなわち、第1フォトレジスト層54の厚みは、第1バネ26及び第2バネ38の浮く高さと同じかそれ以上である。なお、図1に示すように、シャッタ14の下端(凹部22の反対面)と第1バネ26及び第2バネ38の下端とは、同じ高さにある。
【0032】
図3Bに示すように、第1フォトレジスト層54をフォトリソグラフィによってパターニングする。フォトリソグラフィは露光と現像を含む。露光では、図示しないマスクを介して、第1フォトレジスト層54に部分的に光を照射する。これにより、第1フォトレジスト層54が、現像液に溶解する部分と溶解しにくい部分とを有するようになる。現像を行うことで、第1フォトレジスト層54はパターニングされる。パターニングされた第1フォトレジスト層54は、第1上面56を有する。第1上面56は、第1基板10から浮かせて配置する部材(例えばシャッタ14並びに第1バネ26及び第2バネ38)を形成するための面である。したがって、第1上面56の高さ位置(第1基板10の上面からの高さ位置。以下、同じ。)は、シャッタ14の下端(最も低い面)及び第1バネ26及び第2バネ38の下端の高さ位置になる。なお、第1フォトレジスト層54は硬化処理されることで収縮するので、第1上面56の高さ位置は、硬化処理前の高さ位置よりも若干低くなる。また、第1フォトレジスト層54の一部は、バンプ48の樹脂層50の一部となる。そのため、バンプ48の樹脂層50を囲む第1切れ目58を第1フォトレジスト層54に形成する。
【0033】
図3Cに示すように、パターニングされた第1フォトレジスト層54上に第2フォトレジスト層60を形成する。第2フォトレジスト層60も、感光性を有する樹脂前駆体である。第2フォトレジスト層60は、第1バネ26及び第2バネ38の高さ方向の幅に対応する厚みを少なくとも有する。すなわち、第2フォトレジスト層60の厚みは、第1バネ26及び第2バネ38の高さ方向の幅と同じかそれ以上である。また、シャッタ14に凹部22を形成するときには、第2フォトレジスト層60は、凹部22の深さ(正確には、下に突出する凹部22の突出下面から凹部22の周囲の部分の下面までの高さの差)に対応する厚みを少なくとも有する。すなわち、第2フォトレジスト層60の厚みは、凹部22の深さと同じかそれ以上である。
【0034】
図3Dに示すように、第2フォトレジスト層60をフォトリソグラフィによってパターニングする。フォトリソグラフィの詳細は上述した通りである。パターニングされた第2フォトレジスト層60は、第2上面62を有する。第1上面56から第2上面62までの高さは、第1バネ26及び第2バネ38の高さ方向に幅に相当する。また、第1上面56から第2上面62までの高さは、シャッタ14の凹部22の深さに相当する。なお、第2フォトレジスト層60も硬化処理されることで収縮するので、第2上面62の高さ位置は、硬化処理前の高さ位置よりも若干低くなる。また、第2フォトレジスト層60の一部は、バンプ48の樹脂層50の一部となる。そのため、バンプ48の樹脂層50を囲む第2切れ目64を第2フォトレジスト層60に形成する。
【0035】
図3Eに示すように、パターニングされた第2フォトレジスト層60上に第3フォトレジスト層66を形成する。第3フォトレジスト層66も、感光性を有する樹脂前駆体である。第3フォトレジスト層66は、その上面がバンプ48の樹脂層50の上面の高さ位置(第1基板10の上面からの高さ位置)に到達する厚みを少なくとも有する。
【0036】
図3Fに示すように、第3フォトレジスト層66をフォトリソグラフィによってパターニングする。フォトリソグラフィの詳細は上述した通りである。パターニングされた第3フォトレジスト層66は、第3上面68を有する。第1基板10の上面から第3上面68までの高さは、バンプ48の樹脂層50の高さである。なお、第3フォトレジスト層66も硬化処理されることで収縮するので、第3上面68の高さ位置は、硬化処理前の高さ位置よりも若干低くなる。また、第3フォトレジスト層66の一部は、バンプ48の樹脂層50の一部となる。そのため、バンプ48の樹脂層50を囲む第3切れ目70を第3フォトレジスト層66に形成する。
【0037】
こうして、第1フォトレジスト層54、第2フォトレジスト層60及び第3フォトレジスト層66から樹脂層50を形成する。つまり、パターニングされた樹脂層50を第1基板10に形成する。樹脂層50は、最も低い第1上面56を有する。樹脂層50は、第1上面56よりも高い第2上面62を有する。樹脂層50は、最も高い第3上面68を有する。樹脂層50は、第1上面56から底面に下がる第1側面72を有する。樹脂層50は、第1上面56から第2上面62に上がる第2側面74を有する。樹脂層50には、第3上面68を囲むように貫通する切れ目76が形成されている。切れ目76は、第1フォトレジスト層54、第2フォトレジスト層60及び第3フォトレジスト層66にそれぞれ形成された第1切れ目58、第2切れ目64及び第3切れ目70が連通して形成されている。
【0038】
図3Gに示すように、膜52を、樹脂層50上及び第1基板10上に形成する。膜52は、シャッタ14及び駆動部40を形成するための材料であって、樹脂層50よりもオイル46に対する耐性の高い材料(無機材料など)から形成する。例えば、アモルファスシリコンなどの半導体からなる第1膜16を形成し、その上にアルミニウムなどの金属からなる第2膜18を形成する。
【0039】
図3Hに示すように、エッチングレジスト78を膜52上に形成する。エッチングレジスト78のパターニングにもリソグラフィを適用することができる。パターニングされたエッチングレジスト78は、シャッタ14及び駆動部40並びにバンプ48を形成する領域を覆う。
【0040】
図3Iに示すように、ウエットエッチングを適用して、金属からなる第2膜18をエッチングする。ウエットエッチングの等方性によって、エッチングレジスト78から露出した第2膜18は除去される。
【0041】
図3Jに示すように、ドライエッチングを適用して、半導体からなる第1膜16をエッチングする。ドライエッチングの異方性によって、樹脂層50の上面(第1上面56及び第2上面62)の第1膜16は除去されるが、樹脂層50の側面(第2側面74)の第1膜16は除去されずに残る。
【0042】
図3Kに示すように、エッチングレジスト78を除去する。シャッタ14を形成する領域では、樹脂層50の第1上面56、第1側面72及び第2上面62の上に膜52(第1膜16及び第2膜18)が残されている。第1バネ26及び第2バネ38を形成する領域では、それぞれ、樹脂層50の第2側面74に膜52(第1膜16)が残されている。樹脂層50の切れ目76の内側では、樹脂層50の底面を除く全体を覆うように膜52(第1膜16及び第2膜18)が残されている。樹脂層50の切れ目76の外側では、樹脂層50の少なくとも一部が露出するように膜52が残る。
【0043】
図3Lに示すように、膜52から露出した樹脂層50を除去する。除去には例えばアッシングを適用することができる。樹脂層50の除去は、上述したエッチングレジスト78の除去と同時に行ってもよい。これにより、膜52を残して樹脂層50の一部を除去することができる。樹脂層50の切れ目76の内側では、膜52に全体的に覆われた樹脂層50が残る。樹脂層50の切れ目76の外側では、膜52からの露出面から連続する樹脂層50の全体が除去される。
【0044】
切れ目76の内側に、樹脂層50及び膜52から成るバンプ48を形成する。切れ目76の外側に第1基板10から浮いた状態で、膜52から、シャッタ14と駆動部40の少なくとも一部とを形成する。こうして、第1基板10に、バンプ48、シャッタ14及びシャッタ14を機械的に駆動するための駆動部40を含む構造物を形成する。
【0045】
その後、図1に示すように、バンプ48を介して、第1基板10に対向するように第2基板12を配置する。第1基板10及び第2基板12の間にオイル46を充填する。
【0046】
本実施形態によれば、バンプ48の内部を構成する樹脂層50は、その底面を除く全体が、樹脂層50よりもオイル46に対する耐性の高い材料からなる膜52で覆われているので、オイル46に樹脂層50の成分が溶出しないようになっている。また、膜52は、シャッタ14及び駆動部40と同時に形成するので、製造プロセスを増やすこともない。
【0047】
[第2の実施形態]
図4A〜図4Fは、本発明の第2の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【0048】
図4Aに示すように、第1基板210上に、後述する第1上面256の高さを超える厚みを有する第1フォトレジスト層254を形成する。好ましくは、第1フォトレジスト層254は、その上面が、硬化収縮したときに後述する第2上面262の高さ位置と同じになる厚みで形成する。
【0049】
図4Bに示すように、第1フォトレジスト層254をフォトリソグラフィによってパターニングする。フォトリソグラフィは、多諧調露光(例えばハーフトーン露光)を含む。詳しくは、光の透過領域282と、光の半透過領域284と、遮光領域286と、を有するマスク280を使用して露光を行う。半透過領域284は、透過領域282よりも光の透過率が低い領域であればよく、その透過率は50%に限らない。第1フォトレジスト層254は、ポジ型であれば、透過領域282を通る光が照射された領域は厚み方向の全体が現像液に溶解しやすくなり、半透過領域284を通る光が照射された領域は厚み方向の一部が現像液に溶解しやすくなる。光が照射されない領域は現像液に溶解しにくくなっている。なお、第1フォトレジスト層254は、ネガ型を適用することもできるがその詳細はポジ型と同様に周知であるため説明を省略する。
【0050】
図4Cに示すように、現像を行って、第1フォトレジスト層254を、第1上面256及び第1上面256よりも高い中間上面288を有するようにパターニングする。中間上面288は後述する第2上面262と同じ高さであってもよい。本実施形態によれば、多諧調露光を適用することで、一度のフォトリソグラフィで、二段階の高さの上面(第1上面256及び中間上面288)を形成することができるので、プロセスを簡略化することができる。
【0051】
図4Dに示すように、パターニングされた第1フォトレジスト層254上に第2フォトレジスト層260を形成する。第2フォトレジスト層260は、中間上面288の上方で、第3上面268の高さ位置に至る厚みで形成する。
【0052】
図4Eに示すように、第2フォトレジスト層260を、フォトリソグラフィによってパターニングする。詳しくは、第1フォトレジスト層254の第1上面256上に、第2フォトレジスト層260の一部から第2上面262を有する部分を形成する。また、第1フォトレジスト層254の中間上面288上に、第2フォトレジスト層260の一部から第3上面268を有する部分を形成する。以上のプロセスによって、第1上面256、第2上面262及び第3上面268を有する樹脂層250を形成する。樹脂層250上に膜252を形成し、これをパターニングし、図4Fに示すように、第1基板210に、バンプ248、シャッタ214及びシャッタ214を機械的に駆動するための駆動部240を含む構造物を形成する。
【0053】
本実施形態のその他の詳細については、第1の実施形態で説明した内容を適用することができる。
【0054】
[第3の実施形態]
図5A〜図5Eは、本発明の第3の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【0055】
図5Aに示すように、第1基板310上に、後述する第3上面368の高さ位置に至る厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層354を形成する。
【0056】
図5Bに示すように、第1フォトレジスト層354を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、第1上面356及び第3上面368を有するようにパターニングする。その詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。
【0057】
図5Cに示すように、パターニングされた第1フォトレジスト層354上に第2フォトレジスト層360を形成する。第1上面356の上方では、第2フォトレジスト層360は、その上面が、後述する第2上面362の高さ位置と同じかそれ以上の高さ位置になる厚みで形成する。
【0058】
図5Dに示すように、第2フォトレジスト層360を、フォトリソグラフィによって、第2上面362を有するようにパターニングする。以上のプロセスによって、第1上面356、第2上面362及び第3上面368を有する樹脂層350を形成する。そして、樹脂層350上に膜352を形成し、これをパターニングし、図5Eに示すように、第1基板310に、バンプ348、シャッタ314及びシャッタ314を機械的に駆動するための駆動部340を含む構造物を形成する。
【0059】
本実施形態のその他の詳細については、第1及び第2の実施形態で説明した内容を適用することができる。
【0060】
[第4の実施形態]
図6A〜図6Eは、本発明の第4の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【0061】
図6Aに示すように、第1基板410上に、その上面が、後述する第1上面456の高さ位置に至る厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層454を形成する。
【0062】
図6Bに示すように、第1フォトレジスト層454をフォトリソグラフィによって第1上面456を有するようにパターニングする。
【0063】
図6Cに示すように、パターニングされた第1フォトレジスト層454上に、上面が高従する第3上面468の高さ位置に至る厚みを少なくとも有する第2フォトレジスト層460を形成する。
【0064】
図6Dに示すように、第2フォトレジスト層460を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、第2上面462及び第3上面468を有するようにパターニングする。その詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。以上のプロセスによって、第1上面456、第2上面462及び第3上面468を有する樹脂層450を形成する。そして、樹脂層450上に膜452を形成し、これをパターニングし、図6Eに示すように、第1基板410に、バンプ448、シャッタ414及びシャッタ414を機械的に駆動するための駆動部440を含む構造物を形成する。
【0065】
本実施形態のその他の詳細については、第1及び第2の実施形態で説明した内容を適用することができる。
【0066】
[第5の実施形態]
図7A〜図7Eは、本発明の第5の実施形態に係る表示装置の製造方法を説明する図である。
【0067】
図7Aに示すように、第1基板510上に、上面が、後述する第1上面556の高さ位置に至る厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層554を形成する。
【0068】
図7Bに示すように、第1フォトレジスト層554をフォトリソグラフィによってパターニングする。パターニングによって、第1フォトレジスト層554を第3上面568の形成領域568aから除去する。また、第1フォトレジスト層554は、第1上面556を有するようにパターニングする。
【0069】
図7Cに示すように、第1基板510上及びパターニングされた第1フォトレジスト層554上に、上面が、後述する第3上面568の高さ位置に至る厚みを少なくとも有する第2フォトレジスト層560を形成する。
【0070】
図7Dに示すように、第2フォトレジスト層560を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、第2上面562及び第3上面568を有するようにパターニングする。その詳細は、第2の実施形態で説明した通りである。以上のプロセスによって、第1上面556、第2上面562及び第3上面568を有する樹脂層550を形成する。そして、樹脂層550上に膜552を形成し、これをパターニングし、図7Eに示すように、第1基板510に、バンプ548、シャッタ514及びシャッタ514を機械的に駆動するための駆動部540を含む構造物を形成する。
【0071】
本実施形態のその他の詳細については、第1及び第2の実施形態で説明した内容を適用することができる。
【0072】
[応用例]
図8A〜図8Bは、本発明の実施形態の応用例に係る表示装置及びその製造方法を説明する図である。
【0073】
上述した実施形態では、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングするので、例えば図4Eに示すように、第3上面268の周縁部には角が形成されている。第2フォトレジスト層260がポストベークによって収縮すると、第3上面268の中央が窪み、周縁部の角が立ち上がる形状になる。この形状の第3上面に膜を形成して得られたバンプは、周縁部のみが支持機能を果たすのでその周縁部に応力が集中するという問題があった。
【0074】
そこで、本例では、図8Aに示すように、バンプ148の内部を構成する樹脂層150の第3上面168の周縁部168aを丸くし、その上に膜152を形成した。こうすることで、周縁部168aへの応力の集中を避けることができ、バンプ148の強度を高めることができる。
【0075】
図8Bは、周縁部が丸くなった形状の第3上面を形成する方法を説明するための図である。この例では、第3上面168を形成するフォトリソグラフィで多諧調露光を行う。使用される多諧調マスク180は、光の透過領域182と、光の半透過領域184と、遮光領域186と、を有する。半透過領域184は、透過領域182よりも光の透過率が低い領域であればよく、その透過率は50%に限らない。
【0076】
フォトレジスト層がポジ型であれば、厚み方向の全体を除去する領域の上方に、多諧調マスク180の光の透過領域182を配置し、除去しない領域の上方に遮光領域186を配置する。そして、第3上面168の周縁部168aの上方に半透過領域184を配置する。
【0077】
第3上面168の周縁部168aを形成する領域では、現像液に対する溶解度が、第3上面168の中央部を形成する領域より高く、切れ目176を形成する領域よりも低くなる。これにより、第3上面168の周縁部168aを斜めに下がるように(例えば丸く)形成することができる。本応用例の内容は、上述したいずれの実施形態にも適用することができる。
【0078】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、図1から図8Bにおいては、バンプ48と第2基板12との間に隙間が形成されている構成としているが、バンプ48は、図9に示すようにバンプ48の上面が第2基板12に形成された遮光膜42に接するように形成してもよいし、図10に示すようにバンプ48の上面が第2基板12に接するように形成してもよい。また、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0079】
10 第1基板、12 第2基板、14 シャッタ、16 第1膜、18 第2膜、20 駆動開口、22 凹部、24 バックライト、26 第1バネ、28 第1アンカー部、30 第1部、32 第2部、34 第3部、36 第2アンカー部、38 第2バネ、40 駆動部、42 遮光膜、44 固定開口、46 オイル、48 バンプ、50 樹脂層、52 膜、54 第1フォトレジスト層、56 第1上面、58 第1切れ目、60 第2フォトレジスト層、62 第2上面、64 第2切れ目、66 第3フォトレジスト層、68 第3上面、70 第3切れ目、72 第1側面、74 第2側面、76 切れ目、78 エッチングレジスト、148 バンプ、150 樹脂層、152 膜、168 第3上面、176 切れ目、180 多諧調マスク、182 透過領域、184 半透過領域、186 遮光領域、210 第1基板、214 シャッタ、240 駆動部、248 バンプ、250 樹脂層、252 膜、254 第1フォトレジスト層、256 第1上面、260 第2フォトレジスト層、262 第2上面、268 第3上面、280 マスク、282 透過領域、284 半透過領域、286 遮光領域、288 中間上面、310 第1基板、314 シャッタ、340 駆動部、348 バンプ、350 樹脂層、352 膜、354 第1フォトレジスト層、356 第1上面、360 第2フォトレジスト層、362 第2上面、368 第3上面、410 第1基板、414 シャッタ、440 駆動部、448 バンプ、450 樹脂層、452 膜、454 第1フォトレジスト層、456 第1上面、460 第2フォトレジスト層、462 第2上面、468 第3上面、510 第1基板、514 シャッタ、540 駆動部、548 バンプ、550 樹脂層、552 膜、554 第1フォトレジスト層、556 第1上面、560 第2フォトレジスト層、562 第2上面、568 第3上面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板に、バンプ、シャッタ及び前記シャッタを機械的に駆動するための駆動部を含む構造物を形成する工程と、
前記第1基板に対向するように第2基板を配置する工程と、
前記第1基板及び前記第2基板の間にオイルを充填する工程と、
を含み、
前記構造物を形成する工程は、パターニングされた樹脂層を前記第1基板に形成する工程と、前記シャッタ及び前記駆動部を形成するための材料であって前記樹脂層よりも前記オイルに対する耐性の高い材料でパターニングされた膜を前記樹脂層上に形成する工程と、前記膜を残して前記樹脂層の一部を除去する工程と、を含み、
前記樹脂層は、最も低い第1上面と、前記第1上面よりも高い第2上面と、最も高い第3上面と、前記第1上面から底面に下がる第1側面と、前記第1上面から前記第2上面に上がる第2側面と、を有し、前記第3上面を囲むように前記樹脂層を貫通する切れ目が形成され、
前記膜は、前記切れ目の内側では前記樹脂層の前記底面を除く全体を覆い、前記切れ目の外側では前記樹脂層の少なくとも一部が露出するように形成し、
前記樹脂層の一部を除去する工程では、前記切れ目の内側では前記膜に全体的に覆われた前記樹脂層を残し、前記切れ目の外側では前記膜からの露出面から連続する前記樹脂層の全体を除去し、
前記構造物を形成する工程で、前記切れ目の内側に前記樹脂層及び前記膜によって前記バンプを形成し、前記切れ目の外側に前記膜によって前記シャッタと前記駆動部の少なくとも一部とを形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、
前記第1基板上に第1フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第1フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第1上面を有するようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に第2フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第2フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第2上面を有するようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記第2フォトレジスト層上に第3フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第3フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、
前記第1基板上に、前記第1上面の高さを超える厚みを有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第1フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第1上面及び前記第1上面よりも高い中間上面を有するようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に第2フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第2フォトレジスト層を、フォトリソグラフィによって、前記第1上面上に前記第2上面を有する部分が配置され、前記中間上面上に前記第3上面を有する部分が配置されるようにパターニングする工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、
前記第1基板上に、前記第3上面の高さの厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第1フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第1上面及び前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に第2フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第2フォトレジスト層を、フォトリソグラフィによって、前記第2上面を有するようにパターニングする工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、
前記第1基板上に、前記第1上面の高さの厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第1フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって前記第1上面を有するようにパターニングする工程と、
パターニングされた前記第1フォトレジスト層上に、前記第3上面の高さに至る厚みを少なくとも有する第2フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第2フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第2上面及び前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載された表示装置の製造方法において、
パターニングされた前記樹脂層を前記第1基板に形成する工程は、
前記第1基板上に、前記第1上面の高さの厚みを少なくとも有する第1フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第1フォトレジスト層を、フォトリソグラフィによって、前記第3上面の形成領域を除去して、前記第1上面を有するようにパターニングする工程と、
前記第1基板上及びパターニングされた前記第1フォトレジスト層上に、前記第3上面の高さに至る厚みを少なくとも有する第2フォトレジスト層を形成する工程と、
前記第2フォトレジスト層を、多諧調露光を含むフォトリソグラフィによって、前記第2上面及び前記第3上面を有するようにパターニングする工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された表示装置の製造方法において、
前記第3上面が形成される前記フォトリソグラフィで、前記第3上面の周縁部を形成する領域では、現像液に対する溶解度が、前記第3上面の中央部を形成する領域より高く、前記切れ目を形成する領域よりも低くなるように、多諧調マスクを使用した露光を行い、前記第3上面の前記周縁部を斜めに下がるように形成することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載された表示装置の製造方法において、
前記膜は、半導体膜と金属膜とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載された表示装置の製造方法において、
前記半導体膜はアモルファスシリコンであることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載された表示装置の製造方法において、
前記金属膜はアルミニウムであることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載された表示装置の製造方法において、
前記バンプは、前記第2基板と所定の隙間を有して対向していることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載された表示装置の製造方法において、
前記バンプは、前記第2基板と接して形成されていることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項13】
第1基板と、
前記第1基板に形成されたシャッタ及び前記シャッタと接続された駆動部と、
間隔をあけて前記第1基板に対向するように配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に配置されたバンプと、
前記第1基板及び前記第2基板の間に充填されたオイルと、
を有し、
前記バンプは、前記第1基板に形成された樹脂層と、前記樹脂層の底面を除く全体を覆う膜と、を含み、
前記シャッタ及び前記駆動部は、前記膜と同じ材料で形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表示装置において、
前記膜は、前記オイルに対する耐性が、前記樹脂層よりも高いことを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載された表示装置において、
前記膜は、半導体膜と金属膜とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項16】
請求項15に記載された表示装置において、
前記半導体膜はアモルファスシリコンであることを特徴とする表示装置。
【請求項17】
請求項15又は請求項16に記載された表示装置において、
前記金属膜はアルミニウムであることを特徴とする表示装置。
【請求項18】
請求項13から請求項17のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記バンプは、前記第2基板と所定の隙間を有して対向していることを特徴とする表示装置。
【請求項19】
請求項13から請求項17のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記バンプは、前記第2基板と接して形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項20】
請求項19に記載された表示装置において、
前記第2基板は、開口が形成された遮光膜を有し、
前記バンプは、前記遮光膜と接して形成されていることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図3L】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−242712(P2012−242712A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114362(P2011−114362)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】