説明

表示装置及びプログラム

【課題】 複数の外部記憶装置に同一ユーザのファイルが記憶されている場合の使い勝手を向上させる。
【解決手段】 第1、2接続端子14、15のいずれか一方に外部記憶装置30が装着された時から他の外部記憶装置30が他方の接続端子に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、同一ユーザにより外部記憶装置30が装着されたものとみなして、所定時間が経過するまでに第1、2接続端子14、15に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示させる。これにより、複数の外部記憶装置30に同一ユーザのファイルが記憶されている場合の使い勝手を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の発明では、機器本体に装着されている全ての外部記憶装置内のファイル名を表示する表示装置が記載されている。
しかし、機器本体に装着されている全ての外部記憶装置内のファイル名を表示すると、外部記憶装置に記憶されているファイルの内容が第三者に知られてしまうおそれが高く、ファイルの安全性を保持することが難しい。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の発明では、現在機器本体を使用しようとしているユーザが外部記憶装置を機器本体に装着する際に、前回機器本体を使用していたユーザの外部記憶装置が既に装着されているような状況において、前のユーザの外部記憶装置内のファイル名が表示されてしまうことを防止するために、前のユーザの外部記憶装置を取り出すよう警告し、外部記憶装置が1つも装着されていない状態でのみ現在のユーザの外部記憶装置を装着できるようにしている。
【特許文献1】特開2005−327070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明は、外部記憶装置毎にユーザが異なることを前提とした発明であるので、例えば、同一のユーザに使用される複数の外部記憶装置に分散して記憶されているファイルのファイル名を一度に表示させることができない。
【0005】
すなわち、特許文献1に記載の発明は、新たに装着される外部記憶装置のユーザは、既に外部記憶装置のユーザとは異なるユーザであるとみなして、既に外部記憶装置が装着されている場合に警告を行う発明である。
【0006】
このため、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合には、それら複数の外部記憶装置に記憶されている全てのファイルのファイル名を表示させることができないので、使い勝手のよい表示装置とは言い難い。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部と、装着部に外部記憶装置が装着された時を基準として他の外部記憶装置が装着部に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、所定時間が経過するまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、請求項1に記載の発明では、装着部に外部記憶装置が装着された時から他の外部記憶装置が装着部に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、同一ユーザにより外部記憶装置が装着されたものとみなして、所定時間が経過するまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させるので、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、表示手段は、外部記憶装置が前記装着部に新たに装着された時を基準として更に他の外部記憶装置が装着部に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、所定時間が経過するまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることを特徴とする。
【0011】
これにより、請求項2に記載の発明では、前回、外部記憶装置が装着された時から、今回、外部記憶装置が装着されたときまでの経過時間が所定時間以下の場合に、それまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名が表示される。
【0012】
つまり、請求項2に記載の発明では、最初に外部記憶装置を装着した時からの経過時間が所定時間以下であるか否かを判定するのではなく、最後に外部記憶装置を装着した時からの経過時間が所定時間以下であるか否かを判定するので、同一ユーザが3つ以上の外部記憶装置を装着する必要があるときに更に使い勝手を向上させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、表示手段は、所定時間が経過する前においては、装着部に外部記憶装置が装着される毎に、その外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に記載の発明では、表示手段は、所定時間の経過後に、所定時間が経過するまでに装着部に装着された全ての外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部と、装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルを印刷する印刷手段と、装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段と、印刷手段により印刷が開始された後に、表示手段によるファイル名の表示を禁止させる禁止手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、請求項5に記載の発明では、印刷手段による印刷開始前は、装着されている外部記憶装置を同一のユーザのものであるとみなして、表示手段によりファイル名を表示させる一方で、印刷手段による印刷開始後は、表示手段によるファイル名の表示を禁止するので、例えば印刷中にユーザが表示装置の前を離れても第3者にファイルを見られることがなく、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、印刷手段による印刷終了後に、印刷開始後に新たに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名の表示を許可する許可手段を備えることを特徴とする。
【0018】
これにより、請求項6に記載の発明では、印刷終了後、印刷手段により印刷が開始された後に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることができる。
【0019】
なお、印刷が終了したときには、印刷が開始されるときに表示されていたファイル名の表示は終了している。
請求項7に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部と、ユーザから外部記憶装置の装着作業が完了した指示を受け付ける受付手段と、受付手段により指示が受け付けられるまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、請求項7に記載の発明では、ユーザから外部記憶装置の装着作業が完了した指示を受け付けたときに、その指示が受け付けられるまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させるので、複数の外部記憶装置のユーザのファイルが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、受付手段により指示が受け付けられた時以降に装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名の表示を禁止させる禁止手段を備えることを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項8に記載の発明では、装着作業が完了した指示が受け付けられる前に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名とともに、装着作業が完了した指示が受け付けられた後に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名が表示されてしまうことを確実に防止できる。
【0023】
請求項9に記載の発明では、装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルを印刷する印刷手段と、受付手段により指示が受け付けられた時までに装着された外部記憶装置に記憶されているファイルの印刷が終了したときに、禁止手段による禁止処理を解除させる解除手段を備えることを特徴とする。
【0024】
これにより、請求項9に記載の発明では、装着作業が完了した指示が受け付けられた時以降に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることができる。
【0025】
請求項10に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部と、装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段と、表示手段によりファイル名が表示される対象となる外部記憶装置を、装着部に装着された全ての外部記憶装置とするか、装着部に装着された外部記憶装置のうちのいずれか1つの外部記憶装置とするかを切り替えるための切替手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
これにより、請求項10に記載の発明では、ファイル名の表示方法を切り替えることができる。したがって、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【0027】
請求項11に記載の発明では、装着部が複数設けられていることを特徴とするものである。
請求項12に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部、及び情報を表示する表示部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、コンピュータを、装着部に外部記憶装置が装着された時から他の外部記憶装置が装着部に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、所定時間が経過するまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示部に表示させる表示手段として機能させることを特徴とする。
【0028】
これにより、請求項12に記載の発明では、請求項1と同様に、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
請求項13に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部、情報を表示する表示部、及び印刷を実行する印刷部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、コンピュータを、装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示部に表示させる表示手段、及び印刷部により印刷が開始された後に、表示手段によるファイル名の表示を禁止させる禁止手段として機能させることを特徴とする。
【0029】
これにより、請求項13に記載の発明では、請求項5と同様に、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
請求項14に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部、及び情報を表示する表示部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、コンピュータを、ユーザから外部記憶装置の装着作業が完了した指示を受け付ける受付手段、及び受付手段により前記指示が受け付けられるまでに装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示部に表示させる表示手段として機能させることを特徴とする。
【0030】
これにより、請求項14に記載の発明では、請求項7と同様に、複数の外部記憶装置のユーザである場合の使い勝手を向上させることができる。
請求項15に記載の発明では、外部記憶装置が装着される装着部、及び情報を表示する表示部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、コンピュータを、装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示部に表示させる表示手段、及び表示手段によりファイル名が表示される対象となる外部記憶装置を、装着部に装着された全ての外部記憶装置とするか、装着部に装着された外部記憶装置のうちのいずれか1つの外部記憶装置とするかを切り替えるための切替手段として機能させることを特徴とする。
【0031】
これにより、請求項15に記載の発明では、請求項10と同様に、ファイル名の表示方法を切り替えることができ、複数の外部記憶装置のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本実施形態は、印刷機能、ファクシミリ機能及びスキャナ機能等が一体化されたプリンタ(以下、多機能装置という。)に本発明に係る表示装置及びプログラムを適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0033】
(第1実施形態)
1.図面の説明
図1は本実施形態に係る多機能装置10の概要を示すブロック図であり、図2、図3は本実施形態に係る多機能装置10にてダイレクト印刷を行う際の制御を示すフローチャートであり、図4は外部記憶装置30に記憶されているファイルの一例を示す図表であり、図5は表示部13の表示例を示す図である。
【0034】
2.多機能装置の概要(図1参照)
多機能装置10は、図1に示すように、記録用紙等の記録媒体に画像を形成する記録部11、ユーザにより操作される操作パネル12、各種の情報を表示する表示部13、外部記憶装置30が着脱可能に装着される第1接続端子14及び第2接続端子15、NIC(Network Interface Card)16等のネットワーク接続用のインターフェース、スキャナ部17、ファクシミリ回路18、記憶部19並びに記録部11等を制御する制御部20を有して構成されている。
【0035】
そして、制御部20は、CPU、ROM及びRAM等からなる周知のマイクロコンピュータにて構成されたものであり、図2及び図3に示す制御を実行するためのプログラム等は、ROMに記憶されている。
【0036】
また、第1、2接続端子14、15は特許請求の範囲に記載された装着部に相当するもので、本実施形態では、USB(Universal Serial Bus)規格の接続端子(インターフェース)を装着部として採用しているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、他の規格の接続端子でもよい。
【0037】
一方、外部記憶装置30も、第1、2接続端子14、15に接続可能なインターフェースを有する記憶手段であれば何でもよく、具体的には、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置にて構成されたUSBメモリやSDメモリ(登録商標)、HDD等の磁気記憶装置、又は多機能装置10と直接接続して印刷するための通信規格であるPictBridgeに対応したデジタルカメラ等が外部記憶装置30として考えられる。
【0038】
また、多機能装置10は、図4に示すような第1、2接続端子14、15に接続された外部記憶装置30に記憶されている印刷ファイル等を、外部のコンピュータ(図示せず。)を介さずに直接的に印刷(以下、この印刷をダイレクト印刷という。)する機能を有している。
【0039】
なお、印刷ファイルとは、PDL(Page Description Language)形式等の多機能装置10にて実行可能な特定形式のデータをいい、本実施形態に係る多機能装置10は、印刷ファイルに加えて、BMP(Bit Map)形式やJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の画像ファイルもダイレクト印刷することができる。そこで、以下の説明においては、BMP形式やJPEG形式等の画像ファイルも含めて、ダイレクト印刷が可能なファイルを印刷ファイルと呼ぶ。
【0040】
3.本実施形態に係る多機能装置の特徴的作動(図2〜図5参照)
図2は、ダイレクト印刷が実行されていない状態で、ユーザによりダイレクト印刷が選択されたときに実行される制御を示すフローチャートであり、図3は、既にダイレクト印刷が実行されている状態で、ユーザにより新たなダイレクト印刷指令がされたときに実行される制御を示すフローチャートである。
【0041】
因みに、ダイレクト印刷(図2又は図3に示す制御)は、操作パネル12に設けられたファンクションキー(図示せず。)がユーザにより操作されたとき、又は表示部13に表示されたファンクションキー(図示せず。)がユーザにより選択されたときに多機能装置10で実行される。
【0042】
なお、「既にダイレクト印刷が実行されている状態」とは、ユーザによりダイレクト印刷が選択され、その選択されたダイレクト印刷が完了していない状態をいう。
したがって、実際に記録部11が作動している状態は勿論のこと、ダイレクト印刷指令がされた(ダイレクト印刷のファンクションキーが選択された)後、実際に記録部11が作動する前の状態も「既にダイレクト印刷が実行されている状態」に含まれる。
【0043】
3.1.ダイレクト印刷が実行されていない場合(図2参照)
ダイレクト印刷が実行されていない状態で、操作パネル12又は表示部13を介してユーザによりダイレクト印刷が選択されると、図2に示す制御が起動され、制御部20のCPUによって本制御が実行される。
【0044】
先ず、第1接続端子14及び第2接続端子15のいずれかに外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S1)。
そして、例えば第1接続端子14に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S1:YES)、第1接続端子14に装着された外部記憶装置30(以下、第1外部記憶装置31と記す。)内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S5)。
【0045】
なお、「ファイルの情報」とは、少なくともファイルのファイル名を含む、ファイルに付帯された情報を意味し、ファイル名以外の情報としては、例えばファイルの所有者(作成者)やファイルの作成又は変更の日時等がある。
【0046】
次に、計時用のタイマー(図示せず。)が初期化されて計時が開始され(S10)、計時開始後、所定時間(例えば、10秒)が経過したか否かが判定される(S15)。そして、所定時間が経過していないと判定された場合には(S15:NO)、他の外部記憶装置30が装着されたか否か、つまり第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S20)。
【0047】
このとき、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されていないと判定された場合には(S20:NO)、再び、所定時間が経過したか否かが判定される(S15)。
一方、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S20:YES)、第2接続端子15に装着された外部記憶装置30(以下、第2外部記憶装置32と記す。)内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S25)。
【0048】
次に、再び、計時用のタイマーが初期化されて計時が開始され(S10)、計時開始後、所定時間が経過したか否かが判定される(S15)。
そして、第1、2接続端子14、15に外部記憶装置30が新たに装着されない状態が継続し(S20:NO)、その継続時間が所定時間を超えたときに(S15:YES)、S5及びS25にて作成されたリスト、つまり所定時間が経過したと判定されるまでに第1、2接続端子14、15に装着された全ての外部記憶装置30に記憶されているファイルのリスト(図5参照)が表示部13に表示される(S30)。
【0049】
次に、表示部13に表示されたファイル名の中から、ダイレクト印刷すべきファイルとしてユーザにより指示されたファイルが多機能装置10により選択され(S35)、その選択されたファイルのダイレクト印刷が開始される(S40)。
【0050】
ダイレクト印刷が開始されると、ファイルのリスト表示が禁止され、S30で表示部13に表示したファイルのリストが表示部13から消去される(S43)。
そして、ダイレクト印刷が終了したか否かが判定され(S45)、ダイレクト印刷が終了したと判定された場合には(S45:YES)、本制御が終了する。
【0051】
一方、ダイレクト印刷が終了していないと判定された場合には(S45:NO)、ダイレクト印刷が終了するまでS45の処理が繰り返される。
3.2.既にダイレクト印刷が実行されている場合(図3参照)
既にダイレクト印刷が実行されている状態で、ユーザにより新たなダイレクト印刷指令がされると、図3に示す制御が起動され、制御部20のCPUによって本制御が実行される。
【0052】
先ず、第1接続端子14及び第2接続端子15のいずれかに外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S50)。
そして、例えば第1接続端子14に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S50:YES)、第1接続端子14に装着された外部記憶装置30、つまり第1外部記憶装置31内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S55)。
【0053】
次に、計時用のタイマーが初期化されて計時が開始され(S60)、計時開始後、前記の所定時間が経過したか否かが判定される(S65)。そして、所定時間が経過していないと判定された場合には(S65:NO)、他の外部記憶装置30が装着されたか否か、つまり第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S70)。
【0054】
このとき、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されていないと判定された場合には(S70:NO)、再び、所定時間が経過したか否かが判定される(S65)。
一方、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S70:YES)、第2接続端子15に装着された外部記憶装置30、つまり第2外部記憶装置32内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S75)。
【0055】
次に、再び、計時用のタイマーが初期化されて計時が開始され(S60)、計時開始後、所定時間が経過したか否かが判定され(S65)、第1、2接続端子14、15に外部記憶装置30が新たに装着されない状態が継続し(S70:NO)、その継続時間が前記所定時間を超えたときに(S65:YES)、既に実行されているダイレクト印刷が終了したか否か判定される(S80)。
【0056】
そして、既に実行されているダイレクト印刷が終了したと判定された場合には(S80:YES)、S55及びS75にて作成されたリスト、つまり所定時間が経過するまでに第1、2接続端子14、15に装着された全ての外部記憶装置30に記憶されているファイルのリスト(図5参照)の表示が許可され、表示を許可されたファイルのリストが表示部13に表示される(S85)。
【0057】
一方、ダイレクト印刷が終了していないと判定された場合には(S80:NO)、S55及びS75にて作成されたリストの表示が許可されない状態で、ダイレクト印刷が終了するまで待機(禁止)状態となる。
【0058】
そして、ダイレクト印刷終了後、外部記憶装置30に記憶されているファイルのリストが表示部13に表示されると(S85)、表示部13に表示されたファイル名の中から、ダイレクト印刷すべきファイルとしてユーザにより指示されたファイルが多機能装置10により選択され(S90)、その選択されたファイルのダイレクト印刷が開始される(S95)。
【0059】
ダイレクト印刷が開始されると、ファイルのリスト表示が禁止され、S85で表示部13に表示したファイルのリストが表示部13から消去される(S43)。
そして、ダイレクト印刷が終了したか否かが判定され(S100)、ダイレクト印刷が終了したと判定された場合には(S100:YES)、本制御が終了する。
【0060】
一方、ダイレクト印刷が終了していないと判定された場合には(S100:NO)、ダイレクト印刷が終了するまでS100の処理が繰り返される。
4.本実施形態に係る多機能装置の特徴
本実施形態では、第1、2接続端子14、15のいずれか一方に外部記憶装置30が装着された時から他の外部記憶装置30が他方の接続端子に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、同一ユーザにより外部記憶装置30が装着されたものとみなして、所定時間が経過するまでに第1、2接続端子14、15に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示させるので、複数の外部記憶装置30のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、外部記憶装置30が第1、2接続端子14、15のいずれかに新たに装着された時から更に他の外部記憶装置30が第1、2接続端子14、15のいずれかに装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、所定時間が経過するまでに第1、2接続端子14、15に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示部13に表示させるので、前回、外部記憶装置30が装着された時から、今回、外部記憶装置30が装着されたときまでの経過時間が所定時間以下の場合に、それまでに装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名が表示される。
【0062】
このように、本実施形態では、最初に外部記憶装置30を装着した時からの経過時間が所定時間以下であるか否かを判定するのではなく、最後に外部記憶装置を装着した時からの経過時間が所定時間以下であるか否かを判定するので、同一ユーザが3つ以上の外部記憶装置30を装着する必要があるときに更に使い勝手を向上させることができる。
【0063】
すなわち、本実施形態では、接続端子が2つであったので、最初に外部記憶装置30を装着した時から所定時間経過した時までの経過時間(以下、第1経過時間という。)と、最初に外部記憶装置30を装着した時から最後に外部記憶装置30を装着した時までの経過時間(以下、経過時間Aという。)と最後に外部記憶装置30を装着した時から所定時間経過した時までの経過時間とを合わせた総経過時間(以下、第2経過時間という。)とは同じとなる。これは、接続端子が2つである場合、最初に装着された外部記憶装置30と最後に装着された外部記憶装置30とは同一のものであるため、経過時間Aは0となるからである。
【0064】
しかし、接続端子が3つ以上の場合であって、かつ、最初に外部記憶装置30が装着されてから所定時間経過するまでに2つ目、つまり最後の外部記憶装置30が装着された場合、経過時間Aは0より大きくなるので、第2経過時間は第1経過時間より長くなる。
【0065】
したがって、同一ユーザの外部記憶装置30であると判定するための時間を実質的に長くすることができるので、同一ユーザが3つ以上の外部記憶装置30を装着する必要があるときに更に使い勝手を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態では、図3のS80に示すように、印刷が開始された後、つまり既にダイレクト印刷が実行されているときに装着された外部記憶装置30のユーザは、現在、ダイレクト印刷が実行されているファイルを記憶した外部記憶装置30のユーザとは異なるユーザのものであるとみなして、ファイル名の表示を禁止する。
【0067】
また、図2のS43や図3のS97に示すように、ダイレクト印刷が開始されたときには、ダイレクト印刷が開始されるときに表示されていたファイル名の表示は終了しているので、既にダイレクト印刷が実行されているファイルの内容が表示部13に表示されることはない。したがって、複数の外部記憶装置30のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【0068】
そして、図3のS85に示すように、ダイレクト印刷が終了したときに、ダイレクト印刷開始後に新たに装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名の表示を許可するので、ダイレクト印刷が開始された後に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示させることができる。
【0069】
5.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、第1、2接続端子14、15が特許請求の範囲に記載された装着部に相当し、S30及びS85が特許請求の範囲に記載された表示手段に相当し、S40及びS95が特許請求の範囲に記載された印刷手段に相当し、S80:NOが特許請求の範囲に記載された禁止手段に相当し、S80:YESが許可手段に相当する。
【0070】
(第2実施形態)
上述の実施形態では、所定時間の経過後に、所定時間が経過するまでに装着された全ての外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示させたが、本実施形態は、外部記憶装置30が装着される毎に、その外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示させるものである。
【0071】
図6は、第1実施形態の図2に相当する制御を示すフローチャートであり、図7は表示部13におけるファイル名の表示例を示す図であり、図7(a)は1番目の外部記憶装置30が装着されたときの表示例であり、図7(b)は2番目の外部記憶装置30が装着されたときの表示例である。
【0072】
以下、ダイレクト印刷が実行されていない場合(図6参照)を例に、本実施形態の特徴的制御を説明する。
図6に示す制御が起動されると、先ず、第1接続端子14及び第2接続端子15のいずれかに外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S110)。
【0073】
そして、例えば第1接続端子14に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S110:YES)、第1外部記憶装置31内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストが作成された後(S115)、そのリスト(図7(a)参照)が表示部13に表示される(S120)。
【0074】
次に、計時用のタイマーが初期化されて計時が開始され(S125)、計時開始後、前記の所定時間が経過したか否かが判定される(S130)。そして、所定時間が経過していないと判定された場合には(S130:NO)、他の外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S135)。
【0075】
このとき、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されていないと判定された場合には(S135:NO)、再び、所定時間が経過したか否かが判定される(S130)。
一方、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S135:YES)、第2外部記憶装置32内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストが作成された後(S140)、そのリスト(図7(b)参照)が表示部13に追加表示される(S145)。
【0076】
次に、再び、計時用のタイマーが初期化されて計時が開始され(S125)、計時開始後、所定時間が経過したか否かが判定される(S130)。そして、第1、2接続端子14、15に外部記憶装置30が新たに装着されない状態が継続し(S135:NO)、その継続時間が前記所定時間を超えたときに(S130:YES)、表示部13に表示されたファイル名の中から、ダイレクト印刷すべきファイルとしてユーザにより指示されたファイルが多機能装置10により選択される(S150)。
【0077】
その後、S150にて選択されたファイルのダイレクト印刷が開始された後(S155)、ファイルのリスト表示が禁止され、S120やS145で表示部13に表示したファイルのリストが表示部13から消去される(S157)。そして、ダイレクト印刷が終了したか否かが判定され(S160)、ダイレクト印刷が終了したと判定された場合には(S160:YES)、本制御が終了する。
【0078】
一方、ダイレクト印刷が終了していないと判定された場合には(S160:NO)、ダイレクト印刷が終了するまでS160の処理が繰り返される。
(第3実施形態)
上述の実施形態では、第1、2接続端子14、15に外部記憶装置30が新たに装着されない状態が継続し、その継続時間が所定時間を超えたときに、所定時間が経過したものと判定したが、本実施形態は、最初に計時用のタイマーが初期化された時からの累積経過時間が所定時間を超えたときに、所定時間が経過したものと判定するものである。
【0079】
図8は第1実施形態の図2に相当する制御を示すフローチャートであり、図8では、図2と同一制御ステップには同一のステップ番号を付してある。
そして、本実施形態では、図8に示すように、計時用のタイマーが初期化されて計時が開始された後(S10)、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着された(S20:YES)としてもS10が実行されることなく、所定時間が経過したか否かが判定される(S15)。
【0080】
このため、本実施形態では、最初に計時用のタイマーが初期化された時からの累積経過時間が所定時間を超えたときに(S15:YES)、所定時間が経過したものと判定されて作成されたリストの内容が表示部13に表示される(S30)。
【0081】
なお、図8は本実施形態を第1実施形態に適用した例であったが、本実施形態の適用はこれに限定されるものではなく、第2実施形態にも適用できる。
(第4実施形態)
上述の実施形態では、第1、2接続端子14、15のいずれかに外部記憶装置30が装着された時からの経過時間に基づいて、同一ユーザにより他の外部記憶装置30が装着されたか否か、つまり同一ユーザによる外部記憶装置30の装着作業が完了したか否かを判定したが、本実施形態は、ユーザから外部記憶装置30の装着作業が完了した指示が受け付けられたか否かを判定することにより、同一ユーザによる外部記憶装置30の装着作業が完了したか否かを判定するものである。
【0082】
図9は、ダイレクト印刷が実行されていない状態で、ユーザによりダイレクト印刷が選択されたときに実行される制御を示すフローチャートであり、図10は、既にダイレクト印刷が実行されている状態で、ユーザにより新たなダイレクト印刷指令がされたときに実行される制御を示すフローチャートである。
【0083】
1.1.ダイレクト印刷が実行されていない場合(図9参照)
ダイレクト印刷が実行されていない状態で、操作パネル12又は表示部13を介してユーザによりダイレクト印刷が選択されると、図9に示す制御が起動され、制御部20のCPUによって本制御が実行される。
【0084】
先ず、第1接続端子14及び第2接続端子15のいずれかに外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S170)。
そして、例えば第1接続端子14に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S170:YES)、第1外部記憶装置31内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S175)。
【0085】
次に、操作パネル12に設けられたファンクションキー(図示せず。)又は表示部13に表示されたファンクションキー(図示せず。)がユーザにより操作又は選択されたか否かに基づいて、外部記憶装置30の装着が完了したか否かが判定される(S180)。
【0086】
そして、外部記憶装置30の装着が完了していないと判定された場合には(S180:NO)、他の外部記憶装置30が装着されたか否か、つまり第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S185)。
【0087】
このとき、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されていないと判定された場合には(S185:NO)、再び、外部記憶装置30の装着が完了したか否かが判定される(S180)。
【0088】
一方、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S185:YES)、第2外部記憶装置32内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S190)。
【0089】
次に、再び、外部記憶装置30の装着が完了したか否かが判定され(S180)、外部記憶装置30の装着が完了したと判定された場合には(S180:YES)、この判定時以降に装着された外部記憶装置30からの抽出内容に基づいて作成されたリストが表示部13に表示されることが禁止される(S195)。
【0090】
その後、外部記憶装置30の装着が完了したと判定されるまでに第1、2接続端子14、15に装着された全ての外部記憶装置30に記憶されているファイルのリスト(図5参照)が表示部13に表示される(S200)。
【0091】
そして、表示部13に表示されたファイル名の中から、ダイレクト印刷すべきファイルとしてユーザにより指示されたファイルが多機能装置10により選択され(S205)、その選択されたファイルのダイレクト印刷が開始される(S210)。
【0092】
ダイレクト印刷が開始されると、ファイルのリスト表示が禁止され、S200で表示部13に表示したファイルのリストが表示部13から消去される(S213)。
次に、ダイレクト印刷が終了したか否かが判定され(S215)、ダイレクト印刷が終了したと判定された場合には(S215:YES)、S195にて設定された禁止状態が解除された後(S220)、本制御が終了する。
【0093】
一方、ダイレクト印刷が終了していないと判定された場合には(S215:NO)、ダイレクト印刷が終了するまでS215の処理が繰り返される。
1.2.既にダイレクト印刷が実行されている場合(図10参照)
既にダイレクト印刷が実行されている状態で、ユーザにより新たなダイレクト印刷指令がされると、図10に示す制御が起動され、制御部20のCPUによって本制御が実行される。
【0094】
先ず、第1接続端子14及び第2接続端子15のいずれかに外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S230)。
そして、例えば第1接続端子14に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S230:YES)、第1外部記憶装置31内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S235)。
【0095】
次に、操作パネル12に設けられたファンクションキー(図示せず。)又は表示部13に表示されたファンクションキー(図示せず。)がユーザにより操作又は選択されたか否かに基づいて、外部記憶装置30の装着が完了したか否かが判定される(S240)。
【0096】
そして、外部記憶装置30の装着が完了していないと判定された場合には(S240:NO)、他の外部記憶装置30が装着されたか否か、つまり第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたか否かが判定される(S245)。
【0097】
このとき、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されていないと判定された場合には(S245:NO)、再び、外部記憶装置30の装着が完了したか否かが判定される(S240)。
【0098】
一方、第2接続端子15に外部記憶装置30が装着されたと判定された場合には(S245:YES)、第2外部記憶装置32内に記憶されているファイルの情報の抽出が開始されるとともに、その抽出内容を示すリストの作成が開始される(S250)。
【0099】
次に、再び、外部記憶装置30の装着が完了したか否かが判定され(S240)、外部記憶装置30の装着が完了したと判定された場合には(S240:YES)、この判定時以降に装着された外部記憶装置30からの抽出内容に基づいて作成されたリストが表示部13に表示されることが禁止される(S225)。
【0100】
そして、既に実行されているダイレクト印刷が終了しているか否か、つまりリストの表示を許可してもよいか否かが判定され(S260)、既に実行されているダイレクト印刷が終了していると判定された場合には(S260:YES)、リストの表示が許可され、外部記憶装置30の装着が完了したと判定されるまでに第1、2接続端子14、15に装着された全ての外部記憶装置30に記憶されているファイルのリスト(図5参照)が表示部13に表示される(S265)。
【0101】
なお、既に実行されているダイレクト印刷が終了していない場合には(S260:NO)、S235及びS250にて作成されたリストの表示が許可されない状態で、既に実行されているダイレクト印刷が終了するまで、待機状態となる。
【0102】
次に、既に実行されていたダイレクト印刷の終了後、表示部13に表示されたファイル名の中から、ダイレクト印刷すべきファイルとしてユーザにより指示されたファイルが多機能装置10により選択され(S270)、その選択されたファイルのダイレクト印刷が開始される(S275)。
【0103】
ダイレクト印刷が開始されると、ファイルのリスト表示が禁止され、S265で表示部13に表示したファイルのリストが表示部13から消去される(S277)。
そして、ダイレクト印刷が終了したか否かが判定され(S280)、ダイレクト印刷が終了したと判定された場合には(S280:YES)、S255にて設定された禁止状態が解除された後(S285)、本制御が終了する。
【0104】
一方、ダイレクト印刷が終了していないと判定された場合には(S280:NO)、ダイレクト印刷が終了するまでS280の処理が繰り返される。
2.本実施形態に係る多機能装置の特徴
本実施形態では、ユーザから指示により装着作業が完了したと判定されたときに、その判定がされるまでに第1、2接続端子14、15に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示させるので、複数の外部記憶装置30のユーザが同一である場合の使い勝手を向上させることができる。
【0105】
また、本実施形態では、装着作業が完了した指示が受け付けられたと判定された時以降に第1、2接続端子14、15に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名の表示を禁止させるので、装着作業が完了した指示が受け付けられる前に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名とともに、装着作業が完了した指示が受け付けられた後に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名が表示されてしまうことを確実に防止できる。
【0106】
また、本実施形態では、装着作業が完了した指示が受け付けられた時までに装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルの印刷が終了したときに、禁止状態を解除するので、装着作業が完了した指示が受け付けられた時以降に装着された外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名を表示させることができる。
【0107】
3.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、S180及びS240が特許請求の範囲に記載された受付手段に相当し、S200及びS265が特許請求の範囲に記載された表示手段に相当し、S195及びS255が特許請求の範囲に記載された禁止手段に相当し、S220及びS285が特許請求の範囲に記載された解除手段に相当する。
【0108】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、同一のユーザに装着されたものと見なされた複数の外部記憶装置30に記憶されていたファイルのファイル名を全て表示したが、本実施形態は、全てのファイル名を表示させる場合と、いずれかの外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名のみを表示させる場合とを、ユーザからの指示に従って切り替える機能を設けたものである。
【0109】
すなわち、図11は、複数の外部記憶装置30に記憶されていたファイルのファイル名を全て表示させる場合と、いずれかの外部記憶装置30(本実施形態では、第1接続端子14に装着された外部記憶装置30)に記憶されているファイルのファイル名のみを表示させる場合とを切り替えるための設定画面を示す図である。
【0110】
そして、図11に示す設定画面は、ユーザが操作パネル12に設けられたファンクションキー(図示せず。)又は表示部13に表示されたファンクションキー(図示せず。)を操作又は選択することにより表示部13に表示され、この設定画面を介していずれかの表示方法がユーザにより選択されると、以後、この設定に従って外部記憶装置30に記憶されているファイルのファイル名が表示される。
【0111】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明を多機能装置に適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、表示装置やプリンタ機能のみ有する画像形成装置にも適用できる。
【0112】
また、上述の実施形態では、接続端子(装着部)を2つ有する多機能装置を例に本発明を説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、3つ以上の接続端子(装着部)を有する多機能装置にも適用できる。
【0113】
また、上述の実施形態では、接続端子(装着部)を2つ有する多機能装置を例に本発明を説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、1つの接続端子(装着部)を有する多機能装置にも適用できる。なお、この場合、同時に複数の外部記憶装置30を装着することは不可能であるので、複数の外部記憶装置30の着脱を繰り返すことにより実現することができる。
【0114】
また、上述の実施形態では、「所定時間」が固定値であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定時間を変更するための手段を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、ダイレクト印刷が開始されたタイミングで、そのダイレクト印刷に使用されているファイルのリスト表示が禁止されるようにしたが、ダイレクト印刷開始後、所定時間経過後に表示が禁止されてもよい。
【0115】
また、上述の実施形態では、ダイレクト印刷が開始されたタイミングで、そのダイレクト印刷に使用されているファイルのリスト表示が禁止されるようにしたが、ダイレクト印刷開始後に新たに外部記憶装置が装着されたタイミングで、そのダイレクト印刷に使用されているファイルのリスト表示が禁止されるようにしてもよい。
【0116】
また、上述の第1〜3実施形態では、外部記憶装置30が装着されてファイル情報が抽出された後に、計時を開始したが、本発明は外部記憶装置30が装着された時を基準として計時するものであるので、本発明は第1〜3実施形態に示された例に限定されるものではなく、外部記憶装置30が装着された時から計時を開始してもよい。
【0117】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本実施形態に係る多機能装置10の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る多機能装置10にてダイレクト印刷を行う際の制御を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係る多機能装置10にてダイレクト印刷を行う際の制御を示すフローチャートである。
【図4】外部記憶装置30に記憶されているファイルの一例を示す図表である。
【図5】本発明の第1実施形態における表示部13の表示例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る多機能装置10にてダイレクト印刷を行う際の制御を示すフローチャートである。
【図7】(a)は1番目の外部記憶装置30が装着されたときの表示例を示す図であり、(b)は2番目の外部記憶装置30が装着されたときの表示例を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る多機能装置10にてダイレクト印刷を行う際の制御を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4実施形態に係る多機能装置10にてダイレクト印刷を行う際の制御を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第4実施形態に係る多機能装置10にてダイレクト印刷を行う際の制御を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第5実施形態における設定画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
10…多機能装置、11…記録部、12…操作パネル、13…表示部、
14、15…接続端子、17…スキャナ部、18…ファクシミリ回路、
20…制御部、30…外部記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶装置が装着される装着部と、
前記装着部に外部記憶装置が装着された時を基準として他の外部記憶装置が前記装着部に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、前記所定時間が経過するまでに前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、外部記憶装置が前記装着部に新たに装着された時を基準として更に他の外部記憶装置が前記装着部に装着された時までの時間が前記所定時間以下の場合に、前記所定時間が経過するまでに前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記所定時間が経過する前においては、前記装着部に外部記憶装置が装着される毎に、その外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記所定時間の経過後に、前記所定時間が経過するまでに前記装着部に装着された全ての外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項5】
外部記憶装置が装着される装着部と、
前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルを印刷する印刷手段と、
前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段と、
前記印刷手段により印刷が開始された後に、前記表示手段によるファイル名の表示を禁止させる禁止手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記印刷手段による印刷終了後に、前記印刷開始後に新たに前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名の表示を許可する許可手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
外部記憶装置が装着される装着部と、
ユーザから外部記憶装置の装着作業が完了した指示を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記指示が受け付けられるまでに前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記受付手段により前記指示が受け付けられた時以降に前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名の表示を禁止させる禁止手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルを印刷する印刷手段と、
前記受付手段により前記指示が受け付けられた時までに装着された外部記憶装置に記憶されているファイルの印刷が終了したときに、前記禁止手段による禁止処理を解除させる解除手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
外部記憶装置が装着される装着部と、
前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を表示させる表示手段と、
前記表示手段により前記ファイル名が表示される対象となる外部記憶装置を、前記装着部に装着された全ての外部記憶装置とするか、前記装着部に装着された外部記憶装置のうちのいずれか1つの外部記憶装置とするかを切り替えるための切替手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
前記装着部が複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項12】
外部記憶装置が装着される装着部、及び情報を表示する表示部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記装着部に外部記憶装置が装着された時から他の外部記憶装置が前記装着部に装着された時までの時間が所定時間以下の場合に、前記所定時間が経過するまでに前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を前記表示部に表示させる表示手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
外部記憶装置が装着される装着部、情報を表示する表示部、及び印刷を実行する印刷部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を前記表示部に表示させる表示手段、及び
前記印刷部により印刷が開始された後に、前記表示手段によるファイル名の表示を禁止させる禁止手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
外部記憶装置が装着される装着部、及び情報を表示する表示部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザから外部記憶装置の装着作業が完了した指示を受け付ける受付手段、及び
前記受付手段により前記指示が受け付けられるまでに前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を前記表示部に表示させる表示手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
外部記憶装置が装着される装着部、及び情報を表示する表示部を備える表示装置に組み込まれるコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記装着部に装着された外部記憶装置に記憶されているファイルのファイル名を前記表示部に表示させる表示手段、及び
前記表示手段により前記ファイル名が表示される対象となる外部記憶装置を、前記装着部に装着された全ての外部記憶装置とするか、前記装着部に装着された外部記憶装置のうちのいずれか1つの外部記憶装置とするかを切り替えるための切替手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−94873(P2009−94873A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264452(P2007−264452)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】