説明

表示装置及び画像形成装置

【課題】待機モードから通常モードに移行したときも、消費電力を低減できる表示装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の表示装置は、表示データを表示する透過型の表示パネルと、前記表示パネルの背面から光を照射するバックライトユニットと、前記表示パネルに表示させる複数の表示データと、前記複数の表示データの各々に対応して設定された複数の輝度データと、を記憶する記憶部と、前記表示パネルに表示すべき表示データと、それに対応する輝度データと、を前記記憶部から読み出し、読み出した表示データを前記表示パネルに表示し、読み出した輝度データに基づいて前記バックライトユニットの輝度を制御する表示制御を行う制御部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトユニットを備えた表示装置、及びこの表示装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルのような非発光で透過型の表示パネルを備えた表示装置は、表示パネルに表示する表示データを見やすくするために、表示パネルの背面側にバックライトを備えている。従来の表示装置には、操作されない状態が一定時間続くと、消費電力を低減するために、通常モードから待機モードに移行するものがあった。この表示装置は、待機モードに移行すると、バックライトの輝度を低下させ、また、表示パネルに表示する表示データをカラーからモノクロに変えることにより表示データの書き換え回数を減らして、電力の消費を低減していた(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−162261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置のバックライトは、輝度を低下させて使用すると寿命が長くなる。しかし、特許文献1に記載の表示装置では、待機モードから通常モードに移行すると、表示パネルに表示する表示データにかかわらず、一律にモノクロからカラーに変更し、バックライトの輝度を一律に低輝度から通常の輝度(高輝度)に変更していた。
【0005】
そのため、通常モードで使用される時間が長くなるほど、バックライトを高輝度で点灯する時間が長くなるため、バックライトの寿命が短くなってしまうという問題があった。また、特許文献1に記載の表示装置では、待機モードから通常モードに移行すると、装置の消費電力が増加するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、バックライトユニットの寿命を長くすることができ、消費電力を低減できる表示装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の表示装置は、表示パネルと、バックライトユニットと、記憶部と、制御部と、を備えている。表示パネルは、透過型であり表示データを表示する。バックライトユニットは、表示パネルの背面から光を照射する。記憶部は、表示パネルに表示させる複数の表示データと、複数の表示データの各々に対応して設定された複数の輝度データと、を記憶する。制御部は、表示パネルに表示すべき表示データと、それに対応する輝度データと、を記憶部から読み出し、読み出した表示データを表示パネルに表示し、読み出した輝度データに基づいてバックライトユニットの輝度を制御する表示制御を行う。
【0008】
この構成においては、表示パネルに表示させる表示データに応じてバックライトユニットの輝度を設定できる。例えば、以下のように設定する。細かい文字や図を含む表示データは、輝度を低くすると表示データの内容を確認できなくなるので、通常の輝度である高輝度に設定する。ジョブ状況の確認画面など表示量が少なく大きな文字により表示する表示データは、輝度をかなり低下させても表示データを確認できるので、表示データを最低限確認できる低い輝度である低輝度に設定する。ジョブの設定画面など文字や図が大きな表示データは、低輝度では表示データの確認は困難であるが、高輝度からある程度輝度を低下させても表示データの内容を確認できるので、低輝度と高輝度の中間の輝度である中輝度に設定する。
【0009】
このように、表示パネルに表示する表示データに応じてバックライトユニットの輝度を設定することで、表示パネルに表示した表示データの視認性を確保した上で、バックライトユニットの輝度を低くすることが可能となる。したがって、表示パネルに表示する表示データにかかわらずバックライトユニットの輝度を一律に設定する従来の方式に比べて、バックライトユニットの輝度を低下させることができるので、バックライトユニットの寿命を延ばすこと及び消費電力の低減ができる。
【0010】
上記発明の表示装置は、さらに操作部を備えている。操作部は、ユーザの操作を受け付ける。制御部は、バックライトユニットの輝度を通常輝度よりも低い輝度に制御する待機モードから、操作部が操作を受け付けて、この操作に応じた処理を行う通常モードに移行するときに、表示制御を行う。
【0011】
表示装置において表示制御を行うのは、動作モードを待機モードから通常モードに移行するときである。従来の表示装置では、待機モードから通常モードに移行するときには、バックライトの輝度を一律に高輝度に変更していたが、この表示装置では、待機モードから通常モードに移行するときにも、表示データに応じてバックライトユニットの輝度を低下させることが可能となる。
【0012】
上記発明の表示装置では、制御部は、記憶部から読み出した輝度データに基づいて、バックライトユニットの輝度を所定時間毎に段階的に変更する。
【0013】
この構成では、バックライトユニットの輝度が急激に変化しないので、表示装置の表示データを見ているユーザに違和感を与えるのを防止できる。
【0014】
上記発明の表示装置では、記憶部は、表示パネルに表示させる表示データが図形を含まない場合、この表示データを表示パネルにモノクロで表示するモノクロ表示データと、バックライトユニットの通常輝度よりも低い輝度に設定する低輝度データと、を関連付けて記憶する。
【0015】
バックライトの輝度を低くしたときには、モノクロ表示データの方がカラー表示データよりも表示データを確認しやすい。また、表示データが図形を含まず、文字や表により構成されている場合には、表示データが図形を含む場合よりも、バックライトの輝度を低下させても、表示データを確認できる。したがって、表示データが図形を含まず、文字や表により構成されている場合には、バックライトユニットの輝度を、表示データを確認可能な低い輝度に設定しておくことで、表示データの視認性が確保しながら、バックライトユニットの延命と消費電力の低減ができる。
【0016】
上記の表示装置は、例えば、画像形成装置に適用可能である。
【0017】
また、上記の画像形成装置では、制御部は、受付部で所定量以上の印刷ジョブを受け付けると、印刷ジョブの進行状況の確認用表示データと、それに対応する輝度データと、を記憶部から読み出して、表示制御を行う。
【0018】
画像形成装置は、所定量以上の印刷ジョブを受け付けた場合、しばらくの間は印刷ジョブを連続的に行う。このとき、ユーザが、印刷ジョブの内容や進行状況を確認するために、操作部を操作することが考えられる。もし、ユーザが操作部を誤って操作すると、バックライトユニットの輝度が通常輝度に変わるおそれがある。この発明の画像形成装置は、所定量以上の印刷ジョブを受け付けたときには、表示パネルに印刷ジョブの進行状況の確認用表示データを表示する。そのため、ユーザが状況確認のために操作部を操作する必要がなく、操作部を誤操作して、バックライトユニットが通常輝度に変わるのを防止できる。また、印刷ジョブの進行状況の確認用表示データは、図形を表示しなくてもよいので、モノクロ表示データを表示しバックライトユニットの低輝度になるように設定することで、バックライトユニットの延命と、消費電力の低減ができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、表示データにかかわらず一律に輝度を同じ値に制御する場合と比較して、バックライトユニットの輝度を低くすることができる。これにより、バックライトユニットの寿命を長くすることができ、また、表示装置の消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置を備えた画像形成装置の斜視外観図である。
【図2】(A)は、表示装置の一例である表示パネルの外観図である。(B)は、表示パネルの断面図である。(C)は、バックライトユニットの一部を示す正面図である。
【図3】画像形成装置の内部構成を示す正面透視図である。
【図4】表示装置を備えた画像形成装置の制御系統を示すブロック図である。
【図5】記憶部が記憶する、表示データと輝度データを関連付けた表である。
【図6】画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】(A)は、スタンバイ画面、(B)は、プリントジョブ履歴画面、(C)は、コピー倍率画面、及び(D)は、特別機能画面である。
【図8】(A)は、割り付け(2in1/4in1)画面、(B)は、カラー調整画面、(C)は、RGB(赤・緑・青)調整画面、及び(D)は、プリントジョブ画面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の表示装置の一例であるパネルユニットを備えた画像形成装置を例に挙げて説明する。
【0022】
図1に示すように、画像形成装置100は、パネルユニット110、自動原稿搬送部120、画像読取部130、画像形成部140、及び給紙部150を備えている。パネルユニット110は、表示部10と操作部20を備えている。
【0023】
パネルユニット110は、画像形成装置100の装置本体上部の正面側に設置されている。図2(A),図2(B)に示すように、パネルユニット110において、表示部10は、液晶パネル11と、バックライトユニット12を備えている。操作部20は、タッチパネル21、ジョブ状況/履歴ボタン22、ジョブ機能選択ボタンであるコピー選択ボタン23A,プリンタ選択ボタン23B,スキャナ選択ボタン23Cを備えている。また、操作部20は、ユーザ設定ボタン24、テンキー25、スタートボタン26、クリアボタン27、及びリセットボタン28を備えている。タッチパネル21は、液晶パネル11の表面側に設置されている。
【0024】
図2(B),図2(C)に示すように、パネルユニット110の表示部10は、液晶パネル11と、バックライトユニット12を備えている。液晶パネル11は、透過型の表示パネルである。液晶パネル11は、カラー表示データ及びモノクロ表示データを表示する。バックライトユニット12は、液晶パネル11の背面に配置されており、液晶パネル11に表示した表示データを見やすくするために、液晶パネル11に光を照射する。
【0025】
バックライトユニット12は、光源として、LEDまたは蛍光管(CCFT管)を備えている。図2(B),図2(C)に示す例では、光源としてLEDを備えている。
【0026】
バックライトユニット12は、筐体13、複数のLED14(図2(C)にはLED14A〜14Pを図示)、反射シート15、拡散板16、拡散シート類17、液晶18、及びバックライト基板19を備えている。
【0027】
液晶パネル11は、バックライトユニット12の筐体13に保持されている。液晶パネル11の裏面側には、バックライト基板19が設置されている。バックライト基板19には、所定の間隔でLED14(LED14A〜LED14P)が取り付けられている。バックライト基板19の拡散板16と対向する面には、反射シート15が設置されている。反射シート15は、LED14が放射した光を液晶パネル11の方向に反射する。
【0028】
画像形成装置100は、表示部の液晶パネル11に現在の状態を表す表示データや、現在行っている印刷ジョブの状況を示す表示データなどを表示する。
【0029】
また、画像形成装置100は、操作部20により、ユーザの操作を受け付ける。ユーザは、タッチパネル21や、各操作ボタン類22〜28を操作することで、コピー、プリント、スキャンなどの印刷ジョブや読み取りジョブを画像形成装置100に実行させることができる。
【0030】
図3に示すように、画像形成装置100の自動原稿搬送部120は、操作部20で搬送原稿読取モードを受け付けたときには、原稿積載トレイ121に置かれた原稿を、搬送ユニット122により、第2原稿台132を経由して原稿排出トレイ123へ1枚ずつ搬送する。
【0031】
画像読取部130は、操作部20で搬送原稿読取モードを受け付けたときには、第2原稿台132上を通過する原稿を読み取って印刷画像データを生成する。また、画像読取部130は、操作部20で固定原稿読取モードを受け付けたときには、第1原稿台131上に置かれた原稿を読み取って印刷画像データを生成する。
【0032】
画像形成部140は、光走査ユニット40、4個の画像形成ステーション50A,50B,50C,50D、中間転写ベルトユニット60、二次転写ローラ70、定着装置80、及び用紙排紙トレイ95を備えている。画像形成ステーション50A〜50Dは、中間転写ベルトユニット60の中間転写ベルト61の移動経路に沿って一列に配置されている。
【0033】
画像読取部130が読み取った印刷画像データは、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4つの色相の印刷画像データに分けられて、光走査ユニット40に送られる。光走査ユニット40は、4つの色相の印刷画像データによって変調されたレーザビームを、画像形成ステーション50A〜50Dの感光体ドラム51A,51B,51C,51Dへ個別に照射する。これにより、4個の感光体ドラム51A〜51Dの周面には、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相の印刷画像データに基づく静電潜像がそれぞれ形成される。
【0034】
画像形成ステーション50A〜50Dは、それぞれ感光体ドラム51A〜51Dに形成された静電潜像にブラック、シアン、マゼンタ及びイエローのトナー(現像剤)を供給し、静電潜像をトナー像に顕像化する。
【0035】
画像形成ステーション50A〜50Dにおいて、感光体ドラム51A〜51Dのそれぞれに形成された各色相のトナー像は、中間転写ベルト61の外周面に順次重ねて一次転写され、中間転写ベルト61の外周面にフルカラーのトナー像が担持される。
【0036】
なお、ブラックのみの印刷画像データが入力された場合は、ブラックのトナー像が中間転写ベルト61の外周面に一次転写される。
【0037】
中間転写ベルト61の外周面に一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、中間転写ベルト61と二次転写ローラ70との対向位置である二次転写位置へ搬送される。
【0038】
給紙部150は、給紙トレイ91、手差しトレイ92、第1用紙搬送路93、及び第2用紙搬送路94を備えている。給紙トレイ91及び手差しトレイ92のそれぞれには、用紙として、普通紙、印画紙、またはOHPフィルム等の記録媒体が収容される。第1用紙搬送路93は、給紙トレイ91及び手差しトレイ92のそれぞれから二次転写位置及び定着装置80を経由して用紙排紙トレイ95へ至るように形成されている。第2用紙搬送路94は、両面印刷用の用紙搬送路であり、一方の面に画像を形成された(トナー像が転写された)用紙が表裏を反転された状態で再び二次転写位置へ搬送されるように形成されている。
【0039】
中間転写ベルト41の外周面に一次転写されたトナー像は、給紙部150から給紙された用紙が二次転写位置を経由する際に、用紙に二次転写される。
【0040】
トナー像が転写された用紙は、定着装置80へ搬送され、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過する際に加熱及び加圧される。これにより、トナー像が、用紙の表面に定着する。トナー像が定着した用紙は、用紙排紙トレイ95上へ排出される。
【0041】
次に、画像形成装置100の制御系統について説明する。図4に示すように、画像形成装置100では、表示部10、操作部20、自動原稿搬送部120、画像読取部130、画像形成部140、給紙部150、記憶部160、画像処理部170、及び通信部180が、制御部190に接続されている。
【0042】
画像形成装置100において、表示部10、操作部20、記憶部160、及び制御部190が、表示装置101の構成に相当する。
【0043】
画像形成装置100の制御部190は、パネルユニット110の操作部20で操作を受け付けると、表示部10、自動原稿搬送部120、画像読取り部130、画像形成部140、及び給紙部150の制御を行う。また、制御部190は、通信回線200を介して通信部180でパソコン210から印刷ジョブを受信すると、画像形成部140で画像形成を行う。また、制御部190は、画像読取り部130で読み取った印刷画像データや、通信部180で受信した印刷ジョブに含まれる印刷画像データに対して画像処理が必要なときには、画像処理部170で画像処理を行う。画像読取り部130及び通信部180は、本発明の受付部に相当する。
【0044】
記憶部160は、制御部190が実行する処理プログラム、表示部10の液晶パネル11に表示する複数の表示データ、バックライトユニット12の輝度を制御するための複数の輝度データなどを記憶している。複数の輝度データは、複数の表示データの各々に対応した輝度に設定されている。
【0045】
画像形成装置100では、表示部10のバックライトユニット12をスタティック点灯している場合には、バックライトユニット12に印加する電圧を低下させて、バックライトユニット12の輝度を低下させる。また、バックライトユニット12をダイナミック点灯(パルス点灯)している場合には、オン/オフのデューティー比を変更して、バックライトユニット12の輝度を低下させる。
【0046】
以下の説明では、画像形成装置100の制御部190は、表示部10の液晶パネル11に表示データを表示する場合、バックライトユニット12の輝度を、通常輝度(高輝度)、中輝度、低輝度の3つの輝度に制御することができるものとする。
【0047】
表示部10のバックライトユニット12を通常輝度(高輝度)で点灯させる場合には、スタティック点灯している場合には、定格電圧を印加している。また、ダイナミック点灯している場合には、オン/オフのデューティー比100%に設定している。また、バックライトユニット12の輝度を中輝度に制御した場合、通常輝度の50%の輝度とする。また、バックライトユニット12の輝度を低輝度に制御した場合、通常輝度の20%の輝度とする。
【0048】
画像形成装置100は、記憶部160において、表示部10の液晶パネル11に表示する複数の表示データと、複数の表示データの各々に対応して設定された、バックライトユニット12の複数の輝度データと、を関連付けて記憶している。例えば、記憶部160は、図5に示す表250のように、管理番号、画面名、液晶パネル11に表示する表示データ、及びバックライトユニット12の輝度データを関連付けて記憶している。
【0049】
このようにしているのは、画像形成装置100が、待機モードから通常モードに移行したときに、バックライトユニット12を、液晶パネル11に表示する表示データに応じた輝度で点灯させるためである。
【0050】
次に、画像形成装置100の動作について、図6に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
画像形成装置100の制御部190は、電源が投入されると、記憶部160から制御プログラムを読み出して実行する。また、制御部190は、起動時に表示する管理番号1Aの表示データであるカラーのスタンバイ表示データと、対応する輝度データを記憶部160から読み出す。そして、制御部190は、表示部10の液晶パネル11に図7(A)に示すような表示データを表示させ、バックライトユニット12の輝度を通常輝度(高輝度)に制御する(S1)。制御部190は、印刷ジョブを実行可能な状態になると、計時を開始して、操作部20での操作の受け付けや、通信部180でのパソコン210から印刷ジョブの受信を待ち受ける(S2)。この状態を通常モードと称する。
【0052】
制御部190は、計時を開始してから所定時間(例えば、5分)が経過しても、操作部20での操作の受け付けや、通信部180でのパソコン210から印刷ジョブの受信がなれければ(S2:Y)、通常モードから第1待機モードに移行する。このとき、制御部190は、画像形成部140において加熱が必要な部分の温度を低下させて、消費電力の低減を図る。例えば、画像形成ステーション50A〜50Dの感光体ドラム51A〜51Dや定着装置80の加熱ローラ81の温度を低下させる。
【0053】
また、制御部190は、第1待機モードでは、記憶部160が管理番号1Bの表示データと輝度データを読み出して、表示部10のバックライトユニット12の輝度を通常輝度(高輝度)から中輝度に変更し、新たに計時を開始する(S3)。なお、通常モードのときのスタンバイ表示データ(カラー)と、第1待機モードのときのスタンバイ表示データ(カラー)は同じデータである。
【0054】
制御部190は、バックライトユニット12の輝度を中輝度に変更してから所定時間(例えば、5分)が経過しても、ユーザの操作の受け付けやパソコン210からの印刷ジョブの受信を検出しなければ(S4:Y)、第1待機モードから第2待機モードに移行する。このとき、制御部190は、記憶部160から、管理番号1Cの表示データと輝度データを読み出す。そして、液晶パネル11に表示しているカラーのスタンバイ表示データを、モノクロのスタンバイ表示データに変更する。また、バックライトユニット12の輝度を低輝度に変更する(S5)。なお、第1待機モードのカラーのスタンバイ表示データと、第2待機モードのモノクロのスタンバイ表示データの内容は同じであり、色が異なる。
【0055】
このように、所定時間毎にバックライトユニット12の輝度を変更することで、バックライトユニットの輝度が急激に変更されることがないので、表示装置の表示を見ているユーザに違和感を与えずに、表示装置の消費電力を低減できる。また、バックライトユニット12の寿命を延ばすことができる。
【0056】
なお、ステップS2及びステップS4の所定時間は、ユーザが変更可能である。
【0057】
制御部190は、ユーザの操作の受け付けやパソコン210からの印刷ジョブの受信を検出していなければ(S6:N)、引き続き、液晶パネル11にモノクロのスタンバイ表示データを表示し、バックライトユニット12の輝度を低輝度に制御する(S5)。
【0058】
一方、制御部190は、ユーザの操作の受け付けやパソコン210からの印刷ジョブの受信を検出すると、第2待機モードから通常モードに移行する。制御部190は、受け付けた操作または検出したジョブに応じた表示データと輝度データを記憶部160から読み出す(S6:Y)。そして、制御部190は、液晶パネル11に読み出した表示データを表示し、バックライトユニットの輝度をこの表示データに応じた輝度に制御する表示制御を行う。
【0059】
制御部190は、読み出した表示データがモノクロ表示データで、輝度データが低輝度データに設定されている場合には(S7:Y)、液晶パネル11にモノクロ表示データを表示し、バックライトユニット12の輝度を低輝度に制御する(S5)。
【0060】
例えば、制御部190は、パネルユニット110のジョブ状況/履歴ボタン22とコピー選択ボタン23Aの操作を検出した場合には、記憶部160から管理番号2−1の表示データと輝度データを読み出す。そして、図7(B)に示すようなモノクロのプリントジョブ履歴表示データを液晶パネル11に表示させ、バックライトユニット12を低輝度に設定する。
【0061】
また、制御部190は、図7(A)に示したスタンバイ画面300のコピー倍率ボタン305の操作を、タッチパネル21により検出した場合には、記憶部160から管理番号1−6の表示データと輝度データを読み出す。そして、図7(C)に示すようなモノクロのコピー倍率表示データを液晶パネル11に表示させ、バックライトユニット12を低輝度に設定する。
【0062】
図7(B)に示したプリントジョブ履歴表示データや、図7(C)に示したコピー倍率表示データのように、液晶パネル11に表示する表示データが、文字と表を含む表示データや文字のみの表示データであれば、バックライトユニット12を低輝度に制御しても、液晶パネル11に表示データをモノクロで表示することで、ユーザは、表示データの内容を十分確認できる。そこで、画像形成装置100(表示装置101)では、第2待機モードから通常モードに移行したときに、上記のような特徴の表示データを液晶パネル11にモノクロで表示し、バックライトユニット12を低輝度に設定する。なお、後述の図7(D)に示す特別機能表示データ、図8(B)に示すカラー調整表示データ、及び図8(D)に示すプリントジョブ状況表示データも、同じ理由により、液晶パネル11にモノクロで表示し、バックライトユニット12を低輝度に設定するようにしている。
【0063】
制御部190は、読み出した表示データがカラー表示データで、輝度データが中輝度に設定されている場合には(S7:N、S8:Y)、液晶パネル11にカラー表示データを表示し、バックライトユニット12の輝度を中輝度に制御する。
【0064】
例えば、制御部190は、図7(A)に示したスタンバイ画面300の特別機能ボタン301の操作を、タッチパネル21により検出した場合には、記憶部160から管理番号1−1の表示データと輝度データを読み出す。そして、図7(D)に示すモノクロの特別機能表示データを液晶パネル11に表示させ、バックライトユニット12を低輝度に設定する。続いて、制御部190は、図7(D)に示した特別機能画面340の割り付け(2in1/4in1)ボタン343の操作を、タッチパネル21により検出した場合には、記憶部160から管理番号1−1−3の表示データと輝度データ読み出す。そして、図8(A)に示すカラーの割り付け表示データを液晶パネル11に表示させ、バックライトユニット12を中輝度に設定する。
【0065】
図8(A)に示した割り付け表示データのように、液晶パネル11に表示する表示データが、文字と図形を含む表示データなど、色分けが必要な表示データであれば、バックライトユニットの輝度を低輝度に制御すると、表示データが見えにくくなる。そこで、画像形成装置100(表示装置101)では、第2待機モードから通常モードに移行したときに、上記のような特徴の表示データを液晶パネル11にカラーで表示し、バックライトユニット12を中輝度に設定する。
【0066】
制御部190は、読み出した表示データがカラー表示データで、輝度データが通常輝度(高輝度)に設定されている場合には(S7:N、S8:N)、液晶パネル11にカラー表示データを表示し、バックライトユニット12の輝度を通常輝度に制御する(S1)。
【0067】
例えば、制御部190は、図7(D)に示した特別機能画面340のカラー調整ボタン345の操作を、タッチパネル21により検出すると、記憶部160から管理番号1−1−5の表示データと輝度データ読み出す。そして、図8(B)に示すモノクロのカラー調整表示データを液晶パネル11に表示させ、バックライトユニット12を低輝度に設定する。続いて、制御部190は、図8(B)に示したカラー調整画面360のRGB(赤・緑・青)調整ボタン361の操作を、タッチパネル21により検出すると、記憶部160から管理番号1−1−5−1の表示データと輝度データ読み出す。そして、図8(C)に示すカラーのRGB調整表示データを液晶パネル11に表示させ、バックライトユニット12を通常輝度(高輝度)に設定する。
【0068】
図8(C)に示したRGB調整表示データのように、液晶パネル11に表示する表示データが、カラーで表示すべき表示データや、非常に細かい文字や図形を含む表示データなどの場合、バックライトユニットの輝度を通常輝度(高輝度)よりも低くすると、表示データが見えにくくなる。そこで、画像形成装置100(表示装置101)では、第2待機モードから通常モードに移行したときに、上記のような特徴の表示データを液晶パネル11にカラーで表示し、バックライトユニット12を通常輝度(高輝度)に設定する。
【0069】
制御部190は、バックライトユニットの輝度を低輝度から高輝度に変更する場合には、輝度を段階的に変更するように設定してもよい。画像形成装置は、第2待機モードのときには、前記のように画像形成部を待機状態にしており、印刷が可能な状態に復帰するのに、例えば60秒程度必要である。この場合には、制御部190は、ステップS6において、ユーザの操作を検出すると、通常モードに移行中である旨の表示データを記憶部160から読み出して液晶パネル11に表示し、バックライトユニット12の輝度を低輝度に制御する。制御部190は、30秒が経過すると、バックライトユニット12の輝度を中輝度に変更する(S12)。そして、制御部190は、さらに30秒が経過すると、すなわち、ステップS6においてユーザの操作を検出してから60秒後にバックライトユニット12の輝度を高輝度に変更する(S1)。または、バックライトユニット12の輝度を低輝度から高輝度に徐々に変更させてもよい。このように、バックライトユニット12の輝度が段階的に変化するので、ユーザに違和感を与えることなく、輝度を変更できる。
【0070】
制御部190は、ステップS2またはステップS4において、所定時間(例えば5分間)が経過するまでに、ユーザの操作、またはパソコン210からの印刷ジョブを受け付けた場合には(S2:N、またはS4:N)、実行するジョブが所定量以上、例えば印刷枚数が10枚以上の印刷ジョブであるかどうかを確認する(S9)。制御部190は、実行するジョブが印刷枚数10枚以上の印刷ジョブの場合には(S9:Y)、記憶部160から管理番号3−1の表示データと輝度データを読み出す。そして、図8(D)に示すモノクロのプリントジョブ状況表示データを液晶パネル11に表示させ、バックライトユニット12を低輝度に設定する(S10)。
【0071】
制御部190は、印刷ジョブが終了するまで、表示状態を変更せずに表示部10に印刷ジョブの進行状況の確認用表示データを表示する(S11:N、S10)。制御部190は、印刷ジョブが終了すると(S11:Y)、ステップS7の処理を行う。
【0072】
また、制御部190は、ステップS2またはステップS4で受け付けた処理が、印刷枚数10枚以上の印刷ジョブと異なる場合には(S9:N)、ステップS7の処理を行う。
【0073】
これらの場合には、制御部190は、実行するジョブに応じた表示データと対応する輝度データを記憶部160から読み出す。そして、制御部190は、読み出した表示データを液晶パネル11に表示し、読み出した輝度データに基づいてバックライトユニット12の輝度を制御する。
【0074】
このように、画像形成装置100では、ジョブを実行しない時間が所定時間経過したときだけでなく、ユーザの操作やジョブの入力があったときにも、受け付けたジョブを実行するときに表示する表示データの内容に応じて、輝度を低下させ、また視認性を向上させるために、表示データの色を変更する。これにより、表示データの視認性が低下することなく、表示部10のバックライトユニット12の寿命を延ばすことができ、消費電力を低減できる。
【0075】
なお、上記の説明では、起動直後は、表示部10のバックライトユニット12を通常輝度で点灯させるものとして説明したが、これに限るものではなく、起動直後から、表示データの内容に応じて、表示データの色や輝度を変更させてもよい。例えば、起動直後に表示するメニュー画面の表示データは、バックライトユニット12の輝度を低輝度に制御し、モノクロ表示データとして表示しても、視認性が低下することがない。そのため、起動直後から、バックライトユニット12の輝度を低輝度に制御して、モノクロ表示データを表示してもよい。
【0076】
また、起動直後からメニュー画面を上記のように低輝度・モノクロ表示データで表示するかどうかは、ユーザが設定できるように構成してもよい。
【0077】
また、バックライトユニット12の輝度を、通常輝度(高輝度)、中輝度、低輝度の3つの輝度に設定した例を説明したが、これに限らず、表示データに応じて、さらに輝度を細かく変更してもよい。
【0078】
また、上記の説明では、本発明の表示装置を画像形成装置に設けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他の装置に表示装置に設けてもよい。例えば、携帯電話やパソコンなど表示部(表示装置)備えた機器に本発明の適用が可能である。
【符号の説明】
【0079】
10…表示部 11…液晶パネル 12…バックライトユニット 14…LED 20…操作部 21…タッチパネル 40…光走査ユニット 41…中間転写ベルト 50A…画像形成ステーション 50A,50B,50C,50D…画像形成ステーション 51A,51B,51C,51D…感光体ドラム 60…中間転写ベルトユニット 70…二次転写ローラ 80…定着装置 91…給紙トレイ 92…トレイ 95…用紙排紙トレイ 100…画像形成装置 110…パネルユニット 120…自動原稿搬送部 121…原稿積載トレイ 122…搬送ユニット 123…原稿排出トレイ 130…画像読取部 140…画像形成部 150…給紙部 160…記憶部 170…画像処理部 180…通信部 190…制御部 200…通信回線 210…パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示データを表示する透過型の表示パネルと、
前記表示パネルの背面から光を照射するバックライトユニットと、
前記表示パネルに表示させる複数の表示データと、前記複数の表示データの各々に対応して設定された複数の輝度データと、を記憶する記憶部と、
前記表示パネルに表示すべき表示データと、それに対応する輝度データと、を前記記憶部から読み出し、読み出した表示データを前記表示パネルに表示し、読み出した輝度データに基づいて前記バックライトユニットの輝度を制御する表示制御を行う制御部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
ユーザの操作を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記バックライトユニットの輝度を通常輝度よりも低い輝度に制御する待機モードから、前記操作部が操作を受け付けて、この操作に応じた処理を行う通常モードに移行したときに、前記表示制御を行う、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部から読み出した輝度データに基づいて、前記バックライトユニットの輝度を所定時間毎に段階的に変更する、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記表示パネルに表示させる表示データが図形を含まない場合、
この表示データを前記表示パネルにモノクロで表示するモノクロ表示データと、前記バックライトユニットの通常輝度よりも低い輝度に設定する低輝度データと、を関連付けて記憶する、請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
印刷ジョブを受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた印刷ジョブに応じた印刷画像データを記録媒体に印刷する画像形成部と、
前記受付部で受け付ける印刷ジョブに関する表示データを前記表示パネルに表示する、請求項1乃至4のいずれかに記載の表示装置と、
を備えた画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記受付部で所定量以上の印刷ジョブを受け付けると、印刷ジョブの進行状況の確認用表示データと、それに対応する輝度データと、を前記記憶部から読み出して、前記表示制御を行う、請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−3285(P2013−3285A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132919(P2011−132919)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】