説明

表示装置及びミシン

【課題】画面の視認性を確保しつつ、より多くの情報をユーザに提示することが可能な表示装置及びその表示装置を備えたミシンを提供する。
【解決手段】液晶ディスプレイ15の前面には、透明なタッチパネルが設けられている。液晶ディスプレイ15には、第一表示領域100の下側に隣接して第二表示領域160が表示されている。第一表示領域100には、模様選択キー103などが表示されている。第二表示領域160には、機能キー50が1行分表示されている。機能キー50は、模様に所定の設定を行うためのキーである。第二表示領域160には、タブ161が設けられている。ユーザがタブ161を操作すると、第二表示領域160が大きくなり、2行分の機能キー50が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫製に関する情報を表示することが可能な表示装置、及びその表示装置を備えたミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縫製に関する複数の情報が表示される表示装置、及びその表示装置を備えたミシンが知られている。例えば、特許文献1に記載のミシンでは、液晶ディスプレイに、項目表示領域である模様選択画面、模様のジグザグの振り幅の表示や設定をする領域、模様の縫目長さの表示や設定をする領域、模様の糸調子の表示や設定をする領域、及び各種入力選択キーなどが表示されている。また、例えば、模様選択画面には、20個の実用模様のキーが表示されている。このように、縫製に関する種々の情報を示す表示が液晶ディスプレイに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−12175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ミシンが多機能になるほど、縫製に関する情報を示す表示の数は多くなる。このため、全ての情報の表示を液晶ディスプレイに表示させると、画面が煩雑になり、視認性が悪くなるという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、画面の視認性を確保しつつ、より多くの情報をユーザに提示することが可能な表示装置及びその表示装置を備えたミシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る表示装置は、縫製に関する情報を含む第一情報を表示する領域である第一表示領域と、縫製に関する情報であって前記第一情報とは異なる情報を含む第二情報を表示する領域である第二表示領域とを隣接させて表示部に表示する第一表示制御手段と、前記第一表示制御手段によって前記表示部に表示された前記第一表示領域と前記第二表示領域とのうち、少なくとも一方の表示領域の大きさを変更して前記表示部に表示する変更手段とを備えている。この場合、第一表示領域と第二表示領域とのうち、少なくとも一方の表示領域の大きさを変更できる。このため、例えば、画像の視認性を確保できる程度の数の情報を表示領域に表示しておき、必要に応じて表示領域の大きさを大きくすることで、今まで表示されていなかった情報をユーザに対して提示することができる。このように、本発明は、画像の視認性を確保しつつ、より多くの情報をユーザに提示することができる。
【0007】
前記表示装置において、前記第一表示領域又は前記第二表示領域の大きさを変更するための操作が入力される入力手段を備え、前記変更手段は、前記入力手段を介して前記操作が入力された場合に、前記第一表示制御手段によって前記表示部に表示されている前記第一表示領域と前記第二表示領域とのうち、前記操作に応じた表示領域の大きさを変更して前記表示部に表示してもよい。この場合、ユーザは、入力手段を操作することで、第一表示領域と第二表示領域とのうち、所望の表示領域の大きさを変更することができる。
【0008】
前記表示装置において、前記第一表示制御手段は、前記表示部における前記第二表示領域内に、前記第二表示領域の大きさを変更する操作部であることを示す特定部位を表示し、前記変更手段は、前記入力手段によって前記特定部位が操作された場合に、少なくとも前記第二表示領域の大きさを変更してもよい。この場合、ユーザは、特定部位に対応するタッチパネルの部位を操作することで、第二表示領域の大きさを変更することができる。特定部位が表示されることによって、ユーザは、第二表示領域の大きさを変更する操作部の位置を認識し易くなる。よって、ユーザが第二表示領域の大きさを変更する場合の操作性が向上する。
【0009】
前記表示装置において、前記特定部位は、前記第二表示領域から、前記第二表示領域に隣接する前記第一表示領域側に向けて突出する部位であってもよい。この場合、特定部位が突出しているため、画面上で、特定部位が強調される。よって、ユーザは、特定部位の位置をより認識し易くなる。
【0010】
前記表示装置は、前記特定部位の内側に、前記第二表示領域の大きさを変更可能な方向を示す表示である方向表示を表示し、前記変更手段によって前記大きさが変更された場合に、前記方向表示を、次回に第二表示領域の大きさを変更可能な方向に切り替える方向表示手段を備えてもよい。この場合、大きさを変更可能な方向が特定部位に表示されるため、ユーザは、特定部位を操作した場合に、第二表示領域の大きさが変化する方向を容易に認識することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
【0011】
前記表示装置において、前記第一表示領域に表示される前記第一情報は、縫製を行う模様を選択するための複数の模様選択キーを含み、前記第二表示領域に表示される前記第二情報は、前記模様に所定の設定を行うための複数種類の機能キーを含んでもよい。この場合、表示領域の大きさを変更しながら、第一表示領域に表示された模様選択キーを操作して模様を選択し、第二表示領域に表示された機能キーを操作して、模様に所定の設定を行うことができる。このため、ユーザは、縫製を行う模様の選択及び設定をスムーズに行うことができる。
【0012】
前記表示装置において、前記表示部は、液晶ディスプレイであり、前記入力手段は、前記液晶ディスプレイの表面に設けられた透明なタッチパネルであってもよい。この場合、ユーザは、タッチパネルを操作して、第一表示領域と第二表示領域とのうち、所望の表示領域の大きさを変更することができるので、直観的に操作を行うことができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
【0013】
本発明の第2の態様にかかるミシンは、前記表示装置を備えている。この場合、ミシンにおいて、前記表示装置が有する効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】開閉カバー16が開けられたミシン1を前斜め上方から見た図である。
【図2】ミシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】液晶ディスプレイ15に表示される画像の一例を示す図である。
【図4】模様が選択された状態の画像の一例を示す図である。
【図5】図4に示す選択模様表示121が左右反転された状態の画像の一例を示す図である。
【図6】図5の第二表示領域160が、大領域状態に変化した状態の画像の一例を示す図である。
【図7】図6に示す選択模様表示121の大きさが大きくされた状態の画像の一例を示す図である。
【図8】メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】図7に示す第二表示領域160が、小領域状態に変化した状態の画像の一例を示す図である。
【図10】第一表示領域100の上側に隣接して第二表示領域160が表示された状態の画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具現化した実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施形態は、上下動する針に対して相対的に加工布を移動して加工布に縫い目を形成するミシンに本発明を適用した場合の一例である。
【0016】
まず、ミシン1の物理的構成について、図1を参照して説明する。以下の説明では、図1における紙面の手前側、奥行き側、上側、下側、左側、右側を、それぞれミシン1の前側、後側、上側、下側、左側、右側と定義して説明する。
【0017】
図1に示すように、ミシン1は、左右方向に長いミシンベッド11と、ミシンベッド11の右端部から上方へ立設された脚柱部12と、脚柱部12の上端から左方へ延びるアーム部13と、アーム部13の左先端部に設けられた頭部14とを有する。ミシンベッド11には、ミシンベッド11上面に配設された針板33と、この針板33の下側に設けられ、縫製を施そうとする加工布(図示外)を所定の送り量で移送するための送り歯34と、この送り歯34を駆動する布送り機構(図示外)と、送り量を調整する送り量調整用パルスモータ78(図2参照)と、釜機構(図示外)とが設けられている。頭部14には、縫針29が装着された針棒(図示外)を上下方向に駆動させる針棒機構(図示外)と、この針棒を左右方向に揺動させる針振り・針棒釈放パルスモータ80(図2参照)と、天秤機構(図示外)とが設けられている。
【0018】
脚柱部12の前面には、縦長の長方形形状を有する液晶ディスプレイ15が設けられている。この液晶ディスプレイ15には、例えば、縫製作業に必要な各種の機能を実行するためのキー、各種のメッセージ、及び種々の模様等が表示される。
【0019】
液晶ディスプレイ15の表面(前面)には、透明なタッチパネル26が設けられている。このため、これらの液晶ディスプレイ15に表示された画面の各種キーなどに対応するタッチパネル26を、指や専用のタッチペンを用いて押圧操作することにより、例えば、縫製に供する模様の選択や選択した模様についての各種の設定等を実行することができる(以下、この操作を「パネル操作」と言う。)。
【0020】
また、脚柱部12の右側面には、メモリーカード等の外部記憶装置(図示外)を接続可能なコネクタ38が設けられている。このコネクタ38を介して、外部記憶装置から模様のデータや、各種プログラムをミシン1の内部に取り込んだり、ミシン1の外部に出力したりすることが可能である。
【0021】
次に、アーム部13の構成について説明する。アーム部13には、その上部側を開閉する開閉カバー16が取り付けられている。この開閉カバー16はアーム部13の長手方向に設けられ、アーム部13の上後端部に左右方向向きの軸回りに開閉可能に軸支されている。この開閉カバー16を開けた状態の、アーム部13の上部中央近傍には、ミシン1に糸を供給する糸駒19を収容するための凹部である糸収容部17が設けられている。この糸収容部17の脚柱部12側の内壁面には、頭部14に向かって突出し、糸駒19を装着するための糸立棒18が配設され、糸駒19は、糸駒19が備える挿入孔が糸立棒18に挿入されて装着される。この糸駒19から延びる上糸20は、図示しないが、頭部14に設けられた糸張力を調整する糸調子器及び糸取バネ、上下に往復駆動して上糸を引き上げる天秤等の複数の糸掛部を経由して、針棒に装着された縫針29に供給される。
【0022】
また、アーム部13には、ミシンモータ79(図2参照)により回転駆動され、アーム部13の長手方向に延設されるミシン主軸(図示外)が設けられ、このミシン主軸の回転により針棒機構と天秤機構とが駆動される。
【0023】
このアーム部13の前面下部には、スイッチ群21が設けられている。スイッチ群21は、縫製開始・停止スイッチ、返し縫いスイッチ、針上下スイッチ、押え足昇降スイッチ、及び自動糸掛開始スイッチ等を備えている。
【0024】
また、アーム部13の左先端部に設けられた頭部14には、前述の針棒、天秤、糸調子器、糸取バネの他、図示しないが、自動糸掛け装置、自動糸通し機構等が設けられている。また、針棒の後側には、ミシン機枠に昇降可能に支持された押え棒(図示外)が配設され、この押え棒の下端部には、加工布を押圧するための押え足30が装着されている。
【0025】
図2を参照して、ミシン1の電気的構成について説明する。図2に示すように、ミシン1の制御部60は、CPU61,ROM62,RAM63,EEPROM64、及び入出力インターフェイス65を備え、これらはバス67により相互に接続されている。ROM62には、CPU61が処理を実行するためのプログラム、データ等が記憶されている。EEPROM64には、ミシン1が模様の縫製を実行するための複数種類の模様のデータが記憶されている。各模様のデータには、使用用途により分類したカテゴリのIDであるカテゴリ番号、カテゴリ内番号、模様パターン、模様名、及び縫製を行うための押え足30の種類の情報等が対応付けられている。また、EEPROM64には、模様の縫い目長さや糸調子等の上限値並びに下限値、最適値及び設定値が模様ごとに記憶されている。RAM63には、種々の一時データが記憶される。
【0026】
入出力インターフェイス65には、スイッチ群21、タッチパネル26、及び駆動回路71,72,74,75が電気的に接続されている。駆動回路71は、送り量調整用パルスモータ78を駆動させる。駆動回路72は、ミシンモータ79を駆動させる。駆動回路74は、針振り・針棒釈放パルスモータ80を駆動させる。駆動回路75は、液晶ディスプレイ15を駆動させる。
【0027】
液晶ディスプレイ15に表示される画像について、図3〜図7を参照して説明する。図3〜図5に示すように、液晶ディスプレイ15の上部には、左側から右側に向けて、実用縫いキー91、文字模様縫いキー92、画面ロックキー93、及びホームキー94が表示されている。実用縫いキー91がパネル操作されると、第一表示領域100(後述)に、ミシン1によって形成される実用模様を選択するための模様選択キー103が表示される。実用模様は、例えば、直線縫い、ジグザグ縫い、ボタン穴かがり、及びキルト縫いなど、洋裁によく使う模様である。なお、図3〜図7では、実用模様縫いキー91がパネル操作されて、実用模様の模様選択キー103が表示されている状態を示している。
【0028】
文字模様縫いキー92がパネル操作されると、第一表示領域100に、ミシン1によって形成される文字模様を選択するための模様選択キー103が表示される。文字模様は、例えば、ひらがな、カタカナ、アルファベットなどの文字や飾りなどの模様である。画面ロックキー93がパネル操作されると、タッチパネル26をパネル操作しても処理を行わないようにロックされる。ホームキー94がパネル操作されると、ホーム画面が表示される。ホーム画面とは、ミシン1に電源が投入された時に、最初に表示される画面のことである。
【0029】
実用縫いキー91、文字模様縫いキー92、画面ロックキー93、及びホームキー94の下側には、第一表示領域100が表示されている。第一表示領域100は、縫製に関する情報を含む第一情報を表示する領域である。第一情報に含まれる縫製に関する情報は、例えば、実用模様の模様選択キー103、文字模様の模様選択キー103等である。なお、第一情報は、縫製に関する情報だけで構成されてもよいし、例えば、時計など、縫製に直接関係しない情報を含んでいてもよい。
【0030】
図4に示すように、第一表示領域100には、第一情報として、複数の模様選択キー103、カテゴリ選択キー141〜145、カテゴリ番号表示147、及び位置表示148が表示されている。模様選択キー103は、対応する模様の使用用途により1〜5のカテゴリ番号により識別される5つのカテゴリに分類されており、各模様選択キー103はカテゴリごとに第一表示領域100に表示される。本実施形態では、一例として、カテゴリ番号1が、「直線縫い・ジグザグ縫い」の模様群であるとし、カテゴリ番号2が、「飾り模様」の模様群であるとする。カテゴリ番号3が「ボタン穴かがり」の模様群であるとし、カテゴリ番号4が、加工布を左右方向に送ることで縫目を左右方向に形成する「横送り模様」の模様群であるとする。また、カテゴリ番号5が、「キルト縫い」の模様群であるとする。
【0031】
図3〜図5に示す第一表示領域100には、カテゴリ番号1に分類された複数個の模様選択キー103のうちの一部(図4では16個)の模様選択キー103が表示されている。また、各模様選択キー103には、カテゴリ番号131、カテゴリ内番号132、及び模様パターン133が表示されている。このカテゴリ番号131は、実用模様が分類されるカテゴリ名を表している。カテゴリ内番号132は、カテゴリ内の各模様に対して割り当てられた番号である。模様パターン133は、模様の形状の概要を表している。
【0032】
第一表示領域100に表示された模様選択キー103のうち、ユーザにより選択された模様選択キー103に対応する模様のデータは、EEPROM64から読み出され、RAM63に記憶され、カテゴリ番号、カテゴリ内番号、及び模様名が、模様選択キー103の上側の選択模様表示欄120に表示される(図4参照)。図4では、カテゴリ番号1、カテゴリ内番号16の模様選択キー103が選択され、この模様選択キー103に対応するカテゴリ内番号及び模様名「1−16 裁ち目かがり(Overcasting stitch)」が選択模様表示欄120に表示されている。
【0033】
なお、この選択された実用模様は、さらに、その模様パターンが第一表示領域100の左側に設けられた選択模様表示領域150の選択模様表示121に表示される(図4参照)。このため、ユーザは、選択した模様を縫製した場合にどのような縫い目が形成されるかを視覚的に容易に把握することができる。なお、選択模様表示領域150に表示される他の表示については、後述する。
【0034】
第一表示領域100において、複数の模様選択キー103の右側には、カテゴリ選択キー141〜145が上下方向に5つ並んで表示されている。カテゴリ選択キー141〜145は、カテゴリ番号1〜5のカテゴリを選択するためのキーであり、パネル操作が行われると、各カテゴリに含まれる模様の模様選択キー103が第一表示領域100に表示される。
【0035】
カテゴリ選択キー141〜145の右側には、カテゴリ番号表示147と位置表示148とが表示されている。カテゴリ番号表示147は、前述のカテゴリを表す表示であり、図3〜図7では、「1/5」と表示されている。これは、全部で5つあるカテゴリのうち、カテゴリ番号1に分類された模様選択キー103が第一表示領域100に表示されていることを示している。位置表示148は、複数の模様選択キー103のうち、第一表示領域100に表示されている模様選択キー103の位置を表示する。ユーザは、位置表示148中のカーソル149を移動させるようにパネル操作することで、表示される模様選択キー103を上下に移動させ、図3〜図7には表示されていない模様選択キー103を表示することができる。
【0036】
第一表示領域100の下側には、第一表示領域100に隣接して第二表示領域160が設けられている。第二表示領域160は、縫製に関する情報であって第一情報とは異なる情報を含む第二情報を表示する領域である。図3〜図7に示す例では、第二表示領域160に、複数の機能キー50が表示されている。機能キー50は、模様に所定の設定を行うためのキーである。機能キー50のうち、機能キー501〜505は1行目に表示され(図3〜図7参照)、機能キー506〜510は2行目に表示されている(図6及び図7参照)。
【0037】
複数の機能キー50のうち、機能キー501は、フリーモーションモードキーであり、加工布をユーザが自由に動かせるように送り歯34が加工布に接触しないように設定するためのキーである。また、機能キー502は、左右反転キーであり、模様を左右反転するためのキーである。機能キー503は、上下反転キーであり、模様を上下反転するためのキーである。機能キー504は、2本針キーであり、1本針で縫製する場合と2本針で縫製する場合との設定を切り替えるためのキーである。機能キー505は、連続縫製キーであり、連続した複数の模様を連続して縫製する場合と、個々の模様を縫製する毎に縫製を停止する場合とを切り替えるためのキーである。
【0038】
機能キー506は、模様の頭出しキーであり、縫製が停止されている時にパネル操作されると、縫製中の模様の先頭に針落ち点を戻すことができるキーである。機能キー507は、削除キーであり、一旦選択した模様を取り消すためのキーである。機能キー508は、大きさキーであり、選択した模様の大きさを変更するためのキーである。機能キー509,510は、空欄となっている。例えば、新たに機能キーを設定するためのデータが記憶された外部記憶装置をコネクタ38(図1参照)に接続し、ミシン1のEEPROM64に機能キーを設定するためのデータを記憶させることで、空欄となっている機能キー509,510に新たな機能キーを追加することができる。なお、機能キー501〜510のうち、1行目に表示される機能キー501〜505は、2行目に表示される506〜510に比べて、使用頻度の多いキーに設定してある。また、第二情報は、縫製に関する情報だけで構成されてもよいし、例えば、時計など、縫製に直接関係しない情報を含んでいてもよい。
【0039】
第二表示領域160は、ユーザによってタブ161がパネル操作されることによって、大きさが変更される。例えば、図5では、1行分の機能キー50(機能キー501〜505)が表示されているが、ユーザによってパネル操作されると、図6に示すように、第二表示領域160が大きく表示されて、2行分の機能キー50(機能キー506〜510)が表示される。以下の説明では、図3〜図5に示す第二表示領域160の大きさが小さい状態を「小領域状態」といい、図6及び図7に示す第二表示領域160の大きさが大きい状態を「大領域状態」という。
【0040】
第二表示領域160のタブ161は、第二表示領域160から、第二表示領域160に隣接する第一表示領域100側(本実施形態では上側)に向けて突出する部位である。より詳細には、タブ161は、第二表示領域160の右上部に設けられており、上方に向かって、突出している。タブ161の上端は、円弧状に表示されている。ユーザがタブ161を押下又はドラッグアンドドロップなどのパネル操作をすることによって、第二表示領域160の大きさが変更される(図8のS16及びS18参照、後述)。
【0041】
タブ161の内側には、方向表示162が表示されている。方向表示162は、第二表示領域160の大きさを変更可能な方向を示している。例えば、第二表示領域160が小領域状態(図3〜図5参照)である場合、方向表示162は上方向を示しており、ユーザがタブ161をパネル操作すると、第二表示領域160は、上方向に向かって大きくなり、大領域状態(図6及び図7参照)となる。また、第二表示領域160が大領域状態(図6及び図7参照)である場合、方向表示162は下方向を示しており、ユーザがタブ161をパネル操作すると、第二表示領域160は、下方向に向かって小さくなり、小領域状態(図3〜図5参照)となる。
【0042】
前述の選択模様表示領域150についてより詳細に説明する。図4に示すように、選択模様表示領域150における選択模様表示121の上側には、押え足記号124が表示されている。押え足記号124は、模様選択キー103がパネル操作されて選択された模様を縫製する際に取り付ける押え足30(図1参照)を表している。ユーザは、押え足記号124に従うことにより、選択された模様を縫製するのに適した押え足30を装着することができる。また、押え足記号124の上側に表示された針設定状態125は、ミシン1の運転が停止したときの針位置を示している。図3〜図7における針設定状態125は、矢印が下方向を向いており、運転停止時に加工布に縫針29を刺した状態で針が停止する設定になっていることを示している。
【0043】
また、選択模様表示121の下側には、ピボットキー126、自動止め縫いキー127、自動糸切キー128等が上下に並んで表示されている。ピボットキー126は、ピボット設定をするためのキーである。ピボット設定をして縫製を止めると、縫針29が下がった状態でミシン1は縫製が停止され、押え足30は、自動的に上に上がる。ユーザは、縫針29を支点に加工布を回転させることができる。自動止め縫いキー127は、縫製の開始時と終了時に自動で止め縫いを行う動作を設定するためのキーである。自動糸切りキー128は、縫製終了時に自動で上糸と下糸を切断するように設定するためのキーである。
【0044】
第二表示領域160の下方には、項目表示領域530が設けられている。項目表示領域530には、縫い目調節キー531、シフトキー534、及び糸調子キー535が表示されている。縫い目調節キー531は、振り幅調節キー532と長さ調節キー533とを含む。振り幅調節キー532は、模様選択キー103によって選択した模様のジグザグの振り幅を調節するためのキーであり、長さ調節キー533は、選択した模様の縫い目の長さを調節するためのキーである。シフトキー534は、縫い目の位置を左右方向に移動させるキーである。糸調子キー535は、糸調子を調節するためのキーである。項目表示領域530に表示されている各キー532〜535をパネル操作することで、各設定値を増加又は減少させ、好みに応じて設定値を調節することができる。設定値は、各キー532〜535の左側の設定値表示536に表示される。
【0045】
なお、振り幅は0.0〜7.0mmの範囲で、縫い目の長さは0.0〜5.0mmの範囲で、選択される模様に応じてその上限値及び下限値がROM62又はEEPROM64に記憶されており、振り幅及び縫い目長さに関わる各種処理を実行する際に読み出され、RAM63に記憶され、調節可能な状態となる。このため、選択した模様について、ユーザの好みに応じて模様の振り幅及び縫い目の長さのそれぞれを容易且つ的確に調整することができ、所望の縫い目にて模様を縫製することが可能である。また、この糸調子の設定値は、通常は模様ごとに定められた最適な糸調子に設定するようになっており、0.0〜9.0の範囲で糸調子を調整することができる。
【0046】
図8のフローチャートを参照して、メイン処理について説明する。メイン処理は、ミシン1のCPU61によって実行される。メイン処理は、ミシン1の電源がONされた場合に開始される。図8に示すように、メイン処理では、まず、液晶ディスプレイ15に画像が表示される(S11)。S11で表示される画像は、例えば、前回ミシン1の電源をOFFする直前に、液晶ディスプレイ15に表示されていた画像である。画像を表示するための情報は、EEPROM62の記憶されており、S11では、EEPROM62に記憶された画像を表示するための情報が読みだされ、RAM63に記憶され、画像が表示される。本実施形態では、具体例として、図3に示す画像が液晶ディスプレイ15に表示されるとする。図3に示すように、S11では、第一表示領域100と第二表示領域160とが隣接した状態で、液晶ディスプレイ15に表示される。第一表示領域100には、前述の第一情報が表示され、第二表示領域160には、前述の第二情報が表示されている。図3は、模様が選択されていない状態の画像を表している。
【0047】
次いで、パネル操作が行われたか否かが判断される(S12)。パネル操作が行われていない場合(S12:NO)、処理はS12に戻る。パネル操作が行われた場合(S12:YES)、S12で検出されたパネル操作が、タブ161に対応するタッチパネル26の部位(タブ161の前面に位置する部位)へのパネル操作か否かが判断される(S13)。すなわち、タブ161がパネル操作されたか否かが判断される。
【0048】
タブ161がパネル操作されていない場合(S13:NO)、パネル操作された各キーに対応した処理が実行される(S14)。例えば、図3に示す第一表示領域100の模様選択キー103のうち、カテゴリ内番号「1−16」の模様選択キー103がパネル操作された場合、EEPROM62からカテゴリ内番号「1−16」の模様に対応する模様のデータが読み出され、RAM63に記憶される。そして、図4に示すように、模様のデータに対応付けられている模様パターンに基づいて選択模様表示121が表示され、縫製を行うための押え足30の種類の情報に基づいて押え足記号124が表示される。また、カテゴリ内番号及び模様名「1−16 裁ち目かがり(Overcasting stitch)」が選択模様表示欄120に表示される。次いで、処理はS11に戻る。
【0049】
選択されたカテゴリ内番号「1−16」についての模様については、機能キー50、縫い目調節キー531、シフトキー534、及び糸調子キー535等を使用して種々の設定を行うことができる。例えば、第二表示領域160に表示された機能キー502(左右反転キー)がパネル操作された場合(S12:YES、S13:NO)、選択模様表示121が左右反転され、図4に示す状態から図5に示す状態に変化する(S14)。ユーザが、さらに多くの機能キー50を第二表示領域160に表示させて模様に設定を行うことを望む場合、ユーザは、タブ161をパネル操作して、第二表示領域160を大領域状態(図6参照)にする。
【0050】
S13において、タブ161に対応するタッチパネル26の部位へのパネル操作である場合(S13:YES)、第二表示領域160が大領域状態(図6及び図7参照)であるか否かが判断される(S15)。例えば、図5に示すように、第二表示領域160が小領域状態である場合、第二表示領域160が大領域状態ではないと判断され(S13:NO)、第二表示領域160の大きさが変更され、第二表示領域160が大きく表示される(S16)。これによって、第二表示領域160が小領域状態(図5参照)から大領域状態(図6参照)に変更される。第二表示領域160が大きくなるので、ミシン1は、より多くの第二情報(本実施形態では、機能キー50)をユーザに提示することができる。S16では、第二表示領域160が、小領域状態(図5参照)から上方向に徐々に大きくなって、大領域状態(図6参照)に至る。また、第二表示領域160が大きくなるのに伴って、第二表示領域160に隣接する第一表示領域100が小さくなる(図5及び図6参照)。このため、ユーザは、第二表示領域160の第二情報(機能キー50)が、第一表示領域100の前面側に引き出されているように視認する。
【0051】
次いで、S16と略同時に、タブ161の方向表示162が、次回に第二表示領域160の大きさを変更可能な方向に切り替えられる(S17)。S17によって、図6に示すように、方向表示162が下方向、すなわち、大領域状態(図6及び図7参照)から小領域状態(図2〜図5参照)に向かう方向に向く。次いで、処理はS11に戻る。
【0052】
具体例の場合、図6に示すように大領域状態となり、2行目の機能キー506〜510が表示される(S16)。これによって、小領域状態(図5参照)では表示されていなかった機能キー506〜510をパネル操作することが可能になる。例えば、ユーザによって機能キー508(大きさキー)がパネル操作された場合(S12:YES、S13:NO)、図7に示すように、選択模様表示121の模様パターンが大きくなる(S14)。なお、図8のフローチャートには図示していないが、この状態で、ユーザがスイッチ群21(図1及び図2参照)の縫製開始・停止スイッチを押下すると、選択模様表示121に表示された模様パターンと同様に、カテゴリ内番号「1−16」の模様が左右反転されて、大きくされた模様が加工布に縫製される。
【0053】
S15において、大領域状態であると判断された場合(S15:YES)、第二表示領域160の大きさが変更され、第二表示領域160が小さく表示される(S18)。これによって、第二表示領域160が大領域状態(図7参照)から小領域状態(図9参照)に変更される。S16では、第二表示領域160が、大領域状態(図7参照)から徐々に下方向に大きくなって、小領域状態(図9参照)に至る。また、第二表示領域160が小さくなるのに伴って、第二表示領域160に隣接する第一表示領域100が大きくなる(図7及び図9参照)。このため、ユーザは、引き出されていた第二表示領域160に表示された第二情報が、下方向に収納されたように視認する。また、第一表示領域100が大きくなるので、第一表示領域100に表示される第一情報が増える。すなわち、ミシン1は、第二表示領域160が大領域状態である場合に比べて、より多くの第一情報をユーザに提示することができる。
【0054】
次いで、S18の処理と略同時に、タブ161の方向表示162が、次回に第二表示領域を変更可能な方向に切り替えられる(S19)。S19によって、図9に示すように、方向表示が上方向、すなわち、小領域状態(図2〜図5、図9参照)から大領域状態(図6及び図7参照)に向かう方向に向く。次いで、処理はS11に戻る。
【0055】
以上のように、本実施形態の処理が行われる。液晶ディスプレイ15の大きさは限られているため、あまりに多くの情報を液晶ディスプレイ15に表示すると、画像の視認性を確保できない。本実施形態では、第二表示領域の大きさを変更できる。このため、画像の視認性を確保できる程度の数の第一情報(模様選択キー103など)と第二情報(機能キー501〜505)とを第一、第二表示領域100,160に表示しておき(図2〜図5参照)、必要に応じて第二表示領域160の大きさを大きくすることで、今まで表示されていなかった情報(機能キー506〜510)を表示してユーザに提示することができる(図6及び図7参照)。つまり、本実施形態では、画像の視認性を確保しつつ、より多くの情報をユーザに提示することができる。
【0056】
また、ユーザは、タッチパネル26を操作することで、第二表示領域160の大きさを変更することができる。すなわち、タッチパネル26を使用するので、液晶ディスプレイ15に表示された画像のタブ161をパネル操作することによって、直観的に第二表示領域160の大きさを変更することができる。直観的にパネル操作できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0057】
また、ユーザは、タブ161に対応するタッチパネル26の部位をパネル操作することで、第二表示領域160の大きさを変更することができる。タブ161が液晶ディスプレイ15に表示されるので、ユーザは、第二表示領域160の大きさを変更する操作部(すなわち、タブ161)の位置を認識し易くなる。よって、ユーザが第二表示領域160の大きさを変更する場合の操作性が向上する。
【0058】
また、タブ161は、第二表示領域160から、第一表示領域100側に向けて突出する部位である。タブ161が突出しているため、液晶ディスプレイ15に表示される画面上で、タブ161が強調される。よって、ユーザは、タブ161の位置をより認識し易くなる。このため、ユーザが第二表示領域160の大きさを変更する場合の操作性がさらに向上する。
【0059】
また、大きさを変更可能な方向を示す方向表示162がタブ161の内側に表示されるので、ユーザは、タブ161を操作した場合に第二表示領域160の大きさが変化する方向を容易に認識することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
【0060】
また、タブ161が第二表示領域160から突出していることによって、タブ161の形状が、例えば、お菓子の蓋の開け口など、日常生活において触れることの多い開け口に似た形状に見える。お菓子の蓋の開け口は、それを指で掴んで蓋を開けることで、中身のお菓子が姿を現す。本実施形態では、タブ161が開け口に似た形状をしていることにより、お菓子の蓋を開ける場合と同様に、ユーザは、タブ161を操作すれば、表示されていない情報が姿を現す(表示される)ことを、容易に認識することができる。特にご年配のユーザは、画面をパネル操作して種々の情報にアクセスすることが苦手な場合が多いが、タブ161を操作すれば、表示されていない情報が姿を現すことを容易に認識できるので、ご年配のユーザにも操作し易い。
【0061】
また、図3〜図5に示すように、小領域状態の場合でも、1行分の機能キー50が表示されている。複数の機能キー50の一部が、第二表示領域160に表示されているので、ユーザは、第二表示領域160が機能キー50を表示する領域であることを容易に認識することができる。そして、タブ161が設けられているため、ユーザは、タブ161をパネル操作すれば、さらに多くの機能キー50を表示できることを容易に認識することができる。よって、スムーズに縫製を実行するための操作を行うことができる。
【0062】
また、第一表示領域100に表示される第一情報は、縫製を行う模様を選択するための複数の模様選択キー103を含み、第二表示領域160に表示される第二情報は、縫製を行う模様に所定の設定を行うための複数種類の機能キー50を含む。このため、第一表示領域100に表示された模様選択キー103を操作して模様を選択し、第二表示領域160の大きさを変更しながら機能キー50を操作して、模様に所定の設定を行うことができる。このため、ユーザは、縫製を行う模様の選択及び設定をスムーズに行うことができる。
【0063】
また、機能キー501〜510のうち、1行目に表示される機能キー501〜505は、2行目に表示される506〜510に比べて、使用頻度の多いキーに設定してある。そして、使用頻度の多い1行目の機能キー501〜505は、小領域状態の場合でも表示されている(図3〜図5参照)。このため、ユーザは、小領域状態のまま、使用頻度の多い機能キー501〜505を操作し、使用頻度の比較的少ない機能キー506〜510を操作する場合にのみ、タブ161をパネル操作して、第二表示領域160を大領域状態にし、2行目の機能キー506〜510を表示させればよい。よって、第二表示領域160を小領域状態と大領域状態との間で変更するためのタブ161のパネル操作の頻度が少なくなる。よって、ユーザは、よりスムーズに縫製を行う模様の選択及び設定を行うことができる。
【0064】
上記実施形態において、制御部60が本発明の「表示装置」に相当し、液晶ディスプレイ15が本発明の「表示部」に相当する。S11の処理を行うCPU61が本発明の「第一表示制御手段」に相当し、S16及びS18の処理を行うCPU61が本発明の「変更手段」に相当する。タッチパネル26が本発明の「入力手段」に相当し、S11、S17、及びS19で方向表示162を表示する処理を行うCPU61が本発明の「方向表示手段」に相当する。タブ161が本発明の「特定部位」に相当する。
【0065】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、第一表示領域100の下側に隣接して、第二表示領域160が表示されていたが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、第一表示領域100の上側に隣接して、第二表示領域160が表示されてもよい。同様に、第一表示領域100の右側又は左側に隣接して、第二表示領域160が表示されてもよい。
【0066】
また、大きさを変更できるのは第二表示領域160であったが、これに限定されない。例えば、第二表示領域160の場合と同様に、第一表示領域100の大きさを変更できるようにしてもよい。また、第一表示領域100と第二表示領域160との両方の大きさを変更できるようにしてもよい。すなわち、第一表示領域100と第二表示領域160とのうち、少なくとも一方の表示領域の大きさを変更できるようにすればよい。この場合、ユーザは、第一表示領域100と第二表示領域160とのうち、所望の表示領域の大きさを変更することができる。このため、所望の表示領域に表示される情報をより多く表示させることができる。
【0067】
また、第二表示領域160が大きくなる場合に、第一表示領域100が小さくなっていたが、これに限定されない。例えば、第二表示領域160が大きくなるのに伴って、第一表示領域100がスライド移動してもよい。
【0068】
また、第二表示領域160が大領域状態の場合に、2行分の機能キー50が表示されていたが、これに限定されない。例えば、大領域状態の場合に、3行分の機能キー50が表示されてもよい。この場合、タブ161をパネル操作することで、1〜3行の任意の行数を表示できる大きさに、第二表示領域160を調整可能であってもよい。
【0069】
また、タブ161が、第二表示領域160から第一表示領域100に向けて突出していたが、これに限定されない。例えば、タブ161が第二表示領域160の内側に設けられ、突出しなくてもよい。
【0070】
また、第一表示領域100に表示される第一情報は、模様選択キー103等であり、第二表示領域160に表示される第二情報は機能キー50であったが、これに限定されない。第一情報及び第二情報は、縫製に関する情報を含めば、他の情報であってもよい。例えば、ミシン1の頭部14に、押え足30周辺の加工布を撮像可能なカメラを設け、第一表示領域100にカメラで撮像された画像を表示し、第二表示領域160にカメラの拡大縮小するためのキーなど、カメラの設定を行うキーを表示してもよい。
【0071】
また、画像を表示するのは、液晶ディスプレイ15であったが、これに限定されない。例えば、有機ELディスプレイなど、他の種類のディスプレイであってもよい。
【0072】
また、タッチパネル26を使用して操作を行っていたが、これに限定されない。例えば、ミシン1にマウスを接続し、マウスで液晶ディスプレイ15上のカーソルを動かしながら操作できるようにしてもよい。
【0073】
また、タブ161をパネル操作した場合に、第二表示領域160の大きさが変更されていたが、これに限定されない。例えば、ミシン1にメカ的なスイッチを設け、該スイッチをONした場合に、第二表示領域160を大領域状態にし、OFFした場合に、第二表示領域160を小領域状態にしてもよい。
【0074】
また、タブ161の形状は限定されない。例えば、タブ161が四角形でもよい。また、タブ161の先端が三角形でもよい。また、タブ161に模様を付けてもよい。この場合、タブ161が模様によって、より目に付きやすくなるので、ユーザは、パネル操作を行える部位であることをさらに容易に認識することができる。
【0075】
また、本発明の「表示装置」に相当する制御部60をミシン1が備えていたが、本発明の「表示装置」は、ミシン1とは別の装置であってもよい。例えば、本発明の「表示装置」は、携帯端末やパーソナルコンピュータ等の装置でもよい。そして、該装置が備えるCPUが図8に示すフローチャートを実行してもよい。この場合、例えば、上述の実施形態で示した具体例等を該装置で実行し、編集された模様のデータをミシン1に転送して、ミシン1が縫製を実行してもよい。この変形例の場合、該装置が本発明の「表示装置」に相当し、該装置が備えるディスプレイが本発明の「表示部」に相当する。S11の処理を行う該装置のCPUが本発明の「第一表示制御手段」に相当し、S16及びS18の処理を行う該装置のCPUが本発明の「変更手段」に相当する。S11、S17、及びS19で方向表示162を表示する処理を行う該装置のCPUが本発明の「方向表示手段」に相当する。
【符号の説明】
【0076】
1 ミシン
15 液晶ディスプレイ
26 タッチパネル
50,501〜510 機能キー
61 CPU
100 第一表示領域
103 模様選択キー
160 第二表示領域
161 タブ
162 方向表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫製に関する情報を含む第一情報を表示する領域である第一表示領域と、縫製に関する情報であって前記第一情報とは異なる情報を含む第二情報を表示する領域である第二表示領域とを隣接させて表示部に表示する第一表示制御手段と、
前記第一表示制御手段によって前記表示部に表示された前記第一表示領域と前記第二表示領域とのうち、少なくとも一方の表示領域の大きさを変更して前記表示部に表示する変更手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第一表示領域又は前記第二表示領域の大きさを変更するための操作が入力される入力手段を備え、
前記変更手段は、前記入力手段を介して前記操作が入力された場合に、前記第一表示制御手段によって前記表示部に表示されている前記第一表示領域と前記第二表示領域とのうち、前記操作に応じた表示領域の大きさを変更して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一表示制御手段は、前記表示部における前記第二表示領域内に、前記第二表示領域の大きさを変更する操作部であることを示す特定部位を表示し、
前記変更手段は、前記入力手段によって前記特定部位が操作された場合に、少なくとも前記第二表示領域の大きさを変更することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項4】
前記特定部位は、前記第二表示領域から、前記第二表示領域に隣接する前記第一表示領域側に向けて突出する部位であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項5】
前記特定部位の内側に、前記第二表示領域の大きさを変更可能な方向を示す表示である方向表示を表示し、前記変更手段によって前記大きさが変更された場合に、前記方向表示を、次回に第二表示領域の大きさを変更可能な方向に切り替える方向表示手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第一表示領域に表示される前記第一情報は、縫製を行う模様を選択するための複数の模様選択キーを含み、
前記第二表示領域に表示される前記第二情報は、前記模様に所定の設定を行うための複数種類の機能キーを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示部は、液晶ディスプレイであり、
前記入力手段は、前記液晶ディスプレイの表面に設けられた透明なタッチパネルであることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の表示装置を備えたミシン。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−111273(P2013−111273A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260529(P2011−260529)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】